JP4120359B2 - 車両用制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は車両用制御装置に係り、特に、電気的アクチュエータにより開閉制御される開閉制御弁により自身の回転速度を制御できるエンジンを備えている車両の制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
摩擦係合装置の係合、解放状態が変更されることにより変速段を切り換える変速機が、エンジンと駆動輪との間に配設されている車両が広く知られている。特許文献1に記載の車両はその一例で、変速機の変速段を切り換える変速中に、駆動トルク変動等によるショックを防止するため、変速に関与する摩擦係合装置の係合力制御を行うと同時に、エンジンの点火時期の遅角制御などでエンジントルクダウン制御を行うことが提案されている。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−53719号公報
【特許文献2】
特開2001−182820号公報
【特許文献3】
特開2000−205398号公報
【特許文献4】
特開平11−311317号公報
【特許文献5】
特開平10−196778号公報
【特許文献6】
特開平09−257123号公報
【特許文献7】
特開平09−257122号公報
【特許文献8】
特開平09−002106号公報
【特許文献9】
特開平07−286662号公報
【特許文献10】
特開平07−286661号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記変速機の変速段を切り換える変速中にエンジンの点火時期の遅角制御などでエンジントルクダウン制御を行う場合には、間接的な制御となることから、制御応答性の面で劣るという問題があった。また、触媒温度が高温であるときなどのように外的要因によって点火時期の遅角制御を実行できないときには、燃料を増量するなどの必要に迫られる場合があった。また、上記エンジンの点火時期の遅角制御などでエンジントルクダウン制御を行う場合には、トルクダウン幅にも制約があるので、制御性に劣るという不都合もあった。
【0005】
本発明は以上の事情を背景として為されたもので、その目的とするところは、吸気弁および排気弁の少なくとも一方が電気的アクチュエータにより開閉制御される開閉制御弁から構成され、その開閉制御弁により自身の回転速度が制御可能なエンジンと、そのエンジンと駆動輪との間に配設された変速機とを有する車両において、変速機の変速中にエンジンの回転速度低下制御が好適に行われる車両用制御装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための第1の手段】
かかる目的を達成するための第1発明の要旨とするところは、(a) 吸気弁および排気弁の少なくとも一方が電気的アクチュエータにより開閉制御される開閉制御弁から構成され、その開閉制御弁により自身の回転速度が制御可能なエンジンと、そのエンジンと駆動輪との間に配設されてクラッチツウクラッチ変速動作によりギヤ段が切り換えられる変速機とを有する車両用制御装置であって、(b) 前記クラッチツウクラッチ変速時において発生するエンジン回転速度の所定以上の吹きが発生すると、前記開閉制御弁を制御して吸気弁および排気弁の何れか一方を閉じたまま他方を通常制御に従って開閉させ、ピストンの圧縮仕事で回転エネルギーを消費させることにより、前記エンジン自身の回転抵抗でそのエンジン回転速度を低下させる回転速度低下制御手段を、含むことにある。
【0007】
【第1発明の効果】
このようにすれば、クラッチツウクラッチ変速中においてエンジン回転速度の所定以上の吹きが発生すると、回転速度低下制御手段によって前記開閉制御弁が制御されて前記吸気弁および排気弁の何れか一方が閉じられたまま他方が通常制御に従って開閉させられ、ピストンの圧縮仕事で回転エネルギーを消費させることによりエンジン自身の回転抵抗でその回転速度が低下させられるので、優れた制御応答性が得られるとともに十分な制御幅が得られるので、クラッチツウクラッチ変速時のエンジン回転速度の制御性が高められる。
【0008】
【第1発明の他の態様】
ここで、好適には、前記クラッチツウクラッチ変速中における前記エンジン回転速度低下操作量に基づいて、次回のそのクラッチツウクラッチ変速を実行するための油圧式摩擦係合装置の係合圧を変更する油圧変更手段が設けられる。このようにすれば、油圧変更手段により、前記エンジン回転速度低下操作量に基づいて次回のクラッチツウクラッチ変速を実行する油圧式摩擦係合装置の係合圧が変更されることにより、次回のクラッチツウクラッチ変速における吹き量が小さくされる。
【0009】
また、好適には、前記クラッチツウクラッチ変速中における前記エンジン回転速度低下操作量に基づいて、吹き量が小さくなるなるように次回のクラッチツウクラッチ変速を実行する油圧式摩擦係合装置の係合圧を学習補正する油圧学習制御手段が設けられる。このようにすれば、油圧学習制御手段により、前記エンジン回転速度低下操作量に基づいて次回のクラッチツウクラッチ変速を実行する油圧式摩擦係合装置の係合圧が学習補正されることにより、次回のクラッチツウクラッチ変速における吹き量が小さくされる。
【0010】
