JP2004216878A - 感熱記録材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】 画像の階調再現性に優れ、高濃度に記録できる、特に医療用画像記録に好適な感熱記録材料を提供すること。
【解決手段】 支持体上に、少なくとも、電子供与性染料前駆体を内包するマイクロカプセルと、該マイクロカプセルの外に上記電子供与性染料前駆体と反応して発色させる電子受容性化合物を含有する感熱記録層を設けてなる感熱記録材料において、上記マイクロカプセルが、体積平均粒子径の異なる2種類以上のマイクロカプセルからなることを特徴とする感熱記録材料。
上記体積平均粒子径の異なる2種類以上のマイクロカプセルを含有する感熱記録層が、2層以上設けられてなることが好ましく、上記体積平均粒子径の異なる2種類以上のマイクロカプセルの各体積平均粒子径の差が、0.3〜0.7μmであるこのが好ましい。
【選択図】 なし

Description

本発明は感熱記録材料に関し、特に、階調再現性に優れ、高濃度に記録できる、医療用画像記録に好適な感熱記録材料に関する。
感熱記録方法は、(1)現像が不要である、(2)支持体が紙の場合は紙質が一般紙に近い、(3)取扱が容易である、(4)発色濃度が高い、(5)記録装置が簡単で安価である、(6)記録時の騒音が無い、等の利点があるためファクシミリやプリンターの分野、POS等のラベルの分野等に感熱記録の用途が拡大している。
このような背景のもとで、近年においては多色化に対応するため、或いは画像をオーバーヘッドプロジェクター(OHP)で投影したり、直接ライトテーブル上で観察する等のために、サーマルヘッドで直接記録することのできる透明な感熱記録材料も開発されており、画像の品質に対する要求は高まる一方である。
一方、高速記録に対応して、感熱記録材料の高感度化が進むにつれ、印字エネルギーに対する発色の立ち上がりが急となる傾向があり、画像階調性が犠牲にされてきた感がある。
そこで、感度と階調性を両立させるために、支持体上に発色色調が同一の、第2の発色層とその上に積層した第1の発色層を積層してなり、第1の発色層を第2の発色層より低温発色性とした感熱記録材料が開発された(例えば、特許文献1参照。)。この発明は、低温印字においては第1層の発色を優先させ、高温印字においては第2の発色層の発色を利用するというものであるが、十分な画像濃度を得られない問題があった。
また、水溶性樹脂(ポリビニルアルコール)と溶解助剤を含有する記録材料であって、2種のカプセルを用いた2層の感熱層からなる感熱記録材料が提示されているが(例えば、特許文献2参照。)、該カプセルの平均粒径は0.70μmと同じであり、発色濃度と階調再現性を両立させて改善する効果が不十分である。更に、保護層にステアリン酸アミドを含む記録材料であって、2種のカプセルを用いた2層の感熱層からなる感熱記録材料が提示されているが(例えば、特許文献3参照。)、該カプセルの平均粒径も0.35μmと同じで、やはり発色濃度と階調性の両立改善効果は不十分である。
特公平06−30953号公報 特開2000−280619号公報 特開2002−067500号公報
本発明は、上記従来における諸問題を解決し、画像の階調再現性に優れると共に、高い画像濃度を得ることができる感熱記録材料を提供することを目的とする。
上記の課題は、下記の記録材料を提供することにより解決される。即ち、
<1> 支持体上に、少なくとも、電子供与性染料前駆体を内包するマイクロカプセルと、該マイクロカプセルの外に上記電子供与性染料前駆体と反応して発色させる電子受容性化合物を含有する感熱記録層を設けてなる感熱記録材料において、
上記マイクロカプセルが、体積平均粒子径の異なる2種類以上のマイクロカプセルからなることを特徴とする感熱記録材料。
<2> 前記体積平均粒子径の異なる2種類以上のマイクロカプセルを含有する感熱記録層が、2層以上設けられてなることを特徴とする上記<1>に記載の感熱記録材料。
<3> 前記体積平均粒子径の異なる2種類以上のマイクロカプセルの各体積平均粒子径の差が、0.3〜0.7μmである上記<1>又は<2>に記載の感熱記録材料。
<4> 少なくとも、体積平均粒子径の大きいマイクロカプセル(x)と体積平均粒子径の小さいマイクロカプセル(y)との質量構成比(x/y)が85/15〜55/45である感熱記録層と、該質量構成比(x/y)が20/80〜50/50である感熱記録層とを有する上記<1>〜<3>のいずれかに記載の感熱記録材料。
ここで、本明細書におけるマイクロカプセルの体積平均粒子径は、レーザ回折/散乱法で測定した50%体積平均粒径を意味し、具体的には、例えば(株)堀場製作所製のレーザー回折/散乱粒度分布測定装置「LA700」により測定した、乳化分散物中の累積分布の50%に相当する平均粒子径のことであり、本明細書中では、これを「体積平均粒子径」或いは単に「平均粒子径」又は「粒径」ということがある。
体積平均粒子径の異なる2種のマイクロカプセルからなり、更には、該マイクロカプセルを含有する感熱記録層を2層以上設けてなる本発明の感熱記録材料は、画像の階調表現に優れ、高濃度に記録でき、特に医療用の感熱記録材料として好適に用いることができる。
本発明の感熱記録材料は、支持体上に、少なくとも、電子供与性染料前駆体を内包するマイクロカプセルと、該マイクロカプセルの外に上記電子供与性染料前駆体と反応して発色させる電子受容性化合物を含有する感熱記録層を設けてなる感熱記録材料において、上記マイクロカプセルが、体積平均粒子径の異なる2種類以上のマイクロカプセルからなることを特徴とし、更に好ましくは、上記の様な体積平均粒子径の異なる2種類以上のマイクロカプセルを含有する感熱記録層を、少なくとも2層有する感熱記録材料である。
本発明の感熱記録材料は、上記の様に電子供与性染料前駆体を内包するマイクロカプセルが体積平均粒子径の異なる2種類以上のマイクロカプセルからなるので、印加エネルギーに対する濃度変化を低減することが可能となり、高い画像濃度を維持しながら、且つ画像の階調表現に優れた特性を有する。更に、上記の様な感熱記録層を2層以上有する感熱記録材料は、画像濃度と階調表現が一層改善される。
以下、本発明の主要構成について詳細に説明する。
(マイクロカプセルの調製)
本発明の感熱記録材料に用いるマイクロカプセルは、発色成分として電子供与性染料前駆体を内包し、そのカプセル壁は通常、多官能イソシアネート化合物の重合により形成されるポリウレタン/ウレアのポリマー膜からなる。この際に使用できる公知の多官能イソシアネート化合物としては、例えば、特開平10−114153号公報等の記載のものが挙げられる。
上記マイクロカプセルの形成において、多官能イソシアネート化合物の重合は、例えば、分子内に2個以上の活性水素原子を有する化合物との反応で行なわれるのが好ましい。この様な活性水素原子を有する化合物の例としては、例えば、水の他、エチレングリコール、グリセリン等の多価アルコール化合物、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン等の多価アミン化合物等、又はこれらの混合物等が挙げられる。これらの中でも、特に水を用いて重合させる方法が好ましいが、必要に応じて、水とアルコール類又はアミン類とを併用してもよい。この重合の結果として、カプセル壁はポリウレタン又は/及びポリウレアからなる高分子膜により形成される。
