JP3409760B2 - 電磁弁 - Google Patents

電磁弁

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JP3409760B2
JP3409760B2 JP35207799A JP35207799A JP3409760B2 JP 3409760 B2 JP3409760 B2 JP 3409760B2 JP 35207799 A JP35207799 A JP 35207799A JP 35207799 A JP35207799 A JP 35207799A JP 3409760 B2 JP3409760 B2 JP 3409760B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電磁弁に係り、詳
しくはその摺動部内に球体が挿入された軸受構造を有す
る電磁弁に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、軸受は回転,滑り,振動する部
分を支持する機械部品として種々の装置の中に組み込ま
れており、電磁弁の中にもこの軸受が装着されている。
【0003】電磁弁は、コイルに発生する磁界で作動す
る弁によって、例えばパイプ等の液体通路内においてそ
の中を流れるガスや液体の流量を制御するものである。
通常、その弁に連結した摺動部は、円柱状に形成され、
その外周面には軸受が摺接されているが、電磁弁のコス
トダウン及び部品点数の低減等の理由からこの軸受を削
除することが提案されている。
【0004】電磁弁において、この軸受を削除する方法
が、例えば特公昭62−15796号公報(特開昭54
−158723号公報)に記載されている。この電磁弁
は、筒状に形成されたケースを備え、その内側にはコイ
ルが配設されている。このコイルには電流が流され、そ
の内側に磁界を発生させる。また、このコイルの内側に
は案内管が設けられている。案内管の内周面には薄板リ
ングが設けられている。この薄板リングは筒に形成さ
れ、その内側には可動子が配設されている。
【0005】この可動子は、円柱状に形成された磁性体
であって、その外周面には周方向に2個の環状溝が離間
して形成されている。その環状溝の底面には薄板片が固
着されている。この薄板片の表面は、平面に形成されて
いる。また、環状溝内の側面には保持器が装着されてい
る。更に、環状溝内には、例えば6個の球体(玉)が回
転可能に挿入されている。これらの球体の球面の一部は
可動子の外周面から突出し、前記薄板リングの内周面と
接している。即ち、これらの球体は環状溝内の薄板片及
び保持器によって形成される空間内に保持されるととも
に、薄板リングの内周面上を転動する。
【0006】したがって、コイルによって発生した磁界
によって、可動子はこの薄板リングの内周面を軸方向に
摺動できる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、可動子の外
周面に形成された環状溝内には公知の軸受におけるイン
ナーレースとして機能する薄板片及び球体を保持するた
めの保持器が設けられている。更に、可動子の環状溝内
に挿入した複数の球体と公知の軸受におけるアウターレ
ースとして機能する前記薄板リングの内周面とを常に摺
接させるためには球体を環状溝内の全周にわたって配設
する必要がある。この場合、6個以上の球体が必要であ
る。即ち、これら環状溝,薄板片,保持器,複数の球体
及び薄板リングからなる軸受は部品点数において、通常
の軸受とほぼ同一である。
【0008】したがって、軸受の部品点数を減らすとと
もに、コストダウンを図るには更なる工夫が必要であ
る。また、球体は薄板片上に載置されており、球体と薄
板片は点で接しているため、球体に生じる応力はその点
に集中する。
【0009】したがって、球体及び薄板片は摩耗し易
い。その結果、電磁弁の品質は安定しない。本発明の目
的は、部品点数を削減し、コストダウンを図るととも
に、品質の安定した電磁弁を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに、請求項1に記載の発明は、駆動軸に連結されてス
リーブに摺接される摺動部を備える電磁弁において、前
記摺動部には大径部及び小径部が形成されるとともに、
前記小径部の外周面に前記摺動部の軸方向に形成された
複数の溝と、前記複数の溝内にそれぞれ転動可能に挿入
されて前記スリーブの内面に接触される少なくとも一つ
の移動体と、前記移動体を前記溝内に保持するための保
持部とを備えることをその要旨とする。
【0011】請求項2に記載の発明は、駆動軸に連結さ
れてスリーブに摺接される摺動部を備える電磁弁におい
て、前記摺動部の外周面に同摺動部の軸方向に形成され
た複数の溝と、前記複数の溝内にそれぞれ転動可能に挿
入されて前記スリーブの内面に接触される少なくとも一
つの移動体と、前記移動体を前記溝内に保持するための
保持部とを備え、前記摺動部の周囲には油が充填されて
なり、前記摺動部には、その内部から前記溝の底部に連
通して前記油を前記移動体と前記スリーブとの間に流出
せしめる油通路が形成されてなることをその要旨とす
る。
【0012】請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3
のいずれかに記載の発明において、前記移動体は、球体
であって、前記溝の底面は円弧面に形成されてなること
をその要旨とする。
【0013】請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4
のいずれかに記載の発明において、前記保持部は、前記
溝の側部、及び同溝の長手方向端部にそれぞれ形成され
てなることをその要旨とする。
【0014】請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5
のいずれかに記載の電磁弁において、前記摺動部は、前
記溝が形成されて前記移動体が挿入された第1の部分と
