JP4304967B2 - 車両用変速制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用変速制御装置に関する。特に本発明は、気筒の吸気弁および排気弁の少なくとも一方をアクチュエータによって開閉動作することで、自身の回転速度を制御できるエンジンを備えている車両の変速制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動変速機の特定の変速を実行する場合、変速機の摩擦係合要素が係合されることによってエンジン回転速度が変化し、イナーシャ相が開始することが知られている。
【0003】
また、たとえば、解放側の摩擦係合要素の伝達トルク容量を制御手段により低減して解放側摩擦係合要素を解放すると共に、係合側摩擦係合要素の伝達トルク容量を制御手段により増大して係合側摩擦係合要素を係合することによりアップシフトを行う、いわゆるクラッチツウクラッチ変速が実施されることがある。
【0004】
クラッチツウクラッチ変速においては、解放側摩擦係合要素の係合トルク容量の低下と係合側摩擦係合要素の係合トルクの上昇とを適切なタイミングで実行するために、クラッチツウクラッチ変速制御手段が用いられる。このクラッチツウクラッチ変速制御手段は、たとえば係合側摩擦係合要素の係合圧の上昇に応じて解放側油圧係合要素のドレン油路を開くように制御するとともに、自動変速機の入力トルクに応じてそのドレン油路を閉じるように制御することにより、解放側摩擦係合要素の解放圧と係合側摩擦係合要素の係合圧とを制御する。また、この際、係合圧とドレン圧(解放圧)とを変速の進行状況に応じて所定の関係に調圧することにより、変速中のスロットル開度の変化等にも対応できるように解放及び係合のタイミングを修正し、変速ショックの発生を抑えている。クラッチツウクラッチ変速制御手段は、たとえば、特開平8−285064号公報(特許文献1)、特開平8−285065号公報(特許文献2)、特開平11−117778号公報(特許文献3)などに開示されている。
【0005】
たとえば、特開2000−8931号公報(特許文献4)は、ダウンシフト時に、排気弁の開弁時期を膨張行程前期または中期から後期へステップ的に変化させることを開示する。
【0006】
特開平7−139382号公報(特許文献5)は、自動変速機において、変速中のトルク相からイナーシャ相への進行状態を高精度で検出し、その検出結果に基づいて変速低減のためエンジンの出力制御を最適タイミングで実施することを開示する。
【0007】
【特許文献1】
特開平8−285064号公報
【特許文献2】
特開平8−285065号公報
【特許文献3】
特開平11−117778号公報
【特許文献4】
特開2000−8931号公報
【特許文献5】
特開平7−139382号公報。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のクラッチツウクラッチ変速制御手段においては、解放側摩擦係合要素の係合トルクの低下が早すぎるために一時的に発生するオーバーシュート(エンジン吹き)は、車両の走行状態等の外部要因によっても変動する。このため、オーバーシュート量の変動に対応するための制御が必要となり、制御が複雑になっていた。また、たとえ、オーバーシュート量の変動に対応するための制御を備えていたとしても、オーバーシュート量の変動に適切に対応できない場合も生じるため、変速中にショックが発生するおそれがあった。
【0009】
また、一方向クラッチを用いて変速を行う場合には、制御はクラッチツウクラッチ変速よりも簡便となるが、変速ショックのレベルが上がる程、変速ショックを防止するためには、制御に要求される精度が厳しくなる。
【0010】
そこで本発明は、上記の課題を解決することのできる車両用変速制御装置を提供することを目的とする。この目的は特許請求の範囲における独立項に記載の特徴の組み合わせにより達成される。また従属項は本発明の更なる有利な具体例を規定する。
【0011】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明の望ましい態様は、気筒の吸気弁および排気弁の少なくとも一方がアクチュエータによって開閉動作される形式のエンジンと自動変速機とを備えた車両において、前記吸気弁あるいは排気弁の少なくとも一方の開閉動作を制御する弁駆動制御手段を含み、変速時のエンジン回転速度を制御する変速時エンジン回転制御手段を備え、変速時に、前記弁駆動制御手段で前記エンジン回転速度を低下させることによりイナーシャ相を開始させ、前記変速時の変速がアップシフト変速であるアップシフト変速時において、第1の摩擦係合要素を解放するとともに第2の摩擦係合要素を係合することにより係合要素の掴み換えを行うクラッチツウクラッチ変速を制御する変速制御装置であって、前記第1の摩擦係合要素および第2の摩擦係合要素をアンダーラップ状態に制御する係合力制御手段を更に備え、前記弁駆動制御手段が、前記アンダーラップ状態発生時において、前記自動変速機による変速時のエンジン回転速度を制御する。