また、好適には、前記油圧学習制御手段は、前記クラッチツウクラッチ変速中における前記エンジン回転速度低下操作量の有無に基づいて、次回のクラッチツウクラッチ変速を実行する学習制御の内容を変更するものである。このようにすれば、エンジン回転速度低下操作量の有無に応じて次回のクラッチツウクラッチ変速を実行する油圧式摩擦係合装置の係合圧を学習補正する内容が、エンジン回転速度低下が、電磁駆動弁の制御を利用したエンジン自身の回転抵抗の制御により実行されるか或いはエンジンの点火時期の遅角あるいは燃料噴射量の抑制により実行されたかに応じて、学習補正が変更されるので、その次回のクラッチツウクラッチ変速における吹き量が好適に小さくされる。
【0011】
【課題を解決するための第2の手段】
また、前記目的を達成するための第2発明の要旨とするところは、(a) 吸気弁および排気弁の少なくとも一方が電気的に開閉制御可能な開閉制御弁から構成され、その開閉制御弁により自身の回転速度が制御可能なエンジンと、そのエンジンと駆動輪との間に配設された変速機とを有する車両において、変速時には前記開閉制御弁が制御されて前記吸気弁および排気弁の何れか一方を閉じたまま他方が通常制御に従って開閉させられ、ピストンの圧縮仕事で回転エネルギーが消費させられることにより、前記エンジン自身の回転抵抗でエンジン回転速度が低下させられる形式の車両用制御装置であって、(b) 前記エンジン回転速度の低下量に応じて前記変速時に作動させられる摩擦係合装置の油圧を油圧学習により変更する油圧学習制御手段を、含むことにある。
【0012】
【第2発明の効果】
このようにすれば、変速時に行われる前記開閉制御弁を用いた、前記開閉制御弁が制御されて前記吸気弁および排気弁の何れか一方が閉じられたまま他方が通常制御に従って開閉させられ、ピストンの圧縮仕事で回転エネルギーが消費させる制御による、エンジン自身の回転抵抗増加に伴う回転速度低下量に応じて、油圧学習制御手段により、その変速時に作動させられる油圧式摩擦係合装置の油圧が学習補正されることから、変速機の変速中においてエンジンの回転速度低下制御が好適に行われるとともに、エンジン自身の回転抵抗による回転速度低下量が考慮された係合圧の適切な学習補正が行われて、変速ショックが好適に抑制される。
【0013】
【第2発明の他の態様】
ここで、好適には、油圧学習制御手段は、前記変速中における前記エンジン回転速度低下操作量に基づいて変速を実行する油圧式摩擦係合装置の係合圧の学習補正値を変更するものである。このようにすれば、油圧学習制御手段により、前記エンジン回転速度低下操作量に基づいて次回の変速を実行する油圧式摩擦係合装置の係合圧を補正するための学習補正値が変更されることにより、次回の変速におけるショックが低減される。
【0014】
また、好適には、前記油圧学習制御手段は、前記変速中におけるエンジン回転速度低下操作量の有無に基づいて、その変速時の係合圧の学習値が記憶されたマップ内のうちその係合圧の学習補正のために採用すべき学習値が記憶されている領域を変更するものである。このようにすれば、エンジン回転速度低下操作量の有無に応じて次回の変速を実行する油圧式摩擦係合装置の係合圧を学習補正するための学習値が適切な値に変更されるので、その次回の変速におけるショックが一層小さくされる。
【0015】
【課題を解決するための第3の手段】
また、前記目的を達成するための第3発明の要旨とするところは、(a) 吸気弁および排気弁の少なくとも一方が電気的に開閉制御可能な開閉制御弁から構成され、その開閉制御弁により自身の回転速度が制御可能なエンジンと、そのエンジンと駆動輪との間に配設された変速機とを有する車両において、変速時には前記開閉制御弁が制御されて前記吸気弁および排気弁の何れか一方が閉じられたまま他方が通常制御に従って開閉させられ、ピストンの圧縮仕事で回転エネルギーが消費させられることにより、前記エンジン自身の回転抵抗でエンジン回転速度が低下させられる形式の車両用制御装置であって、(b) 前記エンジン回転速度の低下量に応じて次回の変速時に作動させられる摩擦係合装置の油圧を変更する油圧変更手段を、含むことにある。
【0016】
【第3発明の効果】
このようにすれば、変速時に行われる前記開閉制御弁を用いた、前記吸気弁および排気弁の何れか一方が閉じられたまま他方が通常制御に従って開閉させられ、ピストンの圧縮仕事で回転エネルギーを消費させる制御による、エンジン自身の回転抵抗増加に伴う回転速度低下量に応じて、油圧変更手段により、次回の変速時に作動させられる油圧式摩擦係合装置の油圧が変更されることから、変速機の変速中にエンジンの回転速度低下制御が好適に行われる。
【0017】
【第3発明の他の態様】
ここで、好適には、前記油圧変更手段は、前記変速中における前記エンジン回転速度低下操作量に基づいてその変速を実行する油圧式摩擦係合装置の係合圧を学習補正する油圧学習制御手段である。このようにすれば、油圧変更手段により、前記エンジン回転速度低下操作量に基づいて次回の変速を実行する油圧式摩擦係合装置の係合圧が学習補正されることにより、次回の変速におけるショックが低減される。
【0018】
また、好適には、前記油圧学習制御手段は、前記変速中におけるエンジン回転速度低下操作量の有無に基づいて、その変速時の係合圧の学習値が記憶されたマップ内のうちその係合圧の学習補正のために採用すべき学習値が記憶されている領域を変更するものである。このようにすれば、エンジン回転速度低下操作量の有無に応じて次回の変速を実行する油圧式摩擦係合装置の係合圧を学習補正するための学習値が適切な値に変更されるので、その次回の変速におけるショックが一層小さくされる。
【0019】
