JP2004349181A - 誘電体バリヤ放電ランプ装置および紫外線照射装置 - Google Patents
誘電体バリヤ放電ランプ装置および紫外線照射装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004349181A JP2004349181A JP2003146916A JP2003146916A JP2004349181A JP 2004349181 A JP2004349181 A JP 2004349181A JP 2003146916 A JP2003146916 A JP 2003146916A JP 2003146916 A JP2003146916 A JP 2003146916A JP 2004349181 A JP2004349181 A JP 2004349181A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- lamp
- barrier discharge
- dielectric barrier
- discharge lamp
- base
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Images
Landscapes
- Physical Or Chemical Processes And Apparatus (AREA)
- Common Detailed Techniques For Electron Tubes Or Discharge Tubes (AREA)
Abstract
【課題】気密容器の撓みや熱ストレスによる不都合が生じないように改良された誘電体バリヤ放電ランプ装置およびこれを用いた紫外線照射装置を提供する。
【解決手段】誘電体バリヤ放電ランプ装置は、気密容器、内部電極、給電導体、エキシマ生成ガス、外部電極を具えた誘電体バリヤ放電ランプEXLと、誘電体バリア放電ランプの給電導体が導出されている一端部を包囲して当該端部を機械的に保護するとともに給電導体と絶縁関係に保持された第1のランプ口金B1と、誘電体バリア放電ランプの他端部を包囲して当該端部を機械的に保護するとともに外部電極に接続する導電体部分を備えた第2のランプ口金B2と、第1のランプ口金を固定的に支持する第1のランプ口金支持手段BS1と第2のランプ口金を誘電体バリア放電ランプの管軸方向に移動可能に支持するとともに第2の口金の導電体部分に電気的に接続した第2のランプ口金支持手段BS2とを具備している。
【選択図】図1
【解決手段】誘電体バリヤ放電ランプ装置は、気密容器、内部電極、給電導体、エキシマ生成ガス、外部電極を具えた誘電体バリヤ放電ランプEXLと、誘電体バリア放電ランプの給電導体が導出されている一端部を包囲して当該端部を機械的に保護するとともに給電導体と絶縁関係に保持された第1のランプ口金B1と、誘電体バリア放電ランプの他端部を包囲して当該端部を機械的に保護するとともに外部電極に接続する導電体部分を備えた第2のランプ口金B2と、第1のランプ口金を固定的に支持する第1のランプ口金支持手段BS1と第2のランプ口金を誘電体バリア放電ランプの管軸方向に移動可能に支持するとともに第2の口金の導電体部分に電気的に接続した第2のランプ口金支持手段BS2とを具備している。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、誘電体バリヤ放電ランプ装置およびこれを用いた紫外線照射装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
キセノンなどの希ガスあるいはキセノンまたはクリプトンなどの希ガスおよび塩素などの混合ガスを無声放電すなわち誘電体バリア放電を行わせて、固有の単色に近い放射を発生させるエキシマ放電ランプすなわち誘電体バリヤ放電ランプは、数多くの文献に記載されて従来から知られている。誘電体バリヤ放電においては、パルス状の電流が流れる。このパルス状の電流は、高速の電子流を持ち、かつ、休止期間が多いため、キセノンなどの紫外線を出す物質を一時的に分子状態(エキシマ状態)に結合し、基底状態に戻るときに再吸収の少ない紫外線を効率よく放出する。
【0003】
誘電体バリヤ放電ランプとして、細長い管状の気密容器を用いて誘電体バリヤ放電を行う誘電体バリヤ放電ランプが知られている(特許文献1参照。)。
【0004】
また、光透過性で、しかも、細長い管状で、誘電体バリヤ放電の第一の誘電体を兼ねた放電容器の外面に光透過性の外部電極と、内側に長さLと直径Dの比L/Dが30以上の金属棒または金属パイプからなる内側電極とを備えた構造も提案されている(特許文献2参照。)。
【0005】
さらに、張力の作用化で内部電極を配設したり、内部電極に位置規制子すなわちアンカーを装着したりした構成とすることによって、内部電極の垂下を抑制した誘電体バリヤ放電ランプも本発明者らにより開発されている(特許文献3参照。)。特許文献3によれば、アンカーを導電性金属により構成することにより、アンカーが内部電極の一部としても作用するので、内外電極間の距離が小さくなり、始動性が向上する。
【0006】
特許文献1ないし3に示されているような細長い気密容器、気密容器内の軸方向に延在する内部電極および密容器内に封入されたエキシマ生成ガスを備えた発光管を形成し、冷却機能を有するとともに気密容器の外面の一部が嵌合するように凹窪させた灯体に、上記発光管を圧接し、かつ、両者間に外部電極を介在させることにより、気密容器の外面に外部電極を密着させて管軸方向に沿って一様な誘電体バリア放電を生起させるとともに、発光管から発生する熱を速やかに放散させて発光効率を高い状態に維持することができる。
【0007】
【特許文献1】
特開平11−111235号公報
【特許文献2】
特開平7−272692号公報
【特許文献3】
特開2001−084966号公報
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述の細長い気密容器を備えた誘電体バリア放電ランプは、気密容器の長尺化および高出力化に伴ってランプの撓みおよび点灯による熱ストレスが大きくなるために、外部電極が所要の程度に気密容器の外面に密接しなくなったり、灯体による冷却が所要に行われなくなったりしやくすくなる。外部電極が所要の程度に気密容器の外面に密接しなくなると、放電電流が低減して所要の点灯電力が投入されなくなる。また、灯体による冷却が所要に行われなくなると、温度上昇によって発光効率が低下する。さらに、ランプの撓みおよび点灯による熱ストレスが甚だしいときには、気密容器が熱ストレスのために破壊したりすることもある。
【0008】
本発明は、気密容器の撓みや熱ストレスによる不都合が生じないように改良された誘電体バリヤ放電ランプ装置およびこれを用いた紫外線照射装置を提供することを一般的な目的とする。
【0009】
また、本発明は、気密容器の撓みや熱ストレスに対してフリーになるように誘電体バリヤ放電ランプを支持することにより、上述の不都合が生じないように改良された誘電体バリヤ放電ランプ装置およびこれを用いた紫外線照射装置を提供することを具体的な目的とする。
【0010】
【課題を達成するための手段】
請求項1の発明の誘電体バリヤ放電ランプ装置は、紫外線透過性の材料からなる細長い管状をなす気密容器、気密容器内に封装された内部電極、内部電極に接続して気密容器の一端から外部へ導出された給電導体、気密容器内に封入されたエキシマ生成ガス、および気密容器の外面に配設され内部電極との協働によって気密容器内に誘電体バリア放電を生起するように作用する外部電極を具えた誘電体バリヤ放電ランプと;誘電体バリア放電ランプの両端部に装着された第1および第2のランプ口金と;誘電体バリア放電ランプを第1および第2のランプ口金を支持することにより誘電体バリア放電ランプを支持する第1および第2のランプ口金支持手段とを具備するものにおいて、前記第1のランプ口金は、誘電体バリア放電ランプの給電導体が導出されている一端部を包囲して当該端部を機械的に保護するとともに給電導体と絶縁関係に保持され;第2のランプ口金は、バリア放電ランプの他端部を包囲して当該端部を機械的に保護するとともに外部電極に接続する導電体部分を備え;第1のランプ口金支持手段は、第1のランプ口金を固定的に支持し;第2のランプ口金支持手段は、第2のランプ口金を誘電体バリア放電ランプの管軸方向に移動可能に支持するとともに第2の口金の導電体部分に電気的に接続している;ことにより特徴付けられている。
【0011】
以下、本発明の誘電体バリヤ放電ランプ装置を特徴的な構成要素を最初に説明し、次にその他の構成要素について説明する。
【0012】
<第1のランプ口金について> 第1のランプ口金は、誘電体バリア放電ランプの後述する給電導体が導出されている方の一端部を包囲して当該端部を機械的に保護する。また、第1のランプ口金は、上記給電導体に対して絶縁関係に保持されている。以上の条件を満足すれば、第1のランプ口金は、導電物質および絶縁物質のいずれで形成されていてもよい。さらに、第1のランプ口金は、所望により誘電体バリア放電ランプの気密容器の外面に添接された外部電極の端部を誘電体バリア放電ランプの一端部を包囲するのと同時に包囲することができる。この構成において、第1のランプ口金の少なくとも一部を導電物質により形成して、外部電極に第1のランプ口金を導通させ、外部電極に対する給電に寄与させることができる。
