JP4093065B2 - エキシマランプ発光装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明はエキシマランプ発光装置に関する。特に、光化学反応用の紫外線光源として使用される放電ランプの一種で、誘電体材料を介在させて放電することによってエキシマ分子を形成し、このエキシマ分子から放射される光を利用するエキシマランプ発光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この発明に関連した技術としては、例えば、特開平2−7353号があり、そこには、放電容器にエキシマ分子を形成する放電用ガスを充填し、誘電体バリア放電(別名オゾナイザ放電あるいは無声放電。電気学会発行改定新版「放電ハンドブック」平成1年6月再版7刷発行第263ページ参照)によってエキシマ分子を形成せしめ、このエキシマ分子から放射される光を取り出す放射器、すなわちエキシマランプについて記載される。
このエキシマランプは、放電容器の形状が円筒状であり、放電容器の少なくとも一部は誘電体障壁放電(誘電体バリア放電)の誘電体を兼ねており、この誘電体の少なくとも一部はエキシマ分子から放射される真空紫外光(波長200nm以下の光)に対して透光性であることが開示される。さらに、放電容器の外面には一方の電極として網状電極が設けられる。
【0003】
このエキシマランプは、従来の低圧水銀放電ランプや高圧アーク放電ランプにはない種々の特長、例えば、単一の波長の紫外光を強く放射するなどを有している。
また、エキシマランプを使った発光装置は、例えば、特開2002−168999号などに開示される。
さらに、エキシマランプを点灯させる給電装置は、例えば、特開平10−97898号などに開示される。
【0004】
【特許文献1】
特開平2−7353号
【特許文献2】
特開2002−168999号
【特許文献3】
特開平10−97898号
【0005】
図3にエキシマランプの概略構成を示す。エキシマランプ1(以下、単に「ランプ」ともいう)は、放電プラズマ空間2を挟んで電極3、電極4の間に、誘電体材料を兼ねている放電容器5が存在する。ランプ1を点灯させる場合は、電極3,電極4に、給電装置6から、例えば、10kHz〜200kHz、2kV〜10kVの高周波交流電圧を印加する。しかしながら、通常の放電ランプと異なり電極3,4の間に誘電体材料が介在しているため、電極から放電プラズマ空間に直接に電流が流れるのではなく、誘電体材料である放電容器5がコンデンサの働きをすることになる。
【0006】
図4は上記エキシマランプを模擬負荷で表したものである。放電プラズマ空間2と誘電体材料(石英ガラス)がそれぞれ直列にコンデンサが接続された形となり、さらに放電プラズマ空間2に相当するコンデンサにはツエナーダイオードが並列接続した構成となる。
このような構成により、ツエナーダイオードがオンするまでは、放電プラズマ空間2のコンデンサ容量が支配的となり、このコンデンサに対して充電が行なわれる。そして、充電が放電開始電圧に到達すると、ツエナーダイオードがオンとなり電流が流れる。このとき流れる電流は誘電体材料に相当する2つのコンデンサで抑制されたものとなるため、いわゆるエキシマランプにあってはアーク放電に移行しないように制御されている。
【0007】
このようにエキシマランプは放電開始電圧に到達することで点灯開始するが、この放電開始電圧は、放電プラズマ空間の圧力(P)と放電距離(L)によってほぼ決定される。ここで、放電距離(L)や放電プラズマ空間の体積は、ランプ点灯中に変化することはなくほぼ一定値として見積もることができるため、上記放電開始電圧は放電プラズマ空間2の温度変化に基く圧力(P)の変動に大きく影響を受けることがわかる。
つまり、放電プラズマ空間2の温度が高い場合は、空間内の分子量も多くなって容器内圧力も大きくなり、結果として、放電開始電圧が高くなる。
【0008】
通常の使用では、放電プラズマ空間は点灯前の常温状態から点灯時間の経過とともに温度上昇を伴うから、それにつれて上記放電開始電圧も変動することになる。このため、従来は、給電装置に対して想定される高い放電開始電圧にまで対応できるように過剰設計をしていた。
【0009】
さらに、エキシマランプは、石英ガラスなどの誘電体材料から構成されているが、この誘電体材料に歪が存在すると紫外線の透過率が低下することが知られている。つまり、誘電体材料に歪が存在することで、所望の紫外線光量を取り出すことができなかったり、あるいは部分的に放射光量が減少するなど位置的な不均一が発生する問題があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
この発明が解決しようとする課題は、エキシマランプの放電開始電圧を一定に維持すること、および放射光量の時間的、位置的均一化を図ることである。
