JP4103290B2 - ガス遮断装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガスの事故を未然に防ぐとともに、ガスの消費量を積算する機能を持ったガス遮断装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種のガス遮断装置にいついて、図5を用いて説明する。図において、501はガスメーター、502はガスメーター501の通過ガス流量に対応した流量信号(Sとする)を出力する流量測定手段、503はガス通路の開閉を行なう遮断弁、504は遮断弁503の開閉を駆動する弁駆動部、505は外部とのデータの送受信を行なう外部通信手段、506は外部通信手段505を介して設定される積算補正用の定数(Kとする)や異常流量判定用の判定値(Tとする)や外部通信手段505から送信する通信情報に装置のIDを識別するために付加される識別情報(IDとする)を記憶する設定データ記憶部(マイクロコンピュータのRAM)、507は流量測定手段502から出力される流量信号Sと設定データ記憶部506に記憶している異常流量判定用の判定値Tとを比較してガス使用量に異常があれば弁駆動部504を駆動し遮断弁503を動作させガス通路を遮断する異常流量判定部、508は流量測定手段502から出力される流量信号Sと設定データ記憶部506に記憶している積算補正用の定数KからK×Sとして積算値を算出する積算手段である。
【0003】
外部通信手段505から情報を送出するときに、設定データ記憶部506に記憶している装置IDを付加し、この情報をセンター装置等で受け取ったときにどのガス遮断装置からの情報であるかを判断している。設定データ記憶部506に記憶している積算補正用の定数Kや異常流量判定用の判定値Tや装置IDは、通常初期の1回のみ設定であるが必要に応じてセンター側等から再設定を行なうようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このようなガス遮断装置では、設定データ記憶部506に記憶しているデータが書き換わった場合に意図的に書き換えたものなのか、それとも設定データ記憶部の故障(RAMの故障)により書き換わったものであるかを判別できないために、ガス遮断装置の故障としてガス遮断装置を取り外す必要があった。設定データ記憶部506に記憶しているそれぞれのデータが書き換わった場合にはガス遮断装置としては、以下のような現象となる。まず、装置IDが書き換わった場合にはセンター装置側で管理している装置IDとガス遮断装置から送られてきた通信情報に付加されている装置IDとが違うために通信エラーとなり正常な通信ができなくなる。
【0005】
次に、積算補正用の定数Kが書き換わった場合には、積算値が異常に多くなったり少なくなったりする可能性がある。次に、異常流量判定用の判定値Kが書き換わった場合には、ガス使用量の判定値が異なってくるために使用量に対して遮断弁503が早くきれたり、逆に、遅く切れて不安全側になる可能性がある。このように設定データ記憶部506のデータが書き換わるということは、ガス遮断装置の重要な機能である通信、積算、安全の機能を損なうことになる。それにも関わらず初期設定以外に再設定の必要があるために、現場用の通信用の設定器等を使用し外部通信手段505を介して設定データ記憶部506のデータを容易に書き換えることができる。このことをセンター側で管理していれば問題なく処理されるが、センター側で管理していない場合には、設定データ記憶部506の不良してガス遮断装置を取り外す必要があった。また、逆に設定データ記憶部506に不良がある場合には、通信用の設定器を使用して外部通信手段505を介して書き換えたものか、設定データ記憶部506の不良により書き換わったものかを断定することができなかった。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本ガス遮断装置においては、外部通信手段を介して通信用設定器から設定データ記憶部にデータが設定されたときに設定データ記憶部から出力される設定情報に基づいてその内容と設定履歴(年月日時分秒等)を記憶し必要に応じて設定履歴情報として外部通信手段からセンター装置に通知する設定データ履歴記憶部を設け、センター装置で設定データ記憶部のデータが書き換えられたことを認識したとき、設定データ履歴記憶部のデータを読み出し、設定データ履歴記憶部に初期設定以外の設定履歴情報があるか否かに基づいて、設定データ記憶部の異常の有無を判断するようにしたものである。この設定データ履歴記憶部のデータにより、意図的に設定データ記憶部のデータをセンター側及び通信用の設定器で書き換えたものか、無意識に書き換えたものか、あるいは、設定データ記憶部の異常により書き換わったものかを区別することができ、設定データ記憶部の異常の場合のみガス遮断装置の取外しが可能となる。