JP4099894B2 - 対象物乾燥装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、対象物乾燥装置の改良、特に、対象物を加熱して乾燥させる対象物乾燥装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在、音楽情報や映像情報が記録された光ディスクが普及している。また、コンピュータにおける情報記録媒体としても、データの書換可能な光磁気ディスクや光ディスクもしくはハードディスク等に代表される磁気ディスクが使用されている。ところで、このディスク基板においてその品質には高度なものが要求される。従ってディスク基板のそり、ディスク基板表面の突起もしくは穴等は、記録再生信号の欠陥の原因となるため、これらの欠陥が生じないようにディスク基板を製造する必要がある。
【0003】
特に、磁気ディスクの場合、図5に示すように、情報の記録再生を行う磁気ヘッドが、ディスク基板の表面から数十nm浮上して記録再生を行っている。従って、ディスク基板の表面上に1μm程度の異物が付着し、もしくは成形段階で突起物が形成された場合であっても、磁気ヘッドとディスク基板が衝突してしまい、情報の記録再生に支障をきたしてしまう。
ところで、磁気ディスクや光ディスク等のディスク基板はたとえば樹脂を射出成形することによって形成されている。また、ディスク基板に使用される樹脂は、ガスや水分を十分取り除いたものを使用して、水分等が気化してディスク基板表面における穴や凹部の発生を防止する必要がある。
【0004】
図6は従来の対象物乾燥装置の一例の構成図を示しており、図6を参照して従来の対象物乾燥装置1について説明する。なお、この対象物乾燥装置1はたとえばディスク成形装置の一部として使用されているものである。
図6の対象物乾燥装置1は、コンテナ2、ペレット搬送部3、対象物乾燥部4等を有している。コンテナ2は、成形品であるディスク基板DSの原料となる樹脂を所定の形状に加工した樹脂ペレットWを収容するものであって、ペレット搬送部3を介して対象物乾燥部4と接続されている。
【0005】
第1ペレット搬送部3はフィルタ3b、配管3c、バルブ3d等を有している。配管3cはコンテナ2と対象物乾燥部4を接続するものであって、配管3c内を樹脂ペレットWが移動する。配管3cにはフィルタ3bが配置されており、フィルタ3bは配管3c内に送られる空気のダスト(チリ)を除去するものである。また、配管3cにはバルブ3dが配置されていて、バルブ3dは対象物乾燥部4への樹脂ペレットWの供給を制御するとともに、対象物乾燥部4が真空引きされるとき、対象物乾燥部4内を密閉する機能を有している。
【0006】
図7は対象物乾燥部4の構成を示す図であり、図6と図7を参照して対象物乾燥部4について説明する。図6の対象物乾燥部4は、ペレット収容部4a、加熱ヒータ4b、真空ポンプ4c、吸引ブロワ4d等を有している。ペレット収容部4aは、コンテナ2から送られた樹脂ペレットWを収容するものである。加熱ヒータ4bは、ペレット収容部4aの外周面側に配置されていて、収容された樹脂ペレットWを加熱する機能を有している。また、図7のペレット収容部4a及び加熱ヒータ4bの外側には断熱材4gが設けられており、加熱ヒータ4bから発生された熱量を外部に漏らさないようにしている。
【0007】
図6のペレット収容部4aはバルブ4eを介して真空ポンプ4cと接続されており、真空ポンプ4cが作動するとペレット収容部4aが真空引きされて所定の気圧になる。また、ペレット収容部4aはバルブ4fを介して吸引ブロワ4dと接続されており、吸引ブロワ4dは配管3c内の空気を吸引することにより、配管3c内に配置されている樹脂ペレットWをペレット収容部4a内に供給する機能を有している。
【0008】
対象物乾燥装置1における対象物乾燥部4は、第2ペレット搬送部5を介してディスク成形部7と接続されており、真空乾燥された樹脂ペレットWは、第2ペレット搬送部5によりマシンホッパー6に送られ、マシンホッパー6から順次ディスク成形部7に送られる。なお、第2ペレット搬送部5はフィルタ5b、配管5c、バルブ5d等を有していて、樹脂ペレットWは配管5c内を吸引ブロワ6bの吸引による負圧で移動することで、対象物保温部4からマシンホッパー6に送られる。
【0009】
次に、図6と図7を参照して対象物乾燥装置1の動作例について説明する。
まず、図6のコンテナ2に樹脂ペレットWが収容されていて、各バルブ3d、4f、4e、5dが閉じた状態にある。そして、バルブ3d、4fが開くとともに吸引ブロワ4dが作動する。