【発明の好適な実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明が適用されたハイブリッド車両の動力伝達装置8の構成を説明する骨子図である。図1において、内燃機関にて構成されている走行用駆動力源としてのエンジン10の出力は、入力クラッチ12、流体式動力伝達装置としてのトルクコンバータ14を経て自動変速機16に入力され、図示しない差動歯車装置および車軸を介して駆動輪へ伝達されるようになっている。上記入力クラッチ12とトルクコンバータ14との間には、回転機として電動モータおよび発電機として機能する第1モータジェネレータMG1が配設されている。上記トルクコンバータ14は、入力クラッチ12に連結されたポンプ翼車20と、自動変速機16の入力軸22に連結されたタービン翼車24と、それらポンプ翼車20およびタービン翼車24の間を直結するためのロックアップクラッチ26と、一方向クラッチ28によって一方向の回転が阻止されているステータ翼車30とを備えている。
【0020】
上記自動変速機16は、ハイおよびローの2段の切り換えを行う第1変速部32と、後進変速段および前進4段の切り換えが可能な第2変速部34とを備えている。第1変速部32は、サンギヤS0、リングギヤR0、およびキャリアK0に回転可能に支持されてそれらサンギヤS0およびリングギヤR0に噛み合わされている遊星ギヤP0から成るHL遊星歯車装置36と、サンギヤS0とキャリアK0との間に設けられたクラッチC0および一方向クラッチF0と、サンギヤS0およびハウジング38間に設けられたブレーキB0とを備えている。
【0021】
第2変速部34は、サンギヤS1、リングギヤR1、およびキャリアK1に回転可能に支持されてそれらサンギヤS1およびリングギヤR1に噛み合わされている遊星ギヤP1から成る第1遊星歯車装置40と、サンギヤS2、リングギヤR2、およびキャリアK2に回転可能に支持されてそれらサンギヤS2およびリングギヤR2に噛み合わされている遊星ギヤP2から成る第2遊星歯車装置42と、サンギヤS3、リングギヤR3、およびキャリアK3に回転可能に支持されてそれらサンギヤS3およびリングギヤR3に噛み合わされている遊星ギヤP3から成る第3遊星歯車装置44とを備えている。
【0022】
上記サンギヤS1とサンギヤS2は互いに一体的に連結され、リングギヤR1とキャリアK2とキャリアK3とが一体的に連結され、そのキャリアK3は出力軸46に連結されている。また、リングギヤR2がサンギヤS3および中間軸48に一体的に連結されている。そして、リングギヤR0と中間軸48との間にクラッチC1が設けられ、サンギヤS1およびサンギヤS2とリングギヤR0との間にクラッチC2が設けられている。また、サンギヤS1およびサンギヤS2の回転を止めるためのバンド形式のブレーキB1がハウジング38に設けられている。また、サンギヤS1およびサンギヤS2とハウジング38との間には、一方向クラッチF1およびブレーキB2が直列に設けられている。この一方向クラッチF1は、サンギヤS1およびサンギヤS2が入力軸22と反対の方向へ逆回転しようとする際に係合させられるように構成されている。
【0023】
キャリアK1とハウジング38との間にはブレーキB3が設けられており、リングギヤR3とハウジング38との間には、ブレーキB4と一方向クラッチF2とが並列に設けられている。この一方向クラッチF2は、リングギヤR3が逆回転しようとする際に係合させられるように構成されている。
【0024】
以上のように構成された自動変速機16では、例えば図2に示す作動表に従って後進1段および変速比γ(入力軸22の回転速度NIN/出力軸46の回転速 度NOUT ) が順次異なる前進5段(1st〜5th)の変速段のいずれかに切り換えられる。図2において「○」は係合で、空欄は解放を表し、「◎」はエンジンブレーキや第1モータジェネレータMG1の回生制動による駆動力源ブレーキ時の係合を表し、「△」は動力伝達に関与しない係合を表している。前記クラッチC0〜C2、およびブレーキB0〜B4は何れも油圧アクチュエータによって係合させられる油圧式の摩擦係合装置である。この図2から明らかなように、第2速ギヤ段と第3速ギヤ段との間は、ブレーキB2およびブレーキB3の一方が解放させられると同時に他方が係合させられることにより達成される所謂クラッチツウクラッチ変速である。
【0025】
図3に示すように、前記エンジン10の吸気配管50および排気管52には、排気タービン式過給機54が設けられており、排気管52には、ウェイストゲート弁56を有するバイパス通路58が並列に設けられて、そのバイパス通路58を流通する排気ガスの流量を制御することにより、タービン回転を変化させて吸気配管50内の過給圧を調節できるようになっている。吸気配管50には、スロットルアクチュエータ60によって開閉制御される電子スロットル弁62が設けられている。電子スロットル弁62は、基本的には図7に示すように運転者の出力要求量を表すアクセル操作量ACCに対応する開度θTHとなるように制御される。
【0026】
