JP4104269B2 - 一重二重効用吸収冷凍機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一重二重効用吸収冷凍機(吸収冷温水機を含む)に係わるものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の吸収冷凍機として、高温再生器から供給される冷媒蒸気を熱源として吸収液を加熱し冷媒を蒸発分離する二重効用再生器の低温再生器1、それに併設され、低温再生器1から供給される冷媒蒸気を凝縮する二重効用凝縮器の凝縮器2、蒸発器3、吸収器4、コージェネレーション装置などから供給される温排水を熱源として吸収液を加熱し冷媒を蒸発分離する一重効用再生器の低温水再生器5、それに併設され、低温水再生器5から供給される冷媒蒸気を凝縮する一重効用凝縮器の低温水凝縮器6、冷媒ポンプ7、冷媒タンク8などを備えた図3に示す構成の一重二重効用吸収冷凍機が周知である。
【0003】
そして、図3に示した吸収冷凍機においては、凝縮器2、低温水凝縮器6それぞれで冷却水管12を流れる冷却水に放熱して凝縮した冷媒液は、蒸発器3にそれぞれ直接流入するように冷媒管が設けられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
図3の構成とすることにより、一重単独、二重単独、一重二重併用の何れの運転であっても、冷媒ポンプ7を運転することにより冷媒液を冷媒タンク8で保有することが可能であるが、配管構造が複雑であると云った問題点があり、簡単な構成にする必要があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記従来技術の課題を解決するための具体的手段として、排熱などを熱源として吸収液を加熱し冷媒を蒸発分離する一重効用再生器と、その一重効用再生器から供給される冷媒蒸気を凝縮させる一重効用凝縮器と、高温再生器から供給される冷媒蒸気により吸収液を加熱して冷媒を蒸発分離する二重効用再生器と、その二重効用再生器から供給される冷媒を凝縮させる二重効用凝縮器と、蒸発器と、吸収器とを備えた一重二重効用吸収冷凍機において、
【0006】
前記二重効用凝縮器に冷媒液貯留部を設け、この冷媒液貯留部は側壁部に設けた堰に対応した容積の冷媒液を貯留し、前記堰を越えて溢れ出した冷媒液が冷媒管を介して前記蒸発器に流れ込むよう配管され、一重効用凝縮器から延出された冷媒液管が、その途中に形成したUシール部を介して前記冷媒液貯留部に貯留された冷媒液中に連通するように前記側壁の上端より低い部位に接続された第1の構成の一重二重効用吸収冷凍機と、
【0007】
前記冷媒液貯留部の前記側壁の反対側に前記冷媒液管が接続され、前記冷媒液管から前記冷媒液貯留部の一端に流入した冷媒液がその反対側となる前記側壁へ流れて前記側壁から流れ出る構成である第2の構成の一重二重効用吸収冷凍機を提供することにより、前記した従来技術の課題を解決するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図1、図2に基づいて詳細に説明する。なお、理解を容易にするため、これらの図においても前記図3において説明した部分と同様の機能を有する部分には、同一の符号を付した。
【0010】
例示した吸収冷凍機は、凝縮器2の内部に冷媒液貯留部11を備え、低温再生器1から流入する冷媒蒸気が冷却水管12を流れる冷却水に放熱し、凝縮して貯留されると共に、その冷媒液貯留部11の底部に図示しない高温再生器の気相部から低温再生器1の内部を経由して延接された冷媒管13が接続され、高温再生器で加熱された吸収液から蒸発分離した冷媒蒸気が低温再生器1で吸収液を加熱し、凝縮して流入するように構成されている。
【0011】
また、冷媒液貯留部11には、低温水凝縮器6の底部から延接された冷媒管14が接続されて、低温水凝縮器6で冷却水管12を流れる冷却水により冷却されて凝縮した冷媒液が、冷媒液貯留部11に流入するように構成されている。
【0012】
なお、冷媒液貯留部11は、冷媒管13、14から流入する冷媒液の量が増えると、一端の側壁11A部にはスリット式の堰が設けてあり、必要冷媒量に応じた液面高さ(貯留量)になるように設計されている。その冷媒液貯留部11の側壁11Aの反対側には、側壁11Aの上端より低い部位に冷媒管14が接続され、且つ、冷媒管14の中間部には低温水凝縮器6、冷媒液貯留部11それぞれへの接続部分よりも低いUシール部14Aが設けられている。
【0013】
上記構成の吸収冷凍機においては、コージェネレーション装置などから供給される温排水などを熱源として、低温水再生器5で吸収液を加熱して冷媒を蒸発分離し、吸収液を濃縮する一重効用運転においても、図示しない高温再生器と低温再生器1で吸収液を加熱して冷媒を蒸発分離し、吸収液を濃縮する二重効用運転においても、また、前記一重効用運転と二重効用運転の併用運転においても、凝縮した冷媒液は凝縮器2の冷媒液貯留部11に溜められ、そこから溢れ出た冷媒液が冷媒管15を通って蒸発器3に入り、冷媒ポンプ7により揚液されて蒸発器3内の冷水管16の上に散布される。