すると、樹脂ペレットWが配管3c内を通って対象物保温部4に供給される。そして、対象物保温部4のペレット収容部4aに所定量の樹脂ペレットWが収容されたとき、バルブ3d、4fが閉められる。その後、バルブ4eが開かれるとともに真空ポンプ4cが作動して、ペレット収容部4a内の真空引きが行われる。なお、加熱ヒータ4bは常に設定温度で稼働している。この状態で、対象物保温部4が樹脂ペレットWを真空乾燥することにより、樹脂ペレットWが乾燥される。
【0010】
その後、真空ポンプ4cが停止してバルブ4eが閉じるとともに、バルブ5d、6aが開かれる。すると、樹脂ペレット5は第2ペレット搬送部5によりホッパー6に供給される。ホッパー6に供給された樹脂ペレットWは順次ディスク成形部7内に供給され、ディスク成形部は樹脂ペレットWを用いて成形品であるディスク基板DSを作製する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、図7に示す対象物乾燥部4を用いて樹脂ペレットWの加熱を用いると、収容されている樹脂ペレットW全体を一定温度まで加熱するのに長時間掛かってしまうという問題がある。
図8におけるペレット収容部4a内の各部位a〜eにおける温度変化を測定すると、図9に示すように、各部位a〜eにある樹脂ペレットWによって温度差が生じている。具体的には、図8において、加熱ヒータ4bの周辺の部位a、bの樹脂ペレットWはたとえば7時間加熱されると約100℃に達するのに対して、ペレット収容部4aの中心部付近の部位eにおいては、7時間加熱を行っても、85℃にしかならない。
【0012】
従って、ペレット収容部4a内の樹脂ペレットWの中には十分乾燥されないものが存在する場合がある。この十分乾燥されていない樹脂ペレットWが、ディスク成形部7に供給され射出成形されると、射出成形時に樹脂ペレットWに残っているガスや水分が気化して、ディスク基板表面に気泡が生じる場合がある。その気泡がディスク基板として成形した際に凹部欠陥が形成される原因となり、ディスク基板の品質を低下させてしまうという問題がある。
【0013】
上述した乾燥不良を防止するため、図10に示すような対象物乾燥部が提案されている。図10(A)の対象物乾燥部8は、ペレット収容部8a、加熱ヒータ8b、回転機構8c、真空ポンプ8eを有しており、対象物乾燥部8全体が矢印A方向に揺動することができる。回転機構8c、8cは、ペレット収容部8aの両端側にそれぞれ配置されており、ペレット収容部8aを矢印R1方向に回転可能に保持している。また、ペレット収容部8aには図示しない回転駆動部が接続されていて、回転駆動部が作動するとペレット収容部8aが回転する。
また、図10(B)に示すように、ペレット収容部8a内には羽根8dが形成されており、ペレット収容部8aが回転すると、羽根8dが樹脂ペレットWを撹拌して樹脂ペレットWが均一に加熱されることとなる。
【0014】
しかし、ペレット収容部8aが回転している際に、回転機構8cと樹脂ペレットWが擦れることによりダストが発生する場合があり、このダストはディスク基板として成形した際に凹部欠陥の原因となり、ディスク基板の品質が低下してしまうという問題がある。また、ペレット収容部8a内を真空にする際、回転機構8cから空気が入り込んでしまい、ペレット収容部8aの真空度は低いものとなってしまう。従って、樹脂ペレットWを所定の温度にするまで、時間が掛かってしまうという問題がある。
【0015】
そこで本発明は上記課題を解消し、対象物を均一に乾燥させることができるとともに、対象物の乾燥時間を短縮することができる対象物乾燥装置を提供することを目的としている。
【0016】
本発明の一つの観点によれば、対象物を収容して供給するための対象物供給部と、前記対象物供給部と接続されており、略垂直方向に向かって配置されて、供給された前記対象物を収容して乾燥処理するための複数のホッパーと、前記対象物を前記ホッパー内で流動させながら加熱するため、前記ホッパーに送り込む加熱された空気を発生させるための熱風発生部と、前記ホッパーと接続されており、前記ホッパーから送られてくる前記対象物を保温するための対象物保温部と、複数の前記ホッパーに収容される前記対象物の量を制御するため、複数の前記ホッパーの間に設けらた複数のバルブとを有する対象物乾燥部と、前記対象物乾燥部の上下にそれぞれ配置されている真空バルブを有しており、複数の前記ホッパー内を真空引きするための真空発生部と、を有し、前記バルブは、複数の前記ホッパー内の気圧をほぼ同一にするため、隙間が設けられていることを特徴とする対象物乾燥装置が提供される。
【0017】
