JP2004028056A - 車両用発進制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】フリクションスタート中か否かを判断(S10)し、つぎにエンジンが自らエンジン回転数を変更できるか否かを判断する(S12)。例えば電動開閉弁等が電気的に制御可能で制御能力を有しているかを判断する。エンジンが自らエンジン回転数を変更できると判断したときは電動開閉弁・係合力FF/FB制御工程(S14)において、フリクション係合下におけるエンジン回転数の変化を所定の回転数変化特性に合わせる回転数変化制御が行われる。電動開閉弁の制御能力が十分あるときは、電動開閉弁を制御するのみで、所定の回転数変化特性に合わせることができる。これに対し、電動開閉弁の制御能力が十分でない場合は、電動開閉弁の能力に応じて、クラッチ装置の係合力制御を併用することもできる。
【選択図】 図7
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用発進制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
エンジンの出力を駆動輪に伝達して発進するには、エンジンと駆動輪との間に設けられたクラッチを次第につないでゆくいわゆるフリクションスタートが用いられる。例えば、停止中の車両において、発進動作を行うと、ニュートラルポジションからドライブポジションに移り、回転中のエンジン出力がクラッチ装置のフリクションを介して駆動輪に伝えられ車両が発進する。このとき、エンジンの回転数は駆動輪からの負荷を受けて低下する。したがってクラッチを急いでつなぐとエンジンの回転数の変化が大きくなり、ショックが発生する。このため、クラッチの係合力を油圧制御によりコントロールし、クラッチを次第につないでゆくフリクション係合が行われる。
【0003】
このフリクション係合をあまり速く行うと上記のようにショックが発生するが、逆にゆっくり行いすぎると、クラッチの耐久性が悪くなる。したがって、クラッチの係合力の制御は、フリクション係合下におけるエンジン回転数の変化を最適にするように行われる。例えば、特開平9−25955号公報においては、クラッチの発進制御の際に、目標エンジン回転速度に実際のエンジン回転速度が一致するように、クラッチ係合力を発生する油圧機構についてフィードフォワード制御を行うことが開示される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、クラッチの係合力制御は、制御性や制御実施量、制御実施タイミング等に制約があり、車両の発進時のエンジン回転数を所期どおりに変化させることができず、発進時にショックを発生させ、あるいは逆にクラッチの摩耗を早める可能性があった。
【0005】
本発明の目的は、かかる従来技術の課題を解決し、フリクションスタート時のショックを低減する車両用発進制御装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
1.エンジン自身の回転数を制御できる構成要素
本発明に係る車両用発進制御装置は、エンジン要素の中に、電気的に制御でき、その構成要素の動作を制御することでエンジン自身の回転数を制御できる構成要素があることに着目したことに基づく。すなわち、エンジンの構成要素によってエンジン自身の回転数を制御するにあたっては、クラッチの係合力制御のような制御実施量、制御実施タイミング等の制約が少ない。したがって、このようなエンジン要素の制御能力を積極的に利用して、クラッチ係合力制御の難点をカバーしようとするところに本発明の特徴がある。
【0007】
そこで、このようなエンジン自身の回転数を制御できるエンジン要素の例として、電磁駆動弁につきその機構と動作を最初に説明する。
【0008】
図1に、エンジンの気筒に取付けられた電磁駆動弁74,75の様子を示す。電磁駆動弁74,75は、それぞれ電気的に開閉制御可能な電動吸気弁と電動排気弁に相当する。図に示すように、エンジンの各気筒には、電磁駆動弁74,75を開閉駆動する電磁アクチュエータ76,77が備えられ、電磁弁制御部81は、クランク軸79の回転角を検出するクランク軸回転角センサ80からの信号に従って電磁駆動弁74,75の作動タイミングを制御する機能を有する。
