JP4093729B2 - 電子写真感光体、その製造方法、画像形成装置、プロセスカートリッジ及び画像形成方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真感光体、画像形成装置、プロセスカートリッジ及び画像形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に「電子写真方法」とは、光導電性の感光体をまず暗所で例えばコロナ放電によって帯電させ、次いで像露光し、露光部のみの電荷を選択的に散逸させて静電潜像を得、この潜像部を染料、顔料などの着色剤と高分子物質などの結合剤とから構成される検電微粒子(トナー)で現像し可視化して画像を形成するようにした画像形成法の一つのことをいう。
このような電子写真方法において感光体に要求される基本的な特性としては
(1)暗所で適当な電位に帯電できること、
(2)暗所において電荷の散逸が少ないこと、
(3)光照射によって速やかに電荷を散逸できること、
などが挙げられる。
従来、電子写真方法において使用される感光体としては、導電性支持体上にセレン又はセレン合金を主体とする感光層を設けたもの、酸化亜鉛、硫化カドミウムなどの無機系光導電材料を結着樹脂中に分散させたもの、ポリ−N−ビニルカルバゾールとトリニトロフルオレノン又はアゾ顔料などの有機光導電材料を用いたもの、非晶質シリコン系材料を用いたもの等が一般に知られているが、近年ではコストの低さ、感光体設計の自由度の高さ、低公害性等から有機系電子写真感光体が広く利用されるようになってきている。
【0003】
有機系電子写真感光体には、ポリビニルカルバゾール(PVK)に代表される光導電性樹脂型、PVK−TNF(2,4,7−トリニトロフルオレノン)に代表される電荷移動錯体型、フタロシアニン−バインダーに代表される顔料分散型、電荷発生物質と電荷輸送物質とを組み合わせて用いる機能分離型の感光体などが知られており、特に機能分離型の感光体が注目されている。
この機能分離型の感光体における静電潜像形成のメカニズムは、感光体を帯電したのち光照射すると、光は透明な電荷輸送層を通過し、電荷発生層中の電荷発生物質により吸収され、光を吸収した電荷発生物質は電荷担体を発生し、この電荷担体は電荷輸送層に注入され、帯電によって生じている電界に従って電荷輸送層中を移動し、感光体表面の電荷を中和することにより静電潜像を形成するものである。機能分離型感光体においては、主に紫外部に吸収を持つ電荷輸送物質と、主に可視部に吸収を持つ電荷発生物質とを組み合わせて用いることが知られており、上記基本特性を充分に満たすものが得られている。
【0004】
一般に、これらの電子写真感光体の帯電方法としては、コロナ帯電方法や接触帯電方法が使用されてきた。
コロナ帯電方法には、コロトロン方式とグリッドを有するスコロトロン方式があり、金属板で遮蔽されたハウジングの中央に帳架されたタングステンやニッケルのチャージワイヤーに、直流もしくは交流を重畳した直流電圧を印加することによりコロナ放電を起こし感光体を帯電する方法である。しかしこの方法では、チャージワイヤーに高電圧を印加するためオゾンや窒素酸化物(NOx)などが生成され、この生成物は、環境的な面ばかりでなく感光体の耐久性や画像特性に対し悪影響を及ぼすことが知られている。
近年、この方法に代わり、低オゾン、低電力を目的として、接触帯電方法が実用化されてきている。接触帯電方法は、感光体に102〜1010Ω・cm程度の抵抗を持つ帯電部材に、直流もしくは交流を重畳した直流電圧を印加し、感光体に加圧当接させ、電荷を付与する方法である。この帯電方法は、パッシェンの法則に従い、帯電部材から被帯電体への放電によって行われるため、ある閾値電圧以上の電圧を印加することによって帯電が開始される。この接触帯電方法は、コロナ帯電方法と比較すると、帯電部材への印加電圧は低くなるが、放電を伴うために少量のオゾン及び窒素酸化物が発生する。
【0005】
そこで新たなる帯電方式として、特開平06−003921号公報に、感光体への電荷の直接注入による帯電方式が提案されている。この帯電方式は、電荷注入層を感光体表面に設け、帯電ローラ、帯電ブラシ、帯電磁気ブラシ等の接触導電部材に電圧を印加し、接触により電荷の注入帯電を行なう方法である。この帯電方式では、殆ど放電現象を伴わずに、印加電圧に対して、ほぼ1対1の帯電が可能なため、従来の接触帯電方式と比べると、オゾン、窒素酸化物発生量が、非常に少なく、低電力の優れた帯電方式である。
これらの電荷注入帯電を行うために感光体に設けられる電荷注入層は、樹脂中に、酸化錫などの金属酸化物を分散させたものが用いられている。
これらの注入帯電方法を用いることにより、感光体の耐久性に影響を及ぼす帯電部でのオゾン、窒素酸化物発生量が抑えられる。このことにより、感光体の耐久性は従来の帯電方法に比べて向上した。
【0006】
導電性微粒子を樹脂中に分散させた電荷注入層を感光体表面に設けた場合には下記に示すような様々な課題が存在する。
A.感光層と電荷注入層の接着性
感光層と電荷注入層が不連続な層構造となっている場合、長期的に繰り返し使用により電荷注入層が剥離する。
B.小径ビーム書き込みにおける微細ドット再現性
感光層と電荷注入層が不連続な層構造になっている場合、つまり感光層が電荷注入層塗工液による溶解を受けない場合、初期の画像特性が良好となる。一方、感光層と電荷注入層が連続的な層構造となっている場合、つまり、感光層が電荷注入層塗工液により溶解される場合、その溶解状況により画像特性が劣化する。
C.摩耗速度の安定化
感光層と電荷注入層が連続的な層構造となっており、かつ感光層の電荷注入層塗工液による溶解が大きい場合、感光層と電荷注入層境界部で、導電性微粒子の存在が大きく不均一となる。そしてこの感光体を長期的に使用した場合、摩耗速度が不安定となり、画像特性の劣化が引き起こされる。
D.黒ベタ画像端部における画像太り及びトナー飛散
感光体の表面に非常に均一な電位分布を設けると、黒ベタの潜像を形成し、トナー現像した場合、黒ベタ潜像端部において電気力線が立ち上がった状態となり、エッジ効果によりそれ以外の部分に比べてトナーが多く現像されてしまう。そのために黒ベタ画像を出力した場合、黒ベタ画像端部において画像太り及びトナー飛散が発生する。
【0007】
上記A〜Dの課題に対して、本発明者が鋭意検討した結果、電荷注入層と感光層の層構造により制御が可能であることが判明した。
電荷注入層の塗工方法としては、スプレー塗工法、リングコート法、浸漬塗工法があるが、一般的にはスプレー塗工法を用いる。
特開2000−81763号公報に記載の塗工方法は、塗工液として感光層を溶解しない溶媒を用いている。この塗工液を用いて塗工を行った場合、塗工液の溶媒が感光層中の樹脂を溶解しないため感光層と電荷注入層が相溶しない。この技術に基づき感光体を作製したところ、感光層と電荷注入層は不連続な層構造となった。更にこれらの感光体の画像評価を行った結果、初期的には良好な画像特性を示した。
しかし、長期的に使用した場合、感光体端部から電荷注入層の剥離が発生した。これは、感光層と電荷注入層が相溶していないことから、感光層と電荷注入層の接着性が低いためである。また、長期的に繰り返し使用した場合、露光部電位の上昇や画像特性の劣化が見られた。これは、不連続な層構造とすることにより、下層から上層への電荷注入が阻害されたことによるものである。更に、感光層を溶解しない塗工溶媒を使用することにより、感光層中の電荷輸送物質が結晶化し、異常画像が発生する可能性もある。
特願2000−215773号に記載の塗工方法は、塗工液として感光層を溶解する溶媒を用いている。この塗工液を用いてスプレー塗工を行った場合、塗工液溶媒が感光層中の樹脂を溶解し、感光層と電荷注入層が相溶する。その結果、感光層と電荷注入層が連続した層構造となる。この方法で作製された感光体は、感光層と電荷注入層が連続した構造となっているため、長期的に使用した場合の感光層と電荷注入層の接着性は良好である。しかし、感光層と電荷注入層の相溶状態が規定されておらず、必ずしも他の感光体特性も同時に良好であるとは限らない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、長期的使用における機械的耐久性に優れ、更には画像安定性に優れた電子写真感光体とその製造方法、並びに電子写真感光体を用いた画像形成装置、プロセスカートリッジ及び画像形成方法の提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、次の1)〜9)の発明によって解決される。
1) 導電性支持体上に少なくとも感光層と結着樹脂中に導電性微粒子が分散された電荷注入層がこの順に積層され、かつ該感光層と電荷注入層が連続した層構造を有し、更に該電荷注入層の平均最大膜厚をDμmとしたとき、最大膜厚の標準偏差σがDの1/5以下であることを特徴とする電子写真感光体。
2) 前記感光層が電荷発生層と電荷輸送層を積層したものであることを特徴とする1)記載の電子写真感光体。
3) 前記電荷注入層に含有される導電性微粒子が酸化錫であることを特徴とする1)又は2)記載の電子写真感光体。
