JP2004326027A - 電子写真装置 - Google Patents

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Yuji Toyomura
祐士 豊村
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

【課題】一方で画質低下を最小限に抑制されつつ短時間で画像形成ができ、他方で高解像度で画像を形成できる電子写真装置を得る。
【解決手段】複数のトナー像形成手段が周囲にそれぞれ配置された感光体47a,47bと、感光体47a,47bの回転方向に対して順方向に周回走行し、各感光体47a,47bに形成されたトナー像が重畳転写される中間転写ベルト67と、中間転写ベルト67上に転写されたトナー像を記録紙42上に転写する転写ローラ55a,55bと、感光体47a,47bが1周する間に複数色のトナー像を重畳して当該感光体47a,47bに形成してこれを中間転写ベルト67に一括して転写する第1のモード、および感光体47a,47bが1周する間に単色のトナー像を感光体47a,47bに形成してこれを中間転写ベルト67に転写する動作を複数回繰り返す第2のモードを有する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真装置に関し、特にカラートナー像を記録媒体上に形成する電子写真装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、帯電・露光・現像を数回繰り返して感光体上に色の異なる複数のトナー像を形成した後、トナー像を記録紙に一括転写してカラー画像を得る電子写真装置が種々提案されている。
【0003】
ここで、従来の技術として、特開昭60−95456号公報に開示された電子写真装置を図12に示す。図12は従来の電子写真装置の構成を示す概略図である。
【0004】
図12において、電子写真装置には、矢印の方向に回転するセレンテルル(Se−Te)製の感光体21が備えられており、感光体21を一様に正帯電するコロナ帯電器22、レーザビームスキャナ23、イエロー(以下「Y」という。)、マゼンタ(以下「M」という。)、シアン(以下「C」という。)、ブラック(以下「B」という。)の現像剤がそれぞれ収納された現像器24〜27、トナー像を記録紙28に転写し易くするための除電ランプ29、トナー転写後の感光体21に残ったトナーを取り除くクリーニングブレード32、感光体21上の静電潜像を光で消去する除電ランプ33が、この感光体21の周囲にその回転方向に沿って配置されている。
【0005】
また、感光体21の対向位置にはトナー像を記録紙28に転写するためのコロナ帯電器30が設けられ、トナー像が転写された記録紙28の走行経路上には、当該トナー像を記録紙28に定着させる加熱定着器31が配置されている。
【0006】
次に、上述した電子写真装置を用いてカラー画像を形成するプロセスについて説明する。
【0007】
まずコロナ帯電器22で感光体21を正帯電したあと、レーザビームスキャナ23でYの画像信号を露光し、ネガの静電潜像(画像部が露光されて感光体の表面電位が減衰している静電潜像)を形成する。そして静電潜像をYトナーの入っている現像器24でネガ・ポジ反転現像し、感光体21上にYのトナー像を形成する。このとき、Yトナーの入っている現像器24だけが電源(図示せず)に接続されているが、その他の現像器25〜27はトナーが飛翔しない状態に調整されている。Yトナーで現像した後、感光体21を除電ランプ33で全面照射し、イエローの静電潜像を消去する。
【0008】
次に、Yのトナー像の形成プロセスと同様にして、帯電・露光・現像・光除電の工程を繰り返し、感光体21上にM,C,Bのトナー像をYのトナー像の上に順次形成する。全てのトナー像の形成が終了した後、除電ランプ29で静電潜像を消去し、コロナ帯電器30でトナー像を記録紙28に各色一括して静電転写する。一方、静電転写後、感光体21に残留したトナーは、クリーニングブレード32で除去されたカラー画像形成の1サイクルが完了する。
【0009】
【特許文献1】
特開昭60−95456号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述した従来の技術では、現像されたある色のトナー像の上に他色の画像データについて露光および現像を行ってトナー像を形成するようにしているので、既にトナー像の形成されている領域では露光光線が感光体表面まで届きにくくなったりスポット径が広がってしまい、トナー像の形成されていない領域と比較して静電潜像の解像度が低下してしまう。
【0011】
特にブラックおよび露光光の色の補色関係にある色(たとえば露光光が赤色であればシアン、緑色であればマゼンタ、青色であればイエロー)は露光光線を吸収するために、これらの色のトナー像が形成されている領域に露光光線を照射しても静電潜像が十分に形成されない。トナーが吸収する波長と、露光光の波長は完全に合致していないため、全く潜像が形成されないわけではないが、トナー付着に十分な感光体上の電位を得られなくなる。
【0012】
その一方で、従来の技術で説明した多重現像は画像が形成されるまでの時間が短いので、若干画質が低下しても短時間で画像形成できるモードが、画像形成時間が長くなっても高画質で画像形成できるモードと使い分けできれば望ましい。但し、前者のモードでも画質低下は最小限に抑えなければならない。
【0013】
そこで、本発明は、一方で画質低下を最小限に抑制されつつ短時間で画像形成ができ、他方で高解像度で画像が形成できる電子写真装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために、本発明の電子写真装置は、複数のトナー像形成手段が周囲にそれぞれ配置された複数の感光体と、感光体の回転方向に対して順方向に周回走行し、それぞれの感光体に形成されたトナー像が重畳転写される中間転写手段と、中間転写手段上に転写されたトナー像を記録媒体上に転写する転写手段と、感光体に複数色のトナー像を重畳形成してこれを中間転写手段に一括して転写する第1のモード、および感光体に単色のトナー像形成してこれを中間転写手段に転写する動作を複数回繰り返す第2のモードを有し、指定された何れかのモードで画像形成を行う制御手段とを備えたとを備えたものである。
【0015】
これにより、第1のモードでは画質低下が最小限に抑制されつつ短時間で画像形成ができ、また第2のモードでは高解像度で画像を形成することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、複数のトナー像形成手段が周囲にそれぞれ配置された複数の感光体と、感光体の回転方向に対して順方向に周回走行し、それぞれの感光体に形成されたトナー像が重畳転写される中間転写手段と、中間転写手段上に転写されたトナー像を記録媒体上に転写する転写手段と、感光体に複数色のトナー像を重畳形成してこれを中間転写手段に一括して転写する第1のモード、および感光体に単色のトナー像形成してこれを中間転写手段に転写する動作を複数回繰り返す第2のモードを有し、指定された何れかのモードで画像形成を行う制御手段とを備えた電子写真装置であり、第1のモードでは画質低下が最小限に抑制されつつ短時間で画像形成ができ、また第2のモードでは高解像度で画像を形成することが可能になるという作用を有する。
