JP6603060B2 - 機能性粒子顔料 - Google Patents
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Description
(1) 少なくとも染料を内包する機能性粒子顔料であって、前記顔料の外側がオレフィン系樹脂でコーティングされていることを特徴とする機能性粒子顔料。
(2) 前記オレフィン系樹脂がノルボルネンの共重合体であることを特徴とする上記(1)記載の機能性粒子顔料。
本発明の機能性粒子顔料は、少なくとも染料を内包する機能性粒子顔料であって、前記樹脂の外側がオレフィン系樹脂でコーティングされていることを特徴とするものである。
本発明の機能性粒子顔料としては、少なくとも染料を含有するコア成分、およびこれらを樹脂によって形成したシェルで内包したコア/シェル型マイクロカプセル顔料、染料を内包した樹脂成分により構成されるマイクロ(ナノ)スフィア顔料等が例示される。そしてこれらの顔料の外側がオレフィン系樹脂でコーティングされていることを要旨とするものであり、その製造は、少なくとも染料を内包する機能性粒子顔料を得た後、この顔料の外側をオレフィン系樹脂でコーティングすることにより得られるものである。
本発明において、コーティング前の機能性粒子顔料としては、顔料の母体となる樹脂に染料が内包されている態様であれば、特に限定されず、例えば、1)熱変色性マイクロカプセル、2)光変色(蛍光発色)性マイクロカプセル、3)マイクロ(ナノ)スフィアなどが挙げられる。
なお、本発明における「染料」とは、溶媒に溶解する色材を表す概念であって、単独で発色する機能を有する色材は勿論、単独では発色しないものの、他の化合物との作用により発色する機能を有する色材も含む。
上記1)の熱変色性マイクロカプセルは、摩擦熱等の熱により変色する染料を内包したもの、例えば、有色から無色、有色から有色、無色から有色などとなる機能を有するものであれば、特に限定されず、種々のものを用いることができ、少なくともロイコ染料(色素)、顕色剤、変色温度調整剤を含む熱変色性組成物を、マイクロカプセル化したものが挙げられる。
具体的には、6−(ジメチルアミノ)−3,3−ビス[4−(ジメチルアミノ)フェニル]−1(3H)−イソベンゾフラノン、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、1,3−ジメチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−クロロ−3−メチル−6−ジメチルアミノフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−キシリジノフルオラン、2−(2−クロロアニリノ)−6−ジブチルアミノフルオラン、3,6−ジメトキシフルオラン、3,6−ジ−n−ブトキシフルオラン、1,2−ベンツ−6−ジエチルアミノフルオラン、1,2−ベンツ−6−ジブチルアミノフルオラン、1,2−ベンツ−6−エチルイソアミルアミノフルオラン、2−メチル−6−(N−p−トリル−N−エチルアミノ)フルオラン、2−(N−フェニル−N-−メチルアミノ)−6−(N−p−トリル−N−エチルアミノ)フルオラン、2−(3’−トリフルオロメチルアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、3−クロロ−6−シクロヘキシルアミノフルオラン、2−メチル−6−シクロヘキシルアミノフルオラン、3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メトキシ−7−アニリノフルオラン、3,6−ビス(ジフェニルアミノ)フルオラン、メチル−3’,6’−ビスジフェニルアミノフルオラン、クロロ−3’,6’−ビスジフェニルアミノフルオラン、3−メトキシ−4−ドデコキシスチリノキノリン、などが挙げられ、これらは、少なくとも1種用いることができる。
これらのロイコ染料は、ラクトン骨格、ピリジン骨格、キナゾリン骨格、ビスキナゾリン骨格等を有するものであり、これらの骨格(環)が開環することで発色を発現するものである。
用いることができる顕色剤としては、具体的には、o−クレゾール、ターシャリーブチルカテコール、ノニルフェノール、n−オクチルフェノール、n−ドデシルフェノール、n−ステアリルフェノール、p−クロロフェノール、p−ブロモフェノール、o−フェニルフェノール、ヘキサフルオロビスフェノール、p−ヒドロキシ安息香酸n−ブチル、p−ヒドロキシ安息香酸n−オクチル、レゾルシン、没食子酸ドデシル、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、4,4−ジヒドロキシジフェニルスルホン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4’−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、1−フェニル−1,1−ビス( 