前記スリーブに直接摺接される外周面を有する第2の部
分とを有し、前記第2の部分の前記外周面には、同摺動
部の軸方向に対し差交する角度で周溝が形成されてなる
ことをその要旨とする。
【0015】請求項1に記載の発明によれば、移動体は
摺動部の外周面に形成した複数の溝内にそれぞれ少なく
とも1個ずつ挿入される構成とすることで、例えば溝の
数を3個にすることによって移動体の数量を全体で最低
3個のみにすることができる。これは公知の球体軸受と
比べて移動体の数量がはるかに低減している。また、各
溝を形成するときに、溝の周囲が変形して盛り上がって
も、小径部の外周面を大径部の外周面より突出しないよ
うにすることができる。
【0016】
【0017】求項に記載の発明によれば、前記摺動
部の摺動に際し、摺動部の摺動方向とは逆方行に流動し
ようとする油が、前記油通路を介して流動しようとす
る。この油通路に流入した油が前記移動体と前記スリー
ブとの間に流出するように、油通路の形状を定めること
で、スリーブと移動体との間に油圧ダンパを形成するこ
とができる。したがって、このダンパによって、移動体
とスリーブとの衝突による衝撃を緩和することができ
る。
【0018】
【0019】請求項に記載の発明によれば、スリーブ
付近のシール性を高めることができる。したがって、電
磁弁内部からの作動油の漏洩、及び電磁弁外部から内部
への水の侵入を確実に防止することができる。また、ゴ
ムをスリーブに焼き付けることで、部品点数を削減する
ことができ、コストダウンを図ることができるととも
に、組付工数を削減することもできる。請求項4に記載
の発明によれば、各溝の底面は円弧面に形成されている
ので、移動体である球体は円弧面と広い面積で接するこ
とができる。したがって、球体及び円弧面に生じる応力
は分散され、球体及び溝の摩耗が減少する。請求項5に
記載の発明によれば、各溝には保持部を形成したので、
移動体は溝外へ脱落することはない。一方、スリーブと
摺動部に備えられる移動体との当接位置は、摺動部の摺
動により略線分上を移動する。したがって、スリーブの
うち、同線分上の部分の摩耗が激しくなることが懸念さ
れる。この点、請求項6に記載の発明によれば、摺動部
の移動に際し、上記周溝を介して流動する油によって、
同摺動部には回転力が加わるようになる。このため、摺
動部の摺動に対して、移動体がスリーブとの当接により
描く図形は、線分ではなくむしろ面となる傾向にあり、
スリーブの摩耗を抑制することができるようになる。
【0020】
【発明の実施の形態】(第1の実施の形態)以下、本発
明を具体化した電磁弁の第1の実施形態を図1〜図3に
したがって説明する。
【0021】図1に示すように、電磁弁は弁本体2及び
弁駆動部3から構成されている。弁本体2は、ボディ4
を備えている。ボディ4は、筒状に形成されるととも
に、その外周面には作動油が出入りするポート5が形成
されている。また、ボディ4の一端は閉塞され、他端は
開口に形成されている。その開口側の外周面には係合面
4aが形成されるとともに、その開口側の端面には当接
面4bが形成されている。ボディ4の開口側にはコア部
6が配設されている。コア部6は、円筒に形成され、フ
ランジ部6a及び筒部6bからなっている。
【0022】フランジ部6aは、筒部6bの一端部を外
側に向かって直角に屈曲させて形成されている。そし
て、フランジ部6aの一側面を前記ボディ4の当接面4
bに当接させている。筒部6bは、円筒であって、その
両端は開口している。筒部6bの外側にはスリーブ7が
配設されている。
【0023】スリーブ7は、筒状に形成され、大径部7
a及び小径部7bからなっている。大径部7aは、円筒
であって、その両端が開口している。大径部7aの内径
は、前記筒部6bの外径と同一に形成され、大径部7a
の内周面は筒部6bの外周面に圧入等により固定されて
いる。したがって、大径部7aと筒部6bとの間にシー
ル性を持たせることができる。小径部7bは、円筒であ
って、大径部7a側の一端は開口し、他端は閉塞してい
る。小径部7bの内径R1は、本実施形態では前記コア
部6の筒部6bの内径と同一にしている。スリーブ7の
外側には、ケース8が配設されている。
【0024】ケース8は、筒状に形成され、内筒部8a
及び外筒部8bからなっている。内筒部8aは、ケース
8の一端部を内側にコの字状に屈曲させて形成されてい
る。内筒部8aの内径は、スリーブ7の小径部7bの外
径と同一にしている。
【0025】そして、内筒部8aを小径部7bの外周面
に圧入等により固定させている。これにより、内筒部8
aと小径部7bとの間にシール性を持たせることができ
る。外筒部8bは、円筒であって、その一端は開口し、
先端には突起部9が折り曲げ可能に形成されている。そ
して、この突起部9は、かしめられ、前記ボディ4に形
成された係合面4aに当接してボディ4とケース8を固
定している。
【0026】また、内筒部8a,外筒部8b及び大径部
7aに囲まれた空間内にはコイル10が配設されてい
る。このコイル10は、図示しない電源に接続され、電
流が流されるとその内側に磁界を発生させるようになっ
ている。
【0027】ボディ4、筒部6b及びスリーブ7の小径
部7bにて形成された空間内には、スプール弁11が配
設されている。スプール弁11は、弁部12,駆動軸1
3及び摺動部としてのプランジャ14からなっている。
【0028】スプール弁11の一方には弁部12が設け
られている。弁部12には弁体12aが4個離間して設
けられている。各弁体12aは、円柱状に形成され、そ
の外周面はボディ4の内周面にボディ4の軸方向に移動
可能に内接している。
【0029】したがって、各弁体12aはボディ4の軸
方向に移動して各ポート5を開閉する。また、図1にお
いてスプール弁11の左端部とボディ4の間にはバネ1
5が配設され、スプール弁11を弁駆動部3方向(右方
向)に付勢している。弁部12には駆動軸13が当接さ
れている。
【0030】駆動軸13は、筒部6bの内周面に設けた
軸受16に軸方向に摺動可能に支持されている。駆動軸
