JP4163569B2 - 誘電体バリヤ放電ランプおよび紫外線照射装置 - Google Patents

誘電体バリヤ放電ランプおよび紫外線照射装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、誘電体バリヤ放電ランプおよびこれを用いた紫外線照射装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
キセノンなどの希ガスあるいはキセノンまたはクリプトンなどの希ガスおよび塩素などの混合ガスを無声放電すなわち誘電体バリア放電を行わせて、固有の単色に近い放射を発生させるエキシマ放電ランプすなわち誘電体バリヤ放電ランプは、数多くの文献に記載されて従来から知られている。誘電体バリヤ放電においては、パルス状の電流が流れる。このパルス状の電流は、高速の電子流を持ち、かつ、休止期間が多いため、キセノンなどの紫外線を出す物質を一時的に分子状態(エキシマ状態)に結合し、基底状態に戻るときに再吸収の少ない紫外線を効率よく放出する。
【0003】
誘電体バリヤ放電ランプとして、細長い管状の気密容器を用いて誘電体バリヤ放電を行う誘電体バリヤ放電ランプが知られている(特許文献1参照。)。
【0004】
また、光透過性で、しかも、細長い管状で、誘電体バリヤ放電の第一の誘電体を兼ねた放電容器の外面に光透過性の外部電極と、内側に長さLと直径Dの比L/Dが30以上の金属棒または金属パイプからなる内側電極とを備えた構造も提案されている(特許文献2参照。)。
【0005】
さらに、張力の作用化で内部電極を配設したり、内部電極に位置規制子すなわちアンカーを装着したりした構成とすることによって、内部電極の垂下を抑制するようにした誘電体バリヤ放電ランプも本発明者らにより開発されている(特許文献3参照。)。特許文献3によれば、アンカーを導電性金属により構成することにより、アンカーが内部電極の一部として外部電極との間で積極的に誘電体バリア放電を生じる作用をするので、内外電極間の距離が小さくなり、始動性が向上する。
【0006】
特許文献1ないし3に示されているような細長い気密容器、気密容器内の軸方向に延在する内部電極および密容器内に封入されたエキシマ生成ガスを備えた発光管を形成し、冷却機能を有するとともに気密容器の外面の一部が嵌合するように凹窪させた灯体に、上記発光管を圧接し、かつ、両者間に外部電極を介在させることにより、気密容器の外面に外部電極を密着させて管軸方向に沿って一様な誘電体バリア放電を生起させるとともに、発光管から発生する熱を速やかに放散させて発光効率を高い状態に維持することができる。なお、上述の細長い気密容器を備えた誘電体バリア放電ランプにおいては、内部電極に対する給電を誘電体バリア放電ランプの一端側で行う構造になっている。
【0007】
【特許文献1】
特開平11−111235号公報
【特許文献2】
特開平7−272692号公報
【特許文献3】
特開2001−084966号公報
【発明が解決しようとする課題】
ところが、紫外光の照射面積を大きくするための気密容器の長尺化や紫外光発生を増強するための高出力化に伴って内部電極に対して外部の電源から供給するランプ電流の値が大きくなると、内部電極の給電部側の領域には電流が集中して流れるために、当該領域が過熱されて赤熱化しやすくなる。内部電極は、タングステン、モリブデンなどの高融点金属によって形成されているが、正の抵抗温度係数を有しているので、温度上昇に伴って抵抗値が増加するため、電流通流に伴う内部電極の抵抗損失が抵抗値に比例して増大する。このため、紫外光の発光効率が低下したり、内部電極が蒸発して磨耗して誘電体バリヤ放電ランプの寿命が短縮したりするという不都合が発生することが分かった。
【0008】
本発明は、細長い内部電極の電流通流に伴う抵抗損失を低減して光出力の増大や気密容器の長尺化を可能にした誘電体バリヤ放電ランプおよびこれを用いた紫外線照射装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を達成するための手段】
請求項1の発明の誘電体バリヤ放電ランプは、紫外線透過性の材料からなる細長い管状をなす気密容器と;放電を生起する各位置が気密容器の軸方向にそれぞれ空隙を介して分散して配設されていて気密容器内にその管軸方向のほぼ全長にわたって封装された細長い内部電極と;内部電極の両端を含む管軸方向に沿って分散した複数箇所に接続して気密容器の外部へ導出された複数の給電部と;気密容器内に封入されたエキシマ生成ガスと;気密容器の外面に配設され複数の給電部から並行的に給電される内部電極の放電を生起する各位置との協働によって気密容器内に誘電体バリア放電が並列的に生起するように作用する外部電極と;具備していることにより特徴付けられている。
【0010】
本発明および以下の各発明において、特に指定しない限り用語の定義および技術的意味は次による。
【0011】
<誘電体バリヤ放電ランプについて> 誘電体バリヤ放電ランプは、気密容器、内部電極、エキシマ生成ガスおよび外部電極を備えている。
【0012】
