JP4284966B2 - 電子写真装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の発光素子を直線状に配列した露光ヘッドを搭載した電子写真装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、レーザ光源から照射されたレーザ光線を、回転多面鏡(ポリゴンミラー)を用いて走査し、感光体に潜像を形成する構成や、複数の発光素子を直線状に配置した露光ヘッドを用いて感光体に潜像を形成する構成を有する電子写真装置が知られている。
【0003】
このうち露光ヘッドを搭載した電子写真装置は、光学系をシンプルに構成できるため小型化に有利であり、また回転多面鏡の回転速度の制約を受けないため、発光素子の光量さえ十分取れれば高速化の点でも有利である。
【0004】
さて従来の露光ヘッドとして、多数の微小なLED素子を直線状に配列したLEDヘッドが実用化されている。LED素子は一般に高輝度を得ることができるが、基本的に半導体プロセスを用いて製造するため、長尺化を図ろうとすると歩留まりが急激に劣化する。このため発光素子の集積度は、例えば1200dpi(dot/inch)の場合で1チップあたり高々512画素程度である。このように1チップが短いため長尺の露光ヘッドを実現する際は、多数のチップを一列に精度よく配置する必要がある。またLEDヘッドは、半導体プロセスによって各LED素子毎のPN接合を形成するため、輝度ばらつきが大きいことが知られている(1チップ内で最大±25%程度)この輝度ばらつきの影響は、濃度ムラとして画像に顕著に表れるため、一般には各LED素子または複数のLED素子を所定のシーケンスで発光させて予め取得した、光量補正データに基づき、LEDを駆動する電流値を制御したり、発光時間を制御する方法が知られている。
【0005】
一方、他の露光ヘッドの例として、複数の発光素子を直線状に配列した有機EL(エレクトロルミネッセンス)素子を利用した露光ヘッドが知られている。
【0006】
有機EL素子は発熱量が小さいために、冷却用の放熱フィン等を廃止することができ、露光ヘッドそのものを、たとえば厚み3mm以下程度に小型化することができる。
【0007】
ここで、特開平5−286206号公報には、作像ユニット内部の構成要素の着脱に伴って露光ヘッド表面(光束照射面)を清掃する技術が開示されている。
【0008】
この技術では、露光ヘッド表面に多量のトナーが付着したり、粘着性を持つ異物が付着した場合は、ブラシやウェブのような清掃部材では当該異物を簡単に除去することができない。このような場合、ユーザは露光ユニットを露出させ、露光ヘッドの表面を例えばアルコール等で湿した布で清掃することがどうしても必要になる。そしてこのように、露光ヘッドのメンテナンスを簡便に行うために、従来より様々な提案がなされている。
【0009】
【特許文献1】
特開平5−286206号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、有機EL素子を用いた露光ヘッドの小型化が進むと、露光ヘッドを清掃する場合等にアクセス位置がわからなくなる、という問題が生じる可能性が高い。
【0011】
さらに、露光ヘッドが、感光体よりも装置の内部に配置され、かつ、感光体を除去することにより露光ヘッドに、電子写真装置の側方からアクセス可能に構成されると、アクセス位置はますます分かり難くなる。
【0012】
そこで、本発明は、露光ヘッドの位置を容易に認識することのできる電子写真装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために、本発明の電子写真装置は、複数の有機EL素子が直線状に配列された露光ヘッドを有し、露光ヘッドによって感光体上に形成された潜像に基づき最終記録媒体に画像を形成する電子写真装置であって、露光ヘッドは、感光体よりも装置の内部に配置され、かつ、感光体を除去することにより露光ヘッドに、電子写真装置の側方からアクセス可能に構成され、露光ヘッドの位置を示す、発光波長が感光体の感度外に設定された蛍光塗料を用いた位置明示手段が設けられている構成としたものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、複数の有機EL素子が直線状に配列された露光ヘッドを有し、露光ヘッドによって感光体上に形成された潜像に基づき最終記録媒体に画像を形成する電子写真装置であって、露光ヘッドは、感光体よりも装置の内部に配置され、かつ、感光体を除去することにより露光ヘッドに、電子写真装置の側方からアクセス可能に構成され、露光ヘッドの位置を示す、発光波長が感光体の感度外に設定された蛍光塗料を用いた位置明示手段が設けられている電子写真装置であり、位置明示手段には蛍光塗料が用いられることで、装置内部が薄暗くても、露光ヘッドに容易にアクセスすることができ、蛍光塗料の発光波長は感光体の感度外に設定されていることで、蛍光塗料からの光により感光体が露光されてしまうことが未然に防止されるという作用を有する。
