JP2008114803A - 車両の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】自動変速機の変速に際して、トルク相中での自動変速機の出力トルクの落込みを適切に抑制することができる車両の制御装置を提供する。
【解決手段】自動変速機22の変速過程において期間検出手段138により検出された実イナーシャ相開始期間tijに基づいて、変速制御手段132によるクイックフィル指令値の出力が終了した時点を起点として予め設定されたトルク相補償制御手段134がトルク相補償を実行するための開始タイミングが開始タイミング調整手段140により調整されるので、たとえクイックフィル指令値の出力が終了した時点から所定時間内に所定油圧となるようにクイックフィル指令値の出力期間が調整されたとしても、自動変速機22の変速に際してトルク相中での出力軸トルクToutの一時的な落ち込みを適切に抑制することができる。
【選択図】図6
【解決手段】自動変速機22の変速過程において期間検出手段138により検出された実イナーシャ相開始期間tijに基づいて、変速制御手段132によるクイックフィル指令値の出力が終了した時点を起点として予め設定されたトルク相補償制御手段134がトルク相補償を実行するための開始タイミングが開始タイミング調整手段140により調整されるので、たとえクイックフィル指令値の出力が終了した時点から所定時間内に所定油圧となるようにクイックフィル指令値の出力期間が調整されたとしても、自動変速機22の変速に際してトルク相中での出力軸トルクToutの一時的な落ち込みを適切に抑制することができる。
【選択図】図6
Description
本発明は、複数の油圧式係合装置のうちの少なくとも1つを係合して自動変速機の変速を実行する車両の制御装置に係り、特に、自動変速機の変速過程におけるトルク相中に自動変速機の出力トルクが低下することを抑制するように動力源を制御する技術に関するものである。
油圧サーボを備えた複数の油圧式係合装置のうちの少なくとも1つが係合されることによって変速段を切り換える自動変速機を備え、自動変速機の変速過程におけるトルク相中に自動変速機の出力トルクが低下することを抑制するように動力源を制御する車両の制御装置が良く知られている。例えば、特許文献1に記載された車両の制御装置がそれである。この特許文献1には、1→2アップシフトや2→3アップシフト等の変速指令からの経過時間が各変速毎に予め設定された所定時間経過した時点から、エンジンの出力トルクを一時的に増加させることにより自動変速機の変速過程におけるトルク相中での自動変速機の出力トルクの落込みを抑制して変速ショックを低減することが記載されている。
ところで、一般的に、油圧式係合装置を係合させる場合には、先ず油圧式係合装置がトルク容量を生じる幾らか前の状態になるまで油圧式係合装置の油圧サーボに作動油を急速充填し、その後、定圧待機期間を経て油圧式係合装置のトルク容量を発生させるように油圧サーボの油圧を漸増することが行われる。この油圧式係合装置の係合過程においては、上記急速充填後に油圧式係合装置がトルク容量を持ち始めた時点からトルク相が開始され、その後に油圧サーボの油圧が徐々に増加する過程でイナーシャ相が開始されることが知られている。
しかし、油圧式係合装置自体や油圧サーボへの油圧を制御するための油圧回路等には各個体毎の製造ばらつき等があり、自動変速機によっては変速指令からトルク相やイナーシャ相が開始されるまでの時間が異なってしまう可能性がある。また、上記製造ばらつき等を吸収するために急速充填の完了時点から所定時間内に所定油圧となるようにその急速充填に要する時間を調整することが考えられるが、このような場合にも変速指令からトルク相やイナーシャ相が開始されるまでの時間が異なってしまう可能性がある。
そうすると、変速指令からの経過時間に応じて各変速毎に一律にエンジンの出力トルクの増加を開始すると、トルク相中での自動変速機の出力トルクの落込みを適切に抑制できない可能性があった。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、自動変速機の変速に際して、トルク相中での自動変速機の出力トルクの落込みを適切に抑制することができる車両の制御装置を提供することにある。
かかる目的を達成するための請求項1にかかる発明の要旨とするところは、(a) 油圧サーボを備えた複数の油圧式係合装置と、該複数の油圧式係合装置のうちの少なくとも1つが係合されることによって変速段を切り換える自動変速機と、前記油圧式係合装置を解放状態から係合状態とするときには前記油圧サーボへ作動油を急速充填した後に該油圧サーボの油圧が漸増するように該油圧サーボへ供給する油圧を制御する油圧制御手段と、前記自動変速機の変速過程におけるトルク相中に該自動変速機の出力トルクが低下することを抑制するように動力源を制御するトルク相補償制御手段とを備えた車両の制御装置であって、(b) 前記急速充填が完了した時点から前記自動変速機の変速過程におけるイナーシャ相開始までの期間を検出する期間検出手段と、(c) 前記急速充填が完了した時点を起点として設定された前記トルク相補償制御手段が前記動力源を制御するための開始タイミングを、前記期間検出手段により検出された期間に基づいて調整する開始タイミング調整手段とを、含むことにある。
このようにすれば、期間検出手段により検出された急速充填が完了した時点から自動変速機の変速過程におけるイナーシャ相開始までの期間に基づいて、その急速充填が完了した時点を起点として設定されたトルク相補償制御手段が動力源を制御するための開始タイミングが開始タイミング調整手段により調整されるので、たとえ急速充填の完了時点から所定時間内に所定油圧となるようにその急速充填に要する時間が調整されたとしても、自動変速機の変速に際してトルク相中での自動変速機の出力トルクの落込みを適切に抑制することができる。
ここで、請求項2にかかる発明は、請求項1に記載の車両の制御装置において、前記自動変速機の変速が所定の変速態様となるように前記油圧制御手段が前記油圧サーボへ供給する油圧態様を学習する油圧学習制御手段を更に含み、前記開始タイミング調整手段は、前記油圧学習制御手段による学習が完了している場合に前記開始タイミングを調整するものである。このようにすれば、油圧学習制御手段による学習が完了していないことで急速充填が完了した時点からイナーシャ相開始までの期間が学習毎に変化してその期間が安定しないために開始タイミングが不適切に調整されてしまうことを抑制することができる。
また、請求項3にかかる発明は、請求項1または2に記載の車両の制御装置において、前記開始タイミングは、前記自動変速機の変速過程におけるイナーシャ相開始時点から前記トルク相補償制御手段によるトルク相中における動力源の制御を実行する必要がある期間として予め定められた所定時間前となるように設定されるものであり、前記開始タイミング調整手段は、前記期間検出手段により検出された期間から前記所定時間を減算した時間だけ前記急速充填が完了した時点から経過した時点を前記自動変速機の次回の変速時における前記開始タイミングに設定するものである。このようにすれば、急速充填に要する時間に拘わらず次回の変速時における開始タイミングが適切に設定され、自動変速機の変速に際してトルク相中での自動変速機の出力トルクの落込みを適切に抑制することができる。
