JP4104101B2 - 熱転写記録媒体及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱転写記録媒体及びその製造方法に関し、詳しくはフィルムラベル印字画像の定着性、特に溶剤にさらされた場合の耐溶剤性に優れる熱転写記録媒体及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、熱転写記録画像の耐久性を向上させる目的でプラスチック製ラベル、特にポリエチレンテレフタレート(以下PETと記す)ラベルの需要が増大している。このようなラベルでは、熱転写インクそのものの耐久性も求められ、熱転写性材料としてワックス類ではなく熱可塑性樹脂が多用されている。中でも飽和共重合ポリエステル樹脂はPETとの接着性、画像の耐久性の良さから従来技術中でも使用例が数多く見られる。
但し、飽和ポリエステル樹脂を熱転写記録媒体のバインダーとして使用する場合、樹脂を有機溶剤に可溶したワニスとして塗工する必要があり、ポリエステル樹脂を構成するモノマーとして溶剤可溶性成分、例えば、酸成分としてイソフタル酸、アジピン酸、セバシン酸等を、ジオール成分としてはネオペンチルグリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ポリエチレングリコール等を多量に含有せしめる必要があった。これらの共重合成分の選択により溶剤溶解性、熱転写性に適するガラス転移点温度の調整が可能になるが、一方で被着体であるPETに対する密着性、耐溶剤性の低下を引き起こし充分な性能は得られなかった(特開平5−16537号等)。
また、前記問題を克服する方法として、ジオール成分としてビスフェノールAエチレンオキサイド付加物などを使用することが提案されている(特開平3−248889号公報)。これらの方法によりポリエステル樹脂に結晶性を持たせることが可能になり、又、生産面ではホットメルト塗設も可能となった。しかしながら、画像耐久性の面では樹脂凝集力の低下による定着性低下、融解熱による熱感度低下という不具合があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、プラスチック製ラベル、特にPETラベルに対して定着性がよく、ラベルが溶剤にさらされた場合においても定着性のよい熱転写記録媒体及びその製造方法を提供することをその課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、PETフィルムに対する定着性、耐溶剤性に優れた画像の形成可能な、飽和共重合ポリエステル樹脂の必要特性を見いだし、本発明を完成するに至った。
即ち、前記課題を解決するため、本発明によれば、第一に、基材上に少なくとも着色剤と熱可塑性樹脂からなる熱転写インク層を設けてなる熱転写記録媒体であって、該熱可塑性樹脂が非晶質の飽和共重合ポリエステルを主成分としたものであり、かつ該飽和共重合ポリエステルは、2塩基酸成分とジオール成分から得られたものであり、ガラス転移温度が40〜80℃で、数平均分子量が10000〜25000であり、しかもこれをメチルエチルケトン、トルエン、及びメチルエチルケトンとトルエンの任意の割合の混合液のうちのいずれかに溶解した場合、その最大溶解度が10g/100g(25℃)以下であることを特徴とする熱転写記録媒体が提供される。
また、本発明によれば、第二に、上記第一において、非晶質の飽和共重合ポリエステル樹脂を構成する酸成分のうち80モル%以上がテレフタル酸であり、かつジオール成分のうち80モル%以上がエチレングリコールとネオペンチルグリコールであることを特徴とする熱転写記録媒体が提供される。
また、本発明によれば、第三に、基材上に少なくとも着色剤を含む熱転写インク層を設け、その上に着色剤を含まない熱可塑性樹脂からなる接着層を設けてなる熱転写記録媒体であって、該熱可塑性樹脂が非晶質の飽和共重合ポリエステルを主成分としたものであり、かつ該飽和共重合ポリエステルは、2塩基酸成分とジオール成分から得られたものであり、ガラス転移温度が40〜80℃で、数平均分子量が10000〜25000であり、しかもこれをメチルエチルケトン、トルエン、及びメチルエチルケトンとトルエンの任意の割合の混合液のうちのいずれかに溶解した場合、その最大溶解度が10g/100g(25℃)以下であることを特徴とする熱転写記録媒体が提供される。
