JP4096042B2 - 鏡胴付きレンズとその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鏡胴内にプラスチックレンズを一体に射出成形した鏡胴付きレンズとその製造方法に関し、例えば携帯電話に内蔵した撮像レンズや監視用カメラなどの小型撮像装置用レンズ、光ディスクや光磁気ディスクなどの光学ヘッド用のピックアップレンズ、光通信モジュールで光半導体素子と組合せて使用する光結合用レンズ、等々の各種技術分野での利用が可能である。
【0002】
【従来の技術】
プラスチックレンズは、小形化が容易で且つ安価に大量生産が可能なために、各種技術分野で利用されるようになったが、特に本発明が実施対象とする鏡胴付きプラスチックレンズに関しては、例えば特許文献1に開示されているように、鏡胴(ホルダー)のインサート成形によってプラスチック(モールド)レンズと一体化させる先行技術がある。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−148501号公報
【0004】
特許文献1におけるホルダー付きモールドレンズでは、金属製円筒のホルダーに貫通孔を設け、このホルダーを金型内に装着して貫通孔から円筒部内に成形樹脂材を充填すると、円筒部内にモールドレンズ本体が形成されると共に、当該モールドレンズ本体の外周部分によって、円筒部内周面に設けた突出部が狭持された態様でホルダーとモールドレンズ本体が一体に連結される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1の場合には、円筒部内周面に設けた突出部によって、レンズ部分の有効断面積が狭められること、円筒部内周面に突出部を設けるためには、ホルダーとして肉厚な金属製円筒を使用する必要があること、などの要因で全体の外径をより小形化する場合の妨げとなると共に、レンズ面を所望の球面にする際の妨げとなる恐れがあった。
【0006】
また、円筒部内周面に設けた突出部をモールドレンズ本体の外周部分で狭持する連結構造では、充分な強度で連結されない恐れがあること、このホルダー付きモールドレンズを板状の取付部材に装着して使用する場合や、このホルダー付きモールドレンズをズームレンズ部品として使用する場合などについての構想がないと共に、これらの使用形態に適合させることことも困難であった。
【0007】
そこで本発明では、前記した課題を解消し得る鏡胴付きレンズとその製造方法を提供するものであって、特に外径のより小形化を可能にし且つ鏡胴(ホルダー)とレンズの連結強度を向上させると共に、その製造を容易で且つ安価に行うことを可能にし、また板状の取付部材に容易に装着でき、更にはズームレンズ部品として使用が可能であることなどを主たる目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の鏡胴付きレンズは、中間部の外周に環状の膨出部を設けて内周面に環状凹溝を形成し、膨出部には内外を連通する貫通孔を少なくとも1個所以上に設けた鏡胴部材と、前記環状凹溝に外周縁部を嵌合すると共に、前記貫通孔内に外周縁部の一部を突出させ、前記鏡胴部材内に一体に射出成形したプラスチックレンズとで構成した。
【0009】
この鏡胴付きレンズでは、鏡胴部材に設けた膨出部の環状凹溝に対し、プラスチックレンズの外周縁部が嵌合された状態で連結されるので、レンズの有効断面積が損なわれることが無く、また肉薄な鏡胴部材の使用が可能であるから、膨出部を除く鏡胴部材の外径を小さくすることができ、より小形化が可能である。
【0010】
また、プラスチックレンズと鏡胴部材との連結は、プラスチックレンズの外周縁部が膨出部の環状凹溝に嵌合され、広い接触面積で接合した状態で係止保持されると共に、貫通孔内に充填した成形樹脂材を介して一体化されているので、両者を強固に連結することができる。
【0011】
また、鏡胴付きレンズを使用する際には、鏡胴部材の外形を挿入する取付け孔を設けた板状の取付部材に対し、鏡胴部材に設けた環状の膨出部によって係止保持した状態にし、膨出部と取付部材との間を溶接や接着などによって容易に連結させることができる。
【0012】