また、エンジン10では、図4に示すような、各気筒にそれぞれ設けられている吸気弁74および排気弁75が、その開閉時期、開閉期間、リフト量などが後述の電子制御装置からの指令に従って電気的に制御される開閉制御弁すなわち電磁駆動弁から構成されている。エンジン10は、吸気弁74および排気弁75とそれ等を開閉駆動する電気的アクチュエータである電磁アクチュエータ76および77とを含む可変動弁機構78と、クランク軸79の回転角を検出するクランク軸回転角センサ80からの信号に従って上記吸気弁74および排気弁75の開閉タイミングやリフト量、作動角(開閉速度)を制御する弁駆動制御装置81とを備えている。この弁駆動制御装置81は、エンジン負荷に応じて開閉タイミングなどを最適時期に変更するだけでなく、運転サイクル切換え指令に従ってエンジン10を4サイクル運転させるための時期および2サイクル運転させるための時期となるように制御する。また、吸気弁74および排気弁75の作動タイミングを変更したり、作動気筒数を変更したりすることにより、エンジン自身でエンジン回転速度NE を制御することが可能であり、例えば吸気弁74を閉じたまま排気弁75を通常の制御に従って開閉することにより、ピストンの圧縮仕事で回転抵抗を発生させて回転エネルギーを消費させることによりエンジン回転速度NE を強制的に速やかに低下させることができるとともに、吸気弁74の開度を制御してエンジン回転速度NE の変化率を調整することができる。上記電磁アクチュエータ76および77は、たとえば図5に示すように、吸気弁74または排気弁75に連結されてその吸気弁74または排気弁75の軸心方向に移動可能に支持された磁性体製の円盤状の可動部材82と、その可動部材82を択一的に吸着するためにそれを挟む位置に設けられた一対の電磁石84、85と、可動部材82をその中立位置に向かって付勢する一対のスプリング86、87とを備えている。吸気弁74および排気弁75は、電気的に開閉制御可能な電動開閉弁に相当する。
【0027】
前記第1モータジェネレータMG1はエンジン10と自動変速機16との間に配置され、入力クラッチ12はエンジン10と第1モータジェネレータMG1との間に配置されている。上記自動変速機16の各油圧式摩擦係合装置およびロックアップクラッチ26は、電動油圧ポンプ64から発生する油圧を元圧とする油圧制御回路66により制御されるようになっている。また、エンジン10には第2モータジェネレータMG2が作動的に連結されている。そして、第1モータジェネレータMG1および第2モータジェネレータMG2の電源として機能する燃料電池70および二次電池71と、それ等から第1モータジェネレータMG1および第2モータジェネレータMG2へ供給される電流を制御したり或いは充電のために二次電池71へ供給される電流を制御するための電源切換スイッチ72および73とが設けられている。この電源切換スイッチ72および73は、スイッチ機能を有する装置を示すものであって、例えばインバータ機能などを有する半導体スイッチング素子などから構成され得るものである。
【0028】
図6は、本実施例の動力伝達装置8が備えている制御系統を説明するブロック線図である。図6において、電子制御装置90に入力される信号およびその電子制御装置90から出力される信号を例示したものであり、エンジン回転速度センサにより検出されたエンジン回転速度NE を表す信号、タービン回転速度センサにより検出されたタービン回転速度NT を表す信号、車速センサにより検出された車速Vを表す信号、スロットル弁開度センサにより検出されたスロットル弁開度θTHを表す信号、アクセル操作量センサにより検出されたアクセル操作量ACCを表す信号、フットブレーキスイッチにより検出されたブレーキペダル操作信号、シフトポジションセンサにより検出されたシフトレバーの操作位置PSHを示す信号などが供給されるようになっている。
【0029】
上記電子制御装置90は、たとえばCPU、ROM、RAM、入出力インターフェースなどから成る所謂マイクロコンピュータを含んで構成されており、RAMの一時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことにより、前記スロットルアクチュエータ60、弁駆動制御装置81、点火時期制御装置92、燃料噴射量制御装置94などによりエンジン10の出力制御を行ったり、図示しないMG1コントローラ、MG2コントローラによりモータジェネレータMG1、MG2の力行制御や回生制御を行ったり、変速用の油圧制御回路66内のATシフトソレノイドの励磁、非励磁により油圧回路を切り換えるなどして自動変速機16の変速制御を行ったり、その変速時に係合または解放される前記クラッチC0〜C2やブレーキB0〜B4の過渡油圧をATライン圧コントロールソレノイドやリニアソレノイド弁SLNなどにより制御したり、ATロックアップコントロールソレノイドによりロックアップクラッチ26の係合(スリップ係合を含む)、解放状態を切り換えたり、その他の各種の制御を実行する。
【0030】
上記ATシフトソレノイドは、切換弁などの作動状態を変更して油圧回路を切り換えることにより、前記クラッチC0〜C2、ブレーキB0〜B4の係合、解放状態を切り換えて、前記複数の変速段やニュートラル「N」などを成立させるためのもので、複数設けられている。電子制御装置90は、このATシフトソレノイドにより、例えば図8に示すように車速Vおよびスロットル弁開度θTHをパラメータとして予め記憶された変速マップ(変速条件)に従って変速制御を行う変速制御手段を機能的に備えており、車速Vが低くなったりスロットル弁開度θTHが大きくなったりするに従って変速比が大きい低速側の変速段が成立させられる。また、リニアソレノイド弁SLNを用いて例えばアキュムレータ背圧などを連続的に変化させることにより、変速時に係合または解放されるクラッチC0〜C2やブレーキB0〜B4の内の油圧すなわち係合圧を過渡的に制御する。
【0031】
