JP2009532226A - レーザー−マーキング性材料を形成するための塗布組成物およびレーザー−マーキング性材料 - Google Patents
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Abstract
【選択図】図1
Description
従来の方法の中でも、印刷、エンボス処理、スタンピングおよびラベルの貼付が、製品のマーキングのための主な手段である。しかし、特別な用途においては、頻繁な情報の変更、例えば個性化された製品の認識、コード化、製造日、ロット番号、または期限日のマーキングを可能とすることが望ましいことであり得る。従って、内容の迅速な変更を可能とする、マーキング手段に対する要望がある。
特に、自己接着性ラベル上での直接的な感熱印刷、熱的染料転写印刷、インクジェット印刷、エンボス処理またはスタンピングを含む様々な印刷技術が、このような用途に対して利用されている。しかし、特に、各製品またはラベルとの物理的な接触を要する場合、例えば感熱印刷(直接または染料転写)、ドロップ-オン-デマンド(drop-on-demand; DOD)式のインクジェット印刷、エンボス処理またはスタンピングの場合には、製造の際の処理量は、該印刷速度における障害のために、しばしば制限されてしまう。更に、これらのマーキング技術は、物理的な接触に拠っているので、不規則な表面を持つ製品上にマーキングするには不適当である。感熱印刷装置は、また他の欠点、例えばサーマルヘッド上での汚れの蓄積、および該装置の接触表面の摩耗等の欠点を有しており、これらは、マーキング性能および信頼性を損なう。
特定の波長および強度を持つ電磁波の集束ビーム、例えばレーザービームを用いる、非接触式の迅速マーキング法が、当分野において公知である。ここで、レーザービームを用いる方法は、一般に「レーザーマーキング」として知られている。しかし、レーザーマーキング技術の主な一つの欠点は、該レーザービームと、マーキングすべき物質との間に強力な相互作用を必要とする点にあり、これは非-マーキング領域にかなりの色彩または濃度変化を生じる。この難点は、多くの包装材料、例えばプラスチックフィルムまたは容器、金属製の缶またはガラス製ボトルの何れもが、レーザービーム(特に、低出力および/または長波長のレーザービーム)と十分な相互作用をせず、あるいは該相互作用が、高性能のマークを生成すべく、該材料上で著しいコントラスト変化を生じることがなく、あるいは該相互作用が強力である場合において、該材料自身に直接損傷を引起すことにある。
直接的な感熱印刷技術に基く、染料を主成分とする媒体のもう一つの重大な欠点は、望ましからぬ化学物質に対する暴露、特に酸および塩基溶液または有機溶媒に対して暴露した際のその感受性である。しかし、幾つかの包装並びにラベル付け用途に対して、該被覆された基板は、しばしば様々な化学物質による攻撃に対して、高い耐性を持つことが要求される。例えば、典型的なラベルの印刷において、溶剤型のフレキソインクが、高頻度で使用され、あるいは幾つかの場合には、ラベルフィルム上の、溶剤型の下塗り層を適用して、平坦性および該フィルムへのインクの接着性を高めている。両者の場合において、これら処方物中の有機溶媒は、しばしば、該染料-現像剤系の不安定化のために、上記の像形成層上に望ましからぬ色彩、不透明性または密度の変化を引起す。
従来のレーザー融除手段の使用に係る別の欠点は、該手段の使用が、マーキングされない領域と比較して、大幅な色彩または濃度変化を生じるために、該マーキング基板と該レーザービームとの間に強力な相互作用を必要とする点にある。プラスチックフィルム、容器およびガラスボトル等の包装材料が、レーザービームエネルギーと十分に相互作用することができず、該相互作用が、該材料上に十分なコントラスト変化を生成できず、および/または該相互作用が、該基板表面に望ましからぬ損傷を生じる恐れがある点にある。
該基板上に、塗膜を形成することができ、該塗膜は、レーザービームのエネルギーを吸収して、該塗布された基板上に視認性のマークを生成し得る。この種のレーザー-マーキング性塗膜は、顔料、染料、バインダ、並びに他の塗膜用添加剤を含むことができる。該塗布組成物は、実質的にフィルム形成剤として機能する、バインダを含むことができる。バインダは、そのフィルム形成機能のために使用できるだけではなく、レーザー-マーキング性組成物において特定の効果を得る目的で、様々な用途において使用することができる。
本発明の第二の目的は、良好な媒体保存安定性または耐熱性およびレーザー暴露に対する最適な感度との間の釣合いのとれた性能を持つ、媒体を提供することにある。
本発明の第三の目的は、広い範囲の用途における要求を満たす、高い透明度を持つ、レーザー-マーキング性媒体を提供することにある。
更に別の本発明の目的は、レーザー-マーキング性媒体の構成であって、レーザーマーキング工程中に分解された化学物質の蒸気または破壊屑を放出せず、また該マーク形成層を、環境に対する直接的暴露から隔離することができ、また結果として該マーク形成層を、直接的な機械的磨滅または化学的攻撃から保護する、レーザー-マーキング性媒体の構成を提供することにある。
本発明の更なる目的は、該媒体の使用方法を提供することにある。
もう一つの局面によれば、レーザー-マーキング性材料が提供され、該レーザー-マーキング性材料は、塗布層を含み、該塗布層は、約150〜約190℃なる範囲のガラス転移温度:Tgを持つポリマーでカプセル化した、電子供与性染料プリカーサ粒子を含み、該染料プリカーサ粒子全体積の少なくとも90%が、約0.2μm〜約5μmなる範囲の径を持つことを特徴とする。
本発明の最初の三つの目的を達成するために、該マーク形成層の組成は、以下の主な要素を含む:好ましくは特定の範囲内のTgを持つポリマー内に、マイクロカプセル化された、電子供与性染料プリカーサ、該電子供与性染料プリカーサと反応して、可視スペクトルの波長領域において、強い吸収性を持つ染料に転化することのできる、電子受容性化合物およびこれら二つの種が分散され、またこれらの種が、相互に反応可能な距離の極近傍にあるように塗布される、ポリマー分散媒。
電子供与性染料プリカーサ:
本発明において好ましく使用できる電子供与性染料プリカーサは、実質的に無色であり、好ましくは電子の供与によりあるいは酸からプロトンを受容することによって発色するような特性を持つ、無色化合物である限り、特に限定されるものではない。該電子供与性染料プリカーサの骨格における、特に好ましい構造上の特徴は、開環反応に付される、または電子受容性化合物と接触状態に置かれた場合に、開裂するリング構造を含むことである。このような構造上の特徴の、典型的な例は、特にラクトン、ラクタム、サルトン(saltone)、またはスピロピランである。
該フルオラン系化合物の具体的な例は、米国特許第3624107号、同第3627787号、同第3641011号、同第3462828号、同第3681390号、同第3920510号および同第3959571号に記載されている化合物を含む。該フルオレン系化合物の具体的な例は、日本国特許出願第61-240989号に記載されている化合物を含む。該スピロピラン系化合物の具体的な例は、米国特許第3971808号に記載されている化合物を含む。該ピリジン系化合物およびピラジン系化合物の具体的な例は、米国特許第3775424号、同第3853869号および同第4246318号に記載されている化合物を含む。
該フルオラン系化合物としては、以下の構造式(1)によって表される化合物が好ましい。というのは、これら化合物は、極めて高濃度にてマイクロカプセル内に組込むことができ、そのために高いマーク濃度を得ることができるからである。
式(1):
式(2):
式(3):
本発明の好ましい一態様は、約80質量%を越える量の該電子供与性染料プリカーサが、上記構造式(1)または(2)で表される化合物であるような態様であり、またより好ましい態様は、約100質量%が、該化合物であるようなものである。
本発明の組成物における該電子供与性染料プリカーサは、好ましくは表面重合法によって、マイクロカプセルとした後に使用することが好ましい。例えば、該表面重合法は、該マイクロカプセルのコアを形成するための該電子供与性染料プリカーサを、疎水性有機溶媒に溶解または分散させて、油相を製造するように使用することができる。次いで、該油相を、例えば水溶性ポリマーを水に溶解することによって得られる、水性相と混合し、更に、例えばホモジナイザー等を使用して、乳化および分散処理することができる。引き続きこれを加熱して、該油性液滴の界面においてポリマー-形成反応を行って、ポリマー物質のマイクロカプセル壁を形成することができる。