この様なマイクロカプセルの形成には、界面重合法、内部重合法、外部重合法の何れの方法をも採用することができるが、特に、発色剤(電子供与性染料前駆体)を含有した芯物質を、水溶性高分子を溶解した水溶液中で乳化した後、その油滴の周囲に高分子物質の壁を形成させるという界面重合法を採用することが好ましい。高分子物質を形成するリアクタントは、油滴の内部及び/又は油滴の外部に添加される。上記マイクロカプセル壁の形成方法の詳細については、例えば特開昭58─66948号公報に詳細に記載されている。
本発明のマイクロカプセルを形成する具体的なプロセスを、以下に説明する。
発色成分である電子供与性染料前駆体を予め水に難溶性又は不溶性の高沸点有機溶剤に溶解させた発色成分組成物溶液(油相)を、界面活性剤及び/又は保護コロイドとして水溶性高分子を含有する高分子水溶液(水相)に添加して、ホモジナイザー等の高速攪拌機を用いて高回転数で攪拌し、上記発色成分組成物からなる油滴をその分散粒径が数μm以下(好ましくは2μm以下)になる様に水相中に分散させて、発色成分組成物の乳化物を得る。この際、必要に応じて、界面活性剤、分散安定剤、凝集防止剤、水溶性高分子、低沸点溶剤等を添加剤或いは助剤として用いることができる。
上記水に難溶性又は不溶性の高沸点有機溶剤としては、一般に、リン酸エステル、フタル酸エステル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、その他のカルボン酸エステル、脂肪酸アミド、アルキル化ビフェニル、アルキル化ターフェニル、塩素化パラフィン、アルキル化ナフタレン、ジアリルエタン、常温で固体の化合物、オリゴマーオイル、ポリマーオイル等が挙げられる。
具体的には、特開昭59−178451〜同59−178455号、同59−178457号、同60−242094号、同63−85633号、特開平6−194825号、同7−13310号〜同7−13311号、同9−106039号の各公報及び特開昭63−45084号明細書に記載の有機溶剤が挙げられる。これらの中でも、特に酢酸エチル、酢酸イソプロピル等の酢酸エステルが好適に使用できる。
尚、乳化しようとする電子供与性染料前駆体の上記有機溶媒に対する溶解性が劣る場合には、溶解性の高い低沸点有機溶媒を補助的に併用することもできる。この様な低沸点有機溶媒としては、例えば、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、メチレンクロライド等が挙げられる。
高沸点及び低沸点の有機溶媒の総使用量としては、電子供与性染料前駆体組成物100質量部に対して、1〜500質量部が好ましい。
一方、乳化分散の媒体である水相としては、水溶性高分子を溶解させた水溶液が使用されるが、該水溶性高分子は分散を均一に且つ容易にすると共に、乳化分散した水溶液の凝集を防止して安定化させる分散媒やコロイド保護剤として作用する。
上記水溶性高分子としては、公知のアニオン性高分子、ノニオン性高分子、両性高分子の中から適宜選択することができる。
アニオン性高分子としては、天然、合成のいずれのものも用いることができ、例えば、−COO−、−SO2 −基等を有する高分子が挙げられる。
具体的には、アラビヤゴム、アルギン酸、ベクチン等の天然物;カルボキシメチルセルロース、フタル化ゼラチン等のゼラチン誘導体、硫酸化デンプン、硫酸化セルロース、リグニンスルホン酸等の半合成品;無水マレイン酸系(加水分解物を含む)共重合体、アクリル酸系(メタクリル酸系)重合体および共重合体、ビニルベンゼンスルホン酸系重合体および共重合体、カルボキシ変成ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の合成品が挙げられる。
ノニオン性高分子としては、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース等が挙げられる。両性高分子としては、ゼラチン等が挙げられる。
以上の水溶性高分子の中でも、ゼラチン及び変性ゼラチン誘導体、ポリビニルアルコール及びポリビニルアルコール誘導体が、効果に優れ好ましい。
上記水溶性高分子は0.01〜10質量%の範囲の水溶液として用いるのが好ましい。
油相及び水相を均一に乳化分散し安定化させるためには、油相或いは水相の少なくとも一方に界面活性剤を添加することが好ましい。この様な界面活性剤としては、公知の乳化分散用の界面活性剤が使用可能である。また、油相に界面活性剤を添加する場合には、界面活性剤の添加量は、油相の質量に対して0.1〜5質量%、特に0.5〜2質量%であることが好ましい。
また、水相に含有させる界面活性剤は、アニオン性又はノニオン性の界面活性剤の中から、前記水溶性高分子と作用して沈殿や凝集等の不具合を起こさないものを選択して使用することができる。
本発明で好ましい界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸ソーダ、アルキル硫酸ナトリウム、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム塩、ポリアルキレングリコール(例えば、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルなど)等を挙げることができる。これらの界面活性剤の中でも、特にアルキルベンゼンスルホン酸ソーダが効果に優れ好ましい。
また、微細な乳化分散物を安定して得るためには、電子供与性染料前駆体組成物を含む油相の水相に対する混合比(油相質量/水相質量)も重要なファクターである。本発明においては、上記混合比は0.05〜1.0が好ましく、0.3〜0.8がより好ましい。該混合比が0.05より小さい場合には、水相が多すぎて希薄となり十分な発色性が得られないことがあり、一方、該混合比が1.0より大きい場合には、乳化適性が劣化し油相に水相が乳化分散される所謂、転相現象が起こったりして、取扱いの不便さや安定性の低下をもたらすことがある。
本発明の電子供与性染料前駆体組成物を水中に分散させる乳化装置としては、高速回転可能な撹拌機、超音波印加分散機等の公知の微粒子乳化分散に用いられる手段、例えば、ホモジナイザー、マントンゴーリー、超音波分散機、ディゾルバー、ケディーミル等の乳化分散装置を用いることができる。これらの乳化分散装置の中でも、特にホモジナイザーが分散効率に優れ好ましい。
本発明の電子供与性染料前駆体を含む乳化物の分散粒径を数μm以下にするためには、通常は高速で攪拌する必要がある。必要とする攪拌回転数は、可視光重合組成物の内容及び使用する攪拌機械の仕様に依存するが、一般的には5000rpm以上を要し、好ましくは乳化過程の最終段階で10000rpm若しくはこれ以上の回転数で攪拌することが好ましい。上記攪拌回転数の上限は、乳化液の過度の温度上昇を回避することにより規定される。
本発明の電子供与性染料前駆体を含む乳化物の分散粒径は2μm以下であるのが好ましく、1μm以下がより好ましい。該分散粒径が2μmを越え大きいと所望の発色濃度が得られないことがある。但し、該分散粒径が小さくなり過ぎると、乳化分散作業の困難度が増し乳化物の保存安定性にも欠けるので、上記分散粒径は0.05μm以上であることが望ましい。
本発明の感熱記録材料においては、電子供与性染料前駆体を内包するマイクロカプセルが、体積平均粒子径の異なる2種類以上のマイクロカプセルからなることを特徴とするが、このマイクロカプセルの体積平均粒子径の制御は、上述した電子供与性染料前駆体を含有する乳化分散物を調製するプロセスにおいて、(1)電子供与性染料前駆体を含有する油相の特性(濃度、粘度、表面張力、水相への難溶性等)、(2)分散媒体となる水溶性高分子を含む水相の特性(濃度、粘度、表面張力、油相との相溶性等)、(3)水相への油相の質量混合比、(4)水相と油相の混合条件(攪拌装置、攪拌速度、攪拌温度、攪拌手順等)、等の条件を適宜に選択することにより目的とする体積平均粒子径のマイクロカプセルを得ることができる。