請求項1の構成によれば、対象物供給部から送られた対象物は、ホッパー内で加熱された空気によって加熱される。このとき、対象物は加熱された空気の空気圧によりホッパー内を流動しながら加熱される。これにより、ホッパー内の対象物は流動することにより均一に加熱され、温度ムラの発生を防止して確実に対象物全体を加熱することとなる。
【0019】
さらに、請求項1の構成によれば、対象物を乾燥させるための対象物乾燥部は、鉛直方向に向かって形成されている複数のホッパーを有しており、各ホッパーに対象物が収容された状態で真空乾燥が行われる。従って、対象物を複数のホッパーに分けた状態で乾燥処理されるため、各ホッパーに収容する対象物の量が少なくて済むようになる。また、対象物がホッパー間を移動する際に、自由落下により移動することになるため、対象物を搬送するシステムが不要となるとともに、移動する際対象物が撹拌されることとなる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
なお、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。
【0021】
図1は本発明の対象物乾燥装置の好ましい実施の形態を示す構成図であり、図1を参照して対象物乾燥装置10について説明する。図1の対象物乾燥装置10は、たとえばディスク基板を製造するためのディスク成形部70と接続されているものであって、対象物供給部であるコンテナ11、対象物搬送部20、熱風発生部30、ホッパー40、対象物保温部60等を有している。
コンテナ11にはたとえばディスク基板の材料となる樹脂を所定の形状にした樹脂ペレット(対象物)Wが収容されていて、配管23と接続されている。
【0022】
対象物搬送部20は、フィルタ22、配管23等を有している。フィルタ22は配管23に設けられており、配管23内に取り込まれる空気のダストを除去するものである。
配管23はコンテナ11とホッパー40とを接続するものであって、樹脂ペレットWは配管23を通ってホッパー40に移動する。さらに、配管23にはバルブ24が設けられており、バルブ24の開閉により配管23内に取り込まれる空気の量が制御されて、コンテナ11から供給される樹脂ペレットWの量が制御される。
【0023】
熱風発生部30はフィルタ32、空気加熱部33、配管34等を有している。フィルタ32は、配管34に設けられていて、配管34内に取り込まれる空気のダストを除去するものである。
配管34には空気加熱部33が設けられており、空気加熱部33は配管34内に取り込まれた空気を所定の温度に加熱する機能を有している。また、配管34にはバルブ35が設けられており、バルブ35の開閉により取り込まれる空気の量が制御される。配管34は加熱された空気がホッパー40内に供給されるようにするため、配管23と接続されている。
【0024】
ホッパー40は、コンテナ11から送られた樹脂ペレットWを収容するものであって、配管23から樹脂ペレットW及び加熱された空気が供給される。配管23はたとえばホッパー40の下部と接続されており、ホッパー40の下側から樹脂ペレットW及び加熱された空気が送り込まれるようになっている。従って、樹脂ペレットWが下側から上側へと流動しながら加熱された空気により加熱されることとなり、樹脂ペレットWを均一に加熱することができる。
【0025】
また、ホッパー40は吸引ブロワ41と接続されている。吸引ブロワ41は配管23内の空気を吸引することにより、配管23内の樹脂ペレットWをホッパー40内に導くとともに、熱風発生部30から送り込まれる空気(加熱された空気)をホッパー40内から排出するものである。さらに、吸引ブロワ41は、ホッパー40内で加熱された空気が流動したとき、舞い上がった樹脂ペレットW内に含まれるダストを空気とともに吸引ブロワ41に吸引することになる。これにより、収容された樹脂ペレットWに含まれるダストを除去することができ、ダストによるディスク基板(成形品)の不良を防止することができる。
【0026】
ホッパー40の下側には配管51及びバルブ52を介して対象物保温部60が配置されている。図2は対象物保温部60の周辺部位を示す断面図であり、図2を参照してバルブ52について説明する。
図2(A)のバルブ52は弁体52a、アーム52bからなっていて、弁体52aはアーム52bによって保持されている。弁体52aはたとえば金属からなっていて、ペレット収容部61の開口部61aをふさぐように位置決めされている。弁体52aは駆動部53により矢印R10方向及び矢印Z方向に移動可能に設けられている。そして、バルブ52を開くときには、図2(B)に示すように弁体52aが矢印Z1方向に移動した後、図2(C)に示すように矢印R10方向に回転すると、穴61が開いた状態になる。従って、弁体52aは対象物保温部60に接触せずにバルブ52の開閉を行うことになる。
