JP3577826B2 - 自動変速機の制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、自動変速機の制御装置に関し、特にいわゆるクラッチ・ツウ・クラッチ変速あるいは直接圧制御などの際の油圧を、エンジンやモータなどの駆動力源の制御に応じて制御する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動変速機を搭載した車両における変速ショックは乗り心地を損なう原因となるので、従来、多様な制御を行って変速ショックの改善が図られている。その一例として、ダウンシフトに伴って制動力が急激に増大することによるショックを改善する制御が知られており、これは、例えばパワーオフ状態でのダウンシフトの際に、エンジンのスロットルバルブを電気的に制御してスロットル開度を一時的に増大させ、これによってエンジン回転数を変速後の変速段での同期回転数にまで上昇させ、その状態で変速を実行することより、変速の実行に伴うエンジン回転数の急激な変化を防止する制御である。この種の制御は、等速シフトと称される場合があり、その一例が特開平5−231525号公報に記載されている。
【0003】
なお、この公報に記載された発明では、スロットル開度を増大させることに伴ってライン油圧が上昇することを防止するように構成してあり、これにより、摩擦係合装置の係合圧が急激に増大することに起因するショックを防止している。
【0004】
また自動変速機における変速は、多板クラッチや多板ブレーキを係合・解放制御することによって実行されるから、これらの摩擦係合装置に給排する油圧の制御の仕方によって変速ショックが大きく影響を受ける。そこで例えば、二つの摩擦係合装置を同時に係合・解放させて実行するいわゆるクラッチ・ツウ・クラッチ変速あるいは直接圧制御などの場合に、係合側の摩擦係合装置に供給する油圧を、変速出力と同時もしくはその直後に一時的に増大させ、これによりいわゆるパッククリアランスを詰めておくことにより、それ以上の油圧の供給によって直ちにその摩擦係合装置がトルク容量をもつよう制御する初期油圧制御が実行されている。
【0005】
この初期油圧制御は、摩擦係合装置を直ちに実質的に係合させ得る待機状態にするための制御である。すなわち初期油圧が低いなど不充分な制御であれば、摩擦係合装置が実質的に係合するまでの時間遅れが生じて変速応答性が悪化し、また反対に初期油圧が高すぎた場合には、摩擦係合装置が所定以上のトルク容量をもってしまい、その結果、次に続く低圧待機の制御が上手くいかなくなるおそれがある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで最近では上述したいわゆる等速シフトが実行される場合があり、この変速の場合には、パワーオフ状態での変速でありながら、変速の実行と同時もしくはそれと相前後してエンジン回転数がアクセルペダルの操作に関わらず上昇させられるから、自動変速機に対する入力トルクは、通常のパワーオフ状態とは異なったものとなる。そのため従来では、クラッチ・ツウ・クラッチ変速あるいは直接圧制御などでの等速シフトの際に例えばエンジン回転数の上昇に対応できず初期油圧が不適切になり、それに続く係合圧制御が遅れる可能性があった。
【0007】
この発明は、上記の事情を背景としてなされたものであり、クラッチ・ツウ・クラッチ変速あるいは直接圧制御などの際の初期油圧制御の適正化を図って変速制御を改善することのできる制御装置を提供することを目的とするものである。そしてこの目的は、等速シフトの有無に応じて初期油圧制御の内容を変更することによって達成される。
【0008】
【課題を解決するための手段およびその作用】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載した発明は、所定の摩擦係合装置を解放させるとともに他の摩擦係合装置を係合させる変速の際に、係合側の摩擦係合装置に供給する油圧を、変速出力後に予め定めた圧力にまで高める初期油圧制御を実行し、所定のダウンシフト時に回転数を一時的に上昇させる駆動力源に連結された自動変速機の制御装置において、前記二つの摩擦係合装置の係合と解放とを行う変速を判断する変速判断手段と、この変速判断手段で判断された前記変速が、駆動力源の出力を増大させることによって前記駆動力源の回転数を一時的に上昇させる変速であるか否かを判定する等速シフト判定手段と、該等速シフト判定手段の判定結果に応じて前記初期油圧制御の制御内容を変更する初期油圧制御手段とを備えていることを特徴とするものである。
【0009】
したがって請求項1に記載した発明によれば、ダウンシフト時に駆動力源の回転数が上昇させられる場合には、変速開始時の係合側摩擦係合装置についての初期油圧制御が、そのような回転数の上昇制御を行わない場合とは異ならせて行われ、駆動力源の駆動状態に適した初期油圧制御となる。そのため、変速を達成する係合側摩擦係合装置が、内燃機関の回転数の上昇制御が行われている状態であっても、直ちにその回転数に変化を生じさせ得る待機状態になり、その結果、いわゆるクラッチ・ツウ・クラッチ変速あるいは直接圧制御などを適切に実行することが可能になる。
【0010】
