JP4104410B2 - 熱可逆性発消色粉粒体 - Google Patents
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Description
本発明は、新規な熱可逆性発消色粉粒体に関する。さらに詳しくは、緩やかな色相変化を生じる熱可逆性発消色粉粒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、熱により色相が変化する熱可逆性発消色材料は、そのメモリー性から記録材料として用いられているほか、示温塗料等として用いられている。示温塗料は、一定の温度範囲でサーモクロミズムを示す熱可逆性発消色材料を着色剤として含む塗料であって、普通の温度計では測定し難いような発熱体の表面温度やその分布を知るため等に用いられている。
【0003】
これら熱可逆性発消色材料としては、有機系材料、無機系材料、液晶系材料が知られている。このうち、無機系熱可逆性発消色材料については、Hg等の有害元素を含んでいる場合が多く、人体へ直接害を与える可能性がある。
最近では、安全性が高く、さらに色種と変色温度が自由に選べることから電子供与性呈色性有機化合物、電子受容性化合物、有極性有機化合物からなる有機系熱可逆性発消色材料がよく用いられている。この有機系熱可逆性発消色材料は、通常、熱可逆発消色性の機能を保持するためにマイクロカプセル化した形態で使用されている(例えば特開平5−61132等)。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−61132号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許文献に示されるような材料は、温度変化に感応して色相変化を生じるものであるが、そのレスポンスが速く、微視的な温度変化にも応答してしまう。すなわち、このような熱可逆性発消色材料はそのレスポンスの速さから、0.5℃〜1℃程度の微視的な温度変化を色相の変化に変えてしまうものである。よって、その材料の変色温度付近で微視的な温度上昇と下降が繰り返されると、多数回の色相変化が伴うことになってしまう。
巨視的な温度変化のみに応答することが要求される場合には、このような変化は望ましいものではない。
【0006】
一方、上記のようなマイクロカプセルの変色は、通常、その内部に含まれる有極性有機化合物の固液変化によってもたらされるものである。
しかし、この固液変化はマイクロカプセルを膨張収縮させるものであり、固液変化が繰り返し行われるとカプセル壁に負荷がかかってしまう。最終的にはカプセル壁の劣化を招き、マイクロカプセルの寿命を短くするおそれもある。
【0007】
本発明は、このような点に鑑みなされたものであり、微視的な温度変化に対する応答を抑制することで材料の劣化が抑制され、長期間使用することができる熱可逆性発消色材料を得ることを目的とするものである。
本発明者は、鋭意検討の結果、熱可逆性発消色材料を特定の熱的特性を有する粉粒体の表面に固着させることにより、上記目的を達成することができることを見出し、本発明を完成させた。
【0008】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は以下の特徴を有するものである。
1.熱可逆性発消色材料及びバインダーを含有する着色剤(I)を、
熱伝導率が200W/m・K以下、熱容量が0.8J/g・K以上で、粒子径が100μm以上10mm以下である粉粒体(II)の表面に被覆してなり、
熱可逆性発消色材料を該粉粒体(II)の表面に固着させたことを特徴とする熱可逆性発消色粉粒体。
2.前記熱可逆性発消色材料が、電子供与性呈色性有機化合物、電子受容性化合物、及び有極性有機化合物を含有するマイクロカプセルであることを特徴とする1.記載の熱可逆性発消色粉粒体。
3.1.または2.記載の熱可逆性発消色粉粒体の製造方法であって、
熱可逆性発消色材料及びバインダーを含有する着色剤(I)と、熱伝導率が200W/m・K以下、熱容量が0.8J/g・K以上で、粒子径が100μm以上10mm以下である粉粒体(II)を混合する工程、
