JP4682991B2 - ハイブリッド車両の駆動力制御装置 - Google Patents

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Description

本発明はハイブリッド車両の駆動力制御装置に係り、特に、要求駆動力の方向が切り換わる際に歯車のバックラッシによって発生するガタ打ちショックを抑制する駆動力制御に関するものである。
要求駆動力を第1駆動力発生源および第2駆動力発生源に配分して駆動力を発生させるハイブリッド車両が提案されている。特許文献1に記載のハイブリッド車両はその一例で、第1駆動力発生源としてエンジン(内燃機関)が設けられているとともに、第2駆動力発生源としてモータジェネレータが設けられており、両者のトルクを遊星歯車装置により合成して駆動輪に伝達するようになっている。
特開2000−225578号公報
しかしながら、このようにアクセル操作量等の要求駆動力に応じて第1駆動力発生源および第2駆動力発生源を制御する場合に、アクセルのOFF→ON操作などで要求駆動力の方向(正負)が切り換わる場合、すなわち駆動輪から駆動源側へ動力が伝達される被駆動状態(動力源ブレーキ状態)と、駆動源から駆動輪側へ動力が伝達される駆動状態とが切り換わる場合には、動力伝達経路に設けられた自動変速機や差動歯車装置等の歯車のバックラッシによってガタ打ちショック(打音の発生や駆動トルクの急な変化など)が発生するという問題があった。
本発明は以上の事情を背景として為されたもので、その目的とするところは、複数の駆動力発生源を有するハイブリッド車両において、要求駆動力の方向が切り換わる際に歯車のバックラッシによって発生するガタ打ちショックを抑制することにある。
かかる目的を達成するために、第1発明は、要求駆動力を第1駆動力発生源および電動機である第2駆動力発生源に配分して駆動力を発生させるハイブリッド車両の駆動力制御装置において、前記要求駆動力の変化で駆動状態と被駆動状態とが切り換わる場合には、駆動状態と被駆動状態とが切り換わらない場合に比較して、前記第1駆動力発生源の駆動力を変化させる第1変化タイミングと前記第2駆動力発生源の駆動力を変化させる第2変化タイミングとのずれが大きくなるように、それ等の変化タイミングを異ならせる変化タイミング調整手段を有することを特徴とする。
第2発明は、第1発明のハイブリッド車両の駆動力制御装置において、前記変化タイミング調整手段は、前記第2駆動力発生源である電動機との間で電力の授受を行う蓄電装置の状態に基づいて、前記第1変化タイミングおよび前記第2変化タイミングの前後関係を変更することを特徴とする。
第3発明は、第1発明または第2発明のハイブリッド車両の駆動力制御装置において、(a) 前記第2駆動力発生源は、摩擦係合装置を備える自動変速機を介して駆動輪に連結されており、(b) その自動変速機の変速中に前記要求駆動力の変化で駆動状態と被駆動状態とが切り換わる場合には、前記第2変化タイミングで前記第2駆動力発生源の駆動力を変化させる際に、前記摩擦係合装置の係合トルクに応じてその駆動力を制御することを特徴とする。
このようなハイブリッド車両の駆動力制御装置においては、要求駆動力の変化で駆動状態と被駆動状態とが切り換わる場合には、駆動状態と被駆動状態とが切り換わらない場合に比較して、第1駆動力発生源の駆動力を変化させる第1変化タイミングと第2駆動力発生源の駆動力を変化させる第2変化タイミングとのずれが大きくなるように、それ等の変化タイミングを異ならせるため、駆動状態と被駆動状態とが切り換わった場合には全体の駆動力が緩やかに或いは2段階で変化させられるようになり、駆動状態と被駆動状態とが切り換わる時の駆動力変化が小さくなってガタ打ちショックが抑制される。また、発進時や加速時などで駆動状態と被駆動状態とが切り換わらない場合は、変化タイミング調整手段による変化タイミングの調整を行うことなく例えば第1駆動力発生源および第2駆動力発生源の駆動力を略同じタイミングで変化させれば良いため、全体の駆動力が速やかに変化させられ、優れた応答性で所望の駆動力が得られる。
第2発明では、蓄電装置の状態に基づいて第1変化タイミングおよび第2変化タイミングの前後関係を変更するため、蓄電装置の残容量不足(出力可能電力不足)や満充電(入力可能電力不足)等による第2駆動力発生源の使用制限に拘らず、要求駆動力の変化に応じてガタ打ちショックを抑制しつつ実際の駆動力を適切に制御することができる。例えば要求駆動力の変化で被駆動状態から駆動状態へ切り換わる場合に、残容量不足で第2駆動力発生源の力行制御が不可の時には、先に第1駆動力発生源の駆動力を増大変化させるとともに、その第1駆動力発生源を用いた発電制御などで第2駆動力発生源の駆動力を増大変化させることにより、ガタ打ちショックを抑制しつつ両駆動力発生源を用いて所望の要求駆動力が得られる一方、蓄電装置の出力可能電力が所定値以上で第2駆動力発生源の力行制御が可能な時には、応答性に優れた第2駆動力発生源の駆動力を先に増大変化させ、所定時間後に第1駆動力発生源の駆動力を増大変化させることにより、ガタ打ちショックを抑制しつつ要求駆動力の変化に対して実際の駆動力を速やかに変化させることができる。
第3発明は、第2駆動力発生源が自動変速機を介して駆動輪に連結されている場合で、その自動変速機の変速中に要求駆動力の変化で駆動状態と被駆動状態とが切り換わる場合には、第2変化タイミングで第2駆動力発生源の駆動力を変化させる際に、摩擦係合装置の係合トルクに応じてその駆動力を制御するため、ガタ打ちショックおよび第2駆動力発生源の吹き上がり等による変速ショックを共に抑制しつつ、できるだけ速やかに第2駆動力発生源の駆動力を増大させることができる。
本発明のハイブリッド車両は、例えば第1駆動力発生源として内燃機関であるガソリンエンジン、ディーゼルエンジン等のエンジンを備え、第2駆動力発生源としてモータジェネレータ等の電動機を備えて構成される。それ等の第1駆動力発生源および第2駆動力発生源は、直列に接続しても良いし、遊星歯車装置等の合成分配機構を介して接続することもできるなど、少なくとも両方の駆動力発生源の駆動力を同時に同じ駆動輪に伝達できる種々の態様が可能である。必要に応じてクラッチやブレーキ等の動力を伝達、遮断する断続装置を介在させることもできる。
第1駆動力発生源は、エンジン等の単一の動力源であっても良いが、例えば図1の第1駆動力発生源12のように、エンジン24とモータジェネレータMG1とを合成分配機構として機能する遊星歯車装置26によって連結し、それ等のエンジン12およびモータジェネレータMG2の出力制御(回生制御を含む)で駆動力(制動力を含む)を制御するものなど、種々の態様が可能である。
ハイブリッド車両は、少なくとも第1駆動力発生源および第2駆動力発生源の両方を用いて走行するエンジン+モータ走行モード等の走行モードを備えておれば良く、第1駆動力発生源および第2駆動力発生源の何れか一方のみで走行する走行モード等の他の走行モードを備えていても良い。第1駆動力発生源および第2駆動力発生源の両方を用いて走行する場合、被駆動状態では、エンジン等の第1駆動力発生源のポンピングロスやフリクションロス等によって制動力を発生し、第2駆動力発生源の電動機として発電機能を有するモータジェネレータを用いる場合は、回生制御(発電制御)によって回生制動トルクを発生させることもできる。電動機として、発電機能を備えていない電動モータを用いることも可能である。