また請求項2に記載した発明は、請求項1の構成における初期油圧制御手段が、前記変速出力とほぼ同時に設定される油圧もしくは変速出力とほぼ同時に設定される油圧の維持時間を、前記等速シフト判定手段が、前記駆動力源の回転数を一時的に上昇させる変速を判定した場合に、該変速以外の変速を判定した場合より増大させることを特徴とするものである。
【0011】
したがって請求項2の発明では、係合側の摩擦係合装置が、駆動力源の回転数の上昇に応じて係合直前の状態に設定されるので、いわゆるクラッチ・ツウ・クラッチ変速あるいは直接圧制御などを適切に実行することが可能になる。
なお、請求項1における初期油圧制御手段は、請求項3に記載されているように、前記駆動力源の回転数を一時的に上昇させる変速の変速出力とほぼ同時に設定される油圧の高さもしくはその油圧の継続時間を、前記駆動力源の回転数の変化率に基づいて決定するように構成することができる。
また、請求項1ないし3のいずれかにおける前記初期油圧制御手段は、請求項4に記載されているように、前記駆動力源の回転数を一時的に上昇させる変速の際の前記初期油圧制御における油圧制御のための制御値を、前記駆動力源の回転数を一時的に上昇させる変速以外の変速の際の前記初期油圧制御における油圧制御のための制御値の変更に応じて変更するように構成することができる。
さらに、請求項2ないし4における前記初期油圧制御手段は、請求項5に記載されているように、前記駆動力源の回転数を一時的に上昇させる変速の際の前記継続時間を、前記駆動力源の回転数を一時的に上昇させない変速の際の前記継続時間の変更に応じて変更するように構成することができる。
そして、請求項2ないし5の発明においては、請求項6に記載されているように、前記初期油圧制御における油圧の高さもしくはその油圧の継続時間を学習制御によって補正する手段を更に備えることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
つぎにこの発明を図面に基づいてより具体的に説明する。先ず全体的な制御系統について説明する、図6はエンジン(駆動力源)1および自動変速機3についての制御系統図であって、アクセルペダル20の踏み込み量に応じた信号がエンジン用電子制御装置21に入力されている。またエンジン1の吸気ダクトには、スロットルアクチュエータ22によって駆動される電子スロットルバルブ23が設けられており、この電子スロットルバルブ23は、アクセルペダル20の踏み込み量に応じてエンジン用制御装置21からスロットルアクチュエータ22に制御信号が出力され、その制御量に応じて開度が制御されるようになっている。
【0013】
また、エンジン1の回転速度を検出するエンジン回転速度センサ24、吸入空気量を検出するエアフローメータ25、吸入空気の温度を検出する吸入空気温度センサ26、上記電子スロットルバルブ23の開度θを検出するスロットルセンサ27、出力軸17の回転速度などから車速Vを検出する車速センサ28、エンジン1の冷却水温度を検出する冷却水温センサ29、ブレーキの作動を検出するブレーキスイッチ30、シフトレバー31の操作位置を検出する操作位置センサ32などが設けられている。それらのセンサから、エンジン回転速度N、吸入空気温度Tha 、電子スロットルバルブ23の開度θ、車速V、エンジン冷却水温THw 、ブレーキの作動状態BK、シフトレバー31の操作位置Pshを表す信号が、エンジン用電子制御装置21あるいは変速用電子制御装置33に供給されるようになっている。なお、この変速用電子制御装置33には、上記の電子スロットルバルブ23の開度θ、車速V、エンジン冷却水温THw 、ブレーキの作動状態BKの信号、シフトレバー31の操作位置Pshの信号が入力されている。
【0014】
また、タービンランナーの回転速度を検出するタービン回転速度センサ34からタービン回転速度NT を表す信号が変速用電子制御装置33に供給されている。さらに、アクセルペダル20が最大操作位置まで操作されたことを検出するキックダウンスイッチ35からキックダウン操作を表す信号が変速用電子制御装置33に入力されている。さらに手動操作されて変速信号を出力するスポーツモードスイッチ39と等速シフトスイッチ40とが変速用電子制御装置33に接続されている(例えば特開平6−307527号公報、特願平7−215892号参照)。
【0015】
ここでスポーツモードスイッチは、マニュアル操作によって変速を実行するモードを選択するスイッチもしくはマニュアル操作での変速信号を出力するスイッチであり、図示しないシフト装置やインストルメントパネルなどに配置されている。また等速シフトスイッチは、マニュアル操作することによって1段ダウンシフトさせるためのスイッチであって、例えばステアリングホイール(図示せず)の中心部などの適宜の位置に取り付けられている。そしてこれらのスイッチを操作することによりダウンシフトする場合、電子スロットルバルブ23がエンジン用電子制御装置21からの出力信号に基づいてアクセルペダル20の踏み込み量以上に開かれ、エンジン回転数Ne をダウンシフト後の変速段での同期回転数にまで高めるいわゆる等速シフト制御が実行されるようになっている。
【0016】