13の弁部12と反対側にはプランジャ14が固定され
ている。
【0031】なお、このプランジャ14は磁性体で形成
されているため、前記コイル10に流された電流により
発生する磁界によって、同プランジャ14共々、駆動軸
13及びスプール弁11をボディ4の端部に設けたバネ
15のバネ力に抗して、その軸方向に移動させることが
できる。そして、前記コイル10に流される電流量を調
整することで、バネ力と磁界によるプランジャ14の吸
引力とが釣り合う位置を可変制御することができる。
【0032】次に、上記プランジャ14を中心とする同
電磁弁の軸受構造について、図2及び図3に基づいて詳
細に説明する。図2(a),(b)に示すように、プラ
ンジャ14は円柱状に形成され、その一側面には軸穴1
7が形成され、その軸穴17に駆動軸13が嵌着され、
連結されている。プランジャ14は、大径部14a及び
小径部14bからなっている。プランジャ14の大径部
14aの外径R2は、前記スリーブ7の小径部7bの内
径R1より小さく形成されている。
【0033】プランジャ14の小径部14bの外径R3
は、プランジャ14の大径部14aの外径R2(<R
1)より小さく形成されている。プランジャ14の小径
部14bの外周面には、溝18がプランジャ14の軸方
向に形成されている。
【0034】この溝18は、プランジャ14の周方向に
5個等角度間隔に形成されている。各溝18の底面18
aは、曲率半径R4を有した同一形状の円弧面に形成さ
れるとともに、溝18の底はプランジャ14の小径部1
4bの中心軸から半径R6の円周上に形成されている。
【0035】また、各溝18の両側面18bは平面に形
成され、両側面18b間は距離W1を有している。これ
らの両側面18bは、小径部14bの外周面側に保持部
としての側部ボール抜け止め部(保持部)19を備えて
いる。
【0036】この側部ボール抜け止め部19は、溝18
の両側面18bが溝18の内側に肉厚に形成され、両側
部ボール抜け止め部19間は幅W2(<W1)を有して
いる。また、各溝18の長手方向端部には端部ボール抜
け止め部(保持部)20が形成されている。図3に示す
ように、この端部ボール抜け止め部20は、溝18の側
面の一部をかしめて溝18の内側に突出させている。
【0037】溝18の内側に突出した対向する端部ボー
ル抜け止め部20の先端間は幅W3(<W1)を有して
いる。更に、溝18の両端の端部ボール抜け止め部20
間は長さLを有している。
【0038】各溝18内には、移動体としての球体21
が一つずつ挿入されている。各球体21は、それぞれ同
一の直径R5を有し、この直径R5は溝18の両側面1
8b間の幅W1(>W2)より小さく設定されるととも
に、両側部ボール抜け止め部19間の幅W2(<W1)
及び両端部ボール抜け止め部20の先端間の幅W3(<
W1)より大きく設定される。また、直径R5は溝18
の両端の端部ボール抜け止め部20間の長さLより小さ
く設定される。更に、球体21の半径R5/2は各溝1
8底面18aを形成する円弧面の曲率半径R4より小さ
く設定される。更にまた、球体21の直径R5はスリー
ブ7の内径R1から小径部14bの中心軸から溝18の
底までの長さR6を引いた値に設定される。
【0039】したがって、球体21は溝18内に格納さ
れるとともに、溝18外に脱落することはない。更に、
球体21の表面の一部は溝18の底及びスリーブ7の小
径部7bの内周面に接して溝18内を転動することがで
きる。
【0040】プランジャ14に上記構成にて、球体21
を設けることで、プランジャ14は各球体21の表面で
スリーブ7の小径部7bの内周面に接し、各球体21を
小径部7bの内周面に沿って転動させて軸方向に移動可
能になる。なお、これら各球体21も、プランジャ14
と同様、磁性体で形成されている。
【0041】以上説明した本実施形態の電磁弁によれ
ば、以下のような効果を得ることができる。 (1)本実施形態では、プランジャ14の小径部14b
の外周面に形成した各溝18内に格納された球体21は
それぞれ1個ずつ挿入されたのみである。これは公知の
球体軸受と比べて球体の数量が低減されている。したが
って、部品点数を低減することができる。
【0042】(2)本実施形態では、プランジャ14が
各溝18に設けた球体21を介してスリーブ7に支持さ
れており、プランジャ14に径方向荷重の最も強く働く
部分である大径部14aに近い位置で球体21を介して
スリーブ7に支持され、ケース8に設けた軸受16にか
かる荷重を低減することができる。
【0043】したがって、軸受16は、例えば安価な焼
結合金等を用いて形成することができる。その結果、軸
受16のコストを低減することができる。 (3)本実施形態では、端部ボール抜け止め部20は、
溝18の両側面18bの一部を溝18の内側にかしめた
のみである。
【0044】したがって、一般のボール軸受に比べ組立
が容易となるため、製造コストを低減することができ
る。 (4)本実施形態では、プランジャ14に小径部14b
を形成し、その小径部14bの外周面に溝18を形成し
た。
【0045】したがって、各溝18を形成するときに、
溝18の周囲が変形して盛り上がっても、小径部の外周
面を大径部の外周面より突出しないようにすることがで
きる。その結果、各溝18の形成が容易となるので、製
造コストを低減することができる。
【0046】(5)本実施形態では、各溝18の底面1
8aは円弧面に形成されているので、球体21は円弧面
と広い面積で接することができる。したがって、球体2
1及び円弧面に発生する応力は分散され、球体21及び
溝18の摩耗は減少する。その結果、品質が安定する。
【0047】(6)本実施形態では、両ボール抜け止め
部19,20を形成したので、それぞれの球体21は溝
18から脱落することはない。その結果、品質が安定す
る。 (7)本実施形態では、球体21は磁性体からなってい
るので、コイル10に発生する磁界に基づいて球体21
にも力が働き、更にスプール弁11の軸方向の移動を容
易にする。その結果、品質が安定する。