該ポリマーカプセル材料の具体的な例は、例えばポリウレタン、ポリウレア、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ウレア-ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ポリスチレン、スチレン-メタクリレートコポリマー、およびスチレン-アクリレートコポリマーを包含する。これらの中では、ポリウレタン、ポリウレア、ポリアミド、ポリエステルおよびポリカーボネートが好ましく、またポリウレタンおよびポリウレア特に好ましい。
ポリウレアおよびポリアミドにより形成される複合壁またはポリウレタンおよびポリアミドにより形成される複合壁は、例えばポリイソシアネートおよびこれとの反応によって該カプセル壁を形成する第二の物質(例えば、酸クロリド、ポリアミンまたはポリオール)を、水溶性ポリマーの水性溶液(水性相)またはカプセル化すべき油性媒体(油性相)と混合し、乳化および分散処理に掛け、引続き加熱する等の方法で製造できる。ポリウレアおよびポリアミドにより形成される複合壁の、この製法は、JP-A-58-66948において詳しく説明されており、その内容を、参考としてここに組み入れる。このような方法の付随的な詳しい説明については、公開されている公知文献、例えば「ポリウレタンハンドブック(Polyurethane Handbook)」Keiji Iwata著, (1987), 日刊工業新聞社(Nikkan Kogyo Shimbun, Ltd.)刊、および「ポリウレタンハンドブック(Polyurethane Handbook)」,Dr. Gunter Oertal編, ハンサーガードナー出版社(Hanser Gardner Publications, Inc.)刊(第二版, 1993)を参照のこと。これら文献の内容を、参考としてここに組み入れる。
本発明において、該マイクロカプセル化反応の条件は、前記電子供与性染料プリカーサ粒子の全体積の少なくとも約90%が、約0.2〜約12μmなる範囲、好ましくは約0.3μm〜約5μmなる範囲、および最も好ましくは約0.3μm〜約2μmなる範囲の、該マイクロカプセルの平均粒径を持つように、設定される。該マイクロカプセル壁の厚みは、任意の適当な厚み、例えば約0.01〜約0.3μmなる範囲であり得る。
該懸濁液中の該マイクロカプセルの粒径は、任意の適当な手段を利用して測定することができ、例えば該懸濁液を水溶液中に希釈し、またミー(Mie)-散乱理論に基くレーザー散乱法を利用して、該粒子の粒径および分布を測定することができる。このような測定のために使用できる装置は、ホリバ(Horiba)社製のLAシリーズ、ベックマンコールター(Beckman Coulter)社製のLSシリーズまたはマルバーンインスツルメンツ(Malvern Instrument)社製のマスターサイザー(Mastersizer)シリーズを含む。
その上、所定のマーキング温度において優れた物質透過性を持つマイクロカプセル壁を製造するために、また高い彩色効果を持つ優れた性能のマークを得るためには、該選択された壁材料の該ポリマーに対して適当な、可塑剤を使用することが好ましい。該可塑剤は、好ましくは約50℃またはそれ以上、およびより好ましくは約120℃またはそれ以上の融点を持つ。可塑剤としては、室温にて固体状態にある物質を選択することが好ましい。
例えば、該壁材料がポリウレアまたはポリウレタンを含む場合、ヒドロキシル化合物、カルバメート化合物、芳香族アルコキシ化合物、有機スルホンアミド化合物、脂肪族アミド化合物およびアリールアミド化合物を、可塑剤として使用することが好ましい。
該電子供与性染料プリカーサ化合物は、レーザー-マーキング性材料のレーザー-感受性記録層中に、任意の有効量で存在し得る。好ましくは、該電子供与性染料プリカーサは、十分な色濃度を与えることができ、しかも該レーザー-マーキング性材料の透明性を維持できる量にて存在し得る。例えば、該電子供与性染料プリカーサの含有率は、約0.1〜約5.0g/m2なる範囲および好ましくは約1.0〜約4.0g/m2なる範囲の値であり得る。
該油性相と該水性相との混合比は、例えば適当な粘度を維持するための任意の値であり得る。一例示的な態様において、該油性相と該水性相との混合比は、質量基準で約0.02〜約0.6なる範囲、およびより好ましくは質量基準で約0.1〜約0.4なる範囲の値であり得る。例えば、このような混合比を用いることによって、該塗布組成物の改善された生産性並びに該塗布組成物の最適の安定性を達成することができる。
該カプセル壁形成反応は、任意の適当な期間に渡り、例えば数時間程度行って、目的とするマイクロカプセルを得ることができる。例えば、該カプセル壁形成反応は、二酸化炭素の生成を結果する可能性があり、またこのようなガスの生成が停止することは、該反応の完了を示す徴候であり得る。
該電子供与性染料プリカーサと反応する、該電子受容性現像剤化合物は、単独で、または2種またはそれ以上の組合せで使用することができる。本発明の塗布組成物は、該電子受容性現像剤化合物を含有する分散液と併合することができる。一例示的な態様において、本発明の塗布組成物は、該塗布組成物の安定性を維持するために、該電子受容性現像分散液とは別々に提供することができる。
該電子受容性化合物の例は、酸性物質、例えばフェノール化合物、サリチル酸誘導体、有機酸またはその金属塩、オキシベンゾエート、および/またはフェノール化合物を含む。その具体的な例は、JP-A-61-291183に記載されている化合物を含む。この文献の内容を、参考としてここに組入れる。これらの内で、良好な着色特性が得られるという観点から、ビスフェノール化合物が好ましい。電子受容性現像剤の組成物は、ディベロッパーエマルションディスパージョン(Developer Emulsion Dispersion)として、米国特許第6,797,318号の実施例-1に、エマルションディスパージョン(Emulsion Dispersion)として、米国特許第5,409,797号の実施例-1に、およびカラーディベロッパー(Color Developer)として、米国特許第5,691,757号の実施例に記載されている。これら米国特許の内容を、参考としてここに組入れる。
更に、該電子受容性化合物および該有機塩基は、別々に乳化分散に掛けることができ、また混合後に高沸点溶媒に溶解し、引き続き乳化分散を行うことも可能である。該乳化分散液の粒子径は、好ましくは約1μmまたはそれ未満である。この場合、使用する該高沸点有機溶媒は、例えばJP-A-2-141279に記載されている高沸点オイルから、適切に選択することができる。これらの内で、エステル化合物の使用が、該乳化分散物の乳化安定性の観点から好ましく、またリン酸トリクレジルが特に好ましい。該オイルは、その混合物として、および他のオイルとの混合物として使用できる。
該油性相と該水性相との混合比は、質量基準で、好ましくは0.02〜0.6なる範囲、およびより好ましくは0.1〜0.4なる範囲にある。該混合比が、0.02〜0.6なる範囲内にある場合、適当な粘度を維持することができ、また結果的に該塗布組成物の十分な生産性が得られ、またその安定性は優れたものとなる。
レーザー-マーキング性材料の製造において、該塗布組成物は、該電子受容性現像剤を含有する、第二の現像剤塗布組成物と混合して、混合塗布分散液を製造することができる。該混合塗布分散液は、次に、レーザー-マーキングのための、レーザー-感受性記録層として使用するための基板上に塗布することができる。該塗布組成物と該第二の現像剤塗布組成物との間の、任意の適当な比を使用することができる。例えば、該比は、該電子供与性染料プリカーサの全質量と該現像剤の全質量との比が、約1:0.5〜約1:30なる範囲、好ましくは約1:1〜約1:10なる範囲となるように調節できる。
上記マーク形成層におけるその他の成分は、特に限定されるものではなく、必要に応じて適切に選択することができ、またその例は、UV吸収剤として知られ、また酸化防止剤として知られる、公知の融解剤を含む。