エンジン用電子制御装置21は、中央演算処理装置(CPU)、記憶装置(RAM,ROM)、入出力インターフェースを備えたいわゆるマイクロコンピュータであって、CPUはRAMの一時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラムに従って入力信号を処理し、種々のエンジン制御を実行する。例えば、燃料噴射量制御のために燃料噴射弁36を制御し、点火時期制御のためにイグナイタ37を制御し、アイドルスピード制御のために図示しないバイパス弁を制御し、トラクション制御を含む全てのスロットル制御を、スロットルアクチュエータ22により電子スロットルバルブ23を制御して実行する。
【0017】
変速用電子制御装置33も、上記のエンジン用電子制御装置21と同様のマイクロコンピュータであって、CPUはRAMの一時記憶機能を利用し、予めROMに記憶されたプログラムに従って入力信号を処理するとともに、油圧制御回路38の各ソレノイド弁あるいはリニアソレノイド弁を駆動するようになっている。例えば、変速用電子制御装置33は、スロットルバルブ23の開度に対応した大きさの出力圧PSLT を発生させるためにリニアソレノイド弁SLT、およびアキュームレータ背圧を制御するためにリニアソレノイド弁SLN、ならびにロックアップクラッチのスリップ量を制御し、また変速過渡時の所定のクラッチあるいはブレーキの係合圧を変速の進行に従いかつ入力トルクに応じて制御するためにリニアソレノイド弁SLUをそれぞれ駆動する。
【0018】
また、変速用電子制御装置33は、基本スロットル開度θ(アクセルペダルの踏み込み量に対して所定の非線形特性で変換したスロットル開度)および車速Vならびにこれらをパラメータとした変速線図に基づいて自動変速機3の変速段やロックアップクラッチの係合状態を決定し、この決定された変速段および係合状態が得られるように油圧制御回路38におけるNo .1ないしNo .3のソレノイド弁SOL1 ,SOL2 ,SOL3 を駆動し、エンジンブレーキを発生させる際には、No .4のソレノイド弁SOL4 を駆動するよう構成されている。
【0019】
この実施例における自動変速機3は、前進5段・後進1段の変速段を設定できるように構成されており、これをスケルトン図で示せば、図7のとおりである。すなわち図7において、エンジン1にトルクコンバータ2を介して自動変速機3が連結されている。このトルクコンバータ2は、エンジン1のクランク軸4に連結されたポンプインペラ5と、自動変速機3の入力軸6に連結されたタービンランナー7と、これらポンプインペラ5およびタービンランナー7の間を直結するロックアップクラッチ8と、一方向クラッチ9によって一方向の回転が阻止されているステータ10とを備えている。
【0020】
上記自動変速機3は、ハイおよびローの2段の切り換えを行う副変速部11と、後進ギヤ段および前進4段の切り換えが可能な主変速部12とを備えている。副変速部11は、サンギヤS0 、リングギヤR0 、およびキャリヤK0 に回転可能に支持されてそれらサンギヤS0 およびリングギヤR0 に噛み合わされているピニオンP0 から成るHL遊星歯車装置13と、サンギヤS0 とキャリヤK0 との間に設けられたクラッチC0 および一方向クラッチF0 と、サンギヤS0 とハウジング19との間に設けられたブレーキB0 とを備えている。
【0021】
主変速部12は、サンギヤS1 、リングギヤR1 、およびキャリヤK1 に回転可能に支持されてそれらサンギヤS1 およびリングギヤR1 に噛み合わされているピニオンP1 からなる第1遊星歯車装置14と、サンギヤS2 、リングギヤR2 、およびキャリヤK2 に回転可能に支持されてそれらサンギヤS2 およびリングギヤR2 に噛み合わされているピニオンP2 からなる第2遊星歯車装置15と、サンギヤS3 、リングギヤR3 、およびキャリヤK3 に回転可能に支持されてそれらサンギヤS3 およびリングギヤR3 に噛み合わされているピニオンP3 からなる第3遊星歯車装置16とを備えている。
【0022】
上記サンギヤS1 とサンギヤS2 とは互いに一体的に連結され、リングギヤR1 とキャリヤK2 とキャリヤK3 とが一体的に連結され、そのキャリヤK3 は出力軸17に連結されている。また、リングギヤR2 がサンギヤS3 に一体的に連結されている。そして、リングギヤR2 およびサンギヤS3 と中間軸18との間に第1クラッチC1 が設けられ、サンギヤS1 およびサンギヤS2 と中間軸18との間に第2クラッチC2 が設けられている。
【0023】
またブレーキ手段として、サンギヤS1 およびサンギヤS2 の回転を止めるためのバンド形式の第1ブレーキB1 がハウジング19に設けられている。また、サンギヤS1 およびサンギヤS2 とハウジング19との間には、第1一方向クラッチF1 およびブレーキB2 が直列に設けられている。この第1一方向クラッチF1 は、サンギヤS1 およびサンギヤS2 が入力軸6と反対の方向へ逆回転しようとする際に係合させられるように構成されている。
【0024】
キャリヤK1 とハウジング19との間には第3ブレーキB3 が設けられており、リングギヤR3 とハウジング19との間には、第4ブレーキB4 と第2一方向クラッチF2 とが並列に設けられている。この第2一方向クラッチF2 は、リングギヤR3 が逆回転しようとする際に係合させられるように構成されている。上記クラッチC0 ,C1 ,C2 、ブレーキB0 ,B1 ,B2 ,B3 ,B4 は、油圧が作用することにより摩擦材が係合させられる油圧式摩擦係合装置である。