例えば、(1)油相の濃度が低く、粘度が低く、表面張力が小さく、水相への難溶性が高い程、一般的には、上記マイクロカプセルの粒径は小さくなる傾向にある。(2)水相の濃度が低く、粘度が低く、表面張力が小さく、油相との相溶性が低い程、該マイクロカプセルの粒径は小さくなる傾向にある。(3)水相への油相の質量混合比が小さい程、マイクロカプセルの粒径は小さくなる傾向にある。(4)攪拌効率が良い装置、或いは攪拌速度が速い程、攪拌温度が低い程、マイクロカプセルの粒径は小さくなる傾向にある。
但し、上記の条件とその傾向は一般的な関係として述べたに過ぎず、使用する発色剤や有機溶媒、水溶性高分子、界面活性剤等の種類と特性に応じて、また、乳化分散物の安定性や保存性及び生産性等を考慮して個々に適切に選定すべきものである。
また、マイクロカプセルの体積平均粒子径の調整は、前述の多官能イソシアネート化合物の重合の際の多価アルコール系化合物、或いは多価アミン系化合物の添加量及び添加時期、反応温度、反応時間を調整することによって可能である場合もある。但し、有効な添加量上限、反応温度、及び反応時間の面で制約があるので、大幅な粒径の調整は上記の成分やプロセス等の選択によることが望ましい。
上述した様に、体積平均粒子径の異なる2種類以上のマイクロカプセルを任意に用いて、感熱記録層を形成することができるが、本発明の感熱記録材料においては、体積平均粒子径の異なる2種類以上のマイクロカプセルを含有する感熱記録層を2層以上設ける態様が、階調再現性と高濃度記録の観点より好ましい。
更に、上記体積平均粒子径の異なる2種類以上のマイクロカプセルの各体積平均粒子径の差は、階調再現性と高濃度記録の効果を一層向上させる上で、0.3〜0.7μmである形態が好ましく、0.4〜0.65μmがより好ましく、特に0.45〜0.6μmが好ましい。
特に、上記体積平均粒子径の大きいマイクロカプセル(x)と体積平均粒子径の小さいマイクロカプセル(y)との質量構成比(x/y)が85/15〜55/45の感熱記録層と、該質量構成比(x/y)が20/80〜50/50の感熱記録層とを有する感熱記録材料が、粒径差による効果を十分に発揮することができ、優れた画像の階調再現が可能であり、また所要の印加エネルギーが高くなり過ぎることもないので、最も好ましい。
また、体積平均粒子径の大きいマイクロカプセル(x)は、その体積平均粒子径が0.50〜1.50μmが好ましく、0.70〜0.90μmがより好ましい。また、体積平均粒子径の小さいマイクロカプセル(y)は、その体積平均粒子径が0.10〜0.50μmが好ましく、0.25〜0.45μmがより好ましい。
以上、上述の如く形成されたマイクロカプセルは熱や圧力によって破壊するものではなく、マイクロカプセル壁がガラス転移温度以上に加熱された場合に該壁の物質透過性が増大し、マイクロカプセルの芯に含有されている発色成分がマイクロカプセル壁を透過し、或いは顕色成分がマイクロカプセル壁内に移行して発色する熱感度制御作用を有するものである。
本発明においては、マイクロカプセル化しない成分は、通常行われる如く固体分散させれば良いが、特に、感熱層の透明性を高め画像品質を良好とする観点から、電子受容性化合物を水に難溶性又は不溶性の有機溶剤に溶解せしめた後、これを、水溶性高分子を保護コロイドとして含有すると共に、必要に応じて界面活性剤を含有する水相と混合し、乳化させた乳化分散物の形で使用することが好ましい。
本発明の感熱記録材料においては、体積平均粒子径の異なるマイクロカプセルに、ガラス転移温度(以下、Tgと略称することがある。)の異なるマイクロカプセルを用いることができる。この様なTgの異なるマイクロカプセルは、任意のカプセル壁材を適宜に選択することにより作製することができる。
ガラス転移温度(Tg)の異なるマイクロカプセルの作製は、Tgの低いカプセル壁材料については、脂肪族イソシアネートを多く用いることにより作製することができ、またTgの高いカプセル壁材料については、芳香族イソシアネートを多く用いることにより作製することができる。
またカプセル壁のTgの調整は、前記多官能イソシアネート化合物の重合の際の多価アルコール系化合物、或いは多価アミン系化合物の添加量、及び反応温度や反応時間を調整することによっても可能である。多価アミン系化合物等の添加量を増すことにより、或いは反応温度を高く、反応時間を長くすることにより、Tgを高くすることができるが、有効な添加量の上限、反応温度、及び反応時間の点で限界があり、大幅なTgの調整には最適なカプセル壁材の選択によることが好ましい。
本発明においてはTgの異なるカプセル壁材を任意に用いて、Tgの異なるマイクロカプセルを形成することができるが、本発明のマイクロカプセルにおいては、Tgの差が20℃乃至70℃の範囲にあることが好ましい。該Tgの差が20℃乃至70℃の範囲にあれば、温度差による効果を十分に発揮することができ、優れた画像の階調再現が可能であり、また所要の印加エネルギーが高くなり過ぎることもない。
上述のTgの差が20℃乃至70℃の範囲にあるマイクロカプセルのカプセル壁材の組合せとしては、高ガラス転移温度の壁材としてトリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等が、低ガラス転移温度の壁材としてヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート等が好ましく、これら中でも特に、トリレンジイソシアネートとイソホロンジイソシアネートの組合せが好ましい。尚、上記のカプセル壁材は2種以上を併用することができる。
また、本発明においては、マイクロカプセル壁のガラス転位温度を低下させる様な化合物を添加してTgを制御することもできる。この様な添加剤は増感剤と呼ばれ、マイクロカプセル壁として用いるポリマーの可塑剤の中から、融点が50℃以上、好ましくは120℃以下で、常温では固体であるものを適宜に選択して用いることができる。
例えば、壁材がポリウレア/ポリウレタンから成る場合には、上記増感剤(可塑剤)としては、カルバミン酸エステル化合物、芳香族アルコキシ化合物、有機スルホンアミド化合物、脂肪族アミド化合物、アリールアミド化合物、フェノール化合物、アルコール性化合物等が好適であり、具体例としては、p−tert−オクチルフェノール、p−ベンジルオキシフェノール、p−オキシ安息香酸フェニル、カルバニル酸ベンジル、カルバニル酸フェネチル、ハイドロキノンジヒドロキシエチルエーテル、キシリレンジオール、N−ヒドロキシエチル−メタンスルホン酸アミド、N−フェニル−メタンスルホン酸アミド等の化合物を挙げることができる。これらの増感剤は、芯物質中に含有させてもよいし、乳化分散物としてマイクロカプセル外に添加してもよい。
(感熱記録層)
本発明の感熱記録材料は、支持体上に、少なくとも、電子供与性染料前駆体を内包するマイクロカプセルと、該マイクロカプセルの外に上記電子供与性染料前駆体と反応して発色させる電子受容性化合物を含有する感熱記録層が設けられ、該感熱記録層が上述の体積平均粒子径の異なる2種類以上のマイクロカプセルを含有し、好ましくは、上記体積平均粒子径の異なる2種類以上のマイクロカプセルを含有する感熱記録層を2層以上有することを特徴とする。