4) 前記電荷注入層を構成する結着樹脂が、ポリカーボネート又はポリアリレートを含むことを特徴とする1)〜3)の何れかに記載の電子写真感光体。
5) 前記電荷注入層の膜厚が1.0μm以上4.0μm以下であることを特徴とする1)〜4)の何れかに記載の電子写真感光体。
6) 電荷注入層をスプレー塗工法で作製するに当り、電荷注入層塗工液の溶媒として、該電荷注入層と接する感光層の樹脂に対して溶解性を有するものを使用し、該電荷注入層塗工液を塗工した後1時間放置した時の電荷注入層の重量を(A)とし、加熱乾燥後の重量を(B)としたとき、下記式を満足するような条件で塗工することを特徴とする1)〜5)の何れかに記載の電子写真感光体の作製方法。
【数2】
1.2<A/B<2.0
7) 少なくとも注入帯電手段、画像露光手段、現像手段、転写手段及び電子写真感光体を具備してなる画像形成装置において、該電子写真感光体として、1)〜5)の何れかに記載の電子写真感光体を用いることを特徴とする画像形成装置。
8) 1)〜5)の何れかに記載の電子写真感光体を用いたことを特徴とする電子写真プロセスカートリッジ。
9) 1)〜5)の何れかに記載の電子写真感光体を用いたことを特徴とする電子写真画像形成方法。
【0010】
以下、上記本発明について詳しく説明する。
感光層と電荷注入層の層構造について説明する。
感光層と電荷注入層の連続した層構造とは、図1a、図1bに示すような層構造のことをいう。つまり、感光層と電荷注入層の境界領域で、導電性微粒子の存在有無以外は、明確な境界が見られず、樹脂部においては、連続した層構造となっている。このような樹脂部が連続した層構造となるためには、感光層と電荷注入層の樹脂が同じ溶媒に溶解する必要がある。この両方の樹脂を溶解する溶媒を用いた電荷注入層塗工液で塗工した場合、塗工液が感光層表面に付着した際に感光層樹脂を溶解する。即ち感光層樹脂と電荷注入層の樹脂が相溶し、連続した層構造が生成される。
一方、感光層と電荷注入層の不連続な層構造とは、図1cに示されるような層構造のことをいう。つまり、感光層と電荷注入層との間に、明確な境界を有する層構造のことである。このような感光層と電荷注入層が不連続な層構造とするためには、感光層を溶解しない溶媒を使用した電荷注入層塗工液で塗工することにより、感光層樹脂は溶解せず、明確な境界を有する層構造となる。
【0011】
次に、最大膜厚、平均最大膜厚D、最大膜厚の標準偏差σについて説明する。
最大膜厚、平均最大膜厚Dは、感光体の断面観察により求められる。ミクロトームなどを用いて感光体の断面を、感光層及び電荷注入層の膜厚方向に対して平行に切断する。この切断面を走査型電子顕微鏡(SEM)により、2000倍に拡大し、切断面の画像撮影を行う。この画像を用いて、膜厚方向に対して垂直方向に幅100μmの任意の範囲を選択し20等分する。そして20等分された個々の範囲から最大膜厚を求める。最大膜厚とは、感光体表面から最も離れたところにある導電性微粒子までの距離である。そして平均最大膜厚Dは、この20等分された個々の範囲から求めた最大膜厚の平均値である。
次に、ここで挙げた100μmの範囲を20等分して平均最大膜厚D及び最大膜厚の標準偏差σを求める理由を説明する。
現状の電子写真プロセスにおいて用いられているトナーの平均粒径は5〜10μmである。これらの平均粒径のトナーを用いて画像評価を行った結果、大きさ100μm程度の面積間の濃度変動が画像ムラとして検出される。
また、光のON/OFFにより、ドットを形成する画像装置において、平均ドット径が100μmのドットを形成した時のドット間濃度変動が画像ムラとして検出され、更に平均ドット径が100μmよりも小さいドットを形成した場合、一層顕著な画像ムラとなった。
このドット間濃度変動は、本発明における最大膜厚の標準偏差σの大小と相関があり、平均粒径5〜10μmのトナーを用いた時、100μmの範囲を20等分した領域(5μm)における最大膜厚の標準偏差σの大小が、ドット間濃度変動と非常に相関性が高いことが判明した。従って、該標準偏差σの良好な範囲を規定することにより画像ムラを抑制した感光体を得ることができる。
【0012】
図1a、図1bにより、平均最大膜厚Dの求め方を説明する。
図1aに示すように、膜厚方向に対して垂直方向に幅100μm範囲を選択し20等分する。そして図1bに示すように、個々の範囲において感光体表面から最も離れたところにある導電性微粒子までの距離(最大膜厚)を計測する。計測された20個の最大膜厚から、その平均値(平均最大膜厚D)と最大膜厚の標準偏差σを求める。サンプルは、感光体の画像領域部から選択される。その選択された視野から平均最大膜厚D及び最大膜厚の標準偏差σを求める。そして、該標準偏差σがDの1/5以下となるようにする。
本発明における感光層樹脂とは電荷注入層と接する層を構成する樹脂のことを言う。
【0013】
次に感光層と電荷注入層間の層構造が種々の感光体特性に及ぼす影響について説明する。
まず、機械的耐久性(剥離特性)の点について説明する。
電荷注入層塗工液溶媒として感光層樹脂を溶解しない溶媒を用いたとき、感光層と電荷注入層は図1cに示したような不連続な層構造となる。このような塗工液で作製された感光体を長期的に繰り返し使用した場合、感光層と電荷注入層が相溶していないため、感光層と電荷注入層の接着力は弱く、端部から電荷注入層の剥離が発生する。
一方、電荷注入層塗工液の溶媒として感光層樹脂を溶解する溶媒を用いたとき感光層と電荷注入層は、図1a、図1bに示したような連続した層構造となる。こうすれば、感光層と電荷注入層が相溶しているため、感光層と電荷注入層の接着性は強くなり、長期的繰り返し使用した場合の電荷注入層の剥離を防止できる。
【0014】
次に電気特性及び画像特性に関して説明する。
感光層と電荷注入層が不連続な層構造を有する感光体は、感光層が電荷注入層塗工時に溶解されていないため、初期的な画像特性としては良好である。しかし電荷注入層塗工液溶媒として感光層樹脂を溶解しない溶媒を用いた時には、電荷輸送層中の電荷輸送物質が結晶化する場合があり、そのときには、初期においても異常画像が発生する。
感光層と電荷注入層が連続した層構造では、感光層が電荷注入層塗工時に溶解されており、この溶解の程度が限度を超えると画像特性の劣化が認められる。
また前述のように、感光体の表面に非常に均一な電位分布を設けると、黒ベタ画像を出力した場合、黒ベタ画像端部において画像太り及びトナー飛散が発生するが、この現象を抑制する手段として、感光体上に微細な電位分布の不均一状態を設けることにより、前記エッジ効果が低減され、黒ベタ画像端部における画像太り及びトナー飛散が抑制できることが判明した。
感光体上に微細な電位分布の不均一状態を形成する手段として、感光層と電荷注入層を連続した層構造とすること、つまり、感光層を電荷注入層塗工液により溶解させることにより、感光層と電荷注入層境界部が本発明で規定する範囲で不均一となり、感光体上の電位分布を微少領域で微細な不均一状態にでき、黒ベタ画像端部における画像太り及びトナー飛散の抑制が可能となることが判明した。
【0015】
このように、本発明の感光体は、感光層と電荷注入層が連続した層構造を有する感光体とも、感光層と電荷注入層が不連続な層構造を有する感光体とも特性が異なり、感光層と電荷注入層を連続した層構造とし、かつ感光層上に電荷注入層を塗工する際の相溶の度合いを極力少なく抑えることによって、前記それぞれの感光体の良好な特性だけを示すものとすることができることが判明した。
この相溶の度合いは、前記の最大膜厚から求めた標準偏差σで表すことができる。相溶度合いが大きい場合、最大膜厚の標準偏差σは大きくなり、相溶度合いが小さい場合、最大膜厚の標準偏差σは小さくなる。また、全く相溶しない場合、つまり感光層と電荷注入層が不連続な層構成となる場合には、標準偏差σは0となり、相溶した場合、つまり感光層と電荷注入層が連続した場合には、標準偏差σは0よりも大きくなる。
電荷注入層塗工液中の溶媒が揮発しにくい場合、塗工液の溶媒が感光層を溶解する部分が大きくなり、最大膜厚の標準偏差σは大きくなる。
実際に用いられる装置内の光書き込みにおいて、電荷注入層を有する感光体は表層側から入射した光の一部が導電性微粒子により散乱され光量が低下する。
最大膜厚の標準偏差σが大きい場合、この散乱は不均一となる。つまり、最大膜厚が大きい部位の透過光量は小さくなり、かつ最大膜厚が小さい部位の透過光量は大きくなる。このようにして不均一となった光は、電荷注入層を透過し感光層に到達するが、感光層に到達した光が不均一な場合には光量ムラとなり、電荷発生も不均一となる。即ち、最大膜厚の標準偏差σが大きい場合には、感光層に到達する光量は不均一となり易い。
【0016】
感光層で発生した電荷は電荷注入層内を移動する。電荷注入層内を移動する電荷は、導電性微粒子により、感光体の膜厚方向だけでなく横方向にも電荷が流れ易くなり、電荷注入層表面での画像流れの原因となる。最大膜厚が大きい部分と最大膜厚が小さい部分とでは横方向に流れる電荷の度合いが異なり、これらの層部分が混在すると、感光体表面での電荷が不均一となり画像ムラの原因となる。つまり最大膜厚の標準偏差σが大きい場合、表面に到達する電荷は不均一となり易い。このように光散乱ムラや感光体表面での電荷ムラが、画像ムラとして顕在化される。