【0025】
上記の自動変速機では、前進5段と後進段とを設定することができ、これらの変速段を設定するための各摩擦係合装置の係合・解放の状態を図8の係合作動表に示してある。なお、図8において○印は係合状態、×印は解放状態をそれぞれ示す。
【0026】
図9は、シフトレバー31の操作位置を示している。図において、車両の前後方向の6つの操作位置と車両の左右方向の2つの操作位置との組み合せにより、シフトレバー31を8つの操作位置へ操作可能に支持する図示しない支持装置によってシフトレバー31が支持されている。そしてPはパーキングレンジ位置、Rはリバースレンジ位置、Nはニュートラルレンジ位置、Dはドライブレンジ位置、“4”は第4速までの変速段を設定する“4”レンジ位置、“3”は第3速までの変速段を設定する“3”レンジ位置、“2”は第2速までの変速段を設定する“2”レンジ位置、Lは第1速以上の変速段へのアップシフトを禁止するローレンジ位置をそれぞれ示す。なお、これら“2”レンジ位置とローレンジ位置との間でこれらより車両後方側にスポーツモードスイッチ39が配置されている。
【0027】
図8に示すように上記の自動変速機3は、第2速と第3速との間の変速が、第3ブレーキB3 と第2ブレーキB2 との係合状態を共に切り換えるクラッチ・ツウ・クラッチ変速となる。その変速制御は、パワーオン/オフの状態やシフトアップ/ダウンの状態に応じて、変速に関与する摩擦係合装置をアンダーラップもしくはオーバーラップ状態に制御する必要があり、具体的には、第2ブレーキB2 の油圧を入力トルクに応じて制御し、また第3ブレーキB3 の油圧を変速の進行状況に基づいて制御する必要がある。そこで上記の油圧制御回路38には、この変速を円滑かつ迅速に実行するために、図10に示す回路が組み込まれており、以下、簡単にその構成を説明する。
【0028】
図10において符号70は 1−2シフトバルブを示し、また符号71は 2−3シフトバルブを示し、さらに符号72は 3−4シフトバルブを示している。これらのシフトバルブ70,71,72の各ポートの各変速段での連通状態は、それぞれのシフトバルブ70,71,72の下側に示しているとおりである。なお、その数字は各変速段を示す。その 2−3シフトバルブ71のポートのうち第1速および第2速で入力ポート73に連通するブレーキポート74に、第3ブレーキB3 が油路75を介して接続されている。この油路にはオリフィス76が介装されており、そのオリフィス76と第3ブレーキB3 との間にダンパーバルブ77が接続されている。このダンパーバルブ77は、第3ブレーキB3 にライン圧が急激に供給された場合に少量の油圧を吸入して緩衝作用を行うものである。
【0029】
また符号78は B−3コントロールバルブであって、第3ブレーキB3 の係合圧をこの B−3コントロールバルブ78によって直接制御(直接圧制御)するようになっている。すなわちこの B−3コントロールバルブ78は、スプール79とプランジャ80とこれらの間に介装したスプリング81とを備えており、スプール79によって開閉される入力ポート82に油路75が接続され、またこの入力ポート82に選択的に連通させられる出力ポート83が第3ブレーキB3 に接続されている。さらにこの出力ポート83は、スプール79の先端側に形成したフィードバックポート84に接続されている。一方、前記スプリング81を配置した箇所に開口するポート85には、 2−3シフトバルブ71のポートのうち第3速以上の変速段でDレンジ圧を出力するポート86が油路87を介して連通されている。またプランジャ80の端部側に形成した制御ポート88には、ロックアップクラッチ用リニアソレノイドバルブSLUが接続されている。
【0030】
したがって B−3コントロールバルブ78は、スプリング81の弾性力とポート85に供給される油圧とによって調圧レベルが設定され、かつ制御ポート88に供給される信号圧が高いほどスプリング81による弾性力が大きくなるように構成されている。
【0031】
さらに図10中、符号89は 2−3タイミングバルブであって、この 2−3タイミングバルブ89は、小径のランドと2つの大径のランドとを形成したスプール90と第1のプランジャ91とこれらの間に配置したスプリング92とスプール90を挟んで第1のプランジャ91とは反対側に配置された第2のプランジャ93とを有している。この 2−3タイミングバルブ89の中間部のポート94に油路95が接続され、またこの油路95は、 2−3シフトバルブ71のポートのうち第3速以上の変速段でブレーキポート74に連通させられるポート96に接続されている。
【0032】
さらにこの油路95は途中で分岐して、前記小径ランドと大径ランドとの間に開口するポート97にオリフィスを介して接続されている。この中間部のポート94に選択的に連通させられるポート98は油路99を介してソレノイドリレーバルブ100に接続されている。そして第1のプランジャ91の端部に開口しているポートにロックアップクラッチ用リニアソレノイドバルブSLUが接続され、また第2のプランジャ93の端部に開口するポートに第2ブレーキB2 がオリフィスを介して接続されている。