【0012】
ここで、吸気弁および排気弁は、たとえば、電磁駆動弁、モータによって駆動するモータ駆動弁などである。
【0014】
また、気筒の吸気弁および排気弁の少なくとも一方がアクチュエータによって開閉動作される形式のエンジンと自動変速機とを備えた車両において、前記吸気弁あるいは排気弁の少なくとも一方の開閉動作を制御する弁駆動制御手段を含み、変速時のエンジン回転速度を制御する変速時エンジン回転制御手段を備え、変速時に、前記弁駆動制御手段で前記エンジン回転速度を低下させることによりイナーシャ相を開始させ、イナーシャ相が、前記弁駆動制御手段による、変速時のエンジン回転速度を低下させる第1の制御によって開始したか、前記第1の制御以外の制御によって開始したかで変速時の学習制御を異ならせる。
【0016】
また、望ましくは、前記弁駆動制御手段によるエンジン回転速度制御が可能か否かを判定するエンジン回転速度制御判定手段を更に備え、前記自動変速機による変速時において、前記エンジン回転速度制御判定手段の判定結果に応じて、前記弁駆動制御手段によるエンジン回転速度制御と、前記係合力制御手段によるエンジン回転速度制御との使い分け、あるいは併用が行われる。
【0017】
また、望ましくは、前記第1の摩擦係合要素の解放状態および前記第2の摩擦係合要素の係合状態を学習する学習手段を更に備え、前記弁駆動制御手段によりエンジン回転速度を低下させる第2の制御のみでイナーシャ相が開始されたか前記第2の制御以外の制御も用いてイナーシャ相が開始されたかに応じて、異なる学習を行う。
【0018】
また、望ましくは、前記学習手段は、前記第1の摩擦係合要素、前記第2の摩擦係合要素、それぞれの油圧値あるいは解放/係合タイミングについての学習を行う。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は請求項にかかる発明を限定するものではなく、又実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0020】
図1は、本発明が適用されたハイブリッド車両の動力伝達装置8の構成を説明する骨子図である。図1において、内燃機関にて構成されている走行用駆動力源としてのエンジン10の出力は、入力クラッチ12、流体式動力伝達装置としてのトルクコンバータ14を経て自動変速機16に入力され、図示しない差動歯車装置および車軸を介して駆動輪へ伝達されるようになっている。上記入力クラッチ12とトルクコンバータ14との間には、回転機として電動モータおよび発電機として機能する第1モータジェネレータMG1が配設されている。上記トルクコンバータ14は、入力クラッチ12に連結されたポンプ翼車20と、それらポンプ翼車20およびタービン翼車24の間を直結するためのロックアップクラッチ26と、一方向クラッチ28によって一方向の回転が阻止されているステータ翼車30とを備えている。
【0021】
上記自動変速機16は、ハイおよびローの2段の切り換えを行う第1変速部32と、後進変速段および前進4段の切り換えが可能な第2変速部34とを備えている。第1変速部32は、サンギヤS0、リングギアR0、およびキャリアK0に回転可能に支持されてそれらサンギヤS0およびリングギアR0に噛み合わされている遊星ギアP0から成るHL遊星歯車装置36と、サンギヤS0とキャリアK0との間に設けられたクラッチC0および一方向クラッチF0と、サンギヤS0およびハウジング38間に設けられたブレーキB0とを備えている。
【0022】
第2変速部34は、サンギヤS1、リングギヤR1、およびキャリアK1に回転可能に支持されてそれらサンギヤS1およびリングギヤR1に噛み合わされている遊星ギヤP1から成る第1遊星歯車装置40と、サンギヤS2、リングギヤR2、およびキャリアK2に回転可能に支持されてそれらサンギヤS2およびリングギヤR2に噛み合わされている遊星ギヤP2から成る第2遊星歯車装置42と、サンギヤS3、リングギヤR3、およびキャリアK3に回転可能に支持されてそれらサンギヤS3およびリングギヤR3に噛み合わされている遊星ギヤP3から成る第3遊星歯車装置44とを備えている。
【0023】
上記サンギヤS1とサンギヤS2は互いに一体的に連結され、リングギヤR1とキャリアK2とキャリアK3とが一体的に連結され、そのキャリアK3は出力軸46に連結されている。また、リングギヤR2がサンギヤS3および中間軸48に一体的に連結されている。そして、リングギヤR0と中間軸48との間にクラッチC1が設けられ、サンギヤS1およびサンギヤS2とリングギヤR0との間にクラッチC2が設けられている。また、サンギヤS1およびサンギヤS2の回転を止めるためのバンド形式のブレーキB2がハウジング38に設けられている。また、サンギヤS1およびサンギヤS2とハウジング38との間には、一方向クラッチF1およびブレーキB2が直列に設けられている。この一方向クラッチF1は、サンギヤS1およびサンギヤS2が入力軸22と反対の方向へ逆回転しようとする際に係合させられるように構成されている。