本発明の感熱記録材料においては、更に好ましくは、体積平均粒子径の異なる2種類以上のマイクロカプセルを異なる構成比で含有させることにより、感熱記録層の熱感度を制御して、熱感度が互いに異なる感熱記録層を2層以上有することにより、医療用画像に必要な濃度領域において、印加熱エネルギーに対する濃度変化を低減することを可能にし、階調再現性に優れた感熱記録材料とすることができる。
以下、本発明の感熱記録層の構成について説明する。
(電子供与性染料前駆体)
本発明の電子供与性染料前駆体としては、エレクトロンを供与して、或いは酸等のプロトンを受容して発色する性質を有するものであって、ラクトン、ラクタム、サルトン、スピロピラン、エステル、アミド等の部分骨格を有し、顕色剤である後述の電子受容性化合物と接触して該部分骨格が開環もしくは開裂する化合物が用いられる。この様な化合物としては、例えば、トリフェニルメタンフタリド、インドリルフタリド等のフタリド系化合物、フルオラン系化合物、フェノチアジン系化合物、ロイコオーラミン系化合物、ローダミンラクタム系化合物、トリフェニルメタン系化合物、トリアゼン系化合物、スピロジピラン系化合物、ピリジン系化合物、ピラジン系化合物、フルオレン系化合物など各種の電子供与性無色染料化合物が挙げられる。
上記フタリド系化合物の具体例としては、例えば、米国再発行特許明細書第23024号、米国特許明細書第3491111号、同第3491112号、同第3491116号、同第3509174号等に記載されたものが挙げられる。
上記フルオラン系化合物の具体例としては、例えば、米国特許明細書第3624107号、同第3627787号、同第3641011号、同第3462828号、同第3681390号、同第3920510号、同第3959571号等に記載されたものが挙げられる。
上記スピロジピラン系化合物の具体例としては、例えば、米国特許明細書第3971808号等に記載されたものが挙げられる。
上記ピリジン系化合物及びピラジン系化合物の具体例としては、例えば、米国特許明細書第3775424号、同第3853869号、同第4246318号等に記載されたものが挙げられる。
上記フルオレン系化合物の具体例としては、例えば、特開昭63−94878号公報等に記載されたものが挙げられる。
(電子受容性物質)
本発明の電子受容性物質としては、従来から公知のフェノール誘導体、サリチル酸誘導体、芳香族カルボン酸の金属塩、酸性白土、ベントナイト、ノボラック樹脂、金属処理ノボラック樹脂、金属錯体等の化合物が用いられる。これらの例としては、特公昭40−9309号公報、同45−14039号公報、特開昭562−140483号公報、同48−51510号公報、同57−210886号公報、同58−87089号公報、同59−11286号公報、同60−76795号公報、同61−95988号公報等に記載されたものが挙げられる。
これらの具体例としては、4−t−ブチルフェノール、4−フェニルフェノール、2,2’−ジヒドロキシビフェニール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)、4,4’−sec−ブチリデンジフェノール、4,4’−シクロヘキシリデンジフェノール、4−ヒドロキシフエニル−3’,4’ジメチルフエニルスルホン、4−(4−イソプロポキシフエニルスルホニル)フエノール、4,4’−ジヒドロキシジフェニルサルファイド、1,4−ビス−(4’−ヒドロキシクミル)ベンゼン、1,3−ビス−(4’−ヒドロキシクミル)ベンゼン、4,4’−チオビス(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、4−ヒドロキシ安息香酸ベンジルエステル;
3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸、3−フェニル−5−(α,α−ジメチルベンジル)サリチル酸、3−クミル−5−t−オクチルサリチル酸、3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸、3−フェニル−5−t−オクチルサリチル酸、3−メチル−5−α−メチルベンジルサリチル酸、3−メチル−5−クミルサリチル酸、3,5−ジ−t−オクチルサリチル酸,3,5−ビス(α−メチルベンジル)サリチル酸,3−クミル−5−フェニルサリチル酸、5−n−オクタデシルサリチル酸、4−ペンタデシルサリチル酸、3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)サリチル酸、3,5−ビス−t−オクチルサリチル酸、4−β−ドデシルオキシエトキシサリチル酸、4−メトキシ−6−ドデシルオキシサリチル酸、4−β−フェノキシエトキシサリチル酸、4−β−p−エチルフェノキシエトキシサリチル酸、4−β−p−メトキシフェノキシエトキシサリチル酸等及びこれらの金属塩等が挙げられる。
これらの電子受容性物質は1種単独で使用してもよく、2種以上を併用して用いてもよい。
本発明の感熱記録材料においては、上記電子受容性化合物の使用量としては、前述の電子供与性染料前駆体の50〜800質量%が好ましく、100〜500質量%がより好ましい。該使用量が800質量%を越えても、電子受容性物質を多量に添加することに見合う効果が得られず不経済であり、また該使用量が50質量%未満であると発色濃度が不十分になることがあり、いずれも好ましくない。
電子受容性物質と電子供与性染料前駆体を発色成分として、前記ポリビニルアルコール系水溶性樹脂の水溶液中に混合する場合は、電子受容性物質と電子供与性染料前駆体とを、同一のポリビニルアルコール系水溶性樹脂の水溶液に混合してもよいし、各々を別々のポリビニルアルコール系水溶性樹脂の水溶液に混合し、得られた2種の混合液を更に混合してもよい。その他、発色助剤等の成分を混合してもよい。
その他、感熱記録層には、感熱記録材料の用途に応じて、熱可融性物質や紫外線吸収剤、顔料、増感剤、ワックス、帯電防止剤、消泡剤、導電剤、蛍光染料、界面活性剤、紫外線吸収剤プリカーサー等を添加することもできる。
(ポリビニルアルコール)
本発明において、感熱記録材料用の組成物として、平均鹸化度が95〜100%であるポリビニルアルコールを保護層や中間層等に用いることが好ましい。該平均鹸化度が95%より小さいと結晶性が小さくなり、バリアー性が低下するため好ましくなく、該平均鹸化度は95〜98%が特に好ましい。
また、上記ポリビニルアルコールの重合度としては、300〜3000の範囲にあることが、バリアー性及び水への溶解性を維持する上で好ましく、特に1500〜2500の範囲が好ましい。
(その他の組成)
本発明の感熱記録材料用の組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、従来より公知の材料を広く用いることができる。上記ポリビニルアルコール以外のポリビニルアルコール、エチレン変性ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール等の変性ポリビニルアルコールを用いることができる。該エチレン変性ポリビニルアルコールを用いる場合は、エチレン変性度は1〜20%であるのが好ましく、特に4%〜12%であるのが好ましい。該エチレン変性度がこの範囲未満であると耐水性が低下し、この範囲を超えると水溶性が低下することがある。
