JP4102808B2 - 隅部用防水部材および隅部の防水施工方法 - Google Patents

隅部用防水部材および隅部の防水施工方法 Download PDF

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本発明は、隅部用防水部材および隅部の防水施工方法に関し、詳しくは、建築施工において、複数の面材を組み立てたときに3方向の面で構成される隅部と隅部から延びる継ぎ目を防水するのに用いる防水部材と、このような隅部用防水部材を用いて防水施工を行う方法とを対象にしている。
住宅その他の建築物を施工する場合、外壁や屋根、屋上などの屋外に露出する個所では、外装材同士の継ぎ目あるいは境界部分には、雨水などが浸入しないように、十分な防水処理を施しておく必要がある。
一般的な防水処理として、延びのよい防水気密テープを使用する技術が知られ、実際に広く採用されている。裏面が粘着性を有する防水気密テープを、外装材同士の継ぎ目に沿って貼り付ければ、継ぎ目の防水が果たされる。継ぎ目の両側の面が同一面になく、直角などの角度を有する場合も、防水気密テープが柔軟に変形することで、継ぎ目を確実に覆って貼り付けることができる。
例えば、特許文献1には、ポリエチレンとポリブチレンとからなる伸長性保持層に粘着材層を積層したシート状気密材の技術が示されている。シート状気密材をテープ状に巻回しておき、複数の面で構成される継ぎ目に沿って貼り付けて使用する。
このような防水気密テープは、2つの面が角度をもって隣接して直線状に延びるような継ぎ目に対しては貼り付け易いが、3方向の直交する面が集まっている隅部のような場合には貼り付け作業が難しい。平面状の防水気密テープで3次元的な立体形状に密着させて貼り付けるのは、かなり熟練した技術者でも難しい。そこで、通常は、隅部から複数方向に延びる面同士の継ぎ目のそれぞれに沿って直線状に防水気密テープを繰り返し貼り付けることで、確実な防水を図ることが多い。
特許文献2には、陸屋根の入隅部分の防水施工を行い易くする防水シートの技術が示されている。概略3角形状をなす2枚の防水シートを、隅部を構成する2面づつにわたって貼り付けるようにする。左右の防水シートは、3角形の斜辺で重ねて接着することで、隅部の全体が防水施工されることになる。
特開平11−20071号公報 実公平6−31003号公報
前記した何れの従来技術でも、隅部の防水施工は面倒で難しいものであった。
帯状の防水テープは、いくら延びが良くても、隅部の奥まで確実に密着させて貼り付けることが難しい。特に、隅部から延びる面同士の継ぎ目までを1本の防水テープで防水施工しようとすると、隅部での変形のさせ方によって防水テープの方向性が大きく変わってしまい、継ぎ目の両側を均等に覆うようにして直線的に延ばすことが難しくなる。
延びのよい防水テープは、引っ張ったり力を加えた個所が容易に変形してしまうので、貼り付け作業の際に防水テープに力を加える位置や方向、範囲が少しでも変わると、防水テープの直線性が悪くなったり凹凸やうねり、シワなどが発生したりし易い。防水テープに局部的に大きな力を加えると、その部分が極端に薄くなったり、穴があいてしまったりすることもある。
防水テープを複数方向に貼り重ねる場合でも、隅部の奥では防水テープ同士の間に隙間が生じ易く、浮き上がりが生じることもある。隅部で下側に貼り付けた防水テープに浮き上がりが発生すると、その上にいくら別の防水テープを貼り重ねても、十分な防水機能が果たせなくなる。
特許文献2に記載された3角形状の防水シートを組み合わせて貼り付ける技術でも、隅部の奥あるいは頂点部分で、左右の防水シートが突き合わされるか重ね合わされることになるので、隙間があいたり浮き上がりが生じたりし易くなる。しかも、2枚の防水シートを正確な姿勢および位置で貼り付けなければならず、慣れていない作業者には取り扱い難い。
本発明の課題は、前記した建築物の隅部における防水施工を、簡単に作業性良く行え、仕上がりが良好であり、高い防水機能が発揮できるようにすることである。
本発明にかかる隅部用防水部材は、3方向の面で構成される隅部から面同士の継ぎ目に沿って施工される防水部材であって、展延性に優れた防水シートからなり、帯状をなし、前記隅部から前記継ぎ目に沿って配置され、裏面に粘着層を有する展延防水材と、形状保持性シートからなり、前記展延防水材の前記粘着層の反対面で、長さ方向の一端に配置され、前記隅部に配置される隅部当接片と、形状保持性シートからなり、前記展延防水材の前記粘着層の反対面で、前記隅部当接片と反対の端部に、展延防水材の全幅にわたって配置される展延操作片とを備える。
〔隅部〕
基本的には、通常の建築施工において防水施工が必要とされる隅部であればよい。建築物において防水施工が必要となる隅部は、陸屋根や屋上、軒先など、屋外空間に露出する外装構造に存在する。
隅部は、通常、互いに直交する3方向の面が集まって構成される。一般に、平面と直交する2つの垂直面とで構成される。2つの垂直面が90°をなし凹んだ形の隅部を入隅と呼び、2つの垂直面が270°をなし突き出した形の隅部を出隅と呼ぶことがある。但し、3方向の面が直交以外の角度をなす隅部や、平面と垂直面以外の傾斜面で構成される隅部、曲面で構成される隅部もある。