【0028】
以下、本発明の実施の形態について、図1から図5を用いて説明する。なお、これらの図面において同一の部材には同一の符号を付しており、また、重複した説明は省略されている。
【0029】
図1は本発明の一実施の形態である電子写真装置の構成を示す概略図、図2は図1の電子写真装置における現像ステーションを示す説明図、図3は図1の電子写真装置におけるコントローラの構成を示すブロック図、図4は図1の電子写真装置におけるエンジン制御部の構成を示すブロック図、図5は本発明の他の実施の形態である電子写真装置の要部を示す斜視図である。
【0030】
図1において、電子写真装置40は、装置内にイエロー現像ステーション41Y、マゼンタ現像ステーション41M、シアン現像ステーション41C、ブラック現像ステーション41Kの4色分の現像ステーションを縦方向に階段状に配列し、その上方には記録紙42が収容される給紙トレイ43を配設すると共に、各現像ステーション41Y〜41Kに対応した箇所には給紙トレイ43から供給された記録紙42の搬送路となる記録紙搬送路44を上方から下方の縦方向に配置したものである。
【0031】
現像ステーション41Y〜41Kは、記録紙搬送路44の上流側から順に、イエロ、マゼンタ、シアン、ブラックのトナー像を形成するものであり、感光体47Y〜47K、現像スリーブ(図示せず)、帯電器(図示せず)等、一連の電子写真方式における現像プロセスを実現する部材の集合体である。
【0032】
さて、ここで現像ステーション41について図2を用いて詳細に説明する。図2は現像ステーションの周辺の構造を示す図である。現像ステーション41Y〜41Kは充填された現像剤の色が異なっているが、構成は現像色に関わらず同一であるので、簡単のため特に色は明示せずに説明する。
【0033】
図2において、現像ステーション41の内部にはキャリアとトナーの混合物である現像剤45が充填されている。46a、46bは現像剤45を攪拌する攪拌パドルであり、攪拌パドル46aと46bの回転によって現像剤45中のトナーは摩擦によって所定の電位に帯電されると共に、現像ステーション41内部を巡回することでトナーとキャリアが十分に攪拌混合される。47は感光体であり図示しない駆動源によって方向D3に回転する。48は帯電器であり感光体47の表面を所定の電位に帯電する。49は現像スリーブ、50は薄層化ブレードである。現像スリーブ49は内部に複数の磁極が形成されたマグロール51を有している。薄層化ブレード50によって、現像スリーブ49の表面に供給される現像剤45の層厚が規制されると共に、現像スリーブ49は図示しない駆動源によって方向D4に回転し、この回転およびマグロール51の磁極の作用によって現像剤45は現像スリーブ49の表面に供給され、感光体47に転写されなかった現像剤は現像ステーション41の内部に回収される。
【0034】
52は露光ヘッドである。本実施の形態における露光ヘッドは有機EL素子を1200dpi(dot/inch)の解像度で直線状に配置したもので、感光体上に最大A4サイズの静電潜像を形成する。この静電潜像部分に現像スリーブ49の表面に供給された現像剤45のうちトナーのみが付着し、静電潜像が顕画化される。
【0035】
53は露光ヘッド52を支持する支持部材である。54はホトトランジスタ等で構成された受光センサであり、露光ヘッド52から照射され、感光体47の表面で反射された光が直接入射する角度に配設されている。受光センサ54の光が入射する面には、図示しない散乱板が配設されており、例えば感光体47の偏芯等によって、光の入射位置が多少変化しても、受光光量が大きく変化しないようになっている。また受光センサ54は受光光量に対して出力電流がリニアに変化する特性を有するもので、受光センサ54の出力を参照することで、露光ヘッド52の所定位置の発光素子の発光光量を検出することができる。
【0036】
