JP3958445B2 - 情報記録用プラスチック成形物の冷却装置および情報記録用プラスチック成形物の冷却方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラスチック成形機によって成形された情報記録用プラスチック成形物を冷却するための冷却装置およびその冷却方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、コンパクトディスクに代表される光学的記録ディスクなどの情報記録用プラスチック成形物は、射出成形機などのプラスチック成形機によって製造されている。
【0003】
この種の光学的記録ディスクの製造は、まず、射出成形機によって円盤形状の光学的記録ディスクを成形し、次いで、成形された光学的記録ディスクを、取出装置によって取り出し、これを、円形の凹部が形成された回転プレートの凹部に受け入れて、この回転プレートを回転させながら、光学的記録ディスクを放置した状態で所定の時間冷却した後、積み重ねて収納するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、射出成形後、光学的記録ディスクを直ちに取り出すと、成形時の余熱と外気の接触とによって光学的記録ディスクに内部応力が発生することがある。このような内部応力が生ずると、ピットにひけを生じて、成形時に記録された情報をそのまま正確に保つことができず、電気的特性が低下するという不具合がある。また、内部応力が発生すると、複屈折も生じるので、このような複屈性が生じている部分については、レーザなどで正確に読み取ることができず、そのため、光学的特性が低下するという不具合を生ずる。一方、射出成形後、金型内で十分に徐冷すれば、内部応力の発生を防止することはできるが、成形サイクルが長くなり、生産性が低下するという不具合を生じる。
【0005】
本発明は、上記した課題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、簡易な構成によって、電気的特性および光学的特性に優れる情報記録用プラスチック成形物を、生産性良く製造するために使用し得る、情報記録用プラスチック成形物の冷却装置および情報記録用プラスチック成形物の冷却方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、プラスチック成形機によって成形された情報記録用プラスチック成形物を冷却するための冷却装置であって、成形直後の情報記録用プラスチック成形物に冷却媒体を送風し得る送風手段を備え、前記送風手段は、温度分布が均一でない成形直後の情報記録用プラスチック成形物の高温部分と低温部分とにおいて、高温部分に冷却媒体をより多く送風するように構成されていることを特徴としている。
【0007】
このような構成によると、送風手段によって、温度分布の均一でない成形直後の情報記録用プラスチック成形物の高温部分に、低温部分よりも多くの冷却媒体が送風されるので、この情報記録用プラスチック成形物は、高温部分が低温部分よりも積極底に冷却されて、温度分布が均一な状態となる。
【0008】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記送風手段は、情報記録用プラスチック成形物の高温部分に向かって冷却媒体を吹き付けるように構成されていることを特徴としている。
【0009】
このような構成によると、送風手段によって、温度分布の均一でない成形直後の情報記録用プラスチック成形物の高温部分に、冷却媒体が吹き付けられる。
そのため、高温部分が低温部分よりも、より積極底に冷却されて、成形直後の情報記録用プラスチック成形物の温度分布をより迅速かつ効果的に均一な状態とすることができる。
【0010】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、情報記録用プラスチック成形物がディスク形状をなし、前記送風手段は、ディスク形状の中心部分に冷却媒体をより多く送風するように構成されていることを特徴としている。
【0011】
このような構成によると、ディスク形状の情報記録用プラスチック成形物の中心部分に、その周辺部分よりも多くの冷却媒体が送風されるので、高温部分である中心部分が低温部分である周辺部分よりも積極底に冷却されて、温度分布が均一な状態となる。