【0017】
本発明の請求項2に記載の発明は、請求項1記載の発明において、第1のモードでは、何れかの感光体でブラックのトナー像が、他の感光体で露光光線の補色のトナー像がそれぞれ最後に形成される電子写真装置であり、第1のモードでは画質低下が最小限に抑制されつつ短時間で画像形成ができ、また第2のモードでは高解像度で画像を形成することが可能になるという作用を有する。
【0018】
本発明の請求項3に記載の発明は、請求項2記載の発明において、中間転写手段の走行方向に対して最上流側に位置する感光体でブラックのトナー像が、当該感光体よりも下流側に位置する感光体で露光光線の補色のトナー像がそれぞれ最後に形成される電子写真装置であり、第1のモードでは画質低下が最小限に抑制されつつ短時間で画像形成ができ、また第2のモードでは高解像度で画像を形成することが可能になるという作用を有する。
【0019】
本発明の請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載の発明において、第2のモードでは、中間転写手段の走行方向に対して最上流側に位置する感光体でブラックのトナー像が最初に形成される電子写真装置であり、第1のモードでは画質低下が最小限に抑制されつつ短時間で画像形成ができ、また第2のモードでは高解像度で画像を形成することが可能になるという作用を有する。
【0020】
本発明の請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の何れか一項に記載の発明において、制御手段は、第1のモードと第2のモードとで色処理パラメータを相違させて画像形成を実行させる電子写真装置であり、画像の重ね合わせ順序に応じた最適な色再現が可能になるという作用を有する。
【0021】
本発明の請求項6に記載の発明は、請求項1〜5の何れか一項に記載の発明において、露光光線は緑色であり、第1のモードではブラックのトナー像およびマゼンタのトナー像が最後に形成される電子写真装置であり、第1のモードにおいて、トナー像の形成された感光体上に露光光線で露光しても当該露光光線が既に形成されたトナー像には吸収されないので、良好な解像度の画像を形成することが可能になるという作用を有する。
【0022】
本発明の請求項7に記載の発明は、請求項1〜5の何れか一項に記載の発明において、露光光線は赤色であり、第1のモードではブラックのトナー像およびシアンのトナー像が最後に形成される電子写真装置であり、第1のモードにおいて、トナー像の形成された感光体上に露光光線で露光しても当該露光光線が既に形成されたトナー像には吸収されないので、良好な解像度の画像を形成することが可能になるという作用を有する。
【0023】
本発明の請求項8に記載の発明は、請求項1〜5の何れか一項に記載の発明において、露光光線は青色であり、第1のモードではブラックのトナー像およびイエローのトナー像が最後に形成される電子写真装置であり、第1のモードにおいて、トナー像の形成された感光体上に露光光線で露光しても当該露光光線が既に形成されたトナー像には吸収されないので、良好な解像度の画像を形成することが可能になるという作用を有する。
【0024】
以下、本発明の実施の形態について、図1から図11を用いて説明する。なお、これらの図面において同一の部材には同一の符号を付しており、また、重複した説明は省略されている。
【0025】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1である電子写真装置の全体構成を示す概略図、図2は図1の電子写真装置に設けられた作像ステーションの構成を示す概略図、図3は図2の作像ステーションに設けられた露光ヘッドの構成を示す概略図、図4は図2の作像ステーションにおける多重現像の工程を示す説明図、図5は図1の電子写真装置における高速モードでのトナーの重畳状態を示す模式図、図6は図1の電子写真装置における高画質モードでのトナーの重畳状態を示す模式図、図7は図1の電子写真装置におけるコントローラの構成を示すブロック図、図8は図1の電子写真装置におけるエンジン制御部の構成を示すブロック図、図9は制御手段による画像処理シーケンスを示すフローチャート、図10は図8のヘッド制御部の構成を示すブロック図、図11は露光ヘッドおよびヘッド制御部の詳細な構成を示す回路図である。
【0026】
図1に示すように、本実施の形態の電子写真装置40は、イエロー(Y)と無彩色成分であるブラック(K)のトナー像が形成される第1の作像ステーション41a、およびシアン(C)とマゼンタ(M)のトナー像が形成される第2の作像ステーション41bが装置内に縦方向に配列されており、その下方には記録紙(記録媒体)42が収容される給紙トレイ43が配設されている。
【0027】
また、各作像ステーション41a,41bに対応した箇所には、感光体47a,47bの回転方向に対して順方向に周回走行する無端状の中間転写ベルト(中間転写手段)67が設けられている。中間転写ベルト67は、PETなどの基材中にカーボン等を分散して所定の誘電率を有するように形成されたベルトである。第1の作像ステーション41aおよび第2の作像ステーション41bで形成されたトナー像はこの中間転写ベルト67に一旦重畳転写された後、一括して記録紙42に転写される。
【0028】
なお、本実施の形態では中間転写手段として無端ベルトである中間転写ベルト67が用いられているが、たとえばドラム式のものであってもよい。
【0029】
前述した第1の作像ステーション41aおよび第2の作像ステーション41bは中間転写ベルトの回転方向に沿って上流側から順にそれぞれ配置されており、感光体(第1の感光体)47aおよび感光体(第2の感光体)47b、現像スリーブ(図示せず)、帯電器(図示せず)等、一連の電子写真方式における現像プロセスを実現する部材の集合体である。なお、中間転写ベルト67は感光体47a,47bの回転方向に対して順方向に走行する。
【0030】
ここで作像ステーション41a,41bについて図2および図4を用いて詳細に説明する。作像ステーション41a,41bは充填された現像剤の色が異なっているが、構成は相互に同一であるので、主として第1の作像ステーション41aについて説明し、第2の作像ステーション41bについては第1の作像ステーション41aとの相違部分について説明する。
【0031】
図2において、第1の作像ステーション41aは、感光体47aと、この感光体47aに付着した像転写後の残留トナーを除去する感光体クリーナ10を備えている。また、感光体47aの周囲にはトナー像形成手段である第1の除電器11、第1の帯電器12、第1の露光ヘッド13、第1の現像器14、第2の除電器15、第2の帯電器16、第2の露光ヘッド17および第2の現像器18が、感光体47aの回転方向に沿って配置されている。
