JP2004188645A - 電子写真装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】露光ヘッドに有機EL素子の用いられた電子写真装置において、有機EL素子の劣化を加速させることなく画像形成条件を一定に保つことができるようにする。
【解決手段】複数の有機EL素子が主走査方向に配列された露光ヘッド52を備えた露光ヘッド52と、露光ヘッド52の露光光により静電潜像が形成される感光体47と、静電潜像にトナーを供給して感光体47上にトナー像を形成する現像スリーブ49と、有機EL素子の発光光量を検出する受光センサ54と、受光センサ54の検出結果に基づき、有機EL素子の発光光量の減少に伴って現像スリーブ49への印加電位および感光体47の帯電電位を大きくするCPUとを有する構成とする。
【選択図】 図2
【解決手段】複数の有機EL素子が主走査方向に配列された露光ヘッド52を備えた露光ヘッド52と、露光ヘッド52の露光光により静電潜像が形成される感光体47と、静電潜像にトナーを供給して感光体47上にトナー像を形成する現像スリーブ49と、有機EL素子の発光光量を検出する受光センサ54と、受光センサ54の検出結果に基づき、有機EL素子の発光光量の減少に伴って現像スリーブ49への印加電位および感光体47の帯電電位を大きくするCPUとを有する構成とする。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、発光素子が光源として用いられた露光ヘッドを搭載した電子写真装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、レーザ光源から照射されたレーザ光線を、回転多面鏡(ポリゴンミラー)を用いて走査し、感光体に潜像を形成する構成や、複数の発光素子を直線状に配置した露光ヘッドを用いて感光体に潜像を形成する構成を有する電子写真装置が知られている。
【0003】
このうち露光ヘッドを搭載した電子写真装置は、光学系をシンプルに構成できるため小型化に有利であり、また回転多面鏡の回転速度の制約を受けないため、発光素子の光量さえ十分取れれば高速化の点でも有利である。
【0004】
さて従来の露光ヘッドとして、多数の微小なLED素子を直線状に配列したLEDヘッドが実用化されている。LED素子は一般に高輝度を得ることができるが、基本的に半導体プロセスを用いて製造するため、長尺化を図ろうとすると歩留まりが急激に劣化する。このため発光素子の集積度は、例えば1200dpi(dot/inch)の場合で1チップあたり高々512画素程度である。このように1チップが短いため長尺の露光ヘッドを実現する際は、多数のチップを一列に精度よく配置する必要がある。またLEDヘッドは、半導体プロセスによって各LED素子毎のPN接合を形成するため、輝度ばらつきが大きいことが知られている(1チップ内で最大±25%程度)この輝度ばらつきの影響は、濃度ムラとして画像に顕著に表れるため、一般には各LED素子または複数のLED素子を所定のシーケンスで発光させて予め取得した、光量補正データに基づき、LEDを駆動する電流値を制御したり、発光時間を制御する方法が知られている。
【0005】
一方、他の露光ヘッドの例として、複数の発光素子を直線状に配列した有機EL(エレクトロルミネッセンス)素子を利用した露光ヘッドが知られている。
【0006】
有機EL素子は発熱量が小さいために、冷却用の放熱フィン等を廃止することができ、露光ヘッドそのものを、たとえば厚み3mm以下程度に小型化することができる。
【0007】
なお、有機EL素子の素子構造については、特開平10−1664号や特開2001−63136号などで開示されているものがある。
【0008】
また、特開平10−48925号公報には、LEDアレイ等から構成される光学手段の光量変化を、光学手段の温度に基づき判定し、判定結果に基づいて、感光体の帯電電位を一定に保持した上で、現像バイアス電圧を制御する電子写真装置が開示されている。これは、より具体的には、光学手段の発光光量が低下した場合は、感光体の帯電電位を一定に保持した上で、現像バイアス電位を感光体帯電電位に近づける方向に変化させる技術である。
【0009】
【特許文献1】
特開平10−1664号号公報
【特許文献2】
特開2001−63136号公報
【特許文献3】
特開平10−48925号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、電子写真の画像形成条件を一定に保つためには、感光体を一定の光量で露光することが必要だが、LED素子と比較して有機EL素子は光量劣化が大きく(両者同一での駆動条件下での光量半減期は、LED素子が10,000時間に対して有機EL素子は500時間程度)、徐々に必要光量が得られなくなる。
【0011】
駆動電流を増加すれば有機EL素子の発光光量を一定に維持することができるが、駆動電流が増加すると有機EL素子の劣化が加速度的に進行するため、駆動電流の増加には限界がある。
【0012】
ところで、現像剤にトナーとキャリアを含む2成分現像技術では、キャリアが感光体に付着(所謂キャリア飛び)しないようにするため、感光体の帯電電位と現像バイアス電位のギャップは比較的小さく設定される(絶対値で100V程度)。このように帯電電位と現像バイアス電位の設定幅が小さいなかで、現像バイアス電位を感光体の帯電電位に近づける特開平10−48925号公報に記載の技術を用いると、感光体表面の露光されていない領域にトナーが付着する、いわゆる地汚れが発生する場合がある。
【0013】
そこで、本発明は、発光素子の劣化を加速させることなく画像形成条件を一定に保つことのできる電子写真装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために、本発明の電子写真装置は、複数の発光素子が主走査方向に配列された光源を備えた露光手段と、露光手段の露光光により静電潜像が形成される感光体と、静電潜像にトナーを供給して感光体上にトナー像を形成する現像手段と、発光素子の発光光量を検出する検出手段と、検出手段の検出結果に基づき、発光素子の発光光量の減少に伴って、現像手段への印加電位の絶対値および感光体の帯電電位の絶対値を大きくする制御手段とを有する構成としたものである。
【0015】
このような構成によれば、発光素子の発光光量の減少により感光体の露光部分の電位が上昇しても、現像手段への印加電位の絶対値を大きくすることにより、感光体の露光部分と現像手段との電位ギャップが従前のレベルに保たれる。これにより、低下した光量を補償することができ、現像手段から感光体の露光部分へのトナー転写力が低下することがなくなるので、発光素子の劣化を加速させることなく画像形成条件を一定に保つことが可能になる。
【0016】
また、感光体の帯電電位の絶対値を大きくすることにより、現像手段と帯電した感光体との電位ギャップも従前のレベルに保たれる。これにより、感光体の露光部分以外に付着したトナーは確実に現像手段へ回収されるようになり、現像画像の白地部分へのトナー転写がなくなる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、複数の発光素子が主走査方向に配列された光源を備えた露光手段と、露光手段の露光光により静電潜像が形成される感光体と、静電潜像にトナーを供給して感光体上にトナー像を形成する現像手段と、発光素子の発光光量を検出する検出手段と、検出手段の検出結果に基づき、発光素子の発光光量の減少に伴って、現像手段への印加電位の絶対値および感光体の帯電電位の絶対値を大きくする制御手段とを有する電子写真装置であり、発光素子の発光光量の減少により感光体の露光部分の電位が上昇しても、現像手段への印加電位の絶対値や感光体の帯電電位の絶対値を大きくすることにより、感光体の露光部分と現像手段との電位ギャップや現像手段と帯電した感光体との電位ギャップが従前のレベルに保たれるので、低下した光量を補償することができ、発光素子の劣化を加速させることなく画像形成条件を一定に保つことが可能になるという作用を有する。
【0018】
本発明の請求項2に記載の発明は、複数の発光素子が主走査方向に配列された光源を備えた露光手段と、露光手段の露光光により静電潜像が形成される感光体と、静電潜像にトナーを供給して感光体上にトナー像を形成する現像手段と、発光素子の発光光量を予測する予測手段と、予測手段による発光素子の発光光量の減少予測に伴って、現像手段への印加電位の絶対値および感光体の帯電電位の絶対値を大きくする制御手段とを有する電子写真装置であり、発光素子の発光光量の減少により感光体の露光部分の電位が上昇しても、現像手段への印加電位の絶対値や感光体の帯電電位の絶対値を大きくすることにより、感光体の露光部分と現像手段との電位ギャップや現像手段と帯電した感光体との電位ギャップが従前のレベルに保たれるので、低下した光量を補償することができ、発光素子の劣化を加速させることなく画像形成条件を一定に保つことが可能になるという作用を有する。また、光量計測用の検出手段が不要になるので、コストダウンを図ることができるという作用を有する。
【0019】
本発明の請求項3に記載の発明は、請求項2記載の発明において、予測手段は、各発光素子の点灯時間を累積することで、または点灯回数をカウントすることで発光素子の発光光量を予測する電子写真装置であり、光量計測用の検出手段が不要になるので、コストダウンを図ることができるという作用を有する。
【0020】
本発明の請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載の発明において、制御手段は、発光素子の発光光量が一定になるように発光素子の駆動電流を増加させ、当該駆動電流があらかじめ設定された上限値になったならば発光素子の発光光量の減少または減少予測に伴って現像手段への印加電位の絶対値および感光体の帯電電位の絶対値を大きくする電子写真装置であり、発光素子の劣化を加速させることなく画像形成条件を一定に保つことが可能になるという作用を有する。
【0021】
本発明の請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の何れか一項に記載の発明において、制御手段は、現像手段への印加電位または現像手段への印加電位および感光体の帯電電位が所定電位以上になったならば、露光手段による露光時間を延長する電子写真装置であり、発光素子の劣化を加速させることなく画像形成条件を一定に保つことが可能になるという作用を有する。
【0022】
本発明の請求項6に記載の発明は、請求項1〜5の何れか一項に記載の発明において、制御手段は、所定の印字速度における露光時間が最大露光時間を超える場合には、印字速度を遅くして露光時間をさらに延長する電子写真装置であり、発光素子の劣化を加速させることなく画像形成条件を一定に保つことが可能になるという作用を有する。
【0023】
本発明の請求項7に記載の発明は、請求項1〜6の何れか一項に記載の発明において、感光体が所定の周速度以下になったならば光源が寿命に達したことを報知する報知手段を有する電子写真装置であり、ユーザに露光ヘッドの交換を促すことが可能になるという作用を有する。
【0024】
本発明の請求項8に記載の発明は、請求項1〜7の何れか一項に記載の発明において、制御手段は、感光体が所定の周速度以下になったならば印字動作を禁止する電子写真装置であり、ユーザに露光ヘッドの交換を促すことが可能になるという作用を有する。
【0025】
本発明の請求項9に記載の発明は、請求項1または4〜8の何れか一項に記載の発明において、検出手段は、光源の近傍に設置されたフォトセンサである電子写真装置であり、光源からの光を直接的に検出して、光量劣化度合いの検出精度を向上することが可能になるという作用を有する。
【0026】
本発明の請求項10に記載の発明は、請求項9記載の発明において、フォトセンサは、感光体に照射された発光素子の反射光を受光する電子写真装置であり、感光体からの反射光を利用することで、光源の画素数は、印字に必要な最小限のドット数で足りるようになるという作用を有する。また、感光体側にセンサを配置する必要がないため、装置サイズを小さくすることができるという作用を有する。
【0027】
本発明の請求項11に記載の発明は、請求項1〜10の何れか一項に記載の発明において、複数の発光素子の相互間の光量劣化を均一にする手段を有する電子写真装置であり、発光素子が均等に劣化することになるので、このような発光素子により露光されて現像されたトナー像における印字品質の均一化を図ると共に、一部の有機EL素子の光量を検出することで、全体の光量劣化度合いを推定することが可能になるという作用を有する。
【0028】