【0011】
上記課題を解決するために請求項1に係るエキシマランプ発光装置は、誘電体材料を介在させた放電により紫外光を放射するエキシマランプと、このエキシマランプに対して所定の電力を供給する給電装置と、エキシマランプの放電空間を加熱冷却するための温度調整手段と、エキシマランプの放電空間の温度を検知する温度センサーと、エキシマランプの放電空間の温度を所定の目標温度値に維持するための制御部とよりなり、前記温度調整手段は、前記温度センサーによって検知された温度に基づき、前記制御部により、前記エキシマランプの放電空間の温度を、点灯前から、常温より高い目標温度に維持させることを特徴とする。
このような構成により、エキシマランプは点灯前から常温より高い目標温度に設定することができ、点灯初期から一定の放電開始電圧により駆動することができる。また、定常点灯段階においても、加熱手段と冷却手段により、エキシマランプの放電空間の温度を一定に維持するため、当該目標温度に対応した放電開始電圧を対象として回路設計をすることで給電装置の過剰設計を防止することができる。ここで、常温より高い温度に維持する理由は、放電プラズマ空間の温度が、あまりに低温であると、放電プラズマ空間内に存在する熱電子の運動そのものが機能しなくなり、結果として、良好に放電をできないからである。また、エキシマランプを加温することで放電容器を構成する石英ガラスに存在する歪を消滅できるからでもある。
【0012】
この目標温度は、エキシマランプの温度は発光管外表面の温度であって、80℃〜200℃の範囲、より好ましくは100℃〜160℃の範囲に設定される。
これは、放電空間の温度が現実問題として測定困難であるため、発光管材料、例えば石英ガラスの外表面温度で代替的に規定するものである。
そして、この温度範囲は、熱電子が機能する温度と放電空間内の温度上昇の度合いを考慮することで、本発明者らが鋭意検討のすえに見出した現実的な意味において最も効果を有する温度範囲である。
【0013】
また、上記目標温度は、±20℃の範囲で一定に維持されることを特徴とする。これは制御すべき温度の許容幅を規定したものであって、本発明者らが鋭意検討の結果見出した数値範囲である。
【0014】
また、制御部はエキシマランプの経時劣化に伴い上記目標温度を変化させることを特徴とする。これは、放電容器(誘電体材料の厚み)、電極の腐食、放電容器からの封入ガス漏れなどによりエキシマランプが経時的劣化することに着目したものであり、放電開始電圧が経時的劣化によって変化しないように設定温度を調整するものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1は本発明のエキシマランプ発光装置を表す。照射装置10の内部にエキシマランプ1が配置する。照射装置10は、光取出窓11と本体ケース12と金属ブロック13より構成される。光取出窓11はエキシマランプ1から放射される真空紫外光を透過するもので、例えば合成石英ガラスから構成される。本体ケース12は、例えば、ステンレスからなり一方の側壁にはガス導入口12aが、他方の側壁にはガス排出口12bが形成される。このガス導入口12aからは窒素ガス等の不活性ガスが導入され、ガス排出口12bから残存していた酸素ガスとともに不活性ガスが排出される。
照射装置10の外部にはエキシマランプ1に電力を供給する給電装置20があり、各エキシマランプ1に対し給電線などで電気的に接続する。また、照射装置10の内部には、後述するエキシマランプに対する温度調整手段30、エキシマランプの温度センサーや光センサが配置されており、照射装置10の外部には、これら温度制御手段や各センサーと信号の送受信をするための制御部40が配置される。なお、給電装置20や制御部40は、照射装置10の外部に配置することに限定するものではなく、照射装置10の内部に配置してもよく、また、給電装置20と制御部40は一つのケーシングで構成するなど物理的には同一のものから構成してもよい。
【0016】
金属ブロック13の内面には溝部(窪み部)14が形成される。各溝部14はエキシマランプ1の半分(半円)もしくは半分以下の部分がほぼすっぽり嵌まる大きさを有しており、エキシマランプ1と同様に紙面手前方向に伸びて形成される。また、金属ブロック13には、各々のエキシマランプ1から貫通孔を介して光センサ15が組み込まれる。この光センサ15はエキシマランプ1からの放射光を検知するもので、貫通孔は例えば直径10mm、長さ20mm程度のものである。エキシマランプ1と溝部14の間には、反射ミラー16が介して配置する。反射ミラー16は、表面が光輝アルミニウムよりなり紫外光、特に真空紫外光に対して高い反射率を示す。
【0017】
照射装置10には加熱手段31と冷却手段32から構成される温度調整手段30が存在する。