【0024】
キャリアK1とハウジング38との間にはブレーキB3が設けられており、リングギヤR3とハウジング38との間には、ブレーキB4と一方向クラッチF2とが並列に設けられている。この一方向クラッチF2は、リングギヤR3が逆回転しようとする際に係合させられるように構成されている。
【0025】
以上のように構成された自動変速機16では、たとえば図2に示す作動表に従って後進1段および変速比が順次異なる前進5段の変速段のいずれかに切り換えられる。図2において「○」は係合状態を表し、空欄は解放状態を表し、「◎」はエンジンブレーキのときの係合状態を表し、「△」は動力伝達に関与しない係合を表している。この図2から明らかなように、第2変速段(2nd)から第3変速段(3rd)へのアップシフトでは、ブレーキB3を解放すると同時にブレーキB2を係合させるクラッチツウクラッチ変速が行われ、ブレーキB3の解放過程で係合トルクを持たせる期間とブレーキB2の係合過程で係合トルクを持たせる期間とがオーバーラップして設けられる。それ以外の変速は、1つのクラッチまたはブレーキの係合或いは解放作動だけで行われるようになっている。上記クラッチおよびブレーキは何れも油圧アクチュエータによって係合させられる油圧式摩擦係合装置である。
【0026】
前記エンジン10は、後述する過給機54を備えているとともに、燃料消費を減少させるために、燃料が筒内噴射されることにより軽負荷時においては空燃比A/Fが理論空燃比よりも高い燃焼である希薄燃焼が行われるリーンバーンエンジンである。このエンジン10は、3気筒ずつから構成される左右1対のバンクを備え、その1対のバンクは単独で或いは同時に作動させられるようになっている。すなわち、作動気筒数の変更が可能となっている。
【0027】
たとえば図3に示すように、前記エンジン10の吸気配管50および排気管52には、排気タービン式過給機(以下、過給機という)54が設けられている。この過給機54は、排気管52内において排気の流れにより回転駆動されるタービン翼車56と、エンジン10への吸入空気を圧縮するために吸気配管50内に設けられ且つタービン翼車56に連結されたポンプ翼車58とを備え、そのポンプ翼車58がタービン翼車56によって回転駆動されるようになっている。上記排気管52には、ウエイストゲート弁59を備えてタービン翼車56をバイパスするバイパス管61が並列に設けられており、タービン翼車56を通過する排気ガス量とバイパス管61を通過する排気ガス量との比率が変化させられることにより、吸気管50内の過給圧Paが調節されるようになっている。なお、このような排気タービン式過給機に代えて、エンジン或いは電動機によって回転駆動される機械ポンプ式の過給機が設けられてもよい。
【0028】
上記エンジン10の吸気配管50には、スロットルアクチュエータ60によって開閉制御されるスロットル弁62が設けられている。このスロットル弁62は、基本的には図示しないアクセルペダルの操作量すなわちアクセル開度θACCに対応する開度θTHとなるように制御されるが、エンジン10の出力を調節するために変速過渡時などの種種の車両状態に応じた開度となるように制御されるようになっている。
【0029】
また、図3に示すように、前記第1モータジェネレータMG1はエンジン10と自動変速機16との間に配置され、入力クラッチ12はエンジン10と第1モータジェネレータMG1との間に配置されている。上記自動変速機16の各油圧式摩擦係合装置およびロックアップクラッチ26は、電動油圧ポンプ64から発生する油圧を元圧とする油圧制御回路66により制御されるようになっている。また、エンジン10には第2モータジェネレータMG2が作動的に連結されている。そして、第1モータジェネレータMG1および第2モータジェネレータMG2の電源として機能する燃料電池70および二次電池71と、それ等から第1モータジェネレータMG1および第2モータジェネレータMG2へ供給される電流を制御したり或いは充電のために二次電池71へ供給される電流を制御するための切換スイッチ72および73とが設けられている。この切換スイッチ72および73は、スイッチ機能を有する装置を示すものであって、たとえばインバータ機能などを有する半導体スイッチング素子などから構成され得るものである。
【0030】