【0013】
<第2のランプ口金について> 第2のランプ口金は、誘電体バリア放電ランプの他端部を包囲して当該端部を機械的に保護する。また、第2のランプ口金は、誘電体バリア放電ランプの外部電極に接続する導電体部分を備えている。以上の条件を満足すれば、第2のランプ口金は、導電物質および絶縁物質のいずれで形成されていてもよい。しかし、導電物質で形成することにより、外部電極との接続が容易になり、構造も簡単になる。
【0014】
<第1のランプ口金支持手段について> 第1のランプ口金支持手段は、第1のランプ口金を固定的に支持する。これにより、誘電体バリア放電ランプの一端部を支持する。
【0015】
<第2のランプ口金支持手段について> 第2のランプ口金支持手段は、第2のランプ口金を誘電体バリア放電ランプの管軸方向に移動可能に支持するとともに第2の口金の導電体部分に電気的に接続している。上記の移動可能な態様は、予定される撓みや熱ストレスによる伸縮に応じて所定範囲内において移動可能であればよい。第2のランプ口金支持手段と第2の口金の導電体部分とが電気的に接続している関係は、第2のランプ口金が第2のランプ口金支持手段に対して相対的に誘電体バリア放電ランプの管軸方向に移動する際にも、持続していなければならない。
【0016】
第2のランプ口金支持手段についての上記構成のうち、第2のランプ口金を誘電体バリア放電ランプの管軸方向に移動可能に支持するための具体的な構成は、本発明において特段限定されない。例えば、誘電体バリア放電ランプの他端側を緩く支持することにより、上記の条件を満足することができる。ただし、誘電体バリア放電ランプが負所望に脱落したり、位置ずれを生じたりしない程度である必要がある。このためには、ばね力を作用させながら第2のランプ口金を支持すればよい。ばね力を作用させる手段としては、例えば第1の摺接機構を配設することができる。
【0017】
また、第2のランプ口金支持手段についての前記構成のうち、第2のランプ口金支持手段と第2の口金の前記導電体部分とが電気的に接続している関係が、第2のランプ口金が第2のランプ口金支持手段に対して相対的に誘電体バリア放電ランプの管軸方向に移動する際にも持続している条件を満足するための具体的な構成は、本発明において特段限定されない。例えば、第2のランプ口金支持手段および第2のランプ口金の間に第2の摺接機構を配設することにより実現することができる。第2の摺接機構としては既知の各種構成を適宜採用することができる。
【0018】
さらに、第2の摺接機構は、外部電極に向かって圧接力が誘電体バリア放電ランプに作用するように摺接する構成であれば、次に示す格別の作用を奏するので、有益である。すなわち、この種の細長い気密容器を備えた誘電体バリア放電ランプは、紫外線反射性の灯体の内面に当接され、灯体内に通流する冷媒により冷却されながら点灯するように構成されるのが一般的である。外部電極が薄い金属板を気密容器の外表面に接触させるように配置される構成の場合、当該外部電極は、上記灯体の内面と気密容器との間に介在するので、両者間に第2の摺接機構が圧接力を付与することになる。そのため、外部電極が気密容器の外面に密接して、所定の作動を行うことができる。以上の結果、誘電体バリア放電ランプは、常に所定の発光効率で点灯する。
【0019】
さらにまた、本発明においては、前述の第1の摺接機構と第2の摺接機構とを単一の摺接機構で兼ねることができる。しかし、要すれば、別に配設できるのはいうまでもない。
【0020】
<誘電体バリヤ放電ランプについて> 誘電体バリヤ放電ランプは、気密容器、内部電極、エキシマ生成ガスおよび外部電極を備えている。
【0021】
(気密容器について) 気密容器は、紫外線透過性の材料からなり、一般的には合成石英ガラスを用いて製作することができる。しかし、本発明は、利用しようとする波長の真空紫外線に対して紫外線透過性であればどのような材料で構成してもよい。
【0022】
また、気密容器は、紫外線出力を多くするには、その外径を12mm以上にするのがよい。また、肉厚を2mm以下、好適には0.3〜1mm程度にすることができる。これに対して、気密容器の長さは、全く制限されないのであって、所要の紫外線照射長さに応じて任意の長さ、たとえば1m程度にすることができる。特に本発明によれば、支持手段により外部電極を気密容器の管軸方向に均一に圧接しやすくなるので、1m以上の長さであってもよい。
【0023】
気密容器の内部を排気してからエキシマ生成ガスを封入するための手段として、排気管を気密容器に接続する。本発明においては、排気管を気密容器の一方の端部近傍であって、かつ、灯体から外部へ露出する部位の側面に接続する。なお、排気管を介して排気したら、エキシマ生成ガスを排気管から気密容器内に封入し、排気管をチップオフすることにより、排気チップオフ部が形成される。排気を気密容器の一端側に形成した排気管を経由して排気すると、特に気密容器が1m以上のように長い場合、充分な排気をするのに多少時間が長くなる傾向がある。そこで、要すれば、気密容器の両端近傍に一対の排気管を形成して、同時に排気を行うように構成してもよい。したがって、この場合には、一対の排気チップオフ部が形成される。
【0024】
また、気密容器は、管状であれば真っ直ぐな直管だけでなく、多少湾曲していてもよい。実際上、細長い管を形成する際に多少の湾曲が形成されやすく、例えば全長約1200mmに対して最大1mm程度以下の湾曲が形成され得る。しかし、この程度の湾曲は、ほぼ直管であるとして許容される。なお、気密容器が上記のように円弧状に湾曲している場合、円弧の背の部分を外部電極に対向するように配置するのがよい。また、円弧の側面の部分を外部電極に対向するように配置してもよい。したがって、上記の中間の任意の角度範囲内で外部電極が対向するように両者の配置を管理することによって、外部電極の気密容器の外面に対する良好な圧接を得ることができる。なお、管の断面形状は、円形が一般的であるが、要すれば楕円形、四角形など所望の断面形状を採用することができる。
【0025】
(内部電極について) 内部電極は、どのような構成であってもよい。例えば、多数の単位メッシュ部分が気密容器の軸方向にそれぞれ空隙を介して配設されたメッシュ状をなしていたり、既述の従来技術におけるような種々の構成の内部電極を任意所望により採用したりすることが許容される。しかし、内部電極がメッシュ状をなしていることにより、紫外線発生量を相対的に多くすることができるので、好適である。なお、「多数の単位メッシュ部分が気密容器の軸方向にそれぞれ空隙を介して配設されたメッシュ状をなしている」とは、単位メッシュ部分が気密容器の内壁面に接近し、かつ、気密容器の軸方向に互いに空間的に離間しているが、導電的に接続している状態をいう。なお、単位メッシュ部分は、周方向に対して連続していてもよいし、分断していてもよい。したがって、この単位メッシュ部分は、具体的にはたとえばリング状(前者の態様)、スパイラル状またはコイル状(後者の態様)、あるいは網目状などをなしていることが許容される。なお、網目状の場合には、その網目の構成によって前者または後者の属する。
【0026】
単位メッシュ部分がリング状をなしている場合には、気密容器の軸方向に延在する連結部分を備えていることによって、多数の単位メッシュ部分を所定のピッチで連結し、かつ、導電的に接続することができる。なお、連結部分を気密容器の中心軸に沿って延在するように構成することにより、内部電極の全体が多数のリングアンカー(単位メッシュ部分に相当する。)を備えた複写用ハロゲン電球のフィラメントのような形態を呈し、製造設備を流用することができて製造が容易になる。しかし、要すれば、気密容器の中心軸を外してメッシュ状部分のリングの部分に連結部分を直接接続した構成を採用してもよい。なお、連結部分は、単線の直線状でもよいし、また外径が気密容器の内径に対して20%以下のコイル状をなしていてもよい。また、連結部分を適当な値の張力、好適には2kg以上の張力が中心軸方向に作用している状態で封装することができる。張力を作用させるには、内部電極をコイル状に形成すると好都合である。コイル状でなくても、連結部分に中心軸方向の張力を作用させることができる。連結部分がどのような形状であっても、その両端側で気密容器の両端部に封着することにより、連結部分に張力を作用させやすくなる。しかし、要すれば、連結部分を気密容器の片側にのみその一端で封着し、他端を気密容器の他端側に適当な手段たとえばアンカーワイヤによって封止部に固定することにより、連結部分に張力を作用させることもできる。
【0027】
これに対して、単位メッシュ部分がスパイラル状や網目状をなしている場合には、そのスパイラルや網目の部分が連結部分としても機能して、多数の単位メッシュ部分が互いに機械的および導電的に連結する。しかし、スパイラル状や網目状の単位メッシュ部分に単一または複数の棒状体からなる連結部分を溶接するなどによって、より一層内部電極の保形性を付与することができる。あるいは棒状体の連結部分に代えて巻枠を用いてスパイラル状や網目状の単位メッシュ部分を形成すると、保形性が良好になる。なお、巻枠は、絶縁性および導電性のいずれであってもよい。メッシュ状部分に対して、上述のいずれかの構成を採用すれば、内部電極の全体に形状の安定性を付与して、その取扱いを容易にすることができる。
