JP4178994B2 - 車両用動力伝達装置の制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、吸気弁および排気弁の少なくとも一方の作動特性を可変させる形式のエンジンと、そのエンジンの出力を駆動輪に伝達する動力伝達装置とを備えた車両の制御装置に関し、特に、そのエンジンの吸気弁および排気弁の少なくとも一方の作動の学習が成立したか否かに基づいて、その動力伝達装置の作動を制御或いは学習制御する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
吸気弁および排気弁の少なくとも一方の作動特性を可変させる形式のエンジン、たとえば前記吸気弁或いは排気弁が電磁アクチュエータによって電気的に開閉駆動制御される開閉制御弁すなわち電磁駆動弁から構成されている可変動弁機構を備えたエンジンにおいて、その可変動弁機構が学習制御される車両が知られている。たとえば、特許文献1に示すようにその可変動弁機構の出荷前或いはその可変動弁機構がそのエンジンに組み付けられる前に所期のエンジン出力特性が生じるようにその可変動弁機構が学習制御されて、そのエンジンが組み上げられた後に初めて運転されるときにその可変動弁機構の学習制御に要する時間が短縮されることが提案されている。さらに、そのエンジンが組み上げられた段階でその可変動弁機構の学習制御が実行されれば、そのエンジンが車両に搭載された後に初めて運転されるときにその可変動弁機構の学習制御に要する時間が短縮されることも同時に提案されている。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−270425号公報
【特許文献2】
特開2000−205393号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、実際に車両に搭載されたエンジンに備えられた可変動弁機構の学習制御が実行されたか否かに基づいて、そのエンジンの出力を駆動輪へ伝達する動力伝達装置の作動を制御或いは学習制御する技術に関しては提案されてなかった。また、エンジンの可変動弁機構の学習結果が記憶されている車両に搭載されたメモリーが初期化すなわちクリアされた状態、たとえばバッテリーを外すと記憶が消去されるメモリーの場合であったり或いは不揮発性メモリーたとえばインスピアEPROM(EEPROM)の場合であってもディーラー等でそのEEPROMの記憶が初期化されたり、そのEEPROMが交換されたりしてEEPROMの記憶が初期化されたのと同等の状態となる場合があった。そのため、たとえば上記可変動弁機構の学習制御が実行すなわち学習が成立していない段階では、その可変動弁機構の開閉制御弁たとえば電磁駆動弁のタイミング等が適切に制御されないためにエンジントルクが不安定となり、またそのエンジントルクの推定も困難になる可能性がある。したがって、要求されるエンジントルクが大きい程ばらつきが大きくなり適切にそのエンジントルクが把握されなかったり、またその動力伝達装置の作動が適切に学習制御されない可能性がありその動力伝達装置の作動に伴う変速ショックが発生して、たとえば自動変速機の係合装置の係合圧の学習制御が適切に実行されなくてその自動変速機の変速時に変速ショックが発生したりして、ドライバビリティが損なわれる可能性があった。
【0005】
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、吸気弁および排気弁の少なくとも一方の作動特性を可変させる形式のエンジンと、そのエンジンの出力を駆動輪に伝達する動力伝達装置とを備えた車両の制御装置に関し、特に、そのエンジンの吸気弁および排気弁の少なくとも一方の作動の学習が成立したか否かに基づいて、そのエンジンの出力を駆動輪に伝達する動力伝達装置の作動を制御或いは学習制御することで、動力伝達装置の作動に伴うショックの発生を抑制してドライバビリティを向上する車両の制御装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、(a) 吸気弁および排気弁の少なくとも一方の作動特性を可変させる形式のエンジンと、そのエンジンの出力を駆動輪に伝達する動力伝達装置とを備えた車両の制御装置であって、(b) 前記エンジンの吸気弁および排気弁の少なくとも一方の作動を学習制御する弁作動学習制御手段と、(c) その弁作動学習制御手段による前記エンジンの吸気弁および排気弁の少なくとも一方の作動の学習が成立したか否かを、前記エンジンの作動範囲の全域にわたって所期の出力特性が安定して得られる状態となったことに基づいて判定する弁学習成立判定手段と、(d) その弁学習成立判定手段によって前記エンジンの吸気弁および排気弁の少なくとも一方の作動の学習が成立したと判定されてから、前記動力伝達装置の作動を学習制御する伝達装置学習制御手段とを、含むことにある。
【0007】
【発明の効果】
このようにすれば、前記伝達装置学習制御手段は、前記弁学習成立判定手段によって前記エンジンの吸気弁および排気弁の少なくとも一方の作動の学習が成立したと、前記エンジンの作動範囲の全域にわたって所期の出力特性が安定して得られる状態となったことに基づいて判定されるまで前記動力伝達装置の作動を学習制御しないので、たとえばエンジントルクが安定していない状態のままで前記動力伝達装置の作動を学習制御しないので、その動力伝達装置の作動が適切に学習制御されないことが避けられて、その動力伝達装置の作動が適切に学習制御されないことによる動力伝達装置の作動に伴うショックの発生が好適に抑制されてドライバビリティが向上させられる。
【0008】
【発明の他の態様】
ここで、好適には、前記動力伝達装置は係合装置の作動によって変速が実行される自動変速機を備え、前記伝達装置学習制御手段は、その自動変速機の変速に関するパラメータを学習制御するものである。このようにすれば、前記自動変速機の変速に関するパラメータがエンジントルクが安定していない状態のままで学習制御されることが避けられるので、その自動変速機の変速時の変速ショックの発生が好適に抑制されて、ドライバビリティが向上させられる。
【0009】
また、好適には、前記動力伝達装置はロックアップクラッチ付き流体伝動装置を備え、前記伝達装置学習制御手段は、その流体伝動装置を直結可能なロックアップクラッチの作動を学習制御するものである。このようにすれば、ロックアップクラッチの作動がエンジントルクが安定していない状態のままで学習制御されることが避けられるので、そのロックアップクラッチの制御状態たとえばスリップ状態が不安定に制御されることが避けられて、ドライバビリティが向上させられる。
【0010】
また、好適には、前記動力伝達装置は前記自動変速機を介して伝動されるエンジン出力を前記駆動輪に分配する駆動力分配クラッチ付前後輪動力分配装置を備え、前記伝達装置学習制御手段は、前記前後輪動力分配装置の駆動力分配クラッチの作動を学習制御するものである。このようにすれば、前後輪動力分配装置に備えられた駆動力分配クラッチの作動がエンジントルクが安定していない状態のままで学習制御されることが避けられるので、その駆動力分配クラッチの作動状態が不安定に制御されることが避けられて、ドライバビリティが向上させられる。
【0016】
【発明の好適な実施の形態】
以下、本発明の一実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0017】
図1は、本発明が適用されたハイブリッド車両の動力伝達装置8の構成を説明する骨子図である。図1において、内燃機関にて構成されている走行用駆動力源としてのエンジン10の出力は、入力クラッチ12、流体伝動装置としてのトルクコンバータ14を経て自動変速機16に入力され、図示しない差動歯車装置および車軸を介して駆動輪へ伝達されるようになっている。上記入力クラッチ12とトルクコンバータ14との間には、回転機として電動モータおよび発電機として機能する第1モータジェネレータMG1が配設されている。上記トルクコンバータ14は、入力クラッチ12に連結されたポンプ翼車20と、自動変速機16の入力軸22に連結されたタービン翼車24と、それらポンプ翼車20およびタービン翼車24の間を直結するためのロックアップクラッチ26と、一方向クラッチ28によって一方向の回転が阻止されているステータ翼車30とを備えている。
【0018】
上記自動変速機16は、ハイおよびローの2段の切り換えを行う第1変速部32と、後進変速段および前進4段の切り換えが可能な第2変速部34とを備えている。第1変速部32は、サンギヤS0、リングギヤR0、およびキャリアK0に回転可能に支持されてそれらサンギヤS0およびリングギヤR0に噛み合わされている遊星ギヤP0から成るHL遊星歯車装置36と、サンギヤS0とキャリアK0との間に設けられたクラッチC0および一方向クラッチF0と、サンギヤS0およびハウジング38間に設けられたブレーキB0とを備えている。
【0019】