【0032】
ここで、第1の除電器11は感光体47aの残留電荷を除去し、第1の帯電器12は感光体47aの外周面を一様に所定の電荷に帯電し、第1の露光ヘッド13は帯電した感光体47aの外周面に第1の色(ここではイエロー)に対応した静電潜像を露光光線(ここでは、有機EL素子を光源とした緑色の露光光線)により形成し、第1の現像器14は形成された静電潜像にトナー(ここではイエローのトナー)を供給してトナー像を形成する。また、第2の除電器15はイエローのトナー像形成後に感光体47aに残留している電荷を除去し、第2の帯電器16は感光体47aの外周面を一様に所定の電荷に帯電し、第2の露光ヘッド17は帯電した感光体47aの外周面に第2の色(ここではブラック)に対応した静電潜像を露光光線により形成し、第2の現像器18は形成された静電潜像にトナー(ここではブラックのトナー)を供給して第1の現像器14で形成されたトナー像の上にトナー像を形成する。
【0033】
ここで、本実施の形態の電子写真装置では、画像の解像度よりも画像の形成時間を優先した高速モード(第1のモード)と、逆に画像の形成時間よりも画像の解像度を優先した高画質モード(第2のモード)の2つのモードを有している。
【0034】
高速モードでは、第1の色(イエロー)を第1色目、第2の色(ブラック)を第2色目とし、第1色目のトナー像(ここではイエローのトナー像)が形成されたならば、このトナー像を他の像担持体に転写することなく、当該トナー像の上から直ちに第2色目のトナー像(ここではブラックのトナー像)を形成する。このモードではイエローおよびブラックのトナー像が重畳して感光体47a外周面に形成され、この重ね合わせの2色のトナー像が一括して中間転写ベルト67に転写される。
【0035】
また、高画質モードでは、逆に第2の色(ブラック)を第1色目、第1の色(イエロー)を第2色目とし、第1色目のトナー像(ここではブラックのトナー像)が形成されたならば、このトナー像を一旦中間転写ベルト67に転写した後、中間転写ベルト67の次のサイクルにおいて、第2色目のトナー像(ここではイエローのトナー像)を形成する。このモードではブラックのトナー像とイエローのトナー像とは別々に感光体47aの外周面に形成され、中間転写ベルト67に相互に重畳転写される。
【0036】
なお、中間転写ベルト67への転写時には、転写ローラ68a,68bには所定の転写バイアスが印加されている。また、中間転写ベルト67に転写されなかった残トナーは感光体クリーナ10でクリーニングされる。
【0037】
また、高画質モードでは、中間転写ベルト67を2周させて4色のトナー像を重畳するため、記録する画像サイズ以上の長さが必要となる。したがって、本実施の形態の中間転写ベルト67は、本電子写真装置が形成できる最大用紙サイズ以上の長さを有している。
【0038】
このように、高速モードでは、最初にイエローのトナー像を形成した後にブラックのトナー像を形成するが、高画質モードでは、ブラックのトナー像を最初に形成する。そして、ブラックのトナー像の形成順序を前述のように制御することで、高速モードおよび高画質モードの何れのモードにおいても中間転写ベルト67の最下層(つまり、中間転写ベルト67の表面に最も近い側)にはブラックのトナー像が位置することになり、これを記録紙42に一括転写すると、記録紙42の最上層(つまり、記録紙42の表面から最も遠い側)ブラックのトナー像を配置することができる。このようにブラックのトナー像を記録紙42の最上層に配置することで、コントラストが大きくメリハリのあるカラー画像を得ることができる。
【0039】
なお、高速モードは感光体47aが1周する間に2色のトナー像が形成されることから画像の形成時間は比較的短くなるが、第1色目のトナー像の上から露光して第2色目のトナー像を形成するために、第2色目の露光光線が僅かに広がり、潜像忠実性が悪化する。これに対し、高画質モードでは感光体47aが2周して2色のトナー像が形成されることから画像の形成時間は高速モードよりは長くなるが、第1色目のトナー像が存在しない感光体47a上に第2色目のトナー像を形成するために、第2色目の露光光線が広がることもなく、潜像忠実性は良好になる。
【0040】
このように各モードはトレードオフの関係にあるために、画像の解像度よりも画像の形成時間を優先したい場合には高速モードで、逆に画像の形成時間よりも画像の解像度を優先したい場合には高画質モードで画像形成を行えばよい。
【0041】
露光ヘッド13,17は、図3に示すように、露光ヘッドを支持するヘッド支持部材53を有している。そして、露光ヘッド13,17は、基材84に実装されてヘッド支持部材53上に設けられた封止材85で気密封止された光源としての有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)86と、基材84上に設けられて画像データに対応した電圧を有機EL素子86に給電してこれを発光させるドライバ87とからなる。さらに、基材84上には、有機EL素子8からの照射光を反射して光路を90°変換するプリズム88、プリズム88からの光を伝送かつ集光するファイバアレイ89、ファイバアレイ89からの光を副走査方向に絞り込むシリンドリカルレンズ90が搭載されている。
【0042】
なお、有機EL素子は、現状では緑色が最も光量が大きい。したがって、前述のように緑色の露光光線が用いられ、また感光体47a,47bとしては、緑色の露光光線に対する感度が高い感光体(例えばアナログ複写機用の感光体)が用いられている。但し、緑色以外の露光光線を用いてもよく、光源としてはレーザなど他のものを用いることもできる。
【0043】
図1および図2において、中間転写ベルト67のループの内部空間には、中間転写ベルト67を挟んで感光体47aと対向する位置に転写ローラ(転写手段)68aが、また感光体47bと対向する位置に転写ローラ(転写手段)68bがそれぞれ設けられており、駆動源19により中間転写ベルト67の走行方向と順方向に回転する。転写ローラ68aおよび転写ローラ68bには所定の転写バイアスが印加されている。
【0044】
第2の作像ステーション41bでは、第1の作像ステーション41aでの画像形成プロセスと同様のプロセスにより、高速モードでは、最初にシアンのトナー像が、続いてシアンのトナー像の上にマゼンタのトナー像が連続的に多重現像され、これが一括して中間転写ベルト67に転写される。
【0045】
また、高画質モードでは、感光体47bの1周目にはシアンのトナー像が形成されて中間転写ベルト67に重畳転写され、2周目にはマゼンタのトナー像が形成されて中間転写ベルト67に重畳転写される。あるいは、感光体47bの1周目にはマゼンタのトナー像が形成されて中間転写ベルト67に重畳転写され、2周目にはシアンのトナー像が形成されて中間転写ベルト67に重畳転写される。
【0046】