本発明の請求項12に記載の発明は、請求項1〜11の何れか一項に記載の発明において、発光素子として有機EL素子を用いた電子写真装置であり、有機EL素子を用いることで露光ヘッドを小型化することができ、結果的に電子写真装置を小型化することができる。
【0029】
以下、本発明の実施の形態について、図1から図9を用いて説明する。なお、これらの図面において同一の部材には同一の符号を付しており、また、重複した説明は省略されている。
【0030】
図1は本発明の一実施の形態である電子写真装置の構成を示す概略図、図2は図1の電子写真装置における現像ステーションを示す説明図、図3は図1の電子写真装置における露光ヘッドの内部構造を示す説明図、図4は図1の電子写真装置におけるコントローラの構成を示すブロック図、図5は図1の電子写真装置におけるエンジン制御部の構成を示すブロック図、図6は露光ヘッドおよびヘッド制御部の詳細な構成を示す回路図、図7は電子写真装置における感光体の帯電電位と現像スリーブへの印加電位と感光体の露光部分の電位との関係を示す説明図、図8は各ドライバチップに対応して設けられたドライバ電流設定部の詳細な構成を示すブロック図、図9は有機EL素子における投入時間に対する相対輝度の変化を示すグラフである。
【0031】
図1において、電子写真装置40は、装置内にイエロー現像ステーション41Y、マゼンタ現像ステーション41M、シアン現像ステーション41C、ブラック現像ステーション41Kの4色分の現像ステーションを縦方向に階段状に配列し、その上方には記録紙42が収容される給紙トレイ43を配設すると共に、各現像ステーション(41Y〜41K)に対応した箇所には給紙トレイ43から供給された記録紙42の搬送路となる記録紙搬送路44を上方から下方の縦方向に配置したものである。
【0032】
現像ステーション(41Y〜41K)は、記録紙搬送路44の上流側から順に、イエロ、マゼンタ、シアン、ブラックのトナー像を形成するものであり、感光体(47Y〜47K)、現像スリーブ(図示せず)、帯電器(図示せず)等、一連の電子写真方式における現像プロセスを実現する部材の集合体である。
【0033】
さて、ここで現像ステーション41について図2を用いて詳細に説明する。現像ステーション41Y〜41Kは充填された現像剤の色が異なっているが、構成は現像色に関わらず同一であるので、簡単のため特に色は明示せずに説明する。
【0034】
図2において、現像ステーション41の内部にはキャリアとトナーの混合物である現像剤45が充填されている。46a、46bは現像剤45を攪拌する攪拌パドルであり、攪拌パドル46aと46bの回転によって現像剤45中のトナーは摩擦によって所定の電位に帯電されると共に、現像ステーション41内部を巡回することでトナーとキャリアが十分に攪拌混合される。47は感光体であり図示しない駆動源によって方向D3に回転する。48は帯電器であり感光体47の表面を所定の電位に帯電する。49は現像スリーブ(現像手段)、50は薄層化ブレードである。現像スリーブ49は内部に複数の磁極が形成されたマグロール51を有している。薄層化ブレード50によって、現像スリーブ49の表面に供給される現像剤45の層厚が規制されると共に、現像スリーブ49は図示しない駆動源によって方向D4に回転し、この回転およびマグロール51の磁極の作用によって現像剤45は現像スリーブ49の表面に供給され、感光体47に転写されなかった現像剤は現像ステーション41の内部に回収される。
【0035】
52は露光ヘッド(露光手段)である。本実施の形態における露光ヘッドは、有機EL素子(発光素子)を相互に千鳥状に配置して2つの素子列を構成したもので、これらの素子列の何れかあるいは両方を使用することにより、感光体上に最大A4サイズの静電潜像を形成する。この静電潜像部分に現像スリーブ49の表面に供給された現像剤45のうちトナーのみが付着し、静電潜像が顕画化される。
【0036】
53は露光ヘッド52を支持する支持部材である。54はフォトセンサ等で構成された受光センサ(検出手段)であり、露光ヘッド52から照射され、感光体47の表面で反射された光が直接入射する角度に配設されている。受光センサ54の光が入射する面には、図示しない散乱板が配設されており、例えば感光体47の偏芯等によって、光の入射位置が多少変化しても、受光光量が大きく変化しないようになっている。また受光センサ54は受光光量に対して出力電流がリニアに変化する特性を有するもので、受光センサ54の出力を参照することで、露光ヘッド52の所定範囲に配置された発光素子(有機EL素子)の全体的な発光光量を検出することができる。
【0037】
感光体47に対し記録紙搬送路44と対向する位置には転写ローラ55が設けられており、図示しない駆動源により方向D5に回転する。転写ローラ55には所定の転写バイアスが印加されており、感光体47上に形成されたトナー像を、記録紙搬送路44を搬送されてきた記録紙に転写する。
【0038】
以降、図1に戻って説明を続ける。
【0039】
56はトナーボトルであり、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナーが格納されている。トナーボトル56から各現像ステーション(41Y〜41K)には、図示しないトナー搬送用のパイプが配設され、現像ステーション(41Y〜41K)にトナーを供給する。
【0040】
57は給紙ローラであり、図示しない電磁クラッチを制御することで方向D1に回転し、給紙トレイ43に装填された記録紙42を記録紙搬送路44に送り出す。
【0041】
給紙ローラ57と最上流のイエロー現像ステーション41Yの転写部位との間に位置する記録紙搬送路44には、入口側のニップ搬送手段としてレジストローラ58、ピンチローラ59対が設けられている。レジストローラ58、ピンチローラ59対は、給紙ローラ57により搬送された記録紙42を一時的に停止させ、所定のタイミングでイエロー現像ステーション41Yの方向に搬送する。この一時停止によって記録紙42の先端がレジストローラ58、ピンチローラ59対の軸方向と平行に規制され、記録紙42の斜行を防止する。
【0042】
60は記録紙通過センサである。記録紙通過センサ60は反射型センサ(フォトリフレクタ)によって構成され、反射光の有無で記録紙の先端および後端を検出する。
【0043】
さて、レジストローラ58の回転を開始すると(図示しない電磁クラッチによって動力伝達を制御し、回転ON/OFFを行う)記録紙42は記録紙搬送路44に沿ってイエロー現像ステーション41Yの方向に搬送されるが、レジストローラ58の回転開始タイミングを起点として、各現像ステーション(41Y〜41K)に搭載した露光ヘッド(図2の符号52を参照)による静電潜像の書き込みタイミングが独立して制御される。
【0044】
最下流のブラック現像ステーション41Kの更に下流側に位置する記録紙搬送路44には出口側のニップ搬送手段として定着器62が設けられている。定着器62は加熱ローラ63と加圧ローラ64から構成されている。加熱ローラ63は表面から近い順に、発熱ベルト、ゴムローラ、芯材(共に図示せず)から構成されている多層構造のローラである。このうち発熱ベルトは更に3層構造を有するベルトであり、表面に近い方から離型層、シリコンゴム層、基材層(共に図示せず)から構成される。離型層は厚み約20〜30μmのフッ素樹脂からなり、加熱ローラ63に離型性を付与する。シリコンゴム層は約170μmのシリコンゴムで構成され、加圧ローラに適度な弾性を与える。基材層は鉄・ニッケル・クロム等の合金である磁性材料によって構成されている。
【0045】
65は励磁コイルが内包された背面コアである。背面コア65の内部には表面が絶縁された銅製の線材(図示せず)を所定本数束ねた励磁コイルを、加熱ローラ63の回転軸方向に延伸し、かつ加熱ローラ63の両端部において、加熱ローラ63の周方向に沿って周回して形成されている。励磁コイルに半共振型インバータである励磁回路(図示せず)から約30kHzの交流電流を印加すると、背面コア65と加熱ローラ63の基材層によって構成される磁路に磁束が生じる。この磁束によって加熱ローラ63の発熱ベルトの基材層に渦電流が形成され、基材層が発熱する。基材層で生じた熱はシリコンゴム層を経て離型層まで伝達され、加熱ローラ63の表面が発熱する。
【0046】
66は加熱ローラ63の温度検出手段として設けられているサーミスタ(Thermally Sensitive Resistor)である。サーミスタは金属酸化物を主原料とし、高温で焼結して得られるセラミック半導体であり、温度に応じて負荷抵抗が変化することを応用して、接触した対象物の温度を計測することができる。サーミスタ66の出力は図示しない制御装置に入力され、制御装置はサーミスタ66の出力に基づいて背面コア65内部の励磁コイルに出力する電力を制御し、加熱ローラ63の表面温度が約170℃となるよう制御する。
【0047】
この温度制御がなされた加熱ローラ63と加圧ローラ64によって形成されるニップ部に、トナー像が形成された記録紙42を通紙すると、記録紙42上のトナー像は、加熱ローラ63と加圧ローラ64によって加熱/加圧され、定着画像を得ることができる。
【0048】
67は記録紙後端検出センサであり、記録紙42の排出状況を監視するものである。71はトナー像検出センサである。トナー像検出センサ71は発光スペクトルの異なる複数の発光素子(共に可視光)と単一の受光素子を用いた反射型センサユニットであり、記録紙42の地肌と画像形成部分とで、画像色に応じて吸収スペクトルが異なることを利用して画像濃度を検出するものである。またトナー像検出センサ71は画像濃度のみならず、画像形成位置も検出できるため、本実施の形態における電子写真装置では、トナー像検出センサ71を装置の幅方向に2ヶ所設け、記録紙42上に形成した画像位置ずれ量検出パターンの検出位置に基づき、画像形成タイミングを制御している。
【0049】
72は記録紙搬送ドラムである。記録紙搬送ドラム72は表面を200μm程度の厚さのゴムで被覆した金属製ローラであり、定着後の記録紙42は記録紙搬送ドラムに沿って方向D2に搬送される。このとき記録紙42は記録紙搬送ドラム72によって冷却されると共に、画像形成面と逆方向に曲げられて搬送される。これによって高濃度な画像を記録紙全面に形成した場合などで発生するカールを大幅に軽減することができる。その後、記録紙42は蹴り出しローラ74によって方向D6に搬送され、排紙トレイ78に排出される。
【0050】
73はフェイスダウン排紙部である。フェイスダウン排紙部73は支持部材75を中心に回動可能に構成され、フェイスダウン排紙部73を開状態にすると、記録紙42は方向D7に排紙される。このフェイスダウン排紙部73は閉状態では記録紙搬送ドラム72と共に記録紙42の搬送をガイドするように、背面に搬送経路に沿ったリブ76が形成されている。
【0051】
77は駆動源であり本実施の形態ではステッピングモータを採用している。駆動源77によって、給紙ローラ57、レジストローラ58、ピンチローラ59、感光体(47Y〜47K)と転写ローラ(55Y〜55K)を含む各現像ステーション(41Y〜41K)の周辺部、定着器62、記録紙搬送ドラム72、蹴り出しローラ74の駆動を行っている。
【0052】
80はコントローラであり、外部のネットワークを介して図示しないコンピュータ等からの画像データを受信し、プリント可能な画像データを生成する。
【0053】
81はエンジン制御部である。エンジン制御部81は電子写真装置40のハードウェアやメカニズムを制御し、コントローラ80から転送された画像データに基いて記録紙42にカラー画像を形成すると共に、電子写真装置の制御全般を行っている。
【0054】
82は電源部である。電源部82は、駆動源77、コントローラ80、エンジン制御部81へ所定電圧の電力供給を行うと共に、定着器62の加熱ローラ63への電力供給を行っている。また感光体47表面の帯電、現像スリーブ(図2、符号49)に印加する現像バイアス、転写ローラ55に印加する転写バイアス等のいわゆる高圧電源は、この電源部に含まれている。
【0055】
また電源部82には電源監視部83が含まれ、少なくともエンジン制御部81に供給される電源電圧をモニタできるようになっている。このモニタ信号はエンジン制御部81において検出され、電源スイッチのオフや、停電等の際の電源電圧の低下を検出している。
【0056】
次に、露光ヘッドの構成について、図3を用いて説明する。
【0057】