【0048】(8)本実施形態では、駆動軸13はプラ
ンジャ14の側面に形成した軸穴17に嵌着され、連結
されている。これは、ほぼプランジャ14の軸方向の長
さだけ駆動軸13の長さが短縮されている。
【0049】尚、本実施形態は以下のように変更しても
よい。 ・各溝18はプランジャ14の小径部14bの外周面に
等角度間隔で形成したが、任意の間隔で形成してもよ
い。
【0050】・端部ボール抜け止め部20は、各溝18
の両端部の両側面18bに形成されたが、プランジャ1
4の一側面18bにのみ端部ボール抜け止め部20を形
成してもよい。
【0051】・側部ボール抜け止め部19は、プランジ
ャ14の小径部14bの外周面側にて溝18の両側面1
8bに形成されたが、溝18の一側面18bにのみ形成
してもよい。また、側部ボール抜け止め部19は形成し
なくてもよい。
【0052】・プランジャ14は磁性体から形成された
が、プランジャ14の大径部14a又は小径部14bの
みを磁性体から形成してもよい。更に、プランジャ14
は非磁性体から形成されてもよい。
【0053】・プランジャ14は円柱状に形成された
が、角柱等に形成してもよい。上記のようにした場合に
も、前記実施形態に記載の特徴と同様な特徴を得ること
ができる。
【0054】・溝18内にはそれぞれ1個ずつの球体2
1を挿入したが、任意の数の球体21を挿入してもよ
い。 ・球体21は磁性体から形成されたが、セラミック材料
等の非磁性体から形成してもよい。
【0055】・溝18内には球体21を挿入したが、球
体21に代えて、軸方向に転がる他の移動体、例えばこ
ろ等を挿入してもよい。 ・溝18の底面18aを円弧面に形成したが、平面等の
他の形状に形成してもよい。
【0056】・プランジャ14に大径部14a及び小径
部14bを形成したが、これを形成しなくてもよい。上
記のようにした場合にも、前記実施形態に記載の効果と
ほぼ同様な効果を得ることができる。
【0057】・各溝18の底面18a又は両側面18b
に硬質メッキを施すか、又は焼き入れを行ってもよい。
このようにした場合には、溝18の底面18a及び側面
18bを硬化させることができるため、摩耗を更に低減
させることができる。
【0058】・保持部として両ボール抜け止め部19,
20を形成したが、保持部は溝18の両側面18b間の
距離を狭くすることができ、溝18内に固着することが
できる物質、例えば樹脂モールド部材、硬化する接着剤
等を溝18内に固着してもよい。このようにした場合、
更に容易にプランジャ14を組み立てることができる。
【0059】(第2の実施形態)以下、本発明を具体化
した第2の実施形態について、主として第1の実施形態
との違いを中心に、図4〜図6に基づいて説明する。
【0060】上述した第1の実施形態において、電磁弁
には、プランジャ14の摺動やエンジン動作に伴い振動
が加わる。このとき、スリーブ7とプランジャ14との
間にクリアランスが存在するために、スリーブ7に球体
21がぶつかり、打痕が生じるという懸念がある。この
打痕は、プランジャ14の摺動性の悪化、換言すれば、
電磁弁の特性の悪化を招くおそれがある。したがって、
この問題を回避するために、プランジャに図4に示すよ
うな変更を施してもよい。
【0061】図4は、本実施形態にかかる電磁弁の全体
図である。本実施形態においては、同図4に示すよう
に、プランジャ14'に油通路30が形成されている。
この油通路30は、プランジャ14'の先端部を貫通す
る軸方向に平行な通路と、軸方向からR方向へ向かって
角度θだけ折れ曲がり、球体21を収納する溝18の表
面に貫通している通路とを備える。
【0062】図5にこのプランジャ14'の正面図を示
す。本実施形態においては、上述したスリーブ7に球体
21がぶつかり、打痕が生ずるという問題をこの油通路
30によって回避するようにしている。以下に、この油
通路30の機能を、図6を参照して説明する。
【0063】図6は、プランジャ14'の摺動に伴う、
油通路30の機能説明図である。図6(a)に、L方向
にプランジャ14'が摺動しているときの油の流動状態
を示す。同図に示すように、プランジャ14'がL方向
に摺動しているときには、油がプランジャ14'とスリ
ーブ7とのクリアランスを介して、R方向へ流入する。
したがって、スリーブ7の底面に油が溜まるようにな
る。一方、図6(b)に示すように、プランジャ14'
が図中R方向へ摺動しているときには、プランジャ1
4'底面の開口端から油通路30へ油が流入し、この油
は溝18の表面の開口端から流出する。この油が球体2
1とスリーブ7の内周面との間に流れ込むように、上述
した油通路30の角度θが設定されている。したがっ
て、球体21とスリーブ7との間に油によるダンパが形
成され、上述した球体21とスリーブ7との衝突による
衝撃を緩和することができる。
【0064】ところで、油通路30を設けない場合に
は、プランジャ14'の摺動に際し、油はプランジャ1
4'とスリーブ7とのクリアランスのみを介して流動し
ようとするために、流路面積が小さい。したがって、プ
ランジャ14'の摺動に対し、油が大きな抵抗となる。
油の粘性係数は、温度が低下するにつれて増大する傾向
にあるため、機関始動時のように、内燃機関の温度、し
たがって油の温度が低い時には、この問題は特に深刻で
ある。
【0065】また、プランジャ14'のR方向への摺動
に際し、油はプランジャ14'とスリーブ7とのクリア
ランスのみを介してL方向へ流出しようとするために、
この油により球体21が溝18のL方向の端に押し付け
られる。このため、この部分の消耗が激しくなる。
【0066】しかしながら、油通路30をプランジャ1
4'に設けると油の流動に対する流路面積が増大し、油
による抵抗を低減することができる。したがって、プラ
ンジャ14'の応答性を良好なものとすることができ
る。更に、プランジャ14'の重量は、油通路30の体
積に対応する重量だけ軽減されるために、プランジャ1
4'の応答性はよりいっそう良好なものとなる。
【0067】また、プランジャ14'のR方向への摺動