融解剤は、レーザー-応答性を改善し、および/または該染料形成反応を促進するのに有効な量で、該マーク形成層中に、含めることができる。融解剤の例は、芳香族エーテル、チオエーテル、エステル、脂肪族アミド、およびウレイドを含む。その具体的な例は、JP-A-58-57989、JP-A-58-87094、JP-A-61-58789、JP-A-62-109681、JP-A-62-132674、JP-A-63-151478、JP-A-63-235961、JP-A-2-184489およびJP-A-2-215585に記載されている。
該酸化防止剤の好ましい例は、ヒンダードアミン系、ヒンダードフェノール系、アニリン系およびキノリン系を含む。その具体的な例は、JP-A-59-155090、JP-A-60-107383、JP-A-60-107384、JP-A-61-137770、JP-A-61-139481およびJP-A-61-160287に記載されている。
該他の成分の塗布量は、好ましくは約0.05〜約1.0g/m2なる範囲、およびより好ましくは約0.1〜約0.4g/m2なる範囲内にある。該他の成分は、該マイクロカプセルの内部、または該マイクロカプセルの外部に、あるいは本発明の組成物の該電子受容性化合物の分散液中に添加することができる。
本発明の該マーク形成層用の塗布組成物を得るために、上記の主な成分を、均一に混合し、選択されたポリマー媒体(バインダ)中に分散させることができる。この方法において、本発明の塗布組成物の混合比は、電子供与性染料プリカーサの全質量と電子受容性化合物の全質量との比が、約1:0.5〜約1:30なる範囲、好ましくは約1:1〜約1:10なる範囲となるような値である。
該マーク形成層内の電子供与性染料プリカーサの量は、約0.1〜5.0g/m2なる範囲にあることが好ましい。この範囲内において、十分な色濃度を達成することができ、しかも該レーザー-感受性記録層の透明性を維持することができる。より好ましくは、該電子供与性染料プリカーサの量は、約1.0〜約4.0g/m2なる範囲にある。
上記保護コロイドとは別の、もう一つのバインダを添加しかつ混合することも可能である。好ましくは、一般的に水溶性ポリマーが使用され、またその例は、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、エピクロルヒドリン-変性ポリアミド、エチレン-無水マレイン酸コポリマー、スチレン-無水マレイン酸コポリマー、イソブチレン-無水マレイン酸サリチル酸コポリマー、ポリアクリル酸アミド、メチロール変性ポリアクリルアミド、カゼインおよびゼラチンを含む。
該バインダに耐水性を付与するために、これに耐水化剤を添加することができ、また疎水性ポリマーのエマルション、具体的にはスチレン-ブタジエンラテックス、スチレンアクリル酸ポリマー、アクリル酸またはメタクリル酸系ポリマーまたはコポリマーおよびその誘導体、ポリエステルまたはそのコポリマーをこれに添加することができる。
マーク形成層を製造すべく、基板を混合被覆分散液で被覆するために、水性または有機溶媒系の被覆組成物に適した公知の被覆法を使用する。
B. レーザーマーキング性媒体
支持層:
該レーザーマーキング性媒体は、該マーク形成層を被覆する基板として機能し得る、支持層を含むことができる。該マーク形成層を、以下に記載する隔離層上に被覆する場合には、該支持層および該隔離層は、同一のものであり得る。他の場合においては、該支持層は、該マーク形成層の下部であり得、即ち該入射レーザービームの方向から離れたものであり得る。
該レーザー-感受性記録材料は、該支持体上に、少なくとも1種の付随的な層、例えばトップコートおよび/または中間層および下塗り層を含むことができる。該トップコートおよび中間層は、保護被覆層として機能して、該層の混合を減じまたは防止し、および/または該レーザー-感受性記録層にとって有害なものであり得る、ガス(例えば、酸素)を遮断することを可能とする。該トップコートおよび中間層においてバインダを使用することができるが、これは特に制限はない。例えば、該バインダは、ポリビニルアルコール、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、およびセルロース誘導体を含むことができる。塗布適性を付与するために、様々な種類の界面活性剤を添加することができる。そのガス遮断特性を、更に改善するために、マイカ等の無機微粒子を、例えば該バインダの量を基準として、約2〜約20質量%なる範囲、より好ましくは約5〜約10質量%なる範囲の有効量で添加することができる。
下塗り層
下塗り層を、該レーザー感受性記録層を被覆する前に、該支持体上に設けて、該支持体に対する該レーザー感受性記録層の接着性を改善することができる。例えば、アクリレートコポリマー、ポリビニリデンクロリド、SBR、または水性ポリエステルを使用することができる。この層は、任意の適当な厚み、例えば約0.05〜約0.5μmなる範囲の厚みを持つものであり得る。
本発明の該レーザーマーキング性媒体の隔離層は、該マーク形成層と該レーザー照射源との間の媒体として定義される。これは、上部に該マーク形成層が塗布される、支持シートあるいは該マーク形成層の上部における塗布層であり得る。該隔離層および該マーク形成層は、塗布または加圧積層処理によって密接な接触状態に置かれ、あるいは接着層により隣接状態に置くことができる。後者の場合において、該接着物質は、以下に定義する隔離物質に関する同一の透過率基準を満たすべきである。この隔離物質の利点は、a) レーザーマーキング工程の、該マーク形成層の分解によって生じる、望ましからぬ化学物質の蒸気の放出を阻止し、b) 機械的な磨耗並びに、例えば大気中への、O2、O3およびSO2等の有害なガスの放出を含む、化学的な攻撃から、該マーク形成層を保護することにある。該有害ガスは、長期間保存した際に、マークの退色、バックグラウンドの曇り、または黄変を促進する傾向がある。
本発明の該隔離物質は、用途の要求に依存して、可視スペクトルの波長範囲(約400-700nm)において透明である必要はない。殆どの用途において、可視スペクトルの波長範囲において透明な隔離物質が好ましく、これは、機械的な磨耗並びに化学的な攻撃から、該隔離層によって保護されている、視認性のマークを与えるであろう。
本発明のレーザー-マーキング性材料は、更に該基板上に、他の層、例えばプライマー層、剥離ライナーを伴う接着層を含むことができる。該プライマー層は、該マーク形成層の該基板に対する接着性を改善するために、該マーク形成層の塗布前に設けることができる。用途の要求に依存して、接着層および、必要な場合には、剥離層を、該マーク形成層とは反対側の該基板上に塗布/積層して、レーザーマーキング性自己接着性媒体を形成することができる。
プライマー層として、アクリレートコポリマー、ポリビニリデンクロリド、スチレン-ブタジエンゴム(SBR)、または水性ポリエステルを使用することができ、また該層の厚みは、好ましくは0.05〜0.5μmなる範囲にある。該プライマー層上に該マーク形成層を塗布する際に、該プライマー層が、該マーク形成層用の組成物中に含まれる水分によって膨潤し、これにより、該マーク形成層における該マークの品質を劣化させる可能性がある場合が存在する。従って、該プライマー層は、硬化剤、例えばジアルデヒド化合物、例えばグルタルアルデヒドまたは2,3-ジヒドロキシ-1,4-ジオキサン、およびホウ酸により硬化することが好ましい。これらの硬化剤は、単独でまたは2またはそれ以上の組合せで使用することができる。
レーザー-マーキング性媒体の形成:
本発明のレーザー-マーキング性媒体は、好ましくは以下に記載する方法によって製造することができるが、これに限定されない。
本発明のレーザー-マーキング性媒体製法は、以下のような諸工程を含む:該支持体に該プライマー層(使用する場合には)を塗布する工程;該支持体上の該プライマー層上に、マーク形成層(使用する場合には)を塗布する工程;および該支持体層が、上記の隔離層ではない場合に、該マーク形成層の上部に隔離層を塗布する工程。該支持体層が、該隔離層としても機能する場合には、該プライマー層は、場合により該支持体の両側に塗布して、該マーク形成層の反対側における追加の印刷を容易にすることができる。必要に応じて、他の層を形成することも可能である。
あるいはまた、本発明のレーザー-マーキング性媒体は、以下の順序にて、公知の塗布法により順次塗布することができる:該プライマー層、該マーク形成層、および該隔離層。これら塗布法の例は、ブレードコーティング法、エアーナイフコーティング法、グラビアコーティング法およびバーコーティング法を含むが、これらに限定されない。