図3に示すように、露光ヘッド52は、露光ヘッドを支持するヘッド支持部材53を有している。そして、露光ヘッド52は、基材84に実装されてヘッド支持部材53上に設けられた封止材85で気密封止された光源としての発光素子である有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)86と、基材84上に設けられて画像データに対応した電圧を有機EL素子86に給電してこれを発光させるドライバ87とからなる。さらに、基材84上には、有機EL素子8からの照射光を反射して光路を90°変換するプリズム88、プリズム88からの光を集光かつ伝送するファイバアレイ89、ファイバアレイ89からの光を副走査方向に絞り込むシリンドリカルレンズ90が搭載されている。
【0058】
そして、有機EL素子86は、前述のように、相互に千鳥状となった2つの素子列をなしている。これらの素子列は各列毎に発光可能となっており、双方の素子列を同時に駆動する解像度の高いモードつまり高解像度モードと、片方の素子列のみを駆動する解像度の低いモードつまり低解像度モードとが実現されるようになっている。なお、有機EL素子86で1つの素子列をなす構成となっていてもよい。
【0059】
次に、本実施の形態の電子写真装置におけるコントローラの構成と動作について、図4を用いて説明する。
【0060】
図4において、100はコンピュータである。コンピュータ100はネットワーク101経由でコントローラ80に画像データやプリントジョブ情報を転送する。102はネットワークインタフェースである。コントローラ80はネットワークインタフェース102を介して、コンピュータ100から転送されてきた画像データやプリントジョブ情報を受信したり、逆に電子写真装置のエラー状況などのいわゆるステータス情報をコンピュータ100に送信する。
【0061】
103はCPU(制御手段)であり、ROM104に格納されたプログラムに基きコントローラ80の動作を制御している。
【0062】
105はRAMであり、CPU103のワークエリアとして使用されると共に、ネットワークインタフェース102で受信された画像データやプリントジョブ情報、およびページ単位に展開されたプリント可能な画像データ等が、一時的に記憶される。
【0063】
106は画像処理部である。画像処理部106ではコンピュータ100から転送された画像データとプリントジョブ情報(共に一時的にRAM105に格納されている)に基き、ページ単位に画像処理(プリンタ言語からラスタデータへの変換処理、色補正、エッジ補正、スクリーン生成等)を行って印字に供する画像データを生成し、これを再度RAM105に格納する。
【0064】
107はプリンタインタフェースであり、RAM105に格納されたページ単位の画像データは、プリンタインタフェース107を介してエンジン制御部81に転送される。
【0065】
次に、エンジン制御部の構成と動作について、図5に図1を併用して説明する。
【0066】
図5において110はコントローラインタフェースである。コントローラインタフェース110は、コントローラ80から転送されるページ単位の画像データ、およびプリントモード情報を受信する。
【0067】
111はCPU(制御手段)であり、ROM112に格納されたプログラムに基きプリンタエンジンの動作を制御している。113はRAMであり、CPU111が動作する際のワークエリアとして使用される。114はEEPROM等の所謂書き換え可能な不揮発性メモリである。不揮発性メモリ114には、例えば電子写真装置の感光体47の回転時間、定着器62の動作時間等の寿命情報や、後に詳細に説明する発光素子の点灯累積値を格納する。115はシリアルインタフェースである。記録紙通紙センサ60や記録紙後端検出センサ67などのセンサ群からの情報、電源監視部83(電源電圧の低下を検出し、CPU111動作が停止する前に、露光ヘッドの各発光素子の点灯回数の累積値を不揮発性メモリ114に格納する。)の出力は、図示しないシリアル変換手段によって、所定の周期のシリアル信号に変換され、シリアルインタフェース115で受信される。シリアルインタフェース115で受信されたシリアル信号は、パラレル信号に変換された後にCPU111に読取られる。一方、給紙ローラ57、感光体(47Y〜47K)、定着器の加熱ローラ63、記録紙搬送ドラム72等を駆動する駆動源77の起動/停止や、給紙ローラ57およびレジストローラ58に対する駆動力伝達を制御する電磁クラッチ(図示せず)等のアクチュエータへの制御信号や、現像バイアス/転写バイアス/帯電電位などの高圧電源の電位設定のための制御信号などは、パラレル信号としてシリアルインタフェース115に送られる。シリアルインタフェース115では、このパラレル信号をシリアル信号に変換して、アクチュエータ群に出力する。本実施の形態では、高速に検出する必要のないセンサ入力やアクチュエータ制御信号の出力は、全てシリアルインタフェース115を介して行っている。
【0068】
一方、高速なサンプリングが要求される、トナー像検出センサ71(画像位置ずれ量検出パターンは10μm程度の検出分解能が必要である)からの入力はCPU111の入力端子に直接接続されている。さらに、受光センサ54のアナログレベル信号はCPU111が有するアナログ入力ポートに接続され、CPU111は受光センサ54の出力レベルを任意の時点で検出可能となっている。
【0069】
120Y,120M,120C,120Kは各印字色に対応した露光ヘッド(図2、符号52参照)の駆動を制御するヘッド制御部である。ヘッド制御部(120Y〜120K)には露光ヘッド52の露光タイミング制御と、露光ヘッド(52Y〜52K)に搭載された有機EL素子86の駆動電圧制御を行う機能が含まれている。121Y,121M,121C,121Kは数ライン分の容量を有するバッファメモリである。コントローラインタフェース110を介して転送された画像データは、各印字色毎に独立して設けられたバッファメモリ(121Y〜121K)に一時的に格納される。バッファメモリ(121Y〜121K)に格納された画像データは、図示しないDMA回路によって各印字色に対応した露光ヘッド(52Y〜52K)に転送される。なおバッファメモリ(121Y〜121K)はデュアルポートRAMで構成されており、図示しないパスを介してCPU111による読取りと書き込みが可能となっている。
【0070】
122Y,122M,122C,122Kはドライバであり、ヘッド制御部(120Y〜120K)から出力される制御信号と、バッファメモリ(121Y〜121K)から転送された画像データに基づいて、有機EL素子である発光素子(123Y〜123K)を駆動する。
【0071】
次に、図6を用いて露光ヘッド52の駆動について詳細に説明する。
【0072】
図6において、150はライン方向に直線状に配置された39個のドライバチップである。151はドライバチップ150単位に設けられた256ビットのシフトレジスタ、152はシフトレジスタ151に対応して配置された256ビットのラッチ、153はラッチ152の出力信号及びストローブ信号(STB)1〜13を受けて動作するゲート、154はゲート153の出力信号に基づいてON/OFFの状態をとるドライバトランジスタ、123はドライバトランジスタ154によって駆動される電流に基づいて発光する有機EL素子である。
【0073】
バッファメモリ121から出力された画像データ(DATA)は、クロック信号(CLK)に同期してシフトレジスタ151内部をビット単位に転送され、256ビット分の転送が完了すると隣接するシフトレジスタ151に出力される。すべてのシフトレジスタ151に画像データ(DATA)が送られると、ロード信号(LOAD)がラッチ152に入力され、シフトレジスタ151内の画像データ(DATA)は一括してラッチに保持される。
【0074】
画像データがラッチされると、ストローブ信号(STB)1〜13が順に出力され、既にラッチに保持されている画像データ(DATA)とストローブ信号(STB)1〜13は、ゲート153においてAND演算され、ストローブ信号(STB)1〜13が予め定められたロジック(例えばHigh状態)となると、ラッチされた画像データに従ってドライバトランジスタがON状態になって有機EL素子123に駆動電流が供給されて有機EL素子が点灯する。
【0075】
131は画素計数/最大値抽出部である。画素計数/最大値抽出部131はヘッド駆動タイミング生成部130が出力するクロック信号(CLK)および1ラインの先頭を示すライン同期信号(LSYNC)に基づき、バッファメモリ121から1ライン分の画像データを取り込み、各発光素子単位の点灯状態を検出し、画像データがON(即ち点灯状態)であればデュアルポートメモリ132(以降単にメモリ132と称する)に格納されている累積値(累積値も当然発光素子の数だけ準備されている)を更新する。
【0076】
さらに、画素計数/最大値抽出部131には、各発光素子のON状態を累積する毎に、全ての発光素子の累積回数のうち最大の値を更新する機能が搭載されいる。これによってCPU111は、例えば印刷ページ単位に各発光画素単位の累積点灯回数および、これら累積値のうちの最大値を抽出することが可能である。
【0077】
次にヘッド駆動電圧設定部133について説明する。ヘッド駆動電圧設定部133において、156はDAコンバータ、157はヘッド電源であり、CPU111からDAコンバータ156に値を設定することでドライバトランジスタ154全体に供給される電源電圧が決定される。158はドライバ電流設定部であり、各ドライバチップ150毎に独立して設けられている。ドライバ電流設定部158にはライン同期信号(LSYNC)とクロック信号(CLK)が入力されており、画像データの転送と同期して各ドライバチップ150単位に供給される電流値を設定できる構成となっている。
【0078】
ここで、CPU111による現像スリーブ49に対する印加電位の制御と感光体47に対する帯電電位の制御について説明する。
【0079】
図7(a)に示すように、電子写真装置においては、感光体47の露光部分の電位VLとこれよりも大きな現像スリーブ49の帯電電位VBとは電位ギャップG1を有し、現像スリーブ49の印加電位VBとこれよりも大きな感光体47の帯電電位VOとは電位ギャップG2を有している。また、負帯電のトナーが用いられる本実施の形態の電子写真装置では、これらの電位は何れも負となって電気力線は電位VLから電位VBに向かっており、負に帯電したトナーは現像スリーブ49(電位VB)から感光体47の露光部分(電位VL)に付着する。
【0080】
なお、本明細書において電位が大きいとは、本実施の形態のように感光体47および現像スリーブ49の電位が負の場合(負帯電のトナーを使用した場合)にはマイナス側に大きいことを、感光体47および現像スリーブ49の電位が正の場合(正帯電のトナーを使用した場合)にはプラス側に大きいことをいう。つまり、本明細書では、電位の大小は絶対値にて把握される。
【0081】
さて、露光ヘッド52の光量が低下すると、一様に帯電した感光体47の外周面に照射された露光光によっては十分に電荷を喪失させることができないので、感光体47の露光部分の電位VLは、光量低下前と比べて上昇する(図7(b),(c)参照)。すると、電位ギャップG1が小さくなって現像スリーブ49から感光体47の露光部分に向かうトナーの転写力が不足してしまう。
【0082】
そこで、本実施の形態では、CPU111はアナログポートに接続された受光センサ54の出力を監視し、露光ヘッド52の光量が低下したことを検出すると、図7(b)に示すように、CPU111は現像スリーブ49への印加電位を大きくしている。これにより、電位ギャップG1が従前のレベルに維持されるので、現像スリーブ49から感光体47の露光部分へのトナー転写力が低下することがなくなって低下した光量が補償され、有機EL素子の劣化を加速させることなく画像形成条件が一定に保たれることになる。
【0083】
さらに、受光センサ54によって露光ヘッド52の光量が低下したことが検出されると、図7(c)に示すように、CPU111は感光体47の帯電電位も大きくする。
【0084】
前述のように電位ギャップG1を維持するために現像スリーブ49への印加電位VBを大きくすると、現像スリーブ49の電位VBと感光体の帯電電位VOの電位ギャップG2が小さくなる。すると、現像スリーブ49から感光体47の露光部分以外に付着したトナーの現像スリーブ49への回収力が不足して、現像された画像の白地部分へトナーが転写されてしまう。そこで、現像スリーブ49への印加電位を大きくすれば電位ギャップG2も従前のレベルに維持されるので、感光体47の露光されていない部分に付着したトナーは確実に現像スリーブ49へ回収されるようになり、白地部分へのトナー転写がなくなる。
【0085】
なお、前述した場合には、露光ヘッド52の光量が低下したならば、CPU111により直ちに現像スリーブ49および感光体47の電位が大きくなるようになっているが、光量が低下したならば先ず有機EL素子86の発光光量が一定になるように、前述したヘッド駆動電圧設定部133の設定を変更し、駆動電流を増加させて画像形成条件を一定に保つようにし、その後、有機EL素子86の駆動電流があらかじめ設定された上限値(たとえば、素子の劣化速度が緩やかな範囲の上限値)になったならば、電位を大きくするようにしてもよい。