(気密容器について) 気密容器は、紫外線透過性の材料からなり、一般的には合成石英ガラスを用いて製作することができる。しかし、本発明は、利用しようとする波長の真空紫外線に対して紫外線透過性であればどのような材料で構成してもよい。
【0013】
また、気密容器は、紫外線出力を多くするには、その外径を12mm以上にするのがよい。また、肉厚を2mm以下、好適には0.3〜1mm程度にすることができる。これに対して、気密容器の長さは、全く制限されないのであって、所要の紫外線照射長さに応じて任意の長さ、例えば1m程度以上にすることができる。特に本発明によれば、複数の給電部により内部電極に通流する電流を分散させるので、1.5m以上、例えば2m以上の長尺体とすることが可能になる。
【0014】
気密容器の内部を排気してからエキシマ生成ガスを封入するための手段として、排気管を気密容器に接続する。本発明においては、排気管を気密容器の一方の端部近傍であって、かつ、灯体から外部へ露出する部位の側面に接続する。なお、排気管を介して排気したら、エキシマ生成ガスを排気管から気密容器内に封入し、排気管をチップオフすることにより、排気チップオフ部が形成される。排気を気密容器の一端側に形成した排気管を経由して排気すると、特に気密容器が1m以上のように長い場合、充分な排気をするのに多少時間が長くなる傾向がある。そこで、要すれば、気密容器の両端近傍に一対の排気管を形成して、同時に排気を行うように構成してもよい。したがって、この場合には、一対の排気チップオフ部が形成される。
【0015】
また、気密容器は、管状であれば真っ直ぐな直管だけでなく、多少湾曲していてもよい。実際上、細長い管を形成する際に多少の湾曲が形成されやすく、例えば全長約1200mmに対して最大1mm程度以下の湾曲が形成され得る。しかし、この程度の湾曲は、ほぼ直管であるとして許容される。なお、気密容器が上記のように円弧状に湾曲している場合、円弧の背の部分を外部電極に対向するように配置するのがよい。また、円弧の側面の部分を外部電極に対向するように配置してもよい。したがって、上記の中間の任意の角度範囲内で外部電極が対向するように両者の配置を管理することによって、外部電極の気密容器の外面に対する良好な圧接を得ることができる。なお、管の断面形状は、円形が一般的であるが、要すれば楕円形、四角形など所望の断面形状を採用することができる。
【0016】
(内部電極について) 内部電極は、放電を生起する各位置が気密容器の軸方向にそれぞれ空隙を介し分散して配設されていれば、既述の従来技術におけるような種々の構成の内部電極を任意所望により採用したりすることが許容される。しかし、内部電極の放電を生起する各位置がメッシュ状をなしていることにより、紫外線発生量を相対的に多くすることができるので、好適である。なお、「多数の単位メッシュ部分が気密容器の軸方向にそれぞれ空隙を介して配設されたメッシュ状をなしている」とは、単位メッシュ部分が気密容器の内壁面に接近し、かつ、気密容器の軸方向に互いに空間的に離間しているが、導電的に接続している状態をいう。なお、単位メッシュ部分は、周方向に対して連続していてもよいし、分断していてもよい。したがって、この単位メッシュ部分は、具体的には例えばリング状(前者の態様)、スパイラル状またはコイル状(後者の態様)、あるいは網目状などをなしていることが許容される。なお、網目状の場合には、その網目の構成によって前者または後者の属する。
【0017】
単位メッシュ部分がリング状をなしている場合には、気密容器の軸方向に延在する連結部分を備えていることによって、多数の単位メッシュ部分を所定のピッチで連結し、かつ、導電的に接続することができる。なお、連結部分を気密容器の中心軸に沿って延在するように構成することにより、内部電極の全体が多数のリングアンカー(単位メッシュ部分に相当する。)を備えた複写用ハロゲン電球のフィラメントのような形態を呈し、製造設備を流用することができて製造が容易になる。しかし、要すれば、気密容器の中心軸を外してメッシュ状部分のリングの部分に連結部分を直接接続した構成を採用してもよい。また、連結部分は、単線の直線状でもよいし、また外径が気密容器の内径に対して20%以下のコイル状をなしていてもよい。さらに、連結部分を適当な値の張力、好適には2kg以上の張力が中心軸方向に作用している状態で封装することができる。張力を作用させるには、内部電極をコイル状に形成すると好都合である。コイル状でなくても、連結部分に中心軸方向の張力を作用させることができる。連結部分がどのような形状であっても、その両端側で気密容器の両端部に封着することにより、連結部分に張力を作用させやすくなる。しかし、要すれば、連結部分を気密容器の片側にのみその一端で封着し、他端を気密容器の他端側に適当な手段たとえばアンカーワイヤによって封止部に固定することにより、連結部分に張力を作用させることもできる。
【0018】