要求駆動力の変化で駆動状態と被駆動状態とが切り換わる場合に、駆動状態と被駆動状態とが切り換わらない場合に比較して第1変化タイミングと第2変化タイミングとのずれが大きくなるように、それ等の変化タイミングを異ならせる変化タイミング調整手段は、例えば駆動状態と被駆動状態とが切り換わらない場合には両方の変化タイミングを略同じとし、駆動状態と被駆動状態とが切り換わる場合には何れか一方の変化タイミングを所定時間だけ遅らせるように構成される。駆動状態と被駆動状態とが切り換わらない場合に両方の変化タイミングがずれている場合には、駆動状態と被駆動状態とが切り換わる場合にそのずれ量を大きくするだけでも良いし、変化タイミングの前後関係を逆転させるものでも良い。この変化タイミングは、実際の駆動力の変化タイミングで、駆動力を変化させるための駆動力指令値の変化タイミングは、駆動力発生源に対する駆動力の変化指令から実際に駆動力が変化するまでの応答遅れを考慮して定められる。
変化タイミング調整手段は、例えば要求駆動力が負から正となって被駆動状態から駆動状態に切り換わる場合、すなわち動力源ブレーキ状態からアクセルが一気に踏込み操作されて駆動状態となり、大きなガタ打ちショックを発生する可能性がある場合に、変化タイミングを異ならせ、駆動力変化を緩和してガタ打ちショックを抑制するように構成されるが、要求駆動力が正から負となって駆動状態から被駆動状態に切り換わる場合にも、変化タイミングを異ならせてガタ打ちショックを抑制することが可能である。被駆動状態から駆動状態への変化、および駆動状態から被駆動状態への変化の両方で変化タイミングの調整制御を行うこともできるが、何れか一方で変化タイミングの調整制御を行うだけでも良い。
上記変化タイミング調整手段はまた、要求駆動力の変化で駆動状態と被駆動状態とが切り換わる場合には常に変化タイミングの調整制御を行うようになっていても良いが、大きなガタ打ちショックを発生する可能性がある要求駆動力の変化速度や変化量(幅)が所定値以上の場合だけ変化タイミングの調整制御を行うものでも良い。要求駆動力の正負すなわち駆動状態か被駆動状態かは、例えばアクセル操作量および車速等の運転状態をパラメータとして判断することができる。また、要求駆動力の変化速度は、例えばアクセル操作量の変化速度を用いることができる。
車両の走行時において、第1駆動力発生源および第2駆動力発生源の駆動力は、例えば要求駆動力の正負すなわち駆動状態か被駆動状態かに応じて何れも正または負とされるが、両駆動力発生源の駆動力の正負が相違している場合でも良い。例えば要求駆動力が負の被駆動状態の場合に、第1駆動力発生源の駆動力は負で第2駆動力発生源の駆動力は0或いは正であっても全体の駆動力が負であれば良く、要求駆動力が負から正へ切り換わって被駆動状態から駆動状態に変化する場合に、両方の駆動力発生源の駆動力をそれぞれ増大変化させて全体の駆動力を負から正へ切り換える場合には、本発明が適用され得る。逆に、要求駆動力が正の駆動状態の場合には、第1駆動力発生源の駆動力は正で第2駆動力発生源の駆動力は0或いは負(回生)であっても全体の駆動力が正であれば良く、要求駆動力が正から負へ切り換わって駆動状態から被駆動状態に変化する場合に、両方の駆動力発生源の駆動力をそれぞれ減少変化(負側へ増大)させて全体の駆動力を正から負へ切り換える場合にも、本発明は適用され得る。第1駆動力発生源および第2駆動力発生源の正負が上記と反対の場合でも良い。
第2発明では、蓄電装置の状態、すなわち残容量不足(出力可能電力不足)で第2駆動力発生源の使用(力行制御)が不可か否か、或いは満充電(入力可能電力不足)で第2駆動力発生源としてのモータジェネレータの回生制御が不可か否か等に基づいて、第1変化タイミングおよび第2変化タイミングの前後関係を変更するようになっているが、第1発明の実施に際しては、蓄電装置の状態に拘らず常に同じ前後関係、例えば第1駆動力発生源の駆動力を先に変化させ、所定時間後に第2駆動力発生源の駆動力を変化させるようにしても良い。
第2発明では、例えば、要求駆動力の変化で被駆動状態から駆動状態へ切り換わる場合に、蓄電装置の残容量不足で第2駆動力発生源の使用(力行制御)が不可の時には、先に第1駆動力発生源の駆動力を増大変化させ、その後にその第1駆動力発生源が備えている発電機或いは第1駆動力発生源によって回転駆動される発電機の発電電力で第2駆動力発生源の駆動力を増大変化させる一方、出力可能電力が所定値以上で第2駆動力発生源を使用可能な時には、応答性に優れた第2駆動力発生源の駆動力を先に増大変化させ、所定時間後に第1駆動力発生源の駆動力を増大変化させるように構成される。特に、被駆動時に第1駆動力発生源のフューエルカット制御が行われる場合には、燃料供給を再開して駆動力を増大変化させる必要があるため、第2駆動力発生源の駆動力を先に増大変化させることにより、応答性が大幅に向上する。
また、要求駆動力の変化で駆動状態から被駆動状態へ切り換わる場合には、例えば、蓄電装置が満充電(入力可能電力不足)で第2駆動力発生源(モータジェネレータ)の回生制御が不可の時には、先に第1駆動力発生源の駆動力を負に減少変化させるとともに蓄電装置の電力を消費して第2駆動力発生源の回生制御を可能とし、その後にその第2駆動力発生源の回生制御で駆動力を減少変化(負側へ増大)させる一方、入力可能電力が所定値以上で第2駆動力発生源の回生制御が可能な時には、応答性に優れた第2駆動力発生源の回生制御で駆動力を先に減少変化(負側へ増大)させ、所定時間後に第1駆動力発生源の駆動力を減少変化させるように構成される。駆動力を減少変化させるとともに蓄電装置の電力を消費する第1駆動力発生源は、例えば図1の第1駆動力発生源12のように構成され、モータジェネレータMG1を力行制御することにより、エンジン回転速度を引き上げて駆動輪側にエンジンブレーキを作用させるとともに蓄電装置(32)の電力を消費する。
第3発明は自動変速機を備えているが、他の発明の実施に際しては、必ずしも自動変速機は必要でない。第3発明の自動変速機は、摩擦係合装置によってギヤ段が切り換えられるもので、遊星歯車式の有段変速機や、複数の入力クラッチを切り換えて変速する平行2軸式等の有段変速機などである。そして、第3発明では、例えばコーストダウンシフトの変速中にアクセルがON操作されて被駆動状態から駆動状態に切り換える場合に、第2変化タイミングで第2駆動力発生源の駆動力を増加させる際に、自動変速機の摩擦係合装置の係合トルクに応じてその係合トルクと等価、すなわちその係合トルクと釣り合うように駆動力を制御することより、ガタ打ちショックを抑制しつつ第2駆動力発生源の吹き上がり等による変速ショックについても防止することができる。また、パワーONのアップシフト中にアクセルがOFF操作されて駆動状態から被駆動状態に切り換える場合など、他の変速中の駆動状態の変化時に係合トルクに応じた駆動力制御を行うことも可能であるが、例えば上記コーストダウンシフト中にアクセルがON操作されて被駆動状態から駆動状態に切り換える場合など、特定の変速中の駆動状態の変化時のみに第3発明を適用するだけでも良い。