隅部が、単独の部材を成形したり切削したり変形させたりして一体的に構成されたものであれば、継ぎ目は生じないので防水施工は不要である。2つ以上の部材で隅部が構成されている場合には、部材同士の継ぎ目を防水施工する必要が生じる。
3方向の面で構成される隅部は、隅部の頂点あるいは底点から放射方向に面同士の継ぎ目が延びている。継ぎ目は複数方向に延びていることがある。
隅部用防水部材は、上記のような隅部の頂点あるいは底点から、その直ぐ近くで全ての方向の継ぎ目と、さらに、1方向に延びる継ぎ目の所定長さ分とを、一体的に防水施工する。
〔展延防水材〕
隅部および隅部から延びる継ぎ目に貼り付けられて防水機能を果たす。
施工前には、全体が平坦なシート状をなし、施工時には隅部などの形状に合わせて変形させて使用する。
<展延性に優れた防水シート>
通常の防水シートや防水テープでも使用されているような、展延性に優れた防水シートからなる。展延性とは、力を加えたときに伸び、伸ばした状態で力を除くと弾力的に復元するという弾力的な伸縮性とは違い、力を加えれば容易に延びるとともに延ばした状態で力を除いても延ばされた状態をそのまま維持するような特性を意味する。展延性の良いシート材料としては、ポリエチレンなどの合成樹脂、ポリブチレンなどの合成ゴムなどを組み合わせて展延性を向上させたゴム状材料が知られている。具体的には、EPDMゴムが挙げられる。
防水シートの伸び率が適切であれば、隅部および継ぎ目に沿って貼り付け易く、防水機能が良好に発揮できる。具体的には伸び率100〜150%が好ましい。
防水シートの厚さは薄いほうが、伸ばしたり曲げたりし易くなるが、破れたり穴があいたりし易くなる。そこで、厚さを0.65〜1.3mmに設定できる。
<形状構造>
展延防水材は、概略矩形状などの帯状をなしている。一端側が隅部に配置され、他端側は隅部から継ぎ目に沿って離れた位置に配置される。展延防水材の形状は、施工する隅部および継ぎ目の形状、隅部当接片および展延操作片の形状配置に対応させる。通常、展延防水材の形状が、隅部用防水部材の形状となる。部分的には、隅部用防水部材よりも展延防水材のほうが外側に張り出している部分があってもよい。また、施工状態では、展延防水材を引き伸ばしたり変形させたりするので、施工前の形状とは違ってくる。
展延防水材の具体的形状として、前記矩形状のほか、隅部に配置される側の端部がクサビ状に尖った形状、隅部側から他端側へと細くなるテーパ状、長さ方向の途中に段差や凹みがある形状なども採用できる。
展延防水材の幅を5〜30cmに設定できる。幅が狭いと、隅部や継ぎ目を確実に覆い難くなる。幅が広過ぎても、防水機能はそれほど高まらず、却って取り扱い難くなり、経済性も損なわれる。展延防水材の長さは、防水施工する隅部から継ぎ目までの長さに合わせて設定される。長いほうが広い範囲を一度に防水施工でき、後述する展延部における柔軟な展延機能も発揮させ易いが、長過ぎると取り扱い難くなる。具体的には、展延防水材の長さを5〜30cmに設定できる。
<粘着層>
展延防水材の裏面には粘着層を有する。粘着層は、通常の防水シートにおける粘着層と同様の材料や構造が採用できる。隅部や継ぎ目を構成する建築部材に対する接合性が高いとともに、展延防水材の変形に追随できる展延性のある材料が好ましい。
通常は、展延防水材の裏面に粘着剤を塗工しておく。粘着剤層が表裏両面に設けられた両面粘着シートを貼り付けておくこともできる。粘着剤としては、展延防水材となる防水シートの材料と同様の展延性に優れたゴム材料などを配合しておくことが好ましい。
粘着層の表面には剥離シートを貼り付けておくことで、展延防水材および隅部用防水部材の輸送保管などの取り扱いが容易になる。
従来、防水材製品として知られている防水シートや防水テープであって、裏面に粘着層や剥離シートを有するものを、そのまま展延防水材に利用することができる。
〔隅部当接片〕
形状保持性シートからなり、展延防水材の粘着層とは反対面で、長さ方向の一端に配置される。隅部に配置されて、隅部の防水機能を高め、隅部用防水部材の施工を容易にする。隅部を構成する3面のそれぞれに、隅部当接片の一部が当接すれば、隅部に確実に展延防水材を当接させて密着させ、良好な防水機能を果たすことができる。
隅部当接片は、隅部用防水部材においては平坦な状態で配置されているとともに、施工時に、隅部の形状に合わせて所定個所を屈曲させて立体的な形状にする。この屈曲操作を行い易くするために、形状保持性シートが使用される。
<形状保持性シート>
形状保持性シートは、ある程度の機械的強度や剛性、耐変形性、形状維持性を有し、面方向には変形し難いとともに、屈曲させると屈曲された変形状態をそのまま保持して、弾力的な復元を起こし難い材料である。例えば、柔らかい金属の板などが該当する。ポリオレフィン樹脂からなり1軸方向に大きく延伸処理された延伸ポリオレフィンシートも使用できる。1軸延伸樹脂シートは、延伸方向と平行な線に沿って屈曲させると、屈曲させ易く、屈曲後の戻りも少なくなる。合成樹脂からなる形状保持性シートは、軽量で取り扱いや加工が容易であり、耐腐蝕性もある。ポリオレフィン樹脂は、焼却などの廃棄処分が容易である。形状保持性シートの材料として、ポリカーボネート樹脂も使用できる。