本発明者がこれらの問題に対して鋭意検討した結果、感光層と導電性微粒子が分散されている電荷注入層が連続した層構造を有し、かつ該電荷注入層の平均最大膜厚をDμmとしたとき、最大膜厚の標準偏差σがDの1/5以下であれば種々の特性が良好になることが判明した。
感光層上に電荷注入層を設けたとき、電荷注入層塗工液の溶媒は、感光層樹脂を溶解、相溶し、連続した層構造を形成する。そして、その溶解、相溶度合いを極力小さくし、最大膜厚の標準偏差σがDの1/5以下となるように、塗工液、塗工条件、塗工環境などを制御すれば、上記条件を満足する感光体を作製することができる。
【0017】
以下、本発明に用いられる電子写真感光体を図面に沿って説明する。
図2は、本発明の電子写真感光体の構成例を示す断面図であり、導電性支持体上に、電荷発生材料と電荷輸送材料を主成分とする単層感光層が設けられ、更に感光層表面に電荷注入層が設けられている。
図3は、本発明の電子写真感光体の別の構成例を示す断面図であり、導電性支持体上に、電荷発生材料を主成分とする電荷発生層と電荷輸送材料を主成分とする電荷輸送層とが積層された構成を有し、更に電荷輸送層上に電荷注入層が設けられている。
図4は、本発明の電子写真感光体の別の構成例を示す断面図であり、導電性支持体上に下引き層が設けられ、その上に電荷発生材料を主成分とする電荷発生層と電荷輸送材料を主成分とする電荷輸送層とが積層された構成を有し、更に電荷輸送層上に電荷注入層が設けられている。
本発明の電子写真感光体は、導電性支持体上に少なくとも感光層、電荷注入層を有していれば、その他の層は任意に組み合わされていても構わない。
【0018】
導電性支持体としては、体積抵抗1010Ω・cm以下の導電性を示すもの、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金などの金属、酸化錫、酸化インジウムなどの金属酸化物を、蒸着又はスパッタリングにより、フィルム状又は円筒状のプラスチックや紙に被覆したもの、或いは、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板を押し出しや引き抜きなどの工法で素管化した後、切削、超仕上げ、研磨などにより表面処理した管などを使用することができる。また、特開昭52−36016号公報に開示されたエンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルトも導電性支持体として用いることができる。
この他、上記支持体上に導電性粉体を適当な結着樹脂に分散して塗工したものも導電性支持体として用いることができ、導電性粉体としては、カーボンブラック、アセチレンブラック、アルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀などの金属粉、導電性酸化錫、ITOなどの金属酸化物粉体等が挙げられる。また、結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂などの熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂又は光硬化性樹脂が挙げられる。
このような導電性層は、上記導電性粉体と結着樹脂を、テトラヒドロフラン、ジクロルメタン、メチルエチルケトン、トルエンなどの適当な溶剤に分散し塗布することにより設けることができる。
更に、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、塩化ゴム、テフロンなどの素材に前記導電性粉体を含有させた熱収縮チューブを用いて、適当な円筒基体上に導電性層を設けたものも、本発明の導電性支持体として良好に用いることができる。
【0019】
次に感光層について説明する。感光層は単層でも積層でもよいが、説明の都合上、先ず電荷発生層と電荷輸送層で構成される場合から述べる。
電荷発生層は、電荷発生物質を主成分とする層である。
電荷発生層には、公知の電荷発生物質を用いることが可能であり、その代表例として、モノアゾ顔料、ジスアゾ顔料、トリスアゾ顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、キナクリドン系顔料、キノン系縮合多環化合物、スクアリック酸系染料、他のフタロシアニン系顔料、ナフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩系染料等が挙げられる。これらは単独でも2種以上混合しても構わない。
上記のうちアゾ顔料及び/又はフタロシアニン顔料が有効に用いられる。
特に下記構造式〔化1〕で表されるアゾ顔料及びチタニルフタロシアニン(特にCuKαの特性X線(波長1.514Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有するチタニルフタロシアニン)が有効に使用できる。
【化1】
(式中、R201、R202は、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、シアノ基の何れかを表し、同一でも異なっていても良い。Cp1、Cp2はカップラー残基を表し、同一でも異なっていても良い。またCp1、Cp2は、下記〔化2〕式で表される残基でも良い。
【化2】
(式中、R203は、水素原子、メチル基、エチル基などのアルキル基、フェニル基などのアリール基を表す。R204、R205、R206、R207、R208は、それぞれ、水素原子、ニトロ基、シアノ基、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲン原子、トリフルオロメチル基、メチル基、エチル基などのアルキル基、メトキシ基、エトキシ基などのアルコキシ基、ジアルキルアミノ基、水酸基を表し、Zは置換又は無置換の芳香族炭素環若しくは置換又は無置換の芳香族複素環を構成するのに必要な原子群を表す。)
【0020】
電荷発生層は、前記電荷発生物質を、必要に応じて結着樹脂と共に、ボールミル、アトライター、サンドミル、超音波などを用いて、適当な溶剤中に分散し、これを導電性支持体上に塗布、乾燥することにより形成される。
結着樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミド、ポリビニルベンザール、ポリエステル、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリフェニレンオキシド、ポリビニルピリジン、セルロース系樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。
結着樹脂の量は、電荷発生物質100重量部に対し0〜500重量部、好ましくは10〜300重量部が適当である。
溶剤としては、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチルセルソルブ、酢酸エチル、酢酸メチル、ジクロルメタン、ジクロルエタン、モノクロルベンゼン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、リグロイン等が挙げられるが、特にケトン系溶媒、エステル系溶媒、エーテル系溶媒が好ましく使用される。
塗布液の塗工法としては、浸漬塗工法、スプレーコート、ビートコート、ノズルコート、スピナーコート、リングコート等の方法を用いることができる。
電荷発生層の膜厚は、0.01〜5μm程度が適当であり、好ましくは0.1〜2μmである。
【0021】
電荷輸送層は、電荷輸送物質及び結着樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを電荷発生層上に塗布、乾燥することにより形成できる。また、必要により可塑剤、レベリング剤、酸化防止剤等を添加することもできる。
電荷輸送物質には、正孔輸送物質と電子輸送物質とがある。電荷輸送物質としては、例えばクロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイド、ベンゾキノン誘導体等の電子受容性物質が挙げられる。
正孔輸送物質としては、ポリ−N−ビニルカルバゾール及びその誘導体、ポリ−γ−カルバゾリルエチルグルタメート及びその誘導体、ピレン−ホルムアルデヒド縮合物及びその誘導体、ポリビニルピレン、ポリビニルフェナントレン、ポリシラン、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、モノアリールアミン誘導体、ジアリールアミン誘導体、トリアリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、α−フェニルスチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ジアリールメタン誘導体、トリアリールメタン誘導体、9−スチリルアントラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、ジビニルベンゼン誘導体、ヒドラゾン誘導体、インデン誘導体、ブタジェン誘導体、ピレン誘導体、ビススチルベン誘導体、エナミン誘導体等が挙げられる。これらの電荷輸送物質は単独又は2種以上混合して用いられる。