ここで、好適には、前記自動変速機は、1組または複数組の遊星歯車装置の回転要素が油圧式係合装置によって選択的に連結されることにより複数のギヤ段が択一的に達成される例えば、前進2段、前進3段、更にはそれ以上の変速段を有する等の種々の遊星歯車式多段変速機等により構成される。例えば、上記遊星歯車式多段変速機は、エンジンと駆動輪との間の動力伝達経路に設けられたり、或いはエンジンからの動力を第1電動機および出力軸へ分配する例えば遊星歯車装置で構成される差動機構とその差動機構の出力軸に設けられた第2電動機とを備えてその差動機構の差動作用によりエンジンからの動力の主部を駆動輪へ機械的に伝達しエンジンからの動力の残部を第1電動機から第2電動機への電気パスを用いて電気的に伝達することにより電気的に変速比が変更されるハイブリッド駆動装置において、第2電動機を出力軸に作動的に連結するために設けられる。
また、好適には、前記油圧式係合装置としては、前記油圧サーボ(ここでは油圧アクチュエータに同じ)によって係合させられる多板式、単板式のクラッチやブレーキ、或いはベルト式のブレーキ等の油圧式摩擦係合装置が広く用いられる。この油圧式摩擦係合装置を係合させるための作動油を供給するオイルポンプは、例えば走行用の動力源により駆動されて作動油を吐出するものでも良いが、走行用動力源とは別に配設された専用の電動モータなどで駆動されるものでも良い。
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明が適用されたハイブリッド駆動装置10を説明する概略構成図である。図1において、このハイブリッド駆動装置10では、車両において、主駆動源である第1駆動源12のトルクが出力部材として機能する出力軸14に伝達され、その出力軸14から差動歯車装置16を介して左右一対の駆動輪18にトルクが伝達されるようになっている。また、このハイブリッド駆動装置10には、走行のための駆動力を出力する力行制御およびエネルギを回収するための回生制御を選択的に実行可能な第2モータ・ジェネレータ(以下、MG2という)が第2駆動源(副駆動源)として設けられており、このMG2は自動変速機22を介して上記出力軸14に連結されている。したがって、MG2から出力軸14へ伝達されるトルク容量がその自動変速機22で設定される変速比γs(=MG2の回転速度Nmg2/出力軸14の回転速度Nout)に応じて増減されるようになっている。
上記自動変速機22は、変速比γsが「1」より大きい複数段を成立させることができるように構成されており、MG2からトルクを出力する力行時にはそのトルクを増大させて出力軸14へ伝達することができるので、MG2が一層低容量もしくは小型に構成される。これにより、例えば高車速に伴って出力軸14の回転速度Noutが増大した場合には、MG2の運転効率を良好な状態に維持するために、変速比γsを小さくしてMG2の回転速度Nmg2を低下させたり、また出力軸14の回転速度Noutが低下した場合には、変速比γsを大きくしてMG2の回転速度Nmg2を増大させる。
上記自動変速機22の変速の場合、その自動変速機22でのトルク容量が低下したり、あるいは回転速度の変化に伴う慣性トルクが生じたりし、これが出力軸14のトルクすなわち出力軸トルクに影響する。そこで、上記のハイブリッド駆動装置10では、自動変速機22による変速の際に第1駆動源12のトルクを補正して出力軸14のトルク変動を防止もしくは抑制するように制御される。
上記第1駆動源12は、エンジン24と、第1モータ・ジェネレータ(以下、MG1という)と、これらエンジン24とMG1との間でトルクを合成もしくは分配するための遊星歯車装置26とを主体として構成されている。上記エンジン24は、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどの燃料を燃焼させて動力を出力する公知の内燃機関であって、マイクロコンピュータを主体とするエンジン制御用の電子制御装置(E−ECU)28によって、スロットル弁開度や吸入空気量、燃料供給量、点火時期などの運転状態が電気的に制御されるように構成されている。上記電子制御装置28には、アクセルペダル27の操作量を検出するアクセル操作量センサAS、ブレーキペダル29の操作の有無を検出するためのブレーキセンサBS等からの検出信号が供給されている。
上記MG1は、例えば同期電動機であって、駆動トルクを発生させる電動機としての機能と発電機としての機能とを選択的に生じるように構成され、インバータ30を介してバッテリー、コンデンサなどの蓄電装置32に接続されている。そして、マイクロコンピュータを主体とするモータジェネレータ制御用の電子制御装置(MG−ECU)34によってそのインバータ30が制御されることにより、MG1の出力トルクあるいは回生トルクが調節或いは設定されるようになっている。上記電子制御装置34には、シフトレバー35の操作位置を検出する操作位置センサSS等からの検出信号が供給されている。
前記遊星歯車装置26は、サンギヤS0と、そのサンギヤS0に対して同心円上に配置されたリングギヤR0と、これらサンギヤS0およびリングギヤR0に噛み合うピニオンギヤP0を自転かつ公転自在に支持するキャリヤC0とを三つの回転要素として備えて、公知の差動作用を生じるシングルピニオン型の遊星歯車機構である。遊星歯車装置26はエンジン24および自動変速機22と同心に設けられている。遊星歯車装置26および自動変速機22は中心線に対して略対称的に構成されているため、図1ではそれらの下半分が省略されている。
本実施例では、エンジン24のクランク軸36はダンパー38を介して遊星歯車装置26のキャリヤC0に連結されている。これに対してサンギヤS0にはMG1が連結され、リングギヤR0には出力軸14が連結されている。このキャリヤC0は入力要素として機能し、サンギヤS0は反力要素として機能し、リングギヤR0は出力要素として機能している。
前記トルク合成分配機構として機能するシングルピニオン型の遊星歯車装置26の各回転要素の回転速度の相対的関係は、図2の共線図により示される。この共線図において、縦軸S0、縦軸C0、および縦軸R0は、サンギヤS0の回転速度、キャリヤC0の回転速度、およびリングギヤR0の回転速度をそれぞれ表す軸であり、縦軸S0、縦軸C0、および縦軸R0の相互の間隔は、縦軸S0と縦軸C0との間隔を1としたとき、縦軸C0と縦軸R0との間隔がρ(サンギヤS0の歯数Zs/リングギヤR0の歯数Zr)となるように設定されたものである。
上記遊星歯車装置26において、キャリヤC0に入力されるエンジン24の出力トルクに対して、MG1による反力トルクがサンギヤS0に入力されると、出力要素となっているリングギヤR0には、エンジン24から入力されたトルクより大きいトルクが現れるので、MG1は発電機として機能する。また、リングギヤR0の回転速度すなわち出力軸14の回転速度(出力軸回転速度)Noutが一定であるとき、MG1の回転速度Nmg1を上下に変化させることにより、エンジン24の回転速度(エンジン回転速度)Neを連続的に(無段階に)変化させることができる。図2の破線はMG1の回転速度Nmg1を実線に示す値から下げたときにエンジン回転速度Neが低下する状態を示している。すなわち、エンジン回転速度Neを例えば燃費が最もよい回転速度に設定する制御を、MG1を制御することによって実行することができる。この種のハイブリッド形式は、機械分配式あるいはスプリットタイプと称される。