形状保持性シートの厚みは、分厚いほうが機械的強度などは高くなるが、分厚過ぎると屈曲変形が難しくなる。通常、厚さ0.65〜1.3mmに設定することができる。形状保持性シートの形状保持性を評価する特性値として、平坦なシートを90°曲げたときの曲げ戻り角度が適用できる。この曲げ戻り角度が5°以下のものが形状保持性に優れ、隅部当接片の材料として有用である。
<固定部、張出部>
隅部当接片の形状は、施工する隅部の形状などの施工条件に合わせて設定される。
例えば、隅部で一つの面に配置され、側端辺が残りの面に沿って配置される固定部と、この固定部の側端辺から張り出していて、固定部に対して屈曲されて隅部の残りの面に配置される張出部とを有することができる。
固定部が、隣接する2方向の側端辺を有し、この側端辺が、展延防水材の長さ方向の中心線に対して左右対称に傾斜して配置されてなり、張出部が、固定部のそれぞれの側端辺に沿って帯状に配置されてなるものが採用できる。
固定部の形状として、正方形や矩形状などの比較的単純な図形状が採用できる。張出部の形状としても、矩形帯状などが採用できる。何れの場合も、必要に応じて、曲線部分や凹凸、段差などの形状を組み合わせることも可能である。
<易屈曲線>
固定部と張出部との間のように、屈曲させる個所に、屈曲を容易にする易屈曲線を設けることができる。易屈曲線には、通常の板材やシート材においても採用されて屈曲を容易にするための技術が適用できる。例えば、浅い凹み線や弱め線が採用できる。屈曲させたときに破断したり穴があいたりしない程度の深さや形状を採用することが望ましい。易屈曲線は、通常、直線であるが、緩やかな曲線も採用できる。通常、連続線であるが、断続した破線であってもよい。屈曲個所の両端のみに短い易屈曲線を設けることもできる。
形状保持性シートに1軸延伸樹脂シートを使用する場合は、屈曲させる折り曲げ線の方向が延伸方向と平行になるか、できるだけ直交しない傾斜状態になるように、隅部当接片の材料取りを行えば、易屈曲線がなくても容易に屈曲できる場合がある。
〔展延操作片〕
隅部当接片と同様に、形状保持性シートからなり、展延防水材の粘着層の反対面に配置される。
展延操作片は、隅部当接片と反対の端部に、展延防水材の全幅にわたって配置される。隅部当接片を隅部に配置した後、展延操作片を掴んで、所定の方向や位置まで展延防水材を引き伸ばすことができる。展延操作片の裏側の展延防水材を施工面に貼り付けて固定することで、展延防水材が所定の位置や姿勢、形態で施工できることになる。
展延操作片は、展延防水材の全幅にわたって配置されることで、展延防水材の全体を引き伸ばすなど所定の変形をさせることができる。なお、展延操作片の全長は、隅部当接片の幅と同じであってもよいし、違っていても構わない。
展延操作片の形状は、通常、比較的単純な帯状あるいは矩形状が採用される。施工条件によっては、より複雑な凹凸があったり、外形の一部が曲線や屈曲線で構成されていたりしてもよい。前記した引き伸ばし操作が容易な形状が好ましい。展延操作片の寸法のうち、隅部用防水部材の長さ方向になる展延操作片の幅を、例えば5〜50mmに設定できる。
展延操作片は、隅部用防水部材に配置された状態では平坦であるが、施工時に屈曲させることがある。このときの屈曲を容易にするために、形状保持性シートを使用することが有効である。形状保持性シートが1軸延伸樹脂シートの場合は、展延操作片の屈曲線を延伸方向と平行に設定しておけば、屈曲させ易くなる。展延操作片は、通常、比較的に単純な1方向の屈曲変形をさせるだけでよい。そのため、易屈曲線を設けなくてもよい場合が多い。勿論、必要であれば易屈曲線を設けることもできる。隅部用防水部材の幅方向で、展延操作片を複数部分に分割しておけば、分割部分同士を屈曲させることが容易になる。
〔展延部〕
上記のような隅部当接片と展延操作片とが表面に配置された展延防水材には、隅部当接片と展延操作片の間で、表面に展延防水材が露出する展延部が生じる。この展延部では、相対的に変形し難い隅部当接片および展延操作片が存在しないことで、展延防水材が本来有する柔軟な変形が可能になる。
展延部の割合が多いほど、展延防水材の変形が容易になる。展延操作片による展延防水材の引き伸ばし長さも増やすことができる。但し、展延部が広くなり過ぎると、隅部用防水部材の取り扱いが行い難くなったり、展延操作片で引き伸ばしたときに不用意に曲がったり過剰に変形したりする問題が生じる。
そこで、隅部用防水部材の長さ方向において、隅部当接片と展延操作片との内側端部間の距離で表す展延部の長さを、例えば1〜30cmの範囲に設定できる。
〔隅部用防水部材の製造〕
隅部用防水部材は、通常のシート加工技術を適用して製造することができる。