また、本発明によれば、第四に、上記第三において、非晶質の飽和共重合ポリエステル樹脂を構成する酸成分のうち80モル%以上がテレフタル酸であり、かつジオール成分のうち80モル%以上がエチレングリコールとネオペンチルグリコールであることを特徴とする熱転写記録媒体が提供される。
さらに、本発明によれば、上記第一〜第四のいずれかの熱転写記録媒体を製造する方法であって、該飽和共重合ポリエステル樹脂を含む層を水性塗工により塗設する工程を有することを特徴とする熱転写記録媒体の製造方法が提供される。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
まず、本発明による第1の熱転写記録媒体について述べる。
この第1の熱転写記録媒体は、基材上に少なくとも着色剤と熱可塑性樹脂からなる熱転写インク層を設けてなる熱転写記録媒体であって、該熱可塑性樹脂が非晶質の飽和共重合ポリエステルを主成分としたものであり、かつ該飽和共重合ポリエステルは、2塩基酸成分とジオール成分から得られたものであり、ガラス転移温度が40〜80℃で、数平均分子量が10000〜25000であり、しかもこれをメチルエチルケトン、トルエン、及びメチルエチルケトンとトルエンの任意の割合の混合液のうちのいずれかに溶解した場合、その最大溶解度が10g/100g(25℃)以下であることを特徴とするものである。
【0006】
本発明の熱転写記録媒体の基材としては従来公知の各種プラスチックフィルムを使用することができる。具体的には、PET等のポリエステル、ポリカーボネート、トリアセチルセルロース、ナイロン、ポリイミド等のような比較的耐熱性の良いものを挙げることができる。当該基材の厚さは、通常熱転写記録媒体の基材として用いられる範囲のものを使用することができ、具体的には2.5〜6μmのものを好適に使用することができる。
当該基材の裏面には、必要に応じて保護層を設けても良い。当該保護層はサーマルヘッドの熱印加時に基材を高温から保護する目的の層であり、耐熱性の高い熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂のほか、紫外線硬化樹脂、電子線硬化樹脂等を使用することができる。具体的には、シリコン樹脂、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂等を挙げることができ、これらの樹脂を薄膜状に塗設することができる。塗膜の厚さは0.01〜2.0μmの範囲にあることが好ましい。
【0007】
第1の熱転写記録媒体においては、熱転写インク層は、少なくとも着色剤と熱可塑性樹脂を含有し、該熱可塑性樹脂は、非晶質の飽和共重合ポリエステルを主成分とする。当該非晶質の飽和共重合ポリエステルは、2塩基酸成分とジオール成分から得られたものであり、ガラス転移温度が40〜80℃で、数平均分子量が10000〜25000であり、しかもトルエン、メチルエチルケトン、及びメチルエチルケトン/トルエンの任意の割合の混合溶剤のうちのいずれかに溶解した場合、その最大溶解度が10g/100g(25℃)以下となるものである。
このような飽和共重合ポリエステルを用いることにより、形成画像の耐溶剤性、定着性を優れたものにすることができる。
当該飽和共重合ポリエステル樹脂は、耐溶剤性、定着性をより優れたものにするためには、酸成分としてテレフタル酸を80モル%以上、より好ましくは90モル%以上含有することが望ましい。
この際、他の酸成分として樹脂の流動性を改善する目的で、アジピン酸、セバシン酸等の脂肪族2塩基酸、イソフタル酸等の芳香族2塩基酸を添加することも可能である。
【0008】
また、当該飽和共重合ポリエステルのジオール成分は、エチレングリコールとネオペンチルグリコールを必須成分とし、当該両成分の合計で80モル%以上とすることが望ましい。当該両成分を、前記範囲で用いると、画像の定着性と樹脂に対する非結晶性付与をより良好なものとすることができる。この場合、エチレングリコールとネオペンチルグリコールの構成比率は、縮重合させる酸成分によって適宜選択可能であるが、本発明においては両成分を2:8〜8:2の範囲とすることが好ましい。
また、当該飽和共重合ポリエステルにおいては、他のジオール成分として、プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物等の中から1種類以上を適宜選択し、前記ジオール成分と併用することもできる。なお、前記必須のジオール成分であるエチレングリコールとネオペンチルグリコールの配合量の関係から、他のジオール成分の配合量は合計で20モル%未満の使用が好ましい。
