JP4100191B2 - 電子写真装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の発光素子を直線状に配列した露光ヘッドを搭載した電子写真装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、レーザ光源から照射されたレーザ光線を、回転多面鏡(ポリゴンミラー)を用いて走査し、感光体に潜像を形成する構成や、複数の発光素子を直線状に配置した露光ヘッドを用いて感光体に潜像を形成する構成を有する電子写真装置が知られている。
【0003】
このうち露光ヘッドを搭載した電子写真装置は、光学系をシンプルに構成できるため小型化に有利であり、また回転多面鏡の回転速度の制約を受けないため、発光素子の光量さえ十分取れれば高速化の点でも有利である。
【0004】
さて従来の露光ヘッドとして、多数の微小なLED素子を直線状に配列したLEDヘッドが実用化されている。LED素子は一般に高輝度を得ることができるが、基本的に半導体プロセスを用いて製造するため、長尺化を図ろうとすると歩留まりが急激に劣化する。このため発光素子の集積度は、例えば1200dpi(dot/inch)の場合で1チップあたり高々512画素程度である。このように1チップが短いため長尺の露光ヘッドを実現する際は、多数のチップを一列に精度よく配置する必要がある。またLEDヘッドは、半導体プロセスによって各LED素子毎のPN接合を形成するため、輝度ばらつきが大きいことが知られている(1チップ内で最大±25%程度)この輝度ばらつきの影響は、濃度ムラとして画像に顕著に表れるため、一般には各LED素子または複数のLED素子を所定のシーケンスで発光させて予め取得した、光量補正データに基づき、LEDを駆動する電流値を制御したり、発光時間を制御する方法が知られている。
【0005】
一方、他の露光ヘッドの例として、複数の発光素子を直線状に配列した有機EL(エレクトロルミネッセンス)素子を利用した露光ヘッドが知られている。
【0006】
有機EL素子は発熱量が小さいために、冷却用の放熱フィン等を廃止することができ、露光ヘッドそのものを、たとえば厚み3mm以下程度に小型化することができる。
【0007】
なお、特許第3230450号公報には、複数の発光素子が千鳥状に配列されたプリンタヘッドと、このプリンタヘッドを応用したプリンタが開示されている。そして、本文献に開示されたプリンタでは、印字する画像データに関わらず、常に全ての発光素子を制御して画像を形成するようになっている。
【0008】
【特許文献1】
特許第3230450号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、ネットワーク等に接続され、パーソナルコンピュータ等からの出力用途を想定したプリンタでは、例えばユーザの指定に基づいて印字解像度を選択可能に構成されており、露光ヘッドを搭載した電子写真装置においても、解像度の高いモードつまり高解像度モードと解像度の低いモードつまり低解像度モードとを使い分けるというニーズに応える必要がある。
【0010】
一般に、高解像度で印字した方が文字のエッジや階調再現用のスクリーンを細かく制御できるため、高画質な印字ができるが、一方で低解像度で印字した方が画像データの展開処理に必要なデータ量が減少するため、例えばコンピュータからプリンタに印字データ(通常はPDL:ページ記述言語)を転送した後、プリンタの印字が完了するまでの時間が短縮される。
【0011】
ユーザは画質と印字速度のうち要求されるプライオリティに応じて高解像度モード(印字解像度が高く高画質だが印字完了までに時間がかかる)と、低解像度モード(印字解像度は低いが印字完了までの時間が短縮できる)を選択できるようになっている。
【0012】
ここで、印字解像度を選択可能にすると、ユーザの指定内容によっては、複数の発光素子列の一方しか使用しないようなケースが発生する。具体的には全ての発光素子を使用した場合に1200dpiの記録解像度を有する露光ヘッドの場合、高解像度モードでは複数の素子列の全てを使用するが、600dpiの低解像度モードでは複数の素子列のうち、例えば2列のうちの1列を使用するようなケースである。
【0013】
この場合において、有機EL素子のように累積点灯時間の増加に伴って発光光量が低下するデバイスの場合、千鳥配置された複数の素子列のうち、一方の素子列のみを継続的に使用すると、使用されていない素子列との光量差が大きくなって画質劣化要因となる。
【0014】
また、千鳥状に配置された複数の素子列間の間隔が大きい場合、選択された素子列が変わると、画像形成位置が副走査方向にシフトしてしまう。
【0015】
さらに、少なくとも露光ヘッドを含む複数の作像ステーションが列状に配置された所謂タンデム構成のカラープリンタの場合、発光素子列の選択内容によっては、各色の画像形成位置がずれてしまう。
【0016】
そこで、本発明は、複数の発光素子列を有する露光ヘッドが搭載された電子写真装置において印字解像度を簡易に調整することのできる技術を提供することを目的とする。
【0017】
また、本発明は、有機EL素子の劣化を列単位で均等化することのできる電子写真装置を提供することを目的とする。
【0018】
さらに、本発明は、異なる素子列での印字位置を一致させることのできる電子写真装置を提供することを目的とする。
【0019】
そして、本発明は、カラー印字における色ずれを防止できる電子写真装置を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために、本発明の電子写真装置は、発光素子が相互に千鳥状になって複数列に配列された素子列を備え、素子列が各列毎に発光可能とされた露光手段と、露光手段の露光光により静電潜像が形成される感光体と、静電潜像にトナーを供給して感光体上にトナー像を形成する現像手段と、露光手段を制御する制御手段を有し、この制御手段は、高解像度で画像を形成する高解像度モードにおいては、複数列に配列された素子列のうち全部の素子列を使用し、低解像度で画像を形成する低解像度モードにおいては、複数列に配列された素子列のうち一部の素子列を列単位で使用するようにしたものである。