図9は、上記電子制御装置90の制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。図9において、変速制御手段98は、たとえば図8に示す予め記憶された変速線図から実際の車速Vおよびスロットル開度θTHに基づいて変速判断を実行し、判断された変速を実行させるための変速出力を行うことにより、自動変速機16のギヤ段を自動的に切り換える。たとえば、2→3アップ変速では、ブレーキB3を解放開始させ、その係合トルクがある程度維持されているときに、ブレーキB2の係合を開始させてその係合トルクを発生させ、この状態で変速比をγ2 からγ3 へ移行させつつ、ブレーキB3の解放とブレーキB2の係合とを完了させる。開閉制御弁使用可判定手段100は、エンジン10において電磁アクチュエータ76、77により開閉される吸気弁74および排気弁75に対する開閉時期、開閉期間、リフト量などの制御が可能な状態であるか否か、たとえば、電磁アクチュエータ76、77の機械的或いは電気的故障、クランク軸回転角センサ80、弁駆動制御装置81などのセンサ類の故障などの発生に基づいて、吸気弁74および排気弁75に対する開閉時期、開閉期間、リフト量などの制御が不能な状態となっているか否かを判断する。吹き判定手段102は、自動変速機16における2→3アップ変速期間において、エンジン回転速度NE すなわちタービン回転速度NT の一時的急上昇である吹きFが、所定以上の大きさで発生したか否かを判定する。この吹きFは、たとえば図10のt2 時点に示されるものであり、たとえばエンジン回転速度NE から出力軸回転速度NOUT ×γ2 (但しγ2 は第2速ギヤ段の変速比)を差し引くことによって求められる。アップ変速判定手段104は、変速制御手段98により自動変速機16の2→3アップ変速が行われているか否かが判断される。
【0032】
回転速度低下制御手段108は、開閉制御弁使用可判定手段100により開閉制御弁すなわち吸気弁74および排気弁75の使用が可能であると判定され、且つアップ変速判定手段104により2→3アップ変速すなわちクラッチツウクラッチアップ変速が行われていると判定されている場合において、吹き判定手段102によりエンジン回転速度NE の所定以上の吹きFが発生したと判定されると、開閉制御弁すなわち吸気弁74および排気弁75の少なくとも一方を制御するように弁駆動装置81に指令を出し、エンジン10自身の回転抵抗を発生させることによりエンジン回転速度NE を積極的に低下させて上記吹きFを減少させるとともに、図10のt2 時点乃至t3 時点の区間であるアップ変速のイナーシャ相において発生するエンジン10からのイナーシャ分を吸収する。たとえば、エンジン10のピストンの下死点で上記吸気弁74および排気弁75を閉じ、ピストンの上死点で上記吸気弁74および排気弁75を開くことによりクランク軸79に加えられる回転抵抗が発生させられるとともにそれが制御される。上記変速中のイナーシャ区間におけるエンジン回転速度NE の低下の目標回転速度(変化率)が、たとえば例えばアップシフト時にはイナーシャ相領域で所定の低下率や所定の低下パターンなどで低下するように定められ、エンジン回転速度NE がその目標回転速度に沿って低下するように制御される。また、上記回転速度低下制御手段108は、開閉制御弁使用可判定手段100により開閉制御弁すなわち吸気弁74および排気弁75の使用が不可であると判定される場合は、上記クラッチツウクラッチアップ変速のイナーシャ相などにおいて、エンジン10の点火時期を遅角させるように点火時期制御装置92を制御し、或いはエンジン10に供給される燃料を減少させるように燃料噴射量制御装置94を制御することにより、エンジン回転速度NE を積極的に低下させる。
【0033】
油圧学習制御手段110は、吹き判定手段102によりエンジン回転速度NE の所定以上の吹きFが発生したと判定されると、その吹きFの大きさが過大とならないように、上記エンジン回転速度低下操作量に応じて、次回のクラッチツウクラッチアップ変速時のブレーキB3の係合圧PB3とブレーキB2の係合圧PB2を補正する。たとえば図11の(a) および(b) に示す予め記憶された関係(データマップ)から、上記エンジン回転速度低下操作量に対応する電磁駆動弁変更量▲1▼、▲2▼、▲3▼、▲4▼、▲5▼のいずれかとスロットル開度▲1▼、▲2▼、▲3▼、▲4▼、▲5▼、▲6▼のいずれかとに基づいて、ブレーキB3の係合圧PB3に対する油圧補正量(油圧学習)PB311乃至PB356のいずれかと、ブレーキB2の係合圧PB2に対する油圧補正量PB211乃至PB256のいずれかとをそれぞれ決定し、決定された油圧補正量すなわち学習補正値を前回のブレーキB3の係合圧PB3およびブレーキB2の係合圧PB2に加えたり(吹きFが目標値より大きいとき)或いは差し引いたり(吹きFが目標値より小さくタイアップ傾向のとき)することにより、次回のクラッチツウクラッチアップ変速時のブレーキB3の係合圧PB3とブレーキB2の係合圧PB2を全体的に補正する。また、油圧学習制御手段110は、吹きFの大きさが所定値以下となると、自動変速機16のタイアップが発生しないように、図11とは異なる予め記憶された関係から遅角或いは燃料低減量とスロットル開度θTHとに基づいて学習補正値を決定し、次回のクラッチツウクラッチアップ変速時のブレーキB3の係合圧PB3とブレーキB2の係合圧PB2を補正する。上記油圧学習制御手段110は、エンジン回転速度の低下操作量に対応する電磁駆動弁変更量▲1▼、▲2▼、▲3▼、▲4▼、▲5▼に応じて次回のアップ変速時に作動させられる摩擦係合装置の油圧を上記学習油圧により変更するものであるので、油圧変更手段としても機能している。