上記摩擦係合装置としては、油圧シリンダによって係合させられる単板式或いは多板式のクラッチやブレーキ、ベルト式のブレーキなどの油圧式摩擦係合装置が好適に用いられ、ソレノイド弁等により係合油圧を制御することで係合トルクを制御できる。
以下、本発明の実施例を、図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明が適用された車両用のハイブリッド駆動装置10を説明する概略構成図である。図1において、このハイブリッド駆動装置10は、主動力源である第1駆動力発生源12のトルクが出力部材として機能する出力軸14に伝達され、その出力軸14から差動歯車装置16を介して左右一対の駆動輪18にトルクが伝達されるようになっている。また、このハイブリッド駆動装置10には、走行のための駆動力を出力する力行制御およびエネルギを回収するための回生制御を選択的に実行可能な第2モータジェネレータMG2が第2駆動力発生源として設けられており、この第2モータジェネレータMG2は自動変速機22を介して出力軸14に連結されている。したがって、第2モータジェネレータMG2から出力軸14へ伝達されるトルク容量が、その自動変速機22で設定される変速比γs (=MG2の回転速度NMG2/出力軸14の回転速度NOUT )に応じて増減させられる。
上記自動変速機22は、何れも変速比γs が「1」より大きいハイギヤ段Hおよびローギヤ段Lの2つのギヤ段を成立させることができるように構成されており、第2モータジェネレータMG2からトルクを出力する力行時には、ローギヤ段Lでトルクを増大させて出力軸14へ伝達することができるので、第2モータジェネレータMG2が一層低容量もしくは小型に構成される。また、車速上昇に伴って出力軸14の回転速度NOUT が高くなった場合には、第2モータジェネレータMG2の運転効率を良好な状態に維持するために、変速比γs が小さいハイギヤ段Hとして第2モータジェネレータMG2の回転速度NMG2を低下させ、出力軸14の回転速度NOUT が低下した場合には、変速比γs が大きいローギヤ段Lとして第2モータジェネレータMG2の回転速度NMG2を増大させる。
第1駆動力発生源12は、エンジン24と、第1モータジェネレータMG1と、これらエンジン24と第1モータジェネレータMG1との間でトルクを合成もしくは分配するための遊星歯車装置26とを主体として構成されている。上記エンジン24は、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどの燃料を燃焼させて動力を出力する公知の内燃機関であって、マイクロコンピュータを主体とするエンジン制御用の電子制御装置(E−ECU)28によって、スロットル弁開度や吸入空気量、燃料供給量、点火時期などの運転状態が電気的に制御されるように構成されている。上記電子制御装置28には、アクセルペダル27の操作量Accを検出するアクセル操作量センサAS、ブレーキペダル29の操作の有無を検出するためのブレーキセンサBS等からの検出信号が供給されている。
上記第1モータジェネレータMG1は、たとえば同期電動機であって、駆動トルクを発生させる電動機としての機能と発電機としての機能とが選択的に得られるように構成され、インバータ30を介してバッテリー、コンデンサなどの蓄電装置32に接続されている。そして、マイクロコンピュータを主体とするモータジェネレータ制御用の電子制御装置(MG−ECU)34によってそのインバータ30が制御されることにより、第1モータジェネレータMG1の出力トルクあるいは回生トルクが調節或いは設定されるようになっている。上記電子制御装置34には、シフトレバー35の操作位置を検出する操作位置センサSS等からの検出信号が供給されている。
前記遊星歯車装置26は、サンギヤS0と、そのサンギヤS0に対して同心円上に配置されたリングギヤR0と、これらサンギヤS0およびリングギヤR0に噛み合うピニオンギヤP0を自転かつ公転自在に支持するキャリアC0とを三つの回転要素として備えて、公知の差動作用を生じるシングルピニオン型の遊星歯車機構である。遊星歯車装置26は、エンジン24および自動変速機22と同心に設けられている。遊星歯車装置26および自動変速機22は中心線に対して略対称的に構成されているため、図1ではそれらの下半分が省略されている。
本実施例では、エンジン24のクランク軸36はダンパー38を介して遊星歯車装置26のキャリアC0に連結されている。これに対してサンギヤS0には第1モータジェネレータMG1が連結され、リングギヤR0には出力軸14が連結されている。このキャリアC0は入力要素として機能し、サンギヤS0は反力要素として機能し、リングギヤR0は出力要素として機能している。なお、これ等の連結関係は適宜変更できるし、遊星歯車装置26としてダブルピニオン型の遊星歯車装置を用いることも可能である。
上記トルク合成分配機構として機能するシングルピニオン型の遊星歯車装置26の各回転要素の回転速度の相対的関係は、図2の共線図により示される。この共線図において、縦軸S、縦軸C、および縦軸Rは、サンギヤS0の回転速度、キャリアC0の回転速度、およびリングギヤR0の回転速度をそれぞれ表す軸であり、縦軸S、縦軸C、および縦軸Rの相互の間隔は、縦軸Sと縦軸Cとの間隔を1としたとき、縦軸Cと縦軸Rとの間隔がギヤ比ρ(サンギヤS0の歯数ZS /リングギヤR0の歯数ZR )となるように設定されたものである。
上記遊星歯車装置26において、キャリアC0に入力されるエンジン24の出力トルクTEに対して、第1モータジェネレータMG1による反力トルクがサンギヤS0に入力されると、出力要素となっているリングギヤR0には、エンジン24から入力されたトルクTEより大きいトルクが現れる。この場合の第1モータジェネレータMG1は発電機として機能する。また、リングギヤR0の回転速度(出力軸回転速度)NOUT が一定であるとき、第1モータジェネレータMG1の回転速度NMG1を上下に変化させることにより、エンジン24の回転速度NEを連続的に(無段階に)変化させることができる。図2の破線は、第1モータジェネレータMG1の回転速度NMG1を実線で示す値から下げたときに、エンジン24の回転速度NEが低下する状態を示している。すなわち、エンジン24の回転速度NEを例えば燃費が最もよい回転速度に設定する制御を、第1モータジェネレータMG1を制御することによって実行することができる。この種のハイブリッド形式は、機械分配式あるいはスプリットタイプと称される。
図1に戻って、前記自動変速機22は、一組のラビニヨ型遊星歯車機構によって構成されている。すなわち自動変速機22では、第1サンギヤS1と第2サンギヤS2とが設けられており、その第1サンギヤS1にショートピニオンP1が噛合するとともに、そのショートピニオンP1がこれより軸長の長いロングピニオンP2に噛合し、そのロングピニオンP2が前記各サンギヤS1、S2と同心円上に配置されたリングギヤR1に噛合している。上記各ピニオンP1、P2は、共通のキャリアC1によって自転かつ公転自在にそれぞれ保持されている。また、第2サンギヤS2がロングピニオンP2に噛合している。