【0021】
このように、発光素子が相互に千鳥状になった複数の素子列を備え、これらの素子列の一部の列を列単位であるいは全部の列を制御手段で駆動するようにしているので、露光ヘッドの記録解像度を簡易に調整することが可能になる。
【0022】
また、この課題を解決するために、本発明の電子写真装置は、制御手段は、一部の素子列を使用する低解像度モードでは、列単位に使用される素子列の相互間の発光期間が略均等になるように、発光させる素子列を切り替えるものである。
【0023】
これにより、発光素子の劣化を列単位で均等化することが可能になる。
【0024】
さらに、この課題を解決するために、本発明の電子写真装置は、制御手段は、低解像度モードでは、相互に異なる素子列のトップマージンが同一になるように露光開始タイミングを制御するものである。
【0025】
これにより、異なる素子列での印字位置を一致させることが可能になる。
【0026】
そして、この課題を解決するために、本発明の電子写真装置は、露光手段および現像手段が各色トナーに対応して複数設けられ、制御手段は、各色トナーに対応した露光ヘッドの同一の素子列を用いて印字を行うものである。
【0027】
これにより、使用する素子列を切り替えても各色画像データの書き出し位置が相対的に同一になるので、カラー印字における色ずれを防止することが可能になる。
【0028】
【発明の実施の形態】
本発明は、発光素子が相互に千鳥状になって複数列に配列された素子列を備え、前記素子列が各列毎に発光可能とされた露光手段と、露光手段の露光光により静電潜像が形成される感光体と、静電潜像にトナーを供給して感光体上にトナー像を形成する現像手段と、露光手段を制御する制御手段を有し、この制御手段は、高解像度で画像を形成する高解像度モードにおいては、複数列に配列された素子列のうち全部の素子列を使用し、低解像度で画像を形成する低解像度モードにおいては、複数列に配列された素子列のうち一部の素子列を列単位で使用する電子写真装置であり、発光素子が相互に千鳥状になった複数の素子列を備え、これらの素子列の一部の列あるいは全部の列を制御手段で駆動するようにしているので、露光ヘッドの記録解像度を調整することが可能になるという作用を有する。
【0029】
また本発明は、露光手段は、発光素子が発する光を感光体に結像させる光学系を備え、各素子列の配列方向を主走査方向とし、主走査方向と直交する方向を副走査方向とするとき、発光素子は、1つの素子列において、主走査方向に互いに離間して設けられ、かつ、発光素子の副走査方向のサイズは主走査方向のサイズよりも長く構成され、光学系は、感光体の像面に正立等倍像を結像するファイバレンズと、副走査方向にのみパワーを有するシリンドリカルレンズで構成され、光学系は、感光体の像面において、1つの素子列における各発光素子が形成する光スポットが、主走査方向において互いに接するように、発光素子が発する光を結像させる電子写真装置である。
これによって、低解像度モードにおいて、発光素子列を列単位で選択的に使用したとしても、感光体の像面において主走査方向の潜像は間欠状態となることはない。
【0030】
また本発明は、制御手段は、一部の素子列を使用する低解像度モードでは、列単位に使用される各素子列の相互間の発光期間が略均等になるように、発光させる素子列を切り替える電子写真装置であり、発光素子の劣化を列単位で均等化することが可能になるという作用を有する。
【0031】
また本発明は、制御手段は、印刷が行われるページ単位またはジョブ単位で使用する素子列を切り替える電子写真装置であり、発光素子の劣化を列単位で均等化することが可能になるという作用を有する。
【0033】
また本発明は、制御手段は、低解像度モードでは、相互に異なる素子列のトップマージンが同一になるように露光開始タイミングを制御する電子写真装置であり、異なる素子列での印字位置を一致させることが可能になるという作用を有する。
【0034】
また本発明は、制御手段は、素子列相互間の距離と印字速度とに応じてトップマージンの設定を変える電子写真装置であり、異なる素子列での印字位置を一致させることが可能になるという作用を有する。
【0035】
また本発明は、制御手段は、低解像度モードでは、選択された素子列に応じて異なる光量補正データを用いて素子列を発光させる電子写真装置であり、素子列間の光量の均一化を図ることが可能になるという作用を有する。
【0036】
また本発明は、露光手段および現像手段が各色トナーに対応して複数設けられ、制御手段は、各色トナーに対応した露光ヘッドの同一の素子列を用いて印字を行う電子写真装置であり、各色画像データの書き出し位置が同一になるので、カラー印字における色ずれを防止することが可能になるという作用を有する。
【0037】
また本発明は、制御手段は、低解像度モードでは、素子列に対するデータ入力を制御して、または素子列を駆動するドライバを制御して、発光する素子列を選択する電子写真装置であり、複数の素子列の一部の列あるいは全部の列を制御手段で駆動するようにしているので、露光ヘッドの記録解像度を調整することが可能になるという作用を有する。
【0038】
以下、本発明の実施の形態について、図1から図8を用いて説明する。なお、これらの図面において同一の部材には同一の符号を付しており、また、重複した説明は省略されている。
【0039】
図1は本発明の一実施の形態である電子写真装置の構成を示す概略図、図2は図1の電子写真装置における現像ステーションを示す説明図、図3は図1の電子写真装置における露光ヘッドの内部構造を示す説明図、図4は図3の露光ヘッドに備えられた露光光源としての有機EL素子の配列を示す説明図、図5は図1の電子写真装置におけるコントローラの構成を示すブロック図、図6は図1の電子写真装置におけるエンジン制御部の構成を示すブロック図、図7は図6のヘッド制御部の構成を示すブロック図、図8は露光ヘッドおよびヘッド制御部の詳細な構成を示す回路図である。