第2変速部34は、サンギヤS1、リングギヤR1、およびキャリアK1に回転可能に支持されてそれらサンギヤS1およびリングギヤR1に噛み合わされている遊星ギヤP1から成る第1遊星歯車装置40と、サンギヤS2、リングギヤR2、およびキャリアK2に回転可能に支持されてそれらサンギヤS2およびリングギヤR2に噛み合わされている遊星ギヤP2から成る第2遊星歯車装置42と、サンギヤS3、リングギヤR3、およびキャリアK3に回転可能に支持されてそれらサンギヤS3およびリングギヤR3に噛み合わされている遊星ギヤP3から成る第3遊星歯車装置44とを備えている。
【0020】
上記サンギヤS1とサンギヤS2は互いに一体的に連結され、リングギヤR1とキャリアK2とキャリアK3とが一体的に連結され、そのキャリアK3は出力軸46に連結されている。また、リングギヤR2がサンギヤS3および中間軸48に一体的に連結されている。そして、リングギヤR0と中間軸48との間にクラッチC1が設けられ、サンギヤS1およびサンギヤS2とリングギヤR0との間にクラッチC2が設けられている。また、サンギヤS1およびサンギヤS2の回転を止めるためのバンド形式のブレーキB1がハウジング38に設けられている。また、サンギヤS1およびサンギヤS2とハウジング38との間には、一方向クラッチF1およびブレーキB2が直列に設けられている。この一方向クラッチF1は、サンギヤS1およびサンギヤS2が入力軸22と反対の方向へ逆回転しようとする際に係合させられるように構成されている。
【0021】
キャリアK1とハウジング38との間にはブレーキB3が設けられており、リングギヤR3とハウジング38との間には、ブレーキB4と一方向クラッチF2とが並列に設けられている。この一方向クラッチF2は、リングギヤR3が逆回転しようとする際に係合させられるように構成されている。
【0022】
以上のように構成された自動変速機16では、例えば図2に示す作動表に従って後進1段および変速比γ(入力軸22の回転速度NIN/出力軸46の回転速 度NOUT) が順次異なる前進5段(1st〜5th)の変速段のいずれかに切り換えられる。図2において「○」は係合で、空欄は解放を表し、「◎」はエンジンブレーキや第1モータジェネレータMG1の回生制動による駆動力源ブレーキ時の係合を表し、「△」は動力伝達に関与しない係合を表している。前記クラッチC0〜C2、およびブレーキB0〜B4は何れも油圧アクチュエータによって係合させられる油圧式の摩擦係合装置である。この図2から明らかなように、第2速ギヤ段と第3速ギヤ段との間は、ブレーキB2およびブレーキB3の一方が解放させられると同時に他方が係合させられることにより達成される所謂クラッチツウクラッチ変速である。
【0023】
図3は図1に示したハイブリッド車両の動力伝達装置の概略構成図である。図3に示すように、前記エンジン10の吸気配管50および排気管52には、排気タービン式過給機54が設けられており、排気管52には、ウェイストゲート弁56を有するバイパス通路58が並列に設けられて、そのバイパス通路58を流通する排気ガスの流量を制御することにより、タービン回転を変化させて吸気配管50内の過給圧を調節できるようになっている。吸気配管50には、スロットルアクチュエータ60によって開閉制御される電子スロットル弁62が設けられている。電子スロットル弁62は、基本的には図7に示すように運転者の出力要求量を表すアクセル開度ACCに対応する開度θTHとなるように制御される。
【0024】
また、エンジン10では、図4に示すような、各気筒にそれぞれ設けられている吸気弁74および排気弁75が、その開閉時期、開閉期間、リフト量などが後述の電子制御装置からの指令に従って電気的に制御される開閉制御弁すなわち電磁駆動弁から構成されている。エンジン10は、吸気弁74および排気弁75とそれ等を開閉駆動する電気的アクチュエータである電磁アクチュエータ76および77とを含む可変動弁機構78と、クランク軸79の回転角を検出するクランク軸回転角センサ80からの信号に従って上記吸気弁74および排気弁75の開閉タイミングやリフト量、作動角(開閉速度)を制御する弁駆動制御装置81とを備えている。この弁駆動制御装置81は、エンジン負荷に応じて開閉タイミングなどを最適時期に変更するだけでなく、運転サイクル切換え指令に従ってエンジン10を4サイクル運転させるための時期および2サイクル運転させるための時期となるように制御する。また、吸気弁74および排気弁75の作動タイミングを変更したり、作動気筒数を変更したりすることにより、エンジン自身でエンジン回転速度NEを制御することが可能であり、例えば吸気弁74を閉じたまま排気弁75を通常の制御に従って開閉することにより、ピストンの圧縮仕事で回転抵抗を発生させて回転エネルギーを消費させることによりエンジン回転速度NEを強制的に速やかに低下させることができるとともに、吸気弁74の開度を制御してエンジン回転速度NEの変化率を調整することができる。上記電磁アクチュエータ76および77は、たとえば図5に示すように、吸気弁74または排気弁75に連結されてその吸気弁74または排気弁75の軸心方向に移動可能に支持された磁性体製の円盤状の可動部材82と、その可動部材82を択一的に吸着するためにそれを挟む位置に設けられた一対の電磁石84、85と、可動部材82をその中立位置に向かって付勢する一対のスプリング86、87とを備えている。吸気弁74および排気弁75は、電気的に開閉制御可能な電動開閉弁に相当する。
【0025】
前記第1モータジェネレータMG1はエンジン10と自動変速機16との間に配置され、入力クラッチ12はエンジン10と第1モータジェネレータMG1との間に配置されている。上記自動変速機16の各油圧式摩擦係合装置およびロックアップクラッチ26は、電動油圧ポンプ64から発生する油圧を元圧とする油圧制御回路66により制御されるようになっている。上記元圧すなわちライン圧は、上記自動変速機16の各油圧式摩擦係合装置を係合するために用いられる最大係合トルク容量すなわち最大係合圧となるものである。また、エンジン10には回転機として電動モータ或いは発電機として機能する第2モータジェネレータMG2が作動的に連結されている。そして、第1モータジェネレータMG1および第2モータジェネレータMG2の電源として機能する燃料電池70および二次電池71と、それ等から第1モータジェネレータMG1および第2モータジェネレータMG2へ供給される電流を制御したり或いは充電のために二次電池71へ供給される電流を制御するための電源切換スイッチ72および73とが設けられている。この電源切換スイッチ72および73は、スイッチ機能を有する装置を示すものであって、例えばインバータ機能などを有する半導体スイッチング素子などから構成され得るものである。
【0026】
図6は、本実施例の動力伝達装置8が備えている制御系統を説明するブロック線図である。図6において、電子制御装置90に入力される信号およびその電子制御装置90から出力される信号を例示したものである。たとえば、電子制御装置90には、アクセル開度センサにより検出されたアクセルペダルの操作量であるアクセル開度ACCを表すアクセル開度信号、スロットル弁開度センサにより検出されたスロットル弁62の開度θTHを表すスロットル開度信号、出力軸回転速度センサ47により検出された出力軸46の回転速度NOUTすなわち車速Vに対応する車速信号、タービン回転速度センサ91により検出されたタービン回転速度NT(=入力軸22の回転速度NIN)を表す信号、エンジン回転速度センサにより検出されたエンジン回転速度NEを表す信号、吸気配管50内の過給圧Paを表す信号、空燃比A/Fを表す信号、シフトレバー92の操作位置PSHを表す信号、変速機16の作動油温度すなわちAT油温TOILなどが図示しないセンサから供給されている。また、電子制御装置90からは、アクセル開度ACCに応じた大きさのスロットル開度θTHとするためのスロットルアクチュエータ60を駆動する信号、燃料噴射弁からエンジン10の気筒内へ噴射される燃料の量を制御するための噴射信号、自動変速機16のギヤ段を切り換えるために油圧制御回路66内のシフト弁を駆動するシフトソレノイドを制御する信号S1、S2、S3、ロックアップクラッチ26の係合、解放、スリップ量、ブレーキB3の直接制御、およびクラッチツウクラッチ変速を制御するリニヤソレノイド弁SLUを駆動するための指令信号DSLU、スロットル弁62の開度θTHに対応した大きさのスロットル圧PTHを発生させるリニヤソレノイド弁SLTを駆動するための指令信号DSLT、アキュム背圧を制御するためのリニヤソレノイド弁SLNを駆動する指令値信号DSLNをそれぞれ出力させる。
【0027】