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、通過ガス流量に対応した流量を測定して流量信号を出力する流量測定手段と、ガス通路の開閉を行う遮断弁と、前記遮断弁の開閉駆動をする弁駆動部と、センター装置または通信用設定器との通信を行う外部通信手段と、前記外部通信手段を介して前記通信用設定器から設定される積算補正用の定数や異常流量判定用の判定値や前記外部通信手段がセンター装置または通信用設定器と通信する通信情報に付加する識別情報等を記憶するとともに設定情報を出力する設定データ記憶部と、前記流量測定手段から出力される流量信号と前記設定データ記憶部の異常流量判定用の判定値とを比較してガス使用量に異常があれば遮断信号を出力し前記弁駆動部を駆動し前記遮断弁を動作させガス通路を遮断する異常流量判定部と、前記流量測定手段から出力される流量信号を前記設定データ記憶部の積算補正用の定数を加味して積算を行う流量積算部と、前記外部通信手段を介して前記通信用設定器から前記設定データ記憶部にデータが設定されたときに前記設定データ記憶部から出力される設定情報に基づいてその内容と設定履歴(年月日時分秒等)を記憶し必要に応じて設定履歴情報として前記外部通信手段から前記センター装置に通知する設定データ履歴記憶部とを備え、前記センター装置で前記設定データ記憶部のデータが書き換えられたことを認識したとき、前記設定データ履歴記憶部のデータを読み出し、前記設定データ履歴記憶部に初期設定以外の設定履歴情報があるか否かに基づいて、前記設定データ記憶部の異常の有無を判断するようにしている。これにより通信用の設定器を使用して外部通信手段を介して書き換えたデータの場合、この書き換えたデータの内容と設定履歴が設定データ履歴記憶部に記憶されているために、センター側で設定データ記憶部のデータが書き換わったことを認識した場合にセンター側からこの設定データ履歴記憶部のデータを外部通信手段を介して読み出すことにより、設定データ履歴記憶部のデータにより通信用の設定器を使用して書き換えたものか、設定データ記憶部の異常により書き換わったものかを区別することができる。また、センター側から誤った操作等により設定データ記憶部のデータを書き換えた場合にも、設定データ記憶部の異常とを区別することができる。そして、設定データ記憶部の異常の場合のみガス遮断装置を取り外すことが可能となる。
【0009】
【実施例】
以下、本発明の実施例について図1から図4を用いて説明する。
【0010】
(実施例1)
図1は請求項1記載に係る本発明の機能ブロック図、図2はそのプログラムフローチャートである。図1及び図2において、101はガスメーター、102はガスメーター101の通過ガス流量に対応した流量信号(Sとする)を出力する流量測定手段、103はガス通路の開閉を行なう遮断弁、104は遮断弁103の開閉を駆動する弁駆動部、105は外部とのデータの送受信を行なう外部通信手段、106は外部通信手段105を介して設定される積算補正用の定数(Kとする)や異常流量判定用の判定値(Tとする)や外部通信手段105から送信する通信情報に装置のIDを識別するために付加される識別情報(IDとする)を記憶するとともに設定情報(Dとする)を出力する設定データ記憶部(マイクロコンピュータのRAM)である。
【0011】
107は流量測定手段102から出力される流量信号Sと設定データ記憶部106に記憶している異常流量判定用の判定値Tとを比較してガス使用量に異常があれば弁駆動部104を駆動し遮断弁103を動作させガス通路を遮断する異常流量判定部、108は流量測定手段102から出力される流量信号Sと設定データ記憶部106に記憶している積算補正用の定数KからK×Sとして積算値を算出する積算手段、109は外部通信手段105を介して外部から設定データ記憶部106にデータが設定されたときに設定データ記憶部106から出力される設定情報Dをもとにその設定内容と設定履歴(年月日時分秒等)を記憶し必要に応じて外部通信手段105から外部に通知する設定データ履歴記憶部(マイクロコンピュータのRAM)である。
【0012】
設定データ履歴記憶部109は外部通信手段105を介して外部から設定データ記憶部106にデータが設定されたときに設定データ記憶部106から出力される設定情報Dをもとにその設定内容と設定履歴(年月日時分秒等)を記憶する。これにより通信用の設定器を使用して外部通信手段105を介して書き換えたデータの場合、設定データ記憶部106に記憶されるとともに設定データ記憶部106から出力される設定情報Dをもとにこの書き換えたデータの内容と設定履歴が設定データ履歴記憶部に記憶される。その後、センター側で設定データ記憶部106のデータが書き換わったことを認識した場合にセンター側からこの設定データ履歴記憶部109の設定履歴情報(内容と設定履歴)を外部通信手段105を介して読み出し、設定データ履歴記憶部109に初期設定以外の設定履歴情報があれば通信用の設定器等を使用して書き換えたものであることが判断できる。