図1に戻って、本実施例の前記自動変速機22は、一組のラビニョ型遊星歯車機構によって構成されている。すなわち自動変速機22では、第1サンギヤS1と第2サンギヤS2とが設けられており、その第1サンギヤS1にステップドピニオンP1の大径部が噛合するとともに、そのステップドピニオンP1の小径部がピニオンP2に噛合し、そのピニオンP2が前記各サンギヤS1、S2と同心に配置されたリングギヤR1(R2)に噛合している。上記各ピニオンP1、P2は、共通のキャリヤC1(C2)によって自転かつ公転自在にそれぞれ保持されている。また、第2サンギヤS2がピニオンP2に噛合している。
前記MG2は、前記モータジェネレータ制御用の電子制御装置(MG−ECU)34によりインバータ40を介して制御されることにより、電動機または発電機として機能させられ、アシスト用出力トルクあるいは回生トルクが調節或いは設定される。第2サンギヤS2にはそのMG2が連結され、上記キャリヤC1が出力軸14に連結されている。第1サンギヤS1とリングギヤR1とは、各ピニオンP1、P2と共にタプルピニオン型遊星歯車装置に相当する機構を構成し、また第2サンギヤS2とリングギヤR1とは、ピニオンP2と共にシングルピニオン型遊星歯車装置に相当する機構を構成している。
そして、自動変速機22には、第1サンギヤS1を選択的に固定するためにその第1サンギヤS1と変速機ハウジング42との間に設けられた第1ブレーキB1と、リングギヤR1を選択的に固定するためにそのリングギヤR1と変速機ハウジング42との間に設けられた第2ブレーキB2とが設けられている。これらのブレーキB1、B2は摩擦力によって制動力を生じるいわゆる摩擦係合装置であり、多板形式の係合装置あるいはバンド形式の係合装置を採用することができる。そして、これらのブレーキB1、B2は、それぞれ油圧シリンダ等のブレーキB1用油圧アクチュエータB1A、ブレーキB2用油圧アクチュエータB2Aにより発生させられる係合圧に応じてそのトルク容量が連続的に変化するように構成されている。
以上のように構成された自動変速機22は、第2サンギヤS2が入力要素として機能し、またキャリヤC1が出力要素として機能し、第1ブレーキB1が係合させられると「1」より大きい変速比γshの高速段Hが成立させられ、第1ブレーキB1に替えて第2ブレーキB2が係合させられるとその高速段Hの変速比γshより大きい変速比γslの低速段Lが成立させられるように構成されている。すなわち、自動変速機22は2段変速機で、これらの変速段HおよびLの間での変速は、車速Vや要求駆動力(もしくはアクセル操作量)などの走行状態に基づいて実行される。より具体的には、変速段領域を予めマップ(変速線図)として定めておき、検出された運転状態に応じていずれかの変速段を設定するように制御される。その制御を行うためのマイクロコンピュータを主体とした変速制御用の電子制御装置(T−ECU)44が設けられている。
上記電子制御装置44には、作動油の温度Toilを検出するための油温センサTS、第1ブレーキB1の係合油圧を検出するための油圧スイッチSW1、第2ブレーキB2の係合油圧を検出するための油圧スイッチSW2等からの検出信号が供給されている。また、MG2の回転速度Nmg2を検出するMG2回転速度センサ43、車速Vに対応する出力軸回転速度Noutを検出する出力軸回転速度センサ45からも、それ等の回転速度を表す信号が供給される。
図3は、上記自動変速機22を構成しているラビニョ型遊星歯車機構についての各回転要素の相互関係を表すために4本の縦軸S1、縦軸R1、縦軸C1、および縦軸S2を有する共線図を示している。それら縦軸S1、縦軸R1、縦軸C1、および縦軸S2は、第1サンギヤS1の回転速度、リングギヤR1の回転速度、キャリヤC1の回転速度、および第2サンギヤS2の回転速度をそれぞれ示すためのものである。
以上のように構成された自動変速機22では、第2ブレーキB2によってリングギヤR1が固定されると、低速段Lが設定され、MG2の出力したアシストトルクがそのときの変速比γslに応じて増幅されて出力軸14に付加される。これに替えて、第1ブレーキB1によって第1サンギヤS1が固定されると、低速段Lの変速比γslよりも小さい変速比γshを有する高速段Hが設定される。この高速段Hにおける変速比γshも「1」より大きいので、MG2の出力したアシストトルクがその変速比γshに応じて増大させられて出力軸14に付加される。
なお、各変速段L,Hが定常的に設定されている状態では、出力軸14に付加されるトルクは、MG2の出力トルクを各変速比に応じて増大させたトルクとなるが、自動変速機22の変速過渡状態では各ブレーキB1、B2でのトルク容量や回転速度変化に伴う慣性トルクなどの影響を受けたトルクとなる。また、出力軸14に付加されるトルクは、MG2の駆動状態では、正トルクとなり、被駆動状態では負トルクとなる。MG2の被駆動状態とは、出力軸14の回転が自動変速機22を介してMG2に伝達されることによりそのMG2が回転駆動される状態であり、車両の駆動、被駆動と必ずしも一致するわけではない。
図4は、上記各ブレーキB1、B2の係合解放によって自動変速機22の変速を自動的に制御するための変速用油圧制御回路50を示している。この油圧制御回路50には、エンジン24のクランク軸36に作動的に連結されることによりそのエンジン24により回転駆動されるメカニカル式オイルポンプ46と、電動機48aとそれにより回転駆動されるポンプ48bを備えた電動オイルポンプ48とを油圧源として備えており、それらメカニカル式オイルポンプ46および電動オイルポンプ48は、図示しないオイルパンに還流した作動油をストレーナ52を介して吸入し、或いは還流油路53を介して直接還流した作動油を吸入してライン圧油路54へ圧送する。上記還流した作動油の温度Toilを検出するための油温センサTSが、油圧制御回路50が形成されているバルブボデー51に設けられているが、他の部位に接続されていてもよい。
ライン圧調圧弁56は、リリーフ形式の調圧弁であって、ライン圧油路54に接続された供給ポート56aとドレン油路58に接続された排出ポート56bとの間を開閉するスプール弁子60と、そのスプール弁子60の閉弁方向の推力を発生させるスプリング62を収容すると同時にライン圧PLの設定圧を高く変更するときに電磁開閉弁64を介してモジュール圧油路66内のモジュール圧PMを受け入れる制御油室68と、スプール弁子60の開弁方向の推力を発生させる上記ライン圧油路54に接続されたフィードバック油室70とを備え、低圧および高圧の2種類のいずれかの一定のライン圧PLを出力する。例えば、アクセル操作量に基づく運転者の要求出力が予め設定された出力判定値よりも大きい場合、或いは自動変速機22の変速中すなわち変速過渡時である場合などでは、電磁開閉弁64が閉状態から開状態に切り換えられてモジュレータ圧PMが制御油室68内に供給され、スプール弁子60の閉弁方向に向かう推力が所定値増加させられることによりライン圧PLが低圧状態から高圧状態へ切り換えられる。