上記電子制御装置90は、CPU、ROM、RAM、入出力インターフェースなどから成る所謂マイクロコンピュータを含んで構成されており、RAMの一時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことにより、基本的にはたとえば図7に示す予め記憶された関係から実際のアクセル開度ACC(%)に基づいてスロットル開度θTH(%)を制御するスロットル開度制御、自動変速機16のギヤ段を自動的に切り換える変速制御、ロックアップクラッチ26の係合、解放、或いはスリップを実行する制御、過給圧制御、空燃比制御、気筒選択切換制御、運転サイクル切換制御などを実行する。たとえば、上記変速制御では、たとえば図8に示す予め記憶された関係すなわち変速線図から実際のアクセル開度ACC(%)またはスロットル開度θTH(%)と車速V(km/h)とに基づいて自動変速機16の変速段を決定し、この決定された変速段および係合状態が得られるように油圧制御回路66の電磁弁S1、S2、S3を駆動し、エンジンブレーキを発生させる際には電磁弁S4を駆動する。上記図8の変速線図における変速線は、実際のアクセル開度ACC(%)またはスロットル開度θTH(%)を示す横線上において実際の車速Vが線を横切ったか否かすなわち変速線上の変速を実行すべき値(変速点車速)VSを越えたか否かを判断するためのものであり、上記値VSすなわち変速点車速の連なりとして予め記憶されていることにもなる。この変速制御の過程では、自動変速機16の入力トルクTINを推定し、変速に関与する油圧式摩擦係合装置の係合トルク容量すなわち係合圧またはその元圧であるライン圧をその入力トルクTINに応じた大きさに制御する。また、上記気筒選択切換制御では、燃費を良くするために軽負荷走行になると作動気筒数を減少させたり、可変動弁機構78の作動が異常判定された気筒の作動を停止させたりする。
【0028】
図9において、前記シフトレバー92を備えたシフト操作装置94は例えば運転席の横に配設されており、そのシフトレバー92は、自動変速機16の出力軸46をロックするための駐車位置P、後進走行のための後進走行位置R、自動変速機16内の動力伝達経路が遮断された中立状態とする中立位置N、自動変速モードで第1速ギヤ段乃至第5速ギヤ段の範囲で自動変速される前進走行位置D(最高速レンジ位置)、第1速ギヤ段乃至第4速ギヤ段の範囲で自動変速され且つ各ギヤ段でエンジンブレーキが作用させられる第4エンジンブレーキ走行位置4、第1速ギヤ段乃至第3速ギヤ段の範囲で自動変速され且つ各ギヤ段でエンジンブレーキが作用させられる第3エンジンブレーキ走行位置3、第1速ギヤ段乃至第2速ギヤ段の範囲で自動変速され且つ各ギヤ段においてエンジンブレーキが作用させられる第2エンジンブレーキ走行位置2、第1速ギヤ段で走行させられ且つエンジンブレーキが作用させられる第1エンジンブレーキ走行位置Lへそれぞれ操作可能に設けられている。上記シフト操作装置94には、シフトレバー92の各操作位置を検出するための図示しないスイッチが備えられており、そのシフトレバー92の操作位置PSHを表す信号を電子制御装置90へ出力する。上記シフト操作装置94には、スポーツ走行などのためのマニアル変速モードへ切り換えるためのモード切換スイッチ96が設けられている。このモード切換スイッチ96によってマニアル変速モードが選択されると、図示しないステアリングホイールに設けられた手動変速操作釦が有効化される。
【0029】
図10は、前記油圧制御回路66の要部すなわち第2速ギヤ段と第3速ギヤ段との間のクラッチツウクラッチ変速制御に関連する部分を示す図で、1−2シフト弁100、2−3シフト弁102、3−4シフト弁104、B2リリース弁106、B3コントロール弁108、リレー弁110、およびB2アキュムレータ112が配設されており、前記電磁弁S1〜S4およびリニアソレノイド弁SLU、SLN、SLT等により制御される。
【0030】
B3コントロール弁108は、ブレーキB3の油圧PB3が図の上向きに印加され、それとは逆の下向きにリニアソレノイド制御圧PSLUが印加されて、それ等の圧力に応じてブレーキB3の油圧PB3を調圧するスプール114と、そのスプール114と同軸的に配設され、ブレーキB2を係合させてブレーキB3を解放する2→3変速時に、ブレーキB2の油圧PB2が図の上向きに印加され、少なくとも2→3変速時にリニアソレノイド制御圧PSLUが下向きに印加されるプランジャ116とを備え、ブレーキB2の油圧PB2の印加でプランジャ116がスプール114に当接してスプール114と連動作動する構成とされている。B3コントロール弁108には、2→3変速時に切換え操作されない1−2シフト弁100を介してDレンジ圧PDが供給され、これを元圧として油圧PB3が調圧される。また、B3コントロール弁108とブレーキB3との間には、ブレーキB2からの油圧PB2によって制御されるリレー弁110が配設されている。
【0031】
シフトレバー92によって機械的に切り換えられる図示しないマニュアルシフト弁に接続されたDレンジ圧油路118は、1−2シフト弁100を経て分岐し、一方の油路118aは、2−3シフト弁102経由でリレー弁110に接続され、そのリレー弁110を経由してブレーキB3の油路120に接続されている。分岐した他方の油路118bは、3−4シフト弁104、B2リリース弁106、および油路118cを経てB3コントロール弁108のインポート122に接続され、そのB3コントロール弁108から油路124を経てリレー弁110に接続されている。
【0032】
マニュアルシフト弁に接続された別のDレンジ圧油路126は、2−3シフト弁102を経て分岐し、一方の油路126aは、オリフィスを経てブレーキB2の油路128に接続されている。この油路128は、B2リリース弁106、バイパス油路134、およびチェック弁経由で油路126aに接続されるとともに、オリフィスを経てB2アキュムレータ112に接続されている。
【0033】
3−4シフト弁104は、上記油路118b、126bの連通および遮断の他に、電磁弁S3の信号圧PS3をB2リリース弁106のスプール端へ印加するため、油路130を介してB2リリース弁106に接続されている。
【0034】
B2リリース弁106は、ブレーキB2の解放終期にB2アキュムレータ112の油圧のドレーンを迅速化するバイパス回路を形成すべく設けられており、スプリング負荷されたスプール132を有し、前記3−4シフト弁104経由の電磁弁S3の信号圧PS3がスプール132端に印加されて、バイパス油路134と油路128との連通および遮断、前記Dレンジ圧油路118bから油路118cへの連通またはプランジャ136端の信号ポートに接続された油路118dへの連通の切換え、並びに他のDレンジ圧油路118aから分岐する油路118eと油路118cとの連通および遮断を行う。したがって、B3コントロール弁108のインポート122へは、1−2シフト弁100、2−3シフト弁102、B2リリース弁106を経由する油路118a、118e、および118cの経路、および1−2シフト弁100、3−4シフト弁104、B2リリース弁106を経由する油路118bおよび118cの経路の2経路でDレンジ圧PDが供給される。
【0035】
B3コントロール弁108は、フィードバック信号圧インポート138を経てスプール114に印加されるフィードバック圧により、スプール114に設けられた2つのランドの一方でインポート122を開閉するとともに他方でドレーンポートEXを開閉し、アウトポート139に連なる油路124の油圧PB3を調圧する構成とされている。これにより、ブレーキB3のトルク容量を確保するために、B3コントロール弁108は、1→2、2→1、および3→2変速時は、リニアソレノイド制御圧PSLUの油圧制御範囲で油圧PB3を調圧する。また、スプール114と同軸的に配設されたプランジャ116は差動ピストン形状とされ、径差部にリニアソレノイド制御圧PSLU、端面に2−3シフト弁102を介してブレーキB2の油路128に連なる油路128aの油圧PB2が印加されて、スプール114に当接・離反可能なストローク域を有する構成とされている。このB3コントロール弁108には、更にスプール114へのスプリング負荷を変更するプランジャ136がプランジャ116と反対側に設けられており、そのプランジャ136の端面には前記油路118d、B2リリース弁106、および油路118b経由でライン圧を元圧とするDレンジ圧PDの印加および解放が可能とされている。これにより、2→3変速時には、B3コントロール弁108に作用されるブレーキB2の油圧PB2に対して一定の関係で油圧PB3が調圧され、ブレーキB3のトルク容量が確保されつつ減少させられる。
【0036】
リレー弁110は、スプリング負荷されたスプール型の切換弁により構成され、スプリングによって付勢された側のスプールの端面に油路128の油圧PB2が、また、スプールの他方の端面にライン圧PLが対向して印加され、そのスプリングの付勢力および油圧PB2に基づく推力とライン圧PLに基づく推力とによるバランスによってスプール位置が決められることにより、ブレーキB3の油路120と油路118aおよび124との連通を切り換える。
【0037】