前記第2モータジェネレータMG2は、前記モータジェネレータ制御用の電子制御装置(MG−ECU)34によりインバータ40を介して制御されることにより、電動機または発電機として機能させられ、力行トルクおよび回生トルクが制御される。第2サンギヤS2には、その第2モータジェネレータMG2が連結され、上記キャリアC1が出力軸14に連結されている。第1サンギヤS1とリングギヤR1とは、各ピニオンP1、P2と共にダブルピニオン型遊星歯車装置に相当する機構を構成し、また第2サンギヤS2とリングギヤR1とは、ロングピニオンP2と共にシングルピニオン型遊星歯車装置に相当する機構を構成している。
そして、自動変速機22には、第1サンギヤS1を選択的に固定するためにその第1サンギヤS1と変速機ハウジング42との間に設けられた第1ブレーキB1と、リングギヤR1を選択的に固定するためにそのリングギヤR1と変速機ハウジング42との間に設けられた第2ブレーキB2とが設けられている。これらのブレーキB1、B2は摩擦力によって係合力を生じるいわゆる摩擦係合装置であり、多板形式の係合装置あるいはバンド形式の係合装置を採用することができる。そして、これらのブレーキB1、B2は、油圧アクチュエータ等により発生させられる係合圧に応じてそのトルク容量が連続的に変化するように構成されている。
以上のように構成された自動変速機22は、第2サンギヤS2が入力要素として機能し、またキャリアC1が出力要素として機能し、第1ブレーキB1が係合させられると「1」より大きい変速比γshのハイギヤ段Hが達成され、第1ブレーキB1に替えて第2ブレーキB2が係合させられると、そのハイギヤ段Hの変速比γshより大きい変速比γslのローギヤ段Lが達成されるように構成されている。これらのギヤ段HおよびLの間での変速は、車速Vやアクセル操作量Acc、或いは要求駆動力Tvなどの走行状態に基づいて実行される。より具体的には、ギヤ段領域を予めマップ(変速線図)として定めておき、検出された運転状態に応じていずれかのギヤ段を設定するように制御される。その制御を行うためのマイクロコンピュータを主体とした変速制御用の電子制御装置(T−ECU)44が設けられている。
上記電子制御装置44には、作動油の温度TOIL を検出するための油温センサTS、第1ブレーキB1の係合油圧を検出するための油圧スイッチSW1、第2ブレーキB2の係合油圧を検出するための油圧スイッチSW2、ライン圧PLを検出するための油圧スイッチSW3等からの検出信号が供給されている。また、第2モータジェネレータMG2の回転速度NMG2を検出するMG2回転速度センサ43、車速Vに対応する出力軸14の回転速度NOUT を検出する出力軸回転速度センサ45からも、それ等の回転速度を表す信号が供給される。
図3は、上記自動変速機22を構成しているラビニヨ型遊星歯車機構についての各回転要素の相互関係を表すために4本の縦軸S1、縦軸R1、縦軸C1、および縦軸S2を有する共線図を示している。それら縦軸S1、縦軸R1、縦軸C1、および縦軸S2は、第1サンギヤS1の回転速度、リングギヤR1の回転速度、キャリアC1の回転速度、および第2サンギヤS2の回転速度をそれぞれ示すためのものである。
以上のように構成された自動変速機22では、第2ブレーキB2によってリングギヤR1が固定されると、ローギヤ段Lが成立し、第2モータジェネレータMG2の出力した力行トルクがそのときの変速比γslに応じて増幅されて出力軸14に付加される。これに替えて、第1ブレーキB1によって第1サンギヤS1が固定されると、ローギヤ段Lの変速比γslよりも小さい変速比γshを有するハイギヤ段Hが成立する。このハイギヤ段Hにおける変速比γshも「1」より大きいので、第2モータジェネレータMG2の出力した力行トルクがその変速比γshに応じて増大させられて出力軸14に付加される。
図4は、上記各ブレーキB1、B2の係合解放によって自動変速機22の変速を自動的に制御するための変速用油圧制御回路50を示している。この油圧制御回路50には、エンジン24のクランク軸36に作動的に連結されることによりそのエンジン24により回転駆動されるメカニカル式油圧ポンプ46と、電動機48aとそれにより回転駆動されるポンプ48bを備えた電動式油圧ポンプ48とを油圧源として備えており、それらメカニカル式油圧ポンプ46および電動式油圧ポンプ48は、図示しないオイルパンに還流した作動油をストレーナ52を介して吸入し、或いは還流油路53を介して直接還流した作動油を吸入してライン圧油路54へ圧送する。上記還流した作動油の油温TOIL を検出するための油温センサTSが、油圧制御回路50が形成されているバルブボデー51に設けられているが、他の部位に設けられても良い。
ライン圧調圧弁56は、リリーフ形式の調圧弁であって、ライン圧油路54に接続された供給ポート56aとドレン油路58に接続された排出ポート56bとの間を開閉するスプール弁子60と、そのスプール弁子60の閉弁方向の推力を発生させるスプリング62を収容すると同時にライン圧PLの設定圧を高く変更するときに電磁開閉弁64を介してモジュール圧油路66内のモジュール圧PMを受け入れる制御油室68と、スプール弁子60の開弁方向の推力を発生させる上記ライン圧油路54に接続されたフィードバック油室70とを備え、低圧および高圧の2種類のいずれかの一定のライン圧PLを出力する。上記ライン圧油路54には、ライン圧PLが高圧側の値であるときにオン作動し、低圧側の値以下であるときにオフ作動する油圧スイッチSW3が設けられている。
モジュール圧調圧弁72は、上記ライン圧PLを元圧とし、そのライン圧PLの変動に拘わらず、低圧側のライン圧PLよりも低く設定された一定のモジュール圧PMをモジュール圧油路66に出力する。第1ブレーキB1を制御するための第1リニアソレノイド弁SLB1および第2ブレーキB2を制御するための第2リニアソレノイド弁SLB2は、上記モジュール圧PMを元圧として電子制御装置44からの指令値である駆動電流ISOL1およびISOL2に応じた制御圧PC1およびPC2を出力する。
第1リニアソレノイド弁SLB1は、非通電時において入力ポートと出力ポートとの間が開弁(連通)される常開型(N/O)の弁特性を備え、図5に示すように、駆動電流ISOL1の増加に伴って出力される制御圧PC1が低下させられる。図5に示すように、第1リニアソレノイド弁SLB1の弁特性には、駆動電流ISOL1が所定値Ia を超えるまで出力される制御圧PC1が低下しない不感帯Aが設けられている。第2リニアソレノイド弁SLB2は、非通電時において入力ポートと出力ポートとの間が閉弁(遮断)される常閉型(N/C)の弁特性を備え、図6に示すように、駆動電流ISOL2の増加に伴って出力される制御圧PC2が増加させられる。図6に示すように、第2リニアソレノイド弁SLB2の弁特性には、駆動電流ISOL2が所定値Ib を超えるまで出力される制御圧PC2が増加しない不感帯Bが設けられている。
B1コントロール弁76は、ライン圧油路54に接続された入力ポート76aおよびB1係合油圧PB1を出力する出力ポート76bとの間を開閉するスプール弁子78と、そのスプール弁子78を開弁方向に付勢するために上記第1リニアソレノイド弁SLB1からの制御圧PC1を受け入れる制御油室80と、スプール弁子78を閉弁方向に付勢するスプリング82を収容し、出力圧であるB1係合油圧PB1を受け入れるフィードバック油室84とを備え、ライン圧油路54内のライン圧PLを元圧として、第1リニアソレノイド弁SLB1からの制御圧PC1に応じた大きさのB1係合油圧PB1を出力し、インターロック弁として機能するB1アプライコントロール弁86を通してブレーキB1に供給する。