具体的には、例えば、展延防水材となる防水シートと、隅部当接片および展延操作片になる形状保持性シートを、接着剤や両面接着テープを用いて貼り合わせ、所定の形状に打ち抜き加工すればよい。形状保持性シートは、隅部当接片および展延操作片の形状に加工されたものを防水シートに貼り合わせることができる。形状保持性シートと防水シートに貼り合わせてから、形状保持性シートのみに、隅部当接片および展延操作片の形状に対応する切り込みを加工し、それ以外の個所の形状保持性シートを取り除くこともできる。
易屈曲線も、形状保持性シートの打ち抜きや切り抜き加工と同様にして、プレス加工することができる。
〔防水施工〕
上記した隅部用防水部材を用いて、3方向の面で構成される隅部から面同士の継ぎ目に沿って防水施工することができる。具体的には、以下の工程(a)(b)を含む方法が採用できる。
工程(a):隅部に隅部用防水部材の隅部当接片を配置し、隅部当接片を変形させて、3方向全ての面に隅部当接片の裏側の展延防水材を貼り付ける。
隅部の3面で構成される立体形状に合わせて、平坦な隅部当接片を立体形状に変形させることになる。前記した固定部と張出部、その間に設けられた易屈曲線などの構造を利用すれば、隅部当接片を所定の位置および姿勢で容易に施工することができる。隅部当接片の表面側から隅部当接片を介して展延防水材を施工面に強く押し付ければ、展延防水材が隅部の中心や継ぎ目の奥まで確実に密着させることができる。
隅部当接片が所定の位置、姿勢で取り付けられた状態では、隅部用防水部材の長さ方向および長さ方向端部の展延操作片は、正確に、隅部から延びる継ぎ目の方向を向くことになる。
工程(b):隅部用防水部材の展延操作片を引っ張り、展延防水材を引き伸ばして継ぎ目を覆って貼り付ける。
この展延操作片を引っ張ると、展延操作片と隅部当接片との間の展延防水材の展延部が大きく引き伸ばされる。展延操作片が存在しないと、柔らかい展延防水材の端部を掴んで均等に引き伸ばすのは難しいが、ある程度の剛性がある展延操作片を掴めば、展延部の全幅に対して均等に力を加えて引き伸ばすことが容易である。また、隅部当接片が確実に貼り付け固定された状態であれば、展延操作片を強く引っ張って展延部を大きく引き伸ばしても、隅部当接片が剥がれることはない。隅部当接片を押さえながら、展延操作片を引っ張ることもできる。
展延部が所定の長さまで引き伸ばされ、展延操作片が所定の位置に到達した状態で、展延操作片の裏面の展延防水材を、隅部から延びる継ぎ目の上を覆うようにして施工面に貼り付ける。必要に応じて、展延操作片を屈曲変形させることができる。
これによって、隅部から継ぎ目の所定範囲までを、展延防水材で覆って防水施工することができる。両端を展延操作片と隅部当接片とで確実に固定されているので、展延防水材の延びが経時的に元に戻ったり浮き上がったりすることはない。
なお、展延操作片と隅部当接片の個所では、表面から強く押さえ付けて展延防水材を施工面に強力に密着させることができる。展延操作片と隅部当接片で両端の形が決まっていれば、中間の展延部についても展延防水材は施工面に容易に密着する。但し、必要に応じて、展延部でも、展延防水材を継ぎ目に押し込んだり施工面に押し付けたりする作業を行えば、より強力な貼り付けすなわち防水施工が可能になる。展延部を部分的に押さえたりする作業を行っても、両端の展延操作片と隅部当接片で展延防水材は固定されているので、他の部分が大きくずれたり過剰に変形したりするような問題が生じ難い。
<その他の工程>
隅部用防水部材だけでは、全ての継ぎ目個所を防水施工できない場合がある。その場合には、通常の防水テープや防水シートを組み合わせて防水施工を行えばよい。例えば、従来の防水テープでは施工し難い隅部とその近くの継ぎ目には、隅部用防水部材を使用し、単純な平面や1方向の屈曲面などは通常の防水テープで防水処理すれば、能率的で作業性の良い防水施工が可能になる。
所定の範囲における防水施工が完了したあとは、通常の建築施工と同様の仕上げ処理や表装作業などを自由に行うことができる。例えば、仕上げモルタルの塗工や塗装仕上げ、表装シートを貼り付けなどがある。
本発明にかかる隅部用防水部材は、住宅などの建築物において防水施工が必要な個所のうち、いわゆる出隅、入隅などと呼ばれる隅部と隅部から延びる継ぎ目とを、簡単かつ確実に防水施工することができる。
具体的には、隅部に隅部当接片を配置して隅部当接片の裏面の展延防水材で隅部を覆えば、隅部の防水施工は完了する。隅部当接片の形状により、自然に、隅部の適切な位置に適切な姿勢で隅部当接片を配置させることができるので、熟練した技術者でなくても、良好な仕上がりを短時間で達成することができる。作業者による仕上がりの差が生じ難く、安定した品質性能が維持できる。
隅部当接片が所定の位置および姿勢で施工されたあと、展延操作片を引っ張って展延防水材を引き伸ばし、展延操作片を施工面に貼り付けるようにすれば、隅部から延びる継ぎ目の広い範囲までを、展延防水材で確実に覆って防水施工することができる。柔らかくて取り扱い難い展延防水材を直接に掴んだりする必要がないので、熟練度による仕上がりの差が生じ難く、常に安定した仕上がりが得られる。