図11は、前記電子制御装置90が備えている制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。この図11には図3のハイブリッド車両の動力伝達装置の概略構成図に示された動力伝達装置であるロックアップクラッチ付きトルクコンバータ14や自動変速機16に加えて、エンジン10から伝達された動力を後輪用出力軸46を介して後輪へ出力させる他に、そのエンジン10から伝達された動力の一部を前輪に伝達するための前輪用出力軸49と、駆動力分配クラッチ99とを備えた前後輪動力分配装置98が自動変速機16に設けられている。
【0038】
図11において、変速制御手段140は、たとえば図8に示す予め記憶された変速線図から実際の車速Vおよびスロットル弁開度θTH(エンジン負荷)に基づいて自動変速機16の変速段を決定し、この決定された変速段および係合状態が得られるように油圧制御回路66の電磁弁S1、S2、S3を駆動し、エンジンブレーキを発生させる際には電磁弁S4を駆動する。この変速制御の過程では、推定された自動変速機16の入力トルクTINに基づいて変速に関与する油圧式摩擦係合装置の係合圧またはその元圧であるライン圧がその入力トルクTINに応じた大きさに制御される。図12は変速制御手段140によるたとえば2速ギヤ段から3速ギヤ段へのクラッチツウクラッチアップ変速における作動を説明するタイムチャートである。図において、ブレーキB3を解放すると同時にブレーキB2を係合させて第3速ギヤ段を成立させる。すなわち、2−3シフト弁102が第2変速段側から第3変速段側へ切り替えられると、Dレンジ圧PDのブレーキB2への供給が開始されるとともにB2油圧PB2が上昇させられてブレーキB2の係合が開始される一方、B3コントロール弁108により調圧されてリレー弁110を介してブレーキB3に供給されていたB3油圧PB3が、そのブレーキB3からリレー弁110および2−3シフト弁102を介して排出され始める。ブレーキB2の油圧PB2は、過渡的にB2アキュムレータ112によって徐々に上昇させられる。この上昇過程すなわちスイープ制御過程においては、予め設定された一定の変化率となるように係合圧PB2を一定の上昇率で連続的に上昇させるようにフィードバック制御するための図示しない油圧制御信号を前記変速制御回路66に出力する。このとき、油路128の油圧PB2の上昇に伴って、リレー弁110が第2速側から第3速側へゆるやかに切り換えられ、ブレーキB3からの作動油が降圧される。この降圧過程すなわちスイープ制御過程においても、予め設定された一定の変化率となるように係合圧PB3を一定の低下率で連続的に低下させるようにフィードバック制御するための図示しない油圧制御信号を前記変速制御回路66に出力する。リレー弁110は、スプリングの付勢力およびB2油圧PB2に基づく推力とライン圧PLに基づく推力とが平衡する位置にスプールが位置させられるように構成されているので、ライン圧PLが自動変速機16の入力トルクTINに応じた大きさに調圧される結果、入力トルクTINが大きいほどすなわちライン圧PLが大きいほど、上記ブレーキB3の係合トルクの低下が遅らされる。このライン圧PLは、たとえば2→3アップシフトでは、その値が高くなるほど、上記ブレーキB3の係合トルクの低下を抑制し、且つブレーキB2の係合油圧PB2の上昇とを促進する影響を与えるので、その2→3アップシフトのイナーシャ相においては、たとえば図12に示されるようにエンジン回転速度NEが直線的に低下するように調圧させられる。上記ライン圧PLは、通常はリニヤソレノイド弁SLT から出力されるスロットル圧PTHに応じた大きさとなるように図示しないライン圧調圧弁により調圧されるが、変速過渡期間では、上記のように調圧される。
【0039】
また、上記変速制御手段140は、後述する自動変速機学習制御手段152によって変速過程ではたとえば図12に示すようなエンジン回転速度NE或いはタービン回転速度NTの一時的急上昇である吹きF或いはタイアップの発生を抑制するように学習制御された油圧式摩擦係合装置の係合圧に基づいて変速油圧の制御を実行する。
【0040】
さらに、上記変速制御手段140は、前記エンジン10のエンジントルクTEが不安定ないしは推定が困難である場合、たとえば弁学習成立判定手段148によって前記エンジン10を構成する吸気弁74或いは排気弁75の学習が成立されていないと判定される場合には前記自動変速機16の入力トルクTINの推定が困難であるので、大きな入力トルクTINにも対応させられるように、変速に関与する油圧式摩擦係合装置の係合圧を直接制御できる油圧回路である場合はその係合圧を高くし、直接制御できない油圧回路である場合はライン圧PLを図13の破線に示すように通常より一時的に一律に上昇させる。この通常とは、弁学習成立判定手段148によって学習が成立したと判定される場合に実行される変速制御手段140によるライン圧PL或いは油圧式摩擦係合装置の係合圧の調圧のことであり、上述のように自動変速機16の入力トルクTINに応じた大きさに調圧される。このように通常時もライン圧PLは入力トルクTINに相当するエンジントルクTEに比例させる必要があるので、エンジントルクTEが不安定ないしは推定できないときはライン圧PLが高くされる。このライン圧PLが高くされると、たとえば2→3アップシフトでは前記ブレーキB3の係合トルクの低下を抑制し且つブレーキB2の係合油圧PB2の上昇とを促進する影響を与えるので、解放側と係合側との係合トルクの重なり具合を大きくするオーバーラップ制御となる。
【0041】
ロックアップクラッチ制御手段142は、予め記憶された関係から実際の車両走行状態を表す車速V(出力側回転速度NOUTに対応)と運転者の要求出力量を表すアクセル開度ACCまたはスロットル開度θTH(%)とに基づいて、係合領域、解放領域、スリップ領域のいずれに属するかを判定し、その判定された領域に対応する状態が得られるように前記油圧制御回路66内のロックアップコントロールソレノイドを制御してロックアップクラッチ26を係合、解放、或いはスリップのいずれかの状態とする制御を実行する。たとえば図14に示す関係から実際の車両状態に基づいてロックアップクラッチ26のオンオフを決定し、決定されたオンオフ状態となるように制御する。また、図15に示す関係のようにスリップ領域が設けられている場合には、そのスリップ領域においてスリップ制御が実行される。そのスリップ制御では、運転性を損なうことなく燃費を可及的に良くすることを目的として前記エンジン10の回転変動を吸収しつつ前記トルクコンバータ14の動力伝達損失を可及的に抑制するために、ロックアップクラッチ26をスリップ状態に維持する。また、車両の減速惰行走行中でも、エンジン回転速度NEをフューエルカット回転速度NECUTよりも高めてフューエルカット制御の制御域を拡大することを目的として、ロックアップクラッチ26のスリップ制御を実行する。
【0042】
上記スリップ制御においては、図示しないスリップ制御ルーチンに従って、実スリップ量すなわちタービン回転速度NTとエンジン回転速度NEとの回転速度差NSLP(=NE−NT)が算出され、50乃至100rpm程度に予め設定された目標回転速度差NSLP *と回転速度差NSLPとの偏差ΔE(=NSLP−NSLP *)が解消されるように、例えば次式 (1)に従ってリニアソレノイド弁SLUの駆動電流ISLUすなわち駆動デューティ比DSLU(%)が算出され、リニアソレノイド弁SLUから出力される制御圧PSLUが調節される。 (1)式の右辺において、DFWDはフィードフォワード値であり、KGDは機械毎の特性などに対応して逐次形成される学習制御値であり、DFBは偏差ΔEに基づくフィードバック制御値である。上記フィードフォワード値DFWDは、たとえばエンジントルクTEの大きさが推定されると、そのエンジントルクTEの大きさに対応したロックアップクラッチ26の係合圧に速やかに制御されるためにエンジントルクTEの大きさに基づいて予め設定されている値である。
DSLU=DFWD+DFB+KGD ・・・(1)
【0043】
さらに、上記ロックアップクラッチ制御手段142は、前記エンジン10のエンジントルクTEが安定していない場合、たとえば弁学習成立判定手段148によってエンジン10を構成する吸気弁74或いは排気弁75の学習が成立されていないと判定される場合には、たとえば図14或いは図15に示す領域に関わらず全域でロックアップクラッチ26を解放(オフ)する制御を実行する。
【0044】
駆動力分配クラッチ制御手段144は、前記前後輪動力分配装置98に備えられた駆動力分配クラッチ99の係合状態を制御して、前後輪へそれぞれ動力が伝達されて駆動される4輪駆動状態から、前輪および後輪の一方へ動力が伝達されて駆動される2輪駆動状態までの範囲で前後輪駆動力配分比を変化させる。上記駆動力分配クラッチ99は、前輪への動力伝達経路に直列に設けられたり、或いはセンタデフ(中央差動歯車装置)と並列に設けられたりするものである。
【0045】
伝達装置学習制御手段150は、自動変速機学習制御手段152とロックアップクラッチ学習制御手段154と駆動力分配クラッチ学習制御手段156とを備えており、前記エンジン10から出力されたエンジントルクTEを駆動輪に伝達する前記動力伝達装置の構成要素を学習制御する。