【0086】
ここで、CPU111は、現像スリーブ49への印加電位および感光体47の帯電電位が所定電位以上になったならば、ストローブ信号(STB)1〜13が出力される期間を長くして有機EL素子123の点灯時間つまり露光時間を延長してもよい。露光時間の延長により1ライン形成周期の中で低下した光量を補償することができるので、有機EL素子の劣化を加速させることなく画像形成条件が一定に保たれる。
【0087】
なお、露光期間は、印字速度(つまり、感光体の周速度)に応じて規定されたライン形成周期内の予め定められた最大露光時間の範囲内で延長することができる。したがって、印字速度を遅くすればライン形成周期が長くなるので最大露光時間は長くなるので、所定の印字速度における露光時間が最大露光時間を超えるようになったならば、印字速度を遅くしてライン形成周期を延ばし、最大露光時間を長くすることにより、露光時間をさらに延長することができる。印字速度が低下した後は、光量検出結果に基づいて、この新たに確保できた最大露光時間までの分を使って露光期間を伸ばしていく。
【0088】
なお、印字速度の低下による感光体47の方向D3に回転する周速度Vo2は、有機EL素子86の初期光量をL1、低下した光量をL2、初期光量時の周速度をVo1とすると、
Vo2=(L2/L1)×Vo1
となるように制御する。
【0089】
このとき、CPU111は、このように感光体47の周速度を低速に制御したならば、現像スリーブ49の周速度も低速に制御する。すなわち、現像スリーブ49の周速度Vs2は、本実施の形態において、初期光量時の現像スリーブ49の周速度をVs1とすると、
Vs2=(L2/L1)×Vs1
となるように、つまり感光体47と現像スリーブ49との周速度の比が一定となるように制御する。
【0090】
一般に現像スリーブ49の周速度(回転速度)は、感光体47の周速度(回転速度)より速く、1.1〜1.5程度の間で設定されている。これは、両者の周速度に差を設けることで、所定の現像濃度が確保されるからである。よって、感光体47と現像スリーブ49の周速度比は印字速度を遅くした場合でも常に一定に保たれるようになる。速度比を一定にする理由は、感光体47の単位面積当たりに供給されるトナー量を一定にし、速度変化による濃度変動を抑制するためである。
【0091】
ここで、印字速度を低下するということは、製品の初期スペックが損なわれた状態になっているということである。したがって、印字速度を低下するのはあくまでも暫定的な措置である。よって、感光体47が所定の周速度以下になったならば、操作パネル等に配置された表示装置(報知手段)に、光源である有機EL素子が寿命に到達したことを警告するメッセージを出力したり警告灯を点灯したりして、ユーザに露光ヘッドの交換を促すようにするのがよい。また、CPU111は制御の結果として感光体47が所定の周速度以下になるようであれば印字動作を禁止するようにしてもよい。
【0092】
なお、光源の近傍に配置された受光センサ54は、前述のように、露光ヘッド52の有機EL素子86から照射されて感光体47の表面で反射された光を検出するようになっている(図2参照)。このようにすれば、感光体47からの反射光を利用することで、露光ヘッド52の画素数は、印字に必要な最小限のドット数で足りるようになる。また、感光体47側にセンサを配置する必要がないため、装置サイズを小さくすることができる。
【0093】
次に、各ドライバチップ150に対応して設けられたドライバ電流設定部158における光量ばらつきを補正する手段、つまり有機EL素子86の相互間の光量劣化を均一化する手段について、図8に図6を併用して説明する。
【0094】
図8において160は補正データ設定部、161は補正データメモリである。補正データメモリ161に格納されるデータは、予め露光ヘッド毎に光量を計測して求めたものであり、ROM112(図5参照)に格納されている。この補正用データは、電源投入時などに既に説明したシリアルインタフェース115を介してCPU111から転送される。
【0095】
補正データ設定部160はヘッド駆動タイミング設定部130から出力されるクロック信号(CLK)とライン同期信号(LSYNC)に基づき、補正データメモリ161から4ビットの補正データを取りだし、DAコンバータ162に出力する。DAコンバータ162は4個のスイッチング素子163と各スイッチング素子163に直列に接続された抵抗体164とで構成され、補正データ設定部160の出力に応じて、4個のスイッチング素子がON/OFFする。各抵抗体164はその両端に等しい電圧が印加された場合、i_1、i_1×2、i_1×4、i_1×8の電流値が流れるように形成されており、スイッチング状況に応じてドライバトランジスタ154には、i_0からi_0+i_1×15の電流が流れることになる。すなわち、ここでは、ドライバトランジスタ154に供給する電流値を16段階で制御することができる。
【0096】
さて、本実施の形態では、各ドライバチップ150には256個のドライバトランジスタ154が搭載されているが、画像形成に際しては、画像データ側にマスクを施すことで、256個のドライバトランジスタ154を実質的に4つのグループに分割し、特定のタイミングに応じて64個を選択してON/OFF制御する。例えば、第1グループでは0−63番目以外の画像データを非印字とし、第2グループでは64−127番目以外、第3グループでは128−191以外、第4群では192−255番目以外の画像データをマスクして非印字データとする。マスクによって画像データ側の特定部分を強制的に非印字データとすることで、実質的にドライバチップ150を時分割して駆動する。
【0097】
この時分割のタイミングに応じて、補正データ設定部160はDAコンバータ162に出力する4bitの補正データを変更し、結果的に64画素単位で光量のばらつきを補正している。そして、これにより有機EL素子86の相互間の光量劣化が均一化され、このような有機EL素子86により露光されて現像されたトナー像における印字品質の均一化が図れることになる。
【0098】
有機EL素子86の光量は、発光層の厚みに強く依存しているが、発光層は真空蒸着によって形成されており極めて均一な厚みを持つ。このため有機EL素子86を用いた露光ヘッドの光量分布は、スパイク状のピークを持たず比較的フラットな特性を有する(隣接する発光素子の光量はほぼ等しい、即ち隣接相関が非常に高い)。従って64画素を同一電流で駆動するような構成を採用しても十分な光量のばらつき補正を行うことができる。
【0099】
さて、前述したように、露光ヘッドの有機EL素子86の点灯回数は、画素計数/最大値抽出部131によってカウント、累積され、同時に各有機EL素子86のカウント値の最大値も保持されている。これらの値に従って最大値より小さなカウント値の有機EL素子86を選択して駆動(もちろん非印字状態において駆動する)することで、全ての素子の劣化状態を均一にすることができる。
【0100】
光量のばらつき補正を行った後に、このように劣化を均一化させることで、全ての素子の発光光量は均一かつ同様に劣化するため、受光センサ54で露光ヘッドの一部の素子からの光を検出することで、露光ヘッド全体の光量劣化を検出することが可能となる。
【0101】
ここで、以上においては、CPU111は受光センサ54により有機EL素子86の発光光量を検出するようにしているが、有機EL素子86の発光光量を予測する予測手段(図示せず)を設け、この予測手段による有機EL素子86の発光光量の減少予測に伴って感光体47の周速度を低速に制御するようにしてもよい。
【0102】
すなわち、有機EL素子86における投入時間に対する相対輝度の変化を示す図9のグラフにおいて、有機EL素子86(ここでは緑色光)の輝度は、100時間で初期比80%に、500時間で同55%にダウンしている。
【0103】
そこで、このような有機EL素子86の点灯時間と輝度変化との関係をテーブル化して装置内の不揮発性メモリに格納しておけば、あるいは光量劣化率を不揮発性メモリに格納しておけば、任意の累積点灯時間に対する発光光量を一意に定めることが、すなわち、光源である有機EL素子86の劣化の程度を予測することが可能になるからである。
【0104】
そして、有機EL素子86の発光光量を予測する予測手段を用いれば、光量計測用のフォトセンサ等の受光センサ54が不要になり、コストダウンを図ることができる。なお、有機EL素子86の発光光量の予測は、点灯時間ではなく、点灯回数をカウントしておき、回数で行うようにしてもよい。
【0105】
以上の説明においては、本発明をカラー電子写真装置に適用した場合について説明したが、たとえばブラックなど単色の電子写真装置に適用することもできる。また、カラー電子写真装置に適用した場合、現像色はイエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの4色に限定されるものではない。
【0106】
また、本実施の形態では有機EL素子を用いた露光ヘッドについて主に言及したが、点灯時間の累積と共に光量が劣化する素子(例えば蛍光管)を用いた露光ヘッドであれば、本発明を容易に適用できることは言うまでもない。
【0107】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、発光素子の発光光量の減少により感光体の露光部分の電位が上昇しても、現像手段への印加電位を大きくすることにより、感光体の露光部分と現像手段との電位ギャップが従前のレベルに保たれる。これにより、低下した光量を補償することができ、現像手段から感光体の露光部分へのトナー転写力が低下することがなくなるので、発光素子の劣化を加速させることなく画像形成条件を一定に保つことが可能になるという有効な効果が得られる。
【0108】
また、感光体の帯電電位を大きくすることにより、現像手段と帯電した感光体との電位ギャップも従前のレベルに保たれる。これにより、感光体の露光部分以外に付着したトナーは確実に現像手段へ回収されるようになり、現像画像の白地部分へのトナー転写がなくなるという有効な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態である電子写真装置の構成を示す概略図
【図2】図1の電子写真装置における現像ステーションを示す説明図
【図3】図1の電子写真装置における露光ヘッドの内部構造を示す説明図
【図4】図1の電子写真装置におけるコントローラの構成を示すブロック図
【図5】図1の電子写真装置におけるエンジン制御部の構成を示すブロック図
【図6】露光ヘッドおよびヘッド制御部の詳細な構成を示す回路図
【図7】電子写真装置における感光体の帯電電位と現像スリーブへの印加電位と感光体の露光部分の電位との関係を示す説明図
【図8】各ドライバチップに対応して設けられたドライバ電流設定部の詳細な構成を示すブロック図
【図9】有機EL素子における投入時間に対する相対輝度の変化を示すグラフ
【符号の説明】
47Y,47M,47C,47K 感光体
49 現像スリーブ(現像手段)
52 露光ヘッド(露光手段)
54 受光センサ(検出手段)
86 発光素子(有機EL素子)
111 CPU(制御手段)
123Y,123M,123C,123K 発光素子(有機EL素子)
【発明の属する技術分野】
本発明は、発光素子が光源として用いられた露光ヘッドを搭載した電子写真装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、レーザ光源から照射されたレーザ光線を、回転多面鏡(ポリゴンミラー)を用いて走査し、感光体に潜像を形成する構成や、複数の発光素子を直線状に配置した露光ヘッドを用いて感光体に潜像を形成する構成を有する電子写真装置が知られている。
【0003】
このうち露光ヘッドを搭載した電子写真装置は、光学系をシンプルに構成できるため小型化に有利であり、また回転多面鏡の回転速度の制約を受けないため、発光素子の光量さえ十分取れれば高速化の点でも有利である。
【0004】
さて従来の露光ヘッドとして、多数の微小なLED素子を直線状に配列したLEDヘッドが実用化されている。LED素子は一般に高輝度を得ることができるが、基本的に半導体プロセスを用いて製造するため、長尺化を図ろうとすると歩留まりが急激に劣化する。このため発光素子の集積度は、例えば1200dpi(dot/inch)の場合で1チップあたり高々512画素程度である。このように1チップが短いため長尺の露光ヘッドを実現する際は、多数のチップを一列に精度よく配置する必要がある。またLEDヘッドは、半導体プロセスによって各LED素子毎のPN接合を形成するため、輝度ばらつきが大きいことが知られている(1チップ内で最大±25%程度)この輝度ばらつきの影響は、濃度ムラとして画像に顕著に表れるため、一般には各LED素子または複数のLED素子を所定のシーケンスで発光させて予め取得した、光量補正データに基づき、LEDを駆動する電流値を制御したり、発光時間を制御する方法が知られている。