【0040】
図1において、電子写真装置40は、装置内にイエロー現像ステーション41Y、マゼンタ現像ステーション41M、シアン現像ステーション41C、ブラック現像ステーション41Kの4色分の現像ステーションを縦方向に階段状に配列し、その上方には記録紙42が収容される給紙トレイ43を配設すると共に、各現像ステーション41Y〜41Kに対応した箇所には給紙トレイ43から供給された記録紙42の搬送路となる記録紙搬送路44を上方から下方の縦方向に配置したものである。
【0041】
現像ステーション41Y〜41Kは、記録紙搬送路44の上流側から順に、イエロ、マゼンタ、シアン、ブラックのトナー像を形成するものであり、感光体47Y〜47K、現像スリーブ(図示せず)、帯電器(図示せず)等、一連の電子写真方式における現像プロセスを実現する部材の集合体である。
【0042】
さて、ここで現像ステーション41について図2を用いて詳細に説明する。図2は現像ステーションの周辺の構造を示す図である。現像ステーション41Y〜41Kは充填された現像剤の色が異なっているが、構成は現像色に関わらず同一であるので、簡単のため特に色は明示せずに説明する。
【0043】
図2において、現像ステーション41の内部にはキャリアとトナーの混合物である現像剤45が充填されている。46a、46bは現像剤45を攪拌する攪拌パドルであり、攪拌パドル46aと46bの回転によって現像剤45中のトナーは摩擦によって所定の電位に帯電されると共に、現像ステーション41内部を巡回することでトナーとキャリアが十分に攪拌混合される。47は感光体であり図示しない駆動源によって方向D3に回転する。48は帯電器であり感光体47の表面を所定の電位に帯電する。49は現像スリーブ(現像手段)、50は薄層化ブレードである。現像スリーブ49は内部に複数の磁極が形成されたマグロール51を有している。薄層化ブレード50によって、現像スリーブ49の表面に供給される現像剤45の層厚が規制されると共に、現像スリーブ49は図示しない駆動源によって方向D4に回転し、この回転およびマグロール51の磁極の作用によって現像剤45は現像スリーブ49の表面に供給され、感光体47に転写されなかった現像剤は現像ステーション41の内部に回収される。
【0044】
52は露光ヘッド(露光手段)である。本実施の形態における露光ヘッド52は、有機EL素子を相互に千鳥状に配置して2つの素子列を構成したもので、感光体上に最大A4サイズの静電潜像を形成する。この静電潜像部分に現像スリーブ49の表面に供給された現像剤45のうちトナーのみが付着し、静電潜像が顕画化される。なお、露光ヘッドの構造および有機EL素子の配列についての詳細は後述する。
【0045】
53は露光ヘッド52を支持する支持部材である。54はホトトランジスタ等で構成された光量センサであり、露光ヘッド52から照射され、感光体47の表面で反射された光が直接入射する角度に配設されている。光量センサ54の光が入射する面には、図示しない散乱板が配設されており、例えば感光体47の偏芯等によって、光の入射位置が多少変化しても、受光光量が大きく変化しないようになっている。また光量センサ54は受光光量に対して出力電流がリニアに変化する特性を有するもので、光量センサ54の出力を参照することで、露光ヘッド52の所定位置の発光素子(有機EL素子)の発光光量を検出することができる。
【0046】
感光体47に対し記録紙搬送路44と対向する位置には転写ローラ55が設けられており、図示しない駆動源により方向D5に回転する。転写ローラ55には所定の転写バイアスが印加されており、感光体47上に形成されたトナー像を、記録紙搬送路44を搬送されてきた記録紙に転写する。
【0047】
以降、図1に戻って説明を続ける。
【0048】
56はトナーボトルであり、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナーが格納されている。トナーボトル56から各現像ステーション41Y〜41Kには、図示しないトナー搬送用のパイプが配設され、現像ステーション41Y〜41Kにトナーを供給する。
【0049】
57は給紙ローラであり、図示しない電磁クラッチを制御することで方向D1に回転し、給紙トレイ43に装填された記録紙42を記録紙搬送路44に送り出す。
【0050】
給紙ローラ57と最上流のイエロー現像ステーション41Yの転写部位との間に位置する記録紙搬送路44には、入口側のニップ搬送手段としてレジストローラ58、ピンチローラ対59が設けられている。レジストローラ58、ピンチローラ対59は、給紙ローラ57により搬送された記録紙42を一時的に停止させ、所定のタイミングでイエロー現像ステーション41Yの方向に搬送する。この一時停止によって記録紙42の先端がレジストローラ58、ピンチローラ対59の軸方向と平行に規制され、記録紙42の斜行を防止する。
【0051】
60は記録紙通過センサである。記録紙通過センサ60は反射型センサ(フォトリフレクタ)によって構成され、反射光の有無で記録紙42の先端および後端を検出する。
【0052】
さて、レジストローラ58の回転を開始すると(図示しない電磁クラッチによって動力伝達を制御し、回転ON/OFFを行う)記録紙42は記録紙搬送路44に沿ってイエロー現像ステーション41Yの方向に搬送されるが、レジストローラ58の回転開始タイミングを起点として、各現像ステーション41Y〜41Kに搭載した露光ヘッド(図2の符号52を参照)による静電潜像の書き込みタイミングが独立して制御される。
【0053】
最下流のブラック現像ステーション41Kの更に下流側に位置する記録紙搬送路44には出口側のニップ搬送手段として定着器62が設けられている。定着器62は加熱ローラ63と加圧ローラ64から構成されている。加熱ローラ63は表面から近い順に、発熱ベルト、ゴムローラ、芯材(共に図示せず)から構成されている多層構造のローラである。このうち発熱ベルトは更に3層構造を有するベルトであり、表面に近い方から離型層、シリコンゴム層、基材層(共に図示せず)から構成される。離型層は厚み約20〜30μmのフッ素樹脂からなり、加熱ローラ63に離型性を付与する。シリコンゴム層は約170μmのシリコンゴムで構成され、加圧ローラに適度な弾性を与える。基材層は鉄・ニッケル・クロム等の合金である磁性材料によって構成されている。