【0028】
また、内部電極は、その単位メッシュ部分の軸方向に対するピッチP(m)が後述するエキシマ生成ガスの圧力p(Pa)との積p・Pが所定の範囲に入っているように構成される。
【0029】
さらに、本発明においては、後述するようにエキシマ生成ガスの封入圧を高くしてランプ効率を向上させる場合であっても、単位メッシュ部分と気密容器の内壁面との間の距離を3mm以下にすることができる。上記距離が3mm以下であれば、ある条件下で放電維持電圧を1000V以下に抑えることができる。
【0030】
さらに、内部電極を構成する材料は、特段限定されないが、たとえばタングステン、モリブデンおよびニッケルなどの耐火性の金属を用いればよいが、タングステンやニッケルは、仕事関数が相対的に小さく、電子放出しやすいから、始動電圧を低下させるのに効果的である。
【0031】
さらにまた、内部電極を石英ガラスからなる気密容器の端部に封着するには、石英ガラスにコンパクトに封着する場合に多用されている封着金属箔を用いる封着構造を採用することができる。また、石英ガラスをピンチシールすることにより、封着金属箔を気密にシールすることができる。
【0032】
(エキシマ生成ガスについて) エキシマ生成ガスは、キセノン、クリプトン、アルゴンまたはヘリウムなどの希ガスの一種または複数種の混合あるいは希ガスおよびフッ素、塩素、臭素またはヨウ素などのハロゲンの混合ガスたとえばXeCl、KrClなどを用いることができる。また、エキシマ生成ガスに加えてエキシマを生成しないガスたとえばネオンなどを混合して用いることもできる。
【0033】
さらに、エキシマ生成ガスの圧力を20000Pa以上にすることができる。圧力が大きくなるに伴いランプ効率が向上して紫外線出力は増大する。ただし、ランプ効率は圧力の増加に対して飽和傾向を示す。
【0034】
(外部電極について) 外部電極は、誘電体バリヤ放電ランプの気密容器、エキシマ形成ガスおよび内部電極を備えている発光管に対してその気密容器の外面に配設される。配設の態様は、着脱可能な態様および着脱不能な態様のいずれであってもよい。そして、気密容器の内部に封装された内部電極との間に気密容器の壁面を誘電体とする誘電体バリア放電を気密容器の内部に生起させるように作用する。
【0035】
また、外部電極は、内部電極にほぼ正対するような管軸方向の長さを有している。そうすれば、発光管の管軸方向に沿って誘電体バリア放電を生起させることができる。なお、外部電極の管軸に直交する方向の幅は、一般的には気密容器の管軸を中心とする角度で約60〜300°程度の範囲内であるのがよい。したがって、外部電極が配設されないで発光管の気密容器が外部に露出される部分が約300〜60°の程度の範囲で形成されることになり、気密容器の壁面を透過した紫外線を上記露出部分から外部へ、しかも、発光管の管軸方向に沿った比較的長い距離にわたり、照射して種々の目的のために利用することができる。しかし、誘電体バリア放電によりなるべく多量の紫外線を放射させるとともに、放射された紫外線を好ましい角度で照射するために、外部電極の管軸に直交する方向の幅は、好適には約90〜240°程度の範囲内であるのがよい。また、外部電極の着脱に対する高い容易性と支持手段によるばね力の作用下で気密容器の外面に対する強い圧接を得るためには、240°以下程度の範囲内であるのがよい。したがって、外部電極の着脱性と紫外線の放射性とをともに満足するためには、60〜240°程度の範囲が最適である。
【0036】
さらに、外部電極は、気密容器の外面に着脱可能に配設される場合、薄くてフレキシブルな導電性の金属の箔、板または金属線などであってもよいし、肉厚の剛性体であってもよい。上記のいずれであっても、外部電極の気密容器に面する内面は、紫外線に対する反射率が高ければ、反射手段として作用するので、外部に取り出し得る紫外線量を多くするのに効果的である。紫外線反射率が高い材質としては、例えば高純度アルミニウムまたは白金などを用いることができる。外部電極が剛性体からなる場合、灯体としても機能するものを用いるこができる。
【0037】
さらにまた、外部電極は、連続した面状またはメッシュ状のいずれの状態をなしていてもよい。なお、メッシュ状とは、多数の単位メッシュ部分が気密容器の軸方向にそれぞれ空隙を介して配設され、かつ、単位メッシュ部分が気密容器の内壁面に接近し、さらに気密容器の軸方向に互いに空間的に離間しているが、導電的に接続している状態をいう。また、単位メッシュ部分は、周方向に対して連続していてもよいし、分断していてもよい。したがって、この単位メッシュ部分は、具体的には例えば網目状などをなしていることが許容される。
【0038】
<本発明の作用について> 本発明においては、以上説明した構成を具備していることにより、誘電体バリア放電ランプの内部電極と外部電極との間に所要の高周波のパルス電圧または交流電圧を印加することにより誘電体バリア放電が気密容器の内部に発生して短波長の紫外線が発生する。上記の放電電圧は、内部電極に対しては給電導体を介して印加され、また外部電極に対しては少なくとも第2のランプ口金支持手段および第2の口金を経由して印加される。所望により、第1のランプ口金支持手段および第1の口金をも経由して上記と並列的に、すなわち外部電極の両端から上記電圧が印加されるように構成することがきるのは前述のとおりである。
【0039】
また、誘電体バリア放電ランプは、消灯時の冷却状態から点灯して温度上昇すると、気密容器が熱膨張して伸長する。このとき、一端部に配設された第1のランプ口金と第1のランプ口金支持手段との間が固定関係にあるが、第2のランプ口金と第2のランプ口金支持手段との間が相対的に移動可能になっているので、伸長に応じて第2のランプ口金が第2のランプ口金支持手段に対して位置がずれる。しかし、位置ずれを生じても、第2のランプ口金の導電体部分と第2のランプ口金支持手段との間の電気的な接続は持続されているので、内部電極と外部電極との間の誘電体バリア放電は、継続している。
【0040】
したがって、本発明によれば、誘電体バリア放電ランプの気密容器が長尺であったり、出力が高かったりするために、点滅に伴い誘電体バリア放電ランプが撓もうとしたり熱ストレスが生じたとしても、第2のランプ口金と第2のランプ口金支持手段の間で自動的にそれらが吸収されて、所定の点灯姿勢で点灯を持続する。その結果、ランプが破壊したり、冷却条件が悪化して発光効率が低下したりするようなことが抑制される。
【0041】
さらに、第2のランプ口金支持手段が第2のランプ口金の導電体部分に対する前述した第2の摺接機構を配設している場合には、常時外部電極に向かって圧接力が誘電体バリア放電ランプに作用するように摺接するので、後述する灯体による冷却を良好に持続することができる。
【0042】
次に、本発明の必須構成要素ではないが、所望により灯体を選択的に付加することができる。
【0043】
すなわち、灯体は、そこに誘電体バリア放電ランプが熱伝導状態に添接されるように配設される。そして、誘電体バリア放電ランプの点灯により発生する熱を除去する手段として利用することができる。このような灯体の作用を強調するために、灯体を強制的に冷却することができる。例えば、灯体の内部に冷却媒体、例えば水を通流させるように構成することができる。または、灯体の外面を凹凸を形状して放熱しやすい構造にしたり、および/または強制的に空気を通過させるファン装置を用いたりするなど、既知の冷却手段を適宜用いることができる。
【0044】
また、灯体に誘電体バリア放電ランプを添接することにより、誘電体バリア放電ランプを支持しやすくなる。そのために、要すれば、後述する支持手段を用いることができる。
【0045】
さらに、灯体に誘電体バリア放電ランプを添接することにより、所望により外部電極を気密容器と灯体との間に挟持して、外部電極を気密容器の外面に圧接させやすくなる。このために、後述する支持手段を用いることができる。
【0046】
請求項2の発明の紫外線照射装置は、請求項1記載の誘電体バリヤ放電ランプ装置と;誘電体バリヤ放電ランプ装置を配設した紫外線照射装置本体と;誘電体バリヤ放電ランプ装置を点灯する高周波点灯回路と;を具備していることを特徴としている。
【0047】
本発明において、「紫外線照射装置」とは、誘電体バリヤ放電ランプ装置から発生する紫外線を利用するあらゆる装置を意味する。たとえば、半導体ステッパー、光洗浄装置、光硬化装置および光乾燥装置などである。また、「紫外線照射装置本体」とは、紫外線照射装置から誘電体バリヤ放電ランプ装置および高周波発生手段を除外した残余の部分を意味する。
【0048】
また、誘電体バリヤ放電ランプ装置は、必要に応じて1ないし複数本を使用することができる。
【0049】