しかも、隅部当接片と展延操作片との両端個所で展延防水材が正確な位置および姿勢で施工面に固定されていれば、その中間位置で、展延防水材を細部まで確実に前記継ぎ目の奥まで押し込む作業なども容易になり、より確実で品質精度の高い防水施工を行うことが可能になる。
図1に示す実施形態は、住宅の屋上で外周を囲む周壁において、入隅部分等の防水施工に用いる隅部用防水部材と、それを用いた防水施工を表している。
〔隅部用防水部材〕
図1に示すように、隅部用防水部材10は、展延防水材20と隅部当接片30と展延操作片40とを有する。
<展延防水材>
隅部用防水部材10の全体外形を構成する展延防水材20は、EPDM系ゴムシートからなり、厚み1.3mm、伸び率150%の展延性に優れた防水シートである。より具体的には、市販の住宅用防水気密テープ〔商品名「ハイパーフラッシュ」No.695、日東電工社製)が利用できる。
隅部用防水部材10すなわち展延防水材20の外形は、概略帯状で一端が三角形状に尖っている。例えば、幅60mm、全長を約110mmに設定できる。
展延防水材20の裏面には全面に粘着剤層24が設けられている。粘着剤層24の表面は剥離シート26で覆われている。剥離シート26を剥がせば、粘着剤層24が露出し、展延防水材20および隅部用防水部材10を貼着して取り付けることができる。
<隅部当接片>
隅部当接片30は、形状保持性シートからなり、厚み0.2mm、90°曲げたときの曲げ戻り角度が5°以下である。形状保持性シートは、高倍率で延伸処理されていることによって優れた形状保持特性を示す。図1(a)において、隅部用防水部材10の長さ方向が、形状保持性シートの延伸方向と平行になるように配置されている。形状保持性シートの具体例として、市販の1軸延伸ポリオレフィンシートやポリカーボネートシートが使用できる。
隅部当接片30は、正方形状の固定部32を有する。固定部32の各辺が、隅部用防水部材10の長さ方向に対して45°の角度で傾斜するように配置されている。固定部32の対角線が、隅部用防水部材10の幅になる。隅部用防水部材10の幅が60mmであれば、固定部32の辺長は約42mmになる。隅部当接片30の一対の側辺が、隅部用防水部材10の端部に三角状に突き出している。
隅部当接片30には、固定部32の端部に突き出した側辺とは反対側の2側辺にそれぞれ、外側に帯状に張り出した張出部34、34を有する。張出部34の幅は、例えば10mmに設定される。張出部34は、隅部用防水部材10の両側辺で斜めに切り落とされた形状になっている。
隅部当接片30は、全面が展延防水材20に接合一体化されている。具体的には、図示を省略した両面接着フィルムを介して貼り合わされている。そのため、展延防水材20のうち、隅部当接片30と貼り合わされて一体化している部分では、厚み方向には変形できるが、面方向については、実質的にほとんど変形しない。
<易屈曲線>
隅部当接片30のうち、固定部32と張出部34との境界に沿って、易屈曲線36が設けられている。
易屈曲線36は、形状保持性シートからなる隅部当接片30をプレス加工して、表面に小さな凹み線を設けることで、周囲の部分よりも屈曲し易くなっている。図1(a)では判り易いように破線状で描いているが、実際には連続した凹み線である。
<展延操作片>
展延操作片40は、隅部当接片30と同じ形状保持性シートで作製されている。
隅部用防水部材10のうち、隅部当接片30が配置された端部とは反対の端部に配置されている。
展延操作片40は、細幅の矩形帯状をなし、隅部用防水部材10の端辺に沿って全幅にわたって配置されている。例えば、展延操作片40の幅を10mmに設定できる。展延操作片40の場合も、形状保持性シートの延伸方向が、隅部用防水部材10の長さ方向と平行になるように配置されている。
展延操作片40は、隅部当接片30と同様に、展延防水材20に対して全面に両面接着フィルムを介して接合一体化されている。展延防水材20のうち、展延操作片40と接合一体化されている部分でも、面方向には変形し難くなる。
<展延部>
上記のような隅部当接片30および展延操作片40で表面が覆われた展延防水材20は、隅部当接片30と展延操作片40の間の空間では、展延防水材20の表面が露出している展延部22となっている。
この展延部22では、展延防水材20が本来有する展延性を十分に発揮することができる。
<変更例>
図1に示す隅部用防水部材10の形態において、固定部32の形状を、正方形から別の形状に変更することもできる。
例えば、L字形をなす易屈曲線36、36に沿って矩形帯がL字形に組み合わせられた固定部32が採用できる。固定部32は、隅部とそこから水平方向に延びる継ぎ目の周辺について展延防水材20を貼り付けるのに役立てば、そこから離れた部分は、防水機能にはそれほど重要でないためである。L字形の固定部32の場合、位置決めや押え付けなどの作業が行い易い程度の幅を有することが望ましい。
隅部用防水部材10の端部で三角形状に突出する部分の全体または端部側の一部を切り落とした形状の固定部32も採用できる。隅部用防水部材10の全長を短くできる。