本発明のレーザー-マーキング性媒体の様々な構成を、本発明の精神の範囲内において以下に例示するが、これらに限定されない。
この態様において、該入射レーザービームのエネルギーが、露光領域の増感剤によって吸収された場合、該スペーサポリマーは、局所的に溶融または軟化され、該電子供与性染料プリカーサと該電子受容性物質との間の層間拡散および反応の発生を可能とし、マーク11を形成する。この配列は、レーザー-マーキング性媒体の熱安定性を高めて、マークが形成されない領域における曇りを発生する、該電子供与性染料プリカーサと該電子受容性物質との間の望ましからぬ反応の発生を防止する。
このように、該マークは、両側から、同一または異なる周波数のマーキングビームによって形成し得る。この態様において形成された該マークは、従って両側からの、化学的な攻撃および機械的な磨耗に対して耐性である。更に、該マーキングビームのエネルギーは、2つの隔離層により挟まれている、該マーク形成層においてのみ吸収され、従って該マーキング工程中に、分解された化学物質または蒸発された成分が、大気中に放出されることはない。
レーザー-マーキング装置:
本発明のレーザー-マーキング性媒体は、CO2レーザー、YAGレーザー、固体レーザー、例えばルビーレーザー、または例えばInGaAsPおよびGaAsレーザー等を含むがこれらに限定されないダイオードレーザー等のレーザーによってマーキング可能である。例示的な一態様において、CO2レーザーを、このようなレーザーとして使用でき、これは、該塗布された物質上に高濃度のマークを設ける上で効果的である。例えば、放出波長範囲9.3-10.6μmを持つ、5-20W CW CO2レーザーを使用することができる。好ましいレーザー-マーキング装置は、XまたはX/Y軸に1またはそれ以上の回転する鏡を備え、コンピュータでビームを制御できる、ガルバノメータービームステアリング技術を使用するものである。ベクトルおよびラスター(Raster)走査スキーム両者を、用途に応じて使用することができる。好ましくは、レーザービーム性能、f-θレンズ性能、および焦点距離の組合せは、該焦点面におけるマーキングスポット-サイズを、約300μm以下、より好ましくは約100μm以下に調節することを可能とする。
もう一つの局面によれば、基板上にレーザー-記録性の層等の塗膜を形成するのに使用される、塗布組成物が提供される。該塗膜は、多層レーザー-記録性材料の一部を構成し得る。この塗布組成物を使用することによって、比較的高品質のレーザーマークを得ることができる。
該塗布組成物は、色-形成剤の少なくとも一つの成分を含む。該色-形成剤は、レーザーに暴露した際に所定の色を発生するように寄与できる。例えば、該色-形成剤は、レーザーに暴露した際に少なくとも他の成分と反応する、少なくとも一つの成分を含むことができ、ここでこのような反応が、色の形成をもたらす。該色-形成剤は、電子供与性染料プリカーサ、電子受容性現像剤、あるいはこれら成分両者を含むことができ、レーザーに暴露した際の、これら成分間の該反応が、色の形成をもたらす。該塗布組成物は、上で論じた材料の何れかを含むことができる。例えば、該電子供与性染料プリカーサは、1またはそれ以上の上で論じた電子供与性染料プリカーサを含むことができる。同様に、該電子受容性現像剤は、1またはそれ以上の上で論じた電子受容性現像剤を含むことができる。
該電子供与性染料プリカーサは、例えばトリフェニルメタンフタリド系の化合物、フルオラン系化合物、フェノチアジン系化合物、インドリルフタリド系化合物、ロイコオーラミン系化合物、ローダミンラクタム系化合物、トリフェニルメタン系化合物、トリアゼン系化合物、スピロピラン系化合物、フルオレン系化合物、ピリジン系化合物、ピラジン系化合物およびこれらの組合せを含むことができる。該電子供与性染料プリカーサと反応させるための該電子受容性現像剤は、酸性物質、例えば活性化されたベントナイト、サリチレートの金属塩、フェノール化合物、有機酸またはその金属塩、オキシベンゾエート、およびこれらの組合せを含むことができる。
該伝熱剤は、943cm-1におけるCO2レーザー放出エネルギーを吸収し、またこれを熱に転化し得る化合物を含むことができる。該伝熱剤は、例えばマイカ、ヒュームドシリカ、ヒュームドアルミナ、および900cm-1〜1000cm-1なる波長範囲において、強力な吸収性を持つ、様々な無機並びに有機化合物を含むことができる。該溶融剤は、レーザー応答性を改良するように機能し得る。その例は、芳香族エーテル、チオエーテル、エステル脂肪族アミド、ウレイドまたはこれらの組合せを含むことができる。該UV吸収剤は、例えばベンゾフェノン系UV吸収剤、ベンゾトリアゾール系UV吸収剤、サリチル酸系UV吸収剤、シアノアクリレート系UV吸収剤、シュウ酸アニリド系UV吸収剤、またはこれらの組合せを含むことができる。該酸化防止剤は、例えばヒンダードアミン系酸化防止剤、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、アニリン系酸化防止剤、キノリン系酸化防止剤、またはこれらの組合せを含むことができる。
該塗布組成物は、該組成物の様々な成分の実質的に全てを含有する、ワン-パート(single-part)塗布組成物であり得る。あるいはまた、多数の塗布組成物を使用して、該組成物の使用前の保存安定性を与えることも可能であり、また該バインダは、該多数の塗布組成物の何れに配合することも可能である。
電子受容性現像剤と相溶性の任意の適当な電子供与性染料プリカーサを、該色-形成剤において使用できる。極めて高濃度にてマイクロカプセル中に配合でき、また高いマーク濃度を与えることのできる、以下の一般的な構造式1により表される化合物を、使用することができる。
式1:
式2:
例示的な一態様において、該電子供与性染料プリカーサは、約80質量%を越える、より好ましくは約90質量%を越える、および最も好ましくは約100質量%なる量で、上記構造式1によって表される化合物を含む。
該色-形成剤は、任意の適当な技術、例えば上記の方法によって、該塗布組成物中に配合することができる。例えば、該色-形成剤は、a) 固体粉末形状にある該色-形成剤を、該バインダ媒体に分散し、b) 溶媒中に該色-形成剤を溶解し、この色-形成剤の溶液を、該バインダ媒体に添加し、およびc) 該色-形成剤をマイクロカプセル化し、該カプセル化された色-形成剤を、該バインダ媒体に分散させることによって配合することができる。例示的な一態様においては、該色-形成剤を、マイクロカプセル化し、該バインダ媒体に分散させる。例えば、該色-形成剤は、上記方法でマイクロカプセル化することができる。
次に、該色-形成剤、例えば電子供与性染料プリカーサの成分をマイクロカプセル化する例示的な1方法を説明する。マイクロカプセル化のためには、表面重合法を、該マイクロカプセルのコアとなる該電子供与性染料プリカーサを、疎水性有機溶媒に溶解または分散させて、油相を形成し、該油相を、次に水溶性ポリマーを水に溶解することにより調製した水性相と混合する。次いで、得られる物質を、例えばホモジナイザーを使用して乳化および分散させ、次に加熱して、該油状の液滴表面において、ポリマー形成反応を行い、それによりポリマー物質のマイクロカプセル壁を形成する。該ポリマー物質生成用の試薬は、該油状液滴の内部および/または該油状液滴の外部に添加することができる。該ポリマー物質の具体的な例は、ポリウレタン、ポリウレア、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ウレア-ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂を含む。これらの中では、ポリウレタン、ポリウレア、ポリアミド、ポリエステルおよびポリカーボネートが好ましく、またポリウレタンおよびポリウレアが、特に好ましい。例えば、ポリウレアを、マイクロカプセル壁形成材料として使用する場合、該マイクロカプセル壁は、ポリイソシアネート、例えばジイソシアネート、トリイソシアネート、テトライソシアネートまたはポリイソシアネートプレポリマーと、ポリアミン、例えばジアミン、トリアミン、またはテトラミン、2またはそれ以上のアミノ基を含むプレポリマー、ピペラジンまたはその誘導体、またはポリオールとを、水性相中で、界面重合法に従って容易に形成することができる。