さらに、誘電体バリヤ放電ランプ装置を点灯するためには、高周波点灯回路を用いる。高周波点灯回路は、高周波発生手段を含み、高周波電圧を発生して誘電体バリヤ放電ランプ装置に、その点灯に必要な高周波電力を供給する。なお、「高周波」とは、10kHz以上の周波数をいう。しかし、好適には100kHz〜2MHzである。また、高周波点灯回路は、誘電体バリヤ放電ランプ装置の安定点灯時に1500V程度以下、好適には700〜1000Vの高周波電圧を印加するのが好ましい。さらに、誘電体バリヤ放電ランプ装置の始動電圧は、2〜2.3kVp−pであり、高周波点灯回路の二次開放電圧を始動電圧まで高めることにより容易に始動させることができる。この場合、高周波発生手段として並列インバータを主体として構成すると、高い昇圧比を容易に得ることができるので好適である。そして、高周波出力波形が正弦波なので、誘電体バリヤ放電ランプ装置を点灯する際にノイズ発生が少なくなる。しかし、要すれば、高周波発生手段とは別に始動用パルス電圧発生手段を併用することもできる。さらにまた、誘電体バリヤ放電ランプ装置と高周波点灯回路とは近接位置に配置するのが好ましいが、要すれば互いに離間した位置に配置することもできる。誘電体バリヤ放電ランプ装置は、一般の放電ランプと異なり限流手段を直列に接続する必要がない。しかし、ランプ電流を所定値に調節するために、適当な値のインピーダンスを直列に接続して点灯することは、必要に応じてなすことができる。また、誘電体バリヤ放電ランプ装置を高周波点灯回路に接続するに際して、外部電極を接地すると、ノイズ発生が少なくなる。
【0050】
内部電極がメッシュ状をなす構成で、かつ、陽極であって、外部電極が陰極のときの誘電体バリヤ放電においては、内部電極の単位メッシュ部分の近傍からの紫外線放射が多く、隣接する単位メッシュ部分の中間からの紫外線放射が少なくなる。したがって、単位メッシュ部分のピッチが大きいと、気密容器の軸方向における紫外線照度の均整度が悪くなるとともに、紫外線照度も低下することが分かった。なお、内部電極および外部電極の位相が逆の場合には、上述のようにはならない。内部電極の単位メッシュ部分のピッチを4mm以下であれば、単位メッシュ部分の間の紫外線照度が低くなる谷間の部分がそれぞれの単位メッシュ部分によって生じる紫外線強度の強い領域により埋められるため、その結果気密容器の軸方向の紫外線照度の均整度が著しく向上するとともに、紫外線照度が向上する。
【0051】
また、パルス点灯により強いアフターグロー発光が発生するので、紫外線照度向上に貢献する。
【0052】
高周波点灯回路は、パルス電圧を出力するのであれば、その余の構成を問わないが、たとえば矩形波出力のインバータを用いることにより、矩形波のパルスを得ることができる。しかし、正弦波出力のインバータを用いて正弦波のパルスを得る構成であってもよい。
【0053】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0054】
図1ないし図4は、本発明の誘電体バリヤ放電ランプ装置における第1の実施の形態を示し、図1は誘電体バリヤ放電ランプ装置および灯体の一部切欠一部断面正面図、図2は誘電体バリヤ放電ランプ装置および第1のランプソケット支持手段の正面図および右側図部、図3は誘電体バリヤ放電ランプならびに第1および第2のランプソケットの関係を示す一部切欠中央断面正面図、図4は発光管の一部切欠正面図である。
【0055】
各図において、誘電体バリヤ放電ランプ装置EUは、誘電体バリヤ放電ランプEXL、第1および第2のランプ口金B1、B2ならびに第1および第2のランプ口金支持手段BS1、BS2からなる。誘電体バリヤ放電ランプ装置EUは、灯体LBの下面に接触状態で支持されている。なお、誘電体バリヤ放電ランプ装置EUは、第1および第2のランプ口金支持手段BS1、BS2を除いたときの全長が1115mm、有効発光長が950mmである。以下、各構成要素について説明する。
【0056】
<誘電体バリヤ放電ランプEXL> 本実施の形態において、誘電体バリヤ放電ランプEXLは、発光管LTおよび外部電極OEからなる。
【0057】
(発光管LTについて) 発光管LTは、主として図3および図4に示すように、気密容器1、エキシマ形成ガス、内部電極2および一対の導入線3、4からなる。
【0058】
気密容器1は、紫外線透過性の材料からなり、外径が17.5mm、内径15.5mmの細長い円筒状の中空部1aおよび中空部1aの両端に形成された封止部1bを備えている。封止部1bは、内部にモリブデン箔1b1が埋設されたピンチシール構造である。なお、中空部1aには、図示しない排気チップオフ部を側面から突出して形成することができる。
【0059】
気密容器1の中空部1aの内部にはエキシマ生成ガスとしてキセノンが封入されている。
【0060】
内部電極2は、連結部2a、多数の単位メッシュ部分2bおよび両端直線部2cからなる。連結部2aは、線径0.26mmのタングステン線からなる金属細線を巻回してなる外径1.2mmのコイル2aを主体として構成されている。単位メッシュ部分2bは、連結部2aに例えば15mm間隔の一定ピッチで多数配設したリング状アンカーからなる。両端直線部2cは、連結部2aの両端を引き延ばして形成されている。そして、内部電極2は、約2kgの張力を作用させた状態で、気密容器1の両端に形成された封止部1bのモリブデン箔1b1の一端に両端直線部2cを溶接している。内部電極2の連結部2aは、気密容器1内に装架された状態で張力の作用によって引き延ばされている。
【0061】
一対の導入線3、4は、その内端が気密容器1の両端に形成された封止部1bに埋設されたモリブデン箔1b1に溶接され、基端が封止部1bから外部へ露出している。ただし、導入線4は、非給電側となるので、気密容器1を封止後に外部露出部が切断されて短寸になっている。なお、必要に応じて耐熱性絶縁体を塗布して導入線4の切断後の露出部を隠蔽することができる。
【0062】
(外部電極OEについて) 外部電極OEは、主として図3に示すように、電極主部11、補強リング部12およびパッキン13を備えている。そして、電極主部11は、横断面が約180°の開口角をなすように高純度アルミニウム板を成形してほぼ円弧状に湾曲した樋状体からなり、発光管LTの気密容器1の内部電極2に対向する領域のほぼ全長にわたって、気密容器1の外面に嵌合されている。補強リング部12は、導電性金属からなり、一端が電極主部11の端部に上側から重なり、他端側が後述する給電端側となる第1のランプソケットLS1の開口内に挿入されている。パッキン13は、補強リング部12と気密容器1の対面する外面との間に介在して、第1のランプ口金BIの内部に対して防水、防湿的にシールする。
【0063】
<第1のランプ口金B1> 第1のランプ口金B1は、主として図3および図1に示すように、発光管LTの内部電極2に対して給電を行う機能を有していて、口金筒体14、締付リング部15、ワイヤハーネス16、支持アーム17、絶縁体18および取付・端子部19からなる。
【0064】
口金筒体14は、有底筒状をなしていて、発光管LTの給電側の一端部を包囲して当該端部を機械的に保護する。そして、底部の中央に小さな開口14aを有している。締付リング部15は、口金筒体14の開口部に固着され、外部電極OEの補強リング部12およびパッキン13を介して発光管LTの一端部を締め付けて口金筒体14に固定する。なお、図1においては、締付リング部15の図示を省略している。
【0065】
ワイヤハーネス16は、一端が発光管LTから導出されている導入線3に接続して口金筒体14の底部に形成された開口14aから外部へ導出されて後述する取付・端子装置19電気的に接続している。支持アーム17は、口金筒体14の開口端近傍に固着されている。絶縁体18は、支持アーム17と取付・端子装置19との間を機械的に接続するとともに電気的に絶縁している。取付・端子装置19は、細長い導電板19a、端子ねじ19bおよび取付孔19cを備え、細長い導電板19aの一端が絶縁体18に取り付けられている。端子ねじ19bは、細長い導電板19aにねじ込まれていて、ワイヤハーネス16の他端および図示しない電源側端子を接続する。取付孔19cは、細長い導電板19aの他端側に形成され、後述する第1のランプ口金支持手段BS1による第1のランプ口金B1の支持のために機能する。
【0066】
<第1のランプ口金支持手段BS1> 第1のランプ口金支持手段BS1は、図1に示すように、第1のランプ口金B1を支持する手段であり、支持台21、絶縁スリーブ22および取付ねじ23からなる。
【0067】
支持台21は、一端が直角に屈曲して灯体取付部21aを形成し、他端に絶縁スリーブ取付部21bが形成されている。そして、灯体取付部21aが後述する灯体LBに固着されて、絶縁スリーブ取付部21bが灯体LBの一端部から起立している。絶縁スリーブ22は、一端が支持台21の絶縁スリーブ取付部21bに固着されて誘電体バリア放電ランプEXLの管軸方向の外側へ突出している。取付ねじ23は、第1の口金B1の取付・端子装置19を取り付けている。
【0068】
そうして、第1のランプ口金支持手段BS1は、第1のランプ口金B1を支持アーム17、絶縁体18、取付ねじ23、絶縁スリーブ22および支持台21を介して誘電体バリア放電ランプEXLの一端部を機械的に支持する。また、内部電極2に接続するワイヤハーネス16を端子ねじ19bを経由して図示しない高周波電源の高圧側出力端に接続する。
【0069】
<第2のランプ口金B2> 第2のランプ口金B2は、主として図3に示すように、概略給電端のランプ口金B1に構造が類似しているが、内部電極2に対する給電は行われないが、外部電極OEを接地するように構成されていて、口金筒体30および締付リング部31からなる。