前記鏡胴付きレンズにおける前記鏡胴部材は、金属パイプで形成する形態を採ることが可能であり、この形態では金属パイプを使用することによって、安価で且つ強度の向上を図ると共に、鏡胴部材の外径寸法を小径化した鏡胴付きレンズを得ることができる。
【0013】
前記鏡胴付きレンズにおける前記鏡胴部材の外周には、前記プラスチックレンズとは異なる成形樹脂材で2次射出成形した外側鏡胴を設けた形態を採ることが可能であり、この形態では外側鏡胴に適した所望の成形樹脂材を用いることができると共に、必要に応じて割り型を用いて任意の形状をした外側鏡胴を形成することが可能である。
【0014】
前記鏡胴付きレンズにおける前記鏡胴部材の外周には、前記プラスチックレンズとは同じ成形樹脂材で同時射出成形した外側鏡胴を設けた形態を採ることが可能であり、この形態では2次射出成形によらずに外側鏡胴を容易に成形でき、外側鏡胴によって補強することができると共に、外側鏡胴の外周に取付部を設けたり、その他の所望に応じた任意の形状に後加工することができる。
【0015】
これらの鏡胴付きレンズにおいて、前記外側鏡胴の外周に螺旋部を設けてズームレンズ部品を形成する形態を採ることが可能であり、この形態によると、小形で安価なズームレンズを容易に製造することが可能である。
【0016】
本発明の鏡胴付きレンズの製造方法は、中間部の外周に環状の膨出部を設けて内周面に環状凹溝を形成すると共に、膨出部には内外を連通する貫通孔を少なくとも1個所以上に設けた鏡胴部材を金型装置内にインサートし、鏡胴部材内にキャビピンとコアピンで形成したレンズキャビティに対して、前記貫通孔をゲートとして成形樹脂材を充填させ、前記鏡胴部材内にプラスチックレンズを射出成形した。
【0017】
この鏡胴付きレンズの製造方法では、キャビティ内に成形樹脂材を充填させると、膨出部に外周縁部が嵌合した状態で位置決めされたプラスチックレンズが鏡胴部材内に射出成形され、このプラスチックレンズと鏡胴部材は膨出部及び貫通孔内の成形樹脂材を介して、強固に一体化させることができる。
【0018】
また、貫通孔を対向位置の2個所に設けて一方をゲートとなる成形樹脂材の流入孔にすると共に、他方をスラッグの流出孔にする形態を採ったり、ゲートとなる流入孔を所定間隔で複数個所に設けた形態を採ることによって、プラスチックレンズの品質を向上させ且つ、プラスチックレンズと鏡胴部材との接合強度を強化することも可能である。
【0019】
前記鏡胴付きレンズの製造方法における前記鏡胴部材は、中間部に内外を連通する貫通孔を設けると共に、前記鏡胴部材より長尺な金属パイプによる円筒部材を前記金型装置内にインサートし、前記キャビピンとコアピンで圧縮成形して前記膨出部及び環状凹溝を形成した形態を採ることが可能であり、この形態では同じ金型装置を用いて鏡胴部材に膨出部を圧縮成形する作業と、この膨出部付きの鏡胴部材をインサートして鏡胴付きレンズを射出成形する作業とを行うことができ、きわめて経済的である。
【0020】
前記鏡胴付きレンズの製造方法において、前記鏡胴付きレンズを2次加工用の金型装置内にインサートし、前記鏡胴部材の外周に形成した外側鏡胴キャビィティに対して、前記プラスチックレンズとは異なる成形樹脂材で外側鏡胴を2次射出成形した形態を採ることが可能である。
【0021】
この鏡胴付きレンズの製造方法では、1次加工ではプラスチックレンズに適する成形樹脂材を、2次加工では外側鏡胴に適する成形樹脂材を個別に選択使用できると共に、外側鏡胴を射出成形する際には必要に応じて割り型などを使用し、例えばズームレンズ用の螺旋部その他の複雑な形状を施すことが可能である。
【0022】
本発明の別の鏡胴付きレンズの製造方法は、中間部の外周に環状の膨出部を設けて内周面に環状凹溝を形成すると共に、膨出部には内外を連通する貫通孔を少なくとも1個所以上に設けた鏡胴部材を金型装置内にインサートし、鏡胴部材内にキャビピンとコアピンで形成したレンズキャビティに対して、前記貫通孔をゲートとして成形樹脂材を充填すると共に、同時に鏡胴部材の外周に形成した外側鏡胴キャビィティに成形樹脂材を充填させ、前記鏡胴部材内に成形したプラスチックレンズと、鏡胴部材の外周に成形した外側鏡胴とを、前記貫通孔内に充填した成形樹脂材で連結した。
【0023】