【0009】
図2に、電磁アクチュエータ76,77の断面図を示す。電磁アクチュエータ76,77は、電磁駆動弁74,75に連結されてその電磁駆動弁74,75の軸心方向に移動可能に支持された磁性体製の円盤状の可動部材82と、その可動部材82を択一的に吸着するためにそれを挟む位置に設けられた一対の電磁石84,85と、可動部材82をその中立位置に向かって付勢する一対のスプリング86,87とを備えている。
【0010】
電磁弁制御部81は、エンジン負荷に応じて作動タイミングを最適時期に変更するだけでなく、運転サイクル切替指令に従ってエンジンを4サイクル運転させるための時期および2サイクル運転させるための時期となるように制御する。また、電磁駆動弁74,75の作動タイミングを変更したり、作動気筒数を変更したりすることにより、エンジン自身でエンジン回転数を制御することが可能である。例えば、吸気弁を閉じたまま排気弁を通常の制御に従って開閉することにより、ピストンの圧縮仕事で回転エネルギを消費させてエンジン回転速度を強制的に速やかに低下させることができるとともに、吸気弁の開度を制御してエンジン回転数の変化率を調整することができる。
【0011】
具体的には、吸気弁を閉じたままにしておき、排気弁を下死点で閉じるとともに上死点で開くことにより、エンジン自身が自らブレーキをかけることができる。また、例えば吸排気のタイミングや吸排気弁のリフト量(移動量)、作動角(開閉速度)等を制御することによって、エンジン回転数を自ら変更することができる。
【0012】
なお、電動開閉弁の開閉制御の他に、点火時期の遅角制御やスロットル制御等によるエンジントルク制御を併用してエンジン回転数制御を行うこともできる。
【0013】
2.課題解決手段
本発明に係る車両用発進制御装置は、エンジンの出力を、クラッチ装置における摩擦係合を介し駆動輪に伝達し、車両を発進させる車両の発進制御装置において、エンジン要素を電気的に制御し、前記エンジンのエンジン回転数の変化を所定の回転数変化特性に自ら合わせる回転数変化制御を行う発進時回転数変化制御手段を備えることを特徴とする。
【0014】
この構成により、電気的制御可能なエンジン要素によりエンジンが自らエンジン回転数を制御できるので、クラッチの係合力制御のような制御実施量、制御実施タイミング等の制約を受けることが少なく、エンジン回転数の変化を所定の回転数変化特性に追随させる制御をおこなうことができ、発進時のショックを低減できる。
【0015】
また、本発明に係る車両用発進制御装置は、エンジンの出力を、クラッチ装置における摩擦係合を介し駆動輪に伝達し、車両を発進させる車両の発進制御装置において、前記エンジンの回転数を変化させることができるエンジン要素の電気的制御と、前記クラッチ装置の係合圧制御により、前記摩擦係合下における前記エンジンの回転数の変化を所定の回転数変化特性に合わせる回転数変化制御を行う発進時回転数変化制御手段を備えることを特徴とする。
【0016】
この構成により、電気的制御可能なエンジン要素によりエンジンが自らエンジン回転数を制御できるので、クラッチの係合力制御の難点である制御性、制御実施量、制御実施タイミング等の制約を和らげて、エンジン回転数の変化を所定の回転数変化特性に追随させる制御をおこなうことができ、発進時のショックを低減できる。
【0017】
また、前記発進時回転数制御手段は、前記エンジン要素の制御能力が所定の回転数変化特性に合わせる回転数変化制御に不十分な場合に、前記クラッチ装置の係合圧制御を行うことが好ましい。
【0018】
例えば、車両のバッテリの充電電流量低下等で、電気的制御可能なエンジン要素が十分な制御能力を発揮できないときでも、クラッチ装置の係合圧制御により、エンジン回転数の変化を所定の回転数変化特性に追随させる制御をおこなうことができ、発進時のショックを低減できる。
【0019】