【0012】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の発明において、前記送風手段によって冷却媒体が送風された情報記録用プラスチック成形物を、放置した状態においてさらに所定の時間冷却するための放冷手段と、この放冷手段によって冷却された情報記録用プラスチック成形物を収納するための収納手段とをさらに備えていることを特徴としている。
【0013】
このような構成によると、情報記録用プラスチック成形物は、プラスチック成形機によって成形された後に、送風手段によって温度分布が均一となるように冷却され、その後、放冷手段によって、放置された状態においてさらに所定の時間冷却された後、放冷手段に収納される。
【0014】
また、請求項5に記載の発明は、プラスチック成形機によって成形された情報記録用プラスチック成形物を冷却するための冷却方法であって、成形直後の情報記録用プラスチック成形物に冷却媒体を送風し得る送風手段を使用して、温度分布が均一でない成形直後の情報記録用プラスチック成形物の高温部分と低温部分とにおいて、高温部分に冷却媒体をより多く送風することを特徴としている。
【0015】
このような冷却方法によると、送風手段を使用して、温度分布の均一でない成形直後の情報記録用プラスチック成形物の高温部分に、低温部分よりも多くの冷却媒体を送風するので、情報記録用プラスチック成形物の高温部分を低温部分よりも積極底に冷却することができ、そのため温度分布を均一な状態とすることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の冷却装置の一実施形態が備えられている情報記録用プラスチック成形物の製造設備の一実施形態を示す要部平面図、図2は、図1の要部側面図である。
【0017】
図1および図2に示すように、この情報記録用プラスチック成形物の製造設備は、情報記録用プラスチック成形物としての光学的記録ディスク1を成形するためのプラスチック成形機としての射出成形機2と、この射出成形機2によって成形された光学的記録ディスク1を冷却するための冷却装置3とを備えている。
【0018】
なお、図1および図2には現れていないが、本実施形態の製造設備では、その設備全体にわたって、成形された光学的記録ディスク1が放置状態においても冷却できるような温度に空調されている。また、光学的記録ディスク1とは、情報の記録および/または読み取りが光学的に行なうことができるように、所定の情報が記録されている記録ディスクを言い、コンパクトディスク(CD)がその代表であるが、その他、たとえば、DVD、CDR、MD、LDなどその種類を問わない。
【0019】
射出成形機2は、その支持台7上に、プラスチック原料を溶融して射出するための射出装置4と、射出されたプラスチック原料を円盤形状に成形するための金型5と、その金型5から光学的記録ディスク1を取り出すための取出装置6とを備えている。図示しないホッパーから供給されたプラスチック原料は、射出装置4内において溶融された後に金型5内に射出される。プラスチック原料が射出された金型5は、その圧力が一定時間保持され、続いて所定の冷却時間をおいた後に開放され、これによって、成形された円盤形状の光学的記録ディスク1が取り出し可能な状態とされる。なお、生産性を向上させるべく、金型5の開放は、光学的記録ディスク1が未だ完全に冷却されきっていない状態で行なわれる。また、プラスチック原料は、その種類の如何を問わないが、たとえば、メタクリル樹脂やポリカーボネート樹脂が使用される。
【0020】
取出装置6は、金型5の開放位置に隣接して配置され、支持台7から立設する支柱8と、この支柱8に、この支柱8の長さ方向においてスライド移動可能な状態で取り付けられる取付部材9と、この取付部材9に設けられる揺動駆動部材10と、この揺動駆動部材10に揺動可能に支持される揺動アーム11とを備えている。揺動アーム11の一端は、揺動駆動部材10に回転可能に設けられる枢支軸12に取り付けられており、その他端には、光学的記録ディスク1を吸引することによって保持し得る保持具13が取り付けられている。そして、この揺動アーム11は、揺動駆動部材10の駆動による枢支軸12の回転によって、開放された金型5から成形された光学的記録ディスク1を取り出すための取出位置と、次に述べる送風装置14によって光学的記録ディスク1を冷却するための冷却位置とに移動可能(揺動可能)とされる。これによって、金型5が開放された時には、揺動アーム11が取出位置に揺動されるとともに、その取出位置において保持具13が吸引して光学的記録ディスク1を保持し、次いで、揺動アーム11が、冷却位置に揺動されることによって光学的記録ディスク1の取り出しが行なわれる。