感光体47に対し記録紙搬送路44と対向する位置には転写ローラ55が設けられており、図示しない駆動源により方向D5に回転する。転写ローラ55には所定の転写バイアスが印加されており、感光体47上に形成されたトナー像を、記録紙搬送路44を搬送されてきた記録紙に転写する。
【0037】
以降、図1に戻って説明を続ける。
【0038】
56はトナーボトルであり、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナーが格納されている。トナーボトル56から各現像ステーション41Y〜41Kには、図示しないトナー搬送用のパイプが配設され、現像ステーション41Y〜41Kにトナーを供給する。
【0039】
57は給紙ローラであり、図示しない電磁クラッチを制御することで方向D1に回転し、給紙トレイ43に装填された記録紙42を記録紙搬送路44に送り出す。
【0040】
給紙ローラ57と最上流のイエロー現像ステーション41Yの転写部位との間に位置する記録紙搬送路44には、入口側のニップ搬送手段としてレジストローラ58、ピンチローラ59が設けられている。レジストローラ58、ピンチローラ59は、給紙ローラ57により搬送された記録紙42を一時的に停止させ、所定のタイミングでイエロー現像ステーション41Yの方向に搬送する。この一時停止によって記録紙42の先端がレジストローラ58、ピンチローラ59の軸方向と平行に規制され、記録紙42の斜行を防止する。
【0041】
60は記録紙通過センサである。記録紙通過センサ60は反射型センサ(フォトリフレクタ)によって構成され、反射光の有無で記録紙の先端および後端を検出する。
【0042】
さて、レジストローラ58の回転を開始すると(図示しない電磁クラッチによって動力伝達を制御し、回転ON/OFFを行う)記録紙42は記録紙搬送路44に沿ってイエロー現像ステーション41Yの方向に搬送されるが、レジストローラ58の回転開始タイミングを起点として、各現像ステーション41Y〜41Kに搭載した露光ヘッド(図2の符号52を参照)による静電潜像の書き込みタイミングが独立して制御される。
【0043】
最下流のブラック現像ステーション41Kの更に下流側に位置する記録紙搬送路44には出口側のニップ搬送手段として定着器62が設けられている。定着器62は加熱ローラ63と加圧ローラ64から構成されている。加熱ローラ63は表面から近い順に、発熱ベルト、ゴムローラ、芯材(共に図示せず)から構成されている多層構造のローラである。このうち発熱ベルトは更に3層構造を有するベルトであり、表面に近い方から離型層、シリコンゴム層、基材層(共に図示せず)から構成される。離型層は厚み約20〜30μmのフッ素樹脂からなり、加熱ローラ63に離型性を付与する。シリコンゴム層は約170μmのシリコンゴムで構成され、加圧ローラに適度な弾性を与える。基材層は鉄・ニッケル・クロム等の合金である磁性材料によって構成されている。
【0044】
65は励磁コイルが内包された背面コアである。背面コア65の内部には表面が絶縁された銅製の線材(図示せず)を所定本数束ねた励磁コイルを、加熱ローラ63の回転軸方向に延伸し、かつ加熱ローラ63の両端部において、加熱ローラ63の周方向に沿って周回して形成されている。励磁コイルに半共振型インバータである励磁回路(図示せず)から約30kHzの交流電流を印加すると、背面コア65と加熱ローラ63の基材層によって構成される磁路に磁束が生じる。この磁束によって加熱ローラ63の発熱ベルトの基材層に渦電流が形成され、基材層が発熱する。基材層で生じた熱はシリコンゴム層を経て離型層まで伝達され、加熱ローラ63の表面が発熱する。
【0045】
66は加熱ローラ63の温度検出手段として設けられているサーミスタ(Thermally Sensitive Resistor)である。サーミスタは金属酸化物を主原料とし、高温で焼結して得られるセラミック半導体であり、温度に応じて負荷抵抗が変化することを応用して、接触した対象物の温度を計測することができる。サーミスタ66の出力は図示しない制御装置に入力され、制御装置はサーミスタ66の出力に基づいて背面コア65内部の励磁コイルに出力する電力を制御し、加熱ローラ63の表面温度が約170℃となるよう制御する。
【0046】
この温度制御がなされた加熱ローラ63と加圧ローラ64によって形成されるニップ部に、トナー像が形成された記録紙42を通紙すると、記録紙42上のトナー像は、加熱ローラ63と加圧ローラ64によって加熱/加圧され、定着画像を得ることができる。