これに対して、単位メッシュ部分がスパイラル状や網目状をなしている場合には、そのスパイラルや網目の部分が連結部分としても機能して、多数の単位メッシュ部分が互いに機械的および導電的に連結する。しかし、スパイラル状や網目状の単位メッシュ部分に単一または複数の棒状体からなる連結部分を溶接するなどによって、より一層内部電極の保形性を付与することができる。あるいは棒状体の連結部分に代えて巻枠を用いてスパイラル状や網目状の単位メッシュ部分を形成すると、保形性が良好になる。なお、巻枠は、絶縁性および導電性のいずれであってもよい。メッシュ状部分に対して、上述のいずれかの構成を採用すれば、内部電極の全体に形状の安定性を付与して、その取扱いを容易にすることができる。
【0019】
また、内部電極は、その単位メッシュ部分の軸方向に対するピッチP(m)が後述するエキシマ生成ガスの圧力p(Pa)との積p・Pが所定の範囲に入っているように構成される。
【0020】
さらに、本発明においては、後述するようにエキシマ生成ガスの封入圧を高くしてランプ効率を向上させる場合であっても、単位メッシュ部分と気密容器の内壁面との間の距離を3mm以下にすることができる。上記距離が3mm以下であれば、ある条件下で放電維持電圧を1000V以下に抑えることができる。
【0021】
さらに、内部電極を構成する材料は、特段限定されないが、例えばタングステン、モリブデンおよびニッケルなどの耐火性の金属を用いればよいが、タングステンやニッケルは、仕事関数が相対的に小さく、電子放出しやすいから、始動電圧を低下させるのに効果的である。
【0022】
さらにまた、内部電極を石英ガラスからなる気密容器の端部に封着するには、石英ガラスにコンパクトに封着する場合に多用されている封着金属箔を用いる封着構造を採用することができる。また、石英ガラスをピンチシールすることにより、封着金属箔を気密にシールすることができる。
【0023】
(給電部について) 給電部は、電体バリア放電に必要な電流を内部電極に供給するための給電端を構成するものである。そして、内部電極の複数箇所から同時並行的に給電するように、内端が内部電極の管軸方向に沿って分散した両端を含む複数箇所に接続し、外端が気密容器の外部へ導出された複数の給電部を備えている。
【0024】
また、給電部は、内部電極が延長することによって内部電極と一体に形成されていてもよいし、別体として用意された部材を内部電極に溶接、加締めなどの手段によって接続してもよい。さらに、給電部は、気密容器を通過して外部へ導出する際に、気密容器を気密に貫通するように構成される。さらにまた、給電部は、線状、棒状、釦状およびピン状など多様な形状をなしていることが許容される。
【0025】
さらに、給電部の配設の態様としては、例えば以下の構成を採用することができる。
細長い内部電極の両端から導出された一対の給電部を備えた構成。
(1)の給電部に加えて内部電極のほぼ中央部から導出した第3の給電部を備えた構成。
(1)の給電部に加えて内部電極を管軸方向に3つ以上の領域にほぼ等分割して各分割点から導出した複数の給電部を備えた構成。
【0026】
一方、外部電極に対する電流の供給は、外部電極を後述するようにアルミニウムブロックで形成するなどにより外部電極の抵抗値が極めて小さい場合には、給電部は単一であってもよい。しかしながら、金属箔などのように抵抗値を無視し得ないような構成の外部電極の場合には、内部電極に対する給電部と同様の配置で、または異なる配置で管軸方向に沿って分散した複数の給電部を経由して給電することができる。
【0027】
(エキシマ生成ガスについて) エキシマ生成ガスは、キセノン、クリプトン、アルゴンまたはヘリウムなどの希ガスの一種または複数種の混合あるいは希ガスおよびフッ素、塩素、臭素またはヨウ素などのハロゲンの混合ガス例えばXeCl、KrClなどを用いることができる。また、エキシマ生成ガスに加えてエキシマを生成しないガス例えばネオンなどを混合して用いることもできる。
【0028】
さらに、エキシマ生成ガスの圧力を20000Pa以上にすることができる。圧力が大きくなるに伴いランプ効率が向上して紫外線出力は増大する。ただし、ランプ効率は圧力の増加に対して飽和傾向を示す。
【0029】
(外部電極について) 外部電極は、誘電体バリヤ放電ランプの気密容器、エキシマ形成ガスおよび内部電極を備えている発光管に対してその気密容器の外面に配設される。配設の態様は、着脱可能な態様および着脱不能な態様のいずれであってもよい。そして、気密容器の内部に封装された内部電極との間に気密容器の壁面を誘電体とする誘電体バリア放電を気密容器の内部に生起させるように作用する。
【0030】
また、外部電極は、内部電極にほぼ正対するような管軸方向の長さを有している。そうすれば、発光管の管軸方向に沿って誘電体バリア放電を生起させることができる。なお、外部電極の管軸に直交する方向の幅は、一般的には気密容器の管軸を中心とする角度で約60〜300°程度の範囲内であるのがよい。したがって、外部電極が配設されないで発光管の気密容器が外部に露出される部分が約300〜60°の程度の範囲で形成されることになり、気密容器の壁面を透過した紫外線を上記露出部分から外部へ、しかも、発光管の管軸方向に沿った比較的長い距離にわたり、照射して種々の目的のために利用することができる。しかし、誘電体バリア放電によりなるべく多量の紫外線を放射させるとともに、放射された紫外線を好ましい角度で照射するために、外部電極の管軸に直交する方向の幅は、好適には約90〜240°程度の範囲内であるのがよい。また、外部電極の着脱に対する高い容易性と支持手段によるばね力の作用下で気密容器の外面に対する強い圧接を得るためには、240°以下程度の範囲内であるのがよい。したがって、外部電極の着脱性と紫外線の放射性とをともに満足するためには、60〜240°程度の範囲が最適である。