【0021】
冷却装置3は、射出成形機2に隣接して配置され、その支持台18上に、光学的記録ディスク1に冷却媒体としての空気を送風するための送風手段としての送風装置14と、この送風装置14によって空気が送風された光学的記録ディスク1を、放置した状態においてさらに所定の時間冷却するための放冷手段としての放冷装置15と、この放冷装置15によって冷却された光学的記録ディスク1を収納するための収納手段としての収納装置16と、送風装置14によって空気が送風された光学的記録ディスク1を、放冷装置15に搬送するための搬送手段としての搬送装置17とを備えている。
【0022】
送風装置14は、冷却位置において保持される光学的記録ディスク1を挟んで対向するように2つ配置されており、各送風装置14は、支持台18から立設する支柱19と、この支柱19に、この支柱19の長さ方向においてスライド移動可能な状態で取り付けられる取付部材20と、この取付部材20に設けられ、冷却位置において保持される光学的記録ディスク1とほぼ平行に配置されるノズルプレート21と、このノズルプレート21に設けられる複数(4個)のエアノズル22とを備えている。
【0023】
各エアノズル22は、ノズルプレート21上において、対向する光学的記録ディスク1の投影面の外側において四方対角状に配置されており、光学的記録ディスク1の中心部分に向かって空気を吹き付けることができるように、角度変更可能とされている。そして、その吹出口(図3において符号23で示されている。)が光学的記録ディスク1の中心部分に向かうような状態で固定されている。
【0024】
そして、金型5から取り出された光学的記録ディスク1が取出装置6の揺動アーム11の揺動によって冷却位置に位置された状態において、この2つの送風装置14の複数のエアノズル22から、光学的記録ディスク1の中心部分に向かって空気が吹き付けられ、これによって、光学的記録ディスク1の中心部分が冷却される。
【0025】
さらに詳述すると、金型5から取り出される光学的記録ディスク1は、その金型5の開放とともに、成形時の余熱と外気の接触とによって、温度分布が均一でない状態が形成される。すなわち、円盤状の光学的記録ディスク1では、中心部分の温度が高くなり、その中心部分から径方向外方にいくに従って温度が低くなるような状態、つまり、中心部分が高温部分となり、その周辺部分が低温部分となるような温度分布が形成される。したがって、図3に示すように、この高温部分である中心部分に向けて空気を吹き付けることによって、つまり、高温部分である中心部分に、その低温部分である周辺部分よりも多くの空気を送風することによって、高温部分を低温部分よりも積極底に冷却して、温度分布を迅速かつ効果的に均一な状態とする。
【0026】
なお、図3において、矢印24は、吹き付けられた空気の流れを示している。この矢印24が示すように、光学的記録ディスク1の中心部分に吹き付けられた空気は、中心部分に当たってから、その中心部分から径方向外方に次第に拡散していくように流れる。このような空気の流れによって、高温部分である中心部分が積極的に冷却されるのみならず、低温部分である周辺部分も、中心部分に当たって拡散される空気により徐々に冷却される。
【0027】
搬送装置17は、送風装置14に隣接して配置され、支持台18から立設する支柱25と、この支柱25に、この支柱25の長さ方向においてスライド移動可能な状態で取り付けられる取付部材26と、この取付部材26に設けられる揺動駆動部材27と、この揺動駆動部材27に揺動可能に支持される揺動アーム28とを備えている。揺動アーム28の一端は、揺動駆動部材27に回転可能に設けられる枢支軸29に取り付けられており、その他端には、光学的記録ディスク1を吸引することによって保持し得る保持具30が取り付けられている。また、この揺動アーム28には、その長さ方向途中に、保持具30が取り付けられている先端側を軸心周りに回動可能とするための回転結合部材31が設けられている。そして、この揺動アーム28は、揺動駆動部材27の駆動による枢支軸29の回転によって、冷却位置と、放冷装置15が受け取り可能な受取位置とに移動可能(揺動可能)とされる。