【0014】
すなわち、一重効用単独運転で、二重効用側からの冷媒液の供給がないときにも、低温水凝縮器6で凝縮生成した冷媒液は冷媒液貯留部11にその内容積(堰に対応した容積)だけは貯留され、冷媒貯留機能を常に確保でき、溢れ出た分だけが冷媒管15を介して蒸発器3に流れ込み、蒸発器3内の冷水管16の上に散布されて蒸発するので、冷媒液の全量が蒸発器3に流れ込み、そこからも溢れ出て吸収器4に流れ込み、効率を極端に低下させると云ったことがない。
【0015】
また、冷媒液貯留部11の冷媒液が溢れ出る側と、冷媒管14の接続側とが冷媒液貯留部11の互いに反対側に設けられ、冷媒管14から冷媒液貯留部11の一端に流入した冷媒液は、その反対側に設けられた側壁11Aの側に流れ、側壁11Aより流れ出るので、吸収液による冷媒の吸収を促進するために添加されたアルコールの循環が促され、吸収促進剤のアルコールが冷媒液貯留部11内に滞留することがない。
【0016】
また、二重効用単独運転中も冷媒管14のUシール部14Aは常に冷媒液によって満たされるので、一重効用側の運転を長期間行わないときなどでも、Uシール部14Aの冷媒液が蒸発してなくなることはないので、冷媒ロスが発生することがない。
【0017】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではないので、特許請求の範囲に記載の趣旨から逸脱しない範囲で各種の変形実施が可能である。
【0018】
例えば、冷媒液貯留部の冷媒出口構造を堰として説明したが、堰の代わりに配管構造によって対応する、あるいはオリフィスを用いることなども可能である。
【0019】
また、一重または二重の駆動熱源は、それぞれの冷凍サイクルが成立する温度を有していれば良いので、蒸気、高温水、排ガスなどであっても良い。
【0020】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、冷媒を保有するために外付けしていた冷媒タンクが不要になり、配管構成がシンプルになった。
【0021】
また、一重効用凝縮器から延出された冷媒液管が、その途中に形成したUシール部を介して二重効用凝縮器に設けた冷媒液貯留部に貯留された冷媒液中に連通するように側壁の上端より低い部位に接続されるため、二重効用単独運転で一重効用側からの冷媒液の供給がないときにも、二重効用凝縮器で凝縮生成した冷媒液により一重側のUシールが形成されるので、冷媒ロスにより効率を低下させると云ったことがない。
【0022】
また、前記冷媒液貯留部の前記側壁の反対側に前記冷媒液管が接続され、前記冷媒液管から前記冷媒液貯留部の一端に流入した冷媒液がその反対側となる前記側壁へ流れて前記側壁から流れ出る構成であるため、冷媒液貯留部全体に冷媒液の流れが形成されるので、冷媒の吸収を促進するために添加されたアルコールの循環が促され、冷媒液貯留部に吸収促進剤であるアルコールが滞留することがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成を示す説明図である。
【図2】本発明の要部を示す説明図である。
【図3】従来技術を示す説明図である。
【符号の説明】
1 低温再生器
2 凝縮器
3 蒸発器
4 吸収器
5 低温水再生器
6 低温水凝縮器
7 冷媒ポンプ
8 冷媒タンク
11 冷媒液貯留部
11A 側壁
12 冷却水管
13、14、15 冷媒管
16 冷水管

Claims (2)

  1. 排熱などを熱源として吸収液を加熱し冷媒を蒸発分離する一重効用再生器と、その一重効用再生器から供給される冷媒蒸気を凝縮させる一重効用凝縮器と、高温再生器から供給される冷媒蒸気により吸収液を加熱して冷媒を蒸発分離する二重効用再生器と、その二重効用再生器から供給される冷媒を凝縮させる二重効用凝縮器と、蒸発器と、吸収器とを備えた一重二重効用吸収冷凍機において、二重効用凝縮器に凝縮液貯留部を設け、この冷媒液貯留部は側壁部に設けた堰に対応した容積の冷媒液を貯留し、前記堰を越えて溢れ出した冷媒液が冷媒管を介して前記蒸発器に流れ込むよう配管され、一重効用凝縮器から延出された冷媒液管が、その途中に形成したUシール部を介して前記冷媒液貯留部に貯留された冷媒液中に連通するように前記側壁の上端より低い部位に接続されたことを特徴とする一重二重効用吸収冷凍機。
  2. 前記冷媒液貯留部の前記側壁の反対側に前記冷媒液管が接続され、前記冷媒液管から前記冷媒液貯留部の一端に流入した冷媒液がその反対側となる前記側壁へ流れて前記側壁から流れ出る構成であることを特徴とする請求項1記載の一重二重効用吸収冷凍機。
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