【0054】
65は励磁コイルが内包された背面コアである。背面コア65の内部には表面が絶縁された銅製の線材(図示せず)を所定本数束ねた励磁コイルを、加熱ローラ63の回転軸方向に延伸し、かつ加熱ローラ63の両端部において、加熱ローラ63の周方向に沿って周回して形成されている。励磁コイルに半共振型インバータである励磁回路(図示せず)から約30kHzの交流電流を印加すると、背面コア65と加熱ローラ63の基材層によって構成される磁路に磁束が生じる。この磁束によって加熱ローラ63の発熱ベルトの基材層に渦電流が形成され、基材層が発熱する。基材層で生じた熱はシリコンゴム層を経て離型層まで伝達され、加熱ローラ63の表面が発熱する。
【0055】
66は加熱ローラ63の温度検出手段として設けられているサーミスタ(Thermally Sensitive Resistor)である。サーミスタは金属酸化物を主原料とし、高温で焼結して得られるセラミック半導体であり、温度に応じて負荷抵抗が変化することを応用して、接触した対象物の温度を計測することができる。サーミスタ66の出力は図示しない制御装置に入力され、制御装置はサーミスタ66の出力に基づいて背面コア65内部の励磁コイルに出力する電力を制御し、加熱ローラ63の表面温度が約170℃となるよう制御する。
【0056】
この温度制御がなされた加熱ローラ63と加圧ローラ64によって形成されるニップ部に、トナー像が形成された記録紙42を通紙すると、記録紙42上のトナー像は、加熱ローラ63と加圧ローラ64によって加熱/加圧され、定着画像を得ることができる。
【0057】
67は記録紙後端検出センサであり、記録紙42の排出状況を監視するものである。71はトナー像検出センサである。トナー像検出センサ71は発光スペクトルの異なる複数の発光素子(共に可視光)と単一の受光素子を用いた反射型センサユニットであり、記録紙42の地肌と画像形成部分とで、画像色に応じて吸収スペクトルが異なることを利用して画像濃度を検出するものである。またトナー像検出センサ71は画像濃度のみならず、画像形成位置も検出できるため、本実施の形態における電子写真装置では、トナー像検出センサ71を装置の幅方向に2ヶ所設け、記録紙42上に形成した画像位置ずれ量検出パターンの検出位置に基づき、画像形成タイミングを制御している。
【0058】
72は記録紙搬送ドラムである。記録紙搬送ドラム72は表面を200μm程度の厚さのゴムで被覆した金属製ローラであり、定着後の記録紙42は記録紙搬送ドラム72に沿って方向D2に搬送される。このとき記録紙42は記録紙搬送ドラム72によって冷却されると共に、画像形成面と逆方向に曲げられて搬送される。これによって高濃度な画像を記録紙全面に形成した場合などで発生するカールを大幅に軽減することができる。その後、記録紙42は蹴り出しローラ74によって方向D6に搬送され、排紙トレイ78に排出される。
【0059】
73はフェイスダウン排紙部である。フェイスダウン排紙部73は支持部材75を中心に回動可能に構成され、フェイスダウン排紙部73を開状態にすると、記録紙42は方向D7に排紙される。このフェイスダウン排紙部73は閉状態では記録紙搬送ドラム72と共に記録紙42の搬送をガイドするように、背面に搬送経路に沿ったリブ76が形成されている。
【0060】
77は駆動源であり本実施の形態ではステッピングモータを採用している。駆動源77によって、給紙ローラ57、レジストローラ58、ピンチローラ対59、感光体47Y〜47Kと転写ローラ55Y〜55Kを含む各現像ステーション41Y〜41Kの周辺部、定着器62、記録紙搬送ドラム72、蹴り出しローラ74の駆動を行っている。
【0061】
80はコントローラであり、外部のネットワークを介して図示しないコンピュータ等からの画像データを受信し、プリント可能な画像データを生成する。
【0062】
81はエンジン制御部である。エンジン制御部81は電子写真装置40のハードウェアやメカニズムを制御し、コントローラ80から転送された画像データに基いて記録紙42にカラー画像を形成すると共に、電子写真装置の制御全般を行っている。
【0063】
82は電源部である。電源部82は、駆動源77、コントローラ80、エンジン制御部81へ所定電圧の電力供給を行うと共に、定着器62の加熱ローラ63への電力供給を行っている。また感光体47表面の帯電、現像スリーブ(図2、符号49)に印加する現像バイアス、転写ローラ55に印加する転写バイアス等のいわゆる高圧電源は、この電源部に含まれている。
【0064】
また電源部82には電源監視部83が含まれ、少なくともエンジン制御部81に供給される電源電圧をモニタできるようになっている。このモニタ信号はエンジン制御部81において検出され、電源スイッチのオフや、停電等の際の電源電圧の低下を検出している。
【0065】
次に、露光ヘッドの構成について、図3を用いて説明する。
【0066】
図3に示すように、露光ヘッド52は、露光ヘッド52を支持するヘッド支持部材53を有している。そして、露光ヘッド52は、基材84に実装されてヘッド支持部材53上に設けられた封止材85で気密封止された光源としての有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)86と、基材84上に設けられて画像データに対応した電圧を有機EL素子86に給電してこれを発光させるドライバ87とからなる。さらに、基材84上には、有機EL素子86からの照射光を反射して光路を90°変換するプリズム88、プリズム88からの光を伝送かつ集光するファイバレンズアレイ89、ファイバレンズアレイ89からの光を副走査方向に絞り込むシリンドリカルレンズ90が搭載されている。
【0067】