また、本発明に係る車両用発進制御装置において、前記所定の回転数変化特性は変更可能であることが好ましい。この構成により、発進時の車両の状態、例えばシフト位置等に応じて回転数変化特性を変更し、車両の状態に合わせて発進時のショックを低減できる。
【0020】
また、前記エンジン要素は、電気的に開閉制御可能な電動開閉吸気弁または電動開閉排気弁の電動開閉弁であることが好ましい。電動開閉弁の他、例えば電子スロットル弁等の電気的に制御可能なエンジン要素を、電動開閉弁とともに、あるいは単独で用いてもよい。
【0021】
また、本発明に係る車両用発進制御装置において、前記回転数変化制御は、前記エンジンの実エンジン回転数と、前記所定の回転数変化特性で示される目標エンジン回転数との間の偏差についてのフィードバック制御であることが好ましい。また、前記フィードバック制御は、前記電動開閉弁の制御能力に応じて制御方法または制御量を変更することが好ましい。また、前記フィードバック制御は、前記電動開閉弁の制御能力に応じて前記エンジンのトルクダウン制御を行うことが好ましい。
【0022】
この構成により、例えば、エンジンが自ら制御できるエンジン回転数の変化量等の制御能力に応じ、トルクダウン量を変更することができ、エンジン回転数が一時的に急上昇する吹き上がり現象を防止し、またクラッチのスリップ量を低減してスリップ制御性を向上させることができる。
【0023】
また、本発明に係る車両用発進制御装置において、前記回転数変化制御は、前記エンジンのエンジン回転数について、前記所定の回転数変化特性で示される目標エンジン回転数を指示回転数とするフィードフォワード制御であることが好ましい。また、前記フィードフォワード制御は、前記電動開閉弁の制御能力に応じて制御方法または制御量を変更することが好ましい。また、前記フィードフォワード制御は、前記電動開閉弁の制御能力に応じて前記エンジンのトルクダウン制御を行うことが好ましい。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下に図面を用いて本発明に係る実施の形態につき詳細に説明する。図3は、本発明が適用されたハイブリッド車両の動力伝達装置8の構成を説明する骨子図である。図1において、内燃機関にて構成されている走行用駆動源としてのエンジン10の出力は、入力クラッチ12、流体式動力伝達装置としてのトルクコンバータ14を経て自動変速機16に入力され、図示されていない差動歯車装置および車軸を介して駆動輪へ伝達されるようになっている。入力クラッチ12とトルクコンバータ14との間には、回転機として電動モータおよび発電機として機能する第1モータジェネレータMG1が配設されている。
【0025】
トルクコンバータ14にはロックアップクラッチ26が設けられ、ロックアップクラッチ26が解放しているときは、入力クラッチ12に連結したポンプ翼車20と自動変速機16の入力軸22に連結されたタービン翼車24との間で流体を介してトルク増幅を行わせ、ロックアップクラッチ26が係合すると、入力クラッチ12の出力と自動変速機16の入力軸22とが直結される。
【0026】
自動変速機16は、ハイおよびローの2段の切り換えを行う第1変速部32と、後進変速段および前進4段の切り換えが可能な第2変速部34とを備えている。
【0027】
第1変速部32にはクラッチC0とHL遊星歯車装置36とが設けられ、クラッチC0は、自動変速機16への入力軸22とHL遊星歯車装置36のサンギヤS0の間に設けられる。HL遊星歯車装置36は、サンギヤS0、リングギヤR0、およびキャリアK0に回転可能に支持されてそれらサンギヤS0およびリングギヤR0に噛み合わされている遊星ギヤP0からなる。サンギヤS0とキャリアK0との間に一方向クラッチF0が、サンギヤS0とハウジング38との間にブレーキB0が設けられる。リングギヤR0は、第2変速部34への出力となる。
【0028】