【0022】
結着樹脂としては、ポリスチレン、ポリアセタール、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリアレート、ポリスルホン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等の樹脂が挙げられる。
電荷輸送物質の量は、結着樹脂100重量部に対し20〜300重量部、好ましくは40〜150重量部が適当である。また、電荷輸送層の膜厚は解像度・応答性の点から25μm以下とすることが好ましい。下限値に関しては、使用するシステム(特に帯電電位等)により異なるが、5μm以上が好ましい。
ここで用いられる溶剤としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、ジクロルメタン、モノクロルベンゼン、ジクロルエタン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトンなどが用いられる。
本発明の感光体において電荷輸送層中に可塑剤やレベリング剤を添加してもよい。可塑剤としては、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレートなど一般の樹脂の可塑剤として使用されているものがそのまま使用でき、その使用量は、結着樹脂に対して0〜30重量%程度が適当である。レベリング剤としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイルなどのシリコーンオイル類や、側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマー又はオリゴマーが用いられ、その使用量は結着樹脂に対して、0〜1重量%が適当である。
【0023】
次に感光層が単層構成の場合について述べる。
単層感光層には、上述した電荷発生物質を結着樹脂中に分散した感光体が使用でき、電荷発生物質、電荷輸送物質及び結着樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを塗布、乾燥することによって形成できる。また、この感光層は上述した電荷輸送材料を添加した機能分離タイプとしても良く、更に、必要に応じて、可塑剤、レベリング剤、酸化防止剤等を添加することもできる。
結着樹脂としては、先に電荷輸送層の説明で挙げた結着樹脂をそのまま用いてもよく、電荷発生層の説明で挙げた結着樹脂を混合して用いてもよい。もちろん、先に挙げた高分子電荷輸送物質も好ましく使用できる。結着樹脂100重量部に対する電荷発生物質の量は5〜40重量部が好ましく、電荷輸送物質の量は0〜190重量部が好ましく、より好ましくは50〜150重量部である。
単層感光層は、電荷発生物質、結着樹脂を、必要ならば電荷輸送物質と共に、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロルエタン、シクロヘキサン等の溶媒を用いて分散機等で分散し、この塗工液を、浸漬塗工法、スプレーコート、ビードコートなどで塗工して形成する。
単層感光層の膜厚は、5〜25μm程度が適当である。
【0024】
本発明の感光体においては、導電性支持体と感光層との間に下引き層を設けることができる。下引き層は一般には樹脂を主成分とするが、これらの樹脂はその上に感光層を溶剤で塗布することを考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶剤性の高い樹脂であることが望ましい。このような樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂等が挙げられる。
また、下引き層にはモアレ防止、残留電位低減等の目的で酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化錫、酸化インジウム等の金属酸化物の微粉末顔料を加えてもよい。
これらの下引き層は前述の感光層の如く適当な溶媒、塗工法を用いて形成することができる。更に本発明の下引き層として、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤等を使用することもできる。この他、本発明の下引き層には、公知の種々の物質、例えばAl2O3を陽極酸化により設けたもの、ポリパラキシリレン(パリレン)等の有機物、SiO2、SnO2、TiO2、ITO、CeO2等の無機物を真空薄膜作成法により設けたものも良好に使用できる。下引き層の膜厚は0〜5μmが適当である。
【0025】
本発明の感光体では、感光層保護の目的で感光層の上に電荷注入層を設ける。電荷注入層に使用される結着樹脂としては、ポリスチレン、ポリアセタール、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリアレート、ポリスルホン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等の樹脂が挙げられる。中でも、ポリカーボネート、ポリアリレートが有効である。これらの結着樹脂は、単独又は2種以上混合して用いることが出来る。
【0026】
また、電荷注入層には、その他に、耐摩耗性を向上する目的で導電性微粒子材料が添加される。有機導電性微粒子材料としては、ポリテトラフルオロエチレンのようなフッ素樹脂粉末、シリコ−ン樹脂粉末、a−カ−ボン粉末等が挙げられ、無機導電性微粒子材料としては、銅、錫、アルミニウム、インジウムなどの金属粉末、シリカ、酸化錫、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化ビスマス、アンチモンをド−プした酸化錫、錫をド−プした酸化インジウム等の金属酸化物、チタン酸カリウムなどの無機材料が挙げられる。特に、酸化錫が好ましい。
また、導電性微粒子の平均一次粒径は、電荷注入層の光透過率や液の分散性の点から0.01〜0.5μmとすることが好ましい。導電性微粒子の平均一次粒径が0.01μm未満の場合は、耐摩耗性の低下や分散性の低下等を引き起こし、0.5μmを超える場合には、分散液中において導電性微粒子の沈降が促進されたり、トナーのフィルミングが発生したりする可能性がある。
【0027】
電荷注入層中の導電性微粒子材料の濃度は、高いほど耐摩耗性が高いので好ましいが、高過ぎる場合には、残留電位の上昇を招き、保護層の書き込み光透過率が低下し、副作用を生じる場合がある。従って、概ね全固形分に対して50重量%以下、好ましくは30重量%以下程度である。
また、これらの導電性微粒子は少なくとも一種の表面処理剤で表面処理させることが可能であり、導電性微粒子の分散性の面から好ましい。導電性微粒子の分散性の低下は残留電位の上昇だけでなく、塗膜の透明性の低下や塗膜欠陥の発生、更には耐摩耗性の低下をも引き起こすため、高耐久化や高画質化を妨げる大きな問題に発展する可能性がある。
表面処理剤としては、従来から用いられているものを全て使用できるが、導電性微粒子の絶縁性を維持できる表面処理剤が好ましい。例えば、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、ジルコアルミネート系カップリング剤、高級脂肪酸等、又はこれらとシランカップリング剤との混合処理剤、Al2O3、TiO2、ZrO2、シリコーン、ステアリン酸アルミニウム等、又はそれらの混合処理剤が導電性微粒子の分散性及び画像ボケの点からより好ましい。
シランカップリング剤による処理を行うと画像ボケの影響が強くなるが、上記の表面処理剤とシランカップリング剤との混合処理剤を用いることによりその影響を抑制できる場合がある。表面処理剤の量については、導電性微粒子の平均一次粒径によって異なるが、3〜30重量%が好ましく、5〜20重量%がより好ましい。表面処理量がこれよりも少ないと導電性微粒子の分散効果が得られず、また多過ぎると残留電位の著しい上昇を引き起こす。
これら導電性微粒子材料は、単独又は2種類以上混合して用いられる。
【0028】
電荷注入層の厚さは0.1〜6.0μm程度であるが、1.0〜4.0μmの範囲が好ましい。長期的に繰り返し使用される感光体は、機械的に耐久性が高く摩耗し難いものとする。しかし実際に用いられる装置内では、様々な機械的ハザードを受けて微少な傷が付くことがある。この傷の深さは、約1.0μm未満の深さであるため厚さを1.0μm以上とすることが好ましい。また4.0μmよりも厚い場合は、電荷注入層での電荷が横方向に流れ画像流れを引き起こすこともある。
これらの導電性微粒子は電荷注入層中に分散されている。
本発明の電子写真感光体における電荷注入層と感光層は、前記図1a、図1bに示したような連続した層構造である。
本発明の電子写真感光体は、電荷注入層の平均最大膜厚をDμmとしたとき、最大膜厚の標準偏差σがDの1/5以下である場合に有効である。
これらの平均最大膜厚D及び最大膜厚の標準偏差σは、前述のように感光体の画像領域部から選ばれた視野より求められる。
【0029】
感光層上に電荷注入層を設ける方法としては、浸漬塗工法、リングコート法、スプレー塗工法などが用いられる。