このように、高速モードでは、それぞれの感光体47a,47b上に重畳して形成された2色のトナー像が中間転写ベルト67に重畳転写されて当該中間転写ベルト67上にカラートナー像が形成され、高画質モードではそれぞれの感光体47a,47b上に形成された単色のトナー像が中間転写ベルト67に順次転写されてる動作が各2回繰り返されて当該中間転写ベルト67上にカラートナー像が形成される。そして、このようにして中間転写ベルト67上に形成されたカラートナー像が一括して記録紙42に転写される。
【0047】
中間転写ベルト67の周囲には更に廃トナーボックス20が配設されている。中間転写ベルト67に何らかの原因(たとえば記録紙の搬送不良(JAM:ジャミング)などによって、中間転写ベルト67にトナー像が付着するようなケース)でトナーが付着した場合、このトナーは用紙搬送ベルトクリーナ20aによって除去され、廃トナーボックス20に収納される。
【0048】
図4に示すように、第1の現像器14および第2の現像器18には、キャリアとトナーの混合物である現像剤45が充填されている。46a、46bは現像剤45を攪拌する攪拌パドルであり、攪拌パドル46a,46bの回転によって現像剤45中のトナーは摩擦によって所定の電位に帯電されると共に、現像器14内部を巡回することでトナーとキャリアが十分に攪拌混合される。49は現像スリーブ(現像手段)、50は薄層化ブレードである。現像スリーブ49は内部に複数の磁極が形成されたマグロール51を有している。薄層化ブレード50によって、現像スリーブ49の表面に供給される現像剤45の層厚が規制されると共に、現像スリーブ49は矢印で示す方向D4に回転し、この回転およびマグロール51の磁極の作用によって現像剤45は現像スリーブ49の表面に供給され、感光体47aに転写されなかった現像剤は第1の作像ステーション41aの内部に回収される。
【0049】
本実施の形態では、全ての現像器14,18に2成分現像が採用され、かつ感光体47a,47bと現像スリーブ49のトナー面との間に図示しないギャップリング等のギャップ形成部材によって所定のギャップを設け、更に現像スリーブ49にDC+AC電位を印加することで、現像スリーブ49上のトナーを感光体47a,47bに飛翔させる現像方式を採用している。同一の感光体47a,47b上に複数色のトナー像を形成する多重現像方式においては、現像スリーブ49上のトナー面を直接感光体47a,47bに接触させてしまうと、一旦感光体47a,47b上に現像されたトナーが、たとえば現像器14のトナーが現像器18に入って混色することがあることから、これを防止するために感光体47a,47bと現像スリーブ49(あるいはトナー面)とを非接触で現像する方式がとられている。
【0050】
記録紙42に転写されるトナーの重畳状態を、図5および図6を用いて説明する。
【0051】
高速モードという多重現像による作像プロセスでは、第1色目のトナー(例えばイエロー、シアン)を現像した上から、第2色目(例えばブラック、マゼンタ)に対応した画像データに基づき露光ヘッド17を駆動して感光体47a,47bを露光する。この際、露光ヘッド17から照射された露光光線が、既に感光体47a,47b上に形成されたトナーによって吸収(スペクトル的に吸収)されなければ、当該露光光線は第1色目のトナー層を通して感光体47a,47bに到達し、感光体47a,47b上に潜像を形成することができる。
【0052】
ここで、有機EL素子86を光源とした露光ヘッド13,17では、現状においては緑色のEL材料の光量が最も高い。すると、その補色にあたるマゼンタのトナーは緑色のスペクトル領域の光を吸収するので、感光体47a,47b上にマゼンタのトナー像を形成してしまうと、緑色の露光光線はマゼンタのトナー層で吸収されて感光体47a,47bに到達しないため、その上から露光することができない。また、ブラックのトナーは一般にカーボンブラックを含有し、全ての可視光を吸収する。
【0053】
したがって、高速モードにおいて、既にマゼンタのトナー像やブラックのトナー像が形成された感光体47a,47bの上から緑色の露光光線で露光しても、感光体47a,47b上に潜像を形成することはできない。すなわち、第1および第2の作像ステーション41a,41bにおいて、ブラックのトナー像およびマゼンタのトナー像の形成された感光体47a,47b上には、緑色の露光光線で露光を行っても感光体47a,47b上に静電潜像を形成することはできない。
【0054】
よって、各作像ステーション41a,41bにおいてはブラックではない色のトナー像および露光光線の補色でない色のトナー像を最初に形成し、露光光線の補色のトナー像およびブラックのトナー像を最後に形成する。
【0055】
また、記録紙42に画像が形成された状態においてブラックのトナー像の上面に彩色(イエロー、マゼンタ、シアン)のトナー像が重畳された場合、彩色トナー領域の内部でも光が反射するため、彩色トナーの色味が強く再現されてしまう。このため、一般に印刷の三原色(イエロー、マゼンタ、シアン)にブラックを加えた4色の色材で色再現を行う場合、自然な画像再現を行うには、ブラックは記録紙42に転写されたカラートナー像の最上層に配置することが望ましい。
【0056】
そこで、緑色の露光光線を用いた場合には、図5に示すように、第1の作像ステーション41aの感光体47aにおいては最初にイエローのトナー像を形成した後にブラックのトナー像を形成し、第2の作像ステーション41bの感光体47bにおいては最初にシアンのトナー像を形成した後にマゼンタのトナー像を形成する。あるいは、第1の作像ステーション41aの感光体47aにおいては最初にシアンのトナー像を形成した後にブラックのトナー像を形成し、第2の作像ステーション41bの感光体47bにおいては最初にイエローのトナー像を形成した後にマゼンタのトナー像を形成する。
【0057】
これにより、中間転写ベルト67には、第1の作像ステーション41aにおいてはブラックのトナー像が中間転写ベルト67上に位置し、その上層にイエローのトナー像が位置してこれらが重畳したトナー像が転写される。続いて第2の作像ステーション41bでの転写により、イエローのトナー像の上層にマゼンタのトナー像が、さらにその上層にシアンのトナー像が位置して4色が重なり合ったカラートナー像が形成される。
【0058】
このように、高速モードにおいては、ブラックのトナー像および露光光線の補色のトナー像(この場合にはマゼンタ)を感光体47a,47bのそれぞれ最後に形成するようにしているので、複数色のトナー像が重畳して形成される感光体47a,47bにおいてトナー像の形成された上に露光光線で露光しても当該露光光線が既に形成されたトナー像には吸収されず、高解像度の画像を形成することが可能になる。
【0059】
そして、この中間転写ベルト67に形成されたカラートナー像を記録紙42に一括転写すると、記録紙42の最上層(すなわち、目に最も近い位置)にブラックのトナー像が配置される。これにより、コントラストの高い優れた画像を得ることができる。
【0060】