そして、有機EL素子86は、図4に示すように、相互に千鳥状に配置され、2つの素子列、つまり第1の素子列86aと第2の素子列86bとが形成されている。そして、これらの第1、第2の素子列86a,86bは各列毎に点灯制御可能となっており、双方の素子列を同時に駆動する解像度の高いモードつまり高解像度モードと、片方の素子列のみを駆動する解像度の低いモードつまり低解像度モードとが実現されるようになっている。
【0068】
すなわち、本実施の形態において、主走査方向における1つの素子列での有機EL素子86のピッチは1/600inch、同じく主走査方向における2つの素子列を合わせた場合での有機EL素子86のピッチは1/1200inch、第1の素子列86aと第2の素子列86bとのピッチは4/1200inchとなっている。そして、ユーザの指定した印字条件の印字解像度が1200dpi(高解像度モード)の場合は、第1の素子列86aと第2の素子列86bの両方を駆動して画像を形成する。また、600dpi(低解像度モード)の場合は、第1の素子列86aまたは第2の素子列86bの何れか一方を選択的に駆動して画像を形成する。そして、これにより露光ヘッド52に有機EL素子86が用いられた電子写真装置の印字解像度が調整される。
【0069】
なお、以下に説明する場合を含めて、有機EL素子86の駆動制御は後述するCPU111が行う。
【0070】
ここで、本実施の形態のピッチ等の数値は一例であり、本発明はこれらの数値に限定されるものではない。また、素子列は、本実施の形態では2列であるが、3列以上であってもよい。
【0071】
図示するように、有機EL素子86は副走査方向に長くなっており、第1の素子列86aおよび第2の素子列86bの有機EL素子86が発する光は、単一のシリンドリカルレンズ90で副走査方向に絞り込まれる。本来ファイバレンズアレイ89によって、有機EL素子86から照射された光は、感光体47の像面に正立等倍像を結像するが、シリンドリカルレンズ90は副走査方向のみパワーを有しており、主走査側と副走査側の焦点距離が異なるため、感光体47上の光スポットは副走査方向が縮み、主走査方向は広がる(即ち、副走査方向は、ファイバレンズアレイ89のパワーとシリンドリカルレンズ90のパワーによって、感光体47の像面に合焦するが、主走査方向は意図的に合焦位置をずらすようにしている)。したがって、結果的に感光体47の像面では略正方形の光スポットが得られるように設計されている。
【0072】
更に、このときの主走査方向の個々の光スポットは、互いに接するように設計されているため、一方の素子列のみを用いても、主走査方向の潜像は間欠状態となることはない。
【0073】
次に、本実施の形態の電子写真装置におけるコントローラの構成と動作について、図5を用いて説明する。
【0074】
図5において、100はコンピュータである。コンピュータ100はネットワーク101経由でコントローラ80に画像データやプリントジョブ情報を転送する。102はネットワークインタフェースである。コントローラ80はネットワークインタフェース102を介して、コンピュータ100から転送されてきた画像データやプリントジョブ情報を受信したり、逆に電子写真装置のエラー状況などのいわゆるステータス情報をコンピュータ100に送信する。
【0075】
103はCPU(制御手段)であり、ROM104に格納されたプログラムに基きコントローラ80の動作を制御している。
【0076】
105はRAMであり、CPU103のワークエリアとして使用されると共に、ネットワークインタフェース102で受信された画像データやプリントジョブ情報、およびページ単位に展開されたプリント可能な画像データ等が、一時的に記憶される。
【0077】
106は画像処理部である。画像処理部106ではコンピュータ100から転送された画像データとプリントジョブ情報(共に一時的にRAM105に格納されている)に基き、ページ単位に画像処理(プリンタ言語からラスタデータへの変換処理、色補正、エッジ補正、スクリーン生成等)を行って印字に供する画像データを生成し、これを再度RAM105に格納する。
【0078】
107はプリンタインタフェースであり、RAM105に格納されたページ単位の画像データは、プリンタインタフェース107を介してエンジン制御部81に転送される。
【0079】
次に、エンジン制御部の構成と動作について、図6に図1を併用して説明する。
【0080】
図6において110はコントローラインタフェースである。コントローラインタフェース110は、コントローラ80から転送されるページ単位の画像データ、およびプリントモード情報を受信する。
【0081】
111はCPU(制御手段)であり、ROM112に格納されたプログラムに基きプリンタエンジンの動作を制御している。113はRAMであり、CPU111が動作する際のワークエリアとして使用される。114はEEPROM等の所謂書き換え可能な不揮発性メモリである。不揮発性メモリ114には、例えば電子写真装置の感光体47の回転時間、定着器62の動作時間等の寿命情報や、後に詳細に説明する発光素子の点灯累積値を格納する。115はシリアルインタフェースである。記録紙通過センサ60や記録紙後端検出センサ67、および光量センサ54(図2、符号54参照)などのセンサ群からの情報、電源監視部83(電源電圧の低下を検出し、CPU111の動作が停止する前に、露光ヘッドの各発光素子の点灯回数の累積値を不揮発性メモリ114に格納する。)の出力は、図示しないシリアル変換手段によって、所定の周期のシリアル信号に変換され、シリアルインタフェース115で受信される。シリアルインタフェース115で受信されたシリアル信号は、パラレル信号に変換された後にCPU111に読取られる。一方、給紙ローラ57、感光体47Y〜47K、定着器62の加熱ローラ63、記録紙搬送ドラム72等を駆動する駆動源77の起動/停止や、給紙ローラ57およびレジストローラ58に対する駆動力伝達を制御する電磁クラッチ(図示せず)等のアクチュエータへの制御信号や、現像バイアス/転写バイアス/帯電電位などの高圧電源の電位設定のための制御信号などは、パラレル信号としてシリアルインタフェース115に送られる。シリアルインタフェース115では、このパラレル信号をシリアル信号に変換して、アクチュエータ群に出力する。本実施の形態では、高速に検出する必要のないセンサ入力やアクチュエータ制御信号の出力は、全てシリアルインタフェース115を介して行っている。