また、エンジン10は、図4に示すように、各気筒の吸気弁74および排気弁75が電磁駆動弁によって構成されており、それ等の吸気弁74および排気弁75を開閉駆動する電磁アクチュエータ76および77を含む可変動弁機構78と、クランク軸79の回転角を検出するクランク軸回転角センサ80からの信号に従って上記吸気弁74および排気弁75の開閉タイミングやリフト量、作動角(開閉速度)を制御する弁駆動制御装置81とを備えている。この弁駆動制御装置81は、エンジン負荷に応じて開閉タイミングなどを最適時期に変更するだけでなく、運転サイクル切換え指令に従ってエンジン10を4サイクル運転させるための時期および2サイクル運転させるための時期となるように制御する。また、吸気弁74および/または排気弁75の作動タイミングを変更したり、作動気筒数を変更したりすることにより、エンジン自身でエンジン回転速度NEを制御することが可能で、たとえば吸気弁74を閉じたまま排気弁75を通常の制御に従って開閉することにより、ピストンの圧縮仕事で回転エネルギーを消費させてエンジン回転速度NEを強制的に速やかに低下させることができるとともに、吸気弁74の開度を制御してエンジン回転速度NEの変化率を調整することができる。上記電磁アクチュエータ76および77は、たとえば図5に示すように、吸気弁74または排気弁75に連結されてその吸気弁74または排気弁75の軸心方向に移動可能に支持された磁性体製の円盤状の可動部材82と、その可動部材82を択一的に吸着するためにそれを挟む位置に設けられた一対の電磁石84、85と、可動部材82をその中立位置に向かって付勢する一対のスプリング86、87とを備えている。吸気弁74および排気弁75は、電気的に開閉制御可能な電磁開閉弁に相当する。
【0031】
図6は、電子制御装置90に入力される信号およびその電子制御装置90から出力される信号を例示している。たとえば、電子制御装置90には、アクセルペダルの操作量であるアクセル開度θACCを表すアクセル開度信号、スロットル弁62の開度θTHを表すスロットル開度信号、自動変速機16の出力軸46の回転速度Noutすなわち車速Vに対応する車速信号、エンジン回転速度NEを表す信号、吸気配管50内の過給圧Paを表す信号、空燃比A/Fを表す信号、シフトレバー92の操作量SHを表す信号、自動変速機16の作動油温度すなわちAT油温TOILなどが図示しないセンサから供給されている。また、電子制御装置90からは、アクセル開度θACCに応じた大きさのスロットル開度θTHとするためのスロットルアクチュエータ60を駆動する信号、燃料噴射弁からエンジン10の気筒内へ噴射される燃料の量を制御するための噴射信号、自動変速機16のギヤ段を切り換えるために油圧制御回路66内のシフト弁を駆動するシフトソレノイドを制御する信号S1、S2、S3、ロックアップクラッチ26の係合、解放、スリップ量、ブレーキB3の直接制御、およびクラッチツウクラッチ変速を制御するリニアソレノイド弁SLUを駆動するための指令信号DSLU、第1スロットル弁52の開度θTHに対応した大きさのスロットル圧PTHを発生させるリニアソレノイド弁SLTを駆動するための指令信号DSLT、アキュム背圧を制御するためのリニアソレノイド弁SLNを駆動する指令値信号DSLNをそれぞれ出力させる。
【0032】
上記電子制御装置90は、CPU、ROM、RAM、入出力インターフェースなどから成る所謂マイクロコンピュータを含んで構成されており、RAMの一時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことにより、前記スロットルアクチュエータ60や弁駆動制御装置81、点火装置112、燃料噴射装置114などによりエンジン10の出力制御を行ったり、MG1コントローラ116,MG2コントローラ118によりモータジェネレータMG1、MG2の力行制御や回生制御を行ったり、油圧制御回路66のATシフトソレノイド120の励磁、非励磁により油圧回路を切り換えるなどして自動変速機16の変速制御を行ったり、その変速時に係合または解放される前記クラッチC0〜C2やブレーキB0〜B4の過渡油圧を制御したり、ロックアップクラッチ26の係合、解放状態を切り換えたり、その他の各種の制御を実行する。
【0033】
前記電子制御装置90は、図7に示すように変速時エンジン回転制御手段200を機能的に備えており、自動変速機16の変速時に、前記弁駆動制御装置81、変速過渡油圧制御装置122によりエンジン回転速度NEを制御することにより、エンジン10のイナーシャなどで駆動トルク変動等のショックが発生することを防止するようになっている。
【0034】
変速時エンジン回転制御手段200は、クラッチツウクラッチ変速判定手段210、エンジン回転制御判定手段220、弁制御手段230、係合力制御手段240を備え、図8に示すフローチャートに従って動作する。
【0035】