【0028】
これによって、光学的記録ディスク1が冷却位置に位置した時に、揺動アーム28が冷却位置に揺動されるとともに、その冷却位置において保持具30が吸引して光学的記録ディスク1を保持し、次いで、揺動アーム28が、受取位置に揺動されるとともに、回転結合部材31の回転駆動によって、受取位置において光学的記録ディスク1が水平方向に保持されるような状態とし、この状態から保持具30の吸引を解除させて放冷装置15上に光学的記録ディスク1を落下させる。これによって、光学的記録ディスク1の送風装置14から放冷装置15への搬送が行なわれる。
【0029】
なお、冷却位置において、光学的記録ディスク1は、取出装置6の保持具13の吸引によって保持されているが、この取出装置6の保持具6が吸引して保持している状態において、搬送装置17の保持具30が、その光学的記録ディスク1における取出装置6の保持具6が保持している面の反対側の面から吸引して保持し、その後、取出装置6の保持具6の吸引を解除することによって、取出装置6の保持具6から搬送装置17の保持具30に直接受け渡されるように構成している。また、この受け渡しは、光学的記録ディスク1が冷却位置に位置している時であれば、送風装置14による送風が行なわれている時、またはその前後のいずれの時であってもよい。
【0030】
放冷装置15は、搬送装置17に隣接して配置され、複数の光学的記録ディスク1を受け入れるための回転プレート32と、この回転プレート32を支持するための支持フレーム33とを備えている。回転プレート32は、円板形状をなし、光学的記録ディスク1とほぼ同径とされた円形の凹部34が、周方向において複数形成されており、また、その中心部には、駆動軸35が嵌め込まれている。支持フレーム33は、その上面において回転プレート32を回転可能に支持するとともに、駆動軸35を駆動させるための図示しないモータなどを内装している。この回転プレート32は、図示しないモータによって駆動軸35を介して回転される。
【0031】
そして、受取位置において、保持具30の吸引の解除により落下する光学的記録ディスク1は、回転プレート32の凹部34に受け入れられて、その受け入れられた光学的記録ディスク1は、受取位置から、常時回転される回転プレート32の回転(図1において回転プレート32は時計回りに回転される。)によって、収納装置16によって取り出される受渡位置に移動するまでの間、凹部34に受け入れられた状態で放置されることによって、さらに所定の時間冷却される。なお、たとえば、回転プレート32の上方に送風ファンを設けて、凹部34に受け入れられた光学的記録ディスク1に空気を送風することによって、積極的に冷却するように構成してもよい。
【0032】
収納装置16は、光学的記録ディスク1を収納するための収納スペース37と、放冷装置15から冷却された光学的記録ディスク1を取り出して、収納スペース37に積載するための積載装置36とを備えている。収納スペース37は、放冷装置15に隣接して配置されており、光学的記録ディスク1の中央孔に挿通可能とされた複数(2本)の収納柱38が立設されている。また、積載装置36は、収納スペース37に隣接して配置されており、支持台18から立設する支柱39と、この支柱39に、この支柱39の長さ方向においてスライド移動可能な状態で取り付けられる回転駆動部材40と、この回転駆動部材40に支持される回転アーム41とを備えている。回転アーム41の先端には、光学的記録ディスク1を吸引することによって保持し得る保持具42が取り付けられている。そして、この回転アーム41は、回転駆動部材40の回転によって、受渡位置と、光学的記録ディスク1を積載するための積載位置とに移動可能(回転可能)とされる。
【0033】
これによって、放冷装置15によって所定の時間冷却された光学的記録ディスク1が受渡位置に位置した時には、回転アーム41が受渡位置に揺動されるとともに、その受渡位置において保持具42が光学的記録ディスク1を吸引して保持し、次いで、回転アーム41が、載置位置に回転され、この状態から保持具42の吸引を解除させて支持柱38上に光学的記録ディスク1を落下させる。落下する光学的記録ディスク1は、その中央孔に支持柱38が挿通されて、これによって、多数の光学的記録ディスク1が積載状に収納される。
