JP4096629B2 - 冷間タンデム圧延機及びそれを用いた極薄鋼板の冷間圧延方法 - Google Patents

冷間タンデム圧延機及びそれを用いた極薄鋼板の冷間圧延方法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷間タンデム圧延機およびそれを用いて、1回目の冷間圧延を行った後、焼鈍した鋼板に、さらに2回目の冷間圧延を行う際の極薄鋼板の冷間圧延方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
板厚が0.05〜0.35mmの極薄鋼板、例えばブリキ原板のうち硬質さが要求されるものなどは2回の冷間圧延を行って製造される。このようなDR(Double Reduction)材には、多くの場合、冷間タンデム圧延機により1回目の冷間圧延が行われ、焼鈍された鋼板に、さらに2回目の冷間圧延を施すことにより所定の板厚所望の硬さと表面品質とが付与される(例えば、JIS G3303 参照)。
【0003】
2回目の冷間圧延では、例えば、図1に示すような2スタンドタンデム調質圧延機を用い、第1スタンドではワークロール2と鋼板1との間にノズル4から潤滑剤を供給しつつ、圧下率を5%以上50%以下として圧延することで所定の板厚所望の硬さが付与され、また第2スタンドでは無潤滑で圧下率を0.2 〜2%として圧延することで、表面品質が調整される。なお、符号5、6はリール、符号7は鋼板搬送方向であり、2回目の冷間圧延後の鋼板には、別途、各種表面処理、例えばブリキ原板の場合、錫めっき処理が施される。
【0004】
ところで、上記の2スタンドタンデムの調質圧延機の第1スタンドには、円筒研磨して表面粗さRaを0.2 μm に調整したワークロール(以下、ブライトロールという)を組み込み、また第2スタンドには円筒研磨してブライトロールよりかなり粗い表面粗さとしたワークロール(以下、スクラッチロール;図8参照)を組み込み、冷間圧延を行っている。図8はスクラッチロール表層の断面の模式図である。
【0005】
その際、第2スタンドに組み込んだスクラッチロールによる圧延に起因して図2、3に示す縦バックルと呼ばれる形状不良が圧延機出側の鋼板に発生することがある。なお、図2、3はそれそれ鋼板表面上方から見た縦バックルの模式図、鋼板の幅方向断面で見た縦バックルの模式図である。1Aは縦バックルの筋状に見える鋼板表面上の光沢のいわば境目であり、hは縦バックルの高さである。またWは鋼板の幅、Lは鋼板の長手方向である。ここで、縦バックルは、ロールギャップ内で鋼板内部に生じる幅方向の圧縮応力に起因する座屈現象で発生すると考えられる。
【0006】
このような縦バックルが顕著になった場合には、その後に別途行う電気錫めっき、あるいは溶融亜鉛めっきなどの表面処理後の表面品質も付随的に劣化し、食用缶などにおいてはラベル印刷などの見映えの悪さにまでその影響が及ぶ。このため、縦バックルが顕著になった場合には、その後に別途行うめっき処理などに先立って、2回目の冷間圧延後の鋼板を、別途、テンションレベラーやローラレベラー通板して形状矯正を行う処理を施さねばならず、その分、製造コストが上昇してしまう。また、納期上の問題も生ずることがある。よって、2回目の冷間圧延の際の、縦バックルの発生を抑制したいという技術的な要求は強い。
【0007】
加えて、近年、DRブリキの表面品質に対する需要家の要求レベルはますます高まりつつあり、これに対応できる圧延法が必要となってきている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
例えば、特開2000-94005号公報には、直径400 mm以上の大径ロールを用いて、調質圧延荷重、ロール表面粗さをともに所定値以下に規制することにより、鋼板に生じる縦バックルの高さをある高さ以下に抑制できることが2スタンドからなる調質圧延機の第2スタンドへの適用実施例とともに記載されている。
【0009】
しかしながら、特開2000-94005号公報に示された方法では、鋼板表面品質向上の要求に対し、操業上もっと圧下率を大きくして調質圧延荷重を大きくしたり、あるいはロール表面粗さを粗くしても、その要求に十分応えることができず、規制範囲を外れると再び縦バックルが発生してしまうという問題があった。