【0033】
前記油路87は第2ブレーキB2 に対して油圧を供給・排出するためのものであって、その途中には小径オリフィス101とチェックボール付きオリフィス102とが介装されている。またこの油路87から分岐した油路103には、第2ブレーキB2 から排圧する場合に開くチェックボールを備えた大径オリフィス104が介装され、この油路103は以下に説明するオリフィスコントロールバルブ105に接続されている。
【0034】
オリフィスコントロールバルブ105は第2ブレーキB2 からの排圧速度を制御するためのバルブであって、そのスプール106によって開閉されるように中間部に形成したポート107には第2ブレーキB2 が接続されており、このポート107より図での下側に形成したポート108に前記油路103が接続されている。第2ブレーキB2 を接続してあるポート107より図での上側に形成したポート109は、ドレインポートに選択的に連通させられるポートであって、このポート109には、油路110を介して前記 B−3コントロールバルブ78のポート111が接続されている。なおこのポート111は、第3ブレーキB3 を接続してある出力ポート83に選択的に連通させられるポートである。
【0035】
オリフィスコントロールバルブ105のポートのうちスプール106を押圧するスプリングとは反対側の端部に形成した制御ポート112が油路113を介して、 3−4シフトバルブ72のポート114に接続されている。このポート114は、第3速以下の変速段で第3ソレノイドバルブSOL3 の信号圧を出力し、また第4速以上の変速段で第4ソレノイドバルブSOL4 の信号圧を出力するポートである。さらにこのオリフィスコントロールバルブ105には、前記油路95から分岐した油路115が接続されており、この油路115を選択的にドレインポートに連通させるようになっている。
【0036】
なお、前記 2−3シフトバルブ71において第2速以下の変速段でDレンジ圧を出力するポート116が、前記 2−3タイミングバルブ89のうちスプリング92を配置した箇所に開口するポート117に油路118を介して接続されている。また 3−4シフトバルブ72のうち第3速以下の変速段で前記油路87に連通させられるポート119が油路120を介してソレノイドリレーバルブ100に接続されている。
【0037】
そして図10中、符号121は第2ブレーキB2 用のアキュームレータを示し、その背圧室には、リニアソレノイドバルブSLNが出力する油圧に応じて調圧されたアキュームレータコントロール圧が供給されている。なおこのアキュームレータコントロール圧は、入力トルクに応じて制御され、リニアソレノイドバルブSLNの出力圧が低いほど高い圧力になるように構成されている。したがって第2ブレーキB2 の係合・解放の過渡的な油圧は、リニアソレノイドバルブSLNの信号圧が低いほど高い圧力で推移するようになっている。またそのリニアソレノイドバルブSLUの信号圧を一時的に低くすることにより、第2ブレーキB2 の係合圧を一時的に高くすることができる。
【0038】
また符号122は C−0エキゾーストバルブを示し、さらに符号123はクラッチC0 用のアキュームレータを示している。なお C−0エキゾーストバルブ122は2速レンジでの第2速のみにおいてエンジンブレーキを効かせるためにクラッチC0 を係合させるように動作するものである。
【0039】
したがって、上述した油圧回路によれば、 B−3コントロールバルブ78のポート111がドレインに連通していれば、第3ブレーキB3 の係合圧を B−3コントロールバルブ78によって直接調圧することができ、またその調圧レベルをリニアソレノイドバルブSLUによって変えることができる。またオリフィスコントロールバルブ105のスプール106が、図の左半分に示す位置にあれば、第2ブレーキB2 はこのオリフィスコントロールバルブ105を介して油路103に連通させられるので、大径オリフィス104を介して排圧が可能になり、したがって第2ブレーキB2 からのドレイン速度を制御することができる。
【0040】
上記の自動変速機3における第2速と第3速との間の変速は、第2ブレーキB2 と第3ブレーキB3 との係合・解放状態を同時に切り換えて実行するクラッチ・ツウ・クラッチ変速になり、例えば第3速から第2速へのダウンシフトは、第3速で係合していた第2ブレーキB2 を入力回転数に応じて次第に解放させて回転変化を生じさせ、入力回転数が第2速の同期回転数に向けて変化することにより、所定の回転数に達した時点で第3ブレーキB3 の係合圧を急速に高くして第2速を達成する。
【0041】
このように係合側の第3ブレーキB3 は、変速の進行に伴う回転変化に応じて直ちに係合させる必要がある。それに対して第3ブレーキB3 を含む一般の摩擦係合装置は、解放状態において摩擦板相互の間や摩擦板と油圧サーボ機構のピストンとの間などにわずかながらクリアランスが生じており、これらのクリアランスが詰まるまではトルク容量をもたない。そこでこの係合側の摩擦係合装置には、クラッチ・ツウ・クラッチ変速の変速出力と同時もしくはその直後に油圧を急速に供給し、トルク容量がほぼ零の係合直前の状態にしている。すなわち初期油圧制御を行っている。その場合、油圧がさらに増大することにより直ちに係合する状態は、エンジン出力あるいは自動変速機への入力回転数によって異なるから、上述した制御装置では、以下のように制御している。