4’−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)−2−メチルプロパン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)n−ヘキサン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)n−ヘプタン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)n−オクタン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)n−ノナン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)n−デカン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)n−ドデカン、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)エチルプロピオネート、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)n−ヘプタン、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)n−ノナンなどの少なくとも1種が挙げられる。
用いることができる変色温度調整剤は、従来公知のものが使用可能である。具体的には、アルコール類、エステル類、ケトン類、エーテル類、酸アミド類、アゾメチン類、脂肪酸類、炭化水素類などが挙げられる。
例えば、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタンジカプリレート(C7H15)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタンジラウレート(C11H23)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタンジミリステート(C13H27)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルエタンジミリステート(C13H27)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタンジパルミテート(C15H30)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタンジベヘネート(C21H43)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルエチルヘキシリデンジミリステート(C13H27)等の少なくとも1種が挙げられる。
マイクロカプセル化法としては、例えば、界面重合法、界面重縮合法、insitu重合法、液中硬化被覆法、水溶液からの相分離法、有機溶媒からの相分離法、融解分散冷却法、気中懸濁被覆法、スプレードライニング法などを挙げることができ、用途に応じて適宜選択することができる。
なお、本発明(後述する実施例等を含む)において、「平均粒子径」は、粒度分布測定装置〔マイクロトラックHRA9320−X100(日機装社製)〕にて、メディアン径を測定した値である。
本発明において、上記1)の熱変色性マイクロカプセルは、上記ロイコ染料、顕色剤及び変色温度調整剤の種類、量などを好適に組み合わせることにより、各色の発色温度(例えば、0℃以上で発色)、消色温度(例えば、50℃以上で消色)を好適な温度に設定することができ、好ましくは、摩擦熱等の熱により有色から無色となる熱変色性マイクロカプセルを得ることができる。
上記マイクロカプセルの壁膜の厚さは、必要とする壁膜の強度や描線濃度に応じて適宜決められる。
なお、壁膜がアミノ樹脂で形成するためには、各マイクロカプセル化法を用いる際に、好適なアミノ樹脂原料(メラミン樹脂、尿素樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等)、並びに、分散剤、保護コロイドなどを選択する。
本発明において、上記2)の光変色(蛍光発色)性マイクロカプセルとしては、種々のものを用いることができ、例えば、フォトクロミック染料(色素)、蛍光染料(色素)を、マイクロカプセル化したものが挙げられる。
本発明では、上記フォトクロミック染料(色素)、蛍光染料(色素)などから選択される1種以上を好適に用いることができる。
マイクロカプセル化法としては、上述の熱変色性マイクロカプセルの製造と同様に調製することができ、例えば、水溶液からの相分離法では、フォトクロミック染料(色素)などを、ジエチレングリコール、メチルエチルケトン、フェニルグリコールなど有機溶剤などと共に、加熱溶融後、乳化剤溶液に投入し、加熱攪拌して油滴状に分散させ、次いで、カプセル膜剤として、樹脂原料などを使用、例えば、アミノ樹脂溶液、具体的には、メチロールメラミン水溶液、尿素溶液、ベンゾグアナミン溶液などの各液を徐々に投入し、引き続き反応させて調製後、この分散液を濾過することにより目的の室内照明環境において無色であり、紫外線照射環境で発色する性質を有する光変色性マイクロカプセルを製造することができる。
本発明において、上記3)のマイクロ(ナノ)スフィアは、少なくとも染料を樹脂に溶解し、これを微粒子化した着色樹脂粒子が挙げられる。
用いることができる染料としては、例えば、油溶性染料、分散染料、直接染料、塩基性染料等が挙げられるが、樹脂に対し安定して内包できるという点から油溶性染料、分散染料が好ましい。
油溶性染料としては、例えば、ソルベントブラック、ソルベントレッド、ソルベントブルー、ソルベントイエロー、ソルベントグリーンなどの少なくとも1種が挙げられる。
分散染料としては、例えば、ディスパーズブラック、ディスパーズレッド、ディスパーズブルー、ディスパーズイエロー、ディスパーズグリーンなどの少なくとも1種が挙げられる。