なお、第1の作像ステーション41aで形成されるイエローと第2の作像ステーション41bで形成されるシアンは逆であってもよい。
【0061】
ここで、露光光線がレーザビームのような赤色であれば、赤色の補色であるシアンが赤色の露光光線を吸収するため、シアンの現像はブラックと同様に最後に行わねばならない。また、露光光線が青色であれば、青色の補色であるイエローが青色の露光光線を吸収するため、イエローの現像はブラックと同様に最後に行わねばならない。
【0062】
次に、高画質モードによる作像プロセスでは、感光体47a,47bの1周目で第1色目のトナー(例えばブラック、シアン)を現像してこれを記録紙42に転写した後に、2周目で第2色目のトナー(例えばイエロー、マゼンタ)を現像してこれを記録紙42に転写する。
【0063】
このモードでは、トナー像の上にさらに露光をしてトナー像を形成していないため、高速モードにおける露光光線の吸収の問題は発生しないので、露光光線の吸収を回避するための色形成の順序は問題にはならない。しかしながら、高画質モードにおいても記録紙42に画像が形成された状態においてブラックのトナー像が最上層となるようにし、自然な画像再現を行う必要がある。
【0064】
そこで、高画質モードでは、図6に示すように、また前述のように、感光体47aにおいては1周目でブラックのトナー像を形成し、2周目でイエローのトナー像を形成する。また、感光体47bでは、1周目でシアンのトナー像を形成し、2周目でマゼンタのトナー像を形成する。これにより、感光体47aで最初に形成されたブラックのトナー像が中間転写ベルト67上に位置し、その上層に感光体47bで最初に形成されたシアンのトナー像が、さらにその上層に感光体47aで2周目に形成されたイエローのトナー像が、最上層には感光体47bで2周目に形成されたマゼンタのトナー像が相互に重畳転写される。
【0065】
そして、この中間転写ベルト67に形成されたカラートナー像を記録紙42に一括転写すると、高速モードの場合と同様に、記録紙42の最上層(すなわち、目に最も近い位置)にブラックのトナー像が配置される。これにより、コントラストの高い優れた画像を得ることができる。
【0066】
なお、高画質モードでは、第1の作像ステーション41aの感光体47aにおいては最初にブラックのトナー像を形成するようにすればよく、感光体47aの2周目の現像色ならびに感光体47bの1周目および2周目の現像色はどのような順序であってもよい。
【0067】
このように、本実施の形態の電子写真装置によれば、高速モードでは画質低下が最小限に抑制されつつ短時間で画像形成ができ、また高画質モードでは高解像度で画像を形成することが可能になる。
【0068】
以降、図1に戻って説明を続ける。
【0069】
56はトナーボトルであり、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナーが格納されている。トナーボトル56から各現像器には、図示しないトナー搬送用のパイプが配設され、各現像器にトナーを供給する。
【0070】
57は給紙ローラであり、図示しない電磁クラッチを制御することで回転し、給紙トレイ43に装填された記録紙42を一枚ずつピックアップして搬送経路へと送り出す。
【0071】
給紙ローラ57と最上流の第1の作像ステーション41aの転写部位との間には、入口側のニップ搬送手段としてレジストローラ58、ピンチローラ59対が設けられている。また、給紙トレイ43から供給されて搬送される記録紙42の搬送経路におけるレジストローラ58、ピンチローラ59対の下流側には、中間転写ベルト67に圧接して中間転写ベルト67上に転写された4色のカラートナー像を記録紙42上に転写する第2の転写ローラ(転写手段)69が設けられ、ここに転写部位が構成されている。レジストローラ58、ピンチローラ59対は、給紙ローラ57により搬送された記録紙42を一時的に停止させ、所定のタイミングで転写部位の方向に搬送する。この一時停止によって記録紙42の先端がレジストローラ58、ピンチローラ59対の軸方向と平行に規制され、記録紙42の斜行を防止する。
【0072】
60は記録紙通過センサである。記録紙通過センサ60は反射型センサ(フォトリフレクタ)によって構成され、反射光の有無で記録紙の先端および後端を検出する。
【0073】
前述した転写部位のさらに下流側には、出口側のニップ搬送手段として定着器62が設けられている。定着器62は加熱ローラ63と加圧ローラ64とから構成されている。加熱ローラ63は表面から近い順に、発熱ベルト、ゴムローラ、芯材(共に図示せず)から構成されている多層構造のローラである。このうち発熱ベルトは更に3層構造を有するベルトであり、表面に近い方から離型層、シリコンゴム層、基材層(共に図示せず)から構成される。離型層は厚み約20〜30μmのフッ素樹脂からなり、加熱ローラ63に離型性を付与する。シリコンゴム層は約170μmのシリコンゴムで構成され、加圧ローラに適度な弾性を与える。基材層は鉄・ニッケル・クロム等の合金である磁性材料によって構成されている。
【0074】
65は励磁コイルが内包された背面コアである。背面コア65の内部には表面が絶縁された銅製の線材(図示せず)を所定本数束ねた励磁コイルを、加熱ローラ63の回転軸方向に延伸し、かつ加熱ローラ63の両端部において、加熱ローラ63の周方向に沿って周回して形成されている。励磁コイルに半共振型インバータである励磁回路(図示せず)から約30kHzの交流電流を印加すると、背面コア65と加熱ローラ63の基材層によって構成される磁路に磁束が生じる。この磁束によって加熱ローラ63の発熱ベルトの基材層に渦電流が形成され、基材層が発熱する。基材層で生じた熱はシリコンゴム層を経て離型層まで伝達され、加熱ローラ63の表面が発熱する。
【0075】
66は加熱ローラ63の温度検出手段として設けられているサーミスタ(Thermally Sensitive Resistor)である。サーミスタは金属酸化物を主原料とし、高温で焼結して得られるセラミック半導体であり、温度に応じて負荷抵抗が変化することを応用して、接触した対象物の温度を計測することができる。サーミスタ66の出力は図示しない制御装置に入力され、制御装置はサーミスタ66の出力に基づいて背面コア65内部の励磁コイルに出力する電力を制御し、加熱ローラ63の表面温度が約170℃となるよう制御する。
【0076】
この温度制御がなされた加熱ローラ63と加圧ローラ64によって形成されるニップ部に、トナー像が形成された記録紙42を通紙すると、記録紙42上のトナー像は、加熱ローラ63と加圧ローラ64によって加熱/加圧され、定着画像を得ることができる。なお、画像が定着された記録紙42は、その後排紙ローラ74によって搬送され、排紙トレイ78に排出される。
【0077】
駆動源19は、本実施の形態ではステッピングモータを採用している。駆動源77によって、給紙ローラ57、レジストローラ58、ピンチローラ59、感光体47a,47bと転写ローラ68a,68bを含む第1および第2の作像ステーション41a,41bの周辺部、定着器62、排紙ローラ74の駆動を行っている。