【0005】
一方、他の露光ヘッドの例として、複数の発光素子を直線状に配列した有機EL(エレクトロルミネッセンス)素子を利用した露光ヘッドが知られている。
【0006】
有機EL素子は発熱量が小さいために、冷却用の放熱フィン等を廃止することができ、露光ヘッドそのものを、たとえば厚み3mm以下程度に小型化することができる。
【0007】
なお、有機EL素子の素子構造については、特開平10−1664号や特開2001−63136号などで開示されているものがある。
【0008】
また、特開平10−48925号公報には、LEDアレイ等から構成される光学手段の光量変化を、光学手段の温度に基づき判定し、判定結果に基づいて、感光体の帯電電位を一定に保持した上で、現像バイアス電圧を制御する電子写真装置が開示されている。これは、より具体的には、光学手段の発光光量が低下した場合は、感光体の帯電電位を一定に保持した上で、現像バイアス電位を感光体帯電電位に近づける方向に変化させる技術である。
【0009】
【特許文献1】
特開平10−1664号号公報
【特許文献2】
特開2001−63136号公報
【特許文献3】
特開平10−48925号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、電子写真の画像形成条件を一定に保つためには、感光体を一定の光量で露光することが必要だが、LED素子と比較して有機EL素子は光量劣化が大きく(両者同一での駆動条件下での光量半減期は、LED素子が10,000時間に対して有機EL素子は500時間程度)、徐々に必要光量が得られなくなる。
【0011】
駆動電流を増加すれば有機EL素子の発光光量を一定に維持することができるが、駆動電流が増加すると有機EL素子の劣化が加速度的に進行するため、駆動電流の増加には限界がある。
【0012】
ところで、現像剤にトナーとキャリアを含む2成分現像技術では、キャリアが感光体に付着(所謂キャリア飛び)しないようにするため、感光体の帯電電位と現像バイアス電位のギャップは比較的小さく設定される(絶対値で100V程度)。このように帯電電位と現像バイアス電位の設定幅が小さいなかで、現像バイアス電位を感光体の帯電電位に近づける特開平10−48925号公報に記載の技術を用いると、感光体表面の露光されていない領域にトナーが付着する、いわゆる地汚れが発生する場合がある。
【0013】
そこで、本発明は、発光素子の劣化を加速させることなく画像形成条件を一定に保つことのできる電子写真装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために、本発明の電子写真装置は、複数の発光素子が主走査方向に配列された光源を備えた露光手段と、露光手段の露光光により静電潜像が形成される感光体と、静電潜像にトナーを供給して感光体上にトナー像を形成する現像手段と、発光素子の発光光量を検出する検出手段と、検出手段の検出結果に基づき、発光素子の発光光量の減少に伴って、現像手段への印加電位の絶対値および感光体の帯電電位の絶対値を大きくする制御手段とを有する構成としたものである。
【0015】
このような構成によれば、発光素子の発光光量の減少により感光体の露光部分の電位が上昇しても、現像手段への印加電位の絶対値を大きくすることにより、感光体の露光部分と現像手段との電位ギャップが従前のレベルに保たれる。これにより、低下した光量を補償することができ、現像手段から感光体の露光部分へのトナー転写力が低下することがなくなるので、発光素子の劣化を加速させることなく画像形成条件を一定に保つことが可能になる。
【0016】
また、感光体の帯電電位の絶対値を大きくすることにより、現像手段と帯電した感光体との電位ギャップも従前のレベルに保たれる。これにより、感光体の露光部分以外に付着したトナーは確実に現像手段へ回収されるようになり、現像画像の白地部分へのトナー転写がなくなる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、複数の発光素子が主走査方向に配列された光源を備えた露光手段と、露光手段の露光光により静電潜像が形成される感光体と、静電潜像にトナーを供給して感光体上にトナー像を形成する現像手段と、発光素子の発光光量を検出する検出手段と、検出手段の検出結果に基づき、発光素子の発光光量の減少に伴って、現像手段への印加電位の絶対値および感光体の帯電電位の絶対値を大きくする制御手段とを有する電子写真装置であり、発光素子の発光光量の減少により感光体の露光部分の電位が上昇しても、現像手段への印加電位の絶対値や感光体の帯電電位の絶対値を大きくすることにより、感光体の露光部分と現像手段との電位ギャップや現像手段と帯電した感光体との電位ギャップが従前のレベルに保たれるので、低下した光量を補償することができ、発光素子の劣化を加速させることなく画像形成条件を一定に保つことが可能になるという作用を有する。
【0018】
本発明の請求項2に記載の発明は、複数の発光素子が主走査方向に配列された光源を備えた露光手段と、露光手段の露光光により静電潜像が形成される感光体と、静電潜像にトナーを供給して感光体上にトナー像を形成する現像手段と、発光素子の発光光量を予測する予測手段と、予測手段による発光素子の発光光量の減少予測に伴って、現像手段への印加電位の絶対値および感光体の帯電電位の絶対値を大きくする制御手段とを有する電子写真装置であり、発光素子の発光光量の減少により感光体の露光部分の電位が上昇しても、現像手段への印加電位の絶対値や感光体の帯電電位の絶対値を大きくすることにより、感光体の露光部分と現像手段との電位ギャップや現像手段と帯電した感光体との電位ギャップが従前のレベルに保たれるので、低下した光量を補償することができ、発光素子の劣化を加速させることなく画像形成条件を一定に保つことが可能になるという作用を有する。また、光量計測用の検出手段が不要になるので、コストダウンを図ることができるという作用を有する。
【0019】
本発明の請求項3に記載の発明は、請求項2記載の発明において、予測手段は、各発光素子の点灯時間を累積することで、または点灯回数をカウントすることで発光素子の発光光量を予測する電子写真装置であり、光量計測用の検出手段が不要になるので、コストダウンを図ることができるという作用を有する。
【0020】
本発明の請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載の発明において、制御手段は、発光素子の発光光量が一定になるように発光素子の駆動電流を増加させ、当該駆動電流があらかじめ設定された上限値になったならば発光素子の発光光量の減少または減少予測に伴って現像手段への印加電位の絶対値および感光体の帯電電位の絶対値を大きくする電子写真装置であり、発光素子の劣化を加速させることなく画像形成条件を一定に保つことが可能になるという作用を有する。
【0021】
本発明の請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の何れか一項に記載の発明において、制御手段は、現像手段への印加電位または現像手段への印加電位および感光体の帯電電位が所定電位以上になったならば、露光手段による露光時間を延長する電子写真装置であり、発光素子の劣化を加速させることなく画像形成条件を一定に保つことが可能になるという作用を有する。
【0022】
本発明の請求項6に記載の発明は、請求項1〜5の何れか一項に記載の発明において、制御手段は、所定の印字速度における露光時間が最大露光時間を超える場合には、印字速度を遅くして露光時間をさらに延長する電子写真装置であり、発光素子の劣化を加速させることなく画像形成条件を一定に保つことが可能になるという作用を有する。
【0023】
本発明の請求項7に記載の発明は、請求項1〜6の何れか一項に記載の発明において、感光体が所定の周速度以下になったならば光源が寿命に達したことを報知する報知手段を有する電子写真装置であり、ユーザに露光ヘッドの交換を促すことが可能になるという作用を有する。
【0024】
本発明の請求項8に記載の発明は、請求項1〜7の何れか一項に記載の発明において、制御手段は、感光体が所定の周速度以下になったならば印字動作を禁止する電子写真装置であり、ユーザに露光ヘッドの交換を促すことが可能になるという作用を有する。
【0025】
本発明の請求項9に記載の発明は、請求項1または4〜8の何れか一項に記載の発明において、検出手段は、光源の近傍に設置されたフォトセンサである電子写真装置であり、光源からの光を直接的に検出して、光量劣化度合いの検出精度を向上することが可能になるという作用を有する。
【0026】
本発明の請求項10に記載の発明は、請求項9記載の発明において、フォトセンサは、感光体に照射された発光素子の反射光を受光する電子写真装置であり、感光体からの反射光を利用することで、光源の画素数は、印字に必要な最小限のドット数で足りるようになるという作用を有する。また、感光体側にセンサを配置する必要がないため、装置サイズを小さくすることができるという作用を有する。
【0027】
本発明の請求項11に記載の発明は、請求項1〜10の何れか一項に記載の発明において、複数の発光素子の相互間の光量劣化を均一にする手段を有する電子写真装置であり、発光素子が均等に劣化することになるので、このような発光素子により露光されて現像されたトナー像における印字品質の均一化を図ると共に、一部の有機EL素子の光量を検出することで、全体の光量劣化度合いを推定することが可能になるという作用を有する。
【0028】
本発明の請求項12に記載の発明は、請求項1〜11の何れか一項に記載の発明において、発光素子として有機EL素子を用いた電子写真装置であり、有機EL素子を用いることで露光ヘッドを小型化することができ、結果的に電子写真装置を小型化することができる。
【0029】
以下、本発明の実施の形態について、図1から図9を用いて説明する。なお、これらの図面において同一の部材には同一の符号を付しており、また、重複した説明は省略されている。
【0030】
図1は本発明の一実施の形態である電子写真装置の構成を示す概略図、図2は図1の電子写真装置における現像ステーションを示す説明図、図3は図1の電子写真装置における露光ヘッドの内部構造を示す説明図、図4は図1の電子写真装置におけるコントローラの構成を示すブロック図、図5は図1の電子写真装置におけるエンジン制御部の構成を示すブロック図、図6は露光ヘッドおよびヘッド制御部の詳細な構成を示す回路図、図7は電子写真装置における感光体の帯電電位と現像スリーブへの印加電位と感光体の露光部分の電位との関係を示す説明図、図8は各ドライバチップに対応して設けられたドライバ電流設定部の詳細な構成を示すブロック図、図9は有機EL素子における投入時間に対する相対輝度の変化を示すグラフである。
【0031】
図1において、電子写真装置40は、装置内にイエロー現像ステーション41Y、マゼンタ現像ステーション41M、シアン現像ステーション41C、ブラック現像ステーション41Kの4色分の現像ステーションを縦方向に階段状に配列し、その上方には記録紙42が収容される給紙トレイ43を配設すると共に、各現像ステーション(41Y〜41K)に対応した箇所には給紙トレイ43から供給された記録紙42の搬送路となる記録紙搬送路44を上方から下方の縦方向に配置したものである。
【0032】
現像ステーション(41Y〜41K)は、記録紙搬送路44の上流側から順に、イエロ、マゼンタ、シアン、ブラックのトナー像を形成するものであり、感光体(47Y〜47K)、現像スリーブ(図示せず)、帯電器(図示せず)等、一連の電子写真方式における現像プロセスを実現する部材の集合体である。
【0033】
さて、ここで現像ステーション41について図2を用いて詳細に説明する。現像ステーション41Y〜41Kは充填された現像剤の色が異なっているが、構成は現像色に関わらず同一であるので、簡単のため特に色は明示せずに説明する。
【0034】