B2コントロール弁90は、ライン圧油路54に接続された入力ポート90aおよびB2係合油圧PB2を出力する出力ポート90bとの間を開閉するスプール弁子92と、そのスプール弁子92を開弁方向に付勢するために上記第2リニアソレノイド弁SLB2からの制御圧PC2を受け入れる制御油室94と、スプール弁子92を閉弁方向へ付勢するスプリング96を収容し、出力圧であるB2係合油圧PB2を受け入れるフィードバック油室98とを備え、ライン圧油路54内のライン圧PLを元圧として、第2リニアソレノイド弁SLB2からの制御圧PC2に応じた大きさのB2係合油圧PB2を出力し、インターロック弁として機能するB2アプライコントロール弁100を通してブレーキB2に供給する。
B1アプライコントロール弁86は、B1コントロール弁76から出力されたB1係合油圧PB1を受け入れる入力ポート86aおよび第1ブレーキB1に接続された出力ポート86bとの間を開閉するスプール弁子102と、そのスプール弁子102を開弁方向に付勢するためにモジュール圧PMを受け入れる油室104と、そのスプール弁子102を閉弁方向へ付勢するスプリング106を収容し且つB2コントロール弁90から出力されたB2係合油圧PB2を受け入れる油室108とを備え、第2ブレーキB2を係合させるためのB2係合油圧PB2が供給されるまでは開弁状態とされるが、そのB2係合油圧PB2が供給されると閉弁状態に切り換えられて、第1ブレーキB1の係合が阻止される。
また、上記B1アプライコントロール弁86には、そのスプール弁子102が開弁位置(図4の中心線の右側に示す位置)であるときに閉じられ、逆にそのスプール弁子102が閉弁位置(図4の中心線の左側に示す位置)にあるときに開かれる一対のポート110aおよび110bが設けられている。この一方のポート110aにはB2係合油圧PB2を検出するための油圧スイッチSW2が接続され、他方のポート110bには第2ブレーキB2が直接接続されている。この油圧スイッチSW2は、B2係合油圧PB2が予め設定された高圧状態となるとオン状態となり、B2係合油圧PB2が予め設定された低圧状態以下となるとオフ状態に切り換えられるように構成されている。この油圧スイッチSW2は、B1アプライコントロール弁86を介して第2ブレーキB2に接続されているので、B2係合油圧PB2の異常と同時に、第1ブレーキB1の油圧系を構成する第1リニアソレノイド弁SLB1、B1コントロール弁76、B1アプライコントロール弁86等の異常も判定可能となっている。
B2アプライコントロール弁100も、B1アプライコントロール弁86と同様に、B2コントロール弁90から出力されたB2係合油圧PB2を受け入れる入力ポート100aおよび第2ブレーキB2に接続された出力ポート100bとの間を開閉するスプール弁子112と、そのスプール弁子112を開弁方向に付勢するためにモジュール圧PMを受け入れる油室114と、そのスプール弁子112を閉弁方向に付勢するスプリング116を収容し且つB1コントロール弁76から出力されたB1係合油圧PB1を受け入れる油室118とを備え、第1ブレーキB1を係合させるためのB1係合油圧PB1が供給され
るまでは開弁状態とされるが、そのB1係合油圧PB1が供給されると閉弁状態に切り換えられて、第2ブレーキB2の係合が阻止される。
上記B2アプライコントロール弁100にも、そのスプール弁子112が開弁位置(図4の中心線の右側に示す位置)であるときに閉じられ、逆にそのスプール弁子112が閉弁位置(図4の中心線の左側に示す位置)にあるときに開かれる一対のポート120aおよび120bが設けられている。この一方のポート120aにはB1係合油圧PB1を検出するための油圧スイッチSW1が接続され、他方のポート120bには第1ブレーキB1が直接接続されている。この油圧スイッチSW1は、B1係合油圧PB1が予め設定された高圧状態となるとオン状態となり、B1係合油圧PB1が予め設定された低圧状態以下となるとオフ状態に切り換えられるように構成されている。この油圧スイッチSW1は、B2アプライコントロール弁100を介して第1ブレーキB1に接続されているので、B1係合油圧PB1の異常と同時に、第2ブレーキB2の油圧系を構成する第2リニアソレノイド弁SLB2、B2コントロール弁90、B2アプライコントロール弁100等の異常も判定可能となっている。
図7は、以上のように構成された油圧制御回路50の作動、すなわちリニアソレノイド弁SLB1、SLB2の励磁状態とブレーキB1、B2の作動状態との関係を説明する図である。図7では、○印が励磁状態或いは係合状態を示し、×印が非励磁状態或いは解放状態を示している。すなわち、第1リニアソレノイド弁SLB1および第2リニアソレノイド弁SLB2が共に励磁状態とされることによって、第1ブレーキB1が解放状態とされ且つ第2ブレーキB2が係合状態とされ、自動変速機22のローギヤ段Lが達成される。そして、第1リニアソレノイド弁SLB1および第2リニアソレノイド弁SLB2が共に非励磁状態とされることによって、第1ブレーキB1が係合状態とされ且つ第2ブレーキB2が解放状態とされ、自動変速機22のハイギヤ段Hが達成される。
図8は、電子制御装置28、34および44の制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。図8において、ハイブリッド制御手段130は、たとえば、キーがキースロットに挿入された後、ブレーキペダル29が操作された状態でパワースイッチが操作されることにより制御が起動されると、アクセル操作量Accおよび車速V等に基づいて運転者の要求駆動力Tvを算出し、その要求駆動力Tvが得られるように第1駆動力発生源12および/または第2モータジェネレータMG2のトルクを制御する。たとえば、エンジン24を最適燃費曲線上で作動させて駆動力を発生させるとともに、要求駆動力Tvに対する不足分を第2モータジェネレータMG2でアシストするアシスト走行モード、要求駆動力Tvの増大時すなわち発進時や加速時にエンジン24の出力トルクTEおよび第1モータジェネレータMG1の回生制動トルクを共に増加させ、第1駆動力発生源12のトルクを増大させるとともに第2モータジェネレータMG2の力行トルクTMG2を増大させる発進・加速モード、エンジン24を停止し専ら第2モータジェネレータMG2を動力源とするモータ走行モード、エンジン24の動力で第1モータジェネレータMG1により発電を行いながら第2モータジェネレータMG2を動力源として走行する充電走行モード、エンジン24の動力を機械的に駆動輪18に伝えて走行するエンジン走行モード、等を走行状態に応じて切り換える。上記発進・加速モードでは、第1駆動力発生源12および第2モータジェネレータMG2のトルクが、それぞれ要求駆動力Tvに応じて所定の配分比で増大させられる。