図8は、前記電子制御装置90の制御作動の要部すなわちクラッチツウクラッチ変速制御作動を説明するフローチャートである。図8において、まず、実施する変速がクラッチツウクラッチ変速(ここでは、2速から3速へのアップシフト)であるか否かが判定される(S20)。ここでの判定は、上記クラッチツウクラッチ変速判定手段210によって行われ、よく知られた図示しない変速線図から車両の走行状態、たとえば実際のスロットル開度θTHおよび車速Vに基づいて実行される。これから実施する変速がクラッチツウクラッチ変速でないと判定された場合には、本ルーチンは終了する。
【0036】
一方、実施する変速がクラッチツウクラッチ変速であると判定された場合には、電磁駆動弁の作動によるエンジン回転制御が可能であるか否かが、たとえば、エンジン回転速度NEが予め定められた所定の制御可能範囲内か、二次電池71の残容量SOCや燃料電池70の燃料残量が所定値以上か否か、などによって判定される(S30)。この判定は、エンジン回転制御判定手段220によって行われる。なお、本実施形態においては、弁駆動制御装置81によるエンジン回転速度制御の可否を判定しているだけであるが、弁駆動制御装置81によるエンジン回転速度制御の能力に応じて更に場合分けすることも可能である。
【0037】
電磁駆動弁によるエンジン回転制御が不可能な場合には、従来から知られた一般的なクラッチツウクラッチ制御が開始される。まず、変速過渡油圧制御装置122によるクラッチC0〜C2やブレーキB0〜B4の過渡油圧制御だけで、エンジン回転速度NEが予め定められた理想の目標回転速度変化に従って変化するようにフィードバック制御される(S40)。変速過渡油圧制御装置122のフィードバック制御は、係合力制御手段240によって行われる。なお、本実施形態においては、フィードバック制御を用いているが、フィードフォワード制御を用いたり、フィードバック制御およびフィードフォワード制御を併用したりすることも可能である。
【0038】
次に、点火時期の遅角制御やスロットル制御などにより、エンジン10のトルクダウン制御を実施され、イナーシャ相が開始される。ここでは弁駆動制御装置81によるエンジン回転速度制御が行われないため、従来と同様に通常のエンジントルクダウン量、タイミングが設定される(S50)。
【0039】
また、今回の制御結果に基づいて変速過渡油圧制御装置122による過渡油圧のフィードバック制御の初期値などの制御値について、オーバーシュート量ΔN(図9参照)、変速の種類やスロットル開度θTHなどに応じて学習補正する(S60)。この学習補正は、たとえば、特開平8−285064号公報、特開平3−37470号公報、特開平3−282018号公報などに記載されており、種種の態様が可能である。
【0040】
一方、S30において電磁駆動弁によるエンジン回転制御が可能と判定された場合には、変速中のエンジン回転速度NEが上記の目標回転速度変化に従って変化するように、弁駆動制御装置81から電磁アクチュエータ76、77に出力される励磁電流をフィードバック制御し、たとえば吸気弁74や排気弁75の開閉タイミングなどを変更してエンジン回転速度NEを強制的に低下させる制御が開始される。
【0041】
まず、図9に示すように、係合側摩擦係合装置であるブレーキB2、および解放側摩擦係合装置であるB3の係合油圧とが共に所定値a以下になるようにアンダーラップ制御される(S70)。
【0042】
この状態で、弁駆動制御装置81によってエンジン回転速度NEを低下させることにより、強制的にイナーシャ相を発生させる。そして、時間t2〜t3のイナーシャ相において、エンジン回転速度NEが実線で示す目標回転速度変化となるようにフィードバック制御が行われる(S80)。変速過渡油圧制御装置122のフィードバック制御は、弁制御手段230により行われる。このイナーシャ相のエンジン回転速度変化の傾きは、変速の速さやショックに関係するもので、スポーツ走行モードやエコノミー走行モード、通常走行モードなどの設定や変速の種類などに応じて適宜設定される。なお、図9の時間t1は、2→3変速におけるブレーキB2の解放開始時間など、変速の開始時間である。
【0043】
このように、イナーシャ相が弁駆動制御装置81によって開始された場合には、通常のクラッチツウクラッチ変速の場合と学習が区別される。すなわち、過渡油圧のフィードバック制御の初期値などの制御値の学習補正は制限される(S90)。
【0044】
なお、上記弁駆動制御装置81によるエンジン回転速度制御だけでは、エンジン回転速度NEの変化量や変化速度が十分でない場合は、前記変速過渡油圧制御装置122によって制御されるクラッチC0〜C2やブレーキB0〜B4の過渡油圧(たとえば2→3変速の場合、ブレーキB2を解放した後のブレーキB3の係合過渡油圧)を、エンジン回転速度NEが上記目標回転速度変化に従って変化するようにフィードバック制御する。この過渡油圧のフィードバック制御は、たとえば特開平8−270780号公報、特開平11−182663号公報などに記載されているように種種の態様が可能で、ここでは弁駆動制御装置81によるエンジン回転速度制御の能力に応じて補完的に実施してもよい。なお、本実施形態においては、フィードバック制御を用いているが、フィードフォワード制御を用いたり、フィードバック制御およびフィードフォワード制御を併用したりすることも可能である。