【0082】
一方、高速なサンプリングが要求される、トナー像検出センサ71(画像位置ずれ量検出パターンは10μm程度の検出分解能が必要である)からの入力はCPU111の入力端子に直接接続されている。
【0083】
120Y,120M,120C,120Kは各印字色に対応した露光ヘッド(図2、符号52参照)の駆動を制御するヘッド制御部である。ヘッド制御部120Y〜120Kには露光ヘッド52の露光タイミング制御と、露光ヘッド52Y〜52Kに搭載された有機EL素子の駆動電圧制御を行う機能が含まれている。121Y,121M,121C,121Kは数ライン分の容量を有するバッファメモリである。コントローラインタフェース110を介して転送された画像データは、各印字色毎に独立して設けられたバッファメモリ121Y〜121Kに一時的に格納される。バッファメモリ121Y〜121Kに格納された画像データは、図示しないDMA回路によって各印字色に対応した露光ヘッド52Y〜52Kに転送される。なおバッファメモリ121Y〜121KはデュアルポートRAMで構成されており、図示しないパスを介してCPU111による読取りと書き込みが可能となっている。
【0084】
122Y,122M,122C,122Kはドライバであり、ヘッド制御部120Y〜120Kから出力される制御信号と、バッファメモリ121Y〜121Kから転送された画像データに基づいて、有機EL素子である発光素子123Y〜123Kを駆動する。
【0085】
ここで、CPU111による露光ヘッド52の発光制御について説明する。
【0086】
低解像度モードにおいて、常に一方の素子列を選択して駆動させると、その素子列の有機EL素子の劣化が他の素子列の有機EL素子よりも進むため、CPU111により、低解像度モードでは2つの素子列86a,86bの相互間の発光期間が略均等になるように制御される。すなわち、具体的には、印刷が行われるページ単位で駆動する素子列が切り替えられるようになっている。但し、1ページを最小単位として、複数ページ単位あるいはジョブ単位で素子列を切り替えても、有機EL素子の劣化を列単位で均一化することができる。
【0087】
なお、ページ単位で素子列を切り替える場合には、前回のジョブの最後に使用された素子列とは異なる素子列(たとえば、前回のジョブの最後に使用されたのが第1の素子列86aの場合には、第2の素子列86b)を今回のジョブの最初のページに使用するようにすれば、常に2つの素子列が交互に使用されるようになり、有機EL素子の劣化が列単位でより均一化されるので望ましい。
【0088】
また、既に説明した電源監視部83によって、電源電圧が所定の範囲を越えて低下したことが検出された場合、CPU111が最後の印字ページにどちらの素子列が使用されたかをEEPROM114に格納することで、正常に電源OFFが行われた時のみならず停電時であっても、次に使用すべき素子列を正しく選択することができる。
【0089】
ここで、相互に異なる素子列の副走査方向の印字開始位置つまりトップマージンが異なると、第1の素子列86aでの印字位置と第2の素子列86bでの印字位置が僅かに異なることになる。そこで、これを防止するために、CPU111は、低解像度モードでは、相互に異なる素子列のトップマージンが同一になるように露光開始タイミングを制御している。つまり、素子列相互間の距離と印字速度とに応じてトップマージンの設定を変えている。
【0090】
なお、本実施の形態のように露光ヘッド52、感光体47および現像スリーブ49が各色トナーに対応して複数設けられたタンデム型の電子写真装置では、全ての露光ヘッド52で同一の素子列を用いて印字されるようになっている。すなわち、もしイエロー画像を形成する露光ヘッド52では第1の素子列86aを使用し、マゼンタ画像を形成する露光ヘッド52では第2の素子列86bを使用するというように、印字色によって駆動する素子列を変えると、各色画像データの書き出し位置が異なるため、素子列の間隔分の色ずれが発生してしまう。そこで、このようなカラー印字における色ずれを防止するために、CPU111により、各色トナーに対応した露光ヘッド52の同一の素子列を用いて印字が行われるものである。
【0091】
通常、第1の素子列86aと第2の素子列86bの間隔の精度は極めて高く実現可能である(素子形成時のマスクの精度に依存し、実質的にサブミクロンオーダーの精度を持つ)。従って各印字色間で同一の素子列を用いる限り、使用する素子列を切り替えても、色ずれの状態は全く変わらないのである。
【0092】
ところで、有機EL素子の製造には蒸着プロセスが用いられるため、隣接画素間の輝度ばらつきは一般的に小さく抑えることができる。しかしながら、副走査方向の距離(つまり、素子列間の距離)は主走査方向の画素ピッチよりも大きいため、素子列毎に主走査方向の光量分布は異なる。そこで、各素子列に対応した光量ばらつき補正を行って光量の均一化を図るために、CPU111は、低解像度モードでは、選択された素子列に応じて異なる光量補正データを用いて素子列を発光させるのが望ましい。
【0093】
次に、ヘッド制御部120の構成を、図7を用いて詳細に説明する。なお、図6で示したように、実際にはヘッド制御部は印字色毎に4つ存在するが、以降簡単のため1つのヘッド制御部を対象として説明する。
【0094】
図7において130はヘッド駆動タイミング制御部である。ヘッド駆動タイミング制御部130は、露光ヘッド52に搭載された第1の素子列86aに対応した第1のドライバ122aおよび第2の素子列86bに対応した第2のドライバ122bに対して、バッファメモリ121から送られた画像データの1ライン分の保持に関する制御および第1および第2の素子列86a,86bの駆動タイミングを生成する。ヘッド駆動タイミング制御部130はバッファメモリ121に対して画像データ転送用のクロック信号(CLK)およびアドレス生成部130aで生成されたアドレス(ADDRESS)を供給する。また、ヘッド駆動タイミング制御部130は、第1、第2のドライバ122a,122bに対してクロック信号(CLK)およびその他のドライバ制御信号を出力する。