さらに、図8に示したようなスクラッチロールを第2スタンドに組み込んで2回目の冷間圧延を行うと、鋼板とロールとの焼付きが発生することがあり、安定圧延が困難になる問題が付け加わる場合もあった。
【0010】
本発明は、上記のような諸問題を有利に解決すべくなされたもので、2回目の冷間圧延の際、圧延機出側の鋼板に発生する縦バックルを抑制しつつ、鋼板の表面品質も向上することが可能な冷間タンデム圧延機およびそれを用いた極薄鋼板の冷間圧延方法を提供することを目的とする。また、安定して2回目の冷間圧延を行うことが可能な冷間タンデム圧延機およびそれを用いた極薄鋼板の冷間圧延方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
発明者らは、鋼板表面の凹部を目立たなくでき、かつワークロールギャップ内における鋼板内部の幅方向圧縮応力を緩和する効果を有するワークロール表面構造を知見し、本発明を完成するに至った。
本発明は、以下の通りである。
【0012】
請求項1記載の発明は、2スタンドの冷間タンデム圧延機であって、第1スタンドに円筒研磨されたワークロールが組み込まれ、第2スタンドには、ロールバレル表層にクロムめっき層を形成したワークロールが組み込まれており、前記クロムめっき層全体は略部分球形状の突起を有し、前記クロムめっき層全体の表面粗さRaが0.3 〜3.0 μm でかつHv1000以上であり、前記略部分球形状の突起の密度が300〜3000個/ mm 2 とされていることを特徴とする冷間タンデム圧延機である。
【0013】
請求項2記載の発明は、1回目の冷間圧延後、焼鈍し、2回目の冷間圧延を、請求項1記載の冷間タンデム圧延機を用い、第1スタンドの圧下率を5%以上50%以下、第2スタンドの圧下率を0.2 〜2%として行うことを特徴とする極薄鋼板の冷間圧延方法である。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態について図1〜4を参照して詳細に説明する。
本発明の実施形態に係る冷間タンデム圧延機は、図1に示すように2スタンドの冷間タンデム圧延機であって、第1スタンドに円筒研磨されたワークロール2(以下、単にロール2ともいう)が組み込まれ、第2スタンドに表面粗さRaが0.3 〜 3.0μm でかつHv;1000以上の略部分球形状の突起を有するクロムめっき層をロールバレル表層に形成したロール2(図4参照)が組み込まれている。また、第1スタンドの入側(図1参照)にノズル4を配置し、十分な量の圧延油などの潤滑剤を供給しつつ潤滑圧延が行え、かつ第2スタンドでは特に潤滑剤を供給しなくても無潤滑でも圧延が行えるように構成しされている。
【0015】
第1スタンドを潤滑圧延が行えるようにするのは、第1スタンドの圧下率を5%以上の高い圧下率で圧延を行えるようにするためであり、また第2スタンドを潤滑剤油を供給しないでも圧延できるようにしたのは、第1スタンドでの圧延後の鋼板表面に残存した微小な凹部を効果的に押し潰せるようにするためである。ここで、第1スタンドにおいては、ノズル4から第1スタンドのロール2と鋼板1との間に供給された潤滑剤が鋼板表面の微小な凹部に溜まり、潤滑剤が凹部に封入されたまま圧延が行われる結果、第1スタンド出側の鋼板表面にも微小な凹部が残存している。
【0016】
本発明では、第2スタンドに図4(a)、(b)に示すような略部分球形状の突起11を有するクロムめっき層をロールバレル表層に形成したロール2を組み込んだことによる以下に述べる作用により、上述した第1スタンド出側の鋼板表面に残存する微小な凹部を従来使用していたスクラッチロールなどによる圧延より目立たなくでき、かつ圧延中、ロールギャップ内における鋼板内部の幅方向圧縮応力も緩和できるため、図2、3に示したような圧延機出側の鋼板に発生する縦バックルを抑制することができる。
【0017】