【0070】
口金筒体30は、導電性金属からなり、有底筒状をなしていて、発光管LTの非給電側の端部を包囲して機械的に保護する。締付リング部31は、締付けねじ(図示しない。)を締め付けることにより、外部電極OEの補強リング部12およびパッキン13を口金筒体30の開口部に導電的および機械的に接続するとともに、発光管LTの非給電側の端部を締め付けて防水、防湿的に口金筒体30に固定する。なお、図1においては、締付リング部31の図示を省略している。
【0071】
<第2のランプ口金支持手段BS2> 第2のランプ口金支持手段BS2は、図1に示すように、支持台41および摺接機構42を備えていて、第2のランプ口金B2を管軸方向に移動可能に支持する。なお、第2のランプ口金支持手段BS2は、図1において断面にして示している。
【0072】
支持台41は、基端41aが後述する灯体LBの上に固着され、先端部が灯体LBから管軸方向に延在し、先端部の下部に第2のランプ口金B2を受容する口金受容部41bが形成されている。摺接機構42は、板ばねからなり、基端41aが支持台41に固定されて口金受容部41bと協働して口金支持部42aを構成している。また、上記板ばねの先端部には摺接部42bが形成されている。摺接部42bは、第2のランプ口金B1の口金筒体30の下面に摺接して、第2のランプ口金B1を灯体LBの下面に当接する方向に押圧力を作用させる。
【0073】
そうして、第2のランプ口金支持体BS2は、その口金受容部41bが第2のランプ口金B2を管軸方向に移動可能に支持する。また、摺接機構42が第2のランプ口金B1を第2のランプ口金支持体BS2に対して移動の有無にかかわらず電気接続状態を常時維持する。さらに加えて、摺接機構42は、第2のランプ口金B1を第2のランプ口金支持体BS2の上部へ押し付けることにより、誘電体バリア放電ランプEXLの外部電極OEを灯体LBの下面に当接させる。
【0074】
<灯体CBについて> 灯体CBは、誘電体バリヤ放電ランプEXLを支持する手段であり、図1における紙面に直角な断面において、下面が横断面半球状の凹形をなしていて、その凹形の部分に下方から誘電体バリヤ放電ランプEXLが圧接状態で支持している。また、灯体CBは、その内部が中空になっていて、冷媒、例えば水が流通するように構成されている。冷媒の流通は、例えば灯体CBの長手方向の一端から他端に向かって行われる。
【0075】
さらに、灯体CBの下面に誘電体バリヤ放電ランプEXLを支持するために、第1および第2のランプ口金支持体BS1、BS2を両端部の所定の位置に装着している。すなわち、灯体CBの図1における右側の一端部の上面に第1のランプ口金支持体BS1の支持台21の取付部21aを取り付けている。これにより、誘電体バリヤ放電ランプEXLの一端部が灯体CBに支持されている。また、図1における左側の他端部の上面に第2のランプ口金支持体BS2の支持台41の基端41aを取り付けている。これにより、誘電体バリヤ放電ランプEXLの他端部が管軸方向に移動可能に灯体CBに支持されている。
【0076】
図5は、本発明の誘電体バリヤ放電ランプ装置における第2の実施の形態を示誘電体バリヤ放電ランプ装置および灯体の一部切欠一部断面正面図である。図において、図1ないし図4と同一部分については同一符号を付して説明は省略する。
【0077】
本実施の形態は、第2のランプ口金支持体BS2の構造が異なる。すなわち、支持台41の口金受容部41bがリング状をなしている。また、摺接機構42は、その基端41aが口金受容部41bにねじ止めされている。なお、図中、符号45は灯体CBの他端に第2のランプ口金支持体BS2の支持台41の基端41aを取り付けるための取付台である。
【0078】
図6ないし図8は、本発明の紫外線照射装置の一実施の形態としての紫外線洗浄装置を示し、図6は正面断面図、図7は底面図、図8は図9のXIII−XIII´線に沿う断面図である。各図において、図1ないし図5と同一部分については同一符号を付して説明は省略する。紫外線照射装置UVWは、紫外線照射装置本体51、点灯回路52および複数の誘電体バリヤ放電ランプ装置ユニットEUを具備している。
【0079】
紫外線照射装置本体51は、全体として箱状をなし、内部が上下に紫外線照射室51aと電源室51bとに区分されている。紫外線照射室51aと電源室51bとは、一端が蝶番51cによって開閉可能に構成されている。
【0080】
紫外線照射室51aには、後述するように複数の誘電体バリヤ放電ランプ装置ユニットEUが並列配置されている。また、紫外線照射室51aは、ワークの洗浄装置の搬送手段の上部に固定的に配設されるとともに、下面が開放されていて、下面の下を通過するワーク(図示しない。)に紫外線を照射するようになっている。なお、図7において、斜線を施した部位は、紫外線有効照射領域を示している。
【0081】
電源室51bは、その内部に点灯回路52および図示を省略している制御回路を収納しており、蝶番51cを回動中心として図6において上方へ回動可能になっている。なお、51b1は、電源室51bの回動時に把持するためのハンドル、51b2は、紫外線照射装置本体51または電源室51bを運搬する際のハンドル、51b3は電源配線のプロテクタである。
【0082】
点灯回路52は、電源室51b内に収納され、電源配線のプロテクタ51b3を経由して電源室51b内に導入された電源を変換して高周波電圧を発生して、複数の誘電体バリヤ放電ランプ装置ユニットEXのそれぞれの誘電体バリヤ放電ランプ装置に給電する。
【0083】
複数の誘電体バリヤ放電ランプ装置ユニットEXは、紫外線照射室51a内に互いに隣接状態で配置されている。しかし、製造の容易のため、およびメンテナンスのために、所要の誘電体バリヤ放電ランプ装置ユニットEXごとに着脱可能になっている。
【0084】
また、灯体CBの冷却媒体流通路に冷却水を通流させるために、その流入口には冷却水を供給するための配管を結合し、流出口には排水のための配管を結合している。
【0085】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、誘電体バリア放電ランプの給電導体が導出されている一端部を包囲して当該端部を機械的に保護するとともに給電導体と絶縁関係に保持された第1のランプ口金と、誘電体バリア放電ランプの他端部を包囲して当該端部を機械的に保護するとともに外部電極に接続する導電体部分を備えた第2のランプ口金と、第1のランプ口金を固定的に支持する第1のランプ口金支持手段と、第2のランプ口金を誘電体バリア放電ランプの管軸方向に移動可能に支持するとともに第2の口金の導電体部分に電気的に接続した第2のランプ口金支持手段とを具備していることにより、気密容器の撓みや熱ストレスによる不都合が生じない誘電体バリヤ放電ランプ照明装置を提供することができる。
【0086】
請求項2の発明によれば、請求項1記載の誘電体バリヤ放電ランプと、これを配設した紫外線照射装置本体と、高周波点灯回路とを具備していることにより、請求項1の効果を有する紫外線照射装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の誘電体バリヤ放電ランプ装置における第1の実施の形態を示す誘電体バリヤ放電ランプ装置および灯体の一部切欠一部断面正面図
【図2】同じく誘電体バリヤ放電ランプ装置および第1のランプソケット支持手段の正面図および右側図部
【図3】同じく誘電体バリヤ放電ランプならびに第1および第2のランプソケットの関係を示す一部切欠中央断面正面図
【図4】同じく発光管の一部切欠正面図
【図5】本発明の誘電体バリヤ放電ランプ装置における第2の実施の形態を示す誘電体バリヤ放電ランプ装置および灯体の一部切欠一部断面正面図
【図6】本発明の紫外線照射装置の一実施の形態としての紫外線洗浄装置を示す正面断面図
【図7】同じく底面図
【図8】同じく図7のXIII−XIII´線に沿う断面図
【符号の説明】
1…気密容器、42b…摺接機構、B1…第1のランプ口金、B2…第2のランプ口金、BS1…第1のランプ口金支持手段、BS2…第2のランプ口金支持手段、CB…灯体、EXL…誘電体バリア放電ランプ、LT…発光管、OE…外部電極
【発明の属する技術分野】
本発明は、誘電体バリヤ放電ランプ装置およびこれを用いた紫外線照射装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
キセノンなどの希ガスあるいはキセノンまたはクリプトンなどの希ガスおよび塩素などの混合ガスを無声放電すなわち誘電体バリア放電を行わせて、固有の単色に近い放射を発生させるエキシマ放電ランプすなわち誘電体バリヤ放電ランプは、数多くの文献に記載されて従来から知られている。誘電体バリヤ放電においては、パルス状の電流が流れる。このパルス状の電流は、高速の電子流を持ち、かつ、休止期間が多いため、キセノンなどの紫外線を出す物質を一時的に分子状態(エキシマ状態)に結合し、基底状態に戻るときに再吸収の少ない紫外線を効率よく放出する。
【0003】
誘電体バリヤ放電ランプとして、細長い管状の気密容器を用いて誘電体バリヤ放電を行う誘電体バリヤ放電ランプが知られている(特許文献1参照。)。