〔防水施工〕
図2は、隅部用防水部材10の施工状態を示す。
住宅の屋上部分において、水平方向の床面材64と、屋上の周壁を構成する周壁面材62、63とが構築されている。各面材64は、木質材や窯業系建材ボードなどで構成されている。面材62、63、64が互いに直交して隣接している隅部が入隅となっている。この隅部では、底の中心点から3方向に継ぎ目が延びている。具体的には、面材62と面材64の継ぎ目、面材63と面材64の継ぎ目が、互いに直交して水平方向に延び、面材62と面材63の継ぎ目が垂直方向に延びる。
隅部用防水部材10は、このような隅部から面材62、63の垂直方向に延びる継ぎ目の途中までを防水施工するのに用いる。
隅部用防水部材10は、展延防水材20の裏側の剥離シート26を剥がして粘着剤層24を露出させておく。施工作業の進行に合わせて、隅部当接片30側の端部から少しずつあるいは段階的に剥離シート26を剥がしながら、展延防水材20の貼り付けを行うこともできる。
隅部用防水部材10の隅部当接片30を、隅部に近づける。固定部32を面材64の表面に配置する。固定部32の側端辺である易屈曲線36を、面材64の外側辺、すなわち面材62との継ぎ目および面材63との継ぎ目に一致させる。張出部34を、易屈曲線36の位置から上方側に折り曲げる。折り曲げられた張出部34、34はそれぞれ、面材62および面材63の表面に配置される。
この状態で、固定部32および張出部34を、表面側から面材62〜64側へと強く押し付ければ、粘着剤層24を介して展延防水材20が強力に接合される。平坦で形状保持性のある固定部32および張出部34であるから、展延防水材20の全面を均等に貼り付けるのは容易である。展延防水材20が偏って変形したりシワができたり、指などの跡が大きく凹んだり穴があいたりする問題が防止できる。特に、3方向の継ぎ目が集まる隅部の中心近くでも、固定部32と張出部34、34とで形作られた直方体形状にしたがって、確実に密着した状態にすることができる。
隅部当接片30が設置された状態では、帯状をなす隅部用防水部材10の長さ方向の中心線が、面材62と面材63との垂直方向の継ぎ目に対応する位置に正確に配置される。
展延操作片40を上方側に引き上げるようにすると、展延防水材20が引き伸ばされる。所定の長さまで引き伸ばしたあと、展延操作片40を中央で直角に折り曲げる。展延操作片40となる形状保持性シートの延伸方向に沿って折り目がつくので、比較的容易に折り曲がる。くの字に折り曲げた展延操作片40を、面材62、63の表面に強く押し当てて、展延防水材20を貼り付け固定する。
展延操作片40と隅部当接片30の張出部34、34との間で引き伸ばされた展延防水材20の展延部22は、展延操作片40と同じように中心線で折り曲がり、面材62、63に貼り付けられる。展延部22が、面材62、63に強力に接合されるように、展延部22の表面から押し付けることもできる。展延操作片40と隅部当接片30の張出部34、34とで、展延防水材20の両端が確実に固定されているので、その中間の展延部22に少しぐらい偏った力が加わったとしても、展延部22が継ぎ目から外れるほど曲がったり、過剰なシワや偏った変形が生じたりすることはない。ヘラなどを用いて、展延部22の中心線を継ぎ目に強く押し込むようにすると、継ぎ目にでき易い展延防水材20の隙間や浮き上がりを無くすことができる。
このようにして施工された隅部用防水部材10は、面材62、63、64で構成される入隅で、隅部の中心から中心近傍の3方向の継ぎ目と、さらに垂直方向の継ぎ目の途中までを、展延防水材20で正確かつ強力に覆って、良好な防水機能を発揮させることができる。
なお、隅部用防水部材10よりも外側に残る直線状の継ぎ目は、通常の防水テープを貼り付けることで、容易に防水施工することができる。
防水施工が完了した後は、通常の建築施工と同様に、表面仕上げ材の貼り付け施工やモルタル仕上げ、表面仕上げ塗装などを施すことができる。
〔上端面までの防水施工〕
図3に示す施工形態は、基本的には前記図2の施工形態と共通している。相違点を主に説明する。
隅部当接片30の設置と、展延操作片40を引き上げて展延防水材20の展延部22を引き伸ばす作業までは、前記実施形態と共通している。
前記実施形態では、展延操作片40を垂直方向の継ぎ目の途中までしか引き上げなかったが、この実施形態では、面材62、63の上端を超える位置まで引き上げる。展延防水材20の展延部22は大きく引き伸ばされる。
その後、展延操作片40は、面材62、63の上端面が交差する角部分の表面に押し当てて、展延防水材20を貼り付ける。
展延性が非常に優れた展延防水材20の展延部22は、面材62,63による垂直方向の継ぎ目の両側を確実に覆った上、面材62、63の上端縁から上面の途中までにわたって覆うように、複雑な立体的変形をする。前記実施形態と同様に、展延部22の表面を面材62,63に強く押し付けたり、継ぎ目に沿ってヘラで押し込んだりすれば、面材62,63との間に隙間や浮き上がりを残すことなく密着させて展延防水材20による防水機能を良好に発揮させることができる。