【0046】
前記自動変速機学習制御手段152は、たとえば図12に示す前記自動変速機16のクラッチツウクラッチ変速において油圧式摩擦係合装置の解放側と係合側との係合トルクの重なり具合が小さいこと(アンダーラップ)により発生する吹きFや解放側と係合側との係合トルクの重なり具合が大きいこと(オーバーラップ)により発生するタイアップ状態を抑制するために、油圧式摩擦係合装置の係合圧の学習制御を実行する。具体的には、たとえば特開平9−257123号公報に記載された技術、すなわち解放側油圧式摩擦係合装置を解放するためにその係合圧を制御する油圧信号SPB3Aにおいて図12のt1時点で元圧すなわち油圧式摩擦係合装置の係合圧が最大となるライン圧PLより低い所定の値SPB3ADを設定してその値SPB3ADを学習制御することで吹きFやタイアップ状態を防止してクラッチツウクラッチ変速が良好に実行される技術が用いられる。たとえば、2→3アップシフトにおいてブレーキB3の係合圧PB3が低いことによる吹きFの発生がある場合は、ブレーキB3の係合圧PB3が高くされるように上記信号SPB3ADが高い値に設定される。また、たとえば特開平10−196778号公報に記載された技術、すなわち解放側油圧式摩擦係合装置の係合圧を漸減させるときの油圧残量や係合側油圧式摩擦係合装置の係合圧を漸増させるときの開始時間やその係合圧等を吹きFやタイアップ状態が防止されるように複数の学習制御によって前記自動変速機16の油圧制御が実行される場合に、いずれかの学習制御によって吹きFやタイアップ状態が所定値に収束された場合には、他の学習制御を禁止する等して全体としての学習制御の進行が速やかに実行される技術が用いられてもよい。さらに、たとえば特開2001−65679号公報に記載された技術、すなわちアクセルOFF時のアップシフトが適切に行われるようにするために(a) 入力回転速度NINがアップシフト後の推定入力回転速度NINPと同期するタイミングに合わせて油圧式摩擦係合装置が適切に係合されるために、その油圧式摩擦係合装置の油圧シリンダのピストンストロークに要する予め記憶された時間と入力回転速度NINがアップシフト後の推定入力回転速度NINPと同期するまでの推定同期所要時間とが比較されて上記油圧式摩擦係合装置が作動されるための油圧の供給開始時間が制御されたり、(b) アクセルOFF時にエンジンブレーキ状態となり減速されることが防止されるために、アクセルON時に前記自動変速機16が駆動状態とされるための油圧式摩擦係合装置がアクセルOFF時に解放されることでエンジンブレーキを発生させず減速が防止され、またアクセルOFF時に解放された上記油圧式摩擦係合装置がアクセルON時に速やかに係合されるように、その油圧式摩擦係合装置の係合圧を油圧式摩擦係合装置の係合が開始されない程度の所定の係合圧(低圧待機圧)で保持されるように制御される技術が用いられてもよい。
【0047】
また、前記自動変速機学習制御手段152は、前記吹きFの発生或いはタイアップ状態を抑制するために以下に示す学習制御を実行してもよい。前記自動変速機16におけるたとえば2→3アップ変速期間において、エンジン回転速度NEすなわちタービン回転速度NTの一時的急上昇である吹きFはたとえば図12のt2時点に示されるものであり、たとえばタービン回転速度NTから出力軸回転速度NOUT×γ2(但しγ2は第2速ギヤ段の変速比)を差し引くことによって求められる。上記自動変速機学習制御手段152は、前記エンジン回転速度NE の所定以上の吹きFが発生したと判定されると、その吹きFの大きさすなわち発生量が過大とならないように、その吹きFの発生量に応じて、次回のクラッチツウクラッチアップ変速時のブレーキB3の係合圧PB3とブレーキB2の係合圧PB2を補正する。たとえば図16の(a) および(b) に示す予め記憶された関係(データマップ)から、上記吹きFの発生量▲1▼、▲2▼、▲3▼、▲4▼、▲5▼のいずれかとスロットル開度▲1▼、▲2▼、▲3▼、▲4▼、▲5▼、▲6▼のいずれかとに基づいて、ブレーキB3の係合圧PB3に対する油圧補正量PB311乃至PB356のいずれかと、ブレーキB2の係合圧PB2に対する油圧補正量PB211乃至PB256のいずれかとをそれぞれ決定し、決定された油圧補正量すなわち学習補正値を前回のブレーキB3の係合圧PB3およびブレーキB2の係合圧PB2に加えたり(吹きFが目標値より大きいとき)或いは差し引いたり(吹きFが目標値より小さくタイアップ傾向のとき)することにより、次回のクラッチツウクラッチアップ変速時のブレーキB3の係合圧PB3とブレーキB2の係合圧PB2を全体的に補正する。また、上記自動変速機学習制御手段152は、吹きFの発生量が所定値以下となると、前記自動変速機16のタイアップが発生しないように、図16とは異なる予め記憶された関係から遅角或いは燃料低減量とスロットル開度θTHとに基づいて学習補正値を決定し、次回のクラッチツウクラッチアップ変速時のブレーキB3の係合圧PB3とブレーキB2の係合圧PB2を補正する。図16の(a) および(b) に示す関係は、吹きFの発生量が大きくなるほど、またスロットル開度θTH大きくなるほど、油圧補正量が大きくなるように、換言すれば、吹きFが小さくなるように、予め実験的に求められたものである。
【0048】
さらに、前記自動変速機学習制御手段152は、前記自動変速機16の入力トルクに基づいて予め設定されている大きさに調圧されるライン圧PLを学習制御することで、ライン圧PLの大きさに比例するように影響が与えられる前記ブレーキB3の係合圧PB3或いはブレーキB2の係合圧PB2を全体的に補正することができる。これによって、たとえば上記に示した吹きFの発生を小さくするために、上記ライン圧PLを大きくするように補正する。
【0049】
前記ロックアップクラッチ学習制御手段154は、前記ロックアップクラッチ制御手段142によってロックアップクラッチ26のスリップ制御が実行されるときの駆動デューティ比DSLU(%)の前記算出式(1)において、たとえば(1)式の右辺の機械毎の特性などに対応して逐次形成される学習制御値であるKGDを学習制御する。たとえば、ロックアップクラッチ26の初期ばらつきや経年変化等によって発生する、推定されるエンジントルクTEの大きさに基づいて予め設定されている値であるフィードフォワード値DFWDとロックアップクラッチ26を制御するのに実際に必要な係合圧との差ΔLを抑制するためにKGDを学習制御する。
【0050】
前記駆動力分配クラッチ学習制御手段156は、前記駆動力分配クラッチ制御手段144によって前後輪動力分配装置98に備えられた前記駆動力分配クラッチ99の係合状態が制御されるときに、たとえば要求された前後輪駆動力配分比に速やかに制御されるための前後輪駆動力配分比に基づいて予め設定されている駆動力分配クラッチ99の係合圧PTCを学習制御する。
【0051】
弁作動学習制御手段146は、エンジン10の所期の出力特性がその作動範囲の全域にわたって出るように、たとえばクランク軸回転角センサ80からの信号に従ってエンジン10の各気筒にそれぞれ設けられている吸気弁74および排気弁75の開閉タイミングやリフト量、作動角(開閉速度)を制御する弁駆動制御装置81の出力信号SVを学習制御する。この結果、たとえばこの弁駆動制御装置81は、エンジン負荷に応じて開閉タイミングなどを最適時期に適宜変更することになる。たとえばこの弁作動学習制御手段146によって吸気弁74および排気弁75が適切に制御されると、図17に示す予め求められた関係によって求められるエンジントルクTE或いは入力トルクTINが所期の値に安定することになる。
【0052】
弁学習成立判定手段148は、エンジン10の所期の出力特性を略得るための上記弁作動学習制御手段146による一応の学習が成立したか否かを判定する。この学習の成立とは、上記弁作動学習制御手段146によって繰り返し実行されているエンジン10の吸気弁74および排気弁75の学習制御によってエンジン10の所期の出力特性がその作動範囲の全域にわたって一応安定して出力される状態になったことを示す。たとえば図18に示すスロットル開度θTHとエンジン回転速度NE或いはエンジントルクTEとで設定されている領域T11乃至Tmnの各領域それぞれにおいて、前記弁作動学習制御手段146によって学習された回数が所定の判定回数たとえば3乃至5回を越えたか否かに基づいて、弁学習が成立したか否かを判定する。この判定結果は、たとえば学習成立フラグFとして、学習成立時にはF=1または未学習成立時にはF=0として伝達装置学習制御手段150或いは変速制御手段140或いはロックアップクラッチ制御手段142に順次出力されている。
【0053】