に際し、油通路30から流出する油は、R方向への速度
成分をも付与される。したがって、プランジャ14'の
R方向への摺動の間中、球体21が溝18のL方向の端
に押し付けられることもなく、上述した消耗の問題も回
避することができる。
【0068】以上説明したように、本実施形態によれ
ば、先の第1の実施形態による前記(1)〜(8)の効
果に加えて、更に以下の効果が得られるようになる。 (9)プランジャ14の摺動により流動する油が、スリ
ーブ7とぶつかり、球体21とスリーブ7との間に流れ
込むようにしたことにより、球体21とスリーブ7との
衝突による衝撃を緩和することができる。
【0069】(10)スリーブ7とぶつかり、球体21
とスリーブ7との間に流れ込む油は、油通路30を設け
ない場合に、球体21とスリーブ7との間のクリアラン
スを介して流動する油の進行方向と逆方向の力を球体2
1に加える。したがって、球体21が一方向の力によ
り、溝18の特定個所に押圧され続けることで、その部
分の消耗が激しくなるという問題を回避することができ
る。
【0070】(11)油通路30のために油の流路面積
が増大し、プランジャ14'の摺動の際に生ずる油の抵
抗を低減することができる。したがって、プランジャ1
4'の応答性を高めることができる。
【0071】(12)プランジャ14'の重量が油通路
30の体積に対応する重量だけ軽減されるために、プラ
ンジャ14'の応答性を良好なものとすることができ
る。なお、以上説明した本実施形態は、以下のように変
更してもよい。
【0072】・上記実施形態では、油通路30を図4あ
るいは図6に示す形状にて形成したが、同油通路30の
形状はこうした形状に限られることなく任意である。要
は、油通路から流出する油が、スリーブ7とぶつかり、
球体21とスリーブ7との間に流れ込むように設定され
たものであればよい。
【0073】・上記実施形態においては、球体21とス
リーブ7との衝突を緩和すべく上記油通路30を設けた
が、プランジャに球体21を設けない電磁弁において
も、プランジャの摺動時にスリーブとプランジャの軸受
部との当接部、スリーブの軸受部とプランジャとの当接
部等に対して、油を流出させるべく、上記油通路を設け
てもよい。これによっても、上記当接部における耐摩耗
性を向上させたり、プランジャの応答性を高めることが
できる等の効果を得ることはできる。
【0074】(第3の実施形態)以下、本発明を具体化
した第3の実施形態について、主として上記第1及び第
2の実施形態との違いについて図7に基づいて説明す
る。
【0075】上述した各実施形態においては、プランジ
ャ14、14'の摺動は軸方向への変位であり、この摺
動に際し、スリーブ7と球体21との当接部分は、ほぼ
軸方向に平行な線分となる。したがって、その部分のス
リーブの摩耗が、他の部分と比較して著しいものとなる
ことが懸念される。こういった懸念を克服するために、
プランジャに、図7に示すような変更を施してもよい。
【0076】図7は、本実施形態にかかる電磁弁の断面
図である。図7に示すように、プランジャ14"の大径
部14a"の表面には、軸方向と差交する方向に偏倚さ
れた、換言すればスクリュー状の溝40が形成されてい
る。このように、軸方向と差交する溝40を設けたこと
により、プランジャ14"の摺動に際し、油はスリーブ
7とプランジャ14"とのクリアランスを介してのみで
はなく、溝40を介しても流動するようになる。このと
き、溝40が軸方向と差交するために、プランジャ1
4"は、油から軸方向だけではなく、軸方向と直交する
方向にも力を受ける。したがって、プランジャ14"に
は、軸方向に対して回転モーメントが生じ、回転しなが
ら軸方向に摺動するようになる。
【0077】ところで、電磁弁の作動は、これが例えば
内燃機関等に用いられる場合には、同機関の運転状態に
依存するものであり、プランジャ14"の摺動も、軸方
向に対して絶えず対称に行なわれるとは限らない。した
がって、プランジャ14"の各変位位置に対して摺動方
向を逆にしたとき、溝40を介して油がプランジャ1
4"に与える力は、逆向きではあるが、必ずしも等しい
大きさとはならない傾向にある。このため、各プランジ
ャ14"の変位位置と、プランジャ14"の軸方向の回転
角度との間には一対一の関係は成立しない。よって、球
体21は、プランジャ14"の摺動に際し、スリーブ7
の内周面全体と当接する傾向となる。これにより、上述
したスリーブ7と球体21との当接部分がほぼ軸方向に
平行な線分となり、その部分のスリーブの摩耗が他の部
分と比較して著しいものとなるという問題を回避するこ
とができるようになる。
【0078】また、上述した溝40を設けることで、ス
リーブ7によって囲まれプランジャ14"によって2分
される空間の間の油通路の流路面積が増大し、プランジ
ャ14"の応答性を更に向上させることができるように
もなる。すなわち、溝40を設けない場合には、プラン
ジャ14"の摺動に際し、上記2つの空間に満たされて
いる油は該2つの空間の間のクリアランスのみを介して
移動する。しかしながら、溝40を設けることで、この
油の移動が溝40を介しても行なわれるようになる。
【0079】更には、先の第2の実施形態においても述
べたように、低温になるほど油の粘性係数が大きくなる
ために、油の抵抗によるプランジャ14"の応答性の低
下は、低温時において特に深刻である。この問題を回避
するために、単にスリーブ7とプランジャ14"との間
のクリアランスを増大すると別の問題が生ずる。すなわ
ちこの場合、クリアランスが磁気的な抵抗となるため、
こうしたクリアランスの増大は電磁弁の吸引力の低下を
招き、ひいては、プランジャ14”の応答性の低下を招
く。よって、電磁気的な観点からはスリーブ7とプラン
ジャ14”との間のクリアランスを減少させる方が好ま
しい。この点、本実施形態では、溝40を設けることで
スリーブ7とプランジャ14"との間のクリアランスの
増加を極力抑え、上述した油の流路面積を増加させるた
めに、低温時においてもプランジャ14"の応答性を高