また、コースト走行時には、車両の有する慣性エネルギーで第1モータジェネレータMG1或いは第2モータジェネレータMG2を回転駆動することにより電力として回生し、蓄電装置32にその電力を蓄えることができるとともに、車両に制動力を作用させることができる。第2モータジェネレータMG2は回生制御を行うだけで良いが、第1駆動力発生源12については、エンジン24がフューエルカット状態の場合、回転抵抗によって回転停止するとともに第1モータジェネレータMG1が車速Vに応じて逆回転させられるため、この第1モータジェネレータMG1を回生制御するとエンジン24が正方向へ強制的に回転させられ、この時の回転抵抗(フリクションロスやポンピングロスなど)に基づいて出力軸14に制動力が作用する。なお、蓄電装置32が満充電(入力可能電力不足)で充電不可の場合には、上記第2モータジェネレータMG2の回生制御で得られた電力で第1モータジェネレータMG1を正方向へ回転駆動(力行)し、エンジン24の回転速度NEを強制的に引き上げることにより、そのエンジン24の回転抵抗で出力軸14に制動力を作用させることができる。
ハイブリッド制御手段130はまた、エンジン24が最適燃費曲線上で作動するように第1モータジェネレータMG1によってエンジン24の回転速度NEを制御する。また、第2モータジェネレータMG2を駆動してトルクアシストする場合、車速Vが遅い状態では自動変速機22をローギヤ段Lに設定して出力軸14に付加するトルクを大きくし、車速Vが増大した状態では、自動変速機22をハイギヤ段Hに設定して第2モータジェネレータMG2の回転速度NMG2を相対的に低下させて損失を低減し、効率の良いトルクアシストを実行させる。
変速制御手段132は、たとえば図9に示す予め記憶された変速線図(変速マップ)から、車速Vおよびアクセル操作量Accに基づいて自動変速機22のギヤ段を決定し、決定されたギヤ段に切り換えるように第1ブレーキB1および第2ブレーキB2を制御する。図9の実線は、ローギヤ段Lからハイギヤ段Hへ切り換えるアップシフト線で、破線はハイギヤ段Hからローギヤ段Lへ切り換えるダウンシフト線であり、所定のヒステリシスが設けられている。そして、図9に示す変速線図に従って自動変速機14の変速すべきギヤ段が決定されると、現在のギヤ段からその変速すべきギヤ段への切換が実行されるように、ブレーキB1、B2の係合油圧PB1、PB2を所定の変化パターンに従って変化させるように、その油圧指令値である駆動電流ISOL1、ISOL2を制御する。例えば、アクセルOFFの減速走行時にダウンシフトするコーストダウンシフトでは、解放側である第1ブレーキB1の油圧PB1を制御する駆動電流ISOL1を所定の勾配で上昇させることにより、そのB1係合油圧PB1を所定の勾配で低下させて第1ブレーキB1を解放する一方、係合側である第2ブレーキB2の油圧PB2を制御する駆動電流ISOL2を所定の勾配で上昇させることにより、そのB2係合油圧PB2を所定の勾配で上昇させて第2ブレーキB2を滑らかに係合させる。
ライン圧制御手段134は、前記算出された運転者の要求出力が予め設定された出力判定値よりも大きい場合、或いは自動変速機22の変速中すなわち変速過渡時である場合などでは、前記電磁開閉弁64を閉状態から開状態に切り換えてモジュール圧PMをライン圧調圧弁56の油室68内に供給してスプール弁子60が閉弁方向に向かう推力を所定値増加させることにより、ライン圧PLの設定圧を低圧状態から高圧状態へ切り換える。
ところで、運転者の要求駆動力Tvが増加する発進・加速モードでは、第1駆動力発生源12のトルクを増大させるとともに第2モータジェネレータMG2のトルクTMG2を増大させるが、アクセルOFFのコースト走行時で第1駆動力発生源12および第2モータジェネレータMG2のトルクが共に負の状態からアクセルペダル17が踏込み操作され、要求駆動力Tvが負から正に変化して被駆動状態から駆動状態へ移行する場合に、第1駆動力発生源12および第2モータジェネレータMG2のトルクが同時に負から正へ変化すると、図13に示すように全体の駆動トルクが要求駆動力Tvに応じて一気に増大させられる。このため、駆動輪18までの動力伝達経路に設けられた差動歯車装置16等の歯車のバックラッシに起因して、大きなガタ打ちショック(打音の発生や駆動トルクの急な変化など)が発生することがある。このようなガタ打ちショックを抑制するため、本実施例のハイブリッド制御手段130は、要求駆動力Tvが負から正に変化して被駆動状態から駆動状態へ移行する際には、第1駆動力発生源12のトルクを変化させる第1変化タイミングと、第2駆動力発生源(第2モータジェネレータMG2)のトルクTMG2を変化させる第2変化タイミングとをずらす変化タイミング調整手段140を備えている。
上記要求駆動力Tvは、車速Vに応じて変化する走行抵抗を差し引いたもので、アクセル操作量Accおよび車速V等の運転状態をパラメータとして予め定められた演算式やマップ等から求められる。この要求駆動力Tvが正の場合は、第1駆動力発生源12や第2モータジェネレータMG2から駆動輪18側へ動力が伝達される駆動状態を意味し、要求駆動力Tvが負の場合は、駆動輪18から第1駆動力発生源12や第2モータジェネレータMG2へ動力が伝達される被駆動状態を意味する。また、第1駆動力発生源12のトルクは、第1駆動力発生源12から出力軸14に加えられるトルクで、エンジン24のトルクTEおよび第1モータジェネレータMG1のトルクTMG1に応じて制御され、エンジン24を所定のトルクTEで作動させるとともに第1モータジェネレータMG2を回生制御することにより正トルクが出力軸14に加えられる。エンジン24がフューエルカット状態の場合に、第1モータジェネレータMG1を回生制御するか或いは力行制御してエンジン回転速度NEを引き上げると、そのエンジン24の回転抵抗(フリクションロスやポンピングロスなど)により負トルク(制動力)が出力軸14に加えられる。
図10は、変化タイミング調整手段140による処理内容を具体的に説明するフローチャートで、要求駆動力Tvが増加した発進時や加速時に実行される。ステップS1では、要求駆動力Tvが負から正へ変化したか否かを判断し、NO(否定)の場合、すなわち発進時や駆動状態における加速時にはステップS22を実行し、エンジン24の出力トルクTEおよび第1モータジェネレータMG1の回生制動トルクを共に増加させて第1駆動力発生源12のトルクを所定の配分トルクまで増大させるとともに、第2モータジェネレータMG2の力行トルクTMG2を所定の配分トルクまで増大させ、全体の駆動力を所望の要求駆動力Tvまで速やかに増大させる。ここでは、ステップS2以下のようにタイミング取り(調整)を行うことなく、第1駆動力発生源12および第2モータジェネレータMG2のトルクを速やかに増大制御する。
上記ステップS1の判断がNO(否定)の場合、すなわちアクセルOFFのコースト走行時で第1駆動力発生源12および第2モータジェネレータMG2のトルクが共に負の状態からアクセルペダル17が踏込み操作され、要求駆動力Tvが負から正に変化して被駆動状態から駆動状態へ移行する場合には、ステップS2以下を実行する。図11および図12のタイムチャートの時間t1は、アクセルペダル27が踏込み操作されて要求駆動力Tvが負から正に変化し、ステップS1の判断がYES(肯定)となった時間である。