【0042】
図1は第3速から第2速へのダウンシフトを3つの態様に分けて説明するためのフローチャートであって、入力信号の処理(ステップ1)を行った後に、いわゆるクラッチ・ツウ・クラッチ変速である第3速から第2速へのダウンシフトが判断される(ステップ2)。したがってこのステップ2がこの発明の変速判断手段に相当する。このステップ2で否定判断された場合には、特に制御を行うことなくリターンし、また肯定判断された場合には、スポーツモードか否かが判断される(ステップ3)。
【0043】
前述したようにスポーツモードはスイッチ操作に基づいて変速を実行する変速モードであって、そのスイッチの形態としては、シフト装置に各変速段位置を設け、それぞれの変速段位置にシフトレバーによってオン動作させられるスイッチを設けたもの、あるいはスポーツモード状態を設定し、その状態でアップシフトスイッチあるいはダウンシフトスイッチをシフトレバーによってオン操作するもの、さらにはステアリングホイールやインストルメントパネルなどにアップ・ダウンのスイッチを設けたものなどがある。したがってステップ3の判断は、これらのスイッチからの信号の出力の有無を判断することによって行えばよい。したがってこのステップ3がこの発明の等速シフト判定手段に相当する。
【0044】
走行状態の変更に伴うダウンシフトであることによりステップ3で否定判断された場合には、パワーオン状態か否かが判断される(ステップ4)。すなわち電子スロットルバルブ23が開いていてエンジン1の出力によって車両を駆動しているか否かが判断され、これは、スロットル開度θに基づいて判断することができる。
【0045】
パワーオン状態であることによりステップ4で肯定判断された場合には、前述したように第2ブレーキB2 の解放制御と第3ブレーキB3 の係合制御とによって変速を実行する(ステップ5)。これは、図10に示す 2−3シフトバルブ71が切り替わり、またリニアソレノイドバルブSLUが第3ブレーキB3 の係合圧の調圧を行い、またそれに伴い第2ブレーキB2 からアキュームレータ121で調圧されつつ排圧されることにより実行される。その場合、エンジン1は駆動状態にあるから、第3速を設定していた第2ブレーキB2 の係合圧が低下することによってエンジン回転数すなわち入力回転数NC0が上昇する。したがって第2速を達成するための第3ブレーキB3 の係合圧PB3は、図2に示すパターンIに従って制御される(ステップ6)。
【0046】
これを簡単に説明すると、第3速から第2速への変速判断が成立したt1 時点から所定のT1 秒が経過したt2 時点に、第3ブレーキ圧PB3の調圧レベルを決めるリニアソレノイドバルブSLUのデューティ比がt3 時点までの所定時間、高められ、パッククリアランスを詰めるための初期油圧制御を行う。すなわちデューティ比をD1 に設定してT2 秒間維持する。その後、入力回転数NC0が第2速の同期回転数に対して所定回転数Δαだけ小さい回転数に上昇する時点t4 までデューティ比が小さい値D2 に維持され、第3ブレーキ圧PB3が低圧に待機される。そして、リニアソレノイドバルブSLUのデューティ比を段階的に増大させて第3ブレーキ圧PB3を次第に昇圧(スイープアップ)し、入力回転数NC0が同期回転数に達した時点t5 では、第3ブレーキB3 を完全に係合させる。
【0047】
このように制御することにより、エンジン回転数Ne が所定回転数に達した時点で第3ブレーキB3 が直ちに実質的に係合し始め、エンジン回転数Ne が、ダウンシフト後の第2速の同期回転数に至る前後で急激に変化することが防止され、変速ショックが良好になる。
【0048】
なお、上述したパワーオン状態でのダウンシフトの場合には、変速終了時に点火時期の遅角制御などによるエンジントルクの低減制御や解放側の第2ブレーキB2 の解放圧を一時的に昇圧して出力トルクを低下させる制御が実行される。
【0049】
これに対してパワーオフ状態であることによりステップ4で否定判断された場合には、パワーオフ状態でのダウンシフトが実行される(ステップ7)とともに、第3ブレーキB3 の係合圧が図3に示すパターンIIに従って制御される(ステップ8)。
【0050】
すなわちリニアソレノイドバルブSLUのデューティ比をD1 に設定した状態をT2 秒間維持する初期油圧制御を実行し、その終了時点t3 の後、入力回転数NC0が第2速の同期回転数に対してかなり低い回転数の時点t6 にリニアソレノイドバルブSLUのデューティ比を次第に増大させて第3ブレーキB3 の係合圧PB3を次第に高くする。そしてこの第3ブレーキ圧PB3が十分高くなったt7 時点の後に入力回転数NC0すなわちエンジン回転数が第2速の同期回転数に達する。したがってパワーオフ状態での第3速から第2速へのダウンシフトの場合には、第3ブレーキB3 の係合圧PB3を早い時期に増大させてエンジン1の回転数を出力軸側から入力されるトルクによって引き上げ、変速を迅速に進行させるとともに、入力回転数NC0を同期回転数に向けて滑らかに変化させて変速ショックを良好なものにする。またこの場合、係合側の第3ブレーキB3 が入力回転数に応じて直ちに係合する状態に待機させられるから、変速ショックが悪化することはない。なお、この場合は、パワーオフ状態であるから、変速終了時に点火時期の遅角制御や解放側の第2ブレーキB2 の解放圧を一時的に昇圧して出力トルクを低下させる制御は行わない。