【0047】
67は記録紙後端検出センサであり、記録紙42の排出状況を監視するものである。71はトナー像検出センサである。トナー像検出センサ71は発光スペクトルの異なる複数の発光素子(共に可視光)と単一の受光素子を用いた反射型センサユニットであり、記録紙42の地肌と画像形成部分とで、画像色に応じて吸収スペクトルが異なることを利用して画像濃度を検出するものである。またトナー像検出センサ71は画像濃度のみならず、画像形成位置も検出できるため、本実施の形態における電子写真装置では、トナー像検出センサ71を装置の幅方向に2ヶ所設け、記録紙42上に形成した画像位置ずれ量検出パターンの検出位置に基づき、画像形成タイミングを制御している。
【0048】
72は記録紙搬送ドラムである。記録紙搬送ドラム72は表面を200μm程度の厚さのゴムで被覆した金属製ローラであり、定着後の記録紙42は記録紙搬送ドラム72に沿って方向D2に搬送される。このとき記録紙42は記録紙搬送ドラム72によって冷却されると共に、画像形成面と逆方向に曲げられて搬送される。これによって高濃度な画像を記録紙全面に形成した場合などで発生するカールを大幅に軽減することができる。その後、記録紙42は蹴り出しローラ74によって方向D6に搬送され、排紙トレイ78に排出される。
【0049】
73はフェイスダウン排紙部である。フェイスダウン排紙部73は支持部材75を中心に回動可能に構成され、フェイスダウン排紙部73を開状態にすると、記録紙42は方向D7に排紙される。このフェイスダウン排紙部73は閉状態では記録紙搬送ドラム72と共に記録紙42の搬送をガイドするように、背面に搬送経路に沿ったリブ76が形成されている。
【0050】
77は駆動源であり本実施の形態ではステッピングモータを採用している。駆動源77によって、給紙ローラ57、レジストローラ58、ピンチローラ59、感光体47Y〜47Kと転写ローラ55Y〜55Kを含む各現像ステーション41Y〜41Kの周辺部、定着器62、記録紙搬送ドラム72、蹴り出しローラ74の駆動を行っている。
【0051】
80はコントローラであり、外部のネットワークを介して図示しないコンピュータ等からの画像データを受信し、プリント可能な画像データを生成する。
【0052】
81はエンジン制御部である。エンジン制御部81は電子写真装置40のハードウェアやメカニズムを制御し、コントローラ80から転送された画像データに基いて記録紙42にカラー画像を形成すると共に、電子写真装置の制御全般を行っている。
【0053】
82は電源部である。電源部82は、駆動源77、コントローラ80、エンジン制御部81へ所定電圧の電力供給を行うと共に、定着器62の加熱ローラ63への電力供給を行っている。また感光体47表面の帯電、現像スリーブ(図2、符号49)に印加する現像バイアス、転写ローラ55に印加する転写バイアス等のいわゆる高圧電源は、この電源部に含まれている。
【0054】
また電源部82には電源監視部83が含まれ、少なくともエンジン制御部81に供給される電源電圧をモニタできるようになっている。このモニタ信号はエンジン制御部81おいて検出され、電源スイッチのオフや、停電等の際の電源電圧の低下を検出している。
【0055】
次に、本実施の形態の電子写真装置におけるコントローラの構成と動作について、図3を用いて説明する。
【0056】
図3において、100はコンピュータである。コンピュータ100はネットワーク101経由でコントローラ80に画像データやプリントジョブ情報を転送する。102はネットワークインタフェースである。コントローラ80はネットワークインタフェース102を介して、コンピュータ100から転送されてきた画像データやプリントジョブ情報を受信したり、逆に電子写真装置のエラー状況などのいわゆるステータス情報をコンピュータ100に送信する。
【0057】
103はCPUであり、ROM104に格納されたプログラムに基きコントローラ80の動作を制御している。
【0058】
105はRAMであり、CPU103のワークエリアとして使用されると共に、ネットワークインタフェース102で受信された画像データやプリントジョブ情報、およびページ単位に展開されたプリント可能な画像データ等が、一時的に記憶される。
【0059】
106は画像処理部である。画像処理部106ではコンピュータ100から転送された画像データとプリントジョブ情報(共に一時的にRAM105に格納されている)に基き、ページ単位に画像処理(プリンタ言語からラスタデータへの変換処理、色補正、エッジ補正、スクリーン生成等)を行って印字に供する画像データを生成し、これを再度RAM105に格納する。