このうち一般的には、微小開口部を有するノズルより塗料を吐出し霧化することにより生成した微小液滴を感光層上に付着させて塗膜を形成するスプレー塗工法が用いられるので、この方法について詳細に説明する。
感光層樹脂を溶解しない溶媒を含有する電荷注入層塗工液を用いてスプレー塗工を行った場合、感光層と電荷注入層は相溶しない。感光層と電荷注入層が相溶しない場合、感光層と電荷注入層は不連続な層構造となり、上層と下層の間に明確な界面が形成される。このように感光層と電荷注入層が不連続な層構造となった場合、初期的な画像特性は良好であるが、長期的使用における機械的耐久性及び電気的安定性が悪くなる。そのため電荷注入層用塗工液に用いられている塗工溶媒は、少なくとも感光層樹脂に対して溶解性を有する必要がある。
感光層樹脂を溶解する電荷注入層塗工液を用いて、スプレー塗工を行った場合、感光層と電荷注入層が相溶する。感光層と電荷注入層が相溶した場合、感光層と電荷注入層は連続した層構造となる。このように感光層と電荷注入層が連続した層構造となった場合、長期的使用における機械的耐久性及び電気的安定性が良好となる。しかし、この塗工の際に感光層を必要以上に溶解した場合は、画像特性の劣化が発生する。
【0030】
以上のようなことから、本発明の電子写真感光体は、感光層樹脂を溶解する電荷注入層塗工液を用いてスプレー塗工を行い、感光層と電荷注入層を相溶させ、感光層と電荷注入層を連続した層構造とする。そして、この相溶の程度を請求項6で規定する範囲内のものとした場合、長期的使用における機械的耐久性及び電気的安定性が良好となり、更に画像特性が非常に良好となる。
このような電荷注入層と感光層の溶解及び相溶状態の制御は、塗工時に感光層上に付着した塗工液中の溶媒がある一定の含有量になるまでにかかる時間に影響される。つまり付着したときの塗工液量やその塗工液溶媒の揮発速度が重要となる。
感光層表面に付着した塗工液溶媒が揮発し難い場合、電荷注入層膜中の溶媒が感光層を溶解し易くなる。
本発明の電子写真感光体は、この塗工液溶媒の電荷注入層膜中での揮発状態を、塗工液条件(溶媒種、固形分濃度等)、スプレー塗工条件(吐出量、吐出圧、ガン送り速度、塗工回数等)、塗工環境(温度、排気エアー量等)などにより制御して作製する。
【0031】
次に本発明の電子写真感光体の作製方法について説明する。
本発明の電子写真感光体は、好ましくはスプレー塗工法を用いて作製する。
即ち、電荷注入層と接する感光層の樹脂に対して溶解性を有する電荷注入層塗工液を用い、製膜された電荷注入層の、塗工後1時間放置時の電荷注入層重量を(A)とし、加熱乾燥後重量を(B)としたとき下記式を満足するような条件で塗工する。
【数3】
1.2<A/B<2.0
電荷注入層塗工後1時間放置時の電荷注入層重量(A)、及び加熱乾燥後重量(B)について説明する。
まず、素管の塗工前の重量(G1)を測定し、次いで電荷注入層を製膜する。そしてその製膜環境で1時間放置した後の重量(G2)を測定する。更に、加熱乾燥後の感光体の重量(G3)を測定する。この時のG1とG2の差を(A)とし、G1とG3の差を(B)とする。用いる素管としては、感光層を設けない導電性支持体が好ましい。感光層まで設けた感光体を用いる場合は、感光層の残留溶媒を膜中から充分に気化させるために、電荷注入層の乾燥と同じ条件で、加熱乾燥を行う必要がある。
A/Bが1.2以下の場合は、電荷注入層塗工時にスプレーの霧化状態が不安定となる。このような製膜条件の場合、霧化中に塗工液の一部が固形化することがあり、その固形化したものが塗工中に感光層表面に付着する。そしてこの付着した異物が感光体の異常画像の原因となる。
A/Bが2.0以上の場合は、塗工液による感光層の溶解が進行し易くなる。これを防止するために塗工液溶媒が揮発し難い条件とすると、前述した最大膜厚の標準偏差σが大きくなり、前述のように種々の感光体特性が劣化する。
以上のようなことから、A/Bを1.2より大きく2.0未満とすることにより、最大膜厚の標準偏差σはDの1/5以下となり、良好な感光体特性を有する電子写真感光体が得られる。
【0032】
次にスプレー塗工で用いる電荷注入層塗工液について説明する。
電荷注入層塗工液の溶媒としては、感光層樹脂を溶解し、かつ電荷注入層樹脂を溶解するものを用いる。この溶媒は単独又は混合して用いる。揮発性の高い溶剤を用いた場合は、霧化状態において塗工液中の固形分の一部が固形化し、感光層表層に付着して膜欠陥となる場合がある。揮発性の低い溶媒を用いた場合は、感光層表面を溶解し易くなるため、最大膜厚の標準偏差σが大きくなる可能性がある。そこで揮発性の高い溶媒と低い溶媒を混合して用いれば、これらの溶媒の種類及び混合比によって膜質制御を行うことができる。
同様に電荷注入層塗工液の固形分濃度によっても膜質制御ができる。固形分濃度が小さい場合、感光層表面に付着した塗工液が乾燥し難く、感光層表面を溶解し易くなるため、最大膜厚の標準偏差σが大きくなる傾向がある。固形分濃度が大きい場合は、霧化状態において、塗工液中の固形分の一部が固形化し、感光層表層に付着して膜欠陥となる可能性がある。従って、電荷注入層塗工液の固形分濃度は、3.0〜6.0重量%が好ましく、3.5〜5.5重量%がより好ましい。
【0033】
次にスプレー塗工条件について説明する。
スプレー塗工条件は、塗工液条件及びスプレーガンの種類によっても異なるので、以下の説明は一般的な例を示すものである。
スプレーガンの口径としては、0.5〜0.8mmが好ましい。この範囲から外れると、大きくても、小さくてもスプレー霧化状態を制御することが難しくなり、膜質に対して影響を与える場合がある。
吐出量は、5〜25cc/minが好ましい。この範囲よりも吐出量が少ない場合は、塗工速度が遅くなり、生産性が落ちる場合がある。またこの範囲よりも吐出量が多い場合には、前記最大膜厚の標準偏差σが大きくなる場合があるし、液量が多過ぎて、製膜中に感光体表面で液が垂れ、異常構造になる場合がある。
吐出圧は、1.0〜3.0kg/cm2が好ましい。この範囲よりも吐出圧が小さいと、霧化状態において液滴が均一に微小化されず、感光層表面で異常構造になる場合がある。この範囲よりも吐出圧が大きいと、微小化された液滴が感光体で跳ね返り、膜の形成効率が低下したり、異常構造になる場合がある。
感光体回転数は、120〜640rpmが好ましい。
ガン送り速度は、5〜40mm/secが好ましい。
これらの条件のバランスが崩れた場合、感光体表面でスパイラル状の異常構造等が発生する場合がある。
【0034】
ガンと感光体の距離は3〜15cmが好ましい。この範囲よりもガンと感光体の距離が近い場合には、安定した霧化状態部分で成膜できないため異常構造が発生し易い。この範囲よりもガンと感光体距離が遠い場合には、吐出された液の感光体上への付着効率が低下する場合がある。
ガン送り一回当りの塗工膜厚は、0.5〜2.0μmの範囲が好ましい。
ガン送り一回当りの塗工膜厚とは、電荷注入層を塗工し、加熱乾燥した後の電荷注入層膜厚を塗工回数(ガンを送った回数)で割った値である。この塗工膜厚が0.5μm未満の場合は、他のスプレー条件の制御が難しく、かつ生産性が落ちる。この塗工膜厚が2.0μmを超える場合は、一度に付着する塗工液が多くなり、前記最大膜厚の標準偏差σが大きくなる場合がある。
本発明の電荷注入層の作製方法においては、上記した個々の条件が互いに複雑に影響を与え合うので、僅かな条件変更でも、その条件以外の全ての因子が変化する可能性がある。従って、本発明の電荷注入層の作製条件は、スプレーの霧化状況、感光体の表面形状、膜中の導電性微粒子状態、吐出液の付着効率等を目安として、個々の条件をバランスよく設定する必要がある。
スプレーを用いた塗工条件としては、前記A/Bが1.2より大きく2.0未満となるように設定することが好ましい。
以上スプレー塗工法について説明したが、電荷注入層の塗工法は、スプレー塗工方法に限定されるものではなく、本発明の膜状態を達成できる塗工方法であればどのような方法でもよい。
【0035】
また、本発明では、耐環境性改善の目的で、とりわけ、感度低下や残留電位の上昇を防止する目的で、各層に酸化防止剤、可塑剤、滑剤、紫外線吸収剤、低分子電荷輸送物質又はレベリング剤を添加することが出来る。また塗工液中の導電性微粒子の分散性向上を目的として分散安定剤を添加することができる。
これらの添加剤の代表例を以下に記す。
各層に添加できる酸化防止剤としては、下記のものが挙げられるが、これらに限定される訳ではない。
(a)フェノ−ル系化合物