上記エチレン変性ポリビニルアルコールは、その特性及び塗液安定性に悪影響を及ぼさない範囲で他の官能基で更に変性されていてもよい。他の官能基の具体例としては、カルボキシル基、末端アルキル基、アミノ基、スルホン酸基、末端チオール基、シラノール基、アミド基などが挙げられる。該エチレン変性ポリビニルアルコールに溶解性を付与する観点からは、これらの中でもカルボキシル基変性及びアミノ基変性スルホン酸基等が有効である。
また、公知の水溶性樹脂、例えば酢酸ビニル−アクリルアミド共重合体、珪素変性ポリビニルアルコール、澱粉、変性澱粉、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ゼラチン類、アラビアゴム、カゼイン、スチレン−マレイン酸共重合体加水分解物、スチレン−マレイン酸共重合物ハーフエステル加水分解物、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体加水分解物、ポリアクリルアミド誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリスチレンスルホン酸ソーダ、アルギン酸ソーダ等を用いることもできる。
(感熱記録材料)
本発明の感熱記録材料としては、支持体上に、体積平均粒子径の異なるマイクロカプセルの構成比を異にした感熱記録層を、2層以上設けてなる記録材料である形態が好ましい態様である。、体積平均粒子径の異なるマイクロカプセルの構成比を異にした感熱記録層を2層以上設けることにより、医療用画像に必要な濃度領域において、印加熱エネルギーに対する濃度変化を低くすることが可能になり、得られる画像の階調再現性に優れた感熱記録材料を提供することができる。特に医療用の感熱記録材料の分野では、幅広い濃度領域において優れた階調再現性が要求されるため、本発明の感熱記録材料が好適に用いられる。
また本発明の記録材料は、上記感熱記録層上に、中間層及び保護層を設けることが好ましく、更に下塗り層や紫外線フィルター層、バック層等を設けることもできる。
本発明の感熱記録層としては、サーマルヘッドの僅かな熱伝導の差異から生じる濃度ムラ等を抑え、高画質な画像を得るため、飽和透過濃度(Dmax)を得るのに必要なエネルギー量幅、即ちダイナミックレンジが広い感熱記録層であることが好ましい。本発明の感熱記録材料は上記の様な感熱記録層を有し、90〜150mJ/mm2の範囲の熱エネルギーで透過濃度(Dt−max)3.0を得ることができる特性を有する感熱記録層であることが好ましい。また、本発明の感熱記録層は塗布及び乾燥後の乾燥塗布量が1〜25g/m2になる様に塗布されることが好ましい。感熱記録層としては、2層以上積層して用いることも可能である。この場合も、全感熱記録層の塗布及び乾燥後の乾燥塗布量が1〜25g/m2になる様に塗布されることが好ましい。
(保護層)
保護層は、上記感熱記録層上に、又はその他の層として中間層を感熱記録層上に設ける場合には、後述する中間層上に形成される。該保護層は通常、保護層用塗布液を塗工してなる。該保護層に用いられる顔料としては、特に限定されるものではなく、公知の有機又は無機の顔料を使用することができる。具体的には、炭酸カルシウム、酸化チタン、カオリン、水酸化アルミニウム、非晶質シリカ、酸化亜鉛等の無機顔料、及び尿素ホルマリン樹脂、エポキシ樹脂等の有機顔料が好ましい。中でも、カオリンや水酸化アルミニウム、非晶質シリカが特に好ましい。これらの顔料は1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。また顔料は高級脂肪酸や高級脂肪酸の金属塩、高級アルコールからなる群より選択される少なくとも1種により表面被覆されていてもよい。該高級脂肪酸としてはステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸等を挙げることができる。
これらの顔料は、例えばヘキサメタリン酸ソーダ、部分鹸化又は完全鹸化のポリビニルアルコール、ポリアクリル酸共重合体、各種界面活性剤等の分散助剤を挙げることができる。中でも好ましくは、部分鹸化または完全鹸化のポリビニルアルコール、ポリアクリル酸共重合体をアンモニウム塩の共存下で、ディゾルバー、サンドミル、ボールミル等の既知の分散機で、顔料の50%体積平均粒径が0.1〜5.0μmの範囲の粒径になるまで分散してから使用されることが好ましい。
更に上記保護層中には、感熱記録材料の帯電防止の目的で、界面活性剤、金属酸化物微粒子、無機電解質、高分子電解質等を添加してもよい。
(支持体)
支持体としては、ポリエステル、特にポリエチレンテレフタレート(PET)が好ましく用いられる。医療用途の場合、透明支持体は青色染料(例えば、特開平8‐240877号公報の実施例記載の染料―1)で着色されていてもよいし、無着色でもよい。支持体にはゼラチンや水溶性ポリエステル等の下塗りを施すことが好ましい。下塗り層に関しては例えば、特開昭51‐11420号公報、同51‐123139号公報、同52‐65422号公報に記載のものが利用できる。
(中間層)
中間層は、前記感熱記録層上に形成されることが好ましい。該中間層は層の混合防止や画像保存性に対して有害なガス(酸素、オゾン等)の遮断のために設けられる。この目的で使用するバインダーは特に制限がなく、系に応じてポリビニルアルコール、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、セルロース誘導体等を用いることができる。中でもゼラチンは、高温では水溶液が流動性を有しているが、低温(例えば35℃以下)にすると流動性を失いゲル化する性質(セット性)に優れるため、支持体上に複数の層を形成するための塗布液を塗布し乾燥して該層を設ける場合に、複数の層を順次塗布し乾燥する方法でも、或いは押し出しダイ方式等で一度に重層塗布し乾燥する方法においても、隣接する二つの層が相互に混合することが有効に防止され、得られる感熱記録材料の面状が良好となり、高品位な画像形成が可能な感熱記録材料を得ることができるため、細部まで明瞭な画像を形成する必要のある、医療診断用記録材料に好適である。更に高い風速で乾燥しても面状が悪化しないので、製造効率が向上する。
この様なゼラチンとしては、無修飾(未処理)ゼラチンあるいは修飾(処理)ゼラチンがいずれも支障なく用いられる。修飾ゼラチンとしては、石灰処理ゼラチン、酸処理ゼラチン、フタル化処理ゼラチン、脱イオン処理ゼラチン、酵素処理低分子量ゼラチン等が挙げられる。また塗布性付与のため、種々の界面活性剤を添加してもよい。更にガスバリアー性をより高めるために、雲母等の無機微粒子を上記バインダーに対し2〜20質量%、より好ましくは5〜10質量%添加してもよい。中間層用塗布液のバインダー濃度は3〜25質量%、好ましくは5〜15質量%である。また中間層の乾燥塗布量は0.5〜6g/m2が好ましく、1〜4g/m2がより好ましい。
(下塗り層)
本発明の感熱記録材料においては、支持体から感熱記録層が剥がれることを防止する目的で、マイクロカプセル等を含有する感熱記録層や光反射防止層を塗布する前に支持体上に下塗り層を設けることが好ましい。該下塗り層としては、アクリル酸エステル共重合体、ポリ塩化ビリニデン、SBR、水生ポリエステル等を用いることができ、層の厚さは0.05〜0.5μmが好ましい。
下塗り層の上に感熱記録層を塗布する際、感熱記録層用塗布液に含まれる水により下塗り層が膨潤して、感熱記録層に記録された画像が悪化することがあるので、下塗り層にはグルタルアルデヒド、2,3−ジヒドロキシ−1、4−ジオキサン等のジアルデヒド類、及びホウ酸等の硬膜剤を用いて硬化させることが好ましい。これらの硬膜剤の添加量は下塗り素材の質量に応じて、0.2〜3.0質量%の範囲で、希望する硬膜度に合わせて、適切な添加量を選ぶことができる。