この鏡胴付きレンズの製造方法では、1つの射出成形用金型装置によって、鏡胴部材内にプラスチックレンズを射出成形する作業と、鏡胴部材の外周に外側鏡胴を射出成形する作業とを同時に行うので、前記した外側鏡胴を2次加工で射出成形する場合に比べ、容易且つ安価に製造を行うことができると共に、プラスチックレンズと鏡胴部材及び外側鏡胴を強固に一体化することが可能である。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明のプラスチックレンズとその製造方法について、本発明を適用した図示の実施形態に基づき詳細に説明すると、図1は、射出成形用の金型装置内にインサート部品として収容され、成形樹脂材で射出成形したプラスチックレンズの鏡胴部材の一例を示すものである。
【0025】
鏡胴部材2は、図1(a)(b)で示すように、ステンレスパイプなどの金属パイプの長さ方向の中央部に対し、前後に連通状の貫通孔1a,1bを設けた円筒部材1を用い、射出成形用の金型装置3内で圧縮成形を行って、図1(c)で示すような中間部の外周に環状の膨出部2cを設けて内周面に環状凹溝2dを形成し、膨出部2cには貫通孔1a,1bを変形した流入孔2aと流出孔2bを形成する。
【0026】
金型装置3は、図2の要部全体縦断面図で示すように、固定側金型部3Aと可動側金型部3Bで構成されており、固定側金型部3Aには、ロケートリング4と固定側取付け板5及び固定側型板6を設け、ロケートリング4と固定側取付け板5には、射出成形機のノズルが挿入されるノズル装着孔7を形成している。
【0027】
固定側型板6には、スプール8を形成するスプールブッシュ9が、先端側をノズル装着孔7に突出させる態様で装着されると共に、スプールブッシュ9の隣接位置にはキャビ側入れ子10が装着され、キャビ側入れ子10内にはキャビピン11が固定支持されている。
【0028】
可動側金型部3Bには、可動側型板12と受け板13とスペーサブロック14及び可動側取付け板15を設け、可動側取付け板15上には上下にエジェクタープレート16を配置し、エジェクターピン17の基端側を固定支持すると共に、エジェクターピン17の隣接位置にはコア側入れ子18が装着され、コア側入れ子18内にはコアピン19が固定支持されている。
【0029】
図3は、型開き状態における金型分割面PL近傍の部分拡大縦断面図であり、固定側型板6(キャビプレート)と可動側型板12(コアプレート)の接合面に溝穴20A,20Bを設け、型締めした際にスプール8と連通するランナー20を形成すると共に、ランナー20はキャビピン11とコアピン19の間を横切って、溝穴21A,21Bで形成した先端側のスラッグウェル21に達する。
【0030】
キャビピン11とコアピン19は、先端側の外周面に段差を設けて小径にし、キャビ側入れ子10及びコア側入れ子18の内周面との間に、環状溝22A,22Bを設けると共に、小径部の先端に凹状球面23A,23Bを設け、小径部の先端外周面に隣接したキャビ側入れ子10及びコア側入れ子18の先端内周には円弧状切欠面24A,24Bを設けている。
【0031】
これにより、図4で示すように型締め状態にすると、環状溝22A,22Bが円筒部材1を装着する環状のインサート溝22を形成すると共に、凹状球面23A,23Bがプラスチックレンズを射出成形するレンズキャビティ23を形成し、円弧状切欠面24A,24Bが円筒部材1を圧縮成形する環状の変形空間24を形成する。
【0032】
図4は、金型装置3内にインサートした円筒部材1を、圧縮成形で鏡胴部材2にする圧縮成形工程を示すが、図3で示す型開きした状態で可動側型板12の環状溝22Bに円筒部材1の下半部をセットし、図4で示す型締め状態にすると、金型分割面PLに沿った中央部の外周に環状の膨出部2cを形成すると共に、内周面には環状凹溝2dが形成され、膨出部2cには貫通孔1a,1bが変形した流入孔2aと流入孔2bを形成する鏡胴部材2となる。
【0033】
すなわち、型締めによって円筒部材1の上半部が環状溝22Aに嵌合すると共に、キャビピン11の先端側が円筒部材1内に挿入されるが、インサート溝22の高さ寸法より円筒部材1の高さ寸法を大きく設定しておくと、キャビピン11とコアピン19の間で圧縮された円筒部材1は変形空間24側へ膨出し、環状の膨出部2cと環状凹溝2dを備えた鏡胴部材2となる。