【0004】
また、光透過性で、しかも、細長い管状で、誘電体バリヤ放電の第一の誘電体を兼ねた放電容器の外面に光透過性の外部電極と、内側に長さLと直径Dの比L/Dが30以上の金属棒または金属パイプからなる内側電極とを備えた構造も提案されている(特許文献2参照。)。
【0005】
さらに、張力の作用化で内部電極を配設したり、内部電極に位置規制子すなわちアンカーを装着したりした構成とすることによって、内部電極の垂下を抑制した誘電体バリヤ放電ランプも本発明者らにより開発されている(特許文献3参照。)。特許文献3によれば、アンカーを導電性金属により構成することにより、アンカーが内部電極の一部としても作用するので、内外電極間の距離が小さくなり、始動性が向上する。
【0006】
特許文献1ないし3に示されているような細長い気密容器、気密容器内の軸方向に延在する内部電極および密容器内に封入されたエキシマ生成ガスを備えた発光管を形成し、冷却機能を有するとともに気密容器の外面の一部が嵌合するように凹窪させた灯体に、上記発光管を圧接し、かつ、両者間に外部電極を介在させることにより、気密容器の外面に外部電極を密着させて管軸方向に沿って一様な誘電体バリア放電を生起させるとともに、発光管から発生する熱を速やかに放散させて発光効率を高い状態に維持することができる。
【0007】
【特許文献1】
特開平11−111235号公報
【特許文献2】
特開平7−272692号公報
【特許文献3】
特開2001−084966号公報
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述の細長い気密容器を備えた誘電体バリア放電ランプは、気密容器の長尺化および高出力化に伴ってランプの撓みおよび点灯による熱ストレスが大きくなるために、外部電極が所要の程度に気密容器の外面に密接しなくなったり、灯体による冷却が所要に行われなくなったりしやくすくなる。外部電極が所要の程度に気密容器の外面に密接しなくなると、放電電流が低減して所要の点灯電力が投入されなくなる。また、灯体による冷却が所要に行われなくなると、温度上昇によって発光効率が低下する。さらに、ランプの撓みおよび点灯による熱ストレスが甚だしいときには、気密容器が熱ストレスのために破壊したりすることもある。
【0008】
本発明は、気密容器の撓みや熱ストレスによる不都合が生じないように改良された誘電体バリヤ放電ランプ装置およびこれを用いた紫外線照射装置を提供することを一般的な目的とする。
【0009】
また、本発明は、気密容器の撓みや熱ストレスに対してフリーになるように誘電体バリヤ放電ランプを支持することにより、上述の不都合が生じないように改良された誘電体バリヤ放電ランプ装置およびこれを用いた紫外線照射装置を提供することを具体的な目的とする。
【0010】
【課題を達成するための手段】
請求項1の発明の誘電体バリヤ放電ランプ装置は、紫外線透過性の材料からなる細長い管状をなす気密容器、気密容器内に封装された内部電極、内部電極に接続して気密容器の一端から外部へ導出された給電導体、気密容器内に封入されたエキシマ生成ガス、および気密容器の外面に配設され内部電極との協働によって気密容器内に誘電体バリア放電を生起するように作用する外部電極を具えた誘電体バリヤ放電ランプと;誘電体バリア放電ランプの両端部に装着された第1および第2のランプ口金と;誘電体バリア放電ランプを第1および第2のランプ口金を支持することにより誘電体バリア放電ランプを支持する第1および第2のランプ口金支持手段とを具備するものにおいて、前記第1のランプ口金は、誘電体バリア放電ランプの給電導体が導出されている一端部を包囲して当該端部を機械的に保護するとともに給電導体と絶縁関係に保持され;第2のランプ口金は、バリア放電ランプの他端部を包囲して当該端部を機械的に保護するとともに外部電極に接続する導電体部分を備え;第1のランプ口金支持手段は、第1のランプ口金を固定的に支持し;第2のランプ口金支持手段は、第2のランプ口金を誘電体バリア放電ランプの管軸方向に移動可能に支持するとともに第2の口金の導電体部分に電気的に接続している;ことにより特徴付けられている。
【0011】
以下、本発明の誘電体バリヤ放電ランプ装置を特徴的な構成要素を最初に説明し、次にその他の構成要素について説明する。
【0012】
<第1のランプ口金について> 第1のランプ口金は、誘電体バリア放電ランプの後述する給電導体が導出されている方の一端部を包囲して当該端部を機械的に保護する。また、第1のランプ口金は、上記給電導体に対して絶縁関係に保持されている。以上の条件を満足すれば、第1のランプ口金は、導電物質および絶縁物質のいずれで形成されていてもよい。さらに、第1のランプ口金は、所望により誘電体バリア放電ランプの気密容器の外面に添接された外部電極の端部を誘電体バリア放電ランプの一端部を包囲するのと同時に包囲することができる。この構成において、第1のランプ口金の少なくとも一部を導電物質により形成して、外部電極に第1のランプ口金を導通させ、外部電極に対する給電に寄与させることができる。
【0013】
<第2のランプ口金について> 第2のランプ口金は、誘電体バリア放電ランプの他端部を包囲して当該端部を機械的に保護する。また、第2のランプ口金は、誘電体バリア放電ランプの外部電極に接続する導電体部分を備えている。以上の条件を満足すれば、第2のランプ口金は、導電物質および絶縁物質のいずれで形成されていてもよい。しかし、導電物質で形成することにより、外部電極との接続が容易になり、構造も簡単になる。
【0014】
<第1のランプ口金支持手段について> 第1のランプ口金支持手段は、第1のランプ口金を固定的に支持する。これにより、誘電体バリア放電ランプの一端部を支持する。
【0015】
<第2のランプ口金支持手段について> 第2のランプ口金支持手段は、第2のランプ口金を誘電体バリア放電ランプの管軸方向に移動可能に支持するとともに第2の口金の導電体部分に電気的に接続している。上記の移動可能な態様は、予定される撓みや熱ストレスによる伸縮に応じて所定範囲内において移動可能であればよい。第2のランプ口金支持手段と第2の口金の導電体部分とが電気的に接続している関係は、第2のランプ口金が第2のランプ口金支持手段に対して相対的に誘電体バリア放電ランプの管軸方向に移動する際にも、持続していなければならない。
【0016】
第2のランプ口金支持手段についての上記構成のうち、第2のランプ口金を誘電体バリア放電ランプの管軸方向に移動可能に支持するための具体的な構成は、本発明において特段限定されない。例えば、誘電体バリア放電ランプの他端側を緩く支持することにより、上記の条件を満足することができる。ただし、誘電体バリア放電ランプが負所望に脱落したり、位置ずれを生じたりしない程度である必要がある。このためには、ばね力を作用させながら第2のランプ口金を支持すればよい。ばね力を作用させる手段としては、例えば第1の摺接機構を配設することができる。
【0017】
また、第2のランプ口金支持手段についての前記構成のうち、第2のランプ口金支持手段と第2の口金の前記導電体部分とが電気的に接続している関係が、第2のランプ口金が第2のランプ口金支持手段に対して相対的に誘電体バリア放電ランプの管軸方向に移動する際にも持続している条件を満足するための具体的な構成は、本発明において特段限定されない。例えば、第2のランプ口金支持手段および第2のランプ口金の間に第2の摺接機構を配設することにより実現することができる。第2の摺接機構としては既知の各種構成を適宜採用することができる。
【0018】
さらに、第2の摺接機構は、外部電極に向かって圧接力が誘電体バリア放電ランプに作用するように摺接する構成であれば、次に示す格別の作用を奏するので、有益である。すなわち、この種の細長い気密容器を備えた誘電体バリア放電ランプは、紫外線反射性の灯体の内面に当接され、灯体内に通流する冷媒により冷却されながら点灯するように構成されるのが一般的である。外部電極が薄い金属板を気密容器の外表面に接触させるように配置される構成の場合、当該外部電極は、上記灯体の内面と気密容器との間に介在するので、両者間に第2の摺接機構が圧接力を付与することになる。そのため、外部電極が気密容器の外面に密接して、所定の作動を行うことができる。以上の結果、誘電体バリア放電ランプは、常に所定の発光効率で点灯する。
【0019】
さらにまた、本発明においては、前述の第1の摺接機構と第2の摺接機構とを単一の摺接機構で兼ねることができる。しかし、要すれば、別に配設できるのはいうまでもない。
【0020】
<誘電体バリヤ放電ランプについて> 誘電体バリヤ放電ランプは、気密容器、内部電極、エキシマ生成ガスおよび外部電極を備えている。
【0021】
(気密容器について) 気密容器は、紫外線透過性の材料からなり、一般的には合成石英ガラスを用いて製作することができる。しかし、本発明は、利用しようとする波長の真空紫外線に対して紫外線透過性であればどのような材料で構成してもよい。
【0022】
また、気密容器は、紫外線出力を多くするには、その外径を12mm以上にするのがよい。また、肉厚を2mm以下、好適には0.3〜1mm程度にすることができる。これに対して、気密容器の長さは、全く制限されないのであって、所要の紫外線照射長さに応じて任意の長さ、たとえば1m程度にすることができる。特に本発明によれば、支持手段により外部電極を気密容器の管軸方向に均一に圧接しやすくなるので、1m以上の長さであってもよい。