【0078】
80はコントローラ(制御手段)であり、外部のネットワークを介して図示しないコンピュータ等からの画像データを受信し、プリント可能な画像データを生成する。
【0079】
81はエンジン制御部である。エンジン制御部81は電子写真装置40のハードウェアやメカニズムを制御し、コントローラ80から転送された画像データに基いて記録紙42にカラー画像を形成すると共に、電子写真装置の制御全般を行っている。
【0080】
次に、本実施の形態の電子写真装置におけるコントローラの構成と動作について、図7を用いて説明する。
【0081】
図7において、100はコンピュータである。コンピュータ100はネットワーク101経由でコントローラ80に画像データやプリントジョブ情報を転送する。102はネットワークインタフェースである。コントローラ80はネットワークインタフェース102を介して、コンピュータ100から転送されてきた画像データやプリントジョブ情報を受信したり、逆に電子写真装置のエラー状況などのいわゆるステータス情報をコンピュータ100に送信する。
【0082】
103はCPUであり、ROM104に格納されたプログラムに基きコントローラ80の動作を制御している。
【0083】
105はRAMであり、CPU103のワークエリアとして使用されると共に、ネットワークインタフェース102で受信された画像データやプリントジョブ情報、およびページ単位に展開されたプリント可能な画像データ等が、一時的に記憶される。
【0084】
106は画像処理部である。画像処理部106ではコンピュータ100から転送された画像データとプリントジョブ情報(共に一時的にRAM105に格納されている)に基き、ページ単位に画像処理(プリンタ言語からラスタデータへの変換処理、色補正、エッジ補正、スクリーン生成等)を行って印字に供する画像データを生成し、これを再度RAM105に格納する。
【0085】
107はプリンタインタフェースであり、RAM105に格納されたページ単位の画像データは、プリンタインタフェース107を介してエンジン制御部81に転送される。
【0086】
次に、エンジン制御部の構成と動作について、図8に図1を併用して説明する。
【0087】
図8において110はコントローラインタフェースである。コントローラインタフェース110は、コントローラ80から転送されるページ単位の画像データ、およびプリントモード情報を受信する。
【0088】
111はCPUであり、ROM112に格納されたプログラムに基きプリンタエンジンの動作を制御している。そして、ユーザの指定によりコントローラ80から転送された前述の高速モードと高画質モードの切り替えコマンドにより、何れかのモードで画像形成が実行されるよう制御する。
【0089】
113はRAMであり、CPU111が動作する際のワークエリアとして使用される。114はEEPROM等の所謂書き換え可能な不揮発性メモリである。不揮発性メモリ114には、例えば電子写真装置の感光体47a,47bの回転時間、定着器62の動作時間等の寿命情報などを格納する。115はシリアルインタフェースである。記録紙通紙センサ60や図示しない記録紙後端検出センサなどのセンサ群からの情報、電源監視部83の出力は、シリアル変換手段によって所定の周期のシリアル信号に変換され、シリアルインタフェース115で受信される。シリアルインタフェース115で受信されたシリアル信号は、パラレル信号に変換された後にCPU111に読み取られる。一方、給紙ローラ57、感光体47a,47b、定着器の加熱ローラ63等を駆動する駆動源19の起動/停止や、給紙ローラ57およびレジストローラ58に対する駆動力伝達を制御する電磁クラッチ(図示せず)等のアクチュエータへの制御信号や、現像バイアス/転写バイアス/帯電電位などの高圧電源の電位設定のための制御信号などは、パラレル信号としてシリアルインタフェース115に送られる。シリアルインタフェース115では、このパラレル信号をシリアル信号に変換して、アクチュエータ群に出力する。本実施の形態では、高速に検出する必要のないセンサ入力やアクチュエータ制御信号の出力は、全てシリアルインタフェース115を介して行っている。
【0090】
一方、高速なサンプリングが要求されるトナー像検出センサ(図示せず)からの入力はCPU111の入力端子に直接接続されている。
【0091】
120Y,120M,120C,120Kは各印字色に対応した露光ヘッドの駆動を制御するヘッド制御部である。ヘッド制御部120Y〜120Kには露光ヘッドの露光タイミング制御と、露光ヘッドに搭載された有機EL素子の駆動電圧制御を行う機能が含まれている。121Y,121M,121C,121Kは数ライン分の容量を有するバッファメモリである。コントローラインタフェース110を介して転送された画像データは、各印字色毎に独立して設けられたバッファメモリ121Y〜121Kに一時的に格納される。バッファメモリ121Y〜121Kに格納された画像データは、図示しないDMA回路によって各印字色に対応した露光ヘッドに転送される。なおバッファメモリ121Y〜121KはデュアルポートRAMで構成されており、図示しないパスを介してCPU111による読み取りと書き込みが可能となっている。
【0092】
122Y,122M,122C,122Kはドライバであり、ヘッド制御部120Y〜120Kから出力される制御信号と、バッファメモリ121Y〜121Kから転送された画像データに基づいて、有機EL素子である発光素子(123Y〜123Kを駆動する。なお、本実施の形態では、有機EL素子の発光素子列が2列になっていることから(図3参照)、各素子列に対応してドライバが設けられている。
【0093】
ここで、高速モードでは、中間転写ベルト67上にブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの順に(記録紙42上にはこの逆の順に)トナー像が重畳され、高画質モードでは、ブラック、シアン、イエロー、マゼンタの順にトナー像が重畳される。このようにモードによって色重ね順が異なるので、コントローラ80の画像処理部106はモードに応じて異なる色補正テーブルにアクセスし、各モードで色処理パラメータを相違させて最適な色補正を行っている。なお、各モードでの色重ねの順が同じ場合には同じ色処理パラメータとなることはもちろんである。
【0094】
ここで、本実施の形態の電子写真装置における画像処理シーケンスを図9を用いて詳細に説明する。
【0095】
まずCPU103は、コンピュータ100から転送されてきた描画コマンドを取得し、コマンドを解釈する(STEP1001)。
【0096】
次にCPU103は描画コマンドの解釈に従って、多値カラーイメージデータ(RGB(輝度)データ)を生成し、一旦RAM105上に展開する(STEP1002)。
【0097】