【0051】
またスポーツモードでのダウンシフトであることによりステップ3で肯定判断された場合には、等速シフトを実行する(ステップ9)。この等速シフトは、エンジン回転数Ne をダウンシフト後の変速段での同期回転数まで上昇させ、その状態でダウンシフトを実行する変速制御であり、第2ブレーキB2 の係合および第3ブレーキB3 の係合に合わせて、電子スロットルバルブ23をエンジン用電子制御装置21によって一時的に開くことにより実行される。さらに第3ブレーキ圧PB3が図4に示すパターンIII に従って制御される(ステップ10)。
【0052】
これを簡単に説明すると、初期油圧制御におけるリニアソレノイドバルブSLUのデューティ比を、ほぼ通常時の値D1 をベースにD1 より大きい値D3 に設定し、第3ブレーキB3 に供給する油圧を高くする。ここでD3 はD1 をベースに設定され、D1 が学習により変更された時にはD3 も所定の割合で同期して変更するようにしてもよい。したがって第3ブレーキB3 は、入力回転数が上昇していてもそれに対応した充分な係合直前の状態に迅速に設定され、低圧待機状態になる。その後、デューティ比をD2 に低下させて第3ブレーキ圧PB3を低圧に待機させておき、スロットル開度が増大させられていることによってエンジン回転数Ne が、第2速の同期回転数よりも所定回転数Δβ(>Δα)低い回転数に達した時点t8 にデューティ比を段階的に増大させて第3ブレーキ圧PB3を増大させる。すなわちこのステップ10がこの発明における初期油圧制御手段に相当する。特に、油圧制御のための制御値である上記のD をD が変更された場合に所定の割合で同期して変更する機能的手段が、請求項4における初期油圧制御手段に相当する。
【0053】
したがって、変速中にエンジン回転数が上昇させられる等速シフトであっても、初期油圧制御が通常より早い時期で完了するから、第3ブレーキ圧PB3のスイープアップに遅れが生じることがなく、その結果、スイープアップを早い時期に実施し、あるいは低圧待機の期間が殆どない場合であっても、変速制御を良好なものとすることができる。
【0054】
なお、初期油圧制御は、上述のように係合直前の状態まで摩擦係合装置の摩擦板を移動させておく制御であるから、初期油圧の供給時間を長くすることにより入力回転数の上昇した状態に対処することもできる。その例を図4に破線で示してあり、所定のデューティ比D1 の状態がT3 (>T2 )秒の間、継続する例である。ここでT3 はT2 をベースに決定され、T2 が学習制御などにより変更された時は、それに対応して所定の割合で変更されるようにしてもよい。このような時間の変更をおこなう機能的手段が、請求項5における初期油圧制御手段に相当する。
【0055】
上述のように等速シフトに合わせた初期油圧制御の油圧やその継続時間を変更する場合、そのデューティ比D3 や時間T3 は、図5に示すように決定することができる。すなわちこれらの値をエンジン回転数Ne の変化率(Ne ドット)の関数として設定し、さらにそれぞれの係数k1 ,k2 および定数a,bを低圧待機時の学習値を元に(変速後に学習)補正する。図5の(C)は、その定数a,bの低圧待機圧の学習値に対する一般的傾向を示す。すなわちエンジン回転数の変化率が大きいほど、初期油圧制御時間は長く設定され、あるいは油圧は高く設定される。このように、エンジン回転数の変化率に基づいて初期油圧制御時間もしくはその油圧の高さを決定する機能的手段が、請求項3における初期油圧制御手段に相当する。また、それらの値を学習に基づいて補正する機能的手段が、請求項6における「学習制御によって補正する手段」に相当する。
【0056】
ところで上述した初期油圧制御の補正は、等速シフトが実行されることに伴って行われるから、図1におけるステップ3は、等速シフトスイッチによるダウンシフトか否かの判断ステップ(ステップ3’)に置き換えてもよい。したがってこのステップ3’がこの発明の等速シフト判定手段に相当する。
【0057】
なお、上記の実施例では、第3速から第2速へのダウンシフトを例に採って説明したが、この発明は、上記の実施例に限定されないのであり、他の変速段へのダウンシフトの制御を行う装置あるいは摩擦係合装置の油圧をリニアソレノイドバルブなどで直接制御する装置などにも適用することができる。したがって係合圧の制御の対象となる摩擦係合装置は、上述した第3ブレーキ以外の摩擦係合装置であってもよい。さらにこの発明は、変速に関与する摩擦係合装置の係合圧の制御として、等速シフトに特有の制御内容を備えたことを特徴とするものであり、したがってその制御内容は、上述した図4に示す制御パターンに限定されず、必要に応じて適宜に変更したものであってよい。そしてこの発明は、図7や図10に示すギヤトレインあるいは油圧回路とは異なるギヤトレインあるいは油圧回路を備えた自動変速機もしくはその制御装置を対象として実施することができる。なお、駆動力源としてエンジンに替えて電動モータなどの他の動力出力装置を使用してもよい。