【0013】
一方、設定データ履歴記憶部109に初期設定以外に設定履歴情報がなければの設定データ記憶部106の異常であることが判断できる。また、センター側から誤った操作等により設定データ記憶部106のデータを書き換えた場合にも、設定データ履歴記憶部109に初期設定以外に設定履歴情報があるため設定データ記憶部106の異常により書き換わったものかを区別することができる。そして、設定データ記憶部106の異常の場合のみガス遮断装置を取り外すことが可能となる。それ以外の場合は、再度センター装置等から外部通信手段105を介して設定データ記憶部106に記憶すればガス遮断装置を取り外す必要はなく使用可能となる。
【0014】
上述した制御についてマイクロコンピューターのプログラム動作による演算や判定、記憶機能を用いれば容易に実現できるものである。図2にプログラムフローを示す。
【0015】
まず、処理201で通信用の設定器やセンター装置との通信処理を行なう。処理202で設定データの書込みの要求かどうかを判断し書き込み要求であれば処理203に移る。書込み要求でなければ処理205に移る。処理203では設定データ記憶部106に記憶する設定データ記憶処理を行なう。次に、処理204で設定データ記憶部106から出力される設定情報Dをもとにこの書き換えたデータの内容と設定履歴を設定データ履歴記憶部109に記憶する設定データ記憶追加処理を行なう。そして処理を終了する。一方処理202で書込み要求でない場合には、処理205に移るが処理205ではセンター装置等からの履歴読み出し要求かどうかを判断し履歴読み出し要求であれば処理206で設定データ履歴記憶部109の設定履歴情報を外部通信手段105を介して出力し処理を終了する。履歴読み出し要求がなければ処理207で他の通信処理を実行して処理を終了する。
【0016】
(実施例2)
図3は請求項2記載に係る本発明の機能ブロック図、図4はそのプログラムフローチャートである。図3、及び図4において、301はガスメーター、302はガスメーター301の通過ガス流量に対応した流量信号(Sとする)を出力する流量測定手段、303はガス通路の開閉を行なう遮断弁、304は遮断弁303の開閉を駆動する弁駆動部、305は外部とのデータの送受信を行なう外部通信手段、306は外部通信手段305を介して設定される積算補正用の定数(Kとする)や異常流量判定用の判定値(Tとする)や外部通信手段305から送信する通信情報に装置のIDを識別するために付加される識別情報(IDとする)を記憶するとともに設定情報(Dとする)を出力する設定データ記憶部(マイクロコンピュータのRAM)である。
【0017】
307は流量測定手段302から出力される流量信号Sと設定データ記憶部306に記憶している異常流量判定用の判定値Tとを比較してガス使用量に異常があれば弁駆動部304を駆動し遮断弁303を動作させガス通路を遮断する異常流量判定部、308は流量測定手段302から出力される流量信号Sと設定データ記憶部306に記憶している積算補正用の定数KからK×Sとして積算値を算出する積算手段、309は外部通信手段305を介して外部から設定データ記憶部306にデータが設定されたときに設定データ記憶部306から出力される設定情報Dをもとにその最新の設定内容と最新の日付(年月日時分秒等)および設定変更回数を記憶し必要に応じて設定履歴情報として外部通信手段105から外部に通知する設定データ履歴記憶部(マイクロコンピュータのRAM)である。
【0018】
設定データ履歴記憶部309は外部通信手段305を介して外部から設定データ記憶部306にデータが設定されたときに設定データ記憶部306から出力される設定情報Dをもとにその最新の設定内容と最新の日付(年月日時分秒等)と今回の設定を含めて設定変更回数を記憶する。これにより通信用の設定器を使用して外部通信手段305を介して書き換えたデータの場合、設定データ記憶部306に記憶されるとともに設定データ記憶部306から出力される設定情報Dをもとにこの書き換えたデータの内容と履歴が設定データ履歴記憶部309に最新情報として上書きされ記憶される。
【0019】
その後、センター側で設定データ記憶部306のデータが書き換わったことを認識した場合にセンター側からこの設定データ履歴記憶部309のデータを外部通信手段305を介して読み出し、設定データ履歴記憶部309の最新データが初期に設定した日付であり、かつ、設定回数が管理している回数でなければ通信用の設定器等を使用して書き換えたものであることが判断できる。一方、設定データ履歴記憶部309にデータが初期に設定した日付であり設定回数が管理している回数であれば設定データ記憶部306の異常により書き換わったものであることが判断できる。
