JP2005291224A - 耐摩耗性に優れたロール - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は高い表面品質が要求される冷延鋼板の製造プロセスで使用される耐摩耗性に優れたロールを提供する。
【解決手段】ロール表面で鋼板表面に接触する部分の面積を増大させ、ロール表面の輪郭曲線における山頂部近傍における凹凸の形状をそろえるため、ロール表面の輪郭曲線におけるRzを10〜30μmとし、Rpk(突出山部高さ)を2〜6μmとする。
【選択図】図1
【解決手段】ロール表面で鋼板表面に接触する部分の面積を増大させ、ロール表面の輪郭曲線における山頂部近傍における凹凸の形状をそろえるため、ロール表面の輪郭曲線におけるRzを10〜30μmとし、Rpk(突出山部高さ)を2〜6μmとする。
【選択図】図1
Description
本発明は、鉄鋼の薄板製造ラインで用いられる、ロール面の表面性状や耐摩耗性に優れたロールに関し、特に高い表面品質が要求される冷延鋼板の製造プロセスで使用されるブライドルロールとして好適なものに関する。
薄板製造の冷延・表面処理ラインでは、ストリップに表面疵などの欠陥が発生しないようにブライドルロールを用いてストリップに張力を与える。ブライドルロールは図2に示すように鋼帯の張力調整のために使用される。図2では鋼帯3の張力調整のためにスキンパスミル1の前後にブライドルロール2が設置されている。この場合張力調整を円滑にするために、ブライドルロール2の表面をショットブラスト法等によるダル加工を施している。
ブライドルロールによる張力は、ブライドルロールに対するストリップの巻付角と両者の間の摩擦係数に影響を受けるため、ブライドルロールには高い摩擦係数とその摩擦係数を長時間維持する優れた耐摩耗性が要求される。ブライドルロールの表面形状を制御し、摩擦係数を向上させる種々の技術が提案されている。
特許文献1は、冷延・表面処理ラインでストリップに張力を与えるブライドルロールに関し、ロール表面における中心線平均粗さ、ロール表面の凹凸の平均間隔、およびロール表面の輪郭曲線から求まる特性値を規定し、高い摩擦係数が長期間維持できるようにしたことを特徴とする。
特許文献2は、テンションロールの加工方法に関し、ダル加工したロール表面の異常突起をワイヤブラシなどで研削し、表面形状をショットブラストにより所定の表面粗さとした後、クロームめっきを施すことが記載されている。
最近、自動車用鋼板などの薄板製品においては表面品質をより向上させることが強く要望されるようになり、鋼板の表面品質に優れるブライドルロールが要望されている。
特許文献1記載のブライドルロールは、高い摩擦係数を得るため、ロール表面の突起先端部を平坦に加工し、ストリップとロール表面の接触面積を増大させている。また、耐摩耗性を向上させるため、負荷長さ率tpを大きくし、初期における異常磨耗を防止し、初期の磨耗速度を小さくしている。
すなわち、特許文献1は、ロール表面の相対負荷曲線において、切断レベル10%程度の負荷長さ率tp(JISB0601−1994:最大深さに対する10%の深さの断面として定義される。)が、ロール表面とストリップが直接接触する領域であるとし、ロール表面の切断レベル10%における負荷長さ率tpを特定の範囲に規定している。
しかしながら、特許文献1を用いたロールでは耐磨耗性は充分とは言えず長寿命化は期待できず、鋼板の表面品質、特に要求が厳格化している自動車や家電等での表面品質を満足することは出来ない。
本発明は上記課題を解決する耐摩耗性に優れたロールを提供することを目的とする。
本発明者等は表面研磨後、クロムメッキし、その後砥石で表面研磨して製造したブライドルロールを対象に、鋼板の表面品質に及ぼすロールの表面性状の影響について詳細に検討を行った。
その結果、鋼板の表面品質は、ロール表面において鋼板と実際に接触する部分、すなわち、ロール表面の輪郭曲線における山頂部の形状によって支配され、谷部の深さの影響は限定的であることを見出した。
本発明は得られた知見を基に更に検討を加えてなされたもので、すなわち、本発明は
1 ロール表面の輪郭曲線におけるRzが10〜30μm、Rpkが2〜6μmであることを特徴とするロール。
1 ロール表面の輪郭曲線におけるRzが10〜30μm、Rpkが2〜6μmであることを特徴とするロール。
本発明によれば、鋼板製造ラインへの適用において、鋼板に表面疵などの発生が少なくて鋼板の表面品質に優れ、且つ耐摩耗性にも優れるロールが得られ、産業上極めて有用である。
本発明に係るロールでは、ロール表面のRz(輪郭曲線の最大高さ JISB0601−1994(表面粗さ)に準拠)と、ロール表面の輪郭曲線から求まるRpk(突出山部高さ JISB0671−2準拠)を規定する。