ここで、図4は本発明に用いるワークロール表層の模式図であって、(a)は表面から見た図、(b)は断面図である。略部分球形状の突起11は、クロムめっき層12と一体的にロールバレル13表層に形成され、Hv;1000以上の硬質クロムからなる。ここで、略部分球形状の略とは、完全な球形の一部分をした形状から少しずれている場合も含む、という意味である。クロムめっき層12の厚さaは、後述する電気的電着方法により60〜100 μm までの厚みとすることが好ましく、クロムめっき層12の硬さもHv;1000以上である。
【0018】
図4に示したような突起11をもつロール2を第2スタンドに組み込んで圧延した場合、圧延時の力により略部分球形状の突起11の形状が転写されて鋼板表面に押し込まれるため、第1スタンド出側の鋼板表面に残存していた微小な凹部は目立たなくなる作用がある。また、鋼板表面に転写された略部分球形状部の分布は、ランダムで、外観上光沢の異方性がないため目立たないという作用もある。その際、略部分球形状の突起11はほぼ滑らかな球形の一部分の格好をしているため、突起部先端が圧延時の力により弾性変形して広げられる作用があり、これにより、ロールギャップ内における鋼板内部の幅方向圧縮応力が緩和される作用がはたらく。すると、第2スタンドの圧下率を大きくし、圧延荷重を大きくしたような場合でも、従来使用していたスクラッチロールのように縦バックルが発生するようなことがない。また、第2スタンドの圧下率を小さくし、圧延荷重を小さくした場合でも、突起11の形状が鋼板に転写されることによる、凹部を目立たなくする作用は失われないため、めっき後の鋼板の表面品質を向上することができる。この結果、圧延機出側の鋼板に発生する縦バックルを抑制しつつ、DRブリキなどに要求される需要家の高い表面品質欲求も満足することができる。
【0019】
また本発明では、Hv;1000以上の硬質クロムからなる略部分球形状の突起11を有するクロムめっき層12をロールバレル表層13に形成したロール2を使用するため、このロール2を第2スタンドに組み込んで長時間圧延に供しても略部分球形状の突起11はほとんど摩耗せず、ロール2と鋼板との焼付きも発生しない。このため、安定して2回目の冷間圧延が行える。
【0020】
ここで、微小な突起11は、図4に示すごとく、その平面図上で見た場合に真の形状に外接する円形と近似した場合、その半径rは5〜50μm とし、鋼板に接触する突起の単位面積当たりの個数は出来るだけ多くし、単位面積当たりの突起の数は300 〜3000個/mm2 とすることがめっき後の鋼板の表面品質向上と縦バックル抑制に対しより効果がある。この突起11は、後述する電着めっきによりロールバレル13表層にクロムめっき層12と一体的に形成するのが好ましく、表面粗さRaが0.3 〜3.0 μm である。表面粗さRaを0.3 〜3.0 μm とする理由は、第1 スタンドでの圧下率によらず、冷間圧延後に発生するオイルピットを目立たなくできするためである。ところで、本発明において、第1スタンドの圧下率を5%以上50%以下とする理由は、5%未満とすると所定の硬度が得られず、50%を超えると、鋼板の絞り込みが発生して鋼板が破断しやすすくなるからである。
【0021】
また、第2スタンドの圧下率を0.2 〜2%とする理由は、0.2 %未満では、上述のような本発明の効果を発揮するほどに十分にロールの突起が鋼板側に転写せず、2%を超えるとやはり、鋼板の絞り込みが発生して鋼板が破断しやすくなるからである。ここで、Raとは、JIS B0601-1994に定義するところの算術平均粗さとし、ロール軸方向に測定した値である。Raのカットオフ値は0.8 mm、評価長さは4mmとし、JIS B0651-1996に準拠した触針式表面粗さ測定器を用いて測定した。
【0022】