該マイクロカプセル壁は、更に特定の用途に応じて、金属-含有染料、電荷調節剤、例えばニグロシン、および/または他の添加物質を含むことができる。これら添加物質は、カプセル壁製造中に、該壁に含め、あるいは該マイクロカプセル化工程中の他の時点において添加することができる。該カプセル壁表面の帯電特性を調節するため、モノマー、例えばビニルモノマーを、必要に応じて、グラフト-重合することができる。
更に、低温において優れた物質の透過性を持ち、また高い着色特性を持つマイクロカプセル壁を製造するために、該壁材料として使用される該ポリマーにとって適した可塑剤を使用することができる。該可塑剤は、約50℃またはそれ以上、およびより好ましくは約120℃またはそれ以上の融点を持つことができる。可塑剤としては、常温において固体状態にあるものを、好ましく使用することができる。例えば、該壁材料が、ポリウレアまたはポリウレタンを含む場合、該可塑剤としては、ヒドロキシル化合物、カルバメート化合物、芳香族アルコキシ化合物、有機スルホンアミド化合物、脂肪族アミド化合物、アリールアミド化合物またはこれらの組合せを使用することができる。
上記レーザー-感受性記録材料のレーザー-感受性記録層において、該電子供与性染料プリカーサ化合物を使用する、例示的な一態様においては、該電子供与性染料プリカーサの含有率は、好ましくは約0.1〜約5.0g/m2なる範囲、およびより好ましくは約1.0〜約4.0g/m2なる範囲内にある。如何なる特別な理論にも拘泥するつもりはないが、該電子供与性染料プリカーサの含有率が、約0.1〜約5.0g/m2なる範囲内にある場合には、十分な着色強度を得ることができ、また該含有率が5.0g/m2またはそれ以下である場合には、十分な着色強度が達成され、しかもレーザー-感受性記録層の透明性をも維持することができるものと考えられる。
該油相と該水性相とを更に均一に乳化し、かつ分散させるために、該油相および該水性相の少なくとも一方に、界面活性剤を添加することができる。乳化用の任意の適当な界面活性剤を使用することができる。該界面活性剤の添加量は、該油相の質量を基準として、約0.1%〜約5%なる範囲、より好ましくは約0.5〜約2%なる範囲内であり得る。該水性相中に含まれる該界面活性剤としては、該バインダとの相互作用を介して析出または凝集を起こさないものを、アニオン性およびノニオン性界面活性剤から適切に選択して使用することができる。該界面活性剤の好ましい例は、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキル硫酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、およびポリアルキレングリコール(例えば、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル)を含む。
更に、該ポリウレタン化合物を含有する分散液を、該反応中に添加して、凝集の発生を減じ、またはこれを実質的に防止することができる。この反応の進行に伴う、二酸化炭素ガスの発生を観測することができ、またその生成の停止を、該カプセル壁-形成反応の完了と見做すことができる。一般に、該反応を、数時間継続して、目的とするマイクロカプセルを得ることができる。
該電子供与性染料プリカーサと反応し得る、該電子受容性化合物の例は、酸性物質、例えば活性化されたベントナイト、サリチル酸の金属塩、フェノール化合物、有機酸またはその金属塩、オキシベンゾエートまたはこれらの組合せを含む。
更に、該電子受容性化合物および該有機塩基は、別々に乳化分散処理に掛けることができ、また混合後に、高沸点溶媒中に溶解し、次いで乳化分散処理に掛けることができる。該乳化分散体の粒径は、約1μmまたはそれ以下であり得る。この場合、使用する該高沸点有機溶媒は、例えばJP-A-2-141279に記載されている高沸点オイルから適切に選択することができる。これらの中で、該乳化分散体の乳化安定性の観点から、エステル化合物の使用が好ましく、またトリクレジルホスフェートの使用が特に好ましい。該オイルは、その混合物として、また他のオイルとの混合物として使用できる。
該電子受容性現像剤を含有する塗布組成物および該電子供与性染料プリカーサを含有する第二の塗布組成物を一緒に混合して、混合塗布分散物を調製することができ、これは、後にレーザー-マーキング用のレーザー-感受性記録層として使用するための、基板上に塗布される。この方法において、該2種の塗布組成物は、例えば電子供与性染料プリカーサの全質量と、該現像剤の全質量との比を、約1:0.5〜約1:30なる範囲、好ましくは約1:1〜約1:10なる範囲とするような、任意の適当な比で混合することができる。
例示的な一態様において、レーザー-マーキング性材料が準備され、これは、置換または無置換のポリウレタン化合物を含有する塗膜;およびレーザー-マーキング性層を含む。該塗膜は、該レーザー-マーキング性層と接触した状態であり得る。
良好なマーク品位を得るためには、該追加の層のバインダとしては、実質的にポリウレタン化合物のみを使用することが好ましい。ポリウレタンと他の型の樹脂、例えばアクリル樹脂、エポキシ樹脂、セルロース等との組合せを、特別な技術的特性が、レーザー-マーキング性材料に要求される場合には、選択することができる。例えば、ポリウレタンおよびその変性誘導体の量は、塗布組成物中のバインダ全量の、50%以上であることが好ましく、これにより上記干渉マーク効果の増強を減じ、または防止する。
上記のレーザー-マーキング性材料、方法および装置を使用することにより、様々な利点、例えば低い装置並びに運転費;微細な文字および簡単なパターンによる高品位かつ迅速なマーキング(ベクトル走査);融通性のある解像度の調節、色調の制御およびパターン変化(ラスター走査);比較的大きくまた融通性のあるマーキング領域;および・または可変情報マーキングを伴う、小規模ロット(短期間稼働)、高処理量を実現することができる。上記レーザー-マーキング性材料、方法および装置の使用は、レーザービーム(例えば、比較的低出力の、低コストCO2レーザー)に対して典型的な応答性を示さない、あるいは弱い応答性を示す物質、または高品位のマークを形成せずに、該レーザー照射により容易に損傷を被る物質を包含する、広範囲に及ぶ様々な基板上に、高品質で、迅速なレーザーマーキングを可能とする。例えば、レーザー-マーキング性材料の使用は、広範囲に渡る材質および幾何形状を持つ基板、例えばエンジニアリング材料または工業用製品用の硬質および軟質プラスチックおよびポリマー(PET、BOPP、HDPE、PMMA、ポリカーボネートおよびナイロン)、または紙、厚紙、ガラス繊維、ガラス、金属等の基板のマーキングを可能とする。
実施例1:
[カプセル化された電子供与性染料プリカーサを含有する液状分散体(A)の製造]
13.3gの、R1がC4H9であり、かつR2がC2H5である、上記式(1)によって表される、電子供与性染料プリカーサおよび0.47gのUV光吸収剤(商品名:チヌビン(Tinuvin) P、チバガイギー社(Ciba Geigy Corp.)製)を、20gの酢酸エチルに添加し、70℃まで加熱することにより溶解させ、次いで45℃まで冷却した。12.6gのジイソシアネート化合物(商品名:タケネート(Takenate) D-140N、三井武田ケミカル社(Mitsui Takeda Chemical Co., Ltd.)製)を、該酢酸エチル溶液に添加した。次いで、上記酢酸エチル溶液を、53gの6%(w/w)ポリビニルアルコールの水性溶液(商品名:クラレポバール(Kuraray Poval) MP-217C、クラレ(Kuraray)社製)に添加し、またホモジナイザーで5分間乳化させた。最後に、90gの水および0.5gのテトラエチレンペンタミンを含むアミン溶液を、上記混合物に徐々に添加し、一方60℃にて4時間攪拌して、カプセル化反応を行った。
4.2gのUV光吸収剤(商品名:チヌビン(Tinuvin) 328、チバガイギー製)、1.0gのトリクレジルホスフェート、および36.4gの電子受容性化合物(米国特許第6,797,318号記載の化合物301)を、16.0gの酢酸エチルに添加し、70℃まで加熱することにより溶解させた。この酢酸エチル溶液を、以下の水性溶液に添加し、ホモジナイザーで5分間分散させた。
乳化分散物(B)用の水性溶液
水 68.4g
15%(w/w)ポリビニルアルコール(商品名:ポバール(Poval)PVA205 19.8g
クラレ社(Kuraray Co., Ltd.)