加熱手段31は、反射ミラー16の外面に貼り付けられたヒータであって、この加熱手段31により、エキシマランプ1の外表面の温度を、80〜200℃の範囲、より好ましくは100〜160℃の範囲の温度に加温することができる。そして、後述するが、エキシマランプ1の点灯後のみならず,点灯前から目標温度に設定している。
【0018】
上記加熱手段31は、反射ミラー16の外面に貼り付けたヒータに限るものではなく、エキシマランプ1を加熱することができるあらゆる手段を採用できる。例えば、金属ブロック13の中に赤外線ランプを挿入する構造や、同じく金属ブロック13の中に温水を流す構造、あるいはペルーチェ素子、空冷ラジエター、気化熱による冷却、アンモニアを使用した吸収式などの構造が採用できる。
【0019】
冷却手段32は、金属ブロック13の中に設けられた水冷パイプであって、冷却水が水冷パイプの中を循環することで金属ブロック13の冷却を介してエキシマランプ1を冷却する。
この冷却手段32は、上記加熱手段31とともに機能させることで、エキシマランプ1の温度を一定の目標値に維持制御することができる。
なお、冷却手段32についても、金属ブロック13に液体を流す手段に限定されるものではなく、エキシマランプ1を冷却できるあらゆる手段が適用でき、例えば、冷却水のように液体を媒体とする方法ではなく、NH3やHFC−134a(代替フロン)などの気体を媒体とする方法や、ヒートシンクやドライアイスなどの固体を媒体とする方法も採用できる。また、冷却手段の位置についても、金属ブロック13に設けるのではなく、エキシマランプ1の内側管の中を流れる構造や、照射装置10内の空間を流れる構造であってもよい。
【0020】
各エキシマランプ1の周辺には、エキシマランプ1の温度を検知する温度センサー17が各々配置されている。この温度センサー17は、エキシマランプ1の発光管外表面の温度を検知するものであり、例えば、ポジスター(P型半導体)、測温抵抗体、熱電対、半導体温度センサー、純抵抗、赤外線温度センサーが適用される。
【0021】
なお、温度センサー17は、上記ポジスター(P型半導体)などに限定されるものではなく、エキシマランプ1の外表面温度を的確に検知できるあらゆる手段が採用でき、例えば、輻射熱法、温度によるガラスの歪を測定する歪−温度換算法、圧力式(封入した気体、液体の膨張率により温度換算する)のような間接方式が採用できる。なお、温度センサー17は本質的には放電空間内の温度を検知するためのものであるが、上記温度センサー17は放電容器の外表面温度を検知して予め求めた換算値によって放電空間の内部温度を測定するものである。なお、温度センサー17は、発光管の外表面温度を検知するのではなく、発光空間の温度を検知するものであってもよいことは言うまでもない。
【0022】
温度センサ−17による検知信号は、制御部40に送信されて設定した目標温度と比較される。そして、制御部40は、エキシマランプ1の放電空間の温度が目標温度より低いと判断した場合は、加熱手段31を強化させる、あるいは冷却手段32を低下させるよう信号を発信して加熱手段31あるいは冷却手段32を調整して、エキシマランプ1の放電空間の温度が目標温度より高いと判断した場合は、加熱手段31を低下させる、あるいは冷却手段32を強化させるよう信号を発信して加熱手段31あるいは冷却手段32を調整する。
このように、制御部40は温度センサ−17からの検知信号と温度調整手段30への駆動によりエキシマランプ1の放電空間の温度を目標値に近づけるためのフィードバック制御を行なう。
【0023】
本発明は、エキシマランプ1を点灯する前に、エキシマランプ1の温度を常温よりも高い所定の目標温度に設定することを特徴とするものであり、給電装置20は、制御部40からエキシマランプ1の温度状態に関する情報を常に入手している。
従って、例えば、エキシマランプ発光装置の主電源を投入すると、エキシマランプ1を点灯させる前に制御部40と温度調整手段30がまず起動して、エキシマランプ1を目標値まで設定させる。
そして、制御部40が、エキシマランプ1の温度が前記目標温度にまで到達したことを確認すると、給電装置20に対して点灯可能信号を送信し、給電装置20は制御部40からの信号を受けることでエキシマランプ1に対して給電機能を開始する。
【0024】
なお、エキシマランプ発光装置の主電源をオンしたままの状態であって、エキシマランプ1を消灯している状態にあっては、制御部40による温度調整手段30は作動させていてもよいし、停止させていてもよい。
いずれにしても、エキシマランプ1を点灯させる場合において、給電装置20が制御部40からの点灯可能であることを示す信号が受信できた場合にのみエキシマランプ1に電力を供給して発光させることとなる。
【0025】