図2において、現像ステーション41の内部にはキャリアとトナーの混合物である現像剤45が充填されている。46a、46bは現像剤45を攪拌する攪拌パドルであり、攪拌パドル46aと46bの回転によって現像剤45中のトナーは摩擦によって所定の電位に帯電されると共に、現像ステーション41内部を巡回することでトナーとキャリアが十分に攪拌混合される。47は感光体であり図示しない駆動源によって方向D3に回転する。48は帯電器であり感光体47の表面を所定の電位に帯電する。49は現像スリーブ(現像手段)、50は薄層化ブレードである。現像スリーブ49は内部に複数の磁極が形成されたマグロール51を有している。薄層化ブレード50によって、現像スリーブ49の表面に供給される現像剤45の層厚が規制されると共に、現像スリーブ49は図示しない駆動源によって方向D4に回転し、この回転およびマグロール51の磁極の作用によって現像剤45は現像スリーブ49の表面に供給され、感光体47に転写されなかった現像剤は現像ステーション41の内部に回収される。
【0035】
52は露光ヘッド(露光手段)である。本実施の形態における露光ヘッドは、有機EL素子(発光素子)を相互に千鳥状に配置して2つの素子列を構成したもので、これらの素子列の何れかあるいは両方を使用することにより、感光体上に最大A4サイズの静電潜像を形成する。この静電潜像部分に現像スリーブ49の表面に供給された現像剤45のうちトナーのみが付着し、静電潜像が顕画化される。
【0036】
53は露光ヘッド52を支持する支持部材である。54はフォトセンサ等で構成された受光センサ(検出手段)であり、露光ヘッド52から照射され、感光体47の表面で反射された光が直接入射する角度に配設されている。受光センサ54の光が入射する面には、図示しない散乱板が配設されており、例えば感光体47の偏芯等によって、光の入射位置が多少変化しても、受光光量が大きく変化しないようになっている。また受光センサ54は受光光量に対して出力電流がリニアに変化する特性を有するもので、受光センサ54の出力を参照することで、露光ヘッド52の所定範囲に配置された発光素子(有機EL素子)の全体的な発光光量を検出することができる。
【0037】
感光体47に対し記録紙搬送路44と対向する位置には転写ローラ55が設けられており、図示しない駆動源により方向D5に回転する。転写ローラ55には所定の転写バイアスが印加されており、感光体47上に形成されたトナー像を、記録紙搬送路44を搬送されてきた記録紙に転写する。
【0038】
以降、図1に戻って説明を続ける。
【0039】
56はトナーボトルであり、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナーが格納されている。トナーボトル56から各現像ステーション(41Y〜41K)には、図示しないトナー搬送用のパイプが配設され、現像ステーション(41Y〜41K)にトナーを供給する。
【0040】
57は給紙ローラであり、図示しない電磁クラッチを制御することで方向D1に回転し、給紙トレイ43に装填された記録紙42を記録紙搬送路44に送り出す。
【0041】
給紙ローラ57と最上流のイエロー現像ステーション41Yの転写部位との間に位置する記録紙搬送路44には、入口側のニップ搬送手段としてレジストローラ58、ピンチローラ59対が設けられている。レジストローラ58、ピンチローラ59対は、給紙ローラ57により搬送された記録紙42を一時的に停止させ、所定のタイミングでイエロー現像ステーション41Yの方向に搬送する。この一時停止によって記録紙42の先端がレジストローラ58、ピンチローラ59対の軸方向と平行に規制され、記録紙42の斜行を防止する。
【0042】
60は記録紙通過センサである。記録紙通過センサ60は反射型センサ(フォトリフレクタ)によって構成され、反射光の有無で記録紙の先端および後端を検出する。
【0043】
さて、レジストローラ58の回転を開始すると(図示しない電磁クラッチによって動力伝達を制御し、回転ON/OFFを行う)記録紙42は記録紙搬送路44に沿ってイエロー現像ステーション41Yの方向に搬送されるが、レジストローラ58の回転開始タイミングを起点として、各現像ステーション(41Y〜41K)に搭載した露光ヘッド(図2の符号52を参照)による静電潜像の書き込みタイミングが独立して制御される。
【0044】
最下流のブラック現像ステーション41Kの更に下流側に位置する記録紙搬送路44には出口側のニップ搬送手段として定着器62が設けられている。定着器62は加熱ローラ63と加圧ローラ64から構成されている。加熱ローラ63は表面から近い順に、発熱ベルト、ゴムローラ、芯材(共に図示せず)から構成されている多層構造のローラである。このうち発熱ベルトは更に3層構造を有するベルトであり、表面に近い方から離型層、シリコンゴム層、基材層(共に図示せず)から構成される。離型層は厚み約20〜30μmのフッ素樹脂からなり、加熱ローラ63に離型性を付与する。シリコンゴム層は約170μmのシリコンゴムで構成され、加圧ローラに適度な弾性を与える。基材層は鉄・ニッケル・クロム等の合金である磁性材料によって構成されている。
【0045】
65は励磁コイルが内包された背面コアである。背面コア65の内部には表面が絶縁された銅製の線材(図示せず)を所定本数束ねた励磁コイルを、加熱ローラ63の回転軸方向に延伸し、かつ加熱ローラ63の両端部において、加熱ローラ63の周方向に沿って周回して形成されている。励磁コイルに半共振型インバータである励磁回路(図示せず)から約30kHzの交流電流を印加すると、背面コア65と加熱ローラ63の基材層によって構成される磁路に磁束が生じる。この磁束によって加熱ローラ63の発熱ベルトの基材層に渦電流が形成され、基材層が発熱する。基材層で生じた熱はシリコンゴム層を経て離型層まで伝達され、加熱ローラ63の表面が発熱する。
【0046】
66は加熱ローラ63の温度検出手段として設けられているサーミスタ(Thermally Sensitive Resistor)である。サーミスタは金属酸化物を主原料とし、高温で焼結して得られるセラミック半導体であり、温度に応じて負荷抵抗が変化することを応用して、接触した対象物の温度を計測することができる。サーミスタ66の出力は図示しない制御装置に入力され、制御装置はサーミスタ66の出力に基づいて背面コア65内部の励磁コイルに出力する電力を制御し、加熱ローラ63の表面温度が約170℃となるよう制御する。
【0047】
この温度制御がなされた加熱ローラ63と加圧ローラ64によって形成されるニップ部に、トナー像が形成された記録紙42を通紙すると、記録紙42上のトナー像は、加熱ローラ63と加圧ローラ64によって加熱/加圧され、定着画像を得ることができる。
【0048】
67は記録紙後端検出センサであり、記録紙42の排出状況を監視するものである。71はトナー像検出センサである。トナー像検出センサ71は発光スペクトルの異なる複数の発光素子(共に可視光)と単一の受光素子を用いた反射型センサユニットであり、記録紙42の地肌と画像形成部分とで、画像色に応じて吸収スペクトルが異なることを利用して画像濃度を検出するものである。またトナー像検出センサ71は画像濃度のみならず、画像形成位置も検出できるため、本実施の形態における電子写真装置では、トナー像検出センサ71を装置の幅方向に2ヶ所設け、記録紙42上に形成した画像位置ずれ量検出パターンの検出位置に基づき、画像形成タイミングを制御している。
【0049】
72は記録紙搬送ドラムである。記録紙搬送ドラム72は表面を200μm程度の厚さのゴムで被覆した金属製ローラであり、定着後の記録紙42は記録紙搬送ドラムに沿って方向D2に搬送される。このとき記録紙42は記録紙搬送ドラム72によって冷却されると共に、画像形成面と逆方向に曲げられて搬送される。これによって高濃度な画像を記録紙全面に形成した場合などで発生するカールを大幅に軽減することができる。その後、記録紙42は蹴り出しローラ74によって方向D6に搬送され、排紙トレイ78に排出される。
【0050】
73はフェイスダウン排紙部である。フェイスダウン排紙部73は支持部材75を中心に回動可能に構成され、フェイスダウン排紙部73を開状態にすると、記録紙42は方向D7に排紙される。このフェイスダウン排紙部73は閉状態では記録紙搬送ドラム72と共に記録紙42の搬送をガイドするように、背面に搬送経路に沿ったリブ76が形成されている。
【0051】
77は駆動源であり本実施の形態ではステッピングモータを採用している。駆動源77によって、給紙ローラ57、レジストローラ58、ピンチローラ59、感光体(47Y〜47K)と転写ローラ(55Y〜55K)を含む各現像ステーション(41Y〜41K)の周辺部、定着器62、記録紙搬送ドラム72、蹴り出しローラ74の駆動を行っている。
【0052】
80はコントローラであり、外部のネットワークを介して図示しないコンピュータ等からの画像データを受信し、プリント可能な画像データを生成する。
【0053】
81はエンジン制御部である。エンジン制御部81は電子写真装置40のハードウェアやメカニズムを制御し、コントローラ80から転送された画像データに基いて記録紙42にカラー画像を形成すると共に、電子写真装置の制御全般を行っている。
【0054】
82は電源部である。電源部82は、駆動源77、コントローラ80、エンジン制御部81へ所定電圧の電力供給を行うと共に、定着器62の加熱ローラ63への電力供給を行っている。また感光体47表面の帯電、現像スリーブ(図2、符号49)に印加する現像バイアス、転写ローラ55に印加する転写バイアス等のいわゆる高圧電源は、この電源部に含まれている。
【0055】
また電源部82には電源監視部83が含まれ、少なくともエンジン制御部81に供給される電源電圧をモニタできるようになっている。このモニタ信号はエンジン制御部81において検出され、電源スイッチのオフや、停電等の際の電源電圧の低下を検出している。
【0056】
次に、露光ヘッドの構成について、図3を用いて説明する。
【0057】
図3に示すように、露光ヘッド52は、露光ヘッドを支持するヘッド支持部材53を有している。そして、露光ヘッド52は、基材84に実装されてヘッド支持部材53上に設けられた封止材85で気密封止された光源としての発光素子である有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)86と、基材84上に設けられて画像データに対応した電圧を有機EL素子86に給電してこれを発光させるドライバ87とからなる。さらに、基材84上には、有機EL素子8からの照射光を反射して光路を90°変換するプリズム88、プリズム88からの光を集光かつ伝送するファイバアレイ89、ファイバアレイ89からの光を副走査方向に絞り込むシリンドリカルレンズ90が搭載されている。
【0058】
そして、有機EL素子86は、前述のように、相互に千鳥状となった2つの素子列をなしている。これらの素子列は各列毎に発光可能となっており、双方の素子列を同時に駆動する解像度の高いモードつまり高解像度モードと、片方の素子列のみを駆動する解像度の低いモードつまり低解像度モードとが実現されるようになっている。なお、有機EL素子86で1つの素子列をなす構成となっていてもよい。
【0059】
次に、本実施の形態の電子写真装置におけるコントローラの構成と動作について、図4を用いて説明する。
【0060】
図4において、100はコンピュータである。コンピュータ100はネットワーク101経由でコントローラ80に画像データやプリントジョブ情報を転送する。102はネットワークインタフェースである。コントローラ80はネットワークインタフェース102を介して、コンピュータ100から転送されてきた画像データやプリントジョブ情報を受信したり、逆に電子写真装置のエラー状況などのいわゆるステータス情報をコンピュータ100に送信する。
【0061】
103はCPU(制御手段)であり、ROM104に格納されたプログラムに基きコントローラ80の動作を制御している。
【0062】
105はRAMであり、CPU103のワークエリアとして使用されると共に、ネットワークインタフェース102で受信された画像データやプリントジョブ情報、およびページ単位に展開されたプリント可能な画像データ等が、一時的に記憶される。
【0063】
106は画像処理部である。画像処理部106ではコンピュータ100から転送された画像データとプリントジョブ情報(共に一時的にRAM105に格納されている)に基き、ページ単位に画像処理(プリンタ言語からラスタデータへの変換処理、色補正、エッジ補正、スクリーン生成等)を行って印字に供する画像データを生成し、これを再度RAM105に格納する。
【0064】
107はプリンタインタフェースであり、RAM105に格納されたページ単位の画像データは、プリンタインタフェース107を介してエンジン制御部81に転送される。
【0065】
次に、エンジン制御部の構成と動作について、図5に図1を併用して説明する。
【0066】