【0045】
以上のように、本実施形態においては、自動変速機16のクラッチツウクラッチ変速時に、弁駆動制御装置81によるエンジン回転速度制御の可能性に応じて、弁駆動制御装置81によるエンジン回転速度制御と変速過渡油圧制御装置122によるエンジン回転速度制御との使い分け、あるいは併用が行われる。弁駆動制御装置81によるエンジン回転速度制御では、オーバーシュートが原理的に発生しないので、スムースな変速が実現できるととともに、オーバーシュート量に応じた学習補正用の制御が必要なくなる。これにより、制御が簡便になり、制御の安定性を高めることができる。
【0046】
また、オーバーシュート量に応じた学習補正を変速過渡油圧制御装置122によるエンジン回転速度制御が行われた場合に限定することにより、学習補正をより適切に行うことができ、変速過渡油圧制御装置122によるエンジン回転速度制御時の変速をよりスムースに行うことができる。
【0047】
なお、上述の実施形態においては、2→3変速(アップシフト)において実施されるクラッチツウクラッチ変速を例にして説明したが、他の変速段やダウンシフト時に実施されるクラッチツウクラッチ変速であっても差し支えない。
【0048】
次に、別の実施形態について説明する。本実施形態の基本構成は、既に述べた実施形態の基本構成(図1〜6)と同様であり、上述した実施形態と同一箇所は同一符号を使用して異なる部分について説明する。なお、本実施形態では、変速に一方向クラッチが使用されるが、クラッチツウクラッチ変速への適応も可能である。
【0049】
本実施形態の電子制御装置90は、図10に示すように変速時エンジン回転制御手段300を機能的に備えており、自動変速機16の変速時に、前記弁駆動制御装置81、変速過渡油圧制御装置122によりエンジン回転速度NEを制御することにより、エンジン10のイナーシャなどで駆動トルク変動等のショックが発生することを防止するようになっている。
【0050】
変速時エンジン回転制御手段300は、アップシフト判定手段310、エンジン回転制御判定手段320、弁制御手段330、係合力制御手段340を備え、図11に示すフローチャートに従って動作する。
【0051】
図11は、本実施形態で用いられる電子制御装置90の制御作動を説明するフローチャートである。図11において、まず、実施する変速がアップシフトであるか否かが判定される(S100)。ここでの判定は、上記アップシフト判定手段310によって行われ、たとえば実際のスロットル開度θTHおよび車速Vに基づいて実行される。これから実施する変速がアップシフトでないと判定された場合には、本ルーチンは終了する。
【0052】
一方、実施する変速がアップシフトであると判定された場合には、エンジン自ら回転数を変更可能か否かが判定される。本実施形態では、具体的には、電磁駆動弁の作動によるエンジン回転制御が可能であるか否かが、たとえば、エンジン回転速度NEが予め定められた所定の制御可能範囲内か、二次電池71の残容量SOCや燃料電池70の燃料残量が所定値以上か否か、などによって判定される(S110)。この判定は、エンジン回転制御判定手段320によって行われる。なお、本実施形態においては、弁駆動制御装置81によるエンジン回転速度制御の可否を判定しているだけであるが、弁駆動制御装置81によるエンジン回転速度制御の能力に応じて更に場合分けすることも可能である。
【0053】
エンジン自ら回転数を変更することができない場合には、従来から知られた通常のクラッチ制御が開始される(S120)。まず、変速過渡油圧制御装置122によって、一方向クラッチの過渡油圧制御だけで、エンジン回転速度NEが予め定められた理想の目標回転速度変化に従って変化するようにフィードバック制御される。図12の一点鎖線は、通常のクラッチ制御時の係合油圧の変化を示す。変速過渡油圧制御装置122のフィードバック制御は、係合力制御手段340によって行われる。なお、本実施形態においては、フィードバック制御を用いているが、フィードフォワード制御を用いたり、フィードバック制御およびフィードフォワード制御を併用したりすることも可能である。
【0054】
次に、点火時期の遅角制御やスロットル制御などにより、エンジン10のトルクダウン制御が実施され、イナーシャ相が開始される。ここでは弁駆動制御装置81によるエンジン回転速度制御が行われないため、従来と同様に通常のエンジントルクダウン量、タイミングが設定される。
【0055】