【0027】
また、図2(A)において、開口部61a付近にはガス発生部54が設けられていて、ガス発生部54は弁体52aの表面に対してたとえば窒素ガス等を噴射する。すなわち、弁体52aに樹脂ペレットWが付着した状態でバルブ52を閉めてしまうと、弁体52aの表面に圧痕がついてしまい、ペレット収容部61の真空度があがらなくなってしまう。従って、弁体52a表面に樹脂ペレットWが付着することを防止することにより、ペレット収容部61の真空度の低下を防止することができる。
【0028】
次に、図1と図2を参照して対象物保温部60について説明する。
図1の対象物保温部60は、ペレット収容部61、加熱部62等を有していて、ホッパー40の下側に配置されている。ペレット収容部61の外周面側には加熱部62が配置されており、加熱部62はたとえば加熱ヒータからなっていて、ペレット収容部61を所定の温度に加熱して、収容されている樹脂ペレットWを所定の温度に保つものである。また、ペレット収容部61は真空ポンプ63と接続されており、真空ポンプ63が作動すると対象物保温部60内が所定の気圧まで真空引きされる。また、図2(B)のペレット収容部61の上部には開口部61aが形成されており、開口部61aの周辺にはたとえばゴムからなる弁座61bが設けられている。そしてこの弁座61bと弁体52aによりペレット収容部61内が密封されることとなる。
【0029】
図1の対象物保温部60には対象物搬送部80が接続されており、対象物搬送部80は、対象物保温部60内の樹脂ペレットWをマシンホッパー71に送るものである。また、マシンホッパー71は熱風発生部90と接続されている。これにより、樹脂ペレットWが対象物保温部60からマシンホッパー71に送られる際、樹脂ペレットWの温度が変化しても調整できるため、適切な温度管理をおこなうことができる。なお、対象物搬送部80及び熱風発生部90は、対象物搬送部20及び熱風発生部30とほぼ同一の構造を有しているため、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0030】
図1及び図2を参照して対象物乾燥装置10の動作例について説明する。
まず、予め図1のコンテナ11に樹脂ペレットWが収容されていて、バルブ24、35は閉じた状態にしている。
そして、バルブ24が開かれ吸引ブロワ41が作動する。すると、コンテナ11内に収容されている樹脂ペレットWが吸引による負圧により配管23を通ってホッパー30内に搬送される。その後、樹脂ペレットWが所定量ホッパー40に搬送されると、バルブ24が閉じられ樹脂ペレットWの供給が終了する。
【0031】
次に、熱風発生部30が作動してホッパー40内に加熱された空気が送り込まれる。具体的には、まず、バルブ35が開かれ空気加熱部33が作動する。そして吸引ブロワ41により加熱された空気がホッパー40内に導かれて、ホッパー40の下側から送られる。
すると、樹脂ペレットWは加熱された空気によりホッパー40内を流動して所定の温度に加熱され、樹脂ペレットWに含まれている水分及びガスが除去される。このとき、樹脂ペレットWはホッパー40内を流動しながら加熱されるため、収容されている樹脂ペレットW全体が均一に加熱されることになる。
【0032】
また、樹脂ペレットWが配管23内を移動しているとき、配管23と樹脂ペレットWが衝突することにより樹脂の細かい微粉が発生する。このとき、樹脂ペレットWが流動することで微粉が舞い上がり、空気とともに吸引ブロワ41によって吸引される。この微粉は、たとえばディスク基板等の成形品の品質、すなわち、樹脂の溶融ムラによるやけ等の発生に大きく影響するものであり、この微粉を除去することで成形品の品質の向上を図ることができる。
【0033】
ホッパー40内で所定の時間だけ加熱が行われて、樹脂ペレットWの温度が規定温度になると、空気加熱部33及び吸引ブロワ41の作動が停止するとともに、バルブ35が閉じられる。
その後、バルブ52が開かれ、樹脂ペレットWがホッパー40から対象物保温部60へと自然落下により送られる。そして、バルブ52が閉められて加熱部61及び真空ポンプ62が作動し、樹脂ペレットWが所定の温度に保たれる。このとき、対象物保温部60は樹脂ペレットWを所定の温度まで加熱するものではなく、ホッパー40で加熱された樹脂ペレットWの温度を保つための保温機能としての機能を発揮する。
その後、バルブ64が開かれて、対象物搬送部80により樹脂ペレットWが対象物搬送部80によりマシンホッパー71に送られ、自然落下によりディスク成形部70に供給される。
【0034】