このような微小な略部分球形状の突起がロールバレル表層に形成されたロールは、例えば特表平9-503550号公報、文献「Metall Plant Technol int,No.6(1998),80-85 」に開示されている電気的電着めっき方法で得ることができる。図5はクロムメッキ層を形成する装置の縦断面模式図であり、図6はその際の電流密度yと時間tとの関係を例示したグラフである。この装置は電着浴容器102 を備え、アノード103 および電着被覆されるロールバレル表層13がクロム電解質101 の浴溶液を含有する浴溶液中に浸漬される。ロールバレル表層13以外の部分には電気的に電着されないようにプロテクトスリーブ104 が装着されている。アノード103 およびカソードを構成するロールバレル表層13には電気エネルギー源105 が接続され、電気エネルギー源105 は、制御ユニット106 により例えば図6に示すように電流密度が時間の経過に伴い段階的に変化するように制御される。
【0023】
ここで、110 、111 は電流密度の上昇が数段階で行われる芽晶形成期間であり、芽晶形成期間110 、111 における電流密度上昇のインターバル30秒とされている。また、芽晶形成期間110 開始時の電流密度から電流密度最大値114 に至るまでは1段階当たり1〜6mA/cm2 の予め定めた上昇量で電流密度を高め、その後、芽晶を成長させる芽晶成長期間112 の間は電流密度最大値114 とし、電流密度最大値は30〜180 mA/cm2 とするのが好ましい。芽晶成長期間112 は1〜600 秒、好ましくは約30秒とされ、芽晶成長期間経過後、電流密度の低下段階113 において、1段階ごとに−1〜−8mA/cm2 の予め定めた減少量で電流密度を最終値にまで減少させるのが好ましい。このプロセスを周期的に繰り返すこともできる。また、108 は、芽晶形成の前に、インパルス電流を15〜60mA/cm2 の電流密度で供給するベース層構成期間である。電流停止期間107 は、ワークロール2のロールバレル表層13が浴溶液温度に近くなるまでの温度調整期間で、60〜120 秒とするのが好ましく、ベース層構成期間108 と芽晶形成期間110 の間の電流停止期間109 は約60秒とするのが好ましい。
【0024】
本発明のワークロールのように、略部分球形状の突起11を平面図上で見た近似円の半径rを5〜50μm 、表面粗さRaを0.3 〜3.0 μm とするには、上記のΔtを0.1 〜20秒とし、電流密度の上昇あるいは減少量を1段階あたり2mA/cm2とするのが好ましい。
【0025】
【実施例】
〔実施例1〕 図1に示す2スタンドの冷間タンデム圧延機を用い、素材厚0.2 mm 、幅1000mm、降伏応力392MPaの焼鈍された鋼板の2回目の冷間圧延を行い、ブリキ原板を得、その後、目付量1.2 μm の錫めっきを行った。なお、発明例の場合、タンデム圧延機の第1スタンドには円筒研磨し表面粗さRaを0.2 μm としたロールを組み込み、また第2スタンドには表1に示すHv;1000以上の略部分球形状の突起を有するクロムめっき層を形成したロールを組み込んで冷間圧延した。
【0026】
【表1】
Figure 0004096629
【0027】
第1スタンドおよび第2スタンドに組み込んだロール自体は鋼製の5mass%Cr鍛鋼で、ロールの直径は650mm 、ロールバレル長は1400mmである。第1スタンドでは濃度5mass%の潤滑剤(粘度30cSt/40℃)を供給し、第2スタンドでは無潤滑とし、定常圧延速度を500 m/minとし、第1スタンド1での圧下率が25%、第2スタンドでの圧下率が0.2 、1.0 、2.0 %となるようにしてコイル質量20tのコイルを1コイル圧延した。なお、従来例および比較例では、第1スタンドに円筒研磨し表面粗さRaを0.2 μm としたロールを組み込み、また第2スタンドに円筒研磨し表面粗さRaを表1に示すようにしたロールを組み込み、その他の条件は発明例と同じとした。
【0028】
冷間圧延した後の極薄鋼板の縦バックル波高さhを接触式形状測定器により測定し、錫めっき後の鋼板の表面品質(光沢むら)を目視でA(良好)〜D(劣る)の4段階で評価し、その結果を表2に示した。また、第2スタンドでの定常圧延速度における圧延荷重を表2に示した。
【0029】
【表2】
Figure 0004096629
【0030】