【0020】
そして、設定データ記憶部306の異常の場合のみガス遮断装置を取り外すことが可能となる。それ以外の場合は、再度センター装置等から外部通信手段305を介して設定データ記憶部306に記憶すればガス遮断装置を取り外す必要はなく使用可能となる。これにより、設定データ履歴記憶部309が最新の設定内容と日付および設定回数を記憶するために設定回数が多くなった場合には新たに設定内容と履歴情報を記憶する領域を確保する必要がないために設定データ履歴記憶部309の記憶容量を小さくできる。
【0021】
上述した制御についてマイクロコンピューターのプログラム動作による演算や判定、記憶機能を用いれば容易に実現できるものである。図4にプログラムフローを示す。
【0022】
まず、処理401で通信用の設定器やセンター装置との通信処理を行なう。処理402で設定データの書込みの要求かどうかを判断し書き込み要求であれば処理403に移る。書込み要求でなければ処理405に移る。処理403では設定データ記憶部306に記憶する設定データ記憶処理を行なう。
【0023】
次に、処理404で設定データ記憶部306から出力される設定情報Dをもとにこの書き換えたデータの最新の設定内容と日付を設定データ履歴記憶部306に記憶する最新設定データ更新処理を行なう。そして処理403で設定回数のカウントを行ない記憶し処理を終了する。一方処理402で書込み要求でない場合には、処理405に移るが処理405ではセンター装置等からの履歴読み出し要求かどうかを判断し履歴読み出し要求であれば処理406で設定データ履歴記憶部309の設定履歴情報を外部通信手段305を介して出力し処理を終了する。履歴読み出し要求がなければ処理307で他の通信処理を実行して処理を終了する。
【0024】
【発明の効果】
以上の発明から明らかなように、本発明のガス遮断装置は、意図的にガス遮断装置の重要な機能に関わる設定データ記憶部のデータをセンター側及び通信用の設定器で書き換えたものか、無意識に書き換えたものか、あるいは、設定データ記憶部の異常により書き換わったかを区別することができ、設定データ記憶部の異常の場合のみガス遮断装置の取外しが可能となりガス遮断装置の故障時の迅速な対応が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1におけるガス遮断装置の機能ブロック図
【図2】同装置のプログラムフローチャート
【図3】本発明の実施例2におけるガス遮断装置の機能ブロック図
【図4】同装置のプログラムフローチャート
【図5】従来のガス遮断装置の機能ブロック図
【符号の説明】
102 流量測定手段
103 遮断弁
104 弁駆動部
105 外部通信手段
106 設定データ記憶部
107 異常流量判定部
108 流量積算部
109 設定データ履歴記憶部
Claims (1)
- 通過ガス流量に対応した流量を測定して流量信号を出力する流量測定手段と、ガス通路の開閉を行う遮断弁と、前記遮断弁の開閉駆動をする弁駆動部と、センター装置または通信用設定器との通信を行う外部通信手段と、前記外部通信手段を介して前記通信用設定器から設定される積算補正用の定数や異常流量判定用の判定値や前記外部通信手段がセンター装置または通信用設定器と通信する通信情報に付加する識別情報等を記憶するとともに設定情報を出力する設定データ記憶部と、前記流量測定手段から出力される流量信号と前記設定データ記憶部の異常流量判定用の判定値とを比較してガス使用量に異常があれば遮断信号を出力し前記弁駆動部を駆動し前記遮断弁を動作させガス通路を遮断する異常流量判定部と、前記流量測定手段から出力される流量信号を前記設定データ記憶部の積算補正用の定数を加味して積算を行う流量積算部と、前記外部通信手段を介して前記通信用設定器から前記設定データ記憶部にデータが設定されたときに前記設定データ記憶部から出力される設定情報に基づいてその内容と設定履歴(年月日時分秒等)を記憶し必要に応じて設定履歴情報として前記外部通信手段から前記センター装置に通知する設定データ履歴記憶部とを備え、
前記センター装置で前記設定データ記憶部のデータが書き換えられたことを認識したとき、前記設定データ履歴記憶部のデータを読み出し、前記設定データ履歴記憶部に初期設定以外の設定履歴情報があるか否かに基づいて、前記設定データ記憶部の異常の有無を判断するようにしたガス遮断装置。
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