図1の対象物乾燥装置10によれば、樹脂ペレットWはホッパー40内において加熱された空気により流動しながら加熱されるため、樹脂ペレットWが均一に加熱されることになる。すなわち、対象物保温部60は加熱された樹脂ペレットWを保温する機能のみを発揮し、所定の温度まで加熱することはホッパー40内で行われる。従って、すべての樹脂ペレットWが所定の温度に到達するまでの時間を短縮することができる。また、樹脂ペレットWは流動しながら加熱されるため、微粉がホッパー40内に舞い上がり吸引ブロワ41によって空気とともに吸引されるため、微粉による成形品であるディスク基板の品質劣化を防止することができる。
【0035】
図3は本発明の対象物乾燥装置の別の実施の形態を示す構成図であり、図3を参照して対象物乾燥装置100について説明する。
図3の対象物乾燥装置100は、対象物供給部であるコンテナ111、ホッパー40、対象物乾燥部120、吸引ブロワ200等を有していて、コンテナ111には樹脂ペレットWが収容されている。また、コンテナ111には、図示しない対象物搬送部20及び熱風発生部30を介してホッパー40と接続されており、ホッパー40は吸引ブロワ200と接続されている。吸引ブロワ200はコンテナ111に接続されている配管内の空気を吸引することにより、コンテナ111に収容されている樹脂ペレットWをホッパー40内に供給するとともに、熱風発生部30から送られる加熱空気を排出する機能を有している。そして、ホッパー40の鉛直下側(矢印Z方向)には、バルブ121を介して対象物乾燥部120が配置されている。
【0036】
図3の対象物乾燥部120は、複数のホッパー及びバルブを有しており、図3にはたとえば4つのホッパー130、140、150、160及び3つのバルブ131、141、151等を有している。
4つのホッパー130、140、150、160は、それぞれ加熱部180及び真空ポンプ190と接続されている。加熱部180はホッパー130、140、150、160を所定の温度まで加熱するものである。また、真空ポンプ190は、各ホッパー130、140、150、160内を真空引きして、樹脂ペレットWを効率的に加熱するものである。
各ホッパー130、140、150、160の間にはそれぞれバルブ131、141、151が設けられていて、バルブ131、141、151の開閉によりそれぞれ各ホッパー140、150、160に収容される樹脂ペレットWの量を制御する。
【0037】
ホッパー130の上側及びホッパー160の下側には真空バルブ181、182がそれぞれ配置されている。真空バルブ181、182は、各ホッパー130、140、150、160内を密閉するものである。真空バルブ181の上側には対象物乾燥部120に供給する樹脂ペレットWの量を制御するためのバルブ121が配置されている。真空バルブ181の上にバルブ121を設けることで、真空バルブ181に樹脂ペレットWが付着しないようにしている。
【0038】
図4はホッパー130の周辺部位を示す図であり、図4を参照してバルブ131について説明する。なお、4つのバルブ121、131、141、151はほぼ同一の構造を有している。
図4(A)、(B)のバルブ131はいわゆるバタフライバルブと呼ばれるものであって、弁体131aが軸131bを中心に矢印R20方向に回転する機構を有している。弁体131aとホッパー131の間には隙間dが形成されており、この隙間dを介して真空発生部190からホッパー131内の真空引きが行われる。これにより、各ホッパー130、140、150、160の気圧がそれぞれ同一のものとなり、各ホッパー130、140、150、160における樹脂ペレットWの乾燥度が同一となる。
【0039】
図3と図4を参照して対象物乾燥装置100の動作例について説明する。
まず、図3の吸引ブロワ200が作動して、コンテナ111から樹脂ペレットWがホッパー40に供給され、熱風発生部30から送られる加熱空気で所定温度まで加熱される。このとき、バルブ121、131、141、151のすべてが閉じられている。
加熱終了後、バルブ121及び真空バルブ181が開き、ホッパー130に樹脂ペレットWが自由落下により供給される。そして、バルブ121、181が閉じ、真空発生部190が作動して対象物加熱部120内の真空引きを行う。真空引きを行うとき、各バルブ131、141、151と各ホッパー130、140、150の間には隙間dが設けられているため、各ホッパーの真空度はほぼ同一に設定されることになる。
【0040】
所定時間経過後、対象物加熱部120の真空状態を解除するため、真空発生部190が停止し、バルブ131が開き、ホッパー130内の樹脂ペレットWが自由落下によりホッパー140に供給される。