モジュール圧調圧弁72は、上記ライン圧PLを元圧とし、そのライン圧PLの変動に拘わらず、低圧側のライン圧PLよりも低く設定された一定のモジュール圧PMをモジュール圧油路66に出力する。第1ブレーキB1を制御するための第1リニヤソレノイド弁SLB1および第2ブレーキB2を制御するための第2リニヤソレノイド弁SLB2は、非通電時において入力ポートと出力ポートとの間が閉弁(遮断)される常閉型(N/C)の弁特性を備え、上記モジュール圧PMを元圧として電子制御装置44からの指令値である駆動電流ISOL1およびISOL2に応じた制御圧PC1およびPC2を出力する。例えば、駆動電流ISOL1およびISOL2の増加に伴って出力される制御圧PC1およびPC2が増加させられる。
B1コントロール弁76は、ライン圧油路54に接続された入力ポート76aおよびB1係合油圧PB1を出力する出力ポート76bとの間を開閉するスプール弁子78と、そのスプール弁子78を開弁方向に付勢するために上記第1リニヤソレノイド弁SLB1からの制御圧PC1を受け入れる制御油室80と、スプール弁子78を閉弁方向に付勢するスプリング82を収容し且つ出力圧であるB1係合油圧PB1を受け入れるフィードバック油室84とを備え、ライン圧油路54内のライン圧PLを元圧として、第1リニヤソレノイド弁SLB1からの制御圧PC1に応じた大きさのB1係合油圧PB1を出力し、インターロック弁として機能するB1アプライコントロール弁86を通してブレーキB1に供給する。
B2コントロール弁90は、ライン圧油路54に接続された入力ポート90aおよびB2係合油圧PB2を出力する出力ポート90bとの間を開閉するスプール弁子92と、そのスプール弁子92を開弁方向に付勢するために上記第2リニヤソレノイド弁SLB2からの制御圧PC2を受け入れる制御油室94と、スプール弁子92を閉弁方向に付勢するスプリング96を収容し且つ出力圧であるB2係合油圧PB2を受け入れるフィードバック油室98とを備え、ライン圧油路54内のライン圧PLを元圧として、第2リニヤソレノイド弁SLB2からの制御圧PC2に応じた大きさのB2係合油圧PB2を出力し、インターロック弁として機能するB2アプライコントロール弁100を通してブレーキB2に供給する。
B1アプライコントロール弁86は、B1コントロール弁76から出力されたB1係合油圧PB1を受け入れる入力ポート86aおよび第1ブレーキB1に接続された出力ポート86bとの間を開閉するスプール弁子102と、そのスプール弁子102を開弁方向に付勢するためにモジュール圧PMを受け入れる油室104と、そのスプール弁子102を閉弁方向に付勢するスプリング106を収容し且つB2コントロール弁90から出力されたB2係合油圧PB2を受け入れる油室108とを備え、第2ブレーキB2を係合させるためのB2係合油圧PB2が供給されるまでは開弁状態とされるが、そのB2係合油圧PB2が供給されると閉弁状態に切り換えられて、第1ブレーキB1の係合が阻止される。
また、上記B1アプライコントロール弁86には、そのスプール弁子102が開弁位置(図4の中心線の右側に示す位置)であるときに閉じられ、逆にそのスプール弁子102が閉弁位置(図4の中心線の左側に示す位置)にあるときに開かれる一対のポート110aおよび110bが設けられている。この一方のポート110aにはB2係合油圧PB2を検出するための油圧スイッチSW2が接続され、他方のポート110bには第2ブレーキB2が直接接続されている。この油圧スイッチSW2は、B2係合油圧PB2が予め設定された高圧状態となるとオン状態となり、B2係合油圧PB2が予め設定された低圧状態以下となるとオフ状態に切り換えられるように構成されている。この油圧スイッチSW2は、B1アプライコントロール弁86を介して第2ブレーキB2に接続されているので、B2係合油圧PB2の異常と同時に、第1ブレーキB1の油圧系を構成する第1リニヤソレノイド弁SLB1、B1コントロール弁76、B1アプライコントロール弁86等の異常も判定可能となっている。
B2アプライコントロール弁100も、B1アプライコントロール弁86と同様に、B2コントロール弁90から出力されたB2係合油圧PB2を受け入れる入力ポート100aおよび第2ブレーキB2に接続された出力ポート100bとの間を開閉するスプール弁子112と、そのスプール弁子112を開弁方向に付勢するためにモジュール圧PMを受け入れる油室114と、そのスプール弁子112を閉弁方向に付勢するスプリング116を収容し且つB1コントロール弁76から出力されたB1係合油圧PB1を受け入れる油室118とを備え、第1ブレーキB1を係合させるためのB1係合油圧PB1が供給されるまでは開弁状態とされるが、そのB1係合油圧PB1が供給されると閉弁状態に切り換えられて、第2ブレーキB2の係合が阻止される。
上記B2アプライコントロール弁100にも、そのスプール弁子112が開弁位置(図4の中心線の右側に示す位置)であるときに閉じられ、逆にそのスプール弁子112が閉弁位置(図4の中心線の左側に示す位置)にあるときに開かれる一対のポート120aおよび120bが設けられている。この一方のポート120aにはB1係合油圧PB1を検出するための油圧スイッチSW1が接続され、他方のポート120bには第1ブレーキB1が直接接続されている。この油圧スイッチSW1は、B1係合油圧PB1が予め設定された高圧状態となるとオン状態となり、B1係合油圧PB1が予め設定された低圧状態以下となるとオフ状態に切り換えられるように構成されている。この油圧スイッチSW1は、B2アプライコントロール弁100を介して第1ブレーキB1に接続されているので、B1係合油圧PB1の異常と同時に、第2ブレーキB2の油圧系を構成する第2リニヤソレノイド弁SLB2、B2コントロール弁90、B2アプライコントロール弁100等の異常も判定可能となっている。
図5は、以上のように構成された油圧制御回路50の作動を説明する図表である。図5では、○印が励磁状態或いは係合状態を示し、×印が非励磁状態或いは解放状態を示している。すなわち、第1リニヤソレノイド弁SLB1が非励磁状態とされ且つ第2リニヤソレノイド弁SLB2が励磁状態とされることによって、第1ブレーキB1が解放状態とされ且つ第2ブレーキB2が係合状態とされて自動変速機22の低速段Lが達成される。また、第1リニヤソレノイド弁SLB1が励磁状態とされ且つ第2リニヤソレノイド弁SLB2が非励磁状態とされることによって、第1ブレーキB1が係合状態とされ且つ第2ブレーキB2が解放状態とされて自動変速機22の高速段Hが達成される。
図6は、電子制御装置28、34および44の制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。図6において、ハイブリッド駆動制御手段130は、例えば、キーがキースロットに挿入された後、ブレーキペダルが操作された状態でパワースイッチが操作されることにより制御が起動されると、アクセル操作量に基づいて運転者の要求出力を算出し、低燃費で排ガス量の少ない運転となるようにエンジン24および/またはMG2から要求出力を発生させる。例えば、エンジン24を停止し専らMG2を駆動源とするモータ走行モード、エンジン24の動力でMG1により発電を行いながらMG2を駆動源として走行する充電走行モード、エンジン24の動力を機械的に駆動輪18に伝えて走行するエンジン走行モード等を、走行状態に応じて切り換える。