CPU103はコンピュータ100から転送されるコマンドに基づき、全ての描画コマンドを処理したかをチェックし(STEP1003)、全ての描画データの展開が完了したら、CPU103はRAM105上に展開された多値カラーイメージデータ(RGB(輝度)データ)を画像処理部106に設けられたメモリ領域(図示せず)に所定量(例えば1ライン分)を転送し、画像処理部106を制御して画像処理を開始する(STEP1004)。一方、まだ処理すべき描画コマンドが残っている場合は、STEP1001に戻る。
【0098】
CPU103から多値カラーイメージデータ(RGB(輝度)データ)を受信した画像処理部106は、(数1)に従ってRGB(輝度)データを濃度データに変換し、Dr,Dg,Db信号を得る(STEP1005)。
【0099】
D=(1023/MaxOD)×min(MaxOD,log(x/1023))・・・(1)
ただし、MaxODはプリンタの最大光学濃度(C,M,Yで異なる)、min(,)は2つの引数のうち大きくない方を出力する関数である。また数値1023は、この処理が10bit処理であるための定数であり、8bit処理する場合は255となる。
【0100】
一般にこの変換は、RAM/ROM等のメモリ上に、(数1)の式に従って予め変換データを書き込んでおき、例えばメモリのロケーションを示すオフセットアドレス(R,G,Bの先頭アドレス)に、輝度信号R,G,Bの値を下位アドレスとして加え、メモリにアクセスすることで高速に実現できる。
【0101】
次に画像処理部106は色処理を行ってC(シアン),M(マゼンタ),Y(イエロー),K(ブラック)の信号を生成する(STEP1006)。
【0102】
色処理はC,M,Y,Kの各トナー(より正しくはトナーの色材)に含まれる分光特性上の不要吸収帯の影響を抑制したり、C,M,YデータからK(墨版)を生成するための処理で、より鮮やかでコントラストの良好な色再現を実現するためのものである。
【0103】
本実施の形態では、この色処理の具体的手段として、予め格子状に分割した色空間に対して、各格子点の変換特性をLUT(ルックアップテーブル)として格納し、これらの格子点の変換情報に基づき補間によって色処理を行う、いわゆる3次元LUT方式を採用している。
【0104】
さて前述したように、本実施の形態では高速モードと高画質モードとで、記録紙42上のトナーの重なり順序が異なる。具体的には、高速モードでは記録紙42の表面に近いほうからC、M、Y、Kの順にトナーが重ね合わされ、高画質モードでは記録紙42の表面に近いほうからM、Y、C、Kの順にトナーが重ね合わされる。一般に彩色トナー(C,M,Y)の重ね合わせ順序が異なると、トナー表層に近い方から反射される色成分が相対的に多くなるため、画像の色味が変化する。
【0105】
本実施の形態では彩色トナーの重ね合わせ順序に応じて予め計測しておいた3次元LUTの格子点データをROM104に格納しておき、実際の印字にあたって、高速モード/高画質モードに応じて3次元LUTの格子点データの値を書き換えることで、この色味変化を防止している。
【0106】
色処理によってC,M,Y,K信号が生成された後、画像処理部106はプリントエンジンの階調の非線形性を補正する階調補正を行う(STEP1007)。
【0107】
一般にこの補正は、予め計測しておいた一次元のLUT(ルックアップテーブル)を用いて、濃度変換と同様のアクセス方法により実現できる。階調補正処理によって、プリンタエンジン固有の階調特性(一般にはγ特性と呼称される)を補正し、C,M,Y,Kデータの入力値と、再現濃度が略線形の関係になるように調整する。
【0108】
次に画像処理部106は、階調補正後のC,M,Y,Kデータに対してスクリーン処理を行う(STEP1008)。
【0109】
スクリーン処理では、これまで多値処理されてきた画像データを2値化すると共に、ビットマップ上の2値化画素の配置を制御し、プリンタエンジンで記録可能なCMYKラスタイメージデータが生成される。
【0110】
以上のようにして生成されたC、M、Y、Kのラスタイメージデータは、既に多値カラーイメージデータ(RGB(輝度)データ)が格納されているアドレスとは異なる領域に格納される(STEP1009)。
【0111】
STEP1004からSTEP1009の一連の動作が完了すると、画像処理部106はCPU103に対して処理完了通知を行う。CPU103はこの完了通知を受け取ると、全ての多値カラーイメージデータ(RGB(輝度)データ)に対して、画像処理が完了したか否かをチェックし(STEP1010)、処理が完了していない場合は、STEP1004に処理を移す。
【0112】
次に、ヘッド制御部120の構成を、図10を用いて詳細に説明する。なお、図8で示したように、実際にはヘッド制御部は印字色毎に4つ存在するが、以降簡単のため1つのヘッド制御部を対象として説明する。
【0113】
図10において130はヘッド駆動タイミング生成部である。ヘッド駆動タイミング生成部130は、露光ヘッドに搭載された2つの素子列である第1の素子列86aに対応した第1のドライバ122aおよび第2の素子列86bに対応した第2のドライバ122bに対して、バッファメモリ121から送られた画像データの1ライン分の保持に関する制御および第1および第2の素子列86a,86bの駆動タイミングを生成する。ヘッド駆動タイミング生成部130はバッファメモリ121に対して画像データ転送用のクロック信号(CLK)およびアドレス生成部130aで生成されたアドレス(ADDRESS)を供給する。また、ヘッド駆動タイミング生成部130は、ドライバ122a,122bに対してクロック信号(CLK)およびその他のドライバ制御信号を出力する。
【0114】
次に、図11を用いて露光ヘッド13,17の駆動について詳細に説明する。
【0115】
図11において、150はライン方向に直線状に配置された39個のドライバチップである。151はドライバチップ150単位に設けられた256ビットのシフトレジスタ、152はシフトレジスタ151に対応して配置された256ビットのラッチ、153はラッチ152の出力信号及びストローブ信号(STB)1〜13を受けて動作するゲート、154はゲート153の出力信号に基づいてON/OFFの状態をとるドライバトランジスタ、123はドライバトランジスタ154によって駆動される電流に基づいて発光する有機EL素子である。
【0116】
バッファメモリ121から出力された画像データ(DATA)は、クロック信号(CLK)に同期してシフトレジスタ151内部をビット単位に転送され、256ビット分の転送が完了すると隣接するシフトレジスタ151に出力される。すべてのシフトレジスタ151に画像データ(DATA)が送られると、ロード信号(LOAD)がラッチ152に入力され、シフトレジスタ151内の画像データ(DATA)は一括してラッチに保持される。
【0117】
画像データがラッチされると、ストローブ信号(STB)1〜13が順に出力され、既にラッチに保持されている画像データ(DATA)とストローブ信号(STB)1〜13は、ゲート153においてAND演算され、ストローブ信号(STB)1〜13が予め定められたロジック(例えばHigh状態)となると、ラッチされた画像データに従ってドライバトランジスタがON状態になって有機EL素子123に駆動電流が供給されて有機EL素子が点灯する。