【0023】
気密容器の内部を排気してからエキシマ生成ガスを封入するための手段として、排気管を気密容器に接続する。本発明においては、排気管を気密容器の一方の端部近傍であって、かつ、灯体から外部へ露出する部位の側面に接続する。なお、排気管を介して排気したら、エキシマ生成ガスを排気管から気密容器内に封入し、排気管をチップオフすることにより、排気チップオフ部が形成される。排気を気密容器の一端側に形成した排気管を経由して排気すると、特に気密容器が1m以上のように長い場合、充分な排気をするのに多少時間が長くなる傾向がある。そこで、要すれば、気密容器の両端近傍に一対の排気管を形成して、同時に排気を行うように構成してもよい。したがって、この場合には、一対の排気チップオフ部が形成される。
【0024】
また、気密容器は、管状であれば真っ直ぐな直管だけでなく、多少湾曲していてもよい。実際上、細長い管を形成する際に多少の湾曲が形成されやすく、例えば全長約1200mmに対して最大1mm程度以下の湾曲が形成され得る。しかし、この程度の湾曲は、ほぼ直管であるとして許容される。なお、気密容器が上記のように円弧状に湾曲している場合、円弧の背の部分を外部電極に対向するように配置するのがよい。また、円弧の側面の部分を外部電極に対向するように配置してもよい。したがって、上記の中間の任意の角度範囲内で外部電極が対向するように両者の配置を管理することによって、外部電極の気密容器の外面に対する良好な圧接を得ることができる。なお、管の断面形状は、円形が一般的であるが、要すれば楕円形、四角形など所望の断面形状を採用することができる。
【0025】
(内部電極について) 内部電極は、どのような構成であってもよい。例えば、多数の単位メッシュ部分が気密容器の軸方向にそれぞれ空隙を介して配設されたメッシュ状をなしていたり、既述の従来技術におけるような種々の構成の内部電極を任意所望により採用したりすることが許容される。しかし、内部電極がメッシュ状をなしていることにより、紫外線発生量を相対的に多くすることができるので、好適である。なお、「多数の単位メッシュ部分が気密容器の軸方向にそれぞれ空隙を介して配設されたメッシュ状をなしている」とは、単位メッシュ部分が気密容器の内壁面に接近し、かつ、気密容器の軸方向に互いに空間的に離間しているが、導電的に接続している状態をいう。なお、単位メッシュ部分は、周方向に対して連続していてもよいし、分断していてもよい。したがって、この単位メッシュ部分は、具体的にはたとえばリング状(前者の態様)、スパイラル状またはコイル状(後者の態様)、あるいは網目状などをなしていることが許容される。なお、網目状の場合には、その網目の構成によって前者または後者の属する。
【0026】
単位メッシュ部分がリング状をなしている場合には、気密容器の軸方向に延在する連結部分を備えていることによって、多数の単位メッシュ部分を所定のピッチで連結し、かつ、導電的に接続することができる。なお、連結部分を気密容器の中心軸に沿って延在するように構成することにより、内部電極の全体が多数のリングアンカー(単位メッシュ部分に相当する。)を備えた複写用ハロゲン電球のフィラメントのような形態を呈し、製造設備を流用することができて製造が容易になる。しかし、要すれば、気密容器の中心軸を外してメッシュ状部分のリングの部分に連結部分を直接接続した構成を採用してもよい。なお、連結部分は、単線の直線状でもよいし、また外径が気密容器の内径に対して20%以下のコイル状をなしていてもよい。また、連結部分を適当な値の張力、好適には2kg以上の張力が中心軸方向に作用している状態で封装することができる。張力を作用させるには、内部電極をコイル状に形成すると好都合である。コイル状でなくても、連結部分に中心軸方向の張力を作用させることができる。連結部分がどのような形状であっても、その両端側で気密容器の両端部に封着することにより、連結部分に張力を作用させやすくなる。しかし、要すれば、連結部分を気密容器の片側にのみその一端で封着し、他端を気密容器の他端側に適当な手段たとえばアンカーワイヤによって封止部に固定することにより、連結部分に張力を作用させることもできる。
【0027】
これに対して、単位メッシュ部分がスパイラル状や網目状をなしている場合には、そのスパイラルや網目の部分が連結部分としても機能して、多数の単位メッシュ部分が互いに機械的および導電的に連結する。しかし、スパイラル状や網目状の単位メッシュ部分に単一または複数の棒状体からなる連結部分を溶接するなどによって、より一層内部電極の保形性を付与することができる。あるいは棒状体の連結部分に代えて巻枠を用いてスパイラル状や網目状の単位メッシュ部分を形成すると、保形性が良好になる。なお、巻枠は、絶縁性および導電性のいずれであってもよい。メッシュ状部分に対して、上述のいずれかの構成を採用すれば、内部電極の全体に形状の安定性を付与して、その取扱いを容易にすることができる。
【0028】
また、内部電極は、その単位メッシュ部分の軸方向に対するピッチP(m)が後述するエキシマ生成ガスの圧力p(Pa)との積p・Pが所定の範囲に入っているように構成される。
【0029】
さらに、本発明においては、後述するようにエキシマ生成ガスの封入圧を高くしてランプ効率を向上させる場合であっても、単位メッシュ部分と気密容器の内壁面との間の距離を3mm以下にすることができる。上記距離が3mm以下であれば、ある条件下で放電維持電圧を1000V以下に抑えることができる。
【0030】
さらに、内部電極を構成する材料は、特段限定されないが、たとえばタングステン、モリブデンおよびニッケルなどの耐火性の金属を用いればよいが、タングステンやニッケルは、仕事関数が相対的に小さく、電子放出しやすいから、始動電圧を低下させるのに効果的である。
【0031】
さらにまた、内部電極を石英ガラスからなる気密容器の端部に封着するには、石英ガラスにコンパクトに封着する場合に多用されている封着金属箔を用いる封着構造を採用することができる。また、石英ガラスをピンチシールすることにより、封着金属箔を気密にシールすることができる。
【0032】
(エキシマ生成ガスについて) エキシマ生成ガスは、キセノン、クリプトン、アルゴンまたはヘリウムなどの希ガスの一種または複数種の混合あるいは希ガスおよびフッ素、塩素、臭素またはヨウ素などのハロゲンの混合ガスたとえばXeCl、KrClなどを用いることができる。また、エキシマ生成ガスに加えてエキシマを生成しないガスたとえばネオンなどを混合して用いることもできる。
【0033】
さらに、エキシマ生成ガスの圧力を20000Pa以上にすることができる。圧力が大きくなるに伴いランプ効率が向上して紫外線出力は増大する。ただし、ランプ効率は圧力の増加に対して飽和傾向を示す。
【0034】
(外部電極について) 外部電極は、誘電体バリヤ放電ランプの気密容器、エキシマ形成ガスおよび内部電極を備えている発光管に対してその気密容器の外面に配設される。配設の態様は、着脱可能な態様および着脱不能な態様のいずれであってもよい。そして、気密容器の内部に封装された内部電極との間に気密容器の壁面を誘電体とする誘電体バリア放電を気密容器の内部に生起させるように作用する。
【0035】
また、外部電極は、内部電極にほぼ正対するような管軸方向の長さを有している。そうすれば、発光管の管軸方向に沿って誘電体バリア放電を生起させることができる。なお、外部電極の管軸に直交する方向の幅は、一般的には気密容器の管軸を中心とする角度で約60〜300°程度の範囲内であるのがよい。したがって、外部電極が配設されないで発光管の気密容器が外部に露出される部分が約300〜60°の程度の範囲で形成されることになり、気密容器の壁面を透過した紫外線を上記露出部分から外部へ、しかも、発光管の管軸方向に沿った比較的長い距離にわたり、照射して種々の目的のために利用することができる。しかし、誘電体バリア放電によりなるべく多量の紫外線を放射させるとともに、放射された紫外線を好ましい角度で照射するために、外部電極の管軸に直交する方向の幅は、好適には約90〜240°程度の範囲内であるのがよい。また、外部電極の着脱に対する高い容易性と支持手段によるばね力の作用下で気密容器の外面に対する強い圧接を得るためには、240°以下程度の範囲内であるのがよい。したがって、外部電極の着脱性と紫外線の放射性とをともに満足するためには、60〜240°程度の範囲が最適である。
【0036】
さらに、外部電極は、気密容器の外面に着脱可能に配設される場合、薄くてフレキシブルな導電性の金属の箔、板または金属線などであってもよいし、肉厚の剛性体であってもよい。上記のいずれであっても、外部電極の気密容器に面する内面は、紫外線に対する反射率が高ければ、反射手段として作用するので、外部に取り出し得る紫外線量を多くするのに効果的である。紫外線反射率が高い材質としては、例えば高純度アルミニウムまたは白金などを用いることができる。外部電極が剛性体からなる場合、灯体としても機能するものを用いるこができる。
【0037】