【0009】
当該飽和共重合ポリエステル樹脂のガラス転移点温度、数平均分子量(GPC換算値)は、使用する熱転写印字システムに応じて適宜選択されるべきであるが、本発明においては、ガラス転移点温度としては40〜80℃、数平均分子量としては10000〜25000の範囲とする。
【0010】
熱転写インク層に含有させる着色剤としては、所望の色調、濃度に合わせてカーボンブラック、有機顔料、無機顔料、又は各種染料の中から適宜選択することができる。着色剤の含有量は、熱転写インク層全体に対して10〜40重量%とすることが望ましい。着色剤の含有量が上記範囲内であると、濃度及び剪断力が適正なものとなる。
【0011】
また、前記熱転写インク層においては、本発明の飽和共重合ポリエステル樹脂とともに、公知の熱可塑性樹脂を併用することができる。具体的には、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、ポリエチレン、酸変性ポリエチレン、アクリル樹脂、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、各種セルロース誘導体、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセトアセタール、エポキシ樹脂等を挙げることができる。これら熱可塑性樹脂の熱転写インク層中の含有量は、50重量%以下、好ましくは20重量%以下である。これら、熱可塑性樹脂を併用することにより、画像の耐久性、定着性をより向上させることができる。
【0012】
さらに、当該熱転写インク層に対しては、フィラーとして、ポリエチレン、ポリアクリル、ポリ塩化ビニル、シリコン、フッ素樹脂、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム等を添加しても良い。該フィラーの添加量は、20重量%以下とすることが好ましい。前記フィラーを添加することにより、ブロッキング、貼りつき等を防止することができる。
【0013】
また、本発明においては、熱転写インク層に、従来公知の熱溶融性物質を添加することもできる。この場合の添加する熱溶融性物質の融点は60〜120℃の範囲であり、含有量は20重量%以下とすることが好ましい。熱溶融性物質を添加することにより、熱感度をより向上せしめることができる。
【0014】
また、熱転写インク層の厚みは、その熱転写条件等により、適宜選択するべきであるが、インク定着性、熱感度、画像濃度、耐溶剤性等を考慮した場合、通常0.5〜3.0μmとすることが好ましい。
【0015】
本発明による第1の熱転写記録媒体では、基材と熱転写インク層の間に、熱溶融性物質を主としてなる剥離層を設けても良い。熱溶融性物質としては、従来公知のワックス類を用いることができる。具体的には、蜜ろう、カルナウバろう、キャンデリラろう、鯨ろう、木ろう、米ぬかろう、モンタンワックス、等の天然ワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス、酸化パラフィン、酸化マイクロ、酸化ポリエチレンワックス、オゾケライト、セレシン、エステルワックス、α−オレフィン誘導体等の合成ワックス、高級脂肪酸、脂肪酸エステル類、脂肪酸アミド類等を挙げることができる。剥離層を設けることにより、熱転写印字の際に基材と熱転写インク層間の剥離性を向上させることができる。
また、該剥離層には、上記ワックス類とともに、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、エチレンプロピレンゴム、ブチルゴム、ニトリルゴム、スチレン−ブタジエンゴム等の未加硫ゴム類や熱転写インク層で使われる熱可塑性樹脂類を添加しても良い。これらを添加することにより、剥離層の柔軟性、基材への密着性を付与することができる。
剥離層中のワックス成分の含有量は50〜100%、好ましくは80〜100%である。厚さは0.5〜2.0μmの範囲にあることが好ましい。
【0016】
次に、本発明による第2の熱転写記録媒体について述べる。
この第2の熱転写記録媒体は、基材上に少なくとも着色剤を含む熱転写インク層を設け、その上に着色剤を含まない熱可塑性樹脂からなる接着層を設けてなる熱転写記録媒体であって、該熱可塑性樹脂が非晶質の飽和共重合ポリエステルを主成分としたものであり、かつ該飽和共重合ポリエステルは、2塩基酸成分とジオール成分から得られたものであり、ガラス転移温度が40〜80℃で、数平均分子量が10000〜25000であり、しかもこれをメチルエチルケトン、トルエン、及びメチルエチルケトンとトルエンの任意の割合の混合液のうちのいずれかに溶解した場合、その最大溶解度が10g/100g(25℃)以下であることを特徴とするものである。