本発明はエキシマランプの点灯前からエキシマランプを常温より高い温度に昇温させることと、この温度に維持させることで従来のエキシマ発光装置には存在しない大きな利点を有する。
すなわち、エキシマランプの点灯前からエキシマランプの温度を常温より高い温度に昇温させることにより、放電容器を構成する石英ガラスの中に含まれる歪を消滅あるいは低減できるという効果を有する。この歪は紫外線の透過を阻害するものであり、石英ガラス自体を昇温させることで解消できれば、紫外線透過率も向上する。
従来のエキシマランプは、点灯に伴い生じる昇温効果により、点灯時間の経過とともに紫外線透過率が上昇することはあったかもしれないが、本発明においてが点灯初期から高い透過率で紫外線を放射させることが可能となる。また、点灯初期から歪を消滅させることで、位置的な不均一も良好に解消できる。
このため、真空紫外光の透過率を向上させて、その取出効率を上げることができるばかりか、点灯初期から高い紫外線光量を放射できるという利点がある。また、歪が位置的に不均一に存在する場合、紫外線の取り出しも不均一になってしますが、本発明においては、点灯初期から量的に位置的不均一のない紫外線を放射させることができる。
【0026】
さらに、本発明では放電容器の加温を一定温度に維持することを特徴としている。これは、放電開始電圧を一定するためであり、当該温度にあわせて給電装置を設計することで、より高い放電開始電圧に対応した過剰設計を防止することができるため給電装置の小型化を達成することができる。
【0027】
光取出窓11の外側には、数mm程度に近接した位置に処理物、例えば半導体ウエハーや液晶基板が配置される。そして、エキシマランプ1から放射される真空紫外光(波長200nm以下の光)が光取出窓11を透過して、処理物を照射することで表面改質等の処理が行われるわけであるが、光取出窓11と処理物との間に介在する酸素に対して真空紫外光が照射することで酸素からオゾンや活性酸素を発生させ、これらの協同作用によって、基板の表面を洗浄処理などできる。
【0028】
図2はエキシマランプ1の概略構成を示す。(a)は全体の横断面図を示し、(b)は(a)のA−A断面図を示す。
エキシマランプ1は全体形状が円筒状であり、材質は誘電体バリア放電によって誘電体として機能するとともに、紫外光を透過する合成石英ガラスから構成される。放電ランプ1は外側管51と内側管52が同軸に配置して二重円筒管を構成するとともに、両端を閉じたことから外側管51と外側管52の間に放電空間2が形成される。放電空間2には誘電体バリア放電によってエキシマ分子を形成するとともに、このエキシマ分子から真空紫外光を放射する放電用ガス、例えばキセノンガスが封入される。数値例をあげると、放電ランプ1は全長800mm、外径27mm、内側管52の外径は16mm、外側管51と内側管52の肉厚は1mmであり、400Wで点灯させる。外側管51の外面には網状電極3が設けられ、内側管52の内部に他方の電極である内側電極4が設けられる。網状電極3はシームレスに構成され、全体として伸縮性を有することから外側管51の密着性を良くすることができる。内側電極52はパイプ状、あるいは断面において一部に切り欠きを有する概略C字状のものであり内側管52に密着するように設けられる。放電空間2には必要に応じてゲッタが配置される。網状電極3、内側電極4の間には、図示略の交流電源が接続され、これにより放電空間2にエキシマ分子が形成されて紫外光を発光する。放電用ガスとしてキセノンガスを使った場合は波長172nmの光を放射する。
エキシマランプ1は、この形態に限定されるものではなく、石英ガラスなどの誘電体材料を介在させて放電するものであれば、その他の形態も採用することができる。特に、図2に示すような二重管型形状でなく図1に示すような一重管型形状であってもよく、また、いずれかの電極が放電容器の中に配置して、放電用ガスを接触するような形態であってもよい。
【0029】
図5はエキシマランプの温度制御のためのブロック図を表す。
エキシマランプ1の温度は、図示S1のように温度センサー17で測定される。温度センサー21からの信号S2は制御部40の温度制御回路41に送信される。温度制御回路41では所定の目標温度T1と測定された温度T0と比較することで温度調整手段30に前記のような加熱、冷却を駆動させる信号S3を送信する。温度調整手段30は前記のように加熱手段31、冷却手段32によりエキシマランプ1の温度を目標温度T1になるよう制御する。以上が通常のフィードバック制御を表す。
【0030】
エキシマランプ1は、給電装置20の給電回路21から電力を供給されることで点灯する。なお、前記のように制御部40の温度制御回路41からエキシマランプの温度状態に関する情報S4が送信される。
【0031】