【0031】
さらに、外部電極は、気密容器の外面に着脱可能に配設される場合、薄くてフレキシブルな導電性の金属の箔、板または金属線などであってもよいし、肉厚の剛性体であってもよい。上記のいずれであっても、外部電極の気密容器に面する内面は、紫外線に対する反射率が高ければ、反射手段として作用するので、外部に取り出し得る紫外線量を多くするのに効果的である。紫外線反射率が高い材質としては、例えば高純度アルミニウムまたは白金などを用いることができる。外部電極が剛性体、例えば金属ブロックからなる場合、灯体としても機能するものを用いるこができる。
【0032】
さらにまた、外部電極は、連続した面状またはメッシュ状のいずれの状態をなしていてもよい。なお、メッシュ状とは、多数の単位メッシュ部分が気密容器の軸方向にそれぞれ空隙を介して配設され、かつ、単位メッシュ部分が気密容器の内壁面に接近し、さらに気密容器の軸方向に互いに空間的に離間しているが、導電的に接続している状態をいう。また、単位メッシュ部分は、周方向に対して連続していてもよいし、分断していてもよい。したがって、この単位メッシュ部分は、具体的には例えば網目状などをなしていることが許容される。
【0033】
<本発明の作用について> 本発明においては、以上の構成を具備していることにより、誘電体バリア放電ランプが管軸方向に沿った内部電極の放電を生起する各位置(アンカーなどからなる単位メッシュ部分が分散して配設されている場合には、主として各単位メッシュ部分)とこれに対面する部位の外部電極との間でそれぞれ誘電体バリア放電が並列的に生起する。そして、エキシマガスの放電により短波長紫外光が発生し、紫外光は気密容器を透過して外部へ放射される。
【0034】
一方、誘電体バリア放電に伴って高周波電源または交流電源から放電維持するための電流が内部電極に流入する。内部電極に対する高周波電源または交流電源からの電流の供給は、複数の給電部を経由して並列的に行われることになる。このとき、1つの給電部から流入する電流が誘電体バリア放電ランプ全体に流入する電流を給電部の数で除した値に低減する。そのため、給電部から流入した電流が内部電極内を通流する際に発生する抵抗発熱が減少した電流の2乗に比例して低減する。したがって、内部電極の電流の通流に伴う抵抗値の増加も顕著に抑制される。その結果、内部電極の温度上昇が効果的に抑制されるので、紫外光の発光効率が不所望に低下しなくなる。また、内部電極の過熱がなくなるので、内部電極の消耗による誘電体バリア放電ランプの寿命短縮を回避できる。
【0035】
また、内部電極へ供給する電流が管軸方向に分散した複数の給電部を経由して内部電極へ流入するので、内部電極の管軸方向に沿った電圧降下が低下する。そのため、管軸方向に分散して発生する誘電体バリア放電が均一化され、結果として管軸方向に沿った紫外光の輝度分布の均整度も向上する。
【0036】
本発明によれば、上述の作用を奏するので、無理なく誘電体バリア放電ランプをその放電電流を増加して高出力化したり、長尺化したりすることが可能になる。このため、誘電体バリア放電ランプの効発光長1.5m以上、例えば2.5m程度であっても内部電極の過熱が生じなくなる。
【0037】
請求項2の発明の紫外線照射装置は、請求項1記載の誘電体バリヤ放電ランプと;誘電体バリヤ放電ランプを配設した紫外線照射装置本体と;誘電体バリヤ放電ランプを点灯する高周波点灯回路と;を具備していることを特徴としている。
【0038】
本発明において、「紫外線照射装置」とは、誘電体バリヤ放電ランプ装置から発生する紫外線を利用するあらゆる装置を意味する。例えば、半導体ステッパー、光洗浄装置、光硬化装置および光乾燥装置などである。また、「紫外線照射装置本体」とは、紫外線照射装置から誘電体バリヤ放電ランプ置および高周波発生手段を除外した残余の部分を意味する。
【0039】
また、誘電体バリヤ放電ランプは、必要に応じて1ないし複数本を使用することができる。
【0040】
さらに、誘電体バリヤ放電ランプを点灯するためには、高周波点灯回路を用いる。高周波点灯回路は、高周波発生手段を含み、高周波電圧を発生して誘電体バリヤ放電ランプに、その点灯に必要な高周波電力を供給する。なお、「高周波」とは、10kHz以上の周波数をいう。しかし、好適には100kHz〜2MHzである。また、高周波点灯回路は、誘電体バリヤ放電ランプの安定点灯時に1500V程度以下、好適には700〜1000Vの高周波電圧を印加するのが好ましい。さらに、誘電体バリヤ放電ランプの始動電圧は、2〜2.3kVp-pであり、高周波点灯回路の二次開放電圧を始動電圧まで高めることにより容易に始動させることができる。