第2変速部34は、クラッチC1,C2と、第1遊星歯車装置40、第2遊星歯車装置42、第3遊星歯車装置44が設けられる。クラッチC1は、第1変速部32の出力であるリングギヤR0と中間軸48との間に設けられ、クラッチC2は、第1変速部32の出力であるリングギヤR0と、第1遊星歯車装置40のサンギヤS1および第2遊星歯車装置42のサンギヤS2との間に設けられる。第1遊星歯車装置40は、サンギヤS1、リングギヤR1、およびキャリアK1に回転可能に支持されてそれらサンギヤS1およびリングギヤR1に噛み合わされている遊星ギヤP1からなり、第2遊星歯車装置42は、サンギヤS2、リングギヤR2、およびキャリアK2に回転可能に支持されてそれらサンギヤS2およびリングギヤR2に噛み合わされている遊星ギヤP2からなり、第3遊星歯車装置44は、サンギヤS3、リングギヤR3、およびキャリアK3に回転可能に支持されてそれらサンギヤS3およびリングギヤR3に噛み合わされている遊星ギヤP3からなる。
【0029】
そして、サンギヤS1とサンギヤS2は互いに一体的に連結され、リングギヤR1とキャリアK2とキャリアK3とが一体的に連結され、そのキャリアK3は出力軸46に連結されている。また、リングギヤR2がサンギヤS3および中間軸48に一体的に連結されている。また、サンギヤS1およびサンギヤS2の回転を止めるためのバンド形式のブレーキB1がハウジング38に設けられている。また、サンギヤS1およびサンギヤS2とハウジング38との間には、一方向クラッチF1およびブレーキB2が直列に設けられている。この一方向クラッチF1は、サンギヤS1およびサンギヤS2が入力軸22と反対方向へ逆転しようとする際に係合させられるように構成されている。
【0030】
キャリアK1とハウジング38との間にはブレーキB3が設けられており、リングギヤR3とハウジング38との間には、ブレーキB4と一方向クラッチF2とが並列に設けられている。この一方向クラッチF2は、リングギヤR3が逆回転しようとする際に係合させられるように構成されている。
【0031】
以上のように構成された自動変速機16では、油圧式の摩擦係合装置であるクラッチC0〜C2、およびブレーキB0〜B4を油圧アクチュエータによって係合を制御し、変速段を切り換える。例えば図4に示す作動表では、後進1段および変速比(入力軸22の回転数Nin/出力軸46の回転数Nout)が順次異なる前進5段(1st〜5th)の変速段のいずれかに切り換えられる。図において「○」は係合で、空欄は解放を表し、「◎」はエンジンブレーキや第1モータジェネレータMG1の回生制動による駆動源ブレーキ時の係合を表し、「△」は動力伝達に関与しない係合を表している。
【0032】
図4の例では「N」ポジションではクラッチC0が係合し、このクラッチC0の係合を解放して、クラッチC2を係合させることで「R」ポジションに移り、クラッチC1を係合すれば「1st」ギヤ段に移ることができる。
【0033】
図5は、ハイブリッド車両の駆動システムの構成図である。図に示すように、エンジン10の吸気管50および排気管52には、排気タービン式過給機54が設けられており、排気管52には、ウェイストゲート56を有するバイパス通路58が並列に設けられて、そのバイパス通路58を流通する排気ガスの流量を調整することによりタービン回転を変化させて吸気管50内の過給圧を調整できるようになっている。吸気管50には、スロットルアクチュエータ60によって開閉制御される電子スロットル弁62が設けられている。電子スロットル弁62は、基本的には運転者の出力要求量を表すアクセル操作量に対応するアクセル開度となるように制御される。
【0034】
第1モータジェネレータMG1は、エンジン10と自動変速機16との間に配置され、入力クラッチ12はエンジン10と第1モータジェネレータMG1との間に配置されている。また、エンジン10には第2モータジェネレータMG2が作動的に連結されている。そして、第1モータジェネレータMG1および第2モータジェネレータMG2の電源として機能する燃料電池70および2次電池71と、それらから第1モータジェネレータMG1および第2モータジェネレータMG2へ供給される電流を制御したりあるいは充電のために2次電池71へ供給される電流を制御するための電源切換スイッチ72,73とが設けられている。この電源切換スイッチ72,73は、スイッチ機能を有する装置を示すものであって、例えばインバータ機能等を有する半導体スイッチング素子などから構成され得るものである。