例えば、染料と樹脂を有機溶媒に溶解した後、水中に乳化分散させる。次に、前記溶媒を除去することでマイクロ(ナノ)スフィアを製造することができる。
本発明では、上記1)の熱変色性マイクロカプセル、上記2)の光変色性マイクロカプセル、上記3)のマイクロ(ナノ)スフィア顔料などの少なくとも染料を内包する顔料の外側をオレフィン系樹脂でコーティングすることにより目的の機能性粒子顔料が得られるものである。
コーティング方法としては、例えば、A)上記の機能性粒子顔料と、オレフィン系樹脂を油性溶媒に溶解した溶液とを、水性媒体に分散させ、次いで加熱、減圧等により油性溶媒を除去してオレフィン系樹脂を析出せしめて前記顔料の外側(外表面)にオレフィン系樹脂の被覆層を形成する方法、B)オレフィン系樹脂を油性溶媒に溶解させた溶解液に上記機能性粒子顔料を分散させ、加熱、減圧等により油性溶媒を除去することにより前記顔料の外側(外表面)にオレフィン系樹脂の被覆層を形成する方法、C)乾式衝撃処理(いわゆるハイブリダイゼーション)により上記顔料の外側(外表面)にオレフィン系樹脂の被覆層を形成する方法などが挙げられる。
脂環式オレフィン系樹脂としては、環状オレフィン(ノルボルネン、ジシクロペンタジエンなど)の単独又は共重合体(例えば、立体的に剛直なトリシクロデカンなどの脂環式炭化水素基を有する重合体など)、前記環状オレフィンと共重合性単量体との共重合体(エチレン−ノルボルネン共重合体、プロピレン−ノルボルネン共重合体など)などが例示できる。脂環式オレフィン系樹脂は、無置換のものであってもよいし、水素が他の基により置換されたものであってもよい。
好ましくは、極めて高い耐薬剤性に優れる機能性粒子顔料を得る点から、オレフィン系樹脂としてノルボルネンの共重合体を用いることが望ましく、単独の繰り返し単位を有するもの(ホモポリマー)、2つ以上のノルボルネン系繰り返し単位を有するもの(コポリマー)のいずれであってもよい。
これらのノルボルネンの共重合体は、例えば、開環メタセシス重合(ROMP)、ROMPと水素化反応との組み合わせ、ラジカルまたはカチオンによる重合、カチオン性パラジウム重合開始剤を用いた重合、これ以外の重合開始剤(例えば、ニッケルや他の遷移金属の重合開始剤)を用いた重合等、公知のすべての重合方法で得ることができ、また、市販品があればこれらを用いることができる。市販品では、例えば、それぞれ商品名で、ドイツのTOPAS ADVANCED POLYMERS GmbHにて生産され、日本ではポリプラスチックス株式会社から販売の「TOPAS(トーパス)」、JSR株式会社製造・販売の「アートン」、日本ゼオン株式会社製造・販売の「ゼオノア」及び「ゼオネックス」、三井化学株式会社製造・販売の「アペル」などの各シリーズ及びその中の各グレードを用いることができる。
また、用いることができる上記水性媒体は、特に限定されず、例えば、水に、乳化剤、分散安定剤等を添加した水性媒体が用いられる。上記乳化剤は特に限定されず、例えば、アルキル硫酸スルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸トリエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等が挙げられる。上記分散安定剤は、特に限定されず、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール等が挙げられる。
このコーティング方法において、油性溶媒、加熱、減圧等により油性溶媒を除去する方法としては、上記B)で用いる油性溶媒、加熱、減圧等を用いることができる。
上記機能性粒子顔料の外周面に、上述のノルボルネンの共重合体などのオレフィン系樹脂の微粉末を付着させる方法等としては、上記マイクロカプセルと、上述のノルボルネンの共重合体などのオレフィン系樹脂の微粉末とをドライブレンドすなわち乾燥状態で混合して撹拌し、この際に機能性粒子顔料に生ずる摩擦帯電により付着させることができる。機械的衝撃手段としては、乾式表面改質装置などを用いて実施することができる。
上記A)〜C)の各コーティング方法において、コーティング容易性、コストの点から、上記A)およびB)のコーティング方法の実施が望ましい。
被覆層の厚みはコーティング前後の外径の差により算出され、(コーティング後/コーティング前)の値が1.1〜10の範囲内であることが好ましい。1.1未満では本発明の効果が得られない場合があり、10を超えると着色力が低下する場合がある。
なお、本発明(後述する実施例等を含む)において、マイクロカプセルの表面に形成される上述のノルボルネンの共重合体などのオレフィン系樹脂から構成される被覆層の厚みは、粒度分布測定装置を利用して測定したコーティング前後の平均粒子径の値から算出した値をいう。
また、上述のノルボルネンの共重合体などのオレフィン系樹脂で外周面がコーティングされた本発明となる機能性粒子顔料の大きさ(平均粒子径)は、感熱記録材料、筆記具用インク、スタンプ用インク、インクジェット用インク、印刷用インク等の用途により好適な範囲を設定することができる。
例えば、筆記具用インク組成物では、上記構成の機能性粒子顔料、溶媒(水性溶媒、油性溶媒)、筆記具用の添加成分を好適な含有量で含有せしめて、ボールペン、マーキングペン等の筆記具用水性インク組成物、油性インク組成物、ゲルインク組成物などとして好適に用いることができる。