【0017】
本発明の熱転写記録媒体の基材としては、本発明による第1の熱転写記録媒体と同様のものを同様な形態で使用することができる。
【0018】
第2の熱転写記録媒体においては、熱転写インク層は、少なくとも着色剤を含有し、必要に応じ本発明による飽和共重合ポリエステル樹脂、公知の熱可塑性樹脂、具体的には、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、ポリエチレン、酸変性ポリエチレン、アクリル樹脂、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、各種セルロース誘導体、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセトアセタール、エポキシ樹脂等を併用することができる。
【0019】
本発明による第2の熱転写インク層に含有させる着色剤としては、所望の色調、濃度に合わせてカーボンブラック、有機顔料、無機顔料、又は各種染料の中から適宜選択することができる。
【0020】
また、熱転写インク層に、従来公知の熱溶融性物質を添加することもできる。この場合の添加する熱溶融性物質の融点は60〜120℃の範囲であり、含有量は20重量%以下とすることが好ましい。熱溶融性物質を添加することにより、熱感度をより向上せしめることができる。
【0021】
また、熱転写インク層の厚みは、その熱転写条件等により、適宜選択するべきであるが、インク定着性、熱感度、画像濃度、耐溶剤性等を考慮した場合、通常0.5〜3.0μmとすることが好ましい。
【0022】
第2の熱転写記録媒体において、熱転写インク層の上に設ける接着層は、本発明の飽和共重合ポリエステル樹脂を主な成分とする。この接着層に対しては、受容体との密着性を維持させるため、着色剤は添加しないことが好ましい。
また、該接着層には、本発明の飽和共重合ポリエステル樹脂以外に、画像の耐久性、定着性をより向上せしめる目的で、公知の熱可塑性樹脂、具体的には、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、ポリエチレン、酸変性ポリエチレン、アクリル樹脂、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、各種セルロース誘導体、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセトアセタール、エポキシ樹脂等を併用することができる。
また、該接着層には、熱感度をより向上せしめる目的で、従来公知の熱溶融性物質を添加することもできる。この場合の添加する熱溶融性物質の融点は60〜120℃の範囲であり、含有量は20重量%以下とすることが好ましい。
また、該接着層に対しては、ブロッキング、貼りつき等を防止することを目的として、フィラーを添加することができる。具体的には、ポリエチレン、ポリアクリル、ポリ塩化ビニル、シリコン、フッ素樹脂、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム等を挙げることができる。該フィラーの添加量は、20重量%以下とすることが好ましい。
該接着層の厚みは、通常0.1〜2.0μmの範囲とすることが好ましい。
【0023】
本発明による第2の熱転写記録媒体では、第1の熱転写記録媒体と同様に、基材と熱転写インク層の間に、熱溶融性物質を主としてなる剥離層を設けても良い。熱溶融性物質としては、従来公知のワックス類を用いることができる。具体的には、蜜ろう、カルナウバろう、キャンデリラろう、鯨ろう、木ろう、米ぬかろう、モンタンワックス、等の天然ワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス、酸化パラフィン、酸化マイクロ、酸化ポリエチレンワックス、オゾケライト、セレシン、エステルワックス、α−オレフィン誘導体等の合成ワックス、高級脂肪酸、脂肪酸エステル類、脂肪酸アミド類等を挙げることができる。剥離層を設けることにより、熱転写印字の際に基材と熱転写インク層間の剥離性を向上させることができる。