【0095】
次に、図8を用いて露光ヘッド52の駆動について詳細に説明する。
【0096】
図8において、150はライン方向に直線状に配置された39個のドライバチップである。151はドライバチップ150単位に設けられた256ビットのシフトレジスタ、152はシフトレジスタ151に対応して配置された256ビットのラッチ、153はラッチ152の出力信号及びストローブ信号(STB)1〜13を受けて動作するゲート、154はゲート153の出力信号に基づいてON/OFFの状態をとるドライバトランジスタ、123はドライバトランジスタ154によって駆動される電流に基づいて発光する有機EL素子である。
【0097】
バッファメモリ121から出力された画像データ(DATA)は、クロック信号(CLK)に同期してシフトレジスタ151内部をビット単位に転送され、256ビット分の転送が完了すると隣接するシフトレジスタ151に出力される。すべてのシフトレジスタ151に画像データ(DATA)が送られると、ロード信号(LOAD)がラッチ152に入力され、シフトレジスタ151内の画像データ(DATA)は一括してラッチ152に保持される。
【0098】
画像データがラッチされると、ストローブ信号(STB)1〜13が順に出力され、既にラッチ152に保持されている画像データ(DATA)とストローブ信号(STB)1〜13は、ゲート153においてAND演算され、ストローブ信号(STB)1〜13が予め定められたロジック(例えばHigh状態)となると、ラッチされた画像データに従ってドライバトランジスタがON状態になって有機EL素子123に駆動電流が供給されて有機EL素子123が点灯する。
【0099】
次にヘッド駆動電圧設定部133について説明する。ヘッド駆動電圧設定部133において、156はDAコンバータ、157はヘッド電源であり、CPU111からDAコンバータ156に値を設定することでドライバトランジスタ154全体に供給される電源電圧が決定される。158はドライバ電流設定部であり、各ドライバチップ150毎に独立して設けられている。ドライバ電流設定部158にはライン同期信号(LSYNC)とクロック信号(CLK)が入力されており、画像データの転送と同期して各ドライバチップ150単位に供給される電流値を設定できる構成となっている。
【0100】
次に、第1の素子列86aおよび第2の素子列86bの選択について説明する。
【0101】
CPU111による素子列の選択には2つの手順がある。
【0102】
すなわち、第1の手順は、先ず、コントローラが解像度情報(高解像度モードまたは低解像度モード)を含むコマンドを転送すると、これをCPU111が受信して解析する。ここでは、コントローラは解像度変換処理を行い、解像度に応じた画像データを出力する。次に、CPU111はヘッド制御部120のヘッド駆動タイミング制御部130のレジスタを操作し、データ転送モード設定する。そして、高解像度(たとえば1200dpi)が指定された場合は、ヘッド駆動タイミング制御部130はアドレス生成部130aを制御し、偶数アドレスの画像データを第1のドライバ122aに、奇数アドレスの画像データを第2のドライバ122bに転送する(DMA転送する)。また、低解像度(たとえば600dpi)が指定された場合は、ヘッド駆動タイミング制御部130はアドレス生成部130aを制御し、全てのアドレスの画像データを第1のドライバ122aもしくは第2のドライバ122bに転送する。
【0103】
このように第1の手順では、コントローラが解像度に応じた画像データを準備するものである。したがって、千鳥状に2列の第1、第2の素子列86a,86bが配置されている場合、前述のように、低解像度モードでは、一方の素子列にのみ印字データが入力される。また、高解像度モードでは、画像データが偶数アドレスと奇数アドレスとに分割されて各素子列に入力される。そして、この手順ではヘッド制御部120における処理は複雑化するものの、解像度が低い場合は、処理すべき画素数が減少するため、コントローラが展開処理を始めてから印字完了するまでの時間が短縮されるという利点がある。
【0104】
第2の手順は、先ず、コントローラが解像度情報を含むコマンドを転送すると、これをCPU111が受信して解析する。ここでは、コントローラは画像データの解像度変換処理は行わず、常に最大解像度に応じた画像データ(たとえば1200dpi)を出力する。次に、CPU111はヘッド制御部120のヘッド駆動タイミング制御部130のレジスタを操作し、データ転送モード設定する。そして、高解像度(たとえば1200dpi)が指定された場合は、ヘッド駆動タイミング制御部130はアドレス生成部130aを制御し、偶数アドレスの画像データを第1のドライバ122aに、奇数アドレスの画像データを第2のドライバ122bに転送(DMA転送)し、どちらのドライバも動作させる。また、低解像度(たとえば600dpi)が指定された場合は、ヘッド駆動タイミング制御部130はアドレス生成部130aを制御し、偶数アドレスの画像データを第1のドライバ122aに、奇数アドレスの画像データを第2のドライバ122bにDMA転送する。このとき、ヘッド駆動タイミング制御部130がSTROBE信号の供給を制御することで、動作させるドライバを選択する。
【0105】
このように第2の手順では、コントローラは常に最大解像度のデータを解像度情報とともに出力し、STROBE信号でドライバの選択を行うものである。したがって、千鳥状に2列の第1、第2の素子列86a,86bが配置されている場合、低解像度モードでは、一方の素子列を駆動するドライバの動作が禁止される。また、高解像度モードでは、両方の素子列を駆動するドライバの動作が許可される。そして、この手順では、第1の手順とは逆に、ヘッド制御部120の処理は簡単になるが、コントローラは常に最大解像度の画像データを生成するため、画像データの展開処理は印字解像度に依存せず、最大解像度の時と同じになる(印字解像度が低くなっても印字速度は変わらない)。