及び、混合物を乾燥する工程、
を含む熱可逆性発消色粉粒体の製造方法。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその実施の形態とともに詳細に説明する。
【0010】
(1)着色剤
本発明における着色剤は、熱可逆性発消色材料とバインダーとを必須成分とするものである。熱可逆性発消色材料としては、電子供与性呈色性有機化合物、電子受容性化合物、有極性有機化合物を含有するマイクロカプセル(p)または液晶(q)が挙げられる。
【0011】
(p)成分は、電子供与性呈色性有機化合物(色彩成分)と、それとの結合により別の色を出させる電子受容性化合物(発色剤)と、ある温度を境にして色彩成分と発色剤との結合を切って、いずれかの成分を溶解させる能力を有する有極性有機化合物(消色剤)の3成分が封じ込まれたものである。すなわち、低温下では、色彩成分と発色剤との結合による第1の色が表出され、高温下では、消色剤の活性によって色彩成分と発色剤との結合が切れ、第2の色が表出されるものである。なお、第1の色、第2の色は無色である場合もある。
本発明では、熱可逆性発消色材料としてこのような(p)成分を使用した場合に、顕著な効果を発揮することができる。
【0012】
具体的に、(p)成分に含まれる電子供与性呈色性有機化合物としては、例えば、ジアリールフタリド類、トリアリールメタンフタリド類、ロイコトリアリールメタン類、ロイコキサンテン類、ロイコフェノチアジン類、ロイコフェノキサジン類、ロイコオキサジン類、ロイコインジゴイド類、ロイコオーラミン類、アシルオーラミン類、アリールオーラミン類、ジアリールメタン類、ジアリールフタリド類、ポリアリールカルビノール類、インドリン類、インドリルフタリド類、アザフタリド類、フルオラン類、チオフルオラン類、スピロピラン類、ローダミンBラクタム類、クロメノピラゾール類、メチン類、キナゾリン類、ジアザキサンテン類、ビスラクトン類、フルオレン類等が挙げられる。
電子受容性化合物としては、例えば、1,2,3−トリアゾール類、フェノール類、チオ尿素誘導体、オキシ芳香族カルボン酸等が挙げられる。
有極性有機化合物としては、例えば、アルコール類、アルコール・アクリロニトリル付加物、アゾメチン類、エステル類等が挙げられる。
上述の成分の他、(p)成分には、必要に応じて界面活性剤、親水性保護コロイド物質等が含まれていてもよい。
【0013】
(p)成分のマイクロカプセル形成には、通常、熱可塑性樹脂が使用される。このような熱可塑性樹脂としては、従来公知のものを広く使用することができる。この熱可塑性樹脂膜中には、マトリックス状態で有機フォトクロミック化合物が含まれていてもよい。
【0014】
一方、(q)液晶としては、例えば、コレステリック液晶、テルフェニル液晶、ネマチック液晶等を使用することができる。これらをマイクロカプセルに封じ込めたものを使用することができる。
【0015】
着色剤(I)における熱可逆性発消色材料の混合比率は、特に限定されるものではないが、着色剤総重量に対し、通常0.1wt%〜95wt%、好ましくは0.5wt%〜50wt%である。
【0016】
着色剤(I)におけるバインダーとしては、熱可逆性発消色材料が分散可能なものであれば、特に限定されず、公知の樹脂を使用することができる。具体的にバインダーとしては、例えば、エチレン樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、塩化ビニル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ふっ素樹脂等、あるいはこれらを複合したもの等が挙げられる。これらは1種または2種以上で使用することができる。バインダーの形態としては、溶剤可溶型樹脂、非水分散型樹脂、水可溶型樹脂、水分散型樹脂等が挙げられる。
着色剤(I)におけるバインダーの混合比率は、通常5wt%〜99.9wt%、好ましくは50wt%〜99.5wt%である。
【0017】