図19は、前記電子制御装置90の制御作動の要部すなわち動力伝達装置8の制御作動を説明するフローチャートである。図19において、前記弁学習成立判定手段148に対応するステップ(以下、ステップを省略する)S1において、前記弁作動学習制御手段146によってエンジン10の各気筒にそれぞれ設けられている吸気弁74および排気弁75を制御する弁駆動制御装置81の出力信号SVの学習が成立されているか否かすなわちエンジン10を所期の出力特性とするための一応の学習が成立されているか否かが、たとえば図18に示す各領域T11乃至Tmnのそれぞれにおいて、弁作動学習制御手段146によって学習された回数が所定の回数たとえば3乃至5回を越えたか否かが判定される。この判定結果は、たとえば学習成立フラグFが学習が成立されている場合にはF=1としてまたは学習が成立されてない場合にはF=0として自動変速機学習制御手段152および変速制御手段140およびロックアップクラッチ制御手段142に順次出力されている。このS1の判断が肯定される場合すなわちエンジン10の一応の学習が成立した場合には、S2乃至S4において自動変速機16の学習制御が実行されて、ロックアップクラッチ26および自動変速機16の通常の制御が実行される。
【0054】
前記自動変速機学習制御手段152に対応するS2において、たとえば自動変速機16の変速制御中に発生するたとえば図12に示すようなエンジン回転速度NEの吹きFや図示しないタイアップ状態を抑制するために、上記油圧式摩擦係合装置の係合圧が学習制御される。たとえば、2→3アップ変速において図12に示すような吹きFの発生が抑制されるように、解放側の油圧式摩擦係合装置であるブレーキB3の係合圧の低下が遅くなるようにその油圧信号SPB3ADが高くされるように学習制御される。また、自動変速機16の入力トルクTINに基づいて予め設定されている大きさに調圧されるライン圧PLを学習制御することで、ライン圧PLの大きさに比例するように影響が与えられる前記ブレーキB3の係合圧PB3或いはブレーキB2の係合圧PB2を全体的に補正することができるので、たとえば吹きFの発生を小さくするために、ライン圧PLが大きくされるように学習制御されてもよい。
【0055】
次いで、ロックアップクラッチ制御手段142に対応するS3において、たとえば図15に示す関係から実際の車両状態に基づいてロックアップクラッチ26の係合状態のオンオフ或いはスリップ領域が決定され、その決定された係合状態となるようにロックアップクラッチ26が制御される。たとえばそのスリップ領域においてはスリップ制御が実行され、運転性を損なうことなく燃費を可及的に良くすることを目的として前記エンジン10の回転変動を吸収しつつ前記トルクコンバータ14の動力伝達損失を可及的に抑制する。また、車両の減速惰行走行中でも、エンジン回転速度NEをフューエルカット回転速度NECUTよりも高めてフューエルカット制御の制御域を拡大することを目的として、ロックアップクラッチ26のスリップ制御が実行される。
【0056】
次いで、前記変速制御手段140に対応するS4において、前記自動変速機16の油圧式摩擦係合装置の係合圧の切換えによる変速が実行される。たとえば、2→3アップ変速においては、ブレーキB3の解放とブレーキB2の係合が実行されて第3速ギヤ段が成立させられる。このとき前記S2において自動変速機学習制御手段152によって前記吹きF或いはタイアップの発生を抑制するように学習制御された油圧式摩擦係合装置の係合圧に基づいて変速が実行される。この変速制御の過程では、油圧式摩擦係合装置の係合圧またはその元圧であるライン圧がその入力トルクTINに応じた大きさに制御される結果、入力トルクTINが大きいほどすなわちライン圧PLが大きいほど、上記ブレーキB3の係合トルクの低下が遅らされる。このライン圧PLは、たとえば2→3アップシフトでは、その値が高くなるほど、上記ブレーキB3の係合トルクの低下を抑制し、且つブレーキB2の係合油圧PB2の上昇とを促進する影響を与えるので、その2→3アップシフトのイナーシャ相においては、たとえば図12に示されるようにエンジン回転速度NEが直線的に低下するように調圧させられる。
【0057】
次に前記S1の判断が否定される場合は、S5乃至S7において自動変速機16の学習制御が中止されて、ロックアップクラッチ26および自動変速機16の通常とは別の制御が実行される。すなわち、自動変速機学習制御手段152に対応するS5において、前記S2で実行される自動変速機16の学習制御が実行されない。要するに、前記S1において弁学習成立判定手段148によってエンジン10の学習が成立したと判定されるまで、たとえば学習成立フラグFがF=1として自動変速機学習制御手段152に出力されるまで自動変速機16の学習制御が中止される。これは、弁作動学習制御手段146によってエンジン10の学習が成立していない段階では、エンジン回転速度NEが適切に制御されず、エンジントルクTEが不安定でありまた適切に推定されないので、このエンジントルクTEに基づいて制御される油圧制御回路66のライン圧PL或いは油圧式摩擦係合装置の係合圧が適切に出力されない可能性があるためである。また、自動変速機学習制御手段152による学習制御も適切に実行されない可能性があるためである。この結果、自動変速機16の学習制御が中止されれば自動変速機16が不安定なライン圧或いは係合圧によって学習制御されて変速ショックが発生されることが抑制される。
【0058】
次いで、ロックアップクラッチ制御手段142に対応するS6において、たとえば図15に示される領域のようにロックアップクラッチ26の係合状態が決定されたとしても、全域でロックアップクラッチ26が解放(オフ)される制御が実行される。要するに、前記S1において弁学習成立判定手段148によってエンジン10の学習が成立したと判定されるまで、たとえば学習成立フラグFがF=1として自動変速機学習制御手段152に出力されるまでロックアップクラッチ26が解放(オフ)される。これは、前記S5と同様に、エンジントルクTEに基づいて制御されるロックアップクラッチ26の係合圧が適切に制御されないためたとえばロックアップクラッチオン或いはスリップ制御が適切に実行されない可能性がある。また、ロックアップクラッチオン或いはスリップ制御中はエンジン10と自動変速機16が直結或いは直結に近い状態であるので、不安定なエンジントルクTEがそのまま入力トルクTINとなるで変速ショックが発生する可能性がある。この結果、ロックアップクラッチ26を解放(オフ)すれば、変速ショックの発生が抑制される。また、そのエンジントルクTEの不安定な状態がロックアップクラッチ26に伝わらないので、そのロックアップクラッチ26の耐久性が向上される。
【0059】
次いで、変速制御手段140に対応するS7において、図13の破線に示されるようにライン圧PLが実線に示す通常の変速制御で用いられるライン圧PLに対して一律に上昇される。要するに、前記S1において弁学習成立判定手段148によってエンジン10の学習が成立したと判定されるまで、たとえば学習成立フラグFがF=1として自動変速機学習制御手段152に出力されるまでライン圧PLが一律に上昇される。これは、前記S5と同様にエンジントルクTEに基づいて制御される自動変速機の16のライン圧PL或いは係合圧が適切に制御されないためたとえば推定された入力トルクより実際の入力トルクが大きい場合には自動変速機16の変速制御がうまく実行されない可能性があり、変速ショックが発生する可能性がある。この結果、大きなエンジントルク或いは入力トルクに対応できるようにライン圧PL或いは係合圧を通常より高めの設定とすれば、変速ショックの発生が抑制される。また、そのエンジントルクTEの不安定な状態が自動変速機16の油圧式摩擦係合装置に与える影響が抑制されるので、その油圧式摩擦係合装置の耐久性が向上される。
【0060】
上述のように、本実施例によれば、伝達装置学習制御手段150(S2)は、弁学習成立判定手段148(S1)によってエンジン10の吸気弁74および排気弁75の作動の学習が成立したと判定されるまで動力伝達装置8の学習制御を実行しないので、たとえばエンジントルクTEが安定していない状態のままで動力伝達装置8の学習制御を実行しないので、たとえばその動力伝達装置8の一つである自動変速機16の油圧式摩擦係合装置すなわちクラッチCおよびブレーキBの係合圧が適切に学習制御されないことが避けられて、その自動変速機16の油圧式摩擦係合装置の係合圧が適切に学習制御されないことによる自動変速機16の変速時の変速ショックの発生が好適に抑制されたりしてドライバビリティが向上させられる。
【0061】
また、本実施例によれば、動力伝達装置8は油圧式摩擦係合装置の作動によって変速が実行される自動変速機16を備え、自動変速機学習制御手段152(S2)は、自動変速機16の変速に関するパラメータを学習制御するものであるので、自動変速機16の変速に関するパラメータがエンジントルクTEが安定していない状態のままで学習制御されることが避けられるので、その自動変速機16の変速時の変速ショックの発生が好適に抑制されて、ドライバビリティが向上させられる。
【0062】