上記ハイブリッド駆動制御手段130は、エンジン24が最適燃費曲線上で作動するようにMG1によってエンジン回転速度Neを制御する。また、MG2を駆動してトルクアシストする場合、車速Vが遅い状態では自動変速機22を低速段Lに設定して出力軸14に付加するトルクを大きくし、車速Vが増大した状態では自動変速機22を高速段Hに設定してMG2の回転速度Nmg2を相対的に低下させて損失を低減し、効率の良いトルクアシストを実行させる。さらに、コースト走行時には車両の有する慣性エネルギーでMG1或いはMG2を回転駆動することにより電力として回生し、蓄電装置32にその電力を蓄える。
また、後進走行は、例えば自動変速機22を低速段Lとした状態で、MG2を逆方向へ回転駆動することによって達成される。この時、第1駆動源12のMG1は無負荷或いは最小トルクとされ、エンジン24の作動状態に関係なく出力軸14が逆回転することを許容する。
前記エンジン走行モードにおける制御を一例としてより具体的に説明すると、ハイブリッド駆動制御手段130は、動力性能や燃費向上などのために、エンジン24を効率のよい作動域で作動させる一方で、エンジン24とMG2との駆動力の配分やMG1の発電による反力を最適になるよう制御する。
例えば、ハイブリッド駆動制御手段130は、予め記憶された駆動力マップから運転者の出力要求量としてのアクセル操作量や車速などに基づいて目標駆動力関連値例えば要求出力軸トルクTRを決定し、その要求出力軸トルクTRから充電要求値等を考慮して要求出力軸パワーを算出し、その要求出力軸パワーが得られるように伝達損失、補機負荷、MG2のアシストトルクや自動変速機22の変速段等を考慮して目標エンジンパワーを算出し、例えばエンジン回転速度とエンジントルクとで構成される二次元座標内において運転性と燃費性とを両立するように予め実験的に求められて記憶されたエンジンの最適燃費率曲線(燃費マップ、関係)に沿ってエンジン24を作動させつつ上記目標エンジンパワーが得られるエンジン回転速度とエンジントルクとなるように、エンジン24を制御すると共にMG1の発電量を制御する。
また、ハイブリッド駆動制御手段130は、スロットル制御のためにスロットルアクチュエータにより電子スロットル弁を開閉制御させる他、燃料噴射制御のために燃料噴射装置による燃料噴射量や噴射時期を制御させ、点火時期制御のためにイグナイタ等の点火装置による点火時期を制御させる指令を単独で或いは組み合わせて図示しないエンジン出力制御装置に出力して、必要なエンジン出力を発生するようにエンジン24の出力制御を実行するエンジン出力制御手段を機能的に備えている。
変速制御手段132は、例えば図7に示す予め記憶された変速線図(変速マップ)から、車速Vおよび要求駆動力(例えば予め記憶された駆動力マップからアクセル操作量や車速などに基づいて前記ハイブリッド駆動制御手段130により決定された目標駆動力)に基づいて自動変速機22の変速を判断し、その判断結果に基づいて決定した変速段に切り換えるように第1ブレーキB1および第2ブレーキB2を制御する。図7において、実線は低速段Lから高速段Hへ切り換えるアップシフト線であり、一点鎖線は高速段Hから低速段Lへ切り換えるダウンシフト線であって、アップシフトとダウンシフトとの間に所定のヒステリシスが設けられている。これ等の実線および一点鎖線で示す変速線は変速規則に相当するものであり、これ等の変速線に従って変速が行われる。
例えば、前記変速制御手段132は、前記決定した変速段に切り換えるために自動変速機22の変速が所定の変速態様となるように定められた変速指令を油圧制御回路50へ出力する油圧制御手段として機能する。油圧制御回路50は、その変速指令に従ってリニヤソレノイド弁SLB1および第2リニヤソレノイド弁SLB2を駆動して第1ブレーキB1および第2ブレーキB2のそれぞれの作動状態を切り換える。
図8は、上記変速指令の一例を示した図であって、良く知られたクラッチツウクラッチ変速において変速ショックと変速応答性とが両立するような所定の変速態様となるための予め実験的に求められて設定された係合側油圧指令値および解放側油圧指令値である。
図8において、t1時点は、自動変速機22の変速が判断された後に判断結果に基づいて決定した変速段に切り換えるための変速指令が出力されたことを示している。
このt1時点では、係合状態とされている係合装置を速やかに解放状態とするようにその係合装置の係合油圧を急速に低下させるための解放側油圧指令値が出力される。例えば、高速段Hへのアップシフト時には、低速段Lにて係合状態とされている第2ブレーキB2を速やかに解放状態とするようにB2係合油圧PB2を急速に低下させるための解放側油圧指令値が出力される。その解放側油圧指令値に従って、破線の如く実際の係合油圧が低下させられる。
t1時点から所定時間後のt2時点では、解放状態とされている係合装置のパッククリアランスを速やかに詰めるようにその係合装置の油圧アクチュエータへ作動油を急速充填するための係合側油圧指令値(クイックフィル指令値)が出力される。例えば、高速段Hへのアップシフト時には、低速段Lにて解放状態とされている第1ブレーキB1のパッククリアランスを速やかに詰めるようにブレーキB1用油圧アクチュエータB1Aへ作動油を急速充填するためのB1クイックフィル指令値が出力される。そのクイックフィル指令値に従って、破線の如く実際の係合油圧が上昇させられる。
上記クイックフィル指令値に続いて、t3時点では、MG2の回転速度Nmg2を変速後の同期回転速度Nsp(=出力軸回転速度Nout×変速後の変速比γsp)へ変化させるように、そのクイックフィル指令値に替えて解放状態とされている係合装置に所定のトルク容量を発生させるための係合側油圧指令値(定圧待機指令値)が出力される。例えば、高速段Hへのアップシフト時には、MG2の回転速度Nmg2をアップシフト後の同期回転速度Nsh(=Nout×γsh)へ変化させるように、第1ブレーキB1に所定のトルク容量を発生させるためのB1定圧待機指令値が出力される。その定圧待機指令値に従って、破線の如く実際の係合油圧が上昇させられる。
上記定圧待機指令値に続いて、t6時点では、すなわちMG2の回転速度Nmg2が変速後の同期回転速度Nspへ向かって変化する所謂イナーシャ相の開始時点では、定圧待機指令値に替えて僅かではあるがその定圧待機指令値を漸増させる係合側油圧指令値(スイープアップ指令値)が出力される。例えば、高速段Hへのアップシフト時には、僅かではあるがB1定圧待機指令値を漸増させるB1スイープアップ指令値が出力される。そのスイープアップ指令値に従って、破線の如く実際の係合油圧がほぼ指令値通り変化させられる。
前記定圧待機指令値およびスイープアップ指令値は、係合状態とするべき係合装置を完全係合するような係合油圧を最大値(例えばライン圧PL)とするための油圧指令値よりも充分に小さく、完全係合に先立って係合状態とするべき係合装置に所定のトルク容量を持たせるような比較的低い圧とするための油圧指令値であって、それによりドライバビリティーに可及的に影響しないような変速後の同期回転速度Nspに向かうMG2回転速度Nmg2の回転勾配となるように、係合ショックの抑制と変速時間とを考慮して予め実験的に求められた油圧指令値である。