(紫外線フィルター層)
本発明の感熱記録材料においては、画像の光による退色及び地肌カブリ防止のため、光遮断層を設けてもよい。光遮断層は結合剤中に紫外線吸収剤を均一に分散させたものであり、この均一に分散させた紫外線吸収剤が有効に紫外光を吸収することにより、紫外光によって地肌が黄変したり、画像部が変色又は退色することを防止する。光遮断層の作成方法および用いる化合物については、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ヒンダードアミン系等の紫外線吸収剤のほか、特開平4−197778号公報に記載されているものが利用できる。
(バック層)
本発明における感熱記録材料は、支持体の一面にマイクロカプセルを含む感熱記録層を有し、他方の面にバック層を有する片面感材であることが好ましい。バック層には搬送性付与および光反射防止の目的で、マット剤を添加することが好ましい。マット剤の添加により、入射光角20°で測定した光沢度を50%以下にすることが好ましく、30%以下にすることがより好ましい。マット剤としては、大麦、小麦、コーン、米、豆類等より得られる澱粉等の微粒子の他、セルロースファイバー、ポリスチレン樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、尿素ホルマリン樹脂、ポリ(メタ)アクリレート樹脂、ポリメチル(メタ)アクリレート樹脂,塩化ビニル樹脂または酢酸ビニル等の共重合体樹脂,ポリオレフィン等の合性高分子の微粒子、炭酸カルシウム、酸化チタン、カオリン、スメクタイト粘土、水酸化アルミニウム、シリカ、酸化亜鉛等の無機物の微粒子等が挙げられる。
マット剤の平均粒径は0.5〜20μmが好ましく、0.5〜10μmの範囲がより好ましい。該マット剤は1種単独でも,2種以上を併用してもよい。また感熱記録材料の透明性を良好なものとする観点から,屈折率が1.4〜1.8の範囲にあることが好ましい。バック層には、色相改良の観点から、各種染料(例えば、C.I.Pigment Blue 60,C.I.Pigment Blue 64,C.I.Pigment Blue 15:6を用いることができる。またバック層には硬膜剤を用いてもよい。硬膜剤の例としては、T.H.James著「THE THEORY OF THE PHOTOGRAPHIC PROCES 4TH EDITION」の77頁〜87頁に記載のある各方法があり、ビニルスルホン系化合物が好ましい。
(感熱記録材料の製造方法)
次に、本発明の感熱記録材料の製造方法について説明する。本発明の感熱記録材料の製造方法は、例えば、支持体上に感熱記録層用塗布液を塗布して感熱記録層を形成し、該感熱記録層上に保護層形成用塗布液を塗布して保護層を形成し、さら必要に応じてその他の層を形成してなる。ここで上記感熱記録層及び保護層を同時に形成してもよく、その場合には感熱記録層及びその上に保護層を同時に形成することができる。
ここで使用される支持体は、本発明の感熱記録材料に使用される既述の支持体を使用することができる。また上記感熱記録層形成用塗布液としては、前述した感熱記録層形成用塗布液を用いることができ、上記保護層形成用塗布液も前述した顔料およびバインダーを含有する保護層用塗布液使用することができる。またその他の層としては、前述した下塗り層、中間層、紫外線フィルター層、バック層等のその他の層が挙げられる。
本発明の感熱記録材料はいかなる方法で塗布されてもよい。具体的には、エクストルージョンコーティング、スライドコーティング、カーテンコーティング、ナイフコーティング、浸漬コーティング、フローコーティング、または米国特許第2681294号に記載の種類のホッパーを用いる押し出しコーティングを含む種々のコーティング操作が用いられ、Stephen F.Kistler,Petert M.Schwaizer著「LIQUID FILM COATING」(CHAPMAN&HALL社刊、1997)の399頁〜536頁に記載のエクストルージョンコーティング、又はスライドコーティングが好ましく用いられ、特に好ましくはスライドコーティングが用いられる。スライドコーティングに使用されるスライドコーターの形状の例は同書427頁のFigure 11b.1に記載されている。また、所望により同書399頁〜536頁に記載の方法、米国特許第2761791号及び英国特許第837095号に記載の方法により2層、又はそれ以上の層を同時に被覆することができる。乾燥としては乾球温度20〜65℃、好ましくは25〜55℃、湿球温度10〜30℃、好ましくは15〜25℃の乾燥風で乾燥される。
(サーマルヘッド)
本発明の感熱記録方式に用いられるサーマルヘッドは、感熱記録材料に接触する最上層の炭素比率が90%以上になるように、既知の製膜装置を用いてグルーズ層上に発熱抵抗体と電極を具備する加熱素子に保護層を設けたものである。ヘッド保護層は2層以上でもよいが、少なくとも最上層は炭素比率が90%以上であることが必要である。
以下に、実施例を示し本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。尚、本実施例中で使用する濃度は、全て質量%である。また、乳化分散液とは、水中油滴分散型の乳化分散物を意味する。
[実施例1]
(保護層用塗布液の調製)
(1)保護層用顔料分散液の調製
水110gに、顔料としてステアリン酸で表面処理した水酸化アルミニウム(昭和電工(株)製の商品名「ハイジライトH42S」)30gを加え、3時間かけて撹拌した後、これに分散助剤(花王(株)製の商品名「ポイズ532A」)0.8g、10%ポリビニルアルコール水溶液((株)クラレ製の商品名「PVA105」)30g、濃度2%に調整した下記構造式[100]で表される化合物の水溶液10gを加え、サンドミルで分散して、平均粒径0.30μmの保護層用顔料分散液を得た。
Figure 2004216878
(2)保護層用塗布液の調製
水65gに、
・8%のポリビニルアルコール水溶液
((株)クラレ製の商品名「PVA124C」) 90g
・20.5の%ステアリン酸亜鉛分散物
(中京油脂(株)製の商品名「F115」) 5.5g
・21.5%のステアリン酸アミド化合物
(中京油脂(株)製の商品名「G−270」) 3.8g
・18.0%のステアリン酸分散物
(中京油脂(株)製の商品名「セロゾール920」) 2.8g
・4%のホウ酸水溶液 10g
・前記の保護層用顔料分散液 70g
・35%のシリコーンオイル(ポリジメチルシロキサン)水分散液
(東レ・ダウコーニング(株)製の商品名「BY22−840」) 4.7g
・10%のドデシルベンゼンスルフォン酸Na塩水溶液 6.5g
・75%のジ−2−エチルヘキシルスルフォコハク酸のアンモニウム塩水溶液
(日本油脂(株)製の商品名「ニッサンエレクトールSAL1」) 3.28g
・6%のスチレン−マレイン酸共重合体のアンモニウム塩水溶液
(荒川化学(株)製の商品名「ポリマロン385」) 17.5g
・20の%コロイダルシリカ
(日産化学(株)製の商品名「スノーテックスO」) 14g
・10%の「サーフロンS131S」(旭ガラス(株)製) 16g
・「プライサーフA217E」(第一工業製薬(株)製) 1.1g
・2%の酢酸 8g
を混合して保護層用塗布液を得た。