【0060】
107はプリンタインタフェースであり、RAM105に格納されたページ単位の画像データは、プリンタインタフェース107を介してエンジン制御部81に転送される。
【0061】
次に、エンジン制御部の構成と動作について、図4に図1を併用して説明する。
【0062】
図4において110はコントローラインタフェースである。コントローラインタフェース110は、コントローラ80から転送されるページ単位の画像データ、およびプリントモード情報を受信する。
【0063】
111はCPU(制御手段)であり、ROM112に格納されたプログラムに基きプリンタエンジンの動作を制御している。113はRAMであり、CPU111が動作する際のワークエリアとして使用される。114はEEPROM等の所謂書き換え可能な不揮発性メモリである。不揮発性メモリ114には、例えば電子写真装置の感光体47の回転時間、定着器62の動作時間等の寿命情報や、後に詳細に説明する発光素子の点灯累積値を格納する。130は感光体検出センサ(感光体検出手段)であり、各現像ステーション41Y〜41Kに感光体47Y〜47Kが装着されているかどうかを検出する。131は制御パネルである。この制御パネル131を操作することにより、ユーザの指示に基づいて露光ヘッド52を発光させることができるようになっている。115はシリアルインタフェースである。記録紙通紙センサ60や記録紙後端検出センサ67、および受光センサ54(図2、符号54参照)などのセンサ群からの情報、電源監視部83(電源電圧の低下を検出し、CPU111の動作が停止する前に、露光ヘッド52の各発光素子の点灯回数の累積値を不揮発性メモリ114に格納する。)の出力、感光体検出センサ130からの情報、制御パネル131に入力されたユーザからの指令は、図示しないシリアル変換手段によって、所定の周期のシリアル信号に変換され、シリアルインタフェース115で受信される。シリアルインタフェース115で受信されたシリアル信号は、パラレル信号に変換された後にCPU111に読取られる。一方、給紙ローラ57、感光体47Y〜47K、定着器の加熱ローラ63、記録紙搬送ドラム72等を駆動する駆動源77の起動/停止や、給紙ローラ57およびレジストローラ58に対する駆動力伝達を制御する電磁クラッチ(図示せず)等のアクチュエータへの制御信号や、現像バイアス/転写バイアス/帯電電位などの高圧電源の電位設定のための制御信号などは、パラレル信号としてシリアルインタフェース115に送られる。シリアルインタフェース115では、このパラレル信号をシリアル信号に変換して、アクチュエータ群に出力する。本実施の形態では、高速に検出する必要のないセンサ入力やアクチュエータ制御信号の出力は、全てシリアルインタフェース115を介して行っている。
【0064】
一方、高速なサンプリングが要求される、トナー像検出センサ71(画像位置ずれ量検出パターンは10μm程度の検出分解能が必要である)からの入力はCPU111の入力端子に直接接続されている。
【0065】
120Y,120M,120C,120Kは各印字色に対応した露光ヘッド(図2、符号52参照)の駆動を制御するヘッド制御部である。ヘッド制御部120Y〜120Kには露光ヘッド52の露光タイミング制御と、露光ヘッド52Y〜52Kに搭載された有機EL素子の駆動電圧制御を行う機能が含まれている。121Y,121M,121C,121Kは数ライン分の容量を有するバッファメモリである。コントローラインタフェース110を介して転送された画像データは、各印字色毎に独立して設けられたバッファメモリ121Y〜121Kに一時的に格納される。バッファメモリ121Y〜121Kに格納された画像データは、図示しないDMA回路によって各印字色に対応した露光ヘッド52Y〜52Kに転送される。なおバッファメモリ121Y〜121KはデュアルポートRAMで構成されており、図示しないパスを介してCPU111による読取りと書き込みが可能となっている。
【0066】
122Y,122M,122C,122Kはドライバであり、ヘッド制御部120Y〜120Kから出力される制御信号と、バッファメモリ121Y〜121Kから転送された画像データに基づいて、発光素子123Y〜123Kを駆動する。
【0067】
ここで、CPU111による露光ヘッド52の発光制御について説明する。