前記スイープアップ指令値に続いて、t7時点では、すなわちMG2の回転速度Nmg2が変速後の同期回転速度Nspと回転同期したイナーシャ相終了時点例えば実際のMG2の回転速度Nmg2と変速後のMG2の同期回転速度Nspとの変速後回転速度差ΔNsp(=|Nsp−Nmg2|)が所定値以内となった時点では、スイープアップ指令値に替えて係合状態とするべき係合装置を完全係合するようにその係合装置の油圧アクチュエータへ作動油を急速充填して係合油圧を最大値とするための係合側油圧指令値(完全係合指令値)が出力される。例えば、高速段Hへのアップシフト時には、第1ブレーキB1を完全係合するようにブレーキB1用油圧アクチュエータB1Aへ作動油を急速充填してB1係合油圧PB1を最大値とするためのB1完全係合指令値が出力される。その完全係合指令値に従って、破線の如く実際の係合油圧が上昇させられて係合状態とするべき係合装置が完全係合される。
前記図8には、各油圧指令値の変化に併せて、自動変速機22の出力トルクすなわち出力軸14におけるトルク(出力軸トルク)Toutの変化およびMG2の回転速度Nmg2の変化の一例を示した。これら出力軸トルクToutおよびMG2の回転速度Nmg2はいずれもアップシフト時の変化を示している。
このように、前記変速制御手段132により自動変速機22の変速が行われると、その変速過程のトルク相中(図8のt4時点乃至t6時点)では、すなわち変速時に解放状態へ切り換えられる解放側の係合装置に微小滑りが生じて自動変速機22でのトルク容量が低下するものの解放側の係合装置のトルク分担が零とならず未だMG2の回転速度Nmg2に変化が生じていない期間では、出力軸トルクToutに一時的な落ち込みが生じる。このようなトルク相中の出力軸トルクToutの一時的な落ち込みを抑制して変速ショックを低減するために、動力源を制御することによってトルク相中の出力軸トルクToutを補うことが考えられる。以下、このトルク相中の出力軸トルクToutを補うことをトルク相補償と称する。
上述したトルク相補償としては、エンジン24の出力トルク(エンジントルク)TeやMG1による反力トルク(MG1トルク)Tmg1を変化させて第1駆動源12の出力トルクを増大する方法や、MG2の出力トルク(MG2トルク)Tmg2を増大する方法がある。しかし、エンジントルクTeの増大はMG1トルクTmg1の増大に比較して制御性や応答性に劣る点、MG2トルクTmg2は自動変速機22を介して出力軸14にトルクが伝達される点等を考慮すると、MG1トルクTmg1を増大することが適切であると考えられる。
具体的には、トルク相補償制御手段134は、自動変速機22の変速過程におけるトルク相中に生じる出力軸トルクToutの一時的な落ち込みを抑制するようにMG1トルクTmg1を増大するトルク相補償指令を前記ハイブリッド駆動制御手段130に出力してトルク相補償を実行する。ハイブリッド駆動制御手段130は、上記トルク相補償指令に従ってMG1トルクTmg1を制御して第1駆動源12の出力トルクを増大する。
ここで、前記トルク相補償制御手段134によるトルク相補償を実行するための開始タイミングとしては、トルク相の開始時点(図8のt4時点)を判定することが困難であることから、前記変速制御手段132により出力された変速指令から所定時間経過した時点とすることが良く知られている。また、係合装置や油圧制御回路50等には各個体毎の製造ばらつきや経時変化等があり、その製造ばらつきによって生ずる実際のトルク相の開始時点等の各個体毎のずれに開始タイミングを合わせるために、変速指令から変速過程におけるイナーシャ相開始までの期間に基づいてその開始タイミングを調整(学習)することが考えられる。
しかしながら、車両の工場出荷時や車両整備等において上記製造ばらつきを吸収するために、前記クイックフィル指令値の出力が終了した時点すなわち前記定圧待機指令値の出力が開始した時点から所定時間内に所定油圧となるようにクイックフィル指令値の出力期間の調整がなされる場合がある。そうすると、変速指令からトルク相やイナーシャ相が開始されるまでの時間が各々異なってしまい、変速指令を起点として予め設定された開始タイミングや変速指令からイナーシャ相開始までの時間に基づいて調整された開始タイミングではトルク相中での出力軸トルクToutの一時的な落ち込みを適切に抑制できない可能性がある。
そこで、本実施例では、前記トルク相補償制御手段134によるトルク相補償を実行するための開始タイミングを前記変速制御手段132によるクイックフィル指令値の出力が終了した時点を起点として設定する。例えば、図8のt5時点に示すように、変速過程におけるイナーシャ相開始時点から所定時間th前となるように上記開始タイミングを設定する。すなわち、クイックフィル指令値の出力が終了した時点からイナーシャ相開始までの予め実験的に求められたイナーシャ相開始期間tiから上記所定時間thを減算した開始タイミング設定時間tk(=ti−th)だけクイックフィル指令値の出力が終了した時点から経過した時点をトルク相補償制御手段134がトルク相補償を実行するための開始タイミングとして設定する。上記所定時間thは、例えばトルク相中においてトルク相補償制御手段134によるトルク相補償を実行する必要がある期間として予め実験的に求められて設定されたトルク相補償時間thである。
そして、クイックフィル指令値の出力が終了した時点からイナーシャ相開始までの実際のイナーシャ相開始期間(実イナーシャ相開始期間)tijに基づいて上記開始タイミングを調整する。すなわち、この実イナーシャ相開始期間tijからトルク相補償時間thを減算した調整後開始タイミング設定時間tkc(=tij−th)だけクイックフィル指令値の出力が終了した時点から経過した時点を次回の変速時においてトルク相補償制御手段134がトルク相補償を実行するための開始タイミングとして設定する。これによって、前述したクイックフィル指令値の出力期間の調整による影響が排除され、且つ各個体毎の製造ばらつきや経時変化等が適切に吸収されて、自動変速機22の変速に際してトルク相中での出力軸トルクToutの一時的な落ち込みを適切に抑制することができる。
より具体的には、イナーシャ相開始判定手段136は、MG2の回転速度Nmg2の変化量がイナーシャ相開始が開始されたと判断するための予め実験的に求められて設定された所定回転変化量を超えたか否かに基づいて実際にイナーシャ相が開始されたか否かを判断する。
期間検出手段138は、自動変速機22の変速過程において、係合側係合装置の油圧アクチュエータへの作動油の急速充填が完了した時点すなわち前記変速制御手段132によるクイックフィル指令値の出力が終了した時点から前記イナーシャ相開始判定手段136により実際にイナーシャ相が開始されたと判断された時点までの実イナーシャ相開始期間tijを検出する。