このような施工形態を実現するには、展延部22の長さあるいは展延能力が十分にあるようにしておく。そうすれば、前記図2の施工形態におけるような別の防水テープによる追加の防水施工が不要になり、作業能率の向上を果たすことができる。施工条件によっても異なるが、例えば、面材62、63の高さが50mm程度であれば、十分に対応できるようになる。それ以上の高さがある場合は、前記図2の施工形態を採用するほうが実用的である。
〔上端の隅部からの防水施工〕
図4に示す実施形態は、前記同様の隅部用防水部材10を、外周上端の隅部に適用している。
面材62、63が、端面を45°に切り落として互いに突き合わされている。このようにして構成された角部の上端には、面材62、62の上面と、面材62の外側面と、面材63の外側面とが、互いに直交して集まった隅部が構成される。
隅部用防水部材10の隅部当接片30を、上記の隅部に配置して貼り付け固定する。固定部32の2側辺すなわち易屈曲線36、36が、面材62,63の外周縁に配置される。張出部34、34を下向きに折り曲げ、面材62、63の外側面に貼り付ける。前記図2、3の実施形態とは、張出部34の折り曲げ方向が逆になるが、易屈曲線36があれば比較的容易に屈曲できる。
展延操作片40を下向きに引き下げたあと、前記同様に中央で、くの字に折り曲げる。折り曲げた展延操作片40を、面材62,63の表面に押し当てて貼り付ける。隅部から垂直下方に延びる継ぎ目の途中までが、展延防水材20で確実に覆われる。
〔隅部用防水部材の応用形態〕
図5に示す実施形態は、隅部用防水部材10を、内周上端の隅部に使用している。
この場合、隅部当接片30を、垂直方向の継ぎ目の途中に配置している。隅部当接片30を、固定部32の対角線で二つ折りにし、左右の三角形状部分をそれぞれ、面材62と面材63の表面に配置する。隅部当接片30となる形状保持性シートの延伸方向と平行な折り曲げ線で折り曲げるので、比較的容易かつ正確に二つ折りができる。張出部34は、固定部32と一体となって同じ面上に配置される。
この状態から、展延操作片40を上方に引き上げて面材62,63の上端面に貼り付けるのは、前記図3の実施形態と同じ操作である。
このようにすれば、隅部用防水部材10で、内周上端の隅部と垂直下方に延びる継ぎ目の途中までを防水施工することができる。
但し、この施工形態の場合は、図1に示された形状の隅部用防水部材10を使用しなくても、両端に展延操作片40が配置された単純な形態の防水部材であっても良い場合がある。
〔隅部用防水部材の形状変更例(1)〕
図6に示す隅部用防水部材10は、前記図1の形態と少し違っている。基本的には共通する部分が多いので、相違点を主に説明する。
展延防水材20と隅部当接片30と展延操作片40とを有している点は同じである。図1(b)と同じ層構成であり、粘着剤層24および剥離シート26も備えている。
但し、隅部用防水部材10および展延防水材20の全体形状は、両端が同じ切り落とし形状の矩形帯状である。
隅部当接片30も、隅部用防水部材10の端部側は、隅部用防水部材10の長さ方向と平行な矩形状である。隅部用防水部材10の中央側には、中心から幅方向の両側に向かって左右に拡がるV字形をなす易屈曲線36、36と帯状の張出部34、34とを有している。
このような形態の隅部用防水部材10は、図7に示す施工形態が実現できる。
垂直な面材62と面材63とが直交し、その下面に水平方向の面材64が配置され、面材62、63の張り出した角と面材64との間に、いわゆる出隅と呼ばれる隅部が構成されている。
隅部用防水部材10の隅部当接片30を、隅部の外側で面材64の上に配置する。左右の易屈曲線36、36を、面材62、63に沿って配置する。張出部34、34を上方側に屈曲させて、面材62,63の表面に貼り付ける。展延操作片40を上方に引き上げ、展延部22を垂直方向に引き伸ばす。展延操作片40を中央で、くの字に折り曲げ、左右の面材62、63の表面に押し当てて貼り付ける。展延部22の展延防水材20は、継ぎ目を挟んで両側の面材62、63の表面を覆う。
その結果、面材62、63、64で構成される出隅から垂直上方に延びる継ぎ目の途中までが、隅部用防水部材10によって良好に防水施工されることになる。
〔隅部用防水部材の形状変更例(2)〕
図8、9に示す実施形態は、基本的な形態は前記図1の実施形態と共通している。重複する説明は省略し、相違点を主に説明する。
図8(a)に示すように、隅部当接片30は、菱形状の固定部32のみからなり、前記実施形態のような張出部34および易屈曲線36は存在しない。隅部当接片30の材料として、厚み0.4mmの市販のポリカーボネート樹脂シートが用いられている。
展延防水材20は、展延部22の両側辺が「へ」字形に張り出して張出辺23となっている。張出辺23の張出量は、例えば5mm程度である。展延防水材20の裏面側で、粘着剤層24と剥離シート26の間に、接着強化層25が積層されている。接着強化層25は、隅部当接片30に相当する範囲だけに設けられており、市販の両面接着アクリルフィルム(厚み0.27mm)からなる。接着強化層25は、粘着剤層24のように面方向に弾力的に大きく変形することはない。