【0068】
露光ヘッド52は印字期間中に発光するのは勿論であるが、印字期間以外であっても、感光体検出センサ130により感光体47の装着が検出されない場合(つまり、感光体が装着されていないので露光ヘッドの露光面が露出している場合)には、制御パネル131にユーザからの発光指令が入力されたならば、CPU111は露光ヘッド52を発光させるようになっている。
【0069】
すなわち、CPU111は、ユーザが制御パネル131を操作することで出力される信号をシリアルインタフェース115を介して受け取り、ユーザのパネル操作によって露光ヘッド強制点灯モードであることを検出する。一方、CPU111は、感光体検出センサ130の出力をシリアルインタフェース115を介して受け取り、装置に感光体47が装着されているかを検出する。
【0070】
そして、ユーザが強制点灯モードを指示し、かつ感光体47が装着されていない場合、CPU111は、該当する感光体47に対応する色のバッファメモリ121に予め準備された所定のパターンの画像データを転送する。
【0071】
その後、CPU111は、各色に対応したヘッド制御部120を介してドライバ122を駆動し、露光ヘッド52の発光素子123を発光させる。
【0072】
このようにすれば、感光体47が取り外されてヘッドの露光面が露出した状態において露光ヘッド52が発光するようになるので、露光ヘッド52の位置を容易に認識することが可能になる。
【0073】
これにより、露光ヘッド52が有機EL素子が用いられた薄型であっても、さらに現像ステーション41を縦積み配置したために装置内部が薄暗くても、露光ヘッド52に容易にアクセスでき、露光ヘッド52の清掃等をスムーズに行うことができる。
【0074】
ここで、CPU111は、露光ヘッド52を発光させた後に感光体検出センサ130により感光体47の装着が検出された場合には、露光ヘッド52の発光を停止させるようになっているのがよい。これにより、感光体47が装着されたことによって自らの位置を示しておく必要のない露光ヘッド52の無駄な発光が防止される。
【0075】
また、露光ヘッド52および感光体47が現像色に対応して複数設けられている本実施の形態のカラー電子写真装置の場合、CPU111による露光ヘッド52の発光は、感光体47が取り除かれた現像ステーション41が一つでもあれば全ての現像ステーション41について行うようになっていてもよいが、感光体47が装着されていない箇所の露光ヘッド52のみについてその露光ヘッド52を発光させるのがよい。感光体47が装着されている箇所の露光ヘッド52は、感光体47が装着されているという事実からしてユーザは露光ヘッド52のメンテナンスを行う意思がないことから、その様な露光ヘッド52を発光させることにより徒に寿命を短くする必要はないからである。
【0076】
CPU111による露光ヘッド52の発光は、点灯でもよいが、所定の周期で点灯と消灯とを繰り返す動作、つまり点滅の方が、ユーザに位置がわかりやすいので望ましい。
【0077】
また、CPU111による露光ヘッド52の発光は、露光ヘッド52を構成する複数の発光素子123の全てを発光させるようになっているのが望ましい。全ての発光素子123が発光すると、汚れていない発光素子123は明るく光るのに対して、汚れている発光素子123は薄暗く光ることから、汚れた部分が容易に分かるからである。
【0078】
ここで、有機ELを用いた発光素子123はLED素子と比較して光量劣化が大きく、例えば1200dpi程度の解像度を有するLED素子が通常数1000時間以上の寿命(初期状態から光量が70%に低下するまでの点灯時間)を有するのに対し、同等の解像度および発光光量を有する有機EL素子の寿命は200〜300時間程度とされている。したがって、CPU111は、露光ヘッド52の寿命までの残時間が短くなると、たとえば点滅モードにおいて動作時間のうちの20%が発光するようになっていたとすると、15%が発光するように発光時間を短くするのがよい。このようにすれば、露光ヘッド52の寿命が長くなるからである。
【0079】
そして、CPU111は、所定時間(たとえば5分)が経過したならば、露光ヘッド52の発光を停止させるのが望ましい。これは、露光ヘッド52が長時間発光し続けることを防止し、露光ヘッド52の寿命を無用に縮めないためである。
【0080】
さて、以上の説明では露光ヘッド52が自ら発光することによって露光ヘッド52の位置が認識されるようになっていたが、露光ヘッド52を示す明示手段により露光ヘッド52の位置が認識されるようになっていてもよい。