8%(w/w)ポリビニルアルコール(商品名:ポバール(Poval)PVA217 55.7g
クラレ社(Kuraray Co., Ltd.)
界面活性剤A、C12H15SO3Naの2%溶液 11.2g
界面活性剤B、C9H19(C6H4)O(CH2)4SO3Na 11.2g
上記分散物(A)および分散物(B)を以下のように混合した:
分散物(A) 8.9g
分散物(B) 33g
[支持体上への該マーク形成層の塗布]
上記塗布組成物を、厚み75μmのA4サイズの透明PETフィルム上に、バーコーターを用いて、厚み約10μmにて塗布し、次いで60℃にて約3分間乾燥した。このPETフィルムを、プライマーとしての、SBRラテックスとゼラチンとの混合物によって予め被覆した。
上記シートを、3つの等しい部分に分割した。その一つ(本発明)を、該塗布されたマーク形成層の上部において50μmの透明なポリエチレン(PE)フィルムと積層し、もう一つの部分(本発明)を、更に該塗布されたマーク形成層の上部において、透明なコア-シェル型のアクリルラテックス分散液(商品名:ロプレックスマルチローブ(Rhoplex Multilobe) 200)で被覆した。また、最後の部分は、更に処理することなしに、そのままとする(比較)。
発光波長10.3μmを有し、および80mmf-θレンズを備えた、ドミノ(Domino) S100 10W CO2レーザーマーカーを使用した。そのマーキング条件は、「マーキング速度」=8000ビット/msおよび「CO2レーザー(Laser on CO2)」= 200μsに設定した。該レーザーマーカーを始動させた後、鮮鋭かつ高コントラストのマークが、3種全てのサンプル上に生成した。しかし、隔離層を持たない比較サンプルは、該マーキング工程中に煙の放出を示し、一方本発明の2つのサンプルは、煙を放出しなかった。更に、顕微鏡を使用して、マークを形成した該サンプルの表面を観察したところ、隔離層を持たない比較サンプルは、該塗膜の表面上に明らかな損傷の存在を示したが、本発明の2つのサンプルは損傷の存在を示さなかった。磨耗テストも、該比較サンプルが、該媒体上でより一層重度の損傷を有していることを示した。
参考のために、以下の表1に、電子供与性染料プリカーサ化合物を列挙し、また表1は、対応する酢酸エチルに対する溶解度を含むが、これらを以下の実施例において使用する。
表1:
[カプセル化された電子供与性染料プリカーサを含む塗布組成物の調製]
サンプル1(比較例):
13.3gの電子供与性染料プリカーサD-1および0.47gのUV光吸収剤(商品名:チヌビン(Tinuvin) P、チバガイギー社製)を、20gの酢酸エチルに添加し、70℃まで加熱することによって溶解し、次いで45℃まで冷却した。14.1gのカプセル壁材料W-1(商品名:タケネート(Takenate) D-127N、三井武田ケミカル社製)および2.5gのカプセル壁材料W-2(商品名:タケネート(Takenate) D-110N、三井武田ケミカル社製)を、該酢酸エチル溶液に添加した。
上記酢酸エチル溶液を、53gの6%(w/w)ポリビニルアルコール水性溶液B-1(商品名:クラレポバール(Kuraray Poval) MP-217C、クラレ社製)に添加し、ホモジナイザーで5分間乳化させた。
該反応の完結後、該カプセル化された電子供与性染料プリカーサ粒子の粒度分布および該液状塗布組成物の粘度をベックマンコールターのLS-100Q粒径分析装置を用い、またS21小型スピンドルを備えたブルックフィールドプログラマブルDV-II+粘度計を100-200RPMにて使用して測定した。
該マイクロカプセル壁のTgを、パーキンエルマーダイアモンド(Perkin Elmer's Diamond) DSC、サファイアDSC、ハイパーDSC(HyperDSCTM)、またはTAインスツルメンツ(Instruments) Q-シリーズを使用して測定した。マイクロカプセルを含まないブランク懸濁液を、基準サンプルと同一条件下で調製した。該マイクロカプセル含有懸濁液および該ブランク懸濁液両者を、測定前にサンプルトレーに入れた。
上記サンプル1の調製において記載した方法と同様の方法で、サンプル2を調製したが、該カプセル壁材料W-1およびW-2を、12.6gのW-3(商品名:タケネート(Takenate) D-140N、三井武田ケミカル社製)に変えた。
サンプル3(比較例)
上記サンプル1の調製において記載した方法と同様の方法で、サンプル3を調製したが、該カプセル壁材料W-1およびW-2を、12.6gのW-3(商品名:タケネート(Takenate) D-140N、三井武田ケミカル社製)に変え、6%(w/w)ポリビニルアルコール水性溶液B-1の添加量を40gに変え、また該乳化のための水の添加量を103gに変えた。
サンプル4(比較例)
上記サンプル1の調製において記載した方法と同様の方法で、サンプル4を調製したが、該カプセル壁材料W-1およびW-2を、12.6gのW-3(商品名:タケネート(Takenate) D-140N、三井武田ケミカル社製)および2.3gのW-4(商品名:バーノック(Barnoc) D750、大日本インキ(Dai Nippon Ink Co., Ltd.)社製)に変え、6%(w/w)ポリビニルアルコール水性溶液B-1の添加量を33gに変え、かつ20gの8%(w/w)ポリビニルアルコール水性溶液B-2(商品名:クラレポバール(Kuraray Poval) PVA217、クラレ社(Kuraray Co., Ltd.)製)を添加した。
上記サンプル1の調製において記載した方法と同様の方法で、サンプル5を調製したが、該カプセル壁材料W-1およびW-2を、12.6gのW-3(商品名:タケネート(Takenate) D-140N、三井武田ケミカル社製)で置換し、また該テトラエチレンペンタミンの添加量を0.5gに変えた。
サンプル6(本発明)
上記サンプル1の調製において記載した方法と同様の方法で、サンプル6を調製したが、該カプセル壁材料W-1およびW-2を、12.6gのW-3(商品名:タケネート(Takenate) D-140N、三井武田ケミカル社製)で置換した。
サンプル7(本発明)
上記サンプル1の調製において記載した方法と同様の方法で、サンプル7を調製したが、該カプセル壁材料W-1およびW-2を、12.6gのW-3(商品名:タケネート(Takenate) D-140N、三井武田ケミカル社製)で置換し、6%(w/w)ポリビニルアルコール水性溶液B-1の添加量を45gに変え、該乳化のための水の添加量を98gに変え、かつ該テトラエチレンペンタミンの添加量を2.0gに変えた。
上記サンプル1の調製において記載した方法と同様の方法で、サンプル8を調製したが、R1がC4H9であり、かつR2がC2H5である、上記式(1)によって表される、該電子供与性染料プリカーサの添加量を8.3gに減じ、5.0gの電子供与性染料プリカーサD-6を添加し、該カプセル壁材料W-1およびW-2を、12.6gのW-3(商品名:タケネート(Takenate) D-140N、三井武田ケミカル社製)で置換し、6%(w/w)ポリビニルアルコール水性溶液B-1の添加量を40gに変更し、かつ13gの8%(w/w)ポリビニルアルコール水性溶液B-2(商品名:クラレポバール(Kuraray Poval) PVA217、クラレ社(Kuraray Co., Ltd.)製)を添加した。
上記サンプル1〜サンプル8のTg、粒度分布、および粘度を、以下の表2に列挙する。
該サンプルに関する保存安定性テスト:
サンプル1〜8を、ポリエチレンボトルに入れ、次いでオーブン内に保存し、その温度を、4週間に渡り、12時間毎に20℃と40℃との間で変化させ、次いで各サンプルの外観を観察した。得られた結果を、表-2に列挙する。