また、該剥離層には、上記ワックス類とともに、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、エチレンプロピレンゴム、ブチルゴム、ニトリルゴム、スチレン−ブタジエンゴム等の未加硫ゴム類や熱転写インク層で使われる熱可塑性樹脂類を添加しても良い。これらを添加することにより、剥離層の柔軟性、基材への密着性を付与することができる。
剥離層中のワックス成分の含有量は50〜100%、好ましくは80〜100%である。厚さは0.5〜2.0μmの範囲にあることが好ましい。
【0024】
本発明の熱転写記録媒体を製造するに際し、構成成分として、本発明の飽和共重合ポリエステル樹脂を用いる層を塗布する場合、本発明の飽和共重合ポリエステル樹脂が耐薬品性に優れているという特性上、有機溶剤に溶解させて塗工液として調製するのは困難である。そのため本発明においては、塗工液化は当該樹脂を水性分散体とすることにより行われる。水性分散化の方法としては従来公知の方法が使用できる。例えば、樹脂構造中のカルボン酸残基等をアミンで中和し水性化する方法、共重合酸成分として親水基を含むもの、例えばスルホン酸ナトリウム、イソフタル酸等で親水基を導入し、水性化する方法等である。
【0025】
本発明において、各層はその成膜乾燥温度により剪断強度、密着力、剥離強度の変動が生じ、その結果、印字諸特性が変化する場合があるので、所望になるように乾燥温度を調整する必要がある。
【0026】
【実施例】
以下、実施例をあげて本発明を具体的に説明する。
厚さ4.5μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの裏面にシリコーンゴムを厚さ0.1μmとなるように塗設し、保護層塗工済基材を得た。
続いて以下の組成の各層塗工液を調製した。
【0027】
〈剥離層塗工液〉
カルナウバワックスエマルション(固形分35%) 55重量%
スチレン−ブタジエンゴムエマルション(固形分40%) 2重量%
エチルアルコール 15重量%
水 28重量%
【0028】
〈熱転写インク層塗工液A〉
飽和共重合ポリエステル樹脂水分散品(固形分30%) 50重量%
(ガラス転移点温度70℃ 数平均分子量10,000
酸:テレフタル酸
ジオール:エチレングリコール/ネオペンチルグリコール
メチルエチルケトン/トルエン溶解度5g/100g(25℃)以下)
カーボンブラック水分散品(固形分20%) 20重量%
イソプロピルアルコール 15重量%
水 15重量%
【0029】
〈熱転写インク層塗工液B〉
飽和共重合ポリエステル樹脂水分散品(固形分30%) 50重量%
(ガラス転移点温度40℃ 数平均分子量10,000
酸:テレフタル酸/アジピン酸
ジオール:エチレングリコール/ネオペンチルグリコール
メチルエチルケトン/トルエン溶解度8g/100g(25℃)以下)
カーボンブラック水分散品(固形分20%) 20重量%
イソプロピルアルコール 15重量%
水 15重量%
【0030】
〈熱転写インク層塗工液C〉
メチルメタクリレート・グリシジルメタクリレート・ 14重量%
メタクリロニトリル共重合体
(ガラス転移点温度95℃ 数平均分子量6,000)
カーボンブラック 4重量%
カルナウバワックス 2重量%
メチルエチルケトン 80重量%
以上の組成物をボールミルで20時間分散した。
【0031】
〈熱転写インク層塗工液D〉
飽和共重合ポリエステル(ユニチカ製 UE3216) 16重量%
(ガラス転移点温度40℃ 数平均分子量18,000
メチルエチルケトン/トルエン溶解度25g/100g(25℃)以上)
カーボンブラック 4重量%
トルエン 40重量%
メチルエチルケトン 40重量%
以上の組成物をボールミルで20時間分散した。
【0032】
〈熱転写インク層塗工液E〉
飽和共重合ポリエステル(ユニチカ製 UE3350) 16重量%
(ガラス転移点温度52℃ 数平均分子量5,000
メチルエチルケトン/トルエン溶解度25g/100g(25℃)以上)
カーボンブラック 4重量%
トルエン 40重量%
メチルエチルケトン 40重量%
以上の組成物をボールミルで20時間分散した。
【0033】
〈熱転写インク層塗工液F〉
飽和共重合ポリエステル水分散品(固形分30%) 50重量%
(ガラス転移点温度60℃ 数平均分子量8,000
メチルエチルケトン/トルエン溶解度13g/100g(25℃))
カーボンブラック水分散品 20重量%
イソプロピルアルコール 15重量%
水 15重量%
【0034】