図5において110はコントローラインタフェースである。コントローラインタフェース110は、コントローラ80から転送されるページ単位の画像データ、およびプリントモード情報を受信する。
【0067】
111はCPU(制御手段)であり、ROM112に格納されたプログラムに基きプリンタエンジンの動作を制御している。113はRAMであり、CPU111が動作する際のワークエリアとして使用される。114はEEPROM等の所謂書き換え可能な不揮発性メモリである。不揮発性メモリ114には、例えば電子写真装置の感光体47の回転時間、定着器62の動作時間等の寿命情報や、後に詳細に説明する発光素子の点灯累積値を格納する。115はシリアルインタフェースである。記録紙通紙センサ60や記録紙後端検出センサ67などのセンサ群からの情報、電源監視部83(電源電圧の低下を検出し、CPU111動作が停止する前に、露光ヘッドの各発光素子の点灯回数の累積値を不揮発性メモリ114に格納する。)の出力は、図示しないシリアル変換手段によって、所定の周期のシリアル信号に変換され、シリアルインタフェース115で受信される。シリアルインタフェース115で受信されたシリアル信号は、パラレル信号に変換された後にCPU111に読取られる。一方、給紙ローラ57、感光体(47Y〜47K)、定着器の加熱ローラ63、記録紙搬送ドラム72等を駆動する駆動源77の起動/停止や、給紙ローラ57およびレジストローラ58に対する駆動力伝達を制御する電磁クラッチ(図示せず)等のアクチュエータへの制御信号や、現像バイアス/転写バイアス/帯電電位などの高圧電源の電位設定のための制御信号などは、パラレル信号としてシリアルインタフェース115に送られる。シリアルインタフェース115では、このパラレル信号をシリアル信号に変換して、アクチュエータ群に出力する。本実施の形態では、高速に検出する必要のないセンサ入力やアクチュエータ制御信号の出力は、全てシリアルインタフェース115を介して行っている。
【0068】
一方、高速なサンプリングが要求される、トナー像検出センサ71(画像位置ずれ量検出パターンは10μm程度の検出分解能が必要である)からの入力はCPU111の入力端子に直接接続されている。さらに、受光センサ54のアナログレベル信号はCPU111が有するアナログ入力ポートに接続され、CPU111は受光センサ54の出力レベルを任意の時点で検出可能となっている。
【0069】
120Y,120M,120C,120Kは各印字色に対応した露光ヘッド(図2、符号52参照)の駆動を制御するヘッド制御部である。ヘッド制御部(120Y〜120K)には露光ヘッド52の露光タイミング制御と、露光ヘッド(52Y〜52K)に搭載された有機EL素子86の駆動電圧制御を行う機能が含まれている。121Y,121M,121C,121Kは数ライン分の容量を有するバッファメモリである。コントローラインタフェース110を介して転送された画像データは、各印字色毎に独立して設けられたバッファメモリ(121Y〜121K)に一時的に格納される。バッファメモリ(121Y〜121K)に格納された画像データは、図示しないDMA回路によって各印字色に対応した露光ヘッド(52Y〜52K)に転送される。なおバッファメモリ(121Y〜121K)はデュアルポートRAMで構成されており、図示しないパスを介してCPU111による読取りと書き込みが可能となっている。
【0070】
122Y,122M,122C,122Kはドライバであり、ヘッド制御部(120Y〜120K)から出力される制御信号と、バッファメモリ(121Y〜121K)から転送された画像データに基づいて、有機EL素子である発光素子(123Y〜123K)を駆動する。
【0071】
次に、図6を用いて露光ヘッド52の駆動について詳細に説明する。
【0072】
図6において、150はライン方向に直線状に配置された39個のドライバチップである。151はドライバチップ150単位に設けられた256ビットのシフトレジスタ、152はシフトレジスタ151に対応して配置された256ビットのラッチ、153はラッチ152の出力信号及びストローブ信号(STB)1〜13を受けて動作するゲート、154はゲート153の出力信号に基づいてON/OFFの状態をとるドライバトランジスタ、123はドライバトランジスタ154によって駆動される電流に基づいて発光する有機EL素子である。
【0073】
バッファメモリ121から出力された画像データ(DATA)は、クロック信号(CLK)に同期してシフトレジスタ151内部をビット単位に転送され、256ビット分の転送が完了すると隣接するシフトレジスタ151に出力される。すべてのシフトレジスタ151に画像データ(DATA)が送られると、ロード信号(LOAD)がラッチ152に入力され、シフトレジスタ151内の画像データ(DATA)は一括してラッチに保持される。
【0074】
画像データがラッチされると、ストローブ信号(STB)1〜13が順に出力され、既にラッチに保持されている画像データ(DATA)とストローブ信号(STB)1〜13は、ゲート153においてAND演算され、ストローブ信号(STB)1〜13が予め定められたロジック(例えばHigh状態)となると、ラッチされた画像データに従ってドライバトランジスタがON状態になって有機EL素子123に駆動電流が供給されて有機EL素子が点灯する。
【0075】
131は画素計数/最大値抽出部である。画素計数/最大値抽出部131はヘッド駆動タイミング生成部130が出力するクロック信号(CLK)および1ラインの先頭を示すライン同期信号(LSYNC)に基づき、バッファメモリ121から1ライン分の画像データを取り込み、各発光素子単位の点灯状態を検出し、画像データがON(即ち点灯状態)であればデュアルポートメモリ132(以降単にメモリ132と称する)に格納されている累積値(累積値も当然発光素子の数だけ準備されている)を更新する。
【0076】
さらに、画素計数/最大値抽出部131には、各発光素子のON状態を累積する毎に、全ての発光素子の累積回数のうち最大の値を更新する機能が搭載されいる。これによってCPU111は、例えば印刷ページ単位に各発光画素単位の累積点灯回数および、これら累積値のうちの最大値を抽出することが可能である。
【0077】
次にヘッド駆動電圧設定部133について説明する。ヘッド駆動電圧設定部133において、156はDAコンバータ、157はヘッド電源であり、CPU111からDAコンバータ156に値を設定することでドライバトランジスタ154全体に供給される電源電圧が決定される。158はドライバ電流設定部であり、各ドライバチップ150毎に独立して設けられている。ドライバ電流設定部158にはライン同期信号(LSYNC)とクロック信号(CLK)が入力されており、画像データの転送と同期して各ドライバチップ150単位に供給される電流値を設定できる構成となっている。
【0078】
ここで、CPU111による現像スリーブ49に対する印加電位の制御と感光体47に対する帯電電位の制御について説明する。
【0079】
図7(a)に示すように、電子写真装置においては、感光体47の露光部分の電位VLとこれよりも大きな現像スリーブ49の帯電電位VBとは電位ギャップG1を有し、現像スリーブ49の印加電位VBとこれよりも大きな感光体47の帯電電位VOとは電位ギャップG2を有している。また、負帯電のトナーが用いられる本実施の形態の電子写真装置では、これらの電位は何れも負となって電気力線は電位VLから電位VBに向かっており、負に帯電したトナーは現像スリーブ49(電位VB)から感光体47の露光部分(電位VL)に付着する。
【0080】
なお、本明細書において電位が大きいとは、本実施の形態のように感光体47および現像スリーブ49の電位が負の場合(負帯電のトナーを使用した場合)にはマイナス側に大きいことを、感光体47および現像スリーブ49の電位が正の場合(正帯電のトナーを使用した場合)にはプラス側に大きいことをいう。つまり、本明細書では、電位の大小は絶対値にて把握される。
【0081】
さて、露光ヘッド52の光量が低下すると、一様に帯電した感光体47の外周面に照射された露光光によっては十分に電荷を喪失させることができないので、感光体47の露光部分の電位VLは、光量低下前と比べて上昇する(図7(b),(c)参照)。すると、電位ギャップG1が小さくなって現像スリーブ49から感光体47の露光部分に向かうトナーの転写力が不足してしまう。
【0082】
そこで、本実施の形態では、CPU111はアナログポートに接続された受光センサ54の出力を監視し、露光ヘッド52の光量が低下したことを検出すると、図7(b)に示すように、CPU111は現像スリーブ49への印加電位を大きくしている。これにより、電位ギャップG1が従前のレベルに維持されるので、現像スリーブ49から感光体47の露光部分へのトナー転写力が低下することがなくなって低下した光量が補償され、有機EL素子の劣化を加速させることなく画像形成条件が一定に保たれることになる。
【0083】
さらに、受光センサ54によって露光ヘッド52の光量が低下したことが検出されると、図7(c)に示すように、CPU111は感光体47の帯電電位も大きくする。
【0084】
前述のように電位ギャップG1を維持するために現像スリーブ49への印加電位VBを大きくすると、現像スリーブ49の電位VBと感光体の帯電電位VOの電位ギャップG2が小さくなる。すると、現像スリーブ49から感光体47の露光部分以外に付着したトナーの現像スリーブ49への回収力が不足して、現像された画像の白地部分へトナーが転写されてしまう。そこで、現像スリーブ49への印加電位を大きくすれば電位ギャップG2も従前のレベルに維持されるので、感光体47の露光されていない部分に付着したトナーは確実に現像スリーブ49へ回収されるようになり、白地部分へのトナー転写がなくなる。
【0085】
なお、前述した場合には、露光ヘッド52の光量が低下したならば、CPU111により直ちに現像スリーブ49および感光体47の電位が大きくなるようになっているが、光量が低下したならば先ず有機EL素子86の発光光量が一定になるように、前述したヘッド駆動電圧設定部133の設定を変更し、駆動電流を増加させて画像形成条件を一定に保つようにし、その後、有機EL素子86の駆動電流があらかじめ設定された上限値(たとえば、素子の劣化速度が緩やかな範囲の上限値)になったならば、電位を大きくするようにしてもよい。
【0086】
ここで、CPU111は、現像スリーブ49への印加電位および感光体47の帯電電位が所定電位以上になったならば、ストローブ信号(STB)1〜13が出力される期間を長くして有機EL素子123の点灯時間つまり露光時間を延長してもよい。露光時間の延長により1ライン形成周期の中で低下した光量を補償することができるので、有機EL素子の劣化を加速させることなく画像形成条件が一定に保たれる。
【0087】
なお、露光期間は、印字速度(つまり、感光体の周速度)に応じて規定されたライン形成周期内の予め定められた最大露光時間の範囲内で延長することができる。したがって、印字速度を遅くすればライン形成周期が長くなるので最大露光時間は長くなるので、所定の印字速度における露光時間が最大露光時間を超えるようになったならば、印字速度を遅くしてライン形成周期を延ばし、最大露光時間を長くすることにより、露光時間をさらに延長することができる。印字速度が低下した後は、光量検出結果に基づいて、この新たに確保できた最大露光時間までの分を使って露光期間を伸ばしていく。
【0088】
なお、印字速度の低下による感光体47の方向D3に回転する周速度Vo2は、有機EL素子86の初期光量をL1、低下した光量をL2、初期光量時の周速度をVo1とすると、
Vo2=(L2/L1)×Vo1
となるように制御する。
【0089】
このとき、CPU111は、このように感光体47の周速度を低速に制御したならば、現像スリーブ49の周速度も低速に制御する。すなわち、現像スリーブ49の周速度Vs2は、本実施の形態において、初期光量時の現像スリーブ49の周速度をVs1とすると、
Vs2=(L2/L1)×Vs1
となるように、つまり感光体47と現像スリーブ49との周速度の比が一定となるように制御する。
【0090】
一般に現像スリーブ49の周速度(回転速度)は、感光体47の周速度(回転速度)より速く、1.1〜1.5程度の間で設定されている。これは、両者の周速度に差を設けることで、所定の現像濃度が確保されるからである。よって、感光体47と現像スリーブ49の周速度比は印字速度を遅くした場合でも常に一定に保たれるようになる。速度比を一定にする理由は、感光体47の単位面積当たりに供給されるトナー量を一定にし、速度変化による濃度変動を抑制するためである。
【0091】