表2:
以下の塗布フィルムサンプルを、該4週間の保存テスト前およびその後の上記サンプル1〜8および乳化した現像剤分散物を使用して、以下のようにして製造した。
[乳化した現像剤分散物の製造]
4.2gのUV光吸収剤(商品名:チヌビン(Tinuvin) 328、チバガイギー社製)、1.0gのトリクレジルホスフェート、および36.4gの現像剤(米国特許第6,797,318号記載の化合物301)を、16.0gの酢酸エチルに添加し、70℃まで加熱することにより溶解した。この酢酸エチル溶液を、以下に記載の水性溶液に添加し、ホモジナイザーで5分間分散させた。
乳化現像剤用の水性溶液
水 68.4g
15%w/wポリビニルアルコール(商品名:ポバールPVA205、クラレ社) 19.8g
8%w/wポリビニルアルコール(商品名:ポバールPVA217、クラレ社) 55.7g
界面活性剤A、C12H15SO3Naの2%溶液 11.2g
界面活性剤B、C9H19(C6H4)O(CH2)4SO3Na 11.2g
[塗膜用混合物の調製]
上記サンプル1〜8の各々および該乳化した現像剤分散物を混合し、即ち各サンプル8.9gと該乳化した現像剤分散物33gとを混合することにより、塗布用混合物を得た。
[PETフィルム上への混合物の塗布]
[レーザーマーキングテスト]
70個の同一のマーク、即ち文字「M」からなるマトリックス露光を、f=80mmレンズを備え、35mm×35mmなるマーキング視野および約250〜約280μmなる範囲のスポットサイズを与える、ドミノ(Domino) S100 CO2レーザーマーカーを用いて、該塗布フィルムサンプルの各々に対して行った。該テストマーキングマトリックスのデザインは、各行が7文字からなり、これに対してレーザーの出力は26.5%から100%まで増大(左から右へ、5.2W→19.6W)し、また隣接行間のレーザー出力増加は20%であり、また該マトリックスの各列は10文字からなり、これに対してマーキング速度は1300ビット/mSから9500ビット/msまで増大し(下から上へ)、また隣接文字間のマーキング速度における増加は20%であった。各塗布フィルムサンプルのレーザー暴露に対する感度および寛容度は、完全にマーキングされ、また明確に読み取り得る文字を計数することにより評価した。このレーザーマーキングテストの結果を、以下の表3に示す。
更に、塗布されたフィルムサンプルの保存安定性テストを、80℃、および相対湿度70%の下で1週間行った。該保存安定性を、X-ライトデンシトメータ(X-Rite Densitometer)で可視および透明モード(反射および透過モード)にて測定した後、曇り度は増加する。このテスト用の該塗布フィルムサンプルは、該4週間の保存前の上記サンプル1〜8から製造した。このテストで得られた結果も、以下の表3に示す。
表3:
塗布フィルムサンプル9〜12を、上記塗布フィルムサンプル6と同様な方法で製造した。但し、以下の表4にまとめたように、電子供与性染料プリカーサ化合物の型および量に変更を加えた。
表4:
表5:
実施例3-1:様々なバインダ材料のレーザー暴露
数種の異なる型のバインダ材料を、CO2レーザーに暴露して、その効果を測定した。この実験手順は、以下の工程を含んでいた:a) 該サンプル樹脂溶液を、Kコントロールコーター(K Control Coater)(RKプリントコートインスツルメンツ社(Print Coat Instruments, Ltd.)製)を用いて、約2.54×10.16cm(1in×4in)のガラススライド上に塗布する工程、ここではNo.8塗布バーを使用して、湿潤時厚み100μmのフィルムを生成し;b) 該塗布された樹脂溶液を、周囲条件下で一夜乾燥させる工程;c) 該塗布された樹脂を、ドミノ(Domino) S100レーザーマーカー(ドミノアムジェット社(Domino Amjet, Inc.)製)により、等価なレーザー強度条件下で走査する工程;d) ライカ(Leica) GZ6顕微鏡観察下で、干渉マーク(例えば、微細気泡、発泡効果)形成について観察し、生成された干渉マーク(発泡効果)の量を、1〜10なる範囲にてランク付けする工程;e) レーザーの走査速度を調節することによって、レーザー線量を変えて、最大発泡効果を示すサンプルおよび最小発泡効果を示すサンプルを、再度レーザー走査に掛け、レーザー照射率との関連で、発泡効果における差異を観測する工程。実験結果を、以下の表3-1-1に示す。
表3-1-1:
図6に示したマークを生成するために使用した様々な走査速度を、以下の表3-1-2にまとめる。
表3-1-2:
実施例3-2:様々な本発明のおよび比較例のバインダのレーザー暴露
5種の本発明のポリウレタン分散液(サンプルNo. 3〜7)に関するレーザー暴露効果を、ポリビニルアルコールおよびスチレン変性あクリレート(夫々比較例サンプルNo. 1および2)に関するレーザー暴露効果と比較した。基準として、ブランクのガラススライドを使用した。
表3-2-1:
本実験において、塗布組成物の2つの部分の製造において、バインダとして様々なポリウレタン化合物を使用し、ここで部分Aは、該マイクロカプセル化された染料プリカーサを含有する塗布組成物であり、また部分Bは、該電子受容型現像剤を含有する塗布組成物であった。実験結果を比較するための基準バインダとして、本例においては、ポリビニルアルコールを使用した。
1) 部分A(マイクロカプセル化された染料プリカーサを含有する塗布組成物)の製造
13.3gの電子供与体型染料プリカーサ(PSD-184、日本ソーダ(Nippon Soda)社製)および0.47gのUV光吸収剤(チヌビン(Tinuvin) P、チバガイギー社製)を、20gの酢酸エチルに添加し、70℃まで加熱することにより溶解し、次いで45℃まで冷却した。12.6gのカプセル壁材料(D-140N、三井武田ケミカル社)を、該酢酸エチル溶液に添加した。上記酢酸エチル溶液を、53gの6%w/wポリビニルアルコール水性溶液(クラレポバール(Kuraray Poval)MP-217C、クラレ社製)に添加し、ホモジナイザーを用いて5分間乳化させた。水80gおよびテトラエチレンペンタ民0.75gを、60℃にて4時間攪拌しつつ、添加混合して、カプセル化反応を行った。該部分Aが完成した。また、この塗布組成物をArefとする。
他のテスト溶液(A1、A2、A3、およびA4)を、Arefと同様にして製造したが、ここで該バインダサンプルの量は、必要に応じて、固形分含有率を基準として、Arefにおける量と等しくなるように調節した。以下の表3-3-1に、かくして製造した様々な部分A塗布組成物を列挙する。
表3-3-1:
4.2gのUV光吸収剤(チヌビン(Tinuvin) 328、チバガイギー社製)、1.0gのトリクレジルホスフェート、および36.4gの現像剤(RO54、サンコーケミカルズ(Sanko Chemicals)社製)を、16.0gの酢酸エチルに添加し、70℃まで加熱することにより溶解した。該酢酸エチル溶液を、以下の表3-3-2に記載の水性溶液に添加し、ホモジナイザーで5分間分散させた。
表3-3-2:
その他の部分Bのサンプル溶液(B1、B2、B3およびB4)を、Brefと同様な方法で製造したが、ここで各サンプルについて使用した量は、必要ならば、固形分含有率を基準として、Brefにおける量と等しくなるように調節した。以下の表3-3-3に、かくして製造した部分B塗布組成物のサンプルを列挙する。
表3-3-3:
該部分Aサンプル各々を、その対応する部分B溶液と混合した(Ai+Bi)。その混合比は以下のように設定した:
部分A 5.04g
部分B 19.13g