この他、着色剤(I)には、本発明の効果を阻害しない範囲内で、顔料、染料、触媒、消泡剤、分散剤、架橋剤、増粘剤、保湿剤、難燃剤、香料、防黴剤、防腐剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等の添加剤を混合してもよい。
【0018】
(2)粉粒体
本発明に適用できる粉粒体(II)は、熱伝導率が200W/m・K以下、熱容量が0.8J/g・K以上であるものである。このような粉粒体としては、例えば、酸化チタン、酸化鉄、酸化アルミニウム、酸化亜鉛等の金属酸化物、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の金属水酸化物、アロフェン、カオリン、タルク、モンモリロナイト、マイカ、バーミキュライト等の粘土鉱物、炭酸カルシウム、沈降性硫酸バリウム等の無機塩、シリカ、珪藻土、等の珪酸質粉体、珪砂、寒水石等の骨材、ガラスバルーン、フライアッシュバルーン、シラスバルーン、パーライト等の軽量発泡物、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ酢酸ビニル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリフェニレンスルフィド、ポリイミド、フッ素樹脂、フッ化ビニリデン、シリコーン樹脂、ナイロン、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリオレフィン樹脂、セルロース等の樹脂粉体等が挙げられる。
【0019】
熱伝導率が200W/m・Kを超えるもの、あるいは熱容量が0.8J/g・K未満であるものについては(例えば、アルミニウム、銀等)、熱または冷熱に鋭敏に感応して速やかに色相変化が生じ、変化に要した熱または冷熱を取り去ると速やかに元の色相に戻るため、微視的な温度変化によって繰り返し色相が変化してしまい、早期に劣化するおそれがある。
熱伝導率の下限、熱容量の上限については特に限定されないが、極端に色相変化が遅すぎる場合は変色の妙味にかけることとなる。通常、熱伝導率の下限は0.02W/m・K、熱容量の上限は3.5J/g・K程度である。すなわち、粉粒体(II)としては、熱伝導率が0.02W/m・K以上200W/m・K以下、熱容量が0.8J/g・K以上3.5J/g・K以下であるものが好適である。
【0020】
なお、本発明における熱伝導率は、熱伝導率計を使用し、熱線法(非定常法)によって測定することができる。熱容量については、示差走査熱量測定器を用いて、アルミニウムをリファレンスとして測定することができる。
【0021】
粉粒体(II)の粒子径については、熱可逆性発消色材料の粒子径よりも大きければよく、通常1μm以上、好ましくは100μm以上である。粉粒体(II)の粒子径が1μmよりも小さい場合は、熱可逆性発消色材料が粉粒体(II)に着色されにくくなる傾向となる。これら粉粒体の上限は、特に限定されないが、実用性を考慮すると通常10mm以下、好ましくは3mm以下である。
【0022】
(3)熱可逆性発消色粉粒体の製造方法
本発明熱可逆性発消色粉粒体の製造においては、
▲1▼着色剤(I)と粉粒体(II)とを混合する工程、及び
▲2▼各混合物を乾燥する工程
が必要である。▲1▼混合工程と▲2▼乾燥工程は順に行ってもよいし、同時に行ってもよい。
着色剤(I)と粉粒体(II)とを混合する方法としては、例えば、粉粒体(II)に、直接着色剤(I)を一括混合する方法や、着色剤(I)をスプレーする方法等が挙げられる。
粉粒体(II)に対する着色剤(I)の混合比率は、通常0.5wt%〜50wt%、好ましくは1wt%〜20wt%である。
乾燥方法としては、熱風乾燥、真空乾燥、直接加熱乾燥、高周波加熱乾燥、遠赤外線加熱乾燥、除湿乾燥等が使用できる。このうち、真空乾燥を用いた場合は、粉粒体(II)の乾燥性を向上させることができ、また粉粒体(II)の飛散を防止することができる。
乾燥工程において乾燥容器を使用する場合、乾燥容器としては各種の形状のものが使用可能である。乾燥容器は、排気口、加熱装置、攪拌装置等を備えたものであってもよい。
乾燥温度については、着色剤(I)および粉粒体(II)の耐熱温度以下の範囲内で適宜設定することができるが、通常は30〜200℃である。