給電装置20では給電回路21に対して特性検知回路22が接続される。これはエキシマランプ1の電気的特性を検出するものであり、例えば、ランプの点灯電圧値と点灯電流値を検知して、電圧位相と電流位相から位相差を検出する。この位相差は、エキシマランプの特性が経時的変化をしないならば、ほぼ一定の値となるべきであるが、前記のように放電容器(誘電体材料の厚み)、電極の腐食、放電容器内の封入ガス漏れなどにより経時的変化をすると変化するものである。
そして、特性検知回路22は、エキシマランプの電気的特性の変化から経時的劣化を検出する。なお、この場合のエキシマランプの電気的特性はマクロな意味における特性を意味しており、一時的な電圧変動や電流変動に影響するものではない。
【0032】
特性検知回路22はエキシマランプ1の劣化の信号S5を制御部40の目標値演算回路42に送信する。この目標値演算回路42は、エキシマランプ1の劣化情報を受けて、劣化を受けた状態であっても放電開始電圧が等しくなるような温度設定にすべく、前記目標温度を調整する。
その一方で目標温度の変更情報はメモリ43にも送信されて、エキシマランプ発光装置の主電源をオフにした場合であっても、次回、立ち上げの際に初期設定として変更後の目標温度を維持できるようにする。
【0033】
なお、特性検知回路22でエキシマランプの電気的特性を検知する手段は、ランプの電圧位相と電流位相から位相差を検知する方法に限定されるものではなく、放電開始電圧の変化を検知できるあらゆる手段と構造が採用でき、例えば、放電開始時の電圧値の立ち上がり状態から検知する方法なども存在する。
【0034】
また、上記エキシマランプの電気的特性に関するデータは、制御部40のメモリ43で蓄積することにより、エキシマランプの劣化履歴と残すことができる。そして、蓄積データから変化をエキシマランプの寿命を予測することができる。
【0035】
以上のように、本発明のエキシマランプ発光装置は、温度センサーによる温度検知と温度制御回路による制御により通常は一定の目標温度に制御を行なう。そして、エキシマランプの温度検知と並行して特性検知回路により電気特性を検知することでマクロな意味におけるランプの劣化を検知することが可能となり、この劣化により温度制御の目標温度そのものを調整する機能を有する。
【0036】
以上説明したように、本発明のエキシマランプ発光装置は、第1にエキシマランプの点灯前からエキシマランプの放電空間の温度を常温より高い温度に昇温させることにより、放電容器を構成する石英ガラスの中に含まれる歪を消滅あるいは低減できるという効果を有する。第2に放電容器の加温を一定温度に維持することにより、放電開始電圧を一定することができ、これにより、当該温度にあわせて給電装置を設計することで、より高い放電開始電圧に対応した過剰設計を防止することができるため給電装置の小型化を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るエキシマランプ発光装置の全体図を示す。
【図2】 本発明に係るエキシマランプを示す。
【図3】 エキシマランプの一般的説明をするための図面である。
【図4】 エキシマランプの一般的説明をするための図面である。
【図5】 本発明のエキシマランプ発光装置の制御系を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 エキシマランプ
2 放電空間
3 外側電極
4 内側電極
5 放電容器
20 給電装置
30 温度調整手段
40 制御部
Claims (2)
- 誘電体材料を介在させた放電により紫外光を放射するエキシマランプと、このエキシマランプに対して所定の電力を供給する給電装置と、エキシマランプの放電空間を加熱冷却するための温度調整手段と、エキシマランプの放電空間の温度を検知する温度センサーと、エキシマランプの放電空間の温度を所定の目標温度値に維持するための制御部よりなるエキシマランプ発光装置において、
前記温度調整手段は、前記温度センサーによって検知された温度に基づき、前記制御部により、前記エキシマランプの放電空間の温度を、点灯前から、常温より高い目標温度に維持させることを特徴とするエキシマランプ発光装置。 - 誘電体材料を介在させた放電により紫外光を放射するエキシマランプと、このエキシマランプに対して所定の電力を供給する給電装置と、エキシマランプの発光管を加熱冷却するための温度調整手段と、エキシマランプの発光管外表面の温度を検知する温度センサーと、エキシマランプの発光管外表面の温度を所定の目標温度値に維持するための制御部よりなるエキシマランプ発光装置において、
前記温度調整手段は、前記温度センサーによって検知された温度に基づき、前記制御部により、前記エキシマランプの発光管外表面の温度を、点灯前から、80℃〜200℃の範囲に維持させることを特徴とするエキシマランプ発光装置。
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