2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾ−ル、ブチル化ヒドロキシアニソ−ル、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノ−ル、n−オクタデシル−3−(4′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2′−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノ−ル)、2,2′−メチレン−ビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノ−ル)、4,4′−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノ−ル)、4,4′−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノ−ル)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス[メチレン−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネ−ト]メタン、ビス[3,3′−ビス(4′−ヒドロキシ−3′−t−ブチルフェニル)ブチリックアシッド]グリコ−ルエステル、トコフェロ−ル類など。
(b)パラフェニレンジアミン類
N−フェニル−N′−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N′−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N′−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N′−ジメチル−N,N′−ジ−t−ブチル−p−フェニレンジアミンなど。
(c)ハイドロキノン類
2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン、2,6−ジドデシルハイドロキノン、2−ドデシルハイドロキノン、2−ドデシル−5−クロルハイドロキノン、2−t−オクチル−5−メチルハイドロキノン、2−(2−オクタデセニル)−5−メチルハイドロキノンなど。
(d)有機硫黄化合物類
ジラウリル−3,3′−チオジプロピオネ−ト、ジステアリル−3,3′−チオジプロピオネ−ト、ジテトラデシル−3,3′−チオジプロピオネ−トなど。
(e)有機燐化合物類
トリフェニルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、トリクレジルホスフィン、トリ(2,4−ジブチルフェノキシ)ホスフィンなど。
【0036】
各層に添加できる可塑剤としては、下記のものが挙げられるが、これらに限定される訳ではない。
(a)リン酸エステル系可塑剤
リン酸トリフェニル、リン酸トリクレジル、リン酸トリオクチル、リン酸オクチルジフェニル、リン酸トリクロルエチル、リン酸クレジルジフェニル、リン酸トリブチル、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸トリフェニルなど。
(b)フタル酸エステル系可塑剤
フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジイソオクチル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジノニル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジウンデシル、フタル酸ジトリデシル、フタル酸ジシクロヘキシル、フタル酸ブチルベンジル、フタル酸ブチルラウリル、フタル酸メチルオレイル、フタル酸オクチルデシル、フマル酸ジブチル、フマル酸ジオクチルなど。
(c)芳香族カルボン酸エステル系可塑剤
トリメリット酸トリオクチル、トリメリット酸トリ−n−オクチル、オキシ安息香酸オクチルなど。
(d)脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤
アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジ−n−ヘキシル、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、アジピン酸ジ−n−オクチル、アジピン酸−n−オクチル−n−デシル、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸ジカプリル、アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジメチル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジ−n−オクチル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジ−2−エトキシエチル、コハク酸ジオクチル、コハク酸ジイソデシル、テトラヒドロフタル酸ジオクチル、テトラヒドロフタル酸ジ−n−オクチルなど。
(e)脂肪酸エステル誘導体
オレイン酸ブチル、グリセリンモノオレイン酸エステル、アセチルリシノール酸メチル、ペンタエリスリトールエステル、ジペンタエリスリトールヘキサエステル、トリアセチン、トリブチリンなど。
(f)オキシ酸エステル系可塑剤
アセチルリシノール酸メチル、アセチルリシノール酸ブチル、ブチルフタリルブチルグリコレート、アセチルクエン酸トリブチルなど。
(g)エポキシ可塑剤
エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシステアリン酸ブチル、エポキシステアリン酸デシル、エポキシステアリン酸オクチル、エポキシステアリン酸ベンジル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジデシルなど。
(h)二価アルコールエステル系可塑剤
ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチラートなど。
(i)含塩素可塑剤
塩素化パラフィン、塩素化ジフェニル、塩素化脂肪酸メチル、メトキシ塩素化脂肪酸メチルなど。
(j)ポリエステル系可塑剤
ポリプロピレンアジペート、ポリプロピレンセバケートなど。
(k)スルホン酸誘導体
p−トルエンスルホンアミド、o−トルエンスルホンアミド、p−トルエンスルホンエチルアミド、o−トルエンスルホンエチルアミド、トルエンスルホン−N−エチルアミド、p−トルエンスルホン−N−シクロヘキシルアミドなど。
(l)クエン酸誘導体
クエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリ−2−エチルヘキシル、アセチルクエン酸−n−オクチルデシルなど。
(m)その他
ターフェニル、部分水添ターフェニル、ショウノウ、2−ニトロジフェニル、ジノニルナフタリン、アビエチン酸メチルなど。
【0037】
各層に添加できる滑剤としては、下記のものが挙げられるが、これらに限定される訳ではない。
(a)炭化水素系化合物
流動パラフィン、パラフィンワックス、マイクロワックス、低重合ポリエチレンなど。
(b)脂肪酸系化合物
ラウリン酸、ミリスチン酸、パルチミン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸など。
(c)脂肪酸アミド系化合物
ステアリルアミド、パルミチルアミド、オレインアミド、メチレンビスステアロアミド、エチレンビスステアロアミドなど。
(d)エステル系化合物
脂肪酸の低級アルコールエステル、脂肪酸の多価アルコールエステル、脂肪酸ポリグリコールエステルなど。
(e)アルコール系化合物
セチルアルコール、ステアリルアルコール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリグリセロールなど。
(f)金属石けん
ステアリン酸鉛、ステアリン酸カドミウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムなど。
(g)天然ワックス
カルナバロウ、カンデリラロウ、蜜ロウ、鯨ロウ、イボタロウ、モンタンロウなど。
(h)その他
シリコーン化合物、フッ素化合物など。
【0038】
各層に添加できる紫外線吸収剤としては、下記のものが挙げられるが、これらに限定される訳ではない。
(a)ベンゾフェノン系
2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2′,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,2′,4,4′−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンなど。
(b)サルシレート系
フェニルサルシレート、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエートなど。
(c)ベンゾトリアゾール系
(2′−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、(2′−ヒドロキシ−3′−ターシャリブチル−5′−メチルフェニル)5−クロルベンゾトリアゾール
(d)シアノアクリレート系
エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、メチル−2−カルボメトキシ−3−パラメトキシアクリレートなど。
(e)クエンチャー(金属錯塩系)
ニッケル〔2,2′−チオビス(4−t−オクチル)フェノレート〕ノルマルブチルアミン、ニッケルジブチルジチオカルバメート、コバルトジシクロヘキシルジチオホスフェートなど。