また、本実施例によれば、ロックアップクラッチ制御手段142(S6)は、弁学習成立判定手段148(S1)によってエンジン10の吸気弁74および排気弁75の作動の学習が成立したと判定されるまでロックアップクラッチ26を解放(オフ)するので、たとえばエンジントルクTEが安定していない状態のままでロックアップクラッチ26がロックアップ状態(オン)とされたりスリップ状態とされてそのエンジントルクTEの不安定な状態が自動変速機16に伝達されることが抑制され、その自動変速機16の変速時の変速ショックの発生が好適に抑制されたり、そのエンジントルクTEの不安定な状態が駆動輪に伝達されることが抑制されたりしてドライバビリティが向上させられる。また、そのエンジントルクTEの不安定な状態がロックアップクラッチ26に伝わらないので、そのロックアップクラッチ26の耐久性が向上される。
【0063】
また、本実施例によれば、変速制御手段140(S7)は、弁学習成立判定手段148(S1)によってエンジン10の吸気弁74および排気弁75の作動の学習が成立したと判定されるまで油圧式摩擦係合装置を係合するために用いられるライン圧PL或いは変速時の油圧式摩擦係合装置の係合圧を通常より高くするので、たとえばエンジントルクTEが安定していなく大きなエンジントルクTEが出力されていても、変速に関与する油圧式摩擦係合装置の係合圧を直接制御できる油圧回路である場合はその係合圧が高くされ、直接制御できない油圧回路である場合はライン圧PLが通常より一時的に一律に上昇されて自動変速機16の変速が実行されるので、その自動変速機16の変速時の変速ショックの発生が好適に抑制されてドライバビリティが向上させられる。また、そのエンジントルクTEの不安定な状態が自動変速機16の油圧式摩擦係合装置に与える影響が抑制されるのでその油圧式摩擦係合装置の耐久性が向上される。
【0064】
また、本実施例によれば、変速制御手段140(S7)は、解放側摩擦係合装置の解放と係合側摩擦係合装置の係合たとえばクラッチC或いはブレーキBの解放と係合とによって変速を達成するものであり、前記油圧式摩擦係合装置を係合するために用いられるライン圧PL或いは変速時の油圧式摩擦係合装置の係合圧を通常より高くすることにより、前記解放側摩擦係合装置と係合側摩擦係合装置との係合トルクの重なり具合を大きくするように制御するものであるので、前記解放側摩擦係合装置と係合側摩擦係合装置との係合トルクの重なり具合を大きくするために、変速制御手段140(S7)によって前記油圧式摩擦係合装置を係合するために用いられるライン圧PL或いは変速時の油圧式摩擦係合装置の係合圧が通常より高くされればよい。
【0065】
つぎに、本発明の他の実施例を説明する。なお、以下の説明において前述の実施例と共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
【0066】
前述の実施例のS2において、前記自動変速機学習制御152による自動変速機16の学習制御が実行されること以外に、前記ロックアップクラッチ学習制御手段154によって、たとえば前記ロックアップクラッチ制御手段142によってロックアップクラッチ26のスリップ制御が実行されるときの駆動デューティ比DSLU(%)の前記算出式(1)の右辺の機械毎の特性などに対応して逐次形成される学習制御値であるKGDがロックアップクラッチ26の初期ばらつきや経年変化等によって発生する、推定されるエンジントルクTEの大きさに基づいて予め設定されている値であるフィードフォワード値DFWDとロックアップクラッチ26を制御するのに実際に必要な係合圧との差ΔLを抑制するために学習制御されてもよい。また、前記駆動力分配クラッチ学習制御手段156によって、たとえば前記駆動力分配クラッチ制御手段144によって前後輪動力分配装置98に備えられた前記駆動力分配クラッチ99の係合状態が制御されるときに、要求された前後輪駆動力配分比に速やかに制御されるための前後輪駆動力配分比に基づいて予め設定されている駆動力分配クラッチ99の係合圧PTCが学習制御されてもよい。
【0067】
また、前述の実施例のS5において、前記S2で実行されるロックアップクラッチ26或いは駆動力分配クラッチ99の学習制御が実行されないようにしてもよい。要するに、前記S1において弁学習成立判定手段148によってエンジン10の学習が成立したと判定されるまで、たとえば学習成立フラグFがF=1として伝達装置学習制御手段150に出力されるまでロックアップクラッチ26或いは駆動力分配クラッチ99の学習制御が中止される。これは、弁作動学習制御手段146によってエンジン10の学習が成立していない段階では、エンジン回転速度NEが適切に制御されず、エンジントルクTEが不安定でありまた適切に推定されないので、このエンジントルクTEに基づいて制御されるロックアップクラッチの係合圧或いは駆動力分配クラッチ99の係合圧PTCが適切に出力されない可能性があるために、ロックアップクラッチ学習制御手段154或いは駆動力分配クラッチ学習制御手段156による学習制御が適切に実行されない可能性があるためである。したがって、上記実施例によれば、ロックアップクラッチ付きトルクコンバータ14を備えた動力伝達装置8において、ロックアップクラッチ学習制御手段154(S5)は、トルクコンバータ14を直結可能なロックアップクラッチ26の作動を学習制御するものであるので、たとえばロックアップクラッチ26のエンジントルクTEに基づく予め設定された係合圧がエンジントルクTEが安定していない状態のままで学習制御されることが避けられるので、そのロックアップクラッチ26の制御状態たとえばスリップ状態が不安定に制御されることが避けられて、ドライバビリティが好適に向上させられる。また、自動変速機16を介して伝動されるエンジントルクTEを駆動輪に分配する駆動力分配クラッチ付前後輪動力分配装置98を備えた動力伝達装置8において、駆動力分配クラッチ学習制御手段156(S5)は、前後輪動力分配装置98の駆動力分配クラッチ99の作動を学習制御するものであるので、たとえば前後輪動力分配装置98に備えられた駆動力分配クラッチ99のエンジントルクTEに基づく予め設定された係合圧PTCがエンジントルクTEが安定していない状態のままで学習制御されることが避けられるので、その駆動力分配クラッチ99の作動状態が不安定に制御されることが避けられて、ドライバビリティが好適に向上させられる。
【0068】
また、前述の実施例のS2において、前記吹きFの発生を抑制するために前記自動変速機学習制御手段152によって、たとえば図16の(a) および(b) に示す予め記憶された関係(データマップ)から、上記吹きFの発生量▲1▼、▲2▼、▲3▼、▲4▼、▲5▼のいずれかとスロットル開度▲1▼、▲2▼、▲3▼、▲4▼、▲5▼、▲6▼のいずれかとに基づいて、ブレーキB3の係合圧PB3に対する油圧補正量PB311乃至PB356のいずれかと、ブレーキB2の係合圧PB2に対する油圧補正量PB211乃至PB256のいずれかとがそれぞれ決定され、決定された油圧補正量すなわち学習補正値が前回のブレーキB3の係合圧PB3とブレーキB2の係合圧PB2にそれぞれ加えたり(吹きFが目標値より大きいとき)或いは差し引いたり(吹きFが目標値より小さくタイアップ傾向のとき)することにより、次回のクラッチツウクラッチアップ変速時のブレーキB3の係合圧PB3とブレーキB2の係合圧PB2が全体的に補正されるようにして吹きFの発生を抑制してもよい。上記ブレーキB3の係合圧PB3に対する学習制御とブレーキB2の係合圧PB2に対する学習制御は少なくとの一方が実行されて、吹きFの発生が抑制されればよい。
【0069】
図20は、前記開閉制御弁の他の実施例であるモータ駆動式開閉弁であって、エンジン10に設けられた吸気弁および排気弁のうち、吸気弁を代表して示している。図20において、エンジン10の吸気管路220には、その吸気管路220内の空気流通方向に直交する方向の回動軸222がその軸心まわりに回動可能に設けられており、その回動軸222には円板状の吸気弁224が固定されている。上記エンジン10の吸気管路220に固定された電動モータ226の出力軸228に固定されたピニオン230と上記回動軸222の軸端に固定された歯車232とが噛み合わされることにより、吸気弁224が電気的アクチュエータである電動モータ226によって開閉駆動されるようになっている。
【0070】
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
【0071】
例えば、前述の実施例において、流体伝動装置としてロックアップクラッチ26が備えられているトルクコンバータ14が用いられていたが、トルク増幅作用のないフルードカップリングが用いられてもよい。また、ロックアップクラッチ26は必ずしも設けられなくてもよい。この場合、前述の実施例の図19のS2においてロックアップクラッチ学習制御手段154が実行されない。また、同様にS3およびS6が実行されない。
【0072】
また、前述の実施例において、前後輪動力分配装置98は必ずしも設けられなくてもよい。この場合、前述の実施例の図19のS2において駆動力分配クラッチ学習制御手段156が実行されない。