また、今回の制御結果に基づいて変速過渡油圧制御装置122による過渡油圧のフィードバック制御の初期値などの制御値について、オーバーシュート量ΔN、変速の種類やスロットル開度θTHなどに応じて学習補正する(S130)。この学習補正は、たとえば、特開平8−285064号公報、特開平3−37470号公報、特開平3−282018号公報などに記載されており、種種の態様が可能である。
【0056】
一方、S110においてエンジン自ら回転数を変更可能と判定された場合には、係合側クラッチの係合を図12の点線に示すようにイナーシャ相開始時刻t2よりも遅らせて開始させる(S140)。
【0057】
イナーシャ相開始時刻t2において、弁駆動制御装置81によって、吸気弁74および排気弁75の開閉タイミングなどを変更してエンジン回転速度NEを低下させることにより、強制的にイナーシャ相を発生させる。そして、時間t2〜t3のイナーシャ相において、エンジン回転速度NEが実線で示す目標回転速度変化となるようにフィードバック制御が行われる(S150)。
【0058】
なお、何らかの制約で回転数の変化量や変化速度がエンジン自ら十分に制御できない場合には、電磁駆動弁の制御性に応じて変速機の係合油圧と合わせて制御してもよい。この場合には、電磁駆動弁の制御電流と摩擦材の係合油圧を同時にフィードバック(またはフィードフォワード)制御する。
【0059】
イナーシャ相のエンジン回転速度変化の傾きは、変速の速さやショックに関係するもので、スポーツ走行モードやエコノミー走行モード、通常走行モードなどの設定や変速の種類などに応じて適宜設定される。
【0060】
このように、イナーシャ相が弁駆動制御装置81によって開始された場合には、通常のクラッチツウクラッチ変速の場合と学習が区別される。すなわち、過渡油圧のフィードバック制御の初期値などの制御値の学習補正は制限される(S160)。
【0061】
なお、エンジン自らエンジン回転速度を十分に制御できない場合に、電磁駆動弁と係合油圧の両方での制御によりイナーシャ相が開始したときはこれをさらに区別し学習してもよい。
【0062】
なお、本実施形態においては、吸気弁74および排気弁75に電磁駆動弁が用いられているが、吸気弁74ないし排気弁75のいずれか一方に電磁駆動弁を用いて、エンジン自らエンジン回転数を低下できるようにしてもよい。また、吸気弁74/またはおよび排気弁75を制御する方法としては、電磁駆動弁に限られず、たとえば電動機で弁を駆動するモータ駆動弁を用いることも可能である。
【0063】
以上のように、本実施形態においては、自動変速機16のアップシフト変速時に、弁駆動制御装置81によるエンジン回転速度制御の可能性に応じて、弁駆動制御装置81によるエンジン回転速度制御と変速過渡油圧制御装置122によるエンジン回転速度制御との使い分け、あるいは併用が行われる。従って弁駆動制御装置81のみによるエンジン回転制御の場合は、オーバーシュートが発生せず、弁駆動制御装置81を併用した場合は、併用の度合いに応じてオーバーシュート量が変化する。
【0064】
また、オーバーシュート量に応じた学習補正を変速過渡油圧制御装置122によるエンジン回転速度制御が行われた場合に限定することにより、学習補正をより適切に行うことができ、変速過渡油圧制御装置122によるエンジン回転速度制御時の変速をよりスムースに行うことができる。
【0065】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることができる。たとえば、本実施形態では、クラッチツウクラッチ変速としたが、ワンウェイクラッチを用いた変速にも適用可能である。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0066】
【発明の効果】
上記説明から明らかなように、本発明によれば、弁駆動制御装置によるエンジン回転速度制御を行うことにより、クラッチツウクラッチ変速をスムースに行うことができる。
【0067】
また、本発明によれば、弁駆動制御装置によるエンジン回転速度制御を行うことにより、アップシフト変速をスムースに行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明が適用されたハイブリッド車両の車両用動力伝達装置を説明する骨子図である。
【図2】 図1の自動変速機における、複数の油圧式摩擦係合装置の作動の組み合わせとそれにより成立する変速段との関係を示す図である。
【図3】 図1の車両用動力伝達装置の概略構成図である。
【図4】 図1のエンジンの各気筒に設けられた可変動弁機構を説明する図である。
【図5】 図4の可変動弁機構に設けられて吸気弁或いは排気弁を所望のタイミングで開閉作動させる電磁アクチュエータの構成を説明する図である。
【図6】 図1の車両用動力伝達装置が備えている制御系統の要部を説明するブロック線図である。
【図7】 変速時のエンジン回転速度制御に関して図6の電子制御装置(ECU)が備えている機能を説明するブロック線図である。