ステップS2では、変速中か否かを判断する。この場合の変速は、コースト走行時に車速Vの低下に伴って行われるコーストダウンシフトで、変速中の場合にはステップS16以下を実行するが、変速中でなければステップS3を実行する。ステップS3では、バッテリ制限が有りか否か、具体的には蓄電装置32の出力可能電力が所定値以下の残容量不足で、その蓄電装置32の電力を用いたモータジェネレータMG1、MG2の力行制御が不可か否かを判断し、バッテリ制限が無ければステップS4以下を実行し、バッテリ制限が有る場合はステップS10以下を実行する。図11のタイムチャートは、バッテリ制限無しでステップS4以下が実行された場合のもので、図12のタイムチャートは、バッテリ制限有りでステップS10以下が実行された場合のものである。
ステップS4では、第2モータジェネレータMG2のトルクTMG2を、要求駆動力Tvに応じて第2モータジェネレータMG2に配分されたトルクまで増大変化させる増加指令を出力し、これに従ってモータトルクTMG2が増大させられる。このようにモータトルクTMG2を増大変化させるための増加指令に従って実際にモータトルクTMG2が増大変化する時間が第2変化タイミングで、この場合には前記時間t1と略同じになる。
ステップS5では、カウンタC1の値が最大値oxffか否かを判断し、最大値oxffでなければ直ちにステップS7を実行するが、最大値oxffの場合はステップS6でC1=0にリセットしたのちステップS7を実行する。カウンタC1は、最大値oxffに達するまで所定時間毎に「1」を加算するタイマで、ステップS9でC1=oxffとされるため、最初のステップS5の実行時にはステップS5の判断はYES(肯定)となり、ステップS6でC1=0とされることにより、実質的にステップS4で最初に第2モータジェネレータMG2のトルクTMG2の増加指令が出力された後の経過時間を計測することになる。
ステップS7では、カウンタC1が所定値delay1に達したか否かを判断し、C1≧delay1になったらステップS8を実行する。所定値delay1は、第1駆動力発生源12および第2モータジェネレータMG2のトルクが同時に負から正へ変化させられることにより発生するガタ打ちショックを抑制するため、第1駆動力発生源12のトルクの増大変化を第2モータジェネレータMG2のトルクTMG2の増大変化よりも遅らせるためのずらし時間で、例えばエンジン24のトルク変化の応答遅れすなわち第1駆動力発生源12のトルク変化の応答遅れを考慮して予め一定値が設定されている。
ステップS8では、第1駆動力発生源12のトルクを、要求駆動力Tvに応じて第1駆動力発生源12に配分されたトルクまで増大変化させる増加指令を出力し、これに従ってエンジン24のトルクTEが増大させられるとともに第1モータジェネレータMG1の回生制動トルクが増大させられる。図11の時間t2は、ステップS7の判断がYES(肯定)となってステップS8が実行され、第1駆動力発生源12のトルクの増加指令が出力された時間であり、この増加指令に従って実際に第1駆動力発生源12のトルクが増大させられる時間が第1変化タイミングで、時間t2よりも所定の遅れ時間だけ遅くなる。そして、次のステップS9でカウンタC1を最大値oxffとし、これによりガタ打ちショックを抑制するための一連の変化タイミング調整制御が終了する。
前記ステップS3の判断がYES(肯定)の場合、すなわちバッテリ制限が有る場合には、ステップS3に続いてステップS10〜S15を実行する。これは、蓄電装置32の残容量不足で第2モータジェネレータMG2を力行制御することができないため、ステップS10で先に第1駆動力発生源12のトルクを増大変化させ、カウンタC1が所定値delay2に達した後にステップS14で第2モータジェネレータMG2のトルクTMG2を増大変化させるのである。ステップS10で第1駆動力発生源12のトルクが増大させられる際に、第1モータジェネレータMG1が回生制御されることにより電力が発生させられるため、ステップS14では、蓄電装置32の残容量が不足していてもその第1モータジェネレータMG1の回生制御で発生する電力により第2モータジェネレータMG2を力行制御してトルクTMG2を増大させることができる。この場合は、図12の時間t1で第1駆動力発生源12のトルクの増加指令が出力された後、所定の遅れ時間の後に実際に第1駆動力発生源12のトルクが増大させられる時間が第1変化タイミングであり、時間t2で第2モータMG2のトルクTMG2の増大指令が出力されることにより、その増大指令に従って実際にモータトルクTMG2が増大させられる時間(時間t2と略同じ)が第2変化タイミングである。
ここで、上記ステップS10は前記ステップS8と同じで、ステップS14は前記ステップS4と同じで、ステップS11、S12、S15は、それぞれ前記ステップS5、S6、S9と同じであり、ステップS13は前記ステップS7に比較して判定値が相違している。ステップS13の判定値である所定値delay2は、前記所定値delay1と同様に第1駆動力発生源12および第2モータジェネレータMG2のトルクが同時に負から正へ変化させられることにより発生するガタ打ちショックを抑制するためのずらし時間であるが、エンジン24のトルク変化の応答遅れすなわち第1駆動力発生源12のトルク変化の応答遅れを考慮して、所定値delay1よりも大きな一定値が予め設定されている。
前記ステップS2の判断がYES(肯定)の場合、すなわちコーストダウンシフトの変速中にアクセルペダル17が踏込み操作されて要求駆動力Tvが負から正へ変化した場合には、ステップS2に続いてステップS16〜S21を実行する。ステップS16、S17、S18、S19、S21は、それぞれ上記ステップS10、S11、S12、S13、S15と同じであり、ステップS20で自動変速機22の係合側の摩擦係合装置すなわち第2ブレーキB2の係合トルクに応じて第2モータジェネレータMG2のモータトルクTMG2を増大変化させる点のみが相違する。具体的には、第2ブレーキB2の係合トルクと等価、すなわちその係合トルクと釣り合うように、その係合トルクに対応する駆動電流ISOL2に応じてモータトルクTMG2を制御するのであり、これにより第2モータジェネレータMG2の回転速度NMG2の吹き上がりを防止しつつ、第2モータジェネレータMG2のトルクTMG2ができるだけ速やかに増大させられる。なお、ステップS20の実行を開始する時点で既に第2ブレーキB2が完全係合させられ、コーストダウンシフトの変速制御が終了している場合には、前記ステップS14と同様にしてモータトルクTMG2を増大変化させれば良い。
このように本実施例のハイブリッド車両の駆動力制御装置においては、要求駆動力Tvが負から正へ切り換わった場合には、ステップS2以下を実行することにより、第1駆動力発生源12のトルクを増大変化させる第1変化タイミングと第2モータジェネレータMG2のトルクTMG2を増大変化させる第2変化タイミングとを相違させているため、全体の駆動力が2段階で変化させられるようになり、駆動力の方向が切り換わる時の駆動力の変化幅や変化速度が小さくなってガタ打ちショックが抑制される。また、要求駆動力Tvが0または正の状態で加速要求が為された発進時や加速時には、ステップS22でタイミング取りを行うことなく第1駆動力発生源12および第2モータジェネレータMG2のトルクを立ち上げるため、全体の駆動力が速やかに変化させられ、優れた応答性で所望の駆動力が得られる。