【0118】
次にヘッド駆動電圧設定部133について説明する。ヘッド駆動電圧設定部133において、156はDAコンバータ、157はヘッド電源であり、CPU111からDAコンバータ156に値を設定することでドライバトランジスタ154全体に供給される電源電圧が決定される。158はドライバ電流設定部であり、各ドライバチップ150毎に独立して設けられている。ドライバ電流設定部158にはライン同期信号(LSYNC)とクロック信号(CLK)が入力されており、画像データの転送と同期して各ドライバチップ150単位に供給される電流値を設定できる構成となっている。
【0119】
以上の説明においては、本発明を4色のカラー電子写真装置に適用した場合について説明したが、現像色はイエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの4色に限定されるものではなく、4色以外であってもよい。
【0120】
また、感光体の数は複数であればよく、本実施の形態に示すような2つの感光体に限定されるものではない。
【0121】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、第1のモードではブラックのトナー像および露光光線の補色のトナー像を複数の感光体のそれぞれ最後に形成するようにしているので、複数色のトナー像が重畳して形成される各感光体においてトナー像の形成された上に露光光線で露光しても当該露光光線が既に形成されたトナー像には吸収されず、高解像度の画像を形成することが可能になるという有効な効果が得られる。
【0122】
また、第1のモードでは中間転写ベルトの走行方向上流側の感光体でブラックのトナー像を最後に形成し、第2のモードでは当該感光体でブラックのトナー像を最初に形成するようにしているので、記録媒体に転写されたカラートナー像の最上層にブラックのトナー像が配置されることなになり、コントラストの高い優れた画像を得ることができるという有効な効果が得られる。
【0123】
これらのことから、第1のモードでは画質低下が最小限に抑制されつつ短時間で画像形成ができ、また第2のモードでは高解像度で画像を形成することが可能になるという有効な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1である電子写真装置の全体構成を示す概略図
【図2】図1の電子写真装置に設けられた作像ステーションの構成を示す概略図
【図3】図2の作像ステーションに設けられた露光ヘッドの構成を示す概略図
【図4】図2の作像ステーションにおける多重現像の工程を示す説明図
【図5】図1の電子写真装置における高速モードでのトナーの重畳状態を示す模式図
【図6】図1の電子写真装置における高画質モードでのトナーの重畳状態を示す模式図
【図7】図1の電子写真装置におけるコントローラの構成を示すブロック図
【図8】図1の電子写真装置におけるエンジン制御部の構成を示すブロック図
【図9】制御手段による画像処理シーケンスを示すフローチャート
【図10】図8のヘッド制御部の構成を示すブロック図
【図11】露光ヘッドおよびヘッド制御部の詳細な構成を示す回路図
【図12】従来の電子写真装置の構成を示す概略図
【符号の説明】
42 記録紙(記録媒体)
47a 感光体(第1の感光体)
47b 感光体(第2の感光体)
67 中間転写ベルト(中間転写手段)
68a,68b 転写ローラ(転写手段)
80 コントローラ(制御手段)

Claims (8)

  1. 複数のトナー像形成手段が周囲にそれぞれ配置された複数の感光体と、
    前記感光体の回転方向に対して順方向に周回走行し、それぞれの前記感光体に形成された前記トナー像が重畳転写される中間転写手段と、
    前記中間転写手段上に転写されたトナー像を前記記録媒体上に転写する転写手段と、
    前記感光体に複数色のトナー像を重畳形成してこれを前記中間転写手段に一括して転写する第1のモード、および前記感光体に単色のトナー像形成してこれを前記中間転写手段に転写する動作を複数回繰り返す第2のモードを有し、指定された何れかのモードで画像形成を行う制御手段とを備えたことを特徴とする電子写真装置。
  2. 前記第1のモードでは、何れかの感光体でブラックのトナー像が、他の感光体で露光光線の補色のトナー像がそれぞれ最後に形成されることを特徴とする請求項1記載の電子写真装置。
  3. 前記中間転写手段の走行方向に対して最上流側に位置する前記感光体でブラックのトナー像が、当該感光体よりも下流側に位置する前記感光体で露光光線の補色のトナー像がそれぞれ最後に形成されることを特徴とする請求項2記載の電子写真装置。
  4. 前記第2のモードでは、前記中間転写手段の走行方向に対して最上流側に位置する前記感光体でブラックのトナー像が最初に形成されることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の電子写真装置。
  5. 前記制御手段は、前記第1のモードと前記第2のモードとで色処理パラメータを相違させて画像形成を実行させることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の電子写真装置。
  6. 前記露光光線は緑色であり、前記第1のモードではブラックのトナー像およびマゼンタのトナー像が最後に形成されることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の電子写真装置。
  7. 前記露光光線は赤色であり、前記第1のモードではブラックのトナー像およびシアンのトナー像が最後に形成されることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の電子写真装置。
  8. 前記露光光線は青色であり、前記第1のモードではブラックのトナー像およびイエローのトナー像が最後に形成されることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の電子写真装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014206554A (ja) * 2013-04-10 2014-10-30 株式会社リコー 電子機器および画像形成装置
JP2017081102A (ja) * 2015-10-30 2017-05-18 コニカミノルタ株式会社 光書込み装置および画像形成装置
US9811766B2 (en) 2013-04-10 2017-11-07 Ricoh Company, Ltd. Electronic device having a drawable section with multiple electrical loads

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