めることができる。
【0080】以上説明したように、本実施形態によれ
ば、先の第1及び第2の実施形態による前記(1)〜
(12)の効果に加えて、更に以下の効果が得られるよ
うになる。
【0081】(13)プランジャ14"の各変位位置に
おいて、同プランジャ14"の回転角度が様々な値をと
るため、球体21がスリーブ7の内周面全体と当接する
ようになり、プランジャとスリーブ7とが特定部分で当
接することによる摩耗の増加を抑制することができる。
【0082】(14)プランジャ14"に溝40を設け
ることで、油の流路面積を増加させ、プランジャ14"
の応答性を更に向上させることができる。なお、本実施
形態は、以下のように変更して実施してもよい。
【0083】・プランジャ14”の各変位位置におい
て、同プランジャ14”の回転角度がより様々な値をと
るようにするために、溝の幅を不均一に形成してもよ
い。 ・溝40の形状及び、プランジャに形成する溝40の数
は任意である。要は、プランジャの摺動に際し、プラン
ジャに回転する力が加わるような形状とすればよい。
【0084】・上記実施形態においては、溝40をプラ
ンジャ14"の外周面に形成したが、プランジャ内部を
貫通する孔を設け、この孔の形状を軸方向に差交するよ
うに形成するなどしてもよい。これによっても、油の流
動を利用してプランジャに回転力を付与することができ
る。更にこの場合には、スリーブとプランジャとの間の
クリアランスを増加させる事がないため、磁気抵抗の増
加を招くことが無く、油の流路面積を増加させることが
できる。したがって、プランジャ14"の応答性をより
一層良好なものとすることができる。
【0085】・図7では、油通路30を備える第2の実
施形態に上記実施形態の構造が適用される場合について
図示したが、同実施形態の構造は図1に例示した第1の
実施形態の電磁弁に、すなわち油通路30を備えない電
磁弁にも同様に適用することができる。
【0086】・上記実施形態においては、プランジャに
球体が挿入された電磁弁に上記構造(溝40)を適用し
た場合について例示したが、こうした球体の挿入されな
い通常のプランジャであっても、これに上記溝40を設
けることで、そのスリーブとの摺動位置を変化させるこ
とができ、ひいてはプランジャの摩耗を抑制することが
できる。
【0087】(第4の実施の形態)以下、本発明を具体
化した第4の実施形態について、図8〜図11に基づい
て説明する。
【0088】一般的に、電磁弁においては、作動油が弁
駆動部内にも流入するが、この流入した作動油が、弁作
動部の外部に漏洩したり、コイルの収納された空間に侵
入したりするおそれがある。更に、電磁弁を例えば内燃
機関に取り付けた場合において、当該機関の作動中に高
温化した水蒸気が冷却されることにより、水滴が電磁弁
に付着し、この水滴が弁駆動部に侵入するおそれもあ
る。
【0089】そこで、上記各実施形態においては、例え
ば図1に示されるように、スリーブ7の大径部7aの内
周面をコア部6の筒部6bの外周面に圧入等により固定
することとした。これにより、弁本体2のポート5を介
して弁駆動部3の内部に侵入した作動油が、スリーブ7
とコア部6との間を伝ってコイル10に侵入することを
防ぐことができた。同様に、ケース8の内筒部8aをス
リーブ7の小径部7bの外周面に圧入等により固定する
ことにより、スリーブ7とケース8との間を伝って、コ
イル10に外部から水が侵入することを防ぐこともでき
た。しかも、特別なシール部材を設けることなくこれら
シール構造を実現しているため、部品点数を削減すると
ともに組付け性の向上を図ることもできた。
【0090】しかしながら、上述した水滴や作動油の侵
入、及び作動油の外部への漏洩を防ぐべく更にシール性
を高めるために、以下のような構成としてもよい。図8
は、上記コア部との接合部にO−リングを用いたシール
構造を有する電磁弁の全体図である。同図8に示す電磁
弁において、ケース8'は第1の実施形態のように筒状
に形成されるのではなく、コア部6'のフランジ部6a'
の延長として形成されたブラケット60が同図8に示す
ように弁駆動部3から外部に突き出る構造となってい
る。なお、このブラケット60は、例えば内燃機関61
本体に同電磁弁を取り付けるためのものである。
【0091】更に、同図8においては、スリーブ7'の
小径部7b'の外周面とコア部6’の筒部6b'の内周面
との間を介して作動油が外部に流出するのを防ぐべく、
O−リング52がスリーブ7'の先端部に取り付けられ
ている。図9に、このシール構造の拡大図を示す。
【0092】同図9に示すように、このO−リング52
によれば、前述した作動油の通路xからの流出のみなら
ず、外部から通路yを介して弁駆動部3内へ水が流入す
ることを防ぐこともできる。
【0093】しかしながら、こうしたシール構造では、
コイル1次モールド53とスリーブ7'との境界面Tで
の接着性が悪いと、通路zを介して外部から侵入した水
が境界面Tから流出することが懸念される。また、コイ
ル1次モールド53とコイル2次モールド54との境界
面Sでの接着性が悪いと、同境界面Sを介してコイル1
0へ水が侵入することが懸念される。このような水が侵
入するという事態は、コイルの抵抗を変化させ、また漏
れ電流を発生させるという問題を生じさせる。
【0094】図10に、上記の問題を防ぐためにO−リ
ングを2つ用いたシール構造を示す。同図10において
は、第2のO−リング55を併せて用いることにより、
上述したコイル1次モールド53とスリーブ7'との境
界面T、及びコイル1次モールド53とコイル2次モー
ルド54との境界面Sのシール性を補強している。
【0095】しかしながら、この図10に示すシール構
造では、スリーブ7'が両側からO−リングにより支持
されるために、スリーブ7'の安定性が悪化するおそれ
がある。また、O−リングを2つ用いることにより、部
品点数の増加及び、組付工数の増加を招く。したがっ
て、部品点数を低減し、コストダウンを図るためには、
さらなる工夫が必要である。