開始タイミング調整手段140は、前記期間検出手段138により検出された実イナーシャ相開始期間tijに基づいて、前記変速制御手段132によるクイックフィル指令値の出力が終了した時点を起点として予め設定された前記トルク相補償制御手段134がトルク相補償を実行するための開始タイミングすなわち開始タイミング設定時間tk(=ti−th)を調整する。すなわち、開始タイミング調整手段140は、実イナーシャ相開始期間tijに基づいて調整後開始タイミング設定時間tkc(=tij−th)を算出し、その調整後開始タイミング設定時間tkcを次回の変速時においてトルク相補償制御手段134がトルク相補償を実行するための開始タイミングに設定する。
前記トルク相補償制御手段134は、前記変速制御手段132によるクイックフィル指令値の出力が終了した時点から開始タイミング設定時間tk経過したときに、或いは前記開始タイミング調整手段140により開始タイミング設定時間が調整されているときにはそのクイックフィル指令値の出力が終了した時点から調整後開始タイミング設定時間tkc経過したときにトルク相補償を開始し、トルク相補償時間thだけすなわち前記イナーシャ相開始判定手段136により実際にイナーシャ相が開始されたと判断された時点までトルク相補償を実行する。
ところで、前述したように変速制御手段132は、自動変速機22の変速が所定の変速態様となるように予め定められた変速指令(油圧指令値)を油圧制御回路50へ出力するが、係合装置や油圧制御回路50等の製造ばらつきや経時変化、作動油の温度Toil変化等の車両状態の変化等による変速への影響を抑制するために上記油圧指令値を所定の変速態様となるように学習することが良く知られている。
本実施例においても、自動変速機22の変速が所定の変速態様となるようにブレーキB1用油圧アクチュエータB1AおよびブレーキB2用油圧アクチュエータB2Aへ供給する油圧態様すなわち変速制御手段132が出力する油圧指令値を学習する油圧学習制御手段142を更に備えても良い。
例えば、油圧学習制御手段142は、図8に示すような変速過程で発生するMG2の回転速度Nmg2の吹き量が所定吹き量範囲となるように、係合側油圧指令値の出力を開始する時点(図8のt2時点)を変更したり、係合側油圧指令値におけるクイックフィル指令値の値を変更する指令を変速制御手段132へ出力する。油圧学習制御手段142は、例えば実際のMG2の回転速度Nmg2と変速前のMG2の同期回転速度Nsb(=出力軸回転速度Nout×変速前の変速比γsb)との変速前回転速度差ΔNsb(=|Nsb−Nmg2|)が所定吹き量範囲を超えている場合には、次回の変速における係合側油圧指令値の出力を開始する時点を前回よりも早くしたり、クイックフィル指令値の値を前回よりも大きくする指令を変速制御手段132へ出力する一方で、変速前回転速度差ΔNsbが所定吹き量範囲より小さい場合には、次回の変速における係合側油圧指令値の出力を開始する時点を前回よりも遅くしたり、クイックフィル指令値の値を前回よりも小さくする指令を変速制御手段132へ出力する。上記所定吹き量範囲は、クラッチツウクラッチ変速において解放側係合装置の係合トルクと係合側係合装置の係合トルクとの重なり具合がタイアップ状態とならず、変速ショックが抑制されて変速フィーリングが向上する弱アンダーラップ状態となるための予め実験的に求められて設定された吹き量判定値である。
また、油圧学習制御手段142は、変速過程において変速後の同期回転速度Nspへ向かうMG2の回転速度Nmg2の変化勾配(単位時間当たりのMG2の回転速度Nmg2の変化量)が所定変化勾配範囲となるように、係合側油圧指令値における定圧待機指令値やスイープアップ指令値の値を変更する指令を変速制御手段132へ出力する。油圧学習制御手段142は、例えば実際のMG2の回転速度Nmg2の変化勾配が所定変化勾配範囲を超えている場合には、次回の変速における定圧待機指令値やスイープアップ指令値の値を前回よりも小さくする指令を変速制御手段132へ出力する一方で、実際のMG2の回転速度Nmg2の変化勾配が所定変化勾配範囲より小さい場合には、次回の変速における定圧待機指令値やスイープアップ指令値の値を前回よりも大きくする指令を変速制御手段132へ出力する。上記所定変化勾配範囲は、クラッチツウクラッチ変速において変速ショックの抑制と変速応答性の向上とが両立するための予め実験的に求められて設定された変速速度判定値である。
このように油圧学習制御手段142により油圧指令値が学習されると、次回の変速において実イナーシャ相開始期間tijがその学習結果に応じて変化する。そうすると、前記開始タイミング調整手段140により前回の実イナーシャ相開始期間tijに基づいて設定された次回の変速における調整後開始タイミング設定時間tkcと次回の変速においてトルク相補償を開始しなければいけない実際の開始タイミングとにずれが生じて、前記トルク相補償制御手段134によるトルク相補償が実行されたとしてもトルク相中での出力軸トルクToutの一時的な落ち込みが適切に抑制されない可能性がある。言い換えれば、油圧学習制御手段142による油圧指令値の学習が完了していないことで実イナーシャ相開始期間tijがその学習毎に変化して安定しないために開始タイミング調整手段140により調整後開始タイミング設定時間tkcが不適切に調整される可能性がある。
そこで、本実施例では、前記油圧学習制御手段142による油圧指令値の学習が完了(収束)しているか否かを判定する油圧学習完了判定手段144を更に備え、前記開始タイミング調整手段140は、油圧学習完了判定手段144により油圧学習制御手段142による油圧指令値の学習が完了していると判定された場合に調整後開始タイミング設定時間tkcを調整する一方で、油圧学習完了判定手段144により油圧指令値の学習が完了していない判定された場合には調整後開始タイミング設定時間tkcを調整しないようにしても良い。
前記油圧学習完了判定手段144は、例えば油圧指令値の学習に際して前記油圧学習制御手段142によりMG2の回転速度Nmg2の吹き量が所定吹き量範囲に収束し且つMG2の回転速度Nmg2の変化勾配が所定変化勾配範囲に収束していると判断されているか否かに基づいて、油圧学習制御手段142による油圧指令値の学習が完了しているか否かを判定する。
図9は、電子制御装置28、34および44の制御機能の要部すなわち自動変速機22の変速に際してトルク相中の出力軸トルクToutの一時的な落ち込みを適切に抑制して変速ショックを低減する為の制御作動を説明するフローチャートであり、例えば数msec乃至数十msec程度の極めて短いサイクルタイムで繰り返し実行されるものである。
先ず、前記油圧学習完了判定手段144に対応するステップ(以下、ステップを省略する)S1において、油圧指令値の学習が完了(収束)しているか否かが、例えば油圧指令値の学習に際してMG2の回転速度Nmg2の吹き量が所定吹き量範囲に収束し且つMG2の回転速度Nmg2の変化勾配が所定変化勾配範囲に収束していると判断されているか否かに基づいて判定される。
前記S1の判断が否定される場合は本ルーチンが終了させられるが、油圧指令値の学習が完了していると判定されてこのS1が肯定される場合は前記期間検出手段138に対応するS2において、自動変速機22の変速過程において実イナーシャ相開始期間tijが検出される。
次いで、前記開始タイミング調整手段140に対応するS3において、前記S2にて検出された実イナーシャ相開始期間tijに基づいてトルク相補償を実行するための開始タイミングが調整される。つまり、実イナーシャ相開始期間tijに基づいて調整後開始タイミング設定時間tkc(=tij−th)が算出され、その調整後開始タイミング設定時間tkcが次回の変速時においてトルク相補償を実行するための開始タイミングに設定される。