【0034】
上記電磁駆動弁変更量▲1▼、▲2▼、▲3▼、▲4▼、▲5▼は、回転抵抗を大きくしてエンジン回転速度NE を積極的に低下させる低下量を多くするエンジン回転速度低下操作量を示し、スロットル開度▲1▼、▲2▼、▲3▼、▲4▼、▲5▼、▲6▼も、順次大きくなるスロットル開度θTHを示しており、図11の(a) および(b) に示す関係は、エンジン回転速度低下操作量が大きくなるほど、またスロットル開度θTH大きくなるほど、油圧補正量すなわち学習油圧が大きくなるように、換言すれば、吹きFが小さくなるように、予め実験的に求められたものである。
【0035】
図12は、電子制御装置90の制御作動の要部すなわちクラッチツウクラッチアップ変速たとえば2→3アップ変速が行われていると判定されている場合において発生する吹きFの大きさを制御する制御作動を説明するフローチャートである。図12において、前記アップ変速判定手段104に対応するステップ(以下、ステップを省略する)S1では、クラッチツウクラッチ変速たとえば2→3アップ変速が発生したか否かが判断される。このS1の判断が否定される場合は本ルーチンが終了させられるが、肯定される場合は、前記吹き判定手段102に対応するS2において、所定以上の大きさの吹きFが発生したか否かが判断される。このS2の判断が否定される場合は本ルーチンが終了させられるが、肯定される場合は、前記開閉制御弁使用可判定手段100に対応するS3において、電磁駆動弁として機能する吸気弁74および排気弁75の使用が可能な状態であるか否かが判断される。このS3の判断が肯定される場合は、前記回転速度低下制御手段108に対応するS4において、開閉制御弁すなわち吸気弁74および排気弁75の少なくとも一方を制御するように弁駆動装置81に指令が出されて、エンジン10自身の回転抵抗が発生させられてエンジン回転速度NE が積極的に低下させられ、所定以上の大きさの吹きFが減少させられるとともに、図10のt2 時点乃至t3 時点の区間であるアップ変速のイナーシャ相において発生するエンジン10からのイナーシャ分が吸収される。次いで、前記油圧学習制御手段(油圧変更手段)110に対応するS5において、吹きFの大きさが過大とならないように、上記開閉制御弁によるエンジン回転速度低下操作量に応じて、ブレーキB3の係合とブレーキB2の係合とがオーバラップ側となるように次回のクラッチツウクラッチアップ変速時のブレーキB3の係合圧PB3とブレーキB2の係合圧PB2が補正される。たとえば図11の(a) および(b) に示す予め記憶された関係(データマップ)から、上記エンジン回転速度低下操作量に対応する電磁駆動弁変更量▲1▼、▲2▼、▲3▼、▲4▼、▲5▼のいずれかとスロットル開度▲1▼、▲2▼、▲3▼、▲4▼、▲5▼、▲6▼のいずれかとに基づいて、ブレーキB3の係合圧PB3に対する油圧補正量(油圧学習)PB311乃至PB356のいずれかと、ブレーキB2の係合圧PB2に対する油圧補正量PB211乃至PB256のいずれかとがそれぞれ決定され、決定された油圧補正量すなわち学習補正値が前回のブレーキB3の係合圧PB3とブレーキB2の係合圧PB2にそれぞれ加えたり(吹きFが目標値より大きいとき)或いは差し引いたり(吹きFが目標値より小さくタイアップ傾向のとき)することにより、次回のクラッチツウクラッチアップ変速時のブレーキB3の係合圧PB3とブレーキB2の係合圧PB2が全体的に補正される。
【0036】
上記S3の判断が否定される場合は、開閉制御弁すなわち電磁駆動弁として機能する吸気弁74および排気弁75が使用不能の状態であるので、前記回転速度低下制御手段108に対応するS6において、従来と同様に、エンジン回転速度NE を積極的に低下させるための点火時期の遅角或いは燃料噴射量の低減などによるトルクダウン制御などが実行される。次いで、前記油圧学習制御手段110に対応するS7において、図11とは異なる予め記憶された関係から、遅角或いは燃料低減量とスロットル開度θTHとに基づいて学習補正値が決定され、吹きFが大きい場合には、それを小さくするためにオーバラップ側となるように次回のクラッチツウクラッチアップ変速時のブレーキB3の係合圧PB3とブレーキB2の係合圧PB2が全体的に補正される。
【0037】
上述のように、本実施例によれば、クラッチツウクラッチ変速期間内においてエンジン回転速度NE の所定以上の吹きFが発生すると、回転速度低下制御手段108(S4)によってすなわち電磁駆動弁として機能する吸気弁74および排気弁75が制御されることによりエンジン自身の回転抵抗でその回転速度NE が低下させられるので、優れた制御応答性が得られるとともに十分な制御幅が得られ、クラッチツウクラッチ変速時のエンジン回転速度の制御性が高められる。
【0038】
また、本実施例によれば、たとえば図11に示す予め記憶された関係から、前記クラッチツウクラッチ変速中におけるエンジン回転速度の低下量すなわちエンジン回転速度低下操作量たとえば電磁駆動弁変更量▲1▼、▲2▼、▲3▼、▲4▼、▲5▼のいずれであるかに基づいて、吹きFの量が小さくなるように次回のクラッチツウクラッチ変速を実行するための油圧式摩擦係合装置の係合圧たとえばブレーキB3の係合圧PB3とブレーキB2の係合圧PB2を学習補正すなわち変更する油圧学習制御手段(油圧変更手段)110が設けられることから、次回のクラッチツウクラッチ変速における吹きFの量が好適に小さくされる。
【0039】