【0096】このような実情に鑑み、本実施形態におい
ては、図11に示すシール構造を採用する。図11に示
す本実施形態の電磁弁においては、スリーブ7'の先端
にゴム56を焼き付け、このゴム56が上述した通路
x、通路y、及び通路zからの、作動油若しくは水の侵
入又は流出を防ぐ。このゴム56は、コア部7',コイ
ル1次モールド53、及びコイル2次モールド54を押
圧するような形状とされる。
【0097】したがって、図11に示す接部aにより、
作動油の外部への漏れを防止し、また外部からの水の侵
入を防ぐことができる。また、同図11に示す接部bに
より、外部から境界面Sへの水の侵入を防止することが
できる。更に、図11に示す接部cにより、通路zから
の水の侵入を防止することができる。
【0098】また、このシール構造では、上述したよう
にスリーブ7'にゴム56を焼き付けることにより、部
品点数を削減でき、ひいては、組付工数の削減にもつな
がる。更に、スリーブ7’にゴム56を焼き付けること
により、O−リングを用いた場合のようなねじれの発生
が防止される。このねじれの防止により、ゴム56を2
次モールド54のテーパ面に確実に当接させることがで
きるようになる。
【0099】また、本実施形態においては、図11
(c)に示されるように、ゴム56が2次モールド54
のテーパ面と、接部bで面接触されているとともに、接
部aと接部bとの間に位置する形状が、変形に対して柔
軟性のある図11(c)に示す態様に形成されている。
したがって、個体差等のために、スリーブ7’と2次モ
ールド54との間などにバラツキが生じても、ゴム56
の形状が変化することで、接部bでの面圧の変化が抑制
され、シール性が確保される。
【0100】以上説明したように、本実施形態によれ
ば、以下に記載する効果を得ることができる。 (1)弁駆動部3から外部への作動油の流出を確実に防
止することができる。
【0101】(2)外部から弁駆動部3への水の侵入を
確実に防止することができる。 (3)スリーブ7'に焼き付けたゴム56を用いてシー
ル構造を実現したことにより、O−リングを用いた場合
と比べて、部品点数を削減することができる。更に、焼
き付けにより、組付け時のねじれが防止される。
【0102】(4)ゴム56の形状を変形に対して柔軟
性のある形状とし、更に2次モールド54側にテーパ面
を設けることで、電磁弁の各個体差等に影響されずにシ
ール性を確保することができる。
【0103】(5)部品点数を削減することができるこ
とから、組付工数を削減することもできるとともに、コ
ンパクト化を図ることができる。なお、本実施形態の一
部を次のように変更して実施してもよい。
【0104】・上記実施形態においては、コイル10を
コイル1次モールド53及びコイル2次モールドで囲っ
たが、コイル1次モールド53は、必ずしも必要ではな
く、コイル2次モールド54とスリーブ7とでコイル1
0を囲うようにしてもよい。この場合、スリーブ7'に
焼き付けるゴムは、コア部6及びコイル2次モールド5
4とに接触する形状とすればよい。
【0105】・電磁弁内へのコイル10の収納態様につ
いては、上記実施形態及び上記変形例に限られない。し
たがって、各電磁弁の構造に応じて、そのシール性を要
する部分に対し適切な形状のゴムをスリーブ等に焼き付
けることにより、上記実施形態に準じたシール構造を得
ることができる。そしてこのシール構造は、先の第1〜
第3の実施形態にも同様に適用することができる。
【0106】次に、前記各実施形態及びその変形例から
把握できる技術的思想について、それらの効果と共に以
下に記載する
【0107】(1求項に記載の電磁弁におい
て、前記溝の側部に形成された保持部は、同溝の曲率を
もった側壁にて形成されてなることを特徴とする電磁
弁。
【0108】この()に記載の電磁弁によれば、品質
を安定させることができる。 () 請求項に記載の電磁弁において、前記溝の長
手方向の端部に形成された保持部は、同溝の端部の一部
を溝の内側にかしめて形成されてなることを特徴とする
電磁弁。
【0109】この()に記載の電磁弁によれば、製造
コストを低減し、品質を安定させることができる。 () 駆動軸に連結されてスリーブに摺接される摺動
部を備える電磁弁において、前記摺動部の周囲には液体
が充填されてなり、前記摺動部には、その内部から前記
摺動部の外周面に連通して前記液体を前記摺動部と前記
スリーブとの間に流出せしめる通路が形成されてなるこ
とを特徴とする電磁弁。
【0110】この()に記載の電磁弁によれば、摺動
部の摺動に際し、流動する液体をスリーブと摺動部との
支持部に流出させることで、この液体にダンパとしての
役割を持たせることができる。したがって、スリーブと
摺動部との接触による摩耗を抑制することができる。
【0111】() 駆動軸に連結されてスリーブに摺
接される摺動部を備える電磁弁において、前記摺動部の
外周面には、同摺動部の軸方向に対し差交する角度で周
溝が形成されてなることを特徴とする電磁弁。
【0112】上記構成によれば、摺動部の摺動に際し、
摺動部に形成される溝を介して流動する液体が、溝を介
して摺動部に与える力の成分は、摺動部に軸方向に差交
する成分をも有する。この力の成分により、摺動部は回
転しながら摺動するようになる。しかも、摺動部の変位
が左右対称に行われない傾向等のために、摺動部の各変
位位置に対して、摺動部の摺動方向が互いに逆方向のと
き、摺動部に加わる力は逆方向であるが、大きさが等し
くならない傾向にある。したがって、摺動部の摺動に対
して、摺動部とスリーブとの接点がスリーブ若しくは摺
動部に描く図形は、線分ではなくむしろ面となる傾向に
ある。これにより、摺動部とスリーブとの当接位置が狭
い範囲に固定され、スリーブ若しくは摺動部の摩耗を早
めるという問題を回避することができる。
【0113】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1記載の発
明によれば、部品点数を低減することができる。また、
各溝を容易に形成することができるため、製造コストを