【0106】
以上の説明においては、本発明をカラー電子写真装置に適用した場合について説明したが、たとえばブラックなど単色の電子写真装置に適用することもできる。また、カラー電子写真装置に適用した場合、現像色はイエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの4色に限定されるものではない。
【0107】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、発光素子が相互に千鳥状になった複数の素子列を備え、これらの素子列の一部あるいは全部を制御手段で駆動するようにしているので、露光ヘッドの記録解像度を簡易に調整することが可能になるという有効な効果が得られる。
【0108】
また、一部の素子列を使用する低解像度モードでは、素子列の相互間の発光期間が略均等になるように制御すれば、有機EL素子の劣化を列単位で均等化することが可能になるという有効な効果が得られる。
【0109】
さらに、低解像度モードでは、相互に異なる素子列のトップマージンが同一になるように露光開始タイミングを制御すれば、異なる素子列での印字位置を一致させることが可能になるという有効な効果が得られる。
【0110】
そして、露光手段および現像手段が各色トナーに対応して複数設けられた構成において、制御手段は、各色トナーに対応した露光ヘッドの同一の素子列を用いて印字を行うようにすれば、各色画像データの書き出し位置が同一になるので、カラー印字における色ずれを防止することが可能になるという有効な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態である電子写真装置の構成を示す概略図
【図2】図1の電子写真装置における現像ステーションを示す説明図
【図3】図1の電子写真装置における露光ヘッドの内部構造を示す説明図
【図4】図3の露光ヘッドに備えられた露光光源としての有機EL素子の配列を示す説明図
【図5】図1の電子写真装置におけるコントローラの構成を示すブロック図
【図6】図1の電子写真装置におけるエンジン制御部の構成を示すブロック図
【図7】図6のヘッド制御部の構成を示すブロック図
【図8】露光ヘッドおよびヘッド制御部の詳細な構成を示す回路図
【符号の説明】
47Y,47M,47C,47K 感光体
49 現像スリーブ(現像手段)
52 露光ヘッド(露光手段)
86 有機EL素子
86a 第1の素子列
86b 第2の素子列
111 CPU(制御手段)
123Y,123M,123C,123K 発光素子(有機EL素子)

Claims (9)

  1. 発光素子が相互に千鳥状になって複数列に配列された素子列を備え、前記素子列が各列毎に発光可能とされた露光手段と、
    前記露光手段の露光光により静電潜像が形成される感光体と、
    前記静電潜像にトナーを供給して前記感光体上にトナー像を形成する現像手段と、
    前記露光手段を制御する制御手段を有し、
    この制御手段は、
    高解像度で画像を形成する高解像度モードにおいては、前記複数列に配列された素子列のうち全部の素子列を使用し、
    低解像度で画像を形成する低解像度モードにおいては、前記複数列に配列された素子列のうち一部の素子列を列単位で使用することを特徴とする電子写真装置。
  2. 前記露光手段は、前記発光素子が発する光を前記感光体に結像させる光学系を備え、
    前記各素子列の配列方向を主走査方向とし、前記主走査方向と直交する方向を副走査方向とするとき、
    前記発光素子は、1つの前記素子列において、主走査方向に互いに離間して設けられ、
    かつ、前記発光素子の前記副走査方向のサイズは前記主走査方向のサイズよりも長く構成され、
    前記光学系は、前記感光体の像面に正立等倍像を結像するファイバレンズと、前記副走査方向にのみパワーを有するシリンドリカルレンズで構成され、
    前記光学系は、前記感光体の像面において、1つの前記素子列における各発光素子が形成する光スポットが、前記主走査方向において互いに接するように、前記発光素子が発する光を結像させることを特徴とする請求項1記載の電子写真装置。
  3. 前記制御手段は、前記低解像度モードでは、前記列単位に使用される各素子列の相互間の発光期間が略均等になるように、発光させる前記素子列を切り替えることを特徴とする請求項1記載の電子写真装置。
  4. 前記制御手段は、印刷が行われるページ単位またはジョブ単位で使用する前記素子列を切り替えることを特徴とする請求項3記載の電子写真装置。
  5. 前記制御手段は、前記低解像度モードでは、相互に異なる前記素子列のトップマージンが同一になるように露光開始タイミングを制御することを特徴とする請求項3〜4の何れか一項に記載の電子写真装置。
  6. 前記制御手段は、前記素子列相互間の距離と印字速度とに応じてトップマージンの設定を変えることを特徴とする請求項5記載の電子写真装置。
  7. 前記制御手段は、前記低解像度モードでは、選択された素子列に応じて異なる光量補正データを用いて前記素子列を発光させることを特徴とする請求項1〜の何れか一項に記載の電子写真装置。
  8. 前記露光手段および前記現像手段が各色トナーに対応して複数設けられ、
    前記制御手段は、各色トナーに対応した露光手段の同一の素子列を用いて印字を行うことを特徴とする請求項1〜の何れか一項に記載の電子写真装置。
  9. 前記制御手段は、前記低解像度モードでは、前記素子列に対するデータ入力を制御して、または前記素子列を駆動するドライバを制御して、発光する素子列を選択することを特徴とする請求項1〜の何れか一項に記載の電子写真装置。
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