(f)HALS(ヒンダードアミン)
ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、1−[2−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]−4−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピリジン、8−ベンジル−7,7,9,9−テトラメチル−3−オクチル−1,3,8−トリアザスピロ〔4,5〕ウンデカン−2,4−ジオン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなど。
【0039】
次に本発明における帯電方法について説明する。本発明の帯電方法は放電現象を伴わない接触帯電方法である。つまり、接触帯電装置への印加電圧に対応した電位で感光体を帯電出来る電荷注入帯電方法である。この方法は、放電を伴わないために、オゾンや窒素酸化物発生が少なく、また感光体を帯電させるための印加電圧も、従来の接触帯電方法を用いたプロセスよりも更に低いため、省エネルギーである。
使用する感光体には、前述した最表層に電荷注入層を設ける。電荷注入層はいわゆるコンデンサーの電極的役割を果たす。この電極に対して導電性の接触帯電部材を当接させて電圧を印加すると、電荷を注入することが可能となる。このような電荷注入層がない場合には、感光体表面に電極となりうるものがなく、十分な電荷注入が出来ない。
電荷注入層を感光層表面に設けることにより、電荷注入層下の感光層面に均一なチャージシートを形成することが可能となる。電荷注入層には接触帯電装置により印加された電荷を速やかに感光層表層に移動させ、均一なチャージシートを形成する特性が要求される。
均一なチャージシートを形成するためには電荷注入層及び接触帯電装置双方に均一な接触性、ニップ、接触抵抗、部材の体積固有抵抗等の特性が必要であり、それらの特性を好適な範囲に設定する必要がある。
接触帯電方法としては図5に示すような方式例がある。
【0040】
図5aは磁気ブラシ帯電方法、図5bは導電性ブラシ帯電方法、図5cは導電性のソフトローラーを使用したローラー帯電方法、図5dは固定式(ブレード式)の帯電方法、図5eは2本のローラーと導電性ベルトを使用したベルト式帯電方法である。
感光体を均一に放電を伴わずに帯電するためには、適正な印加電圧で感光体との必要なニップを確保し、感光体と帯電器の空隙を出来るだけ減らし、接触を出来る限り密にする必要がある。
図5aの磁気ブラシ帯電方法では、S、N極の磁石を交互に配置したマグネットローラーにアルミニウムやベークライトなどの非磁性材のスリーブを被覆し、構成された磁性ローラーに20〜150μm程度の球形又はほぼ球形のフェライト、酸化マンガン、γ酸化第II鉄などの磁性微粒子、又はそれらにポリエステル樹脂やフッ素樹脂などの流動性改善や保護等を目的として被覆された微粒子を1〜5mm程度の厚さに吸引し層形成したものが使用される。
前記微粒子の抵抗値は通常105〜1010Ω・cmの範囲のもので、抵抗の低い方が電荷注入性は良好である。磁気ブラシを使用することによって、クリーニングレスのプロセスを形成することも可能である。
【0041】
図5bの導電性ブラシ帯電法は、レーヨン、アクリル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアクリルニトリル等の繊維をカーボンや硫化銅等で導電処理したり、酸化亜鉛、酸化錫、酸化チタンなどの導電性フィラーを練り込んだ繊維を紡糸したり、更には金属糸を編み込んだりした部材を用いてブラシ状化したものを用いる。また、繊維を不活性ガス雰囲気中で焼成した炭素繊維や活性炭素繊維等も使用できる。
接触帯電装置の部材の抵抗は102〜1010Ω・cmの範囲のものが好ましい。
炭素繊維や活性炭素繊維は焼成温度で堆積固有抵抗を自由に変化させることが可能である。炭素成分が90%以上にもなると、抵抗が102Ω・cm程度と極めて低くなる。従って、感光体にピンホールがある場合には放電破壊の危険性があるが、低い電圧で使用する場合には問題ない。通常は100KΩ〜5MΩ程度の保護抵抗を電圧供給源との間に直列に挿入して使用する。
【0042】
図5cのソフトローラー帯電法は、感光体とのニップを稼いだり感光体との密着性を良好にするために好適である。ソフトローラーの材質は軟質性のゴムやソフトフォーム(ウレタン系のスポンジやフォームなど)等が使用され、表層又は層全体に導電処理が施される。導電処理材としてはSnO2、TiO2、ZnO2、カーボンブラックなどの導電性フィラー、炭素繊維、活性炭素繊維などの導電性繊維などがある。
図5dの固定式(ブレード式)の帯電方法は感光体を摺擦するような形式で帯電する方法で、前述した部材は殆ど使用可能である。
構成としては、例えばスポンジやフォームのような弾性部材に帯電部材として織り目の細かい炭素繊維や活性炭素繊維(ユニチカ、東邦レーヨン、東邦ベスロン等で制作、東邦レーヨンの例ではFW210やFW310など)を被覆するような形として、感光体に当接させ帯電を行う。
【0043】
図5eのベルト式帯電装置は感光体とのニップを稼ぐのに良好な手段である。使用できる材料は、導電性ブラシ帯電方法、ローラー帯電方法で説明したような部材が使用できる。
感光体との接触に必要なニップは幅広いほど好ましいが、通常は3〜10mm程度以上あれば良く、感光体に均等かつ均一に接触させるのが望ましい。
以上述べた各種部材を帯電部材として使用した場合の体積固有抵抗は102〜1010Ω・cmが望ましく、好ましくは108Ω・cm以下がよい。抵抗が高い程、電荷注入性が低下する。低過ぎる場合には、電荷注入性は問題ないが、感光体にピンホールがあった場合に電源ブレークや画像上に横黒筋が発生する危険性がある。通常は感光体の帯電々位は−500〜−800V程度であるため、放電破壊に対する危険性は小さく、オゾンが発生したとしても極めて少ないため、実用上の影響は小さい。
【0044】
本発明の電子写真感光体は、電荷注入帯電方法を含む一般的な電子写真プロセスに用いることが出来る。次に本発明の電子写真プロセスの例である電子写真プロセスカートリッジを説明する。プロセスカートリッジは、帯電部、現像部、クリーニング部等のユニットが一体構成となっているもので、取り付け、取り外しなどが簡便となる。図6は、その電子写真プロセスカートリッジの一例である。この模式断面図の説明に沿って、本発明の電子写真プロセスを説明する。
図中11は本発明の電子写真用感光体である。
まず帯電装置[図中のものは図5cの帯電器]12により、感光体が注入帯電される。次いで感光体がイメージ露光13を受け、露光された部分で電荷が発生し感光体表面に静電潜像が形成される。次いで現像ローラー14を介して現像剤と接触しトナー像が形成される。感光体表面に形成されたトナー像は、転写ローラー16により紙などの転写部材15へ転写され、定着ユニット19を通過してハードコピーとなる。電子写真用感光体11上の残留トナーはクリーニングユニット17により除去され、残留電荷は除電ランプ18で除かれて、次の電子写真サイクルに移る。
本画像形成方法及び感光体を用いる電子写真プロセスは、上記一例に限定されるものではなく、少なくとも帯電及び露光により静電潜像を形成するプロセスであれば、どのようなものであっても構わない。特にこの画像形成方法では、トナーの転写効率を上げることにより、転写後残留するトナーを、クリーニングユニットを用いずに帯電装置や現像装置で回収することが出来るクリーナーレスである方が、感光体に対し機械的負荷が小さいため望ましい。
【0045】
【実施例】
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
【0046】
実施例1
アルミニウム製支持体(外径30mmΦ)上に、下記組成の下引き層塗工液を浸漬塗工したのち乾燥して、膜厚3.5μmの下引き層を形成した。
≪下引き層塗工液≫
・アルキッド樹脂
(ベッコゾール1307−60−EL:大日本インキ化学工業)
・メラミン樹脂
(スーパーベッカミンG−821−60:大日本インキ化学工業)
・酸化チタン(CR−EL:石原産業)
・メチルエチルケトン
<混合比(重量)>
アルキッド樹脂/メラミン樹脂/酸化チタン/メチルエチルケトン
=3/2/20/100
この下引き層上に、下記組成の電荷発生層塗工液を浸漬塗工したのち加熱乾燥させて、膜厚0.2μmの電荷発生層を形成した。
≪電荷発生層塗工液≫
・下記〔化3〕のビスアゾ顔料
・ポリビニルブチラール(XYHL:UCC)
・2−ブタノン
・シクロヘキサノン
【化3】
<混合比(重量)>
ビスアゾ顔料/ポリビニルブチラール/2−ブタノン/シクロヘキサノン
=5/1/100/200
この電荷発生層上に、下記組成の電荷輸送層塗工液を浸積塗工したのち加熱乾燥させて、膜厚22μmの電荷輸送層を形成した。
≪電荷輸送層塗工液≫
・ビスフェーノルZ型ポリカーボネート
・下記〔化4〕の低分子電荷輸送物質
・テトラヒドロフラン
【化4】
<混合比(重量)>
ポリカーボネート/低分子電荷輸送物質/テトラヒドロフラン
=1/1/10