低減することができる。
【0114】求項に記載の発明によれば、スリーブ
と球体との衝突による衝撃を緩和することができる。
求項3に記載の発明によれば、部品点数を削減しつつ電
磁弁としてシール性を向上させることができる。
【0115】請求項4及び5に記載の発明によれば、品
質を安定させることができる。請求項に記載の発明に
よれば、スリーブの摩耗を抑制することができる
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電磁弁としてその第1の実施形態
を示す断面図。
【図2】(a)は同電磁弁のプランジャの側面図であっ
て、(b)はプランジャの正面図。
【図3】同電磁弁のプランジャの要部斜視図。
【図4】本発明に係る電磁弁としてその第2の実施形態
を示す断面図。
【図5】同電磁弁のプランジャの正面図。
【図6】同電磁弁に形成した油通路の機能説明図。
【図7】本発明に係る電磁弁としてその第3の実施形態
を示す断面図。
【図8】従来の電磁弁のシール構造を示す図。
【図9】同シール構造の拡大図。
【図10】上記シール構造の改良版を示す図。
【図11】本発明に係る電磁弁について、そのシール構
造を第2の実施形態として実施した図。
【符号の説明】
2…弁本体、3…弁駆動部、4…ボディ、4a…係合
面、4b…当接面、5…ポート、6…コア部、7…スリ
ーブ、7a…大径部、7b…小径部、8…ケース、8a
…内筒部、8b…外筒部、9…突起部、10…コイル、
11…スプール弁、12…プランジャ、12a…弁体、
13…駆動軸、14…摺動部としてのプランジャ、14
a…摺動部の小径部、14b…摺動部の小径部、15…
バネ、16…軸受、17…軸穴、18…溝、18a…溝
の底面、18b…溝の側面、19,20…保持部として
の側部ボール抜け止め部及び端部ボール抜け止め部、2
1…移動体としての球体、30…油通路、40…溝、5
2…O−リング、53…コイル1次モールド、54…コ
イル2次モールド、55…O−リング、56…ゴム。
フロントページの続き (72)発明者 深津 光朗 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車 株式会社 内 (72)発明者 天野 佳治 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車 株式会社 内 (56)参考文献 特開 平9−144929(JP,A) 実開 昭61−14271(JP,U) 実開 昭61−172268(JP,U) 実開 平3−1377(JP,U) 実開 平3−2979(JP,U) 特公 昭62−15796(JP,B1) 特表 平8−502338(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16K 31/06

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】駆動軸に連結されてスリーブに摺接される
    摺動部を備える電磁弁において、 前記摺動部には大径部及び小径部が形成されるととも
    に、前記小径部の外周面に前記摺動部の軸方向に形成さ
    れた複数の溝と、 前記複数の溝内にそれぞれ転動可能に挿入されて前記ス
    リーブの内面に接触される少なくとも一つの移動体と、 前記移動体を前記溝内に保持するための保持部とを備え
    ることを特徴とする電磁弁。
  2. 【請求項2】駆動軸に連結されてスリーブに摺接される
    摺動部を備える電磁弁において、 前記摺動部の外周面に同摺動部の軸方向に形成された複
    数の溝と、 前記複数の溝内にそれぞれ転動可能に挿入されて前記ス
    リーブの内面に接触される少なくとも一つの移動体と、 前記移動体を前記溝内に保持するための保持部とを備
    え、 前記摺動部の周囲には油が充填されてなり、前記摺動部
    には、その内部から前記溝の底部に連通して前記油を前
    記移動体と前記スリーブとの間に流出せしめる油通路が
    形成されてなることを特徴とする電磁弁。
  3. 【請求項3】駆動軸に連結されてスリーブに摺接される
    摺動部を備える電磁弁において、 前記摺動部の外周面に同摺動部の軸方向に形成された複
    数の溝と、 前記複数の溝内にそれぞれ転動可能に挿入されて前記ス
    リーブの内面に接触される少なくとも一つの移動体と、 前記移動体を前記溝内に保持するための保持部とを備
    え、 前記スリーブの外周には前記摺動部に電磁駆動力を付与
    するコイルが巻回されたコイル収納室が設けられるとと
    もに、同スリーブはその端部が外方に折り曲げられて前
    記コイル収納室の端部を覆い、且つその覆った裏面が当
    該電磁弁のコア部との合せ面となるものであり、 前記コイル収納室にあって前記コイルを覆うモールドと
    前記スリーブの端部、 及び前記スリーブの端部と前記コ
    ア部の合せ面との間には、それら各間隙を塞ぐようにゴ
    ムが焼き付けられて なることを特徴とする電磁弁。
  4. 【請求項4】請求項1乃至3のいずれかに記載の電磁弁
    において、前記移動体は、球体であって、前記溝の底面は円弧面に
    形成されてなることを特徴とする電磁弁。
  5. 【請求項5】請求項1乃至4のいずれかに記載の電磁弁
    において、前記保持部は、前記溝の側部、及び同溝の長手方向端部
    にそれぞれ 形成されてなることを特徴とする電磁弁。
  6. 【請求項6】請求項1乃至5のいずれかに記載の電磁弁
    において、前記摺動部は、前記溝が形成されて前記移動体が挿入さ
    れた第1の部分と前記スリーブに直接摺接される外周面
    を有する第2の部分とを有し、前記第2の部分の前記外
    周面には、同摺動部の軸方向に対し差交する角度で周溝
    が形成されて なることを特徴とする電磁弁。
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