脱イオン水 6.40g
塗布用ポット溶液製造のため 30.57g
Ai+Biから製造した、これら塗布用ポット溶液を、以下Tiと呼ぶ。
4) 該塗布用ポット溶液の、PETフィルムへの塗布
上記混合物各々を、A4サイズの厚み75μmを持つPET製のフィルムに、15mL/m2なる量で塗布したが、ここで該フィルムには、予めSBRラテックスおよびゼラチンが塗布されており、また乾燥後に、以下のレーザーマーキング処理を行った。塗布は、Kコントロールコーター(RKプリントコートインスツルメンツ社)を用いて行い、またNo.3塗布バーを使用して、湿潤時のフィルム厚み24μmのフィルムを製造した。
該塗布したサンプルを、ドミノS100レーザーマーカー(ドミノアムジェット社)によって、実施例3-2に記載のようにマトリックス露光条件下で露光を行った。該マトリックスに、一定量のレーザーエネルギーを照射した後に、最良のマーキング結果を示した、特定の文字「M」のマーキング濃度を観察し、その実験結果を、図8A〜8Eに示した。特定のレーザー露光条件(レーザー照射時間=53μs、およびマーキング速度=2030ビット/ms)を表す、該マトリックス中の文字「M」を、各テストサンプルのマーク濃度を比較するために選択した。該文字の同一位置における濃度を測定した。これらの図から分かるように、該塗布組成物におけるバインダとしての、置換または無置換ポリウレタン化合物の使用は、レーザー-マーキング性物質のマーク濃度を改善する上で効果的であった。
様々なポリウレタン化合物をバインダとして使用して、保護層用塗布組成物のサンプルを製造した。ポリビニルアルコールを、基準バインダとして使用して、得られる実験結果を比較した。
1) 保護層用塗布組成物の製造
以下の表3-4-1を、順次添加した。ここで、引続き添加される各成分は、その前の成分が完全に溶解し、または分散した後に添加した。
表3-4-1:
その他のサンプル溶液(PC1、PC2、PC3およびPC4)を、PCrefと同様な方法で製造したが、ここで使用したバインダの量は、必要ならば、固形分含有率を基準として、PCrefにおける量と等しくなるように調節した。以下の表3-4-2に、かくして製造した保護層用塗布組成物のサンプルを列挙する。
表3-4-2:
実施例3-3の塗布されたフィルム(T1、T2、T3およびT4)の各々を、上で製造した該保護層用塗布組成物で被覆した。Tiは、PCiおよびPCrefで塗布して、レーザーマーク品位におけるあらゆる差異を観察した。例えば、T1をPC1およびPCrefで被覆し、以下同様に被覆した。塗布は、Kコントロールコーター(RKプリントコートインスツルメンツ社)を用いて行い、またNo.3塗布バーを使用して、湿潤時のフィルム厚み24μmのフィルムを製造した。
該塗布したサンプルを、ドミノS100レーザーマーカー(ドミノアムジェット社)によって、実施例3-2に記載のようにマトリックス露光条件下で露光を行った。該マトリックスに、一定量のレーザーエネルギーを照射した後に、最良のマーキング結果を示した、特定の文字「M」のマーキング濃度を観察し、その実験結果を、図4A〜4Hに示した。特定のレーザー露光条件(レーザー照射時間=53μs、およびマーキング速度=2030ビット/ms)を表す、該マトリックス中の文字「M」を、各テストサンプルのマーク濃度を比較するために選択した。該文字の同一位置における濃度を測定した。これらの図の結果から分かるように、保護層におけるバインダとして、ポリビニルアルコールを、該ポリウレタン化合物によって置換すると、レーザー-マーキング性物質の、記録層においてマーキング処理により形成された、マーク濃度の維持において改善が認められた。
2・・支持体;
3、13、14、15・・隔離層;
4・・電子供与性染料プリカーサ;
5・・カプセル壁;
6・・電子受容性化合物;
7、7’、7”・・ポリマー性媒体;
8、8’、8”・・レーザービーム;
9・・スペーサ層;
10・・レーザー吸収性増強添加剤;
11・・マーク;
12・・支持層;
16・・レーザー吸収性添加剤;
17・・接着性媒体
Claims (22)
- レーザー-マーキング性材料を製造するための塗布組成物であって、約150〜約190℃なる範囲のガラス転移温度:Tgを持つポリマーでカプセル化した、電子供与性染料プリカーサ粒子を含み、該染料プリカーサ粒子全体積の少なくとも約90%が、約0.2μm〜約5μmなる範囲の径を持つことを特徴とする、前記塗布組成物。
- 前記電子供与性染料プリカーサ全量の少なくとも70%(w/w)が、酢酸エチル100g当たり約10gを越える溶解度を持つ、請求項1記載の塗布組成物。
- 前記組成物が、約5cp〜約30cpなる範囲の粘度を持つ、請求項1記載の塗布組成物。
- 前記約150〜約190℃なる範囲のガラス転移温度:Tgを持つポリマーが、ポリウレタンを含む、請求項1記載の塗布組成物。
- 前記レーザー-マーキング性材料が、ピークにおいて約10.6μmなる波長をもつ、CO2レーザービームによってマーキングし得る、請求項1記載の塗布組成物。
- 前記電子供与性染料プリカーサ全量の少なくとも80%(w/w)が、酢酸エチル100g当たり約10gを越える溶解度を持つ、請求項1記載の塗布組成物。
- 前記電子供与性染料プリカーサが、以下の式(1)で表される化合物を含む、請求項1記載の塗布組成物:
式(1):
- 塗布層を含むレーザー-マーキング性材料であって、該塗布層が、約150〜約190℃なる範囲のガラス転移温度:Tgを持つポリマーでカプセル化した、電子供与性染料プリカーサ粒子を含み、該染料プリカーサ粒子全体積の少なくとも約90%が、約0.2μm〜約5μmなる範囲の径を持つことを特徴とする、前記レーザー-マーキング性材料。
- 前記塗布層中の、前記電子供与性染料プリカーサ全量の少なくとも70%(w/w)が、酢酸エチル100g当たり約10gを越える溶解度を持つ、請求項10記載のレーザー-マーキング性材料。
- 前記塗布層が、約5cp〜約30cpなる範囲の粘度を持つ組成物塗布組成物から形成される、請求項10記載のレーザー-マーキング性材料。
- 前記の約150〜約190℃なる範囲のガラス転移温度:Tgを持つポリマーが、ポリウレタンを含む、請求項10記載のレーザー-マーキング性材料。
- 前記レーザー-マーキング性材料が、ピークにおいて約10.6μmなる波長をもつ、CO2レーザービームによってマーキングし得る、請求項10記載のレーザー-マーキング性材料。
- 前記塗布層中の、前記電子供与性染料プリカーサ全量の少なくとも80%(w/w)が、酢酸エチル100g当たり約10gを越える溶解度を持つ、請求項10記載のレーザー-マーキング性材料。
- 前記電子供与性染料プリカーサが、以下の式(1)で表される化合物を含む、請求項10記載のレーザー-マーキング性材料:
式(1):
- 更に、前記塗布層を堆積させる基盤をも含む、請求項10記載のレーザー-マーキング性材料。
- 更に、前記塗布層上に設けられた、保護層をも含み、該保護層が、これを通して、該塗布層を暴露した際にマークを形成するのに効果的な、レーザービームの通過を可能とする、請求項10記載のレーザー-マーキング性材料。
- 更に、前記塗布層上に設けられた、保護層をも含み、該保護層が、該塗布層を暴露した際にマークを形成するのに効果的な、レーザービームに対して実質的に透明である、請求項10記載のレーザー-マーキング性材料。
- 請求項10記載のレーザー-マーキング性材料を、レーザービームに暴露する工程を含むことを特徴とする、レーザー-マーキング性材料のマーキング方法。
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