【0081】
図5において、感光体47を備えた感光体ユニット132、露光ヘッド52を備えた露光ユニット133および現像スリーブ49を備えた現像ユニット134が取り付けられるユニット取付部材135が、装置内の両側における相互に対向する位置に設けられている。
【0082】
このユニット取付部材135は、露光ユニット133を支持する第1のガイド部135a、現像ユニット134を支持する第2のガイド部135b、および感光体ユニット132を着脱可能に固定する固定部135cが形成されたものからなる。そして、ユニット取付部材135の固定部135cには、第1のガイド部135aに支持された露光ユニット133並びに第2のガイド部135bに支持された現像ユニット134に当接してこれらを所定位置に位置決めした状態で感光体ユニット132が固定される。
【0083】
このような構造において、露光ヘッド52の近傍には、露光ヘッド52を指標する指標手段(位置明示手段)136が設けられている。この指標手段136は、図示する場合には矢印となっており、たとえばシールで貼り付けられ、あるいは露光ヘッド近傍の部材に直接印刷され、あるいは打ち抜きや彫り込みで形成されている。
【0084】
このように指標手段136を用いて露光ヘッド52を指し示すようにしても、露光ヘッド52の位置を容易に認識することが可能になる。
【0085】
ここで、指標手段136には蛍光塗料が用いられているのがよい。蛍光塗料を用いれば、装置内部が薄暗くても指標手段136が目立つので、露光ヘッド52に容易にアクセスできるからである。なお、蛍光塗料の発光波長は感光体47の感度外に設定されているのが望ましい。これは、蛍光塗料からの光により感光体47が露光されてしまうことを防止するためである。
【0086】
なお、指標手段136は位置明示手段の一つであるが、位置明示手段の他の一つとして、露光ヘッド52を照明する照明手段を用いてもよい。また、この指標手段136はユニット取付部材135の内部に設けられたLED等の光源によって、指標手段136自体が発光するようにしてもよい。指標手段136自体が何らかの制御可能な発光手段によって光る構成の場合、前述の発光素子の制御と同様に点滅制御を行うことで、ユーザの視認性を高めることが可能となる。
【0087】
以上の説明においては、本発明をカラー電子写真装置に適用した場合について説明したが、たとえばブラックなど単色の電子写真装置に適用することもできる。また、カラー電子写真装置に適用した場合、現像色はイエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの4色に限定されるものではない。
【0088】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、位置明示手段により露光ヘッドが示されるので、露光ヘッドの位置を容易に認識することが可能になるという有効な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態である電子写真装置の構成を示す概略図
【図2】図1の電子写真装置における現像ステーションを示す説明図
【図3】図1の電子写真装置におけるコントローラの構成を示すブロック図
【図4】図1の電子写真装置におけるエンジン制御部の構成を示すブロック図
【図5】本発明の他の実施の形態である電子写真装置の要部を示す斜視図
【符号の説明】
42 記録紙
47Y,47M,47C,47K 感光体
52 露光ヘッド
111 CPU(制御手段)
123Y,123M,123C,123K 発光素子(有機EL素子)
130 感光体検出センサ(感光体検出手段)
131 制御パネル
136 指標手段(位置明示手段)
Claims (1)
- 複数の有機EL素子が直線状に配列された露光ヘッドを有し、前記露光ヘッドによって感光体上に形成された潜像に基づき最終記録媒体に画像を形成する電子写真装置であって、
前記露光ヘッドは、前記感光体よりも装置の内部に配置され、
かつ、前記感光体を除去することにより前記露光ヘッドに、前記電子写真装置の側方からアクセス可能に構成され、
前記露光ヘッドの位置を示す、発光波長が前記感光体の感度外に設定された蛍光塗料を用いた位置明示手段が設けられていることを特徴とする電子写真装置。
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