【0023】
(4)熱可逆性発消色粉粒体の使用方法
本発明における熱可逆性発消色粉粒体は、バインダーと混合して塗料、シート材、成形体等として各種の部位・物品に使用することができる。適用可能な部位・物品としては、例えば、建築物、土木構造物、車両、電化製品、家具、装飾品、玩具等が挙げられる。
【0024】
バインダーとしては、熱可逆性発消色粉粒体が分散可能なものであれば、特に限定されるものではなく、例えば、エチレン樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、塩化ビニル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ふっ素樹脂等の公知の樹脂を使用することができる。
バインダー以外の成分として、顔料、染料、骨材、触媒、消泡剤、分散剤、架橋剤、増粘剤、保湿剤、難燃剤、香料、防黴剤、防腐剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等の添加剤を混合することもできる。
【0025】
熱可逆性発消色粉粒体とバインダーの混合比率は、用途等に応じて適宜設定すればよい。通常は、熱可逆性発消色粉粒体が1〜99wt%(好ましくは30〜90wt%)程度、バインダーが99wt%〜1wt%(好ましくは70wt%〜10wt%)程度である。
【0026】
【実施例】
以下に実施例及び比較例をあげて本発明の特徴をより明確にする。
【0027】
(熱可逆性発消色粉粒体の製造例)
熱可逆性発消色粉粒体1
熱可逆性発消色材料1(「クロミカラー」(株)松井色素化学工業所製、固形分50重量%、変色温度14〜23℃、低温域での色相:マゼンダ、高温域での色相:無色透明)0.4重量部を、バインダー1(アクリルシリコン樹脂、固形分30%)6.4重量部に均一に分散させることにより、着色剤Aを作製した。この着色剤A6.8重量部を粉粒体1(寒水石、平均粒子径1mm、熱伝導率2.79W/m・K、熱容量3.39J/g・K)100重量部に添加、混合した後、温度80℃雰囲気下で30分間加熱乾燥を行うことにより、熱可逆性発消色粉粒体1を得た。
【0028】
熱可逆性発消色粉粒体2
熱可逆性発消色材料2(「クロミカラー」(株)松井色素化学工業所製、固形分50重量%、変色温度14〜23℃、低温域での色相:オレンジ、高温域での色相:無色透明)0.4重量部を、バインダー1(アクリルシリコン樹脂、固形分30%)6.4重量部に均一に分散させることにより、着色剤Bを作製した。
この着色剤B6.8重量部を粉粒体1(寒水石、平均粒子径1mm、熱伝導率2.79W/m・K、熱容量3.39J/g・K)100重量部に添加、混合した後、温度80℃雰囲気下で30分間加熱乾燥を行うことにより、熱可逆性発消色粉粒体2を得た。
【0029】
熱可逆性発消色粉粒体3
実施例1で作製した着色剤A6.8重量部を、粉粒体2(珪砂、平均粒子径2mm、熱伝導率1.63W/m・K、熱容量2.99J/g・K)100重量部に添加、混合した後、温度80℃雰囲気下で30分間加熱乾燥を行うことにより、熱可逆性発消色粉粒体3を得た。
【0030】
熱可逆性発消色粉粒体4
実施例1で作製した着色剤A6.8重量部を、粉粒体3(ポリウレタンフォーム粉末、平均粒子径1mm、熱伝導率0.02W/m・K、熱容量166J/g・K)100重量部に添加、混合した後、温度80℃雰囲気下で30分間加熱乾燥を行うことにより、熱可逆性発消色粉粒体4を得た。
【0031】
熱可逆性発消色粉粒体5
実施例1で作製した着色剤A6.8重量部を、粉粒体4(アルミニウム粉末、平均粒子径50μm、熱伝導率284W/m・K、熱容量3.94J/g・K)100重量部に添加、混合した後、温度80℃雰囲気下で30分間加熱乾燥を行うことにより、熱可逆性発消色粉粒体5を得た。
【0032】
(実施例1)
バインダー2(アクリル樹脂エマルション、固形分50重量%)100重量部に対し、熱可逆性発消色粉粒体1を280重量部、増粘剤を8重量部混合し、常法により均一に攪拌することによって塗料を製造した。次いで、この塗料をアルミニウム板(70×150×4mm)に乾燥塗膜が2mmとなるように塗付することにより試験体を作製した。