この場合、高周波発生手段として並列インバータを主体として構成すると、高い昇圧比を容易に得るとともに、誘電体バリア放電ランプの外部電極と内部電極との間の静電容量が、例えば外部電極の圧接状態が変化することにより、変化しても高周波出力に影響しないため、高周波点灯回路の設計が容易になるので好適である。そして、高周波出力波形が正弦波なので、誘電体バリヤ放電ランプを点灯する際にノイズ発生が少なくなる。しかし、要すれば、高周波点灯回路とは別に始動用パルス電圧発生手段を併用することもできる。さらにまた、誘電体バリヤ放電ランプと高周波点灯回路とは近接位置に配置するのが好ましいが、要すれば互いに離間した位置に配置することもできる。誘電体バリヤ放電ランプは、一般の放電ランプと異なり限流手段を直列に接続する必要がない。しかし、ランプ電流を所定値に調節するために、適当な値のインピーダンスを直列に接続して点灯することは、必要に応じてなすことができる。また、誘電体バリヤ放電ランプを高周波点灯回路に接続するに際して、外部電極を接地すると、ノイズ発生が少なくなる。
【0041】
内部電極がメッシュ状をなす構成で、かつ、陽極であって、外部電極が陰極のときの誘電体バリヤ放電においては、内部電極の単位メッシュ部分の近傍からの紫外線放射が多く、隣接する単位メッシュ部分の中間からの紫外線放射が少なくなる。したがって、単位メッシュ部分のピッチが大きいと、気密容器の軸方向における紫外線照度の均整度が悪くなるとともに、紫外線照度も低下することが分かった。なお、内部電極および外部電極の位相が逆の場合には、上述のようにはならない。内部電極の単位メッシュ部分のピッチを4mm以下であれば、単位メッシュ部分の間の紫外線照度が低くなる谷間の部分がそれぞれの単位メッシュ部分によって生じる紫外線強度の強い領域により埋められるため、その結果気密容器の軸方向の紫外線照度の均整度が著しく向上するとともに、紫外線照度が向上する。
【0042】
また、パルス点灯により強いアフターグロー発光が発生するので、紫外線照度向上に貢献する。
【0043】
高周波点灯回路は、パルス電圧を出力するのであれば、その余の構成を問わないが、たとえば矩形波出力のインバータを用いることにより、矩形波のパルスを得ることができる。しかし、正弦波出力のインバータを用いて正弦波のパルスを得る構成であってもよい。
【0044】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0045】
図1および図2は、本発明の誘電体バリヤ放電ランプにおける第1の実施の形態を示し、図1(a)は誘電体バリヤ放電ランプおよび高周波電源を概念的に示す正面図、図1(b)は同じく底面図、図2は発光管の一部切欠正面図である。本実施の形態において、誘電体バリヤ放電ランプEXLは、発光管LTおよび外部電極OEからなる。高周波点灯回路HFIは、誘電体バリヤ放電ランプEXLの後述する内部電極2と外部電極OEとの間に接続して当該ランプEXLを点灯する。
【0046】
<発光管LT> 発光管LTは、気密容器1、細長い内部電極2および複数の給電部3A、3Bからなる。
【0047】
(気密容器1) 気密容器1は、図2に示すように、紫外線透過性の材料からなり、例えば外径が17.5mm、内径15.5mmの細長い円筒状の中空部1aおよび中空部1aの両端に形成された封止部1bを備えている。封止部1bは、内部にモリブデン箔1b1が埋設されたピンチシール構造である。なお、中空部1aには、図示しない排気チップオフ部を側面から突出して形成することができる。気密容器1の中空部1aの内部にはエキシマ生成ガスとしてキセノンが封入されている。
【0048】
(細長い内部電極2) 細長い内部電極2は、連結部2a、多数の単位メッシュ部分2bおよび両端直線部2cからなる。連結部2aは、線径0.26mmのタングステン線からなる金属細線を巻回してなる例えば外径1.2mmのコイル2aを主体として構成されている。単位メッシュ部分2bは、連結部2aに例えば15mm間隔の一定ピッチで多数配設したリング状アンカーからなる。両端直線部2cは、連結部2aの両端を引き延ばして形成されている。そして、内部電極2は、約2kgの張力を作用させた状態で、気密容器1の両端に形成された封止部1bのモリブデン箔1b1の一端に両端直線部2cを溶接している。内部電極2の連結部2aは、気密容器1内に装架された状態で張力の作用によって引き延ばされている。
【0049】
(複数の給電部3A、3B) 複数の給電部3A、3Bは、それぞれ棒状をなしていて、それらの内端が気密容器1の両端に形成された封止部1bに埋設されたモリブデン箔1b1に溶接され、基端が気密容器1の両端に形成された封止部1bから外部の管軸方向へ突出している。
【0050】
<外部電極OE> 外部電極OEは、主として図1に示すように、下面が凹形の円弧状に成型されて樋状をなしたアルミニウムブロックからなり、発光管LTの気密容器1の内部電極2に対向する領域のほぼ全長にわたって、気密容器1の外面に密接して嵌合されている。
【0051】
<高周波点灯回路HFI> 高周波点灯回路HFIは、並列インバータを主体として構成されており、その高周波出力は、一対の導電線w1、w2およびw3を介して誘電体バリヤ放電ランプEXLにおける発光管LTの一対の給電部3A、3Bと、外部電極OEとの間に図1(a)に示すように接続されている。