(中間層用塗布液の調製)
石灰処理ゼラチン1kgに、水7848gを加え、溶解した後に、ジ−2−エチルヘキシルスルフォコハク酸Na塩(日本油脂(株)製の商品名「ニッサンラピゾールB90」)の5%溶解液(水/メタノール=1/1体積混合溶媒)を137g加え、中間層用塗布液を調製した。
(感熱記録層用塗布液の調製)
以下の様に、電子供与性染料前駆体を芯物質として内包するマイクロカプセル含有塗布液、及び電子受容性化合物(顕色剤)乳化分散液の各液を調製した。
(1)マイクロカプセル含有塗布液(A)の調製
電子供与性染料前駆体(発色剤)として、
・下記構造式[201]で表される化合物 11.7g
・下記構造式[202]で表される化合物 1.5g
・下記構造式[203]で表される化合物 2.2g
・下記構造式[204]で表される化合物 5.65g
・下記構造式[205]で表される化合物 1.2g
・下記構造式[206]で表される化合物 1.1g
・下記構造式[207]で表される化合物 0.57g
を酢酸エチル24.3gに添加して、70℃に加熱し溶解した後、45℃まで冷却した。これに、カプセル壁剤(三井武田ケミカル(株)製の商品名「タケネートD140N」)15.4gを加え混合した。
Figure 2004216878
Figure 2004216878
Figure 2004216878
この溶液を、水16gに8%ポリビニルアルコール水溶液((株)クラレ製の商品名「MP−103」)48gを混合した水相中に加えた後、「エースホモジナイザー」(日本精機(株)製)を用いて、回転数10000rpmで5分間かけて乳化分散を行った。得られた乳化物に、更に水110g及びテトラエチレンペンタミン1.0gを添加した後、60℃に昇温して4時間かけてカプセル形成反応を行い、平均粒径0.80μmのマイクロカプセル含有塗布液(A)を調製した。
ここで、上記「平均粒径」は、マイクロカプセル含有塗布液に水を加えて濃度0.5%に希釈した被検液を、40℃の温水中に投入し、光透過率が75.0±1.0%になる様に調整した後、2分間かけて超音波処理を施し、(株)堀場製作所製のレーザー回折粒度分布測定装置(商品名「LA700」)により測定した「全マイクロカプセルの50体積%に相当するマイクロカプセルの平均粒子径」を表し、本実施例に記載の「平均粒径」は、全て同様の方法により測定した平均粒子径を表す。
また、得られたマイクロカプセル液(A)のカプセル壁のガラス転移温度(Tg)を、ポリマーラボラトリー社製のガラス転移温度測定器「DMTA(Dynamic Mechanical Thermal Analyzer)」を用いて測定したところ、193℃であった。
(2)マイクロカプセル含有塗布液(B)の調整
発色剤として、
・前記構造式[201]で表される化合物 12.2g
・前記構造式[202]で表される化合物 1.6g
・前記構造式[203]で表される化合物 2.4g
・前記構造式[204]で表される化合物 3.3g
・前記構造式[205]が表される化合物 1.5g
・前記構造式[206]で表される化合物 0.2g
・前記構造式[207]が表される化合物 0.5g
を酢酸エチル21gに添加し、70℃に加熱し溶解した後、35℃に冷却した。これに、カプセル壁剤(三井武田ケミカル(株)製の商品名「タケネートD127N」)16.6gを加え混合した。
この溶液を、水16.6gに8%ポリビニルアルコール水溶液((株)クラレ製の商品名「MP−103」)48.1gを混合した水相中に加え、「エースホモジナイザー」(日本精機(株)製)を用いて、回転数15000rpmで5分間かけて乳化分散を行なった。得られた乳化液に、更に水112g及びテトラエチレンペンタミン0.9gを添加した後、60℃に昇温して4時間かけてカプセル化反応を行ない、平均粒径0.30μmのマイクロカプセル含有塗布液(B)を調製した。
得られたマイクロカプセル液(B)のカプセル壁のTgを、前記のマイクロカプセル液(A)と同様に測定したところ、153℃であった。
(3)顕色剤乳化分散液(C)の調製
電子受容性化合物(顕色剤)として
・下記構造式[301]で表される化合物 22.0g
・下記構造式[302]で表される化合物 8.0g
・下記構造式[303]で表される化合物 2.6g
・下記構造式[304]で表される化合物 2.6g
・下記構造式[306]で表される化合物 0.5g
・下記構造式[307]で表される化合物 4.0g
をトリクレジルフォスフェート1.0g、マレイン酸ジエチル0.5gと共に、酢酸エチル16.5gに添加し、70℃に加熱して溶解した。
Figure 2004216878
Figure 2004216878
この溶液を、水67g、8%ポリビニルアルコール水溶液((株)クラレ製の「PVA217C」)55g、15%ポリビニルアルコール水溶液((株)クラレ製の商品名「PVA205C」)19.5g、下記構造式[401]で表される化合物の2%水溶液11.0g及び下記構造式[402]で表される化合物の2%水溶液11.0gを混合した水相中に加えた後、「エースホモジナイザー」(日本精機(株)製)を用いて、回転数10000rpmで平均粒径0.7μmになる様に乳化分散して、顕色剤乳化分散液(C)を得た。
Figure 2004216878
(4)感熱記録層用塗布液(A)の調製
・前記マイクロカプセル含有塗布液A(固形分濃度23%) 65g
・前記マイクロカプセル含有塗布液B(固形分濃度24%) 13g
・前記顕色剤乳化分散液C(固形分濃度22%) 100g
・コロイダルシリカ(日産化学(株)製「スノーテックスO」) 3.6g
・下記構造式[403]で表される化合物の50%水溶液 1.3g
・水 6.7g
を混合して、感熱記録層用塗布液(A)を調製した。
Figure 2004216878
(5)感熱記録層用塗布液(B)の調製
・マイクロカプセル含有塗布液A(固形分濃度23%) 9g
・マイクロカプセル含有塗布液B(固形分濃度24%) 18g
・顕色剤乳化分散液C(固形分濃度22%) 100g
・コロイダルシリカ(日産化学(株)製のスノーテックスO) 4.5g
・前記構造式[403]で表される化合物の50%水溶液 1.2g
・水 14.5g
を混合して、感熱記録層用塗布液(B)を調製した。
(バック層付支持体の作製)
(1)バック層用塗布液(A)の調製
石灰処理ゼラチンを1kg、平均粒子径5.7μmの球形PMMA粒子12%を含むゼラチン分散物を757g、下記構造式[501]〜[505]で表わされる化合物を以下の質量割合で含む紫外線吸収剤の乳化物を3761g、
(ここで、該乳化物1kg当たりの紫外線吸収剤の含有量は、
・下記構造式[501]で表される化合物 9.8g
・下記構造式[502]で表される化合物 8.4g
・下記構造式[503]で表される化合物 9.8g
・下記構造式[504]で表される化合物 13.98g
・下記構造式[505]で表される化合物 29.3g
である。)及び、
・1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン 1.75g
・ポリ(p−ビニルベンゼンスルホン酸ナトリウム)(分子量:約40万)
64.2g
・下記構造式[506]で表わされる化合物 10.0g
・ポリエチルアクリレートの20%ラテックス液 3180mL
・N,N−エチレン−ビス(ビニルスルホニルアセトアミド) 75.0g
・1,3−ビス(ビニルスルホニルアセトアミド)プロパン 25.0g
以上に水を加えて、全量を62.77リットルとなる様に調製した。