得られた試験体の表面に熱電対を取付け、15℃の恒温槽内に静置した。次いで、恒温槽内の温度を図1に示すように変化させた。
実施例1の試験体は、温度15℃ではマゼンダ色を呈し、温度18℃で無色透明となり、熱による発消色を示した。また、空間温度における微視的な温度変化が、試験体表面では認められなかった。
【0033】
(実施例2)
熱可逆性発消色粉粒体1に代えて熱可逆性発消色粉粒体2を使用した以外は、実施例1と同様にして試験を行った。
実施例2の試験体は、温度15℃ではオレンジ色を呈し、温度18℃で無色透明となり、熱による発消色を示した。また、空間温度における微視的な温度変化が、試験体表面では認められなかった。
【0034】
(実施例3)
熱可逆性発消色粉粒体1に代えて熱可逆性発消色粉粒体3を使用した以外は、実施例1と同様にして試験を行った。
実施例3の試験体は、温度15℃ではマゼンダ色を呈し、温度18℃で無色透明となり、熱による発消色を示した。また、空間温度における微視的な温度変化が、試験体表面では認められなかった。
【0035】
(実施例4)
熱可逆性発消色粉粒体1に代えて熱可逆性発消色粉粒体4を使用した以外は、実施例1と同様にして試験を行った。
実施例4の試験体は、温度15℃ではマゼンダ色を呈し、温度18℃で無色透明となり、熱による発消色を示した。また、空間温度における微視的な温度変化が、試験体表面では認められなかった。但し、実施例1〜3に比べ、その変化は緩やかであった。
【0036】
(比較例1)
熱可逆性発消色粉粒体1に代えて熱可逆性発消色粉粒体5を使用した以外は、実施例1と同様にして試験を行った。
比較例1の試験体は、温度15℃ではマゼンダ色を呈し、温度18℃で無色透明となり、熱による発消色を示した。しかし、空間温度と同様の微視的な温度変化が認められた。
【0037】
(比較例2)
バインダー2(アクリル樹脂エマルション、固形分50重量%)100重量部に対し、熱可逆性発消色材料1(「クロミカラー」(株)松井色素化学工業所製、固形分50重量%、変色温度14〜23℃、低温域での色相:マゼンダ、高温域での色相:無色透明)を0.4重量部、増粘剤を20重量部混合し、常法により均一に攪拌することによって塗料を製造した。
次いで、この塗料をアルミニウム板(70×150×4mm)に乾燥塗膜が2mmとなるように塗付することにより試験体を作製し、実施例1と同様に試験を行った。
比較例2の試験体は、温度15℃ではマゼンダ色を呈し、温度18℃で無色透明となり、熱による発消色を示した。しかし、空間温度と同様の微視的な温度変化が認められた。
【0038】
【発明の効果】
本発明の熱可逆性発消色粉粒体は、微視的な温度変化に対する応答を抑制することで材料の劣化が抑制され、長期間使用することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例における恒温層内の温度変化及び試験体表面の温度変化を示す図である。
Claims (3)
- 熱可逆性発消色材料及びバインダーを含有する着色剤(I)を、
熱伝導率が200W/m・K以下、熱容量が0.8J/g・K以上で、粒子径が100μm以上10mm以下である粉粒体(II)の表面に被覆してなり、
熱可逆性発消色材料を該粉粒体(II)の表面に固着させたことを特徴とする熱可逆性発消色粉粒体。 - 前記熱可逆性発消色材料が、電子供与性呈色性有機化合物、電子受容性化合物、及び有極性有機化合物を含有するマイクロカプセルであることを特徴とする請求項1記載の熱可逆性発消色粉粒体。
- 請求項1または請求項2記載の熱可逆性発消色粉粒体を製造する方法であって、
熱可逆性発消色材料及びバインダーを含有する着色剤(I)と、熱伝導率が200W/m・K以下、熱容量が0.8J/g・K以上で、粒子径が100μm以上10mm以下である粉粒体(II)を混合する工程、
及び、混合物を乾燥する工程、
を含む熱可逆性発消色粉粒体の製造方法。
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