この電荷輸送層上に、上記〔化4〕の低分子電荷輸送物質を含む電荷注入層塗工液を用い、下記条件でスプレー塗工した後150℃で加熱乾燥させ、電荷注入層を形成して、電子写真感光体を得た。
≪電荷注入層塗工液≫
・ビスフェーノルZ型ポリカーボネート
・酸化錫
・テトラヒドロフラン
・シクロヘキサノン
<混合比(重量)>
ポリカーボネート/酸化錫/テトラヒドロフラン/シクロヘキサノン
=6/4/170/50
〔スプレー条件〕
・吐出量:15cc/min
・吐出圧:1.5kg/cm2
・感光体回転数:360r.p.m
・ガン送り速度:24mm/sec
・ガン−感光体距離:8cm
・塗工回数:2回
【0047】
実施例2
電荷注入層のスプレー条件を下記のように変えた点以外は実施例1と全く同様にして電子写真感光体を作製した。
〔スプレー条件〕
・吐出量:15cc/min
・吐出圧:1.5kg/cm2
・感光体回転数:360r.p.m
・ガン送り速度:24mm/sec
・ガン−感光体距離:8cm
・塗工回数:4回
【0048】
実施例3
電荷注入層のスプレー条件を下記のように変えた点以外は実施例1と全く同様にして電子写真感光体を作製した。
〔スプレー条件〕
・吐出量:10cc/min
・吐出圧:1.5kg/cm2
・感光体回転数:360r.p.m
・ガン送り速度:16mm/sec
・ガン−感光体距離:8cm
・塗工回数:3回
【0049】
実施例4
電荷注入層のスプレー条件を下記のように変えた点以外は実施例1と全く同様にして電子写真感光体を作製した。
〔スプレー条件〕
・吐出量:10cc/min
・吐出圧:1.5kg/cm2
・感光体回転数:360r.p.m
・ガン送り速度:16mm/sec
・ガン−感光体距離:8cm
・塗工回数:1回
【0050】
実施例5
電荷注入層の塗工液及びスプレー条件を下記のように変えた点以外は実施例1と全く同様にして電子写真感光体を作製した。
≪電荷注入層塗工液≫
・ビスフェーノルZ型ポリカーボネート
・酸化錫
・テトラヒドロフラン
・シクロヘキサノン
<混合比(重量)>
ポリカーボネート/酸化錫/テトラヒドロフラン/シクロヘキサノン
=6/4/200/20
〔スプレー条件〕
・吐出量:20cc/min
・吐出圧:2.0kg/cm2
・感光体回転数:360r.p.m
・ガン送り速度:16mm/sec
・ガン−感光体距離:8cm
・塗工回数:1回
【0051】
比較例1
電荷注入層のスプレー条件を下記のように変えた点以外は実施例1と全く同様にして電子写真感光体を作製した。
〔スプレー条件〕
・吐出量:20cc/min
・吐出圧:2.0kg/cm2
・感光体回転数:360r.p.m
・ガン送り速度:16mm/sec
・ガン−感光体距離:8cm
・塗工回数:1回
【0052】
比較例2
電荷注入層の塗工液を下記のように変えた点以外は実施例1と全く同様にして電子写真感光体を作製した。
≪電荷注入層塗工液≫
・ビスフェーノルZ型ポリカーボネート
・酸化錫
・テトラヒドロフラン
・シクロヘキサノン
<混合比(重量)>
ポリカーボネート/酸化錫/テトラヒドロフラン/シクロヘキサノン
=6/4/110/110
【0053】
比較例3
電荷注入層塗工液を下記組成のものに変え、塗工方法を浸積塗工法に変え、塗工後に光硬化した点以外は、実施例1と全く同様にして電子写真感光体を作製した。
≪電荷注入層塗工液≫
・光硬化性アクリル樹脂2種
・2−メチルチオキサンソン
・酸化錫
・エチルアルコール
<混合比(重量)>
光硬化性アクリル樹脂2種/2−メチルチオキサンソン/酸化錫/エチルアルコール=4/2/4/20
【0054】
比較例4
電荷注入層の塗工液及びスプレー条件を下記のように変えた点以外は、実施例1と全く同様にして電子写真感光体を作製した。
≪電荷注入層塗工液≫
・フェノール樹脂
・酸化錫
・エチルアルコール
<混合比(重量)>
フェノール樹脂/酸化錫/エチルアルコール=6/4/200
〔スプレー条件〕
・吐出量:17cc/min
・吐出圧:1.5kg/cm2
・感光体回転数:360r.p.m
・ガン送り速度:24mm/sec
・ガン−感光体距離:8cm
・塗工回数:2回
【0055】
比較例5
電荷注入層を設けず、電荷輸送層膜厚を25μmとした点以外は、実施例1と全く同様にして電子写真感光体を作製した。
【0056】
以上のようにして作製した電子写真感光体の断面を切り出してSEM観察を行い、平均最大膜厚D及び最大膜厚の標準偏差σを求めた。また、感光層及び下引き層を設けていないアルミ製支持体上に、実施例及び比較例と同様にして電荷注入層を形成し、A/Bの値を求めた。結果を表1に示す。
【表1】
【0057】
上記実施例1〜5及び比較例1〜4の電子写真感光体について、イマジオMF2200改造機を用いて評価した。
イマジオMF2200改造機…帯電部を図5dに示す固定式(ブレード式)帯電方法とした。(帯電部材:東邦レーヨン製FW210、イノアックコーポレーション製SP−80)
『評価1』
帯電器の印加電圧と電子写真感光体の帯電電位の関係を調べた。その結果、比較例4以外の感光体は注入帯電することが確認された。
『評価2』
比較例4を除き、A4用紙7万枚の通紙試験を行った。初期及び通紙後の画像評価結果を表2に示す。評価基準は次の通りである。
・ハーフトーン画像(ハーフトーン画像をとり、目視及び光学顕微鏡で評価した。)
◎…非常に良好
○…良好(局所的にざらつき感がある)
△…画像全体にざらつき感がある
×…濃度ムラ発生
・ドット再現性(平均ビーム径を50μmとし、1ドット独立書き込みを行い、
現像後の感光体表面のドット再現性及びトナー飛散状況を光学顕微鏡を用いて評価した。)
◎…非常に良好
○…良好(局所的にドット太りが見られる)
△…ドット太りがみられる
×…ドット太りにくわえ、トナー飛散もみられる
・黒ベタ端部(白画像中に大きさ5cm×3cmの黒ベタ画像をとり、目視及び光学顕微鏡で評価した。)
○…良好
×…端部における黒ベタ太り及びトナー飛散が見られる。
【表2】
【0058】
【発明の効果】
本発明によれば、長期的使用における機械的耐久性や電気的安定性が良好で、更に画像安定性に優れた電子写真感光体とその製造方法、並びにこの電子写真感光体を用いた画像形成装置、プロセスカートリッジ及び画像形成方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1aは、感光層と電荷注入層が連続した層構造の電子写真感光体について、幅100μmのサンプリング例を示す図である。
図1bは、感光層と電荷注入層が連続した層構造の電子写真感光体について、最大膜厚の測定例を示す図である。
図1cは、感光層と電荷注入層の不連続な層構造を示す図である。
【図2】本発明の電子写真感光体の構成例を示す断面図である。
【図3】本発明の電子写真感光体の別の構成例を示す断面図である。
【図4】本発明の電子写真感光体の更に別の構成例を示す断面図である。
【図5】図5aは、磁気ブラシ帯電方法を示す図である。
図5bは、導電性ブラシ帯電方法を示す図である。
図5cは、導電性のソフトローラーを使用したローラー帯電方法を示す図である。
図5dは、固定式(ブレード式)の帯電方法を示す図である。
図5eは、2本のローラーと導電性ベルトを使用したベルト式帯電方法を示す図である。
【図6】電子写真プロセスカートリッジの一例を示す図である。
【符号の説明】
11…本発明の電子写真用感光体
12…帯電装置
13…イメージ露光
14…現像ローラー
15…転写部材
16…転写ローラー
17…クリーニングユニット
18…除電ランプ
19…定着ユニット
Claims (9)
- 導電性支持体上に少なくとも感光層と結着樹脂中に導電性微粒子が分散された電荷注入層がこの順に積層され、かつ該感光層と電荷注入層が連続した層構造を有し、更に該電荷注入層の平均最大膜厚をDμmとしたとき、最大膜厚の標準偏差σがDの1/5以下であることを特徴とする電子写真感光体。
- 前記感光層が電荷発生層と電荷輸送層を積層したものであることを特徴とする請求項1記載の電子写真感光体。
- 前記電荷注入層に含有される導電性微粒子が酸化錫であることを特徴とする請求項1又は2記載の電子写真感光体。
- 前記電荷注入層を構成する結着樹脂が、ポリカーボネート又はポリアリレートを含むことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の電子写真感光体。
- 前記電荷注入層の膜厚が1.0μm以上4.0μm以下であることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の電子写真感光体。
- 少なくとも注入帯電手段、画像露光手段、現像手段、転写手段及び電子写真感光体を具備してなる画像形成装置において、該電子写真感光体として、請求項1〜5の何れかに記載の電子写真感光体を用いることを特徴とする画像形成装置。
- 請求項1〜5の何れかに記載の電子写真感光体を用いたことを特徴とする電子写真プロセスカートリッジ。
- 請求項1〜5の何れかに記載の電子写真感光体を用いたことを特徴とする電子写真画像形成方法。
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