また、印刷用インク組成物では、上記構成の機能性粒子顔料、溶媒(水性溶媒、油性溶媒)、印刷インク用の添加成分を好適な含有量で含有せしめて、凸版印刷、凹版印刷、平版印刷、孔版印刷などとして好適に用いることができる。
下記処方にて顔料1(熱変色性マイクロカプセル)を得た。
ロイコ染料として、メチル−3’,6’−ビスジフェニルアミノフルオラン1部、顕色剤として、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン2部、及び変色性温度調整剤として、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタンジカプリレート24部を100℃に加熱溶融して、均質な組成物27部を得た。
上記で得た組成物27部の均一な熱溶液にカプセル膜剤として、イソシアネート10部及びポリオール10部を加えて攪拌混合した。次いで、保護コロイドとして12%ポリビニルアルコール水溶液60部を用いて、25℃で乳化して分散液を調製した。次いで、5%の多価アミン5部を用いて、80℃で60分間処理してマイクロカプセルを得た。
以上の手順により得たマイクロカプセル化した水分散体をスプレードライすることでパウダー状にして顔料1(熱変色性マイクロカプセル)を製造した。
(コーティング法)
へキサン:シクロヘキサン=1:1の混合溶媒99.5部にノルボルネン・エチレン共重合体0.5部を加えて撹拌溶解後、前記顔料1を2.5部加えて十分に分散させ、次いでスプレードライすることでパウダー状にして顔料1(熱変色性マイクロカプセル)の外表面にノルボルネン・エチレン共重合体の被覆層を形成して、実施例1の熱変色性のマイクロカプセル顔料を製造した。
以上の手順により得た水分散体をスプレードライすることでパウダー状にして顔料1(熱変色性マイクロカプセル)の外表面にノルボルネン・エチレン共重合体の被覆層を形成して、実施例1の熱変色性のマイクロカプセル顔料タイプの機能性粒子顔料(平均粒子径1.75μm、被覆層の厚み:3.5)を製造した。
下記処方にて顔料2(光変色性マイクロカプセル)を得た。
光変色性色素として、1,3,3−トリメチルインドリノ−6’−(1−ピペリジニル)スピロナフソザジン3部、ジエチレングリコールジベンゾエート10部、およびメチルエチルケトン10部を80℃に加熱溶融して、均質な組成物23部を得た。
上記で得た組成物23部の均一な熱溶液にカプセル膜剤として、イソシアネート10部及びポリオール10部を加えて攪拌混合した。次いで、保護コロイドとして12%ポリビニルアルコール水溶液60部を用いて、25℃で乳化して分散液を調製した。次いで、5%の多価アミン5部を用いて、80℃で60分間処理してマイクロカプセルを得た。
以上の手順により得たマイクロカプセル化した水分散体をスプレードライすることでパウダー状にして顔料2(光変色性マイクロカプセル)を製造した。
C.I.Solvent−Blue70:10部をアセトン190部に溶解し、染料溶解液とした。次にイオン交換水2,000部を攪拌しながら、この中に染料溶解液を注入し、油性染料微粒子スラリーを得た。
次いで、スラリーをエバポレータにかけ、アセトンと一部の水を留去した。次に0.5μmのメンブランフィルターを用いて吸引濾過して濃縮、水洗を行い、トータル液量100部のスラリーとした。
上記スラリー100部にスチレンアクリル樹脂5部を1mol/kgの水酸化ナトリウム10部に溶解した液とポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル硫酸エステルのアンモニウム塩1部を加え、超音波ホモジナイザーを用いて分散した。
次に、得られた液を攪拌しながら、1mol/kgの塩酸を加え、沈殿物を得た。この沈殿物を濾過、イオン交換水で洗浄して、100部のウエットケーキを得た。このウエットケーキに1mol/kgの水酸化ナトリウム水溶液5部を添加し、超音波ホモジナイザーを用いて分散を行った。更にミリポアフィルターで濾過することにより粗大粒子を取り除き、イオン交換水を加えて機能性粒子顔料の水系分散体を得た。
以上の手順により得た水分散体をスプレードライすることでパウダー状にして顔料3(マイクロ(ナノ)スフィア)を製造した。
上記で得られた実施例1の顔料1について、上述したコーティングに用いたノルボルネン・エチレン共重合体をポリプロピレンに代えて、外表面にポリプロピレンの被覆層を形成した実施例4の熱変色性のマイクロカプセル顔料タイプの機能性粒子顔料(平均粒子径
3.2μm、被覆層の厚み:6.4)を製造した。
比較例1〜3として、上記実施例1〜3で得られた各顔料1〜3(コーティング処理を施さない各顔料)を用いた。
これらの結果を下記表1に示す。
得られた機能性粒子顔料に対して、次亜塩素酸を滴下して、その耐薬剤性を下記評価基準に基づいて評価した。
評価基準:
○:色相の変化なし。
△:わずかに色相の変化が認められる。
×:大きな色相の変化が認められる。
Claims (2)
- 少なくとも染料を内包する機能性粒子顔料(電気泳動粒子を除く)であって、前記顔料の外側がノルボルネンの共重合体でコーティングされていることを特徴とする機能性粒子顔料。
- 前記機能性樹脂顔料が熱変色性マイクロカプセル、光変色(蛍光発色)性マイクロカプセル、マイクロ(ナノ)スフィアの何れかであることを特徴とする請求項1に記載の機能性粒子顔料。
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