【図8】 電子制御装置90の制御作動の要部すなわちクラッチツウクラッチ変速制御作動を説明するフローチャートである。
【図9】 2→3変速のアップシフト時のブレーキB2、B3の係合油圧、アウトプットトルクおよびエンジン回転速度NEの変化を示すタイムチャートの一例である。
【図10】 別の実施形態において、変速時のエンジン回転速度制御に関して図6の電子制御装置(ECU)が備えている機能を説明するブロック線図である。
【図11】 別の実施形態で用いられる電子制御装置90の制御作動を説明するフローチャートである。
【図12】 一方向クラッチを使用するアップシフト時の係合油圧、アウトプットトルクおよびエンジン回転速度NEの変化を示すタイムチャートの一例である。
【符号の説明】
8 動力伝達装置、10 エンジン、12 入力クラッチ、14 トルクコンバータ、16 自動変速機、20 ポンプ翼車、22 入力軸、24 タービン翼車、26 ロックアップクラッチ、28 一方向クラッチ、30 ステータ翼車、38 ハウジング、46 出力軸、48 中間軸、50 吸気管、50 吸気配管、52 排気管、54 過給機、56 タービン翼車、58 ポンプ翼車、59 ウエイストゲート弁、60 スロットルアクチュエータ、61 バイパス管、62 スロットル弁、64 電動油圧ポンプ、66 油圧制御回路、70燃料電池、71 二次電池、72 切換スイッチ、74 吸気弁、75 排気弁、76,77 電磁アクチュエータ、78 可変動弁機構、79 クランク軸、80 クランク軸回転角センサ、81 弁駆動制御装置、82 可動部材84,85 電磁石、86,87 スプリング、90 電子制御装置、92 シフトレバー、116 MG1コントローラ、118 MG2コントローラ、120 シフトソレノイド、122 変速過渡油圧制御装置、200 変速時エンジン回転制御手段、210 クラッチツウクラッチ変速判定手段、220 エンジン回転制御判定手段、230 弁制御手段、240 係合力制御手段。
Claims (5)
- 気筒の吸気弁および排気弁の少なくとも一方がアクチュエータによって開閉動作される形式のエンジンと自動変速機とを備えた車両において、
前記吸気弁および排気弁の少なくとも一方の開閉動作を制御する弁駆動制御手段を含み、変速時のエンジン回転速度を制御する変速時エンジン回転制御手段を備え、
変速時に、前記弁駆動制御手段で前記エンジン回転速度を低下させることによりイナーシャ相を開始させ、
前記変速時の変速がアップシフト変速であるアップシフト変速時において、第1の摩擦係合要素を解放するとともに第2の摩擦係合要素を係合することにより係合要素の掴み換えを行うクラッチツウクラッチ変速を制御する変速制御装置であって、
前記第1の摩擦係合要素および第2の摩擦係合要素をアンダーラップ状態に制御する係合力制御手段を更に備え、
前記弁駆動制御手段が、前記アンダーラップ状態発生時において、前記自動変速機による変速時のエンジン回転速度を制御することを特徴とする車両用変速制御装置。 - 気筒の吸気弁および排気弁の少なくとも一方がアクチュエータによって開閉動作される形式のエンジンと自動変速機とを備えた車両において、
前記吸気弁および排気弁の少なくとも一方の開閉動作を制御する弁駆動制御手段を含み、変速時のエンジン回転速度を制御する変速時エンジン回転制御手段を備え、
変速時に、前記弁駆動制御手段で前記エンジン回転速度を低下させることによりイナーシャ相を開始させ、
イナーシャ相が、前記弁駆動制御手段による、変速時のエンジン回転速度を低下させる第1の制御によって開始したか、前記第1の制御以外の制御によって開始したかで変速時の学習制御を異ならせることを特徴とする車両用変速制御装置。 - 前記弁駆動制御手段によるエンジン回転速度制御が可能か否かを判定するエンジン回転速度制御判定手段を更に備え、
前記自動変速機による変速時において、前記エンジン回転速度制御判定手段の判定結果に応じて、前記弁駆動制御手段によるエンジン回転速度制御と、前記係合力制御手段によるエンジン回転速度制御との使い分け、あるいは併用が行われることを特徴とする請求項1に記載の車両用変速制御装置。 - 前記第1の摩擦係合要素の解放状態および前記第2の摩擦係合要素の係合状態を学習する学習手段を更に備え、
前記弁駆動制御手段によりエンジン回転速度を低下させる第2の制御のみでイナーシャ相が開始されたか、前記第2の制御以外の制御も用いてイナーシャ相が開始されたかに応じて、異なる学習を行うことを特徴とする請求項1または3に記載の車両用変速制御装置。 - 前記学習手段は、前記第1の摩擦係合要素、前記第2の摩擦係合要素、それぞれの油圧値あるいは解放/係合タイミングについての学習を行うことを特徴とする請求項4に記載の車両用変速制御装置。
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