【0034】
図5は、鏡胴部材2をインサートした金型装置3内に成形樹脂材25を充填して、鏡胴部材2と一体にプラスチックレンズ26を射出成形する射出成形工程を示すが、スプール8に注入した成形樹脂材25はランナー20を通って、鏡胴部材2の膨出部2cに形成された流入孔2aをゲートとしてレンズキャビティ23内に充填された後に、流出孔2bを介してスラッグウェル21にコールドスラッグ27として滞積される。
【0035】
射出成形後は、型開きと同時に鏡胴部材2及びプラスチックレンズ26を含む樹脂成形部は、エジェクターピン17によって図6(a)の状態で突き出されるので、不要な成形樹脂材20及びコールドスラッグ27を除去し、鏡胴部材2とプラスチックレンズ26が一体化された図6(b)の鏡胴付きレンズ28を得ることができる。
【0036】
この鏡胴付きレンズ28は、鏡胴部材2に設けた環状凹溝2dに対し、プラスチックレンズ26の外周縁部が嵌合された状態で連結されるので、レンズの有効断面積が損なわれることが無く、また肉薄な鏡胴部材の使用して膨出部2cを除く外径寸法を小さくすることができ、より小形化が可能である。
【0037】
また、プラスチックレンズ26の外周縁部の全体が、鏡胴部材2に形成した環状凹溝2dに嵌合し、広い接触面積で接合した状態で係止保持がされていると共に、図示の実施形態では外周縁部の対向する2個所において、流入孔2aと流出孔2bに成形樹脂材20が充填された状態で鏡胴部材2に連結されているので、正確な位置決め精度で且つ強固な連結保持状態が得られる。
【0038】
鏡胴付きレンズ28は、例えば図7で示すように所望な取付け板29の取付け孔29aに対して、鏡胴部材2を挿入して膨出部2cによって抜け止めを行うと共に、膨出部2cと取付け板29との間を溶接又は接着などによって、容易且つ強固に連結して使用することができる。
【0039】
なお、本発明は前記した図示の実施形態に限定されるものではなく、要旨の範囲内で各種の変形を採り得るものであり、例えば先の実施形態では鏡胴部材2の膨出部2cに対し、ゲートとなる流入孔2aとコールドスラッグ27を流出する流出孔2bを設けたが、ゲートとなる流入孔2aのみとした形態や、流入孔2aを2個所以上に設けて複数のゲートを形成する形態を採ることも可能である。
【0040】
流入孔2aの数を多くする場合には、例えば120度間隔で3個所又は90度間隔で4個所に設け、各流入孔2aによるゲートに対してリング状のライナーから放射方向に成形樹脂材20を注入する形態を採り、これによって射出成形が均一に行われると共に、これらの流入孔2aに充填された成形樹脂材を介して、プラスチックレンズ26と外側鏡胴37の間がより強固に連結される。
【0041】
また、キャビピン11とコアピン19の小径部先端に形成した凹状球面23A,23Bは、プラスチックレンズの形状に適合させた所望の球状面をしたレンズキャビティ23に形成することができるが、凸レンズだけではなく凹レンズに適合させることも可能であり、その場合には凹レンズの球状面に合わせて小径部先端に凸状球面を形成する。
【0042】
また、先の実施形態では鏡胴部材2の製造を容易にするために、射出成形用の金型装置3を用いて円筒部材1から鏡胴部材2を圧縮成形したが、図1(c)の形状をした鏡胴部材2を別途の製造手段で造り、この鏡胴部材2を図4のように金型装置3にインサートして射出成形する形態を採ることも可能である。
【0043】
この場合には、金型装置3内で圧縮成形を行う必要がないので、鏡胴部材2は金属パイプには限定されず、セラミックその他の材質の使用も可能であるが、特に鏡胴部材として金属パイプを使用すると、強度の向上を図ることができると共に、肉薄状にして外径寸法を小径化した鏡胴付きレンズを得ることができる。
【0044】
次に、図6(b)の鏡胴付きレンズ28をインサート部品として、別の射出成形用の金型装置(図示を省略)を用いて2次加工を行い、図8(a)で示すように、鏡胴部材2の外周に外側鏡胴30を一体成形し、外側鏡胴30が環状の膨出部2cに形成した流入孔2a及び流出孔2b内の成形樹脂材を介して、プラスチックレンズ26と連結した鏡胴付きレンズ28Aを製造することができる。