次いで、前記トルク相補償制御手段134に対応するS4において、次回以降の変速の際には、係合側の油圧指令値におけるクイックフィル指令値の出力が終了した時点から前記S3にて設定された調整後開始タイミング設定時間tkc経過したときにトルク相補償が開始され、トルク相補償時間thだけトルク相補償が実行される。
上述のように、本実施例によれば、自動変速機22の変速過程において期間検出手段138により検出された実イナーシャ相開始期間tijに基づいて、変速制御手段132によるクイックフィル指令値の出力が終了した時点を起点として予め設定されたトルク相補償制御手段134がトルク相補償を実行するための開始タイミングが開始タイミング調整手段140により調整されるので、各個体毎の製造ばらつきや経時変化等が適切に吸収されて、且つたとえクイックフィル指令値の出力が終了した時点から所定時間内に所定油圧となるようにクイックフィル指令値の出力期間が調整されたとしても、自動変速機22の変速に際してトルク相中での出力軸トルクToutの一時的な落ち込みを適切に抑制することができる。
また、本実施例によれば、油圧学習完了判定手段144により油圧学習制御手段142による油圧指令値の学習が完了していると判定された場合に開始タイミング調整手段140により調整後開始タイミング設定時間tkcが調整されるので、油圧学習制御手段142による油圧指令値の学習が完了していないことで実イナーシャ相開始期間tijがその学習毎に変化して安定しないために開始タイミング調整手段140により調整後開始タイミング設定時間tkcが不適切に調整されてしまうことを抑制することができる。
また、本実施例によれば、トルク相補償制御手段134によるトルク相補償を実行するための開始タイミングは、自動変速機22の変速過程におけるイナーシャ相開始時点からトルク相補償制御手段134によるトルク相補償を実行する必要がある期間として予め実験的に求められて設定されたトルク相補償時間th前となるように設定されるものであり、開始タイミング調整手段140は、期間検出手段138により検出された実イナーシャ相開始期間tijからトルク相補償時間thを減算した調整後開始タイミング設定時間tkc(=tij−th)だけクイックフィル指令値の出力が終了した時点から経過した時点を自動変速機22の次回の変速時における開始タイミングに設定するので、クイックフィル指令値に要する時間に拘わらず次回の変速時における開始タイミングが適切に設定され、自動変速機22の変速に際してトルク相中での出力軸トルクToutの一時的な落ち込みを適切に抑制することができる。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
例えば、前述の実施例では、係合油圧制御過程において、スイープアップ指令値が出力されたが、必ずしもこのスイープアップ指令値が出力される必要はなく、例えばそのまま定圧待機指令値が出力されてもよい。
また、前述の実施例では、自動変速機22はMG2の出力したトルクが増大させられて出力軸14に付加されるように、MG2と出力軸14との間に備えられた低速段Lと高速段Hとを有する2段の自動変速機(減速機)であったが、この自動変速機22に限らず他の変速機であっても本発明は適用され得る。例えば、MG2の出力したトルクが出力軸14に伝達されるようにMG2と出力軸14との間に備えられた有段式自動変速機であればよく、3段以上の変速段を有する遊星歯車式の多段変速機や一部或いは全部の変速段においてMG2の出力したトルクが減少させられて出力軸14に付加される増速機として機能する有段式自動変速機であっても良い。また、エンジン24の出力を駆動輪18へ伝達するよく知られた遊星歯車式の有段(多段)変速機であっても良い。
なお、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
22:自動変速機
28、34、44:電子制御装置(制御装置)
132:変速制御手段(油圧制御手段)
134:トルク相補償制御手段
138:期間検出手段
140:開始タイミング調整手段
142:油圧学習制御手段
B1:第1ブレーキ(油圧式係合装置)
B2:第2ブレーキ(油圧式係合装置)
B1A:ブレーキB1用油圧アクチュエータ(油圧サーボ)
B2A:ブレーキB2用油圧アクチュエータ(油圧サーボ)
28、34、44:電子制御装置(制御装置)
132:変速制御手段(油圧制御手段)
134:トルク相補償制御手段
138:期間検出手段
140:開始タイミング調整手段
142:油圧学習制御手段
B1:第1ブレーキ(油圧式係合装置)
B2:第2ブレーキ(油圧式係合装置)
B1A:ブレーキB1用油圧アクチュエータ(油圧サーボ)
B2A:ブレーキB2用油圧アクチュエータ(油圧サーボ)
Claims (3)
- 油圧サーボを備えた複数の油圧式係合装置と、該複数の油圧式係合装置のうちの少なくとも1つが係合されることによって変速段を切り換える自動変速機と、前記油圧式係合装置を解放状態から係合状態とするときには前記油圧サーボへ作動油を急速充填した後に該油圧サーボの油圧が漸増するように該油圧サーボへ供給する油圧を制御する油圧制御手段と、前記自動変速機の変速過程におけるトルク相中に該自動変速機の出力トルクが低下することを抑制するように動力源を制御するトルク相補償制御手段とを備えた車両の制御装置であって、
前記急速充填が完了した時点から前記自動変速機の変速過程におけるイナーシャ相開始までの期間を検出する期間検出手段と、
前記急速充填が完了した時点を起点として設定された前記トルク相補償制御手段が前記動力源を制御するための開始タイミングを、前記期間検出手段により検出された期間に基づいて調整する開始タイミング調整手段と
を、含むことを特徴とする車両の制御装置。 - 前記自動変速機の変速が所定の変速態様となるように前記油圧制御手段が前記油圧サーボへ供給する油圧態様を学習する油圧学習制御手段を更に含み、
前記開始タイミング調整手段は、前記油圧学習制御手段による学習が完了している場合に前記開始タイミングを調整するものである請求項1の車両の制御装置。 - 前記開始タイミングは、前記自動変速機の変速過程におけるイナーシャ相開始時点から前記トルク相補償制御手段によるトルク相中における動力源の制御を実行する必要がある期間として予め定められた所定時間前となるように設定されるものであり、
前記開始タイミング調整手段は、前記期間検出手段により検出された期間から前記所定時間を減算した時間だけ前記急速充填が完了した時点から経過した時点を前記自動変速機の次回の変速時における前記開始タイミングに設定するものである請求項1または2の車両の制御装置。
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2006
- 2006-11-07 JP JP2006301947A patent/JP2008114803A/ja active Pending
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