【0035】
また、エンジン10は、前述の図1で説明したように、各気筒に電動開閉吸気弁および電動開閉排気弁が備えられ、これらを電気的に制御することで、エンジン自身でエンジン回転数を制御することが可能である。
【0036】
自動変速機16の各油圧式摩擦係合装置およびロックアップクラッチ26は、電動油圧ポンプ64から発生する油圧を元圧とする油圧制御回路66によって、それぞれの摩擦係合の係合力が制御されるようになっている。
【0037】
電動開閉弁および電動油圧ポンプ等には、燃料電池70および2次電池71から電力が供給される。
【0038】
実施の形態における車両用発進制御装置の機能は、車両の駆動系全体をコントロールする電子制御装置(ECU)によって行われる。図6は、車両用駆動システム全体の制御を行う電子制御装置90の入出力関係を示す図である。電子制御装置90には、エンジン回転数NE、アクセル開度、スロットル開度、過給圧等のエンジン駆動状態信号や、変速段の状態を示すシフトポジション信号、電池の充電量を示す2次電池SOC信号、車速信号等が入力される。
【0039】
これらの信号から、エンジン回転数の変化および電動開閉弁の制御能力等を判断し、電子制御装置90から、電動開閉吸気弁および電動開閉排気弁の作動を制御する電磁駆動弁信号、クラッチの係合力に関する油圧アクチュエータを制御するATシフトソレノイド信号、C1/C2コントロールソレノイド信号等が出力される。このように電子制御装置90によって、クラッチを介してエンジン出力を駆動輪に伝える制御が行われる。
【0040】
図7は、発進制御の流れを説明するフローチャートである。S10は、フリクションスタート中か否かの判断工程である。電子制御装置90は、入力される車速信号、シフトポジション信号、エンジン回転数信号等から、例えば車両が停止しエンジンが回転中で発進指示が出されていることを確認できる。そして、ATシフトソレノイド信号等によりクラッチ装置の係合を開始させることで、フリクションスタート中にあると判断される。
【0041】
S12は、エンジンが自らエンジン回転数を変更できるか否かを判断する工程である。例えば電動開閉弁等に十分な電力の供給が可能かを2次電池SOC信号等から判断する。エンジンが自らエンジン回転数を変更できると判断したときはS14に進み、変更できないと判断したときはS20に進む。
【0042】
S14は、電動開閉弁・係合力FF/FB制御工程である。この工程では、フリクション係合下におけるエンジン回転数の変化を所定の回転数変化特性に合わせる回転数変化制御が行われる。電動開閉弁の制御能力が十分あるときは、電動開閉弁を制御するのみで、所定の回転数変化特性に合わせることができる。これに対し、発進制御を行う前のエンジン回転数等によっては電動開閉弁の制御能力が十分でないこともあり、また例えば供給電力の制限により電動開閉弁の制御能力が十分発揮できないこともある。この場合は、電動開閉弁の能力に応じて、クラッチ装置の係合力制御を併用することもできる。回転数変化制御は、所定の回転数変化特性を指示するフィードフォワード制御(FF制御)を用いることもでき、所定の回転数変化特性で示される目標エンジン回転数と実エンジン回転数との偏差についてのフィードバック制御(FB制御)を行ってもよい。
【0043】
図8は、フリクション係合下における回転数変化制御の様子を説明する図であり、最上段には駆動輪側に供給されるアウトプットトルクの時間変化、中段にエンジン回転数NEの時間変化、最下段にクラッチ装置に供給される油圧の時間変化を、それぞれ共通の時間軸で示した。
【0044】
クラッチ装置にフリクションを介してエンジンのトルクを伝達できる係合力に対応する油圧が供給された時刻をt1とすると、この時点から回転数変化制御が開始し、エンジン回転数NEが所定の回転数変化特性に従って低下する。そして時刻t2以降は、アウトプットトルクが次第に増加し、エンジン回転数NEも次第に上昇してくる。このようにして車両が発進を始める。