【0045】
鏡胴付きレンズ28Aは、多目的に利用する場合には、外側鏡胴30の外周面を凹凸のない円形状に射出成形し、後加工で用途に応じた所望の外形に仕上げても良いが、用途が特定されている場合には、所望の外形をした外側鏡胴キャビティ内で射出成形することが望ましく、特にアンダーカットのある成形品の場合には割り型を使用する。
【0046】
図8(b)(c)は、鏡胴付きレンズ28をインサート部品とし、ズームレンズ部品32,34を製造した実施形態であり、図8(b)は外側鏡胴30の外周面に凹状の螺旋部31を形成したズームレンズ部品32を、図8(c)は外側鏡胴30の外周面に凸状の螺旋部33を形成したズームレンズ部品34を示す。
【0047】
次に、図9は別の実施形態による射出成形用の金型装置35の部分拡大断面図を示すが、この実施形態では外側鏡胴を2次射出成形によらずに、プラスチックレンズと同時成形するものであり、金型装置35は図3の金型装置3におけるキャビ側入れ子10及びコア側入れ子18の一部を変更した構造である。
【0048】
すなわち、キャビ側入れ子10及びコア側入れ子18の先端側内周面に対し、一定幅で切り欠いた環状溝36A,36Bをキャビピン11及びコアピン19の先端側小径部に隣接して設け、小径部の外周面と環状溝36A,36Bの間には、内周側に鏡胴部材2を装着すると共に、その外周側には環状溝36A,36Bによる外側鏡胴キャビティ36を形成する。
【0049】
これにより、金型装置35を型締めした状態で成形樹脂材25による射出成形を行うと、内側に形成したレンズキャビティ23及び外側に形成した外側鏡胴キャビティ36に成形樹脂材25が充填され、図10(a)で示すように鏡胴部材2の外周面にプラスチックレンズ26と一体の外側鏡胴37を形成した鏡胴付きレンズ38を製造することができる。
【0050】
この鏡胴付きレンズ38を製造する際には、先の実施形態の場合と同様に外側鏡胴キャビティ36内に円筒部材1を装着させ、金型装置35内で圧縮成形して環状の膨出部2c及び環状凹溝2dを形成した図1(c)の鏡胴部材2にすることも可能であり、また外側鏡胴37の外周に後加工で図10(b)で示すように凹状の螺旋部39を形成し、ズームレンズ部品40を製造することができる。
【0051】
この実施形態では、先の実施形態と同様に環状凹溝2dでプラスチックレンズ26の外周縁部が係止保持され、而も外側鏡胴37を一体に同時成形してプラスチックレンズ26と連結しているので、先の実施形態の場合よりもプラスチックレンズ26を強固に連結保持することが可能である。
【0052】
なお、図8による前者の実施形態と図10による後者の実施形態との相違は、前者の場合はプラスチックレンズ26に適する合成樹脂材と、外側鏡胴30に適する合成樹脂材を個別に選択して使用することが可能であり、後者の場合は外側鏡胴37にプラスチックレンズ26と同じ合成樹脂材を使用する必要がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した実施形態による鏡胴付きレンズの構成部材であって、(a)は円筒部材の正面図を、(b)は同縦断面図を、(c)は膨出部付き鏡胴部材の縦断面図を、それぞれ示す。
【図2】本発明を適用した実施形態による鏡胴付きレンズを製造する金型装置の要部全体縦断面図を示す。
【図3】図2の金型装置の型開き状態における金型分割面PL近傍の部分拡大縦断面図を示す。
【図4】図2の金型装置を用いて円筒部材を圧縮成形して鏡胴部材を形成する圧縮成形工程を示す。
【図5】図2の金型装置を用いて鏡胴部材と一体にプラスチックレンズを射出成形する射出成形工程を示す。
【図6】図5の射出成形工程で射出成形した射出成形品であり、(a)はノックアウトした射出成形品の縦断面図を、(b)は不要部分を除去した鏡胴付きレンズの縦断面図を、それぞれ示す。
【図7】図6の鏡胴付きレンズの使用状態を斜視図で示す。
【図8】図6の鏡胴付きレンズを用いたズームレンズ部品であって、(a)は射出成形よって外側鏡胴を2次加工した成形品の縦断面図を、(b)は外側鏡胴に凹状の螺旋部を形成したズームレンズ部品の縦断面図を、(c)は外側鏡胴に凸状の螺旋部を形成したズームレンズ部品の縦断面図を、それぞれ示す。