【0073】
また、前述の実施例において、前記弁学習成立判定手段148(S1)は、たとえば図18に示す領域T11乃至Tmnの各領域それぞれにおいて、前記弁作動学習制御手段146によって学習された回数が所定の回数たとえば3乃至5回を越えたか否かを判定したが、回数は適宜設定すればよく、またたとえば弁作動学習制御手段146によって学習された時間が所定時間を超えたか否か或いは弁作動学習制御手段146によって学習された学習値の安定度たとえば繰り返し決定される学習値の変化量(差分)が略零になったか否かを判定してもよい。
【0074】
また、前述の実施例のエンジン10は、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどの内燃機関が用いられ、少なくともエンジンを走行用駆動力源として備えておればよく、エンジン10に連結される回転機すなわちモータジェネレータMG1およびMG2或いは前記エンジン10の吸気配管50および排気管52に設けられている排気タービン式過給機54が備えられてない車両などにも適用され得る。また、上記回転機は、エンジン10に直結される以外にベルト等を介してエンジン10に間接的に連結されてもよい。
【0075】
また、前述の実施例のエンジン10は、可変動弁機構78を備えており、電磁駆動弁すなわち開閉制御弁としての吸気弁74および排気弁75が電磁アクチュエータ76および77によって開閉駆動されていたが、少なくとも一方の電磁駆動弁を備えるだけでよい。また前記開閉制御弁の他の実施例としてモータ駆動式開閉弁を示したが、その電磁駆動弁或いはそのモータ駆動式開閉弁に替えて、クランク軸の回転に同期して、吸気弁および排気弁を開閉駆動させるよく知られた動弁機構に可変機構が備え付けられたものであってもよい。たとえば、その動弁機構の型式にはOHV型、OHC型、DOHC型のような種類があり、たとえばDOHC型では、エンジンのクランク軸の回転をクランク軸プーリ、タイミングベルト、カム軸プーリ、カム軸、吸気弁或いは排気弁に取り付けられたロッカアーム或いは弁リフタを介して吸気弁或いは排気弁が開閉駆動されている。このような型式のエンジンにおいては、上記ロッカアーム或いはカム軸プーリに可変機構を備え付けたり、吸気弁用カム軸と排気弁用カム軸の同期のタイミングが可変となるように少なくとも一方のカム軸に可変機構を備え付けたり、或いはカム軸の特性(プロファイル形状)を可変(切り換え)したりして、弁のリフト量、開角或いは開閉時期が可変されて、エンジン自身でエンジン回転速度が好適に変更される。
【0076】
また、前述の実施例では、アクセル或いはスロットル全開時の自動変速機16の制御作動として2→3アップ変速作動の場合を説明したが、1→2アップ変速、3→4アップ変速、4→5アップ変速であってもよい。
【0077】
また、前述の実施例では、自動変速機16は3組の遊星歯車装置40、42、44の組み合わせから成る前進5速の変速機であったが、クラッチC或いはブレーキBの油圧式摩擦係合装置の解放および係合の少なくとも一方によって変速が実行される型式の変速機であればよく、自動変速機16を構成する遊星歯車装置の組数は3組とは異なる数であってもよいし、また前進6速の変速機、前進4速の変速機等であっても差し支えない。また、自動変速機16は、クラッチ或いはブレーキの油圧式摩擦係合装置や一方向クラッチで構成された変速部たとえば前後進切換或いは前進2段等の副変速機に変速比が無段階に連続的に変化させられる無段変速機が組み合わされたものであってもよい。
【0078】
また、前述の実施例では、自動変速機16の係合要素であるクラッチC或いはブレーキBは、油圧式摩擦係合装置であったが、それに替えて電磁式係合装置たとえば電磁クラッチや磁粉式クラッチ等が用いられてもよい。この場合はたとえば図19のS4において、前記変速制御手段140によって電磁クラッチの係合トルク容量を高く設定するために電磁クラッチを作動させる電流値が高くされることになる。
【0079】
なお、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されたハイブリッド車両の動力伝達装置を説明する骨子図である。
【図2】図1の自動変速機における、複数の油圧式摩擦係合装置の作動の組合わせとそれにより成立する変速段との関係を示す図である。
【図3】図1のハイブリッド車両の動力伝達装置の概略構成図である。
【図4】図1のエンジンの各気筒に設けられた可変動弁機構を説明する図である。
【図5】図4の可変動弁機構に設けられて吸気弁或いは排気弁を所望のタイミングで開閉作動させる電磁アクチュエータの構成を説明する図である。
【図6】図1の動力伝達装置が備えている電子制御装置の入出力系統の要部を説明するブロック線図である。
【図7】図1の動力伝達装置におけるエンジンのスロットル弁開度とアクセル開度との関係を示す図である。
【図8】図1の動力伝達装置における自動変速機の変速制御に用いられる変速線図を説明する図である。
【図9】図1の車両に設けられたシフト操作装置を示す図である。
【図10】図1の自動変速機を制御するための油圧制御回路の要部を説明する図である。
【図11】図6の電子制御装置が備えている制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。
【図12】図6の電子制御装置によるクラッチツウクラッチ変速における係合圧の切換えによる変速制御作動を説明するタイムチャートである。
【図13】図6の電子制御装置の変速制御作動で用いられるライン圧の設定例である。
【図14】図1の動力伝達装置におけるロックアップクラッチの制御に用いられるロックアップクラッチ線図を説明する図である。
【図15】図1の動力伝達装置におけるロックアップクラッチの制御に用いられるロックアップクラッチ線図の他の例を説明する図である。
【図16】図11の自動変速機学習制御手段が用いる予め記憶されたデータマップを示す図であって、(a) は解放側油圧式摩擦係合装置の係合圧を学習補正する学習補正値を決定するために用いられる関係を示し、(b) は係合側油圧式摩擦係合装置の係合圧を学習補正する学習補正値を決定するために用いられる関係を示している。
【図17】図11の伝達装置学習制御手段において入力トルクを推定するために用いられる予め記憶された関係を示す図である。
【図18】図11の弁学習成立判定手段において学習成立の判断に用いられる予め記憶された領域(マップ)を示す図である。
【図19】図6の電子制御装置の制御作動の要部すなわち動力伝達装置の制御作動を説明するフローチャートである。
【図20】本発明の他の実施例において、吸気弁および排気弁として機能する開閉制御弁であるモータ駆動式開閉弁の構成を、一部を切り欠いて示す説明する図である。
【符号の説明】
8:動力伝達装置
10:エンジン
14:トルクコンバータ(流体伝動装置)
16:自動変速機
26:ロックアップクラッチ
98:前後輪動力分配装置
99:駆動力分配クラッチ
140:変速制御手段
142:ロックアップクラッチ制御手段
146:弁作動学習制御手段
148:弁学習成立判定手段
150:伝達装置学習制御手段(152:自動変速機学習制御手段、154:ロックアップクラッチ学習制御手段、156:駆動力分配クラッチ学習制御手段)
Claims (4)
- 吸気弁および排気弁の少なくとも一方の作動特性を可変させる形式のエンジンと、該エンジンの出力を駆動輪に伝達する動力伝達装置とを備えた車両の制御装置であって、
前記エンジンの吸気弁および排気弁の少なくとも一方の作動を学習制御する弁作動学習制御手段と、
該弁作動学習制御手段による前記エンジンの吸気弁および排気弁の少なくとも一方の作動の学習が成立したか否かを、前記エンジンの作動範囲の全域にわたって所期の出力特性が安定して得られる状態となったことに基づいて判定する弁学習成立判定手段と、
該弁学習成立判定手段によって前記エンジンの吸気弁および排気弁の少なくとも一方の作動の学習が成立したと判定されてから、前記動力伝達装置の作動を学習制御する伝達装置学習制御手段と
を、含むことを特徴とする車両の制御装置。 - 前記動力伝達装置は係合装置の作動によって変速が実行される自動変速機を備え、
前記伝達装置学習制御手段は、該自動変速機の変速に関するパラメータを学習制御するものである請求項1の車両の制御装置。 - 前記動力伝達装置はロックアップクラッチ付き流体伝動装置を備え、
前記伝達装置学習制御手段は、該流体伝動装置を直結可能なロックアップクラッチの作動を学習制御するものである請求項1または2の車両の制御装置。 - 前記動力伝達装置は前記自動変速機を介して伝動されるエンジン出力を前記駆動輪に分配する駆動力分配クラッチ付前後輪動力分配装置を備え、
前記伝達装置学習制御手段は、前記前後輪動力分配装置の駆動力分配クラッチの作動を学習制御するものである請求項2または3の車両の制御装置。
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