JPS602543Y2 - 吸収冷凍機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本案は、水を冷媒、臭化リチウム等の塩類溶液を吸収剤
とする吸収冷凍機に関するものであり、特に、運転開始
から通常の運転に移行する迄の熱損失を少なくし、立ち
上り時間を短縮して起動特性の改善を図ることを目的と
したものである。

一般に、吸収冷凍機の発生器において加熱分離される冷
媒蒸気は、凝縮器で液化されて蒸発器に散布される一方
、発生器で冷媒を分離された吸収液は冷却水によって冷
却されつつ吸収器に循環散布される。

しかし、冷凍機の運転開始時等、吸収液の温度が充分に
上っていない状態での吸収液の循環や冷却は、吸収冷凍
機が通常の運転に達する迄の時間を長くし、かつ、冷凍
機の運転効率の低下となるものであった。

本案は吸収冷凍機の運転開始時におけるこのような立ち
上りの遅れを改善し、すみやかに通常運転に移行できる
ことを目的としたものであり、以下に図面に示す実施例
に従い説明する。

１は例えば、ガスバーナー等の燃焼器２による加熱室３
を有し、吸収液を加熱して冷媒を気化分離する高温発生
器、４は高温発生器１で発生した気状冷媒の熱を利用し
て吸収液を加熱し、冷媒を分離する低温発生器、５は冷
却水による冷却器６を内蔵し上記二つの発生器１，４か
ら流入する冷媒を凝縮液化する凝縮器、６は液冷媒を散
布して気化させることにより冷水器７から機外の冷房負
荷（図示省略）に冷房用冷水を供給する蒸発器、８は低
温発生器４から流入する吸収液を散布し蒸発器６で気化
した冷媒を吸収し、このときに発生する反応熱を冷却器
９で冷却することにより蒸発器６における連続した冷却
機能を維持するようにした吸収器、１０．１１は温度差
のある吸収液相互の熱を授受する熱交換器、１２は冷水
器７から出る冷水温度に応じて吸収器８に散布される吸
収液量および高温発生器１での加熱量を調整する制御器
、１３は低温発生器４において吸収液を加熱した後の冷
媒管路１４に取付けられた冷媒溜り、１５は該冷媒溜り
へ液冷媒を貯わえるための開閉弁である。

このような本案構成においては、吸収冷凍機の運転開始
時に開閉弁１５を閉じておくと、高温発生器１で気化し
た冷媒が低温発生器４の吸収液を加熱した後、冷媒溜り
１３および管路１４に貯溜されるので、循環する吸収液
の濃度および高温発生器内の圧力と吸収液の濃度とを短
時間に上げ、吸収冷凍機の通常の運転の液濃度と圧力状
態にすみやかに移行することができる。

又、第２図の実施例は、冷媒液溜りを凝縮器の液溜り１
６に兼ね、開閉弁１５を凝縮器５から蒸発器６に至る管
路１７に設けたものである。

この実施例においても、第１図の場合と同様、吸収冷凍
機の運転開始時に開閉弁１５を閉止すると凝縮器５に流
入した冷媒は器内に貯溜され、循環する吸収液の濃度お
よび各部の圧力と濃度とが短時間に通常の運転状態に移
行でき、従来のように、凝縮器５で凝縮した液冷媒が充
分な冷却に用いられないまま蒸発器の冷媒溜り１８から
吸収器８に溢流して再循環することおよび、これによる
冷却運転の立ち上り特性の遅れ、或いは凝縮器の冷却水
によって生じる熱損失を無くすことができるものである
。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案による吸収冷凍機の一実施例を示す回路構
成図、第２図は同じく他の実施例を示す凝縮器部の構成
図である。 １．４・・・発生器、５・・・凝縮器、６・・・蒸発器
、８・・・吸収器、１３．１６・・・冷媒溜り、１４．
１７・・・冷媒管路、１５．１５’・・・開閉弁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 高温発生器、低温発生器、蒸発器、吸収器、熱交換器等
   を配管接続して冷媒と吸収液の循環サイクルを形成する
   と共に、高温発生器から低温発生器を経由して凝縮器に
   至る冷媒管路の途中には冷媒溜りと開閉弁を設け、吸収
   冷凍機の運転開始から定常運転に移行する間に開閉弁を
   閉じることにより、低温発生器において吸収液を加熱し
   て凝縮した液冷媒を冷媒溜りに貯溜するようにした吸収
   冷凍機。