また、本実施例では蓄電装置32の状態に基づいて第1変化タイミングおよび第2変化タイミングの前後関係が変更されるため、蓄電装置32の残容量不足(出力可能電力不足)による第2モータジェネレータMG2の使用不可に拘らず、要求駆動力Tvの変化に応じてガタ打ちショックを抑制しつつ実際の駆動力を適切に制御することができる。具体的には、残容量不足で第2モータジェネレータMG2が使用不可の時にはステップS10以下を実行し、先に第1駆動力発生源12のトルクを増大変化させるとともに、その後にその第1駆動力発生源12の第1モータジェネレータMG1の回生制御で発生させられた電力で第2モータジェネレータMG2のトルクTMG2を増大変化させるため、ガタ打ちショックを抑制しつつ両駆動力発生源を用いて所望の要求駆動力Tvが得られる一方、蓄電装置32の出力可能電力が所定値以上で第2モータジェネレータMG2の力行制御が可能な時には、ステップS4以下を実行することにより、応答性に優れた第2モータジェネレータMG2のトルクTMG2を先に増大変化させ、所定時間後に第1駆動力発生源12のトルクを増大変化させることにより、ガタ打ちショックを抑制しつつ要求駆動力Tvの変化に対して実際の駆動力を速やかに変化させることができる。
また、本実施例では、第2モータジェネレータMG2と出力軸14との間に設けられた自動変速機22の変速中に要求駆動力Tvが負から正へ切り換わった場合には、ステップS20で第2モータジェネレータMG2のトルクTMG2を増大変化させる際に、係合側の摩擦係合装置すなわち第2ブレーキB2の係合トルク(具体的には油圧指令値である駆動電流ISOL2)に応じてモータトルクTMG2を増大変化させるため、ガタ打ちショックおよび第2モータジェネレータMG2の回転速度NMG2の吹き上がりによる変速ショックを共に抑制しつつ、できるだけ速やかにモータトルクTMG2を増大させることができる。
また、上記変速中の駆動力制御では、ステップS16で先に第1駆動力発生源12のトルクを増大変化させ、所定時間後にステップS20で第2モータジェネレータMG2のトルクTMG2を増大変化させるため、蓄電装置32の残容量不足によるバッテリ制限の有無に拘らず、常にガタ打ちショックおよび変速ショックを共に抑制しつつ、できるだけ速やかにモータトルクTMG2を増大させることができる。すなわち、ステップS4以下のように先に第2モータジェネレータMG2のトルクTMG2を増大変化させる場合には、蓄電装置32の残容量不足で第2モータジェネレータMG2の力行制御が不可になると、第1駆動力発生源12のトルクの増大変化と、その第1駆動力発生源12の第1モータジェネレータMG1の回生制御で得られた電力による第2モータジェネレータMG2のトルクの増大変化とが重なって、ガタ打ちショックが悪化する可能性がある。また、第2ブレーキB2の係合トルクに応じてモータトルクTMG2を制御するため、変速の進行度合によってはモータトルクTMG2の増大変化が遅くなり、駆動力変化の応答性が悪化したり、第1駆動力発生源12の増大変化と重なってガタ打ちショックが悪化したりする可能性がある。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、これはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
本発明が好適に適用されるハイブリッド駆動装置の概略構成を説明する図である。 図1のハイブリッド駆動装置において、第1駆動力発生源に備えられている遊星歯車装置の作動を説明する共線図である。 図1のハイブリッド駆動装置において、第2モータジェネレータMG2と出力軸との間に設けられている自動変速機の複数の変速段を説明する共線図である。 図1の自動変速機の変速制御を行う油圧制御回路の要部を説明する油圧回路図である。 図4の第1リニアソレノイド弁SLB1の油圧特性を説明する図である。 図4の第2リニアソレノイド弁SLB2の油圧特性を説明する図である。 図1の自動変速機の各変速段と、それを成立させるためのリニアソレノイド弁およびブレーキの作動状態を示す作動表である。 図1のハイブリッド駆動装置に設けられている電子制御装置が備えている各種の機能を説明するブロック線図である。 図8の変速制御手段によって行われる自動変速機の変速制御で用いられる変速線図(マップ)の一例を示す図である。 図8の変化タイミング調整手段の処理内容を具体的に説明するフローチャートである。 図10のフローチャートのステップS4〜S8が実行されて駆動力制御が行われた場合の各部の変化を示すタイムチャートの一例である。 図10のフローチャートのステップS10〜S14が実行されて駆動力制御が行われた場合の各部の変化を示すタイムチャートの一例である。 要求駆動力が負から正へ変化した場合に、第1駆動力発生源および第2モータジェネレータのトルクが同時に増大変化する場合の各部の変化を示すタイムチャートの一例である。
符号の説明
10:ハイブリッド駆動装置(ハイブリッド車両) 12:第1駆動力発生源 18:駆動輪 22:自動変速機 24:エンジン 28、34、44:電子制御装置 32:蓄電装置 130:ハイブリッド制御手段 140:変化タイミング調整手段 Tv:要求駆動力 MG1:第1モータジェネレータ MG2:第2モータジェネレータ(第2駆動力発生源、電動機) B1、B2:ブレーキ(摩擦係合装置)

Claims (3)

  1. 要求駆動力を第1駆動力発生源および電動機である第2駆動力発生源に配分して駆動力を発生させるハイブリッド車両の駆動力制御装置において、
    前記要求駆動力の変化で駆動状態と被駆動状態とが切り換わる場合には、駆動状態と被駆動状態とが切り換わらない場合に比較して、前記第1駆動力発生源の駆動力を変化させる第1変化タイミングと前記第2駆動力発生源の駆動力を変化させる第2変化タイミングとのずれが大きくなるように、それ等の変化タイミングを異ならせる変化タイミング調整手段を有する
    ことを特徴とするハイブリッド車両の駆動力制御装置。
  2. 前記変化タイミング調整手段は、前記第2駆動力発生源である電動機との間で電力の授受を行う蓄電装置の状態に基づいて、前記第1変化タイミングおよび前記第2変化タイミングの前後関係を変更する
    ことを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド車両の駆動力制御装置。
  3. 前記第2駆動力発生源は、摩擦係合装置を備える自動変速機を介して駆動輪に連結されており、
    該自動変速機の変速中に前記要求駆動力の変化で駆動状態と被駆動状態とが切り換わる場合には、前記第2変化タイミングで前記第2駆動力発生源の駆動力を変化させる際に、前記摩擦係合装置の係合トルクに応じて該駆動力を制御する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のハイブリッド車両の駆動力制御装置。
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