【0058】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1ないし6の発明によれば、クラッチ・ツウ・クラッチ変速あるいは直接圧制御のダウンシフトが、駆動力源の出力を増加させることによって駆動力源の回転数を一時的に上昇させる等速シフトとして実施される場合、係合側の摩擦係合装置の初期油圧制御を、駆動力源の回転数の上昇を伴わない通常のダウンシフト時とは異ならせて、等速シフトに適するように変更するから、係合側の摩擦係合装置の待機状態が早期に達成され、その結果、変速制御が適切になり、等速シフトでの変速を実施することができる。
【0059】
また特に請求項2に記載した発明では、等速シフトのダウンシフトの場合に、係合側の摩擦係合装置の初期油圧制御の圧力値もしくはその継続時間のいずれかを通常の場合より大きくするから、変速時に入力回転数が上昇させられていても、係合側の摩擦係合装置の待機状態が早期に達成され、その入力回転数の上昇に対応する結果、等速シフトでの変速を適切なものにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の制御装置で実行される制御内容を説明するためのフローチャートである。
【図2】パワーオン状態での第3速から第2速へのダウンシフトの際の第3ブレーキ圧の制御パターンを示すタイムチャートである。
【図3】パワーオフ状態での第3速から第2速へのダウンシフトの際の第3ブレーキ圧の制御パターンを示すタイムチャートである。
【図4】等速シフトでの第3速から第2速へのダウンシフトの際の第3ブレーキ圧の制御パターンを示すタイムチャートである。
【図5】(A)は初期油圧制御圧を決定するデューティ比とエンジン回転数の変化率との関係を示す線図、(B)は初期油圧制御時間とエンジン回転数の変化率との関係を示す線図、(C)はそのデューティ比あるいは初期油圧制御時間の補正に使用する定数の低圧待機学習値に対する変化傾向を示す線図である。
【図6】この発明による全体的な制御系統を示す図である。
【図7】この発明で対象とする自動変速機のギヤトレインの一例を示すスケルトン図である。
【図8】その自動変速機で各変速段を設定するための摩擦係合装置の係合作動表を示す図である。
【図9】シフト装置における各レンジ位置の配列を示す図である。
【図10】第2速と第3速との間の変速を実行する際の係合圧を制御する油圧回路の一部を示す図である。
【符号の説明】
1 エンジン
3 自動変速機
21 エンジン用電子制御装置
33 自動変速機用電子制御装置
38 油圧制御装置

Claims (6)

  1. 所定の摩擦係合装置を解放させるとともに他の摩擦係合装置を係合させる変速の際に、係合側の摩擦係合装置に供給する油圧を、変速出力後に予め定めた圧力にまで高める初期油圧制御を実行し、所定のダウンシフト時に回転数を一時的に上昇させる駆動力源に連結された自動変速機の制御装置において、
    前記二つの摩擦係合装置の係合と解放とを行う変速を判断する変速判断手段と、この変速判断手段で判断された前記変速が、駆動力源の出力を増大させることによって前記駆動力源の回転数を一時的に上昇させる変速であるか否かを判定する等速シフト判定手段と、該等速シフト判定手段の判定結果に応じて前記初期油圧制御の制御内容を変更する初期油圧制御手段とを備えていることを特徴とする自動変速機の制御装置。
  2. 前記初期油圧制御手段は、前記変速出力とほぼ同時に設定される油圧もしくは変速出力とほぼ同時に設定される油圧の維持時間を、前記等速シフト判定手段が、前記駆動力源の回転数を一時的に上昇させる変速を判定した場合に、該変速以外の変速を判定した場合より増大させることを特徴とする請求項1に記載の自動変速機の制御装置。
  3. 前記初期油圧制御手段は、前記駆動力源の回転数を一時的に上昇させる変速の変速出力とほぼ同時に設定される油圧の高さもしくはその油圧の継続時間を、前記駆動力源の回転数の変化率に基づいて決定するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の自動変速機の制御装置。
  4. 前記初期油圧制御手段は、前記駆動力源の回転数を一時的に上昇させる変速の際の前記初期油圧制御における油圧制御のための制御値を、前記駆動力源の回転数を一時的に上昇させる変速以外の変速の際の前記初期油圧制御における油圧制御のための制御値の変更に応じて変更するように構成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の自動変速機の制御装置。
  5. 前記初期油圧制御手段は、前記駆動力源の回転数を一時的に上昇させる変速の際の前記継続時間を、前記駆動力源の回転数を一時的に上昇させない変速の際の前記継続時間の変更に応じて変更するように構成されているこ とを特徴とする請求項2ないし4のいずれかに記載の自動変速機の制御装置。
  6. 前記初期油圧制御における油圧の高さもしくはその油圧の継続時間を学習制御によって補正する手段を更に備えていることを特徴とする請求項2ないし5のいずれかに記載の自動変速機の制御装置。
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