【0052】
<誘電体バリヤ放電ランプEXLの点灯動作> 誘電体バリヤ放電ランプEXLは、高周波点灯回路HFIの高周波出力端の一方が導電線w1、w2により内部電極2から外部へ導出された一対の給電部3A、3Bに接続され、他方が外部電極OEの一端に導電線w3により接続されているので、高周波点灯回路HFIの図示しない入力電源が投入されると、高周波を発生して高周波出力が内部電極2と、これに気密容器1の壁面を介して対向している外部電極OEとの間に印加されて、誘電体バリア放電が気密容器1の内部に生起する。この誘電体バリア放電によってキセノンのエキシマにより短波長紫外光を放射する。短波長紫外光は、気密容器1の壁面を透過して外部へ導出されるので、これをそれぞれの目的に応じて利用することができる。
【0053】
ところで、誘電体バリア放電に伴って内部電極2に流れる電流は、一対の給電部3A、3Bを経由して内部電極2内に流入する。したがって、各給電部3A、3Bを通過する電流は、全放電電流のほぼ1/2になる。すなわち、放電電流のほぼ1/2が内部電極2の図1に示す左端から流入し、残りのほぼ1/2が同じく右端から流入する。そして、内部電極2の管軸方向の中央部へ向かって通流しながら内部電極2から気密容器1の内部へ流出して、外部電極OEとの間で誘電体バリア放電に寄与する。その結果、内部電極2内を流れる電流に伴って発生する抵抗損失は、ほぼ1/4に低減する。
【0054】
図3は、誘電体バリヤ放電ランプの内部電極内を通過する電流と内部電極温度および電極抵抗との関係を示すグラフである。図において、横軸は通過電流を、縦軸は左側が内部電極温度、右側が電極抵抗を、それぞれ相対値により示す。また、曲線Aは内部電極温度を示すグラフ、曲線Bは電極抵抗を示すグラフである。
【0055】
図から理解できるように、内部電極温度および電極抵抗は、通過電流の大きさに対してともに正の相関を有している。このため、通過電流が小さくなれば、内部電極温度および電極抵抗がともに低下する。したがって、本発明の作用、効果は、既述のとおりであることを理解できるであろう。
【0056】
図4および図5は、本発明の誘電体バリア放電ランプにおける第2の実施の形態を示し、図4は正面図および側面図、図5は誘電体バリア放電ランプおよび灯体の一部切欠一部断面正面図である。本実施の形態は、誘電体バリア放電ランプ本体LBの両端に一対の口金装置B、Bを装着していて、これらの口金装置B、Bを介して誘電体バリア放電ランプ本体LBを支持するとともに、給電するようになっているため、より一層実際的な構成となっている。各図において、誘電体バリヤ放電ランプEXLは、誘電体バリヤ放電ランプ本体LB、一対の口金装置B、Bからなり、有効発光長が2.3mである。なお、図5において、符号CBは灯体を示している。
【0057】
誘電体バリヤ放電ランプ本体LBは、発光管LTおよび外部電極OEからなる。発光管LTは、図2に示すのと同様な構成である。また、誘電体バリヤ放電ランプ本体LBは、灯体CBの下面に接触状態で支持されている。なお、誘電体バリヤ放電ランプ本体LBは、全長が2.4m、有効発光長が2.3mである。以下、各構成要素について説明する。
【0058】
<外部電極OE> 外部電極OEは、主として図5に示すように、電極主部11、補強リング部12およびパッキン13を備えている。そして、電極主部11は、横断面が約180°の開口角をなすように高純度アルミニウム板を成形してほぼ円弧状に湾曲した樋状体からなり、発光管LTの気密容器1の内部電極(図示を省略している。)に対向する領域のほぼ全長にわたって、気密容器1の外面に嵌合されている。補強リング部12は、導電性金属からなり、一端が電極主部11の端部に上側から重なり、他端側が後述する給電端側となるランプ口金LBの開口内に挿入されている。パッキン13は、補強リング部12と気密容器1の対面する外面との間に介在して、ランプ口金LBの内部に対して防水、防湿的にシールする。
【0059】
<口金装置B> 一対の口金装置Bは、発光管LTの内部電極の給電部3A、3Bに対して給電を行う機能を有していて、口金筒体14、締付リング部15、ワイヤハーネス16、支持アーム17、絶縁体18および取付・端子部19からなる。
【0060】
口金筒体14は、有底筒状をなしていて、発光管LTの給電側の一端部を包囲して当該端部を機械的に保護する。そして、底部の中央に小さな開口14aを有している。締付リング部15は、口金筒体14の開口部に固着され、外部電極OEの補強リング部12およびパッキン13を介して発光管LTの一端部を締め付けて口金筒体14に固定する。
【0061】
ワイヤハーネス16は、一端が発光管LTから導出されている給電部3A、3Bに接続して口金筒体14の底部に形成された開口14aから外部へ導出されて後述する取付・端子装置19電気的に接続している。支持アーム17は、口金筒体14の開口端近傍に固着されている。絶縁体18は、支持アーム17と取付・端子装置19との間を機械的に接続するとともに電気的に絶縁している。取付・端子装置19は、ワイヤハーネス16の他端を接続し、さらに端子ねじ19aを有していて図示していない高周波点灯回路に導電線を介して接続できるように構成されている。