RzはJISB0601−1994に準拠し、ロール表面の粗さ曲線から、その平均線の方向に基準長さだけ抜き取り、この抜き取り部分の平均線から、最も高い山頂から5番目迄の山高さの平均値と、最も低い谷底から5番目迄の谷深さの平均値の和として定義されている。
図1に、JISB0671−2(2002年制定)によるRpkの定義を示す。Rpkは突出山部高さ(reduced peak height)で、粗さ曲線のコア部の上にある突出山部の平均高さと定義されている。
ロール表面の輪郭曲線におけるRzを10〜30μmとし、且つRpk(突出山部高さ)を2〜6μmとすることによりロール表面で鋼板表面に接触する部分の面積が増大し、鋼板表面で表面疵などの表面欠陥の発生が抑制される。
また、本規定により、ロール表面の輪郭曲線において山頂部近傍における凹凸の形状がほぼそろうので、耐摩耗性も向上する。
本発明に係るロールは、製造工程における下地処理においてロール表面に一定の表面形状を付与することを特徴とする。本発明に係るロールは、ロール表面をショットブラスト加工する工程、ロール表面を表面研磨する工程、Crめっき工程、および砥石研磨工程を備えた製造工程により製造される。本発明に係るロールは、テンションロール、スペアリングロール、サポートロール等に適用可能である。
本発明の効果を実施例により示す。ロール表面のRzとRpkを種々変化させたブライドルロールを複数本製造し、冷延鋼板の製造ラインで上述した図2に示す鋼板3の張力調整のためのスキンパスミル1のブライドルロール2に適用し試験を行った。テンションロールを通過した冷延鋼板は錫メッキする前にその表面を精査し、表面欠陥の有無を目視にて検査した。ブライドルロールの製造は、ロール表面をアルミグリッドを用いてショットブラスト加工を複数回行い、ロール表面の輪郭曲線における山頂部の形状(高さ)を揃えた後、ロール表面を山頂部が丸みを帯びるように表面研磨した。その後、Crめっきし、更に砥石研磨を行った後、試験に供した。
表1に試験結果を示す。本発明の実施例1〜16は、表面品質、摩擦係数および耐摩耗性を勘案した総合評価が優、良であった。一方、比較例1はRpkが本発明範囲外で小さく、摩擦係数が小さく、鋼板表面にスリップによるすり疵が観察された。
比較例2、3はRpkが本発明範囲外で大きく、輪郭曲線における山頂部の形状が均一でなく鋼板表面に押し疵が観察された。比較例4はRzが本発明範囲外で摩擦係数が小さく鋼板表面にスリップによるすり疵が観察された。比較例5はRz本発明範囲外で大きく、輪郭曲線における山頂部の形状が均一でなく鋼板表面に押し疵が観察された。
1 圧延機
2 ブライドルロール
3 鋼板
2 ブライドルロール
3 鋼板
Claims (1)
- ロール表面の輪郭曲線におけるRzが10〜30μm、Rpkが2〜6μmであることを特徴とするロール。
Priority Applications (1)
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JP2004102552A JP2005291224A (ja) | 2004-03-31 | 2004-03-31 | 耐摩耗性に優れたロール |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004102552A JP2005291224A (ja) | 2004-03-31 | 2004-03-31 | 耐摩耗性に優れたロール |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2005291224A true JP2005291224A (ja) | 2005-10-20 |
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ID=35324403
Family Applications (1)
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JP2004102552A Pending JP2005291224A (ja) | 2004-03-31 | 2004-03-31 | 耐摩耗性に優れたロール |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2005291224A (ja) |
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-
2004
- 2004-03-31 JP JP2004102552A patent/JP2005291224A/ja active Pending
Patent Citations (1)
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