表2に示す結果から、発明例では鋼板に生じる縦バックルを防止しつつ、従来例より錫めっき後の表面品質を向上することができている。一方、従来例では、第2スタンドの圧下率を増減すると錫めっき後の表面品質向上と縦バックルの防止とを両立することができない場合がある。また、従来例より表面粗さを大きくした比較例の場合、従来例より縦バックルが悪化し、錫めっき後の鋼板の表面品質と縦バックルの防止とを両立することができていない。なお、表2に示した第2スタンドの圧延荷重実績から第2スタンドの圧下率を増減した場合、それに対応して圧延荷重が増減することもわかる。
〔実施例2〕
第2スタンドの圧下率を発明例では0.5 %、従来例では基準圧下率である1.0 %、比較例では1.0 %とし、その他の条件は上記実施例1と同じとし、コイル質量が20tのコイルを60コイル連続して圧延し、ロールと鋼板との焼付きの有無、錫めっき後の表面品質を上記実施例1と同様にして評価し、表3に示した。
【0031】
【表3】
Figure 0004096629
【0032】
表3に示す結果から、発明例では同一ロールで長距離冷間圧延しても焼付が発生せず、錫めっき後の表面品質も良好であることがわかる。一方、従来例および比較例では、圧延コイル数の増大に伴うロールの初期摩耗が著しいため、めっき後の表面品質が低下し、また発明例より第2スタンドでの圧下率を高くし、第2スタンドにおける圧延荷重が高いため焼付が発生し、表面品質が著しく低下した。なお、圧延コイル数に対する縦バックル高さの変化を図7に示したが発明例では、圧延コイル数が増大しても縦バックルの発生を防止できている一方、従来例および比較例では圧延初期で縦バックルが変化しかつ発明例より縦バックル高さが高いことがわかる。
【0033】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、極薄鋼板の2回目の冷間圧延において、鋼板に生じる縦バックルを防止しつつ、鋼板の表面品質を向上することができ、また、第2スタンドに組み込んだロールの摩耗が少ないため、安定的かつ効率的に極薄鋼板の冷間圧延を行うことが可能となる。この結果、需要家の高い表面品質要求に応えることができるようになり、さらに、レベラー通板などの追加的な処置も不要になって、製造コストの上昇も抑えることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は2回目の冷間圧延に用いるタンデム圧延機の概略構成図である。
【図2】図2は鋼板表面上方から見た縦バックルの模式図である。
【図3】図3は、鋼板の幅方向断面で見た縦バックルの模式図である。
【図4】図4は本発明に用いるワークロール表層の模式図であって、(a)は表面から見た図、(b)は断面の図である。
【図5】図5は本発明に用いるワークロールにクロムめっきを行う装置の概略構成図である。
【図6】図6は図5に示した装置における電流密度の変化を示すグラフである。
【図7】図7は本発明の効果を例示したグラフである。
【図8】図8はスクラッチロール表層の断面の模式図である。
【符号の説明】
1 鋼板
2 ワークロール(ロール)
4 ノズル
5、6 リール
7 鋼板搬送方向
W 板幅
L 鋼板長手方向
1A 縦バックルの境目
h 縦バックルの高さ
11 突起
r 略部分球形状の突起を平面図上で見た近似円の半径
d 略部分球形状の突起の高さ
12 クロムめっき層
a クロムめっき層厚み
13 ロールバレル表層

Claims (2)

  1. 2スタンドの冷間タンデム圧延機であって、第1スタンドに円筒研磨されたワークロールが組み込まれ、第2スタンドには、ロールバレル表層にクロムめっき層を形成したワークロールが組み込まれており、前記クロムめっき層全体は略部分球形状の突起を有し、前記クロムめっき層全体の表面粗さRaが0.3 〜3.0 μm でかつHv1000以上であり、前記略部分球形状の突起の密度が300〜3000個/ mm 2 とされていることを特徴とする冷間タンデム圧延機。
  2. 1回目の冷間圧延後、焼鈍し、2回目の冷間圧延を、請求項1記載の冷間タンデム圧延機を用い、第1スタンドの圧下率を5%以上50%以下、第2スタンドの圧下率を0.2 〜2%として行うことを特徴とする極薄鋼板の冷間圧延方法。
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