【0045】
この図のように、所定の回転数変化特性は、エンジン回転数低下の時間変化、すなわちエンジン回転数低下の傾きで表すことができる。図においてはbで示す傾きを所定の回転数変化特性としたが、発進の種類、例えばシフトポジションが「N」か「D」か「R」か、あるいはギヤ段の違いに応じてbと異なる傾きa,c等を設定することができる。また、制御期間にわたり一定の傾きでなく、時間の関数で変化する回転数変化特性とすることもできる。
【0046】
フィードフォワード制御またはフィードフォワード制御の制御方式、制御量等は、所定の回転数変化特性が得られるように、電動開閉弁の制御能力に応じて、係合力制御との分配を変更して行ってもよい。
【0047】
再び図7に戻り、S16は必要な場合にトルクダウン制御を用いる工程である。トルクダウン制御は、エンジン回転数が一時的に急上昇する吹き上がり現象を防止し、またクラッチのスリップ量を低減してスリップ制御性を向上させるために用いるものである。具体的には、点火遅角の制御や電子スロットル弁による吸気制御により行うことができる。エンジンは自らエンジン回転数を変化できるので、通常はトルクダウン制御を用いる必要はあまりない。トルクダウン制御が必要な場合、自ら変化できる回転数変化量あるいはスピードに応じてトルクダウン量を変更することができる。例えば変化できる回転数変化量が大きいときはトルクダウン量を減らすことができる。この変化できる回転数変化量は、車両の状態、エンジンの状態により異なる。例えばアクセルが踏み込まれてもすぐにはトルクを出さず、スリップ制御ができる範囲にエンジン回転数を抑えたいときに、トルクダウン制御を用いることができる。
【0048】
S18は、学習を実施する工程である。S14における制御方式、制御量の選択およびS16におけるトルクダウン量の選択等につき、実際の回転数変化結果と合わせて学習を実施する。例えば電動開閉弁の制御電流、制御油圧等を、エンジン回転数、アウトプットトルク等と合わせて記憶し、次回の回転数変化制御のときにこれらの値を参照、その結果を再び記憶することで学習を行う。
【0049】
S20は、エンジンが自らエンジン回転数を変更できないときに、係合力FF/FB制御を行う工程である。例えば、電動開閉弁に電源が供給されない等で吸気弁あるいは排気弁が電気的に制御できないときなどである。このときは、油圧制御により、エンジン回転数の低下を所定の回転数変化特性に合わせるように、クラッチ装置の係合力を制御する。回転数変化特性の設定、フィードフォワード制御、フィードバック制御等については、S14で述べた考えを係合力制御のみの場合に置き換えて適用できる。
【0050】
S20は、トルクダウン制御を用いる工程である。エンジンは自らエンジン回転数を変更できないので、エンジン回転数NEが高いときはそれに応じてトルクダウン制御を用いる。発進の種類、例えばシフトポジションが「N」か「D」か「R」か、あるいはギヤ段の違いに応じてトルクダウン制御を用いることもできる。
【0051】
S22は、学習実施の工程である。学習の内容については、S18で述べた考えを係合力制御のみの場合に置き換えて適用できる。
【0052】
【発明の効果】
本発明に係る車両用発進制御装置によれば、フリクションスタート時のショックを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】エンジンの気筒に取付けられた電磁駆動弁の様子を示す図である。
【図2】電磁アクチュエータの断面図である。
【図3】本発明が適用されるハイブリッド車両の動力伝達装置の構成を説明する骨子図である。
【図4】動力伝達装置の作動表の例を示す図である
【図5】ハイブリッド車両の駆動システムの構成図である。
【図6】本発明に係る実施の形態における車両用発進制御装置の機能を有する電子制御装置の入出力関係を示す図である。
【図7】本発明に係る実施の形態の発進制御の流れを説明するフローチャートである。