【0034】
このような本実施形態の冷却装置3によると、光学的記録ディスク1は、成形直後に送風装置14によって温度分布が均一となるように冷却され、次いで放冷装置15によって、放置された状態においてさらに所定の時間冷却された後に、収納装置16に収納される。したがって、このような冷却装置3を使用すれば、成形された光学的記録ディスク1の冷却および収納を一体的に行なうことができる。
【0035】
そして、本実施形態では、生産性を向上させるべく、金型5の開放が光学的記録ディスク1が未だ完全に冷却されきっていない状態で行なわれ、そのために光学的記録ディスク1は、温度分布が均一とならない状態となるが、送風装置14においては、光学的記録ディスク1を、その温度分布が均一な状態となるように冷却するため、その光学的記録ディスク1の内部応力の発生を少なくすることができる。そのため、ピットのひけを低減でき、電気的特性を向上させることができるとともに、複屈性の発生をも低減できるため、光学的特性をも向上させることができる。したがって、簡易な構成によって、電気的特性および光学的特性に優れる光学的記録ディスク1を、短い成形サイクルで生産性良く製造することができる。
【0036】
なお、本実施形態では、取出装置6から光学的記録ディスク1を取り出して冷却位置に位置させるまでの時間が、たとえば、0.2〜10秒程度であり、また、送風装置14において送風する時間が、たとえば、1〜3秒程度である。
【0037】
また、本実施形態においては、円盤形状の光学的記録ディスク1を例として説明したが、本発明の情報記録用プラスチック成形物は、何ら円盤形状に限定されることはない。ただし、薄い板の形状であるものが好ましい。また、ディスク形状では、中心部が高温部分となるので、その中心部分に空気を吹き付けたが、異なる形状である場合には、その形状に応じた適宜の高温部分に、空気を送風すればよい。なお、ディスク形状であっても、成形条件によって、中心部分ではなく、周辺部分が中心部分よりも高温部分となる場合には、その高温部分である周辺部分に空気を吹き付ければよい。
【0038】
さらに、空気の送風方法としては、たとえば、図4に示すように、比較的吹出口23の広いエアノズル22を使用して、冷却位置において保持される光学的記録ディスク1の両側面から、その吹出口23をできるだけ近づけたような状態で、空気を吹き付けるように構成してもよい。このように空気を吹き付ければ、光学的記録ディスク1の中心部分により多くの空気が吹き付けられるとともに、中心部分に当たった空気は、その中心部分から径方向外方に次第に拡散していくように流れ、これによって、光学的記録ディスク1の中心部分が積極的に冷却されるとともに、周辺部分も徐々に冷却される。
【0039】
また、高温部分に低温部分よりも多くの空気が吹き付けられる状態であれば、ノズルプレート21にさらに多くのエアノズル22を設けて、高温部分のみならず低温部分に空気を吹き付けてもよい。また、たとえば、高温部分と低温部分の送風量を同じにして、低温部分に吹き付けられる空気の温度よりも、低い温度の空気を高温部分に送風するように構成してもよい。この場合には、低い温度の空気が冷却媒体として作用し得る。また、冷却媒体は、空気に限定されることなく、たとえば、窒素ガスなどであってもよい。
【0040】
また、本実施形態では、冷却装置3に、送風装置14、放冷装置15および収納装置16を備えたが、これらを任意に組み合わせ、または、それぞれ別体として構成してもよい。また、取出装置6と送風装置14とで冷却装置3を構成してもよい。
【0041】
【発明の効果】
以上述べたように、請求項1に記載の発明によれば、温度分布が均一でない成形直後の情報記録用プラスチック成形物を、送風手段が、その温度分布が均一な状態となるように冷却するので、その情報記録用プラスチック成形物の内部応力の発生を少なくすることができる。そのため、ピットのひけを低減でき、電気的特性を向上させることができるとともに、複屈性の発生をも低減できるため、光学的特性をも向上させることができる。したがって、電気的特性および光学的特性に優れる情報記録用プラスチック成形物を、短い成形サイクルで生産性良く製造することができる。
【0042】