また、本実施例において、油圧学習制御手段110は、たとえば図11に示す予め記憶されたデータマップから実際のエンジン回転速度低下操作量たとえば電磁駆動弁変更量▲1▼、▲2▼、▲3▼、▲4▼、▲5▼のいずれであるかに基づいて、そのエンジン回転速度低下操作量に対応する学習補正値領域を区別(変更)し、その学習補正値領域内の学習補正値を用いて次回のクラッチツウクラッチ変速を実行する油圧式摩擦係合装置の係合圧たとえばブレーキB3の係合圧PB3とブレーキB2の係合圧PB2を学習補正するものであるので、実験的に求めた複雑な函数を用いて学習補正値を決定する場合に比較して記憶容量が軽減され得る。
【0040】
また、本実施例によれば、油圧学習制御手段110は、クラッチツウクラッチ変速中における開閉制御弁すなわち電磁駆動弁によるエンジン回転速度低下操作量の有無に基づいて、次回のクラッチツウクラッチ変速を実行する学習制御の内容を変更するものである。すなわち、電磁駆動弁によるエンジン回転速度低下操作量が有る場合には図11の関係が用いられ、無い場合には図示しない関係が用いられることにより、クラッチツウクラッチ変速を実行する油圧式摩擦係合装置の係合圧たとえばブレーキB3の係合圧PB3とブレーキB2の係合圧PB2を学習補正する内容が、エンジン回転速度低下が電磁駆動弁の制御を利用したエンジン自身の回転抵抗の制御により実行されるか或いはエンジン10の点火時期の遅角あるいは燃料噴射量の抑制により実行されたかに応じて、学習補正が変更されるので、その次回のクラッチツウクラッチ変速における吹き量が好適に小さくされる。
【0041】
図13は、前記油圧学習制御手段110において用いられる予め記憶された関係の他の例を示す図であり、図13(a) および(b) は図11の(a) および(b) に対応している。図13(a) および(b) に示される関係は、連続的な線型の函数であり、図11の(a) および(b) と同様に、回転速度低下量(自らの低下量)すなわちエンジン回転速度低下操作量が大きくなるほど、解放側係合圧たとえばブレーキB3の係合圧PB3の油圧補正量および係合側油圧たとえばブレーキB2の係合圧PB2の油圧補正量すなわち学習油圧が大きくなるように、換言すれば、吹きFが小さくなるように、予め実験的に求められたものである。
【0042】
図14は、前記開閉制御弁の他の実施例であるモータ駆動式開閉弁であって、エンジン10に設けられた吸気弁および排気弁のうち、吸気弁を代表して示している。図14において、エンジン10の吸気管路120には、その吸気管路120内の空気流通方向に直交する方向の回動軸122がその軸心まわりに回動可能に設けられており、その回動軸122には円板状の吸気弁124が固定されている。上記エンジン10の吸気管路120に固定された電動モータ126の出力軸128に固定されたピニオン130と上記回動軸122の軸端に固定された歯車132とが噛み合わされることにより、吸気弁124が電気的アクチュエータである電動モータ126によって開閉駆動されるようになっている。
【0043】
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、これ等はあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいてその他の種々の変更,改良を加えた態様で実施することができる。
【0044】
例えば、前述の実施例において、前記開閉制御弁として機能する吸気弁74および排気弁75は、それ毎に設けられた電磁アクチュエータ76、77により弁体を独立に直線往復移動させられてそのリフト量、開閉タイミング、解放期間或いは閉成期間が制御されていたが、吸気弁或いは排気弁毎に設けられたカムシャフトを電動モータにより回転駆動して弁を開閉するなど、個々の開閉弁毎にそれぞれ独立に開閉制御できるように構成されたり、複数の気筒の開閉弁に跨がって配設されたカムシャフトを電動モータにより回転駆動して所定のタイミングで連続的に開閉させるものでも良いなど、種々の態様を採用できる。電磁アクチュエータにより弁体を直線往復移動させて開閉する電磁駆動弁の場合、電磁アクチュエータに供給する励磁電流を制御することによって開閉制御される。
【0045】
また、前述の実施例において、前記開閉制御弁として機能する吸気弁74および排気弁75によるエンジン回転速度制御は、例えば吸気弁74および排気弁75の何れか一方を閉じたまま他方を通常の制御に従って開閉することにより、ピストンの圧縮仕事で回転エネルギーを消費させて回転速度を低下させるように構成され、エンジン10などの回転部分の回転速度が低下制御される。具体的には、吸気弁74を閉じたままにしておき、排気弁75を下死点で閉じるとともに上死点で開くことにより、エンジン自身が自らエンジンブレーキをかけることができる。また、例えば吸排気のタイミングや吸排気弁のリフト量(移動量)、作動角(開閉速度)などを制御することによって、エンジン回転速度を自ら変更することが可能である。なお、電動開閉弁の開閉制御の他に、点火時期の遅角制御やスロットル制御などによるエンジントルク制御を併用してエンジン回転速度制御を行うこともできる。
【0046】
また、前述の実施例のエンジン10は、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどの内燃機関が用いられ、少なくともエンジンを走行用駆動力源として備えておれば良く、エンジンおよび電動モータ或いはモータジェネレータを走行用駆動力源として備えているハイブリッド車両などにも適用され得る。