【図8】本発明に係る実施の形態のフリクション係合下における回転数変化制御の様子を説明する図である。
【符号の説明】
10 エンジン、12 入力クラッチ、14 トルクコンバータ、16 自動変速機、26 ロックアップクラッチ、62 電子スロットル弁、64 電動油圧ポンプ、66 油圧制御回路(係合力制御)、70 燃料電池、71 2次電池、74,75 電磁駆動弁(電動開閉弁)、81 電磁弁制御部、90 電子制御装置(車両用発進制御装置)、C0,C1,C2 クラッチ。
Claims (11)
- エンジンの出力を、クラッチ装置における摩擦係合を介し駆動輪に伝達し、車両を発進させる車両の発進制御装置において、
エンジン要素を電気的に制御し、前記エンジンのエンジン回転数の変化を所定の回転数変化特性に自ら合わせる回転数変化制御を行う発進時回転数変化制御手段を備えることを特徴とする車両用発進制御装置。 - エンジンの出力を、クラッチ装置における摩擦係合を介し駆動輪に伝達し、車両を発進させる車両の発進制御装置において、
前記エンジンの回転数を変化させることができるエンジン要素の電気的制御と、前記クラッチ装置の係合圧制御により、前記摩擦係合下における前記エンジンの回転数の変化を所定の回転数変化特性に合わせる回転数変化制御を行う発進時回転数変化制御手段を備えることを特徴とする車両用発進制御装置。 - 請求項1または請求項2に記載の車両用発進制御装置において、
前記発進時回転数制御手段は、前記エンジン要素の制御能力が所定の回転数変化特性に合わせる回転数変化制御に不十分な場合に、前記クラッチ装置の係合圧制御を行うことを特徴とする車両用発進制御装置。 - 請求項1ないし請求項3のいずれか1つに記載の車両用発進制御装置において、前記所定の回転数変化特性は変更可能であることを特徴とする車両用発進制御装置。
- 請求項1ないし請求項4のいずれか1つに記載の車両用発進制御装置において、
前記エンジン要素は、電気的に開閉制御可能な電動開閉吸気弁または電動開閉排気弁の電動開閉弁であることを特徴とする車両用発進制御装置。 - 請求項1ないし請求項5のいずれか1つに記載の車両用発進制御装置において、
前記回転数変化制御は、前記エンジンの実エンジン回転数と、前記所定の回転数変化特性で示される目標エンジン回転数との間の偏差についてのフィードバック制御であることを特徴とする車両用発進制御装置。 - 請求項6に記載の車両用発進制御装置において、
前記フィードバック制御は、前記電動開閉弁の制御能力に応じて制御方法または制御量を変更することを特徴とする車両用発進制御装置。 - 請求項6または請求項7に記載の車両用発進制御装置において、
前記フィードバック制御は、前記電動開閉弁の制御能力に応じて前記エンジンのトルクダウン制御を行うことを特徴とする車両用発進制御装置。 - 請求項1ないし請求項5のいずれか1つに記載の車両用発進制御装置において、
前記回転数変化制御は、前記エンジンのエンジン回転数について、前記所定の回転数変化特性で示される目標エンジン回転数を指示回転数とするフィードフォワード制御であることを特徴とする車両用発進制御装置。 - 請求項9に記載の車両用発進制御装置において、
前記フィードフォワード制御は、前記電動開閉弁の制御能力に応じて制御方法または制御量を変更することを特徴とする車両用発進制御装置。 - 請求項9に記載の車両用発進制御装置において、
前記フィードフォワード制御は、前記電動開閉弁の制御能力に応じて前記エンジンのトルクダウン制御を行うことを特徴とする車両用発進制御装置。
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-
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JP2011088575A (ja) * | 2009-10-23 | 2011-05-06 | Aisin Seiki Co Ltd | 車両制御装置 |
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