その後、バルブ131が閉まり新たな樹脂ペレットWを加熱するために、吸引ブロワ200が作動しコンテナ111から樹脂ペレットがホッパー40内に供給され所定温度まで加熱される。
【0041】
その後、バルブ121、181が開いて、空になっているホッパー130に樹脂ペレットWが供給される。そして、バルブ121、181が閉まり、対象物乾燥部120内の真空引きを行う。
この工程を順次繰り替えることで、ホッパー間を樹脂ペレットWが乾燥されながら段落とし的に進み、常に同じ品質で乾燥された樹脂ペレットWのみがディスク成形部70に送られる。
【0042】
図3及び図4の対象物乾燥装置100によれば、対象物乾燥部120を複数のホッパー130、140、150、160から構成するようにしているため、各ホッパー130、140、150、160の大きさを小さくすることができる。従って、ホッパー内外の温度管理が容易になり、正確に樹脂ペレットWを所定の温度まで加熱することができる。
また、樹脂ペレットWは、各ホッパー130、140、150、160を自由落下により移動する際、撹拌されることになるので、樹脂ペレットW全体が均一に加熱されることになる。また、樹脂ペレットWは各ホッパー130、140、150、160に対して自由落下により供給されるため、コンテナ111から各ホッパー130、140、150、160間に樹脂ペレットWを搬送するシステムが不要となり、装置の簡略化を図ることができる。
【0043】
なお、本発明の実施の形態は、上記実施の形態に限定されない。
たとえば、図1乃至図4において、対象物を樹脂ペレットWの場合について言及しているが、たとえば石灰、薬品、各種金属粉末等における乾燥装置として用いても良い。また、図1乃至図4において、成形品としてディスク基板を製造する場合について説明しているが、射出成形や金型により作製されるプラスチック製品を製造する際に、この対象物乾燥装置10、100を用いてもかまわない。さらに、図3において対象物乾燥部120のホッパーはたとえば4つ設けられているが、少なくとも2つ以上設けられていればよい。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、対象物を均一に乾燥させることができるとともに、対象物の乾燥時間を短縮することができる対象物乾燥装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の対象物乾燥装置の好ましい実施の形態を示す構成図。
【図2】本発明の対象物乾燥装置における対象物乾燥部の周辺部位を示す図。
【図3】本発明の対象物乾燥装置の別の実施の形態を示す構成図。
【図4】本発明の対象物乾燥装置におけるホッパーの周辺部位を示す図。
【図5】一般的な磁気ディスク装置における記録再生時の磁気ヘッドとディスク基板の様子を示す図。
【図6】従来の対象物乾燥装置の一例を示す図。
【図7】従来の対象物乾燥装置における対象物保温部を示す図。
【図8】従来の対象物乾燥装置における対象物保温部の加熱ヒータ周辺を示す図。
【図9】図8における対象物保温部内の各部位における温度変化を示すグラフ図。
【図10】従来の対象物乾燥装置における対象物保温部の別の実施の形態を示す図。
【符号の説明】
10、100・・・対象物乾燥装置、11・・・コンテナ(対象物供給部)20・・・対象物搬送部、21・・・送風部、23・・・配管、30・・・対象物加熱部、30a・・・熱風発生部、40・・・ホッパー、50・・・バルブ、60・・・対象物保温部、W・・・樹脂ペレット(対象物)。
Claims (1)
- 対象物を収容して供給するための対象物供給部と、
前記対象物供給部と接続されており、略垂直方向に向かって配置されて、供給された前記対象物を収容して乾燥処理するための複数のホッパーと、
前記対象物を前記ホッパー内で流動させながら加熱するため、前記ホッパーに送り込む加熱された空気を発生させるための熱風発生部と、
前記ホッパーと接続されており、前記ホッパーから送られてくる前記対象物を保温するための対象物保温部と、
複数の前記ホッパーに収容される前記対象物の量を制御するため、複数の前記ホッパーの間に設けらた複数のバルブとを有する対象物乾燥部と、
前記対象物乾燥部の上下にそれぞれ配置されている真空バルブを有しており、複数の前記ホッパー内を真空引きするための真空発生部と、
を有し、前記バルブは、複数の前記ホッパー内の気圧をほぼ同一にするため、隙間が設けられている
ことを特徴とする対象物乾燥装置。
Priority Applications (1)
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