【0062】
<灯体CBについて> 灯体CBは、誘電体バリヤ放電ランプEXLを支持する手段であり、図1における外部電極OEと構造が類似していて、下面が横断面半球状の凹形をなしていて、その凹形の部分に下方から誘電体バリヤ放電ランプEXLが圧接状態で支持している。また、灯体CBは、その内部が中空になっていて、冷媒、例えば水が流通するように構成されている。冷媒の流通は、例えば灯体CBの長手方向の一端から他端に向かって行われる。
【0063】
さらに、灯体CBの下面に誘電体バリヤ放電ランプEXLを支持するために、図示を省略しているが、口金装置B、Bを両端部の所定の位置に装着している。
【0064】
図6は、本発明の誘電体バリヤ放電ランプにおける第3の実施の形態を示す概念図である。図において、図1と同一部分については同一符号を付して説明は省略する。本実施の形態は、給電部の構成が異なる。
【0065】
すなわち、気密容器1の両端部に配設された一対の給電部3A、3Bに加えて、気密容器1の中央部にも給電部3Cを配設している。なお、給電部3Cは、その内端が気密容器1の中央部側面を気密に貫通して内部電極の中央部に接続している。したがって、、給電部3A−3C間および給電部3B−3C間の距離は、ともにl1で等しくなる。
【0066】
また、本実施の形態においては、外部電極OEにも両端部および中央部に給電部11A、11B、11Cを配設することによって、各給電部3A、3B、3Cと11A、11B、11Cとに対する導電線が対になっている。
【0067】
図7ないし図10は、本発明の紫外線照射装置における一実施の形態としての紫外線洗浄装置を示し、図7は正面断面図、図8は底面図、図9は図9のIX−IX´線に沿う断面図、図10は高周波点灯回路の回路図である。各図において、図1ないし図5と同一部分については同一符号を付して説明は省略する。紫外線照射装置UVWは、紫外線照射装置本体21、高周波点灯回路22および複数の誘電体バリヤ放電ランプ装置ユニットEXUを具備している。
【0068】
紫外線照射装置本体21は、全体として箱状をなし、内部が上下に紫外線照射室21aと電源室21bとに区分されている。紫外線照射室21aと電源室21bとは、一端が蝶番21cによって開閉可能に構成されている。
【0069】
紫外線照射室21aには、後述するように複数の誘電体バリヤ放電ランプユニットEXUが並列配置されている。また、紫外線照射室21aは、ワークの洗浄装置の搬送手段の上部に固定的に配設されるとともに、下面が開放されていて、下面の下を通過するワーク(図示しない。)に紫外線を照射するようになっている。なお、図8において、斜線を施した部位は、紫外線有効照射領域を示している。
【0070】
電源室21bは、その内部に後述する高周波点灯回路22および図示を省略している制御回路を収納しており、蝶番21cを回動中心として図7において上方へ回動可能になっている。なお、21b1は、電源室21bの回動時に把持するためのハンドル、21b2は、紫外線照射装置本体21または電源室21bを運搬する際のハンドル、21b3は電源配線のプロテクタである。
【0071】
高周波点灯回路22は、電源室21b内に収納され、電源配線のプロテクタ21b3を経由して電源室21b内に導入された電源を変換して高周波電圧を発生して、複数の誘電体バリヤ放電ランプユニットEXUのそれぞれの誘電体バリヤ放電ランプ装置に給電する。
【0072】
誘電体バリヤ放電ランプユニットEXUは、誘電体バリヤ放電ランプユニットEXLLおよび灯体CBからなり、1灯ごとにユニット化されている。
【0073】
また、高周波点灯回路22は、図10に示す回路構成になっている。すなわち、高周波点灯回路22は、インダクタL、一対のスイッチング素子Q1、Q2、出力トランスOT、共振コンデンサC1および制御回路CCを主体として構成され、直流入力端子t1、t2、高周波出力端子t3、t4を備えた並列形インバータである。直流入力端子t1、t2は、昇圧チョッパ回路などにより出力直流電圧が可変の直流電源(図示しない。)に接続する。高周波出力端子t3、t4は、誘電体バリア放電ランプに接続する。なお、符号C2は、高周波ノイズフィルタ用のコンデンサである。
【0074】
また、直流入力端子t1は、インダクタLを直列に介して出力トランスOTの1次巻線pw1の中点に接続している。直流入力端子t2は、一対のスイッチング素子Q1、Q2の接続点に接続している。一対のスイッチング素子Q1、Q2は、直列接続するとともに、出力トランスOTの1次巻線pw1、pw2、pw3に対して並列に接続している。出力トランスOTは、3組の1次巻線pw1、pw2、pw3、3組の2次巻線sw1、sw2、sw3、ドライブ巻線fwおよび検出巻線dwを備えている。そして、1次巻線pw1、pw2、pw3と2次巻線sw1、sw2、sw3とが対をなしている。また、1次巻線pw1、pw2、pw3は、互いに並列接続している。これに対して、2次巻線sw1、sw2、sw3は、互いに直列接続して、その両端が高周波出力端子t3、t4に接続している。共振コンデンサC1は、1次巻線pw1、pw2、pw3に並列接続している。ドライブ巻線fwおよび検出巻線dwは、後述する制御回路CCに接続する。