【0047】
また、前述の実施例では、油圧式クラッチや油圧式ブレーキ等の摩擦係合装置によって複数の変速段が切り換えられる遊星歯車式の自動変速機16が好適に用いられていたが、変速段毎に歯車対が設けられた2軸噛合式の変速機を用いたり、ベルト式等の無段変速機を用いることも可能である。自動変速機は、予め定められた変速条件(車速およびスロットル弁開度をパラメータとする変速マップなど)に従って自動的に変速するもので、運転者のシフトレバー操作やスイッチ操作に従って変速するものでも良い。
【0048】
なお、上述したのはあくまでも本発明の一実施例であり、本発明はその主旨を逸脱しない範囲において当業者の知識に基づいて種々の変更,改良を加えた態様で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されたハイブリッド車両の動力伝達装置を説明する骨子図である。
【図2】図1の自動変速機における、複数の油圧式摩擦係合装置の作動の組合わせとそれにより成立する変速段との関係を示す図である。
【図3】図1のハイブリッド車両の動力伝達装置の概略構成図である。
【図4】図1のエンジンの各気筒に設けられた可変動弁機構を説明する図である。
【図5】図4の可変動弁機構に設けられて吸気弁或いは排気弁を所望のタイミングで開閉作動させる電磁アクチュエータの構成を説明する図である。
【図6】図1の動力伝達装置が備えている電子制御装置の入出力系統の要部を説明するブロック線図である。
【図7】図1の動力伝達装置におけるエンジンのスロットル弁開度とアクセル操作量との関係を示す図である。
【図8】図1の動力伝達装置における自動変速機の変速制御に用いられる変速線図を説明する図である。
【図9】図6の電子制御装置による制御機能の要部すなわちクラッチツウクラッチ変速における吹き抑制制御機能を説明する機能ブロック線図である。
【図10】図6の電子制御装置によるクラッチツウクラッチ変速における吹き抑制制御の作動を説明するタイムチャートである。
【図11】図9の油圧学習制御手段が用いる予め記憶されたデータマップを示す図であって、(a) は解放側油圧式摩擦係合装置の係合圧を学習補正する学習補正値を決定するために用いられる関係を示し、(b) は係合側油圧式摩擦係合装置の係合圧を学習補正する学習補正値を決定するために用いられる関係を示している。
【図12】図6の電子制御装置によるクラッチツウクラッチ変速における吹き抑制制御の作動を説明するフローチャートである。
【図13】本発明の他の実施例における油圧学習制御手段が用いる予め記憶された関係を示す図であって、(a) および(b) は図11の(a) および(b) に対応する図である。
【図14】本発明の他の実施例において、吸気弁および排気弁として機能する開閉制御弁であるモータ駆動式開閉弁の構成を、一部を切り欠いて示す説明する図である。
【符号の説明】
10:エンジン
16:自動変速機(変速機)
74:吸気弁(電動開閉弁、開閉制御弁)
75:排気弁(電動開閉弁、開閉制御弁)
90:電子制御装置(車両用制御装置)
108:回転速度低下制御手段
110:油圧学習制御手段(油圧変更手段)
Claims (3)
- 吸気弁および排気弁の少なくとも一方が電気的アクチュエータにより開閉制御される開閉制御弁から構成され、該開閉制御弁により自身の回転速度が制御可能なエンジンと、該エンジンと駆動輪との間に配設されてクラッチツウクラッチ変速動作によりギヤ段が切り換えられる変速機とを有する車両用制御装置であって、
前記クラッチツウクラッチ変速時において、エンジン回転速度の所定以上の吹きが発生すると、前記開閉制御弁を制御して前記吸気弁および排気弁の何れか一方を閉じたまま他方を通常制御に従って開閉させ、ピストンの圧縮仕事で回転エネルギーを消費させることにより、前記エンジン自身の回転抵抗で該エンジン回転速度を低下させる回転速度低下制御手段を、含むことを特徴とする車両用制御装置。 - 吸気弁および排気弁の少なくとも一方が電気的に開閉制御可能な開閉制御弁から構成され、該開閉制御弁により自身の回転速度が制御可能なエンジンと、該エンジンと駆動輪との間に配設された変速機とを有する車両において、変速時には前記開閉制御弁が制御されて前記吸気弁および排気弁の何れか一方が閉じられたまま他方が通常制御に従って開閉させられ、ピストンの圧縮仕事で回転エネルギーが消費されられることにより、前記エンジン自身の回転抵抗でエンジン回転速度が低下させられる形式の車両用制御装置であって、
前記エンジン回転速度の低下量に応じて前記変速時に作動させられる摩擦係合装置の油圧を油圧学習により変更する油圧学習制御手段を、含むことを特徴とする車両用制御装置。 - 吸気弁および排気弁の少なくとも一方が電気的に開閉制御可能な開閉制御弁から構成され、該開閉制御弁により自身の回転速度が制御可能なエンジンと、該エンジンと駆動輪との間に配設された変速機とを有する車両において、変速時には前記開閉制御弁が制御されて前記吸気弁および排気弁の何れか一方が閉じられたまま他方が通常制御に従って開閉させられ、ピストンの圧縮仕事で回転エネルギーが消費させられることにより、前記エンジン自身の回転抵抗でエンジン回転速度が低下させられる形式の車両用制御装置であって、
前記エンジン回転速度の低下量に応じて次回の変速時に作動させられる摩擦係合装置の油圧を変更する油圧変更手段を、含むことを特徴とする車両用制御装置。
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