請求項2に記載の発明によれば、成形直後の情報記録用プラスチック成形物の温度分布をより迅速かつ効果的に均一な状態とすることができるので、情報記録用プラスチック成形物の内部応力の発生をより少なくすることができる。したがって、より電気的特性および光学的特性に優れる情報記録用プラスチック成形物を製造することができる。
【0043】
請求項3に記載の発明によれば、ディスク形状の情報記録用プラスチック成形物の中心部分に冷却媒体をより多く送風するのみの簡易な構成によって、その情報記録用プラスチック成形物の温度分布を均一な状態となるように冷却することができる。そのため、簡易な構成によって、電気的特性および光学的特性に優れる情報記録用プラスチック成形物を製造することができる。
【0044】
請求項4に記載の発明によれば、放冷手段と収納手段とをさらに備えることにより、成形された情報記録用プラスチック成形物を収納可能な程度にまで冷却して、収納しておくことができる。したがって、このような冷却装置を使用すれば、成形された情報記録用プラスチック成形物の冷却および収納を一体的に行なうことができる。
【0045】
請求項5に記載の発明によれば、温度分布が均一でない成形直後の情報記録用プラスチック成形物を、送風手段によって、その温度分布が均一な状態となるように冷却するので、その情報記録用プラスチック成形物の内部応力の発生を少なくすることができる。そのため、ピットのひけを低減でき、電気的特性を向上させることができるとともに、複屈性の発生をも低減できるため、光学的特性をも向上させることができる。したがって、電気的特性および光学的特性に優れる情報記録用プラスチック成形物を、短い成形サイクルで生産性良く製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の冷却装置の一実施形態が備えられている情報記録用プラスチック成形物の製造設備の一実施形態を示す要部平面図である。
【図2】図1の要部側面図である。
【図3】図1における送風装置による送風状態を説明するための要部平面図である。
【図4】他の実施形態の送風装置を説明するための、図3に対応する要部平面図である。
【符号の説明】
1 光学的記録ディスク
2 射出成形機
3 冷却装置
14 送風装置
15 放冷装置
16 収納装置
Claims (5)
- プラスチック成形機によって成形された情報記録用プラスチック成形物を冷却するための冷却装置であって、
成形直後の情報記録用プラスチック成形物に冷却媒体を送風し得る送風手段を備え、
前記送風手段は、温度分布が均一でない成形直後の情報記録用プラスチック成形物の高温部分と低温部分とにおいて、高温部分に冷却媒体をより多く送風するように構成されていることを特徴とする、情報記録用プラスチック成形物の冷却装置。 - 前記送風手段は、情報記録用プラスチック成形物の高温部分に向かって冷却媒体を吹き付けるように構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の情報記録用プラスチック成形物の冷却装置。
- 情報記録用プラスチック成形物がディスク形状をなし、前記送風手段は、ディスク形状の中心部分に冷却媒体をより多く送風するように構成されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の情報記録用プラスチック成形物の冷却装置。
- 前記送風手段によって冷却媒体が送風された情報記録用プラスチック成形物を、放置した状態においてさらに所定の時間冷却するための放冷手段と、この放冷手段によって冷却された情報記録用プラスチック成形物を収納するための収納手段とをさらに備えていることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれかに記載の情報記録用プラスチック成形物の冷却装置。
- プラスチック成形機によって成形された情報記録用プラスチック成形物を冷却するための冷却方法であって、
成形直後の情報記録用プラスチック成形物に冷却媒体を送風し得る送風手段を使用して、
温度分布が均一でない成形直後の情報記録用プラスチック成形物の高温部分と低温部分とにおいて、高温部分に冷却媒体をより多く送風することを特徴とする、情報記録用プラスチック成形物の冷却方法。
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