【0075】
制御回路CCは、ドライブ回路DCおよび保護回路PCからなる。ドライブ回路DCは、その入力端がドライブ巻線fwに接続して、ドライブ信号を発生し、スイッチング素子Q1、Q2に供給する。これにより、並列インバータは、自励発振する。保護回路PCは、その入力端が検出巻線dwに接続して、誘電体バリア放電ランプEXLの始動を検出したら、例えば直流電源を制御するなどにより高周波出力電圧を低下させる。
【0076】
そうして、高周波点灯回路52は、上述の回路構成を具備していることによって、誘電体バリア放電ランプEXLを始動して点灯する。そして、出力トランスOTの検出巻線dwに現れた検出電圧を保護回路PCによって監視して、始動後に高周波出力電圧が上昇すると、これを低下させてスイッチング素子Q1、Q2に印加される電圧がその耐圧をオーバーしないように保護動作をさせることができる。また、ドライブ回路DCから出力されるドライブ信号を高周波出力の程度に合わせて調節することができる。
【0077】
ところで、複数の誘電体バリヤ放電ランプユニットEXUは、紫外線照射室51a内に互いに隣接状態で配置されている。しかし、製造の容易のため、およびメンテナンスのために、所要の誘電体バリヤ放電ランプユニットEXUごとに着脱可能になっている。
【0078】
また、灯体CBの冷却媒体流通路に冷却水を通流させるために、その流入口には冷却水を供給するための配管を結合し、流出口には排水のための配管を結合している。
【0079】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、放電を生起する各位置が気密容器の軸方向にそれぞれ空隙を介して分散して配設されていてエキシマ生成ガスを封入した気密容器内にその管軸方向のほぼ全長にわたって細長い内部電極を封装し、密容器の外面に外部電極を配設し、内部電極の両端を含む管軸方向に沿って分散した複数箇所に接続して気密容器の外部へ導出された複数の給電部を具備していることにより、複数の給電部から並行的に給電され、内部電極の放電を生起する各位置と外部電極との協働によって気密容器内に誘電体バリア放電が並列的に生起するように作用して細長い内部電極の電流通流に伴う抵抗損失低減し、発光長1.5m以上、例えば2.5m程度であっても内部電極の過熱が生じなくなるとともに、管軸方向に沿った紫外光の輝度分布の均整度が向上するので、光出力の増大や気密容器の長尺化を可能にした誘電体バリヤ放電ランプを提供することができる。
【0080】
請求項2の発明によれば、請求項1記載の誘電体バリヤ放電ランプと、これを配設した紫外線照射装置本体と、高周波点灯回路とを具備していることにより、請求項1の効果を有する紫外線照射装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の誘電体バリヤ放電ランプにおける第1の実施の形態の誘電体バリヤ放電ランプおよび高周波電源を概念的に示す正面図ならびに底面図
【図2】 同じく発光管の一部切欠正面図
【図3】 誘電体バリヤ放電ランプの内部電極内を通過する電流と内部電極温度および電極抵抗との関係を示すグラフ
【図4】 本発明の誘電体バリア放電ランプにおける第2の実施の形態を示す正面図および側面図
【図5】 同じく誘電体バリア放電ランプおよび灯体の一部切欠一部断面正面図
【図6】 本発明の誘電体バリヤ放電ランプにおける第3の実施の形態を示す概念図
【図7】 本発明の紫外線照射装置の一実施の形態としての紫外線洗浄装置を示す正面断面図
【図8】 同じく底面図
【図9】 同じく図7のIX−IX´線に沿う断面図
【図10】 同じく高周波点灯回路の回路図
【符号の説明】
1…気密容器、2…内部電極、3A、3B…給電部、EXL…誘電体バリア放電ランプ、HFI…高周波点灯回路、LT…発光管、OE…外部電極、w1、w2、w3…導電線

Claims (2)

  1. 紫外線透過性の材料からなる細長い管状をなす気密容器と;
    放電を生起する各位置が気密容器の軸方向にそれぞれ空隙を介して分散して配設されていて気密容器内にその管軸方向のほぼ全長にわたって封装された細長い内部電極と;
    内部電極の両端を含む管軸方向に沿って分散した複数箇所に接続して気密容器の外部へ導出された複数の給電部と;
    気密容器内に封入されたエキシマ生成ガスと;
    気密容器の外面に配設され複数の給電部から並行的に給電される内部電極の放電を生起する各位置との協働によって気密容器内に誘電体バリア放電が並列的に生起するように作用する外部電極と;
    を具備していることを特徴とする誘電体バリヤ放電ランプ。
  2. 請求項1記載の誘電体バリヤ放電ランプと;
    誘電体バリヤ放電ランプを配設した紫外線照射装置本体と;
    誘電体バリヤ放電ランプを点灯する高周波点灯回路と;
    を具備していることを特徴とする紫外線照射装置。
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