図9に示す隅部用防水部材10の使用形態では、隅部当接片30を、床面材64と周壁面材62、63で構成する隅部に配置したときに、固定部32が床面材64に配置され、固定部32の隣接する2方向の側端面がそれぞれ、周壁面材62、63に当接する。この状態で隅部当接片30の位置決めがされる。
隅部当接片30の裏側では、展延防水材20が、粘着剤層24に加えて接着強化層25で床面材64に接合される。粘着剤層24だけでは接合が不十分な場合も、接着強化層25が存在することで、隅部当接片30および展延防水材20は強力に床面材64に接合される。隅部当接片30および展延防水材20が床面材62に強力に接合されていれば、展延操作片40を強く引っ張って展延防水材20を大きく引き伸ばしても、床面材62から展延防水材20の一部が剥がれたり浮き上がったりすることが良好に防止できる。
床面材64と周壁材62、63との継ぎ目には、隅部当接片30のうち、固定部32の側端面にできている角が押し当てられ、展延防水材20を継ぎ目の奥まで確実に接合させることができる。
展延防水材20の展延部22は、上下方向に引き伸ばされると同時に左右の幅が縮んで狭くなるように変形する。前記実施形態の場合、図2に示すように、展延部22の上下方向の中央で幅が狭くなる。しかし、この実施形態では、左右に張り出した張出辺23が存在するので、図9に示すように、展延部22の上から下までほぼ同じ幅である。展延部22の幅が一部で極端に狭くなることがない。上下方向の全体で、周壁材62、63に十分な面積で当接して、良好な防水機能を発揮できる。
本発明の隅部用防水部材は、住宅等の建築物において、従来は防水施工が難しかった屋上などの隅部とそれにつづく継ぎ目部分を、簡単に正確かつ強力に防水施工することが可能になる。住宅建設の作業能率を高め、生産性を大幅に向上させることができる。
本発明の実施形態を表す隅部用防水部材の平面図(a)および断面図(b) 施工状態を示す斜視図 別の施工状態を示す斜視図 別の施工状態を示す斜視図 別の施工状態を示す斜視図 別の実施形態である隅部用防水部材の平面図 施工状態を示す斜視図 別の実施形態である隅部用防水部材の平面図(a)および断面図(b) 施工状態を示す斜視図
符号の説明
10 隅部用防水部材
20 展延防水材
22 展延部
24 粘着剤層
26 剥離シート
30 隅部当接片
32 固定部
34 張出部
36 易屈曲線
40 展延操作片
62、63、64 面材

Claims (6)

  1. 3方向の面で構成される隅部から面同士の継ぎ目に沿って施工される防水部材であって、
    展延性に優れた防水シートからなり、帯状をなし、前記隅部から前記継ぎ目に沿って配置され、裏面に粘着層を有する展延防水材と、
    形状保持性シートからなり、前記展延防水材の前記粘着層の反対面で、長さ方向の一端に配置され、前記隅部に配置される隅部当接片と、
    形状保持性シートからなり、前記展延防水材の前記粘着層の反対面で、前記隅部当接片と反対の端部に、展延防水材の全幅にわたって配置される展延操作片と
    を備える隅部用防水部材。
  2. 前記隅部当接片が、
    前記隅部で一つの面に配置され、側端辺が残りの面に沿って配置される固定部と、
    この固定部の側端辺から張り出していて、固定部に対して屈曲されて前記隅部の残りの面に配置される張出部とを有する
    請求項1に記載の隅部用防水部材。
  3. 前記固定部が、隣接する2方向の側端辺を有し、この側端辺が、前記展延防水材の長さ方向の中心線に対して左右対称に傾斜して配置されてなり、
    前記張出部が、前記固定部のそれぞれの側端辺に沿って帯状に配置されてなり、
    さらに、前記張出部と前記固定部との間に屈曲を容易にする易屈曲線を備える
    請求項2に記載の隅部用防水部材。
  4. 前記展延防水材が、EPDMゴムからなり、厚さ0.65〜1.3mm、伸び率100〜150%の防水シートである
    請求項1〜3の何れかに記載の隅部用防水部材。
  5. 前記形状保持性シートが、ポリオレフィン樹脂およびポリカーボネート樹脂からなる群から選ばれる樹脂シートからなり、厚さ0.2〜0.4mmであり、90°曲げたときの曲げ戻り角度が5°以下である
    請求項1〜4の何れかに記載の隅部用防水部材。
  6. 請求項1〜5に記載の隅部用防水部材を用いて、3方向の面で構成される隅部から面同士の継ぎ目に沿って防水施工する方法であって、
    前記隅部に前記隅部用防水部材の隅部当接片を配置し、隅部当接片を変形させて、3方向全ての面に隅部当接片の裏側の展延防水材を貼り付ける工程(a)と、
    前記隅部用防水部材の展延操作片を引っ張り、展延操作片と隅部当接片との間の展延防水材を引き伸ばして前記継ぎ目を覆って貼り付ける工程(b)と
    を含む隅部の防水施工方法。
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