【図9】本発明を適用した別の実施形態による射出成形用の金型装置の部分拡大断面図を示す。
【図10】図9の金型装置を用いて製造したズームレンズ部品であって、(a)は射出成形よって外側鏡胴を同時成形した成形品の縦断面図を、(b)は外側鏡胴に凹状の螺旋部を形成したズームレンズ部品の縦断面図を、それぞれ示す。
【符号の説明】
1 円筒部材
1a,1b 貫通孔
2 鏡胴部材
2a 流入孔
2b 流出孔
2c 膨出部
2d 環状凹溝
3,35 金型装置
3A 固定側金型部
3B 可動側金型部
4 ロケートリング
5 固定側取付け板
6 固定側型板
7 ノズル挿着孔
8 スプール
9 スプールブッシュ
10 キャビ側入れ子
11 キャビピン
12 可動側型板
13 受け板
14 スペーサブロック
15 可動側型板
16 エジェクタープレート
17 エジェクターピン
18 コア側入れ子
19 コアピン
20 ランナー
20A,20B (ランナー用の)溝穴
21 スラッグウエル
21A,21B (スラッグウエル用の)溝穴
22 インサート溝
22A,22B,36A,36B 環状溝
23 レンズキャビティ
23A,23B 凹状球面
24 変形空間
24A,24B 円弧状切欠面
25 成形樹脂材
26 プラスチックレンズ
27 コールドスラッグ
28,38 鏡胴付きレンズ
29 取付け板
29a 取付け孔
30,37 外側鏡胴
31,39 (凹状の)螺旋部
32,34,40 ズームレンズ部品
33 (凸状の)螺旋部
36 外側鏡胴キャビティ

Claims (9)

  1. 中間部の外周に環状の膨出部を設けて内周面に環状凹溝を形成し、膨出部には内外を連通する貫通孔を少なくとも1個所以上に設けた鏡胴部材と、前記環状凹溝に外周縁部を嵌合すると共に、前記貫通孔内に外周縁部の一部を突出させ、前記鏡胴部材内に一体に射出成形したプラスチックレンズとで構成したことを特徴とする鏡胴付きレンズ。
  2. 前記鏡胴部材は、金属パイプで形成する請求項1に記載した鏡胴付きレンズ。
  3. 前記鏡胴部材の外周には、前記プラスチックレンズとは異なる成形樹脂材で2次射出成形した外側鏡胴を設けた請求項1又は2に記載した鏡胴付きレンズ。
  4. 前記鏡胴部材の外周には、前記プラスチックレンズとは同じ成形樹脂材で同時射出成形した外側鏡胴を設けた請求項1又は2に記載した鏡胴付きレンズ。
  5. 前記外側鏡胴の外周に螺旋部を設けてズームレンズ部品を形成する請求項3又は4に記載した鏡胴付きレンズ。
  6. 中間部の外周に環状の膨出部を設けて内周面に環状凹溝を形成すると共に、膨出部には内外を連通する貫通孔を少なくとも1個所以上に設けた鏡胴部材を金型装置内にインサートし、鏡胴部材内にキャビピンとコアピンで形成したレンズキャビティに対して、前記貫通孔をゲートとして成形樹脂材を充填させ、前記鏡胴部材内にプラスチックレンズを射出成形したことを特徴とする鏡胴付きレンズの製造方法。
  7. 前記鏡胴部材は、中間部に内外を連通する貫通孔を設けると共に、前記鏡胴部材より長尺な金属パイプによる円筒部材を前記金型装置内にインサートし、前記キャビピンとコアピンで圧縮成形して前記膨出部及び環状凹溝を形成した請求項6に記載した鏡胴付きレンズの製造方法。
  8. 前記鏡胴付きレンズを2次加工用の金型装置内にインサートし、前記鏡胴部材の外周に形成した外側鏡胴キャビィティに対して、前記プラスチックレンズとは異なる成形樹脂材で外側鏡胴を2次射出成形した請求項6又は7に記載した鏡胴付きレンズの製造方法。
  9. 中間部の外周に環状の膨出部を設けて内周面に環状凹溝を形成すると共に、膨出部には内外を連通する貫通孔を少なくとも1個所以上に設けた鏡胴部材を金型装置内にインサートし、鏡胴部材内にキャビピンとコアピンで形成したレンズキャビティに対して、前記貫通孔をゲートとして成形樹脂材を充填すると共に、同時に鏡胴部材の外周に形成した外側鏡胴キャビィティに成形樹脂材を充填させ、前記鏡胴部材内に成形したプラスチックレンズと、鏡胴部材の外周に成形した外側鏡胴とを、前記貫通孔内に充填した成形樹脂材で連結したことを特徴とする鏡胴付きレンズの製造方法。
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