Figure 2004216878
(2)バック層用塗布液(B)の調製
石灰処理ゼラチンを1kg、平均粒子径0.7μmの球形PMMA粒子を12%含むゼラチン分散物を2000g、メタノールを1268mL、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンを1.75g、ポリアクリル酸ナトリウム(分子量:約10万)を64.4g、ポリ(p−ビニルベンゼンスルホン酸ナトリウム)(分子量:約40万)を54g、p−tert−オクチルフェノキシポリオキシエチレン−エチレンスルホン酸ナトリウムを25.2g、N−プロピル−N−ポリオキシエチレン−パーフルオロオクタンスルホン酸アミドブチルスルホン酸ナトリウムを5.3g、パールフルオロオクタンスルフォン酸カリウムを7.1g、を苛性ソーダでpH=7.0に調整した後、水を加えて全量を66.79リットルとなる様に調製した。
(3)バック層付支持体の作製
上記のバック層用塗布液(A)及びバック層用塗布液(B)を、JIS−Z8701記載の方法により規定された、色度座標でx=0.2850、y=0.2995に青色染色した、厚み180μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)支持体の片面に、支持体に近い側から、上記バック層用塗布液(A)、上記バック層用塗布液(B)の順に、それぞれ塗布量が44.0mL/m2、18.5mL/m2となる様にスライドビード法により同時重層塗布し乾燥した。
上記塗布乾燥の条件は次の通りである。塗布スピードは160m/分とし、コーティング・ダイ先端と支持体との間隔を0.10〜0.30mmとし、減圧室の圧力を大気圧に対して200〜1000Pa低く設定した。上記支持体は塗布前にイオン風にて除電した。引き続くチリング・ゾーンにおいて、乾球温度0〜20℃の風で塗布液を冷却した後、無接触で搬送して、蔓巻式の無接触型乾燥装置により、乾球温度23〜45℃、湿球温度15〜21℃の乾燥風で乾燥させた。
(感熱記録材料の作製)
上記のバック層を塗設した支持体のバック層と反対の面に、支持体に近い側から感熱記録層用塗布液(A)、感熱記録層用塗布液(B)、中間層用塗布液、及び保護層用塗液の順で、それぞれ塗布量が50mL/m2、20mL/m2、18.2mL/m2、26.2mL/m2になる様にスライドビード法により同時重層塗布し乾燥して、支持体側から感熱記録層(A)、感熱記録層(B)、中間層、及び保護層を設けた本発明の透明な感熱記録材料を得た。ここで各層の塗布液は33〜37℃の温度範囲に調整した。また乾燥条件は次の通りである。即ち、塗布スピードは毎分160mとし、コーティング・ダイ先端と支持体との間隔は0.10〜0.30mmとし、減圧室の圧力は大気圧に対して200〜1000Paだけ低く設定した。支持体は塗布前にイオン風にて除電した。引き続く初期乾燥ゾーンにおいて、温度45〜55℃、露点0〜5℃の風にて乾燥後、無接触で搬送して、蔓巻き式無接触型乾燥装置により、乾球温度30〜45℃、湿球温度17〜23℃の乾燥風で乾燥させ、乾燥後25℃で湿度40〜60%にて調湿した。
[実施例2]
実施例1の(感熱記録層用塗布液の調製)において、(2)マイクロカプセル含有塗布液(B)の調整で用いた「エースホモジナイザー」の回転数15000rpmを回転数12000rpmに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、平均粒径0.40μmのマイクロカプセル含有塗布液(B1)を調製した。
以下、実施例1において、(4)感熱記録層用塗布液(A)の調製及び(5)感熱記録層用塗布液(B)の調製で用いたマイクロカプセル含有塗布液(B)を上記マイクロカプセル含有塗布液(B1)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして本発明の透明な感熱記録材料を得た。
[実施例3]
実施例2の(感熱記録層用塗布液の調製)において、(1)マイクロカプセル含有塗布液(A)の調整で用いた「エースホモジナイザー」の回転数10000rpmを回転数8000rpmに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、平均粒径0.90μmのマイクロカプセル含有塗布液(A1)を調製した。
以下、実施例2において、(4)感熱記録層用塗布液(A)の調製で用いたマイクロカプセル含有塗布液(A)を上記マイクロカプセル含有塗布液(A1)に変更し、また(5)感熱記録層用塗布液(B)の調製で用いたマイクロカプセル含有塗布液(A)9gとマイクロカプセル含有塗布液(B1)18gを上記マイクロカプセル含有塗布液(A1)14gとマイクロカプセル含有塗布液(B1)13gに変更したこと以外は、実施例2と同様にして本発明の透明な感熱記録材料を得た。
[比較例1]
実施例2において、(4)感熱記録層用塗布液(A)の調製で用いたマイクロカプセル含有塗布液(A)の配合量65gを79gに変更しマイクロカプセル含有塗布液(B1)を使用せず、また(5)感熱記録層用塗布液(B)の調製で用いたマイクロカプセル含有塗布液(A)の配合量9gを27gに変更しマイクロカプセル含有塗布液(B1)を使用しなかったこと以外は、実施例2と同様にして比較例1の透明な感熱記録材料を得た。
(熱感度の評価試験)
上記で得られた実施例1〜3及び比較例1の感熱記録材料について、サーマルプリンター「TRT−16」(長野日本無線株式会社製)を用いて、サーマルヘッドの印加熱エネルギーを変量して画像を記録した場合の各画像部の透過濃度をマクベス濃度計「TD−904」(マクベス社製)を用いて測定した。
(階調性の評価)
得られた各画像部の透過濃度から、階調性を評価するために、透過濃度1.0〜1.5における印加熱エネルギーを求め、印加熱エネルギーに対する濃度変化γ(=濃度差ΔD÷感度差ΔLogE)を求めた。それらの結果を表1に示す。
Figure 2004216878
表1から明らかな様に、体積平均粒子径の異なる2種のマイクロカプセルからなり、その構成比を異にした2層の感熱記録層を有する本発明(実施例1〜3)の感熱記録材料は、印加エネルギーに対する濃度変化が比較例1に比し低く、画像の階調表現に優れることが判明した。

Claims (4)

  1. 支持体上に、少なくとも、電子供与性染料前駆体を内包するマイクロカプセルと、該マイクロカプセルの外に上記電子供与性染料前駆体と反応して発色させる電子受容性化合物を含有する感熱記録層を設けてなる感熱記録材料において、
    上記マイクロカプセルが、体積平均粒子径の異なる2種類以上のマイクロカプセルからなることを特徴とする感熱記録材料。
  2. 前記体積平均粒子径の異なる2種類以上のマイクロカプセルを含有する感熱記録層が、2層以上設けられてなることを特徴とする請求項1に記載の感熱記録材料。
  3. 前記体積平均粒子径の異なる2種類以上のマイクロカプセルの各体積平均粒子径の差が、0.3〜0.7μmである請求項1又は2に記載の感熱記録材料。
  4. 少なくとも、体積平均粒子径の大きいマイクロカプセル(x)と体積平均粒子径の小さいマイクロカプセル(y)との質量構成比(x/y)が85/15〜55/45の感熱記録層と、該質量構成比(x/y)が20/80〜50/50の感熱記録層と、を有する請求項1〜3のいずれかに記載の感熱記録材料。
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