〈接着層塗工液A〉
飽和共重合ポリエステル樹脂水分散品(固形分30%) 60重量%
(ガラス転移点温度40℃ 数平均分子量10,000
酸:テレフタル酸/アジピン酸
ジオール:エチレングリコール/ネオペンチルグリコール)
ポリエチレンワックス水分散品 3重量%
(固形分30% 分子量2,000 軟化点102℃)
イソプロピルアルコール 15重量%
水 22重量%
【0035】
〈接着層塗工液B〉
飽和共重合ポリエステル(ユニチカ製 UE3216) 19重量%
(ガラス転移点温度40℃ 数平均分子量18,000
メチルエチルケトン/トルエン溶解度25g/100g(25℃)以上)
ポリエチレンワックストルエン分散品(固形分15%) 6重量%
(分子量2,000 軟化点102℃)
トルエン 35重量%
メチルエチルケトン 40重量%
【0036】
以上からなる塗工液を表1中の組合わせで、乾燥後厚みとして、剥離層:1.0μm 熱転写インク層:1.2μm 接着層:0.5μmとなるようにワイヤーバーで保護層塗工済基材の表面に塗設し、熱転写記録媒体を得た。
【0037】
この熱転写記録媒体を市販のバーコードプリンター(テック製B−604)でリンテック製白PETラベル上に画像形成し、画像耐久性の評価を実施したところ表1の結果となり、本発明の有効性が検証された。
▲1▼ 画像定着性試験法
CODE39バーコード印字画像を900gf荷重をかけたペンスキャナーで同一箇所を走査し、画像欠損までのバーコード読取り可能回数を測定する。
▲2▼ 耐溶剤定着性試験法
綿布に試験溶剤を含浸させ、100gf/cm2荷重をかけ画像を擦り、画像が欠損した擦り回数を測定する。
【0038】
【表1】
Figure 0004104101
溶剤定着性による耐溶剤性評価:◎:往復200回以上画像欠損なし、○:101〜200、△:51〜100、×:50以下
【0039】
【発明の効果】
本発明の熱転写記録媒体は、プラスチックラベル、特にPETラベルに対して用いた場合、成分変性量の少ない飽和共重合ポリエステル樹脂を、熱転写インキ層バインダーとして用いることにより、画像の耐久性、特にエタノール、ガソリン等に対する耐溶剤性、画像の定着性が飛躍的に向上する。

Claims (5)

  1. 基材上に少なくとも着色剤と熱可塑性樹脂からなる熱転写インク層を設けてなる熱転写記録媒体であって、該熱可塑性樹脂が非晶質の飽和共重合ポリエステルを主成分としたものであり、かつ該飽和共重合ポリエステルは、2塩基酸成分とジオール成分から得られたものであり、ガラス転移温度が40〜80℃で、数平均分子量が10000〜25000であり、しかもこれをメチルエチルケトン、トルエン、及びメチルエチルケトンとトルエンの任意の割合の混合液のうちのいずれかに溶解した場合、その最大溶解度が10g/100g(25℃)以下であることを特徴とする熱転写記録媒体。
  2. 非晶質の飽和共重合ポリエステル樹脂を構成する酸成分のうち80モル%以上がテレフタル酸であり、かつジオール成分のうち80モル%以上がエチレングリコールとネオペンチルグリコールであることを特徴とする請求項1記載の熱転写記録媒体。
  3. 基材上に少なくとも着色剤を含む熱転写インク層を設け、その上に着色剤を含まない熱可塑性樹脂からなる接着層を設けてなる熱転写記録媒体であって、該熱可塑性樹脂が非晶質の飽和共重合ポリエステルを主成分としたものであり、かつ該飽和共重合ポリエステルは、2塩基酸成分とジオール成分から得られたものであり、ガラス転移温度が40〜80℃で、数平均分子量が10000〜25000であり、しかもこれをメチルエチルケトン、トルエン、及びメチルエチルケトンとトルエンの任意の割合の混合液のうちのいずれかに溶解した場合、その最大溶解度が10g/100g(25℃)以下であることを特徴とする熱転写記録媒体。
  4. 非晶質の飽和共重合ポリエステル樹脂を構成する酸成分のうち80モル%以上がテレフタル酸であり、かつジオール成分のうち80モル%以上がエチレングリコールとネオペンチルグリコールであることを特徴とする請求項3記載の熱転写記録媒体。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の熱転写記録媒体を製造する方法であって、該飽和共重合ポリエステル樹脂を含む層を水性塗工により塗設する工程を有することを特徴とする熱転写記録媒体の製造方法。
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