ここで、印字速度を低下するということは、製品の初期スペックが損なわれた状態になっているということである。したがって、印字速度を低下するのはあくまでも暫定的な措置である。よって、感光体47が所定の周速度以下になったならば、操作パネル等に配置された表示装置(報知手段)に、光源である有機EL素子が寿命に到達したことを警告するメッセージを出力したり警告灯を点灯したりして、ユーザに露光ヘッドの交換を促すようにするのがよい。また、CPU111は制御の結果として感光体47が所定の周速度以下になるようであれば印字動作を禁止するようにしてもよい。
【0092】
なお、光源の近傍に配置された受光センサ54は、前述のように、露光ヘッド52の有機EL素子86から照射されて感光体47の表面で反射された光を検出するようになっている(図2参照)。このようにすれば、感光体47からの反射光を利用することで、露光ヘッド52の画素数は、印字に必要な最小限のドット数で足りるようになる。また、感光体47側にセンサを配置する必要がないため、装置サイズを小さくすることができる。
【0093】
次に、各ドライバチップ150に対応して設けられたドライバ電流設定部158における光量ばらつきを補正する手段、つまり有機EL素子86の相互間の光量劣化を均一化する手段について、図8に図6を併用して説明する。
【0094】
図8において160は補正データ設定部、161は補正データメモリである。補正データメモリ161に格納されるデータは、予め露光ヘッド毎に光量を計測して求めたものであり、ROM112(図5参照)に格納されている。この補正用データは、電源投入時などに既に説明したシリアルインタフェース115を介してCPU111から転送される。
【0095】
補正データ設定部160はヘッド駆動タイミング設定部130から出力されるクロック信号(CLK)とライン同期信号(LSYNC)に基づき、補正データメモリ161から4ビットの補正データを取りだし、DAコンバータ162に出力する。DAコンバータ162は4個のスイッチング素子163と各スイッチング素子163に直列に接続された抵抗体164とで構成され、補正データ設定部160の出力に応じて、4個のスイッチング素子がON/OFFする。各抵抗体164はその両端に等しい電圧が印加された場合、i_1、i_1×2、i_1×4、i_1×8の電流値が流れるように形成されており、スイッチング状況に応じてドライバトランジスタ154には、i_0からi_0+i_1×15の電流が流れることになる。すなわち、ここでは、ドライバトランジスタ154に供給する電流値を16段階で制御することができる。
【0096】
さて、本実施の形態では、各ドライバチップ150には256個のドライバトランジスタ154が搭載されているが、画像形成に際しては、画像データ側にマスクを施すことで、256個のドライバトランジスタ154を実質的に4つのグループに分割し、特定のタイミングに応じて64個を選択してON/OFF制御する。例えば、第1グループでは0−63番目以外の画像データを非印字とし、第2グループでは64−127番目以外、第3グループでは128−191以外、第4群では192−255番目以外の画像データをマスクして非印字データとする。マスクによって画像データ側の特定部分を強制的に非印字データとすることで、実質的にドライバチップ150を時分割して駆動する。
【0097】
この時分割のタイミングに応じて、補正データ設定部160はDAコンバータ162に出力する4bitの補正データを変更し、結果的に64画素単位で光量のばらつきを補正している。そして、これにより有機EL素子86の相互間の光量劣化が均一化され、このような有機EL素子86により露光されて現像されたトナー像における印字品質の均一化が図れることになる。
【0098】
有機EL素子86の光量は、発光層の厚みに強く依存しているが、発光層は真空蒸着によって形成されており極めて均一な厚みを持つ。このため有機EL素子86を用いた露光ヘッドの光量分布は、スパイク状のピークを持たず比較的フラットな特性を有する(隣接する発光素子の光量はほぼ等しい、即ち隣接相関が非常に高い)。従って64画素を同一電流で駆動するような構成を採用しても十分な光量のばらつき補正を行うことができる。
【0099】
さて、前述したように、露光ヘッドの有機EL素子86の点灯回数は、画素計数/最大値抽出部131によってカウント、累積され、同時に各有機EL素子86のカウント値の最大値も保持されている。これらの値に従って最大値より小さなカウント値の有機EL素子86を選択して駆動(もちろん非印字状態において駆動する)することで、全ての素子の劣化状態を均一にすることができる。
【0100】
光量のばらつき補正を行った後に、このように劣化を均一化させることで、全ての素子の発光光量は均一かつ同様に劣化するため、受光センサ54で露光ヘッドの一部の素子からの光を検出することで、露光ヘッド全体の光量劣化を検出することが可能となる。
【0101】
ここで、以上においては、CPU111は受光センサ54により有機EL素子86の発光光量を検出するようにしているが、有機EL素子86の発光光量を予測する予測手段(図示せず)を設け、この予測手段による有機EL素子86の発光光量の減少予測に伴って感光体47の周速度を低速に制御するようにしてもよい。
【0102】
すなわち、有機EL素子86における投入時間に対する相対輝度の変化を示す図9のグラフにおいて、有機EL素子86(ここでは緑色光)の輝度は、100時間で初期比80%に、500時間で同55%にダウンしている。
【0103】
そこで、このような有機EL素子86の点灯時間と輝度変化との関係をテーブル化して装置内の不揮発性メモリに格納しておけば、あるいは光量劣化率を不揮発性メモリに格納しておけば、任意の累積点灯時間に対する発光光量を一意に定めることが、すなわち、光源である有機EL素子86の劣化の程度を予測することが可能になるからである。
【0104】
そして、有機EL素子86の発光光量を予測する予測手段を用いれば、光量計測用のフォトセンサ等の受光センサ54が不要になり、コストダウンを図ることができる。なお、有機EL素子86の発光光量の予測は、点灯時間ではなく、点灯回数をカウントしておき、回数で行うようにしてもよい。
【0105】
以上の説明においては、本発明をカラー電子写真装置に適用した場合について説明したが、たとえばブラックなど単色の電子写真装置に適用することもできる。また、カラー電子写真装置に適用した場合、現像色はイエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの4色に限定されるものではない。
【0106】
また、本実施の形態では有機EL素子を用いた露光ヘッドについて主に言及したが、点灯時間の累積と共に光量が劣化する素子(例えば蛍光管)を用いた露光ヘッドであれば、本発明を容易に適用できることは言うまでもない。
【0107】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、発光素子の発光光量の減少により感光体の露光部分の電位が上昇しても、現像手段への印加電位を大きくすることにより、感光体の露光部分と現像手段との電位ギャップが従前のレベルに保たれる。これにより、低下した光量を補償することができ、現像手段から感光体の露光部分へのトナー転写力が低下することがなくなるので、発光素子の劣化を加速させることなく画像形成条件を一定に保つことが可能になるという有効な効果が得られる。
【0108】
また、感光体の帯電電位を大きくすることにより、現像手段と帯電した感光体との電位ギャップも従前のレベルに保たれる。これにより、感光体の露光部分以外に付着したトナーは確実に現像手段へ回収されるようになり、現像画像の白地部分へのトナー転写がなくなるという有効な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態である電子写真装置の構成を示す概略図
【図2】図1の電子写真装置における現像ステーションを示す説明図
【図3】図1の電子写真装置における露光ヘッドの内部構造を示す説明図
【図4】図1の電子写真装置におけるコントローラの構成を示すブロック図
【図5】図1の電子写真装置におけるエンジン制御部の構成を示すブロック図
【図6】露光ヘッドおよびヘッド制御部の詳細な構成を示す回路図
【図7】電子写真装置における感光体の帯電電位と現像スリーブへの印加電位と感光体の露光部分の電位との関係を示す説明図
【図8】各ドライバチップに対応して設けられたドライバ電流設定部の詳細な構成を示すブロック図
【図9】有機EL素子における投入時間に対する相対輝度の変化を示すグラフ
【符号の説明】
47Y,47M,47C,47K 感光体
49 現像スリーブ(現像手段)
52 露光ヘッド(露光手段)
54 受光センサ(検出手段)
86 発光素子(有機EL素子)
111 CPU(制御手段)
123Y,123M,123C,123K 発光素子(有機EL素子)
Claims (12)
- 複数の発光素子が主走査方向に配列された光源を備えた露光手段と、
前記露光手段の露光光により静電潜像が形成される感光体と、
前記静電潜像にトナーを供給して前記感光体上にトナー像を形成する現像手段と、
前記発光素子の発光光量を検出する検出手段と、
前記検出手段の検出結果に基づき、前記発光素子の発光光量の減少に伴って、前記現像手段への印加電位の絶対値および前記感光体の帯電電位の絶対値を大きくする制御手段とを有することを特徴とする電子写真装置。 - 複数の発光素子が主走査方向に配列された光源を備えた露光手段と、
前記露光手段の露光光により静電潜像が形成される感光体と、
前記静電潜像にトナーを供給して前記感光体上にトナー像を形成する現像手段と、
前記発光素子の発光光量を予測する予測手段と、
前記予測手段による前記発光素子の発光光量の減少予測に伴って、前記現像手段への印加電位の絶対値および前記感光体の帯電電位の絶対値を大きくする制御手段とを有することを特徴とする電子写真装置。 - 前記予測手段は、前記各発光素子の点灯時間を累積することで、または点灯回数をカウントすることで前記発光素子の発光光量を予測することを特徴とする請求項2記載の電子写真装置。
- 前記制御手段は、前記発光素子の発光光量が一定になるように前記発光素子の駆動電流を増加させ、当該駆動電流があらかじめ設定された上限値になったならば前記発光素子の発光光量の減少または減少予測に伴って前記現像手段への印加電位の絶対値および前記感光体の帯電電位の絶対値を大きくすることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の電子写真装置。
- 前記制御手段は、前記現像手段への印加電位または前記現像手段への印加電位および前記感光体の帯電電位が所定電位以上になったならば、前記露光手段による露光時間を延長することを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の電子写真装置。
- 前記制御手段は、所定の印字速度における露光時間が最大露光時間を超える場合には、印字速度を遅くして露光時間をさらに延長することを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の電子写真装置。
- 前記感光体が所定の周速度以下になったならば前記光源が寿命に達したことを報知する報知手段を有することを特徴とする請求項6記載の電子写真装置。
- 前記制御手段は、前記感光体が所定の周速度以下になったならば印字動作を禁止することを特徴とする請求項6または7記載の電子写真装置。
- 前記検出手段は、前記光源の近傍に設置されたフォトセンサであることを特徴とする請求項1または4〜8の何れか一項に記載の電子写真装置。
- 前記フォトセンサは、前記感光体に照射された前記発光素子の反射光を受光することを特徴とする請求項9記載の電子写真装置。
- 複数の前記発光素子の相互間の光量劣化を均一にする手段を有することを特徴とする請求項1〜10の何れか一項に記載の電子写真装置。
- 前記発光素子は、有機EL素子であることを特徴とする請求項1〜11の何れか一項に記載の電子写真装置。
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JP2013250363A (ja) * | 2012-05-31 | 2013-12-12 | Sharp Corp | 画像形成装置 |
JP2017159635A (ja) * | 2016-03-11 | 2017-09-14 | コニカミノルタ株式会社 | 光書込み装置及び画像形成装置 |
-
2002
- 2002-12-09 JP JP2002356418A patent/JP2004188645A/ja active Pending
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