さらにまた、外部電極は、連続した面状またはメッシュ状のいずれの状態をなしていてもよい。なお、メッシュ状とは、多数の単位メッシュ部分が気密容器の軸方向にそれぞれ空隙を介して配設され、かつ、単位メッシュ部分が気密容器の内壁面に接近し、さらに気密容器の軸方向に互いに空間的に離間しているが、導電的に接続している状態をいう。また、単位メッシュ部分は、周方向に対して連続していてもよいし、分断していてもよい。したがって、この単位メッシュ部分は、具体的には例えば網目状などをなしていることが許容される。
【0038】
<本発明の作用について> 本発明においては、以上説明した構成を具備していることにより、誘電体バリア放電ランプの内部電極と外部電極との間に所要の高周波のパルス電圧または交流電圧を印加することにより誘電体バリア放電が気密容器の内部に発生して短波長の紫外線が発生する。上記の放電電圧は、内部電極に対しては給電導体を介して印加され、また外部電極に対しては少なくとも第2のランプ口金支持手段および第2の口金を経由して印加される。所望により、第1のランプ口金支持手段および第1の口金をも経由して上記と並列的に、すなわち外部電極の両端から上記電圧が印加されるように構成することがきるのは前述のとおりである。
【0039】
また、誘電体バリア放電ランプは、消灯時の冷却状態から点灯して温度上昇すると、気密容器が熱膨張して伸長する。このとき、一端部に配設された第1のランプ口金と第1のランプ口金支持手段との間が固定関係にあるが、第2のランプ口金と第2のランプ口金支持手段との間が相対的に移動可能になっているので、伸長に応じて第2のランプ口金が第2のランプ口金支持手段に対して位置がずれる。しかし、位置ずれを生じても、第2のランプ口金の導電体部分と第2のランプ口金支持手段との間の電気的な接続は持続されているので、内部電極と外部電極との間の誘電体バリア放電は、継続している。
【0040】
したがって、本発明によれば、誘電体バリア放電ランプの気密容器が長尺であったり、出力が高かったりするために、点滅に伴い誘電体バリア放電ランプが撓もうとしたり熱ストレスが生じたとしても、第2のランプ口金と第2のランプ口金支持手段の間で自動的にそれらが吸収されて、所定の点灯姿勢で点灯を持続する。その結果、ランプが破壊したり、冷却条件が悪化して発光効率が低下したりするようなことが抑制される。
【0041】
さらに、第2のランプ口金支持手段が第2のランプ口金の導電体部分に対する前述した第2の摺接機構を配設している場合には、常時外部電極に向かって圧接力が誘電体バリア放電ランプに作用するように摺接するので、後述する灯体による冷却を良好に持続することができる。
【0042】
次に、本発明の必須構成要素ではないが、所望により灯体を選択的に付加することができる。
【0043】
すなわち、灯体は、そこに誘電体バリア放電ランプが熱伝導状態に添接されるように配設される。そして、誘電体バリア放電ランプの点灯により発生する熱を除去する手段として利用することができる。このような灯体の作用を強調するために、灯体を強制的に冷却することができる。例えば、灯体の内部に冷却媒体、例えば水を通流させるように構成することができる。または、灯体の外面を凹凸を形状して放熱しやすい構造にしたり、および/または強制的に空気を通過させるファン装置を用いたりするなど、既知の冷却手段を適宜用いることができる。
【0044】
また、灯体に誘電体バリア放電ランプを添接することにより、誘電体バリア放電ランプを支持しやすくなる。そのために、要すれば、後述する支持手段を用いることができる。
【0045】
さらに、灯体に誘電体バリア放電ランプを添接することにより、所望により外部電極を気密容器と灯体との間に挟持して、外部電極を気密容器の外面に圧接させやすくなる。このために、後述する支持手段を用いることができる。
【0046】
請求項2の発明の紫外線照射装置は、請求項1記載の誘電体バリヤ放電ランプ装置と;誘電体バリヤ放電ランプ装置を配設した紫外線照射装置本体と;誘電体バリヤ放電ランプ装置を点灯する高周波点灯回路と;を具備していることを特徴としている。
【0047】
本発明において、「紫外線照射装置」とは、誘電体バリヤ放電ランプ装置から発生する紫外線を利用するあらゆる装置を意味する。たとえば、半導体ステッパー、光洗浄装置、光硬化装置および光乾燥装置などである。また、「紫外線照射装置本体」とは、紫外線照射装置から誘電体バリヤ放電ランプ装置および高周波発生手段を除外した残余の部分を意味する。
【0048】
また、誘電体バリヤ放電ランプ装置は、必要に応じて1ないし複数本を使用することができる。
【0049】
さらに、誘電体バリヤ放電ランプ装置を点灯するためには、高周波点灯回路を用いる。高周波点灯回路は、高周波発生手段を含み、高周波電圧を発生して誘電体バリヤ放電ランプ装置に、その点灯に必要な高周波電力を供給する。なお、「高周波」とは、10kHz以上の周波数をいう。しかし、好適には100kHz〜2MHzである。また、高周波点灯回路は、誘電体バリヤ放電ランプ装置の安定点灯時に1500V程度以下、好適には700〜1000Vの高周波電圧を印加するのが好ましい。さらに、誘電体バリヤ放電ランプ装置の始動電圧は、2〜2.3kVp−pであり、高周波点灯回路の二次開放電圧を始動電圧まで高めることにより容易に始動させることができる。この場合、高周波発生手段として並列インバータを主体として構成すると、高い昇圧比を容易に得ることができるので好適である。そして、高周波出力波形が正弦波なので、誘電体バリヤ放電ランプ装置を点灯する際にノイズ発生が少なくなる。しかし、要すれば、高周波発生手段とは別に始動用パルス電圧発生手段を併用することもできる。さらにまた、誘電体バリヤ放電ランプ装置と高周波点灯回路とは近接位置に配置するのが好ましいが、要すれば互いに離間した位置に配置することもできる。誘電体バリヤ放電ランプ装置は、一般の放電ランプと異なり限流手段を直列に接続する必要がない。しかし、ランプ電流を所定値に調節するために、適当な値のインピーダンスを直列に接続して点灯することは、必要に応じてなすことができる。また、誘電体バリヤ放電ランプ装置を高周波点灯回路に接続するに際して、外部電極を接地すると、ノイズ発生が少なくなる。
【0050】
内部電極がメッシュ状をなす構成で、かつ、陽極であって、外部電極が陰極のときの誘電体バリヤ放電においては、内部電極の単位メッシュ部分の近傍からの紫外線放射が多く、隣接する単位メッシュ部分の中間からの紫外線放射が少なくなる。したがって、単位メッシュ部分のピッチが大きいと、気密容器の軸方向における紫外線照度の均整度が悪くなるとともに、紫外線照度も低下することが分かった。なお、内部電極および外部電極の位相が逆の場合には、上述のようにはならない。内部電極の単位メッシュ部分のピッチを4mm以下であれば、単位メッシュ部分の間の紫外線照度が低くなる谷間の部分がそれぞれの単位メッシュ部分によって生じる紫外線強度の強い領域により埋められるため、その結果気密容器の軸方向の紫外線照度の均整度が著しく向上するとともに、紫外線照度が向上する。
【0051】
また、パルス点灯により強いアフターグロー発光が発生するので、紫外線照度向上に貢献する。
【0052】
高周波点灯回路は、パルス電圧を出力するのであれば、その余の構成を問わないが、たとえば矩形波出力のインバータを用いることにより、矩形波のパルスを得ることができる。しかし、正弦波出力のインバータを用いて正弦波のパルスを得る構成であってもよい。
【0053】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0054】
図1ないし図4は、本発明の誘電体バリヤ放電ランプ装置における第1の実施の形態を示し、図1は誘電体バリヤ放電ランプ装置および灯体の一部切欠一部断面正面図、図2は誘電体バリヤ放電ランプ装置および第1のランプソケット支持手段の正面図および右側図部、図3は誘電体バリヤ放電ランプならびに第1および第2のランプソケットの関係を示す一部切欠中央断面正面図、図4は発光管の一部切欠正面図である。
【0055】
各図において、誘電体バリヤ放電ランプ装置EUは、誘電体バリヤ放電ランプEXL、第1および第2のランプ口金B1、B2ならびに第1および第2のランプ口金支持手段BS1、BS2からなる。誘電体バリヤ放電ランプ装置EUは、灯体LBの下面に接触状態で支持されている。なお、誘電体バリヤ放電ランプ装置EUは、第1および第2のランプ口金支持手段BS1、BS2を除いたときの全長が1115mm、有効発光長が950mmである。以下、各構成要素について説明する。
【0056】
<誘電体バリヤ放電ランプEXL> 本実施の形態において、誘電体バリヤ放電ランプEXLは、発光管LTおよび外部電極OEからなる。
【0057】
(発光管LTについて) 発光管LTは、主として図3および図4に示すように、気密容器1、エキシマ形成ガス、内部電極2および一対の導入線3、4からなる。
【0058】
気密容器1は、紫外線透過性の材料からなり、外径が17.5mm、内径15.5mmの細長い円筒状の中空部1aおよび中空部1aの両端に形成された封止部1bを備えている。封止部1bは、内部にモリブデン箔1b1が埋設されたピンチシール構造である。なお、中空部1aには、図示しない排気チップオフ部を側面から突出して形成することができる。
【0059】
気密容器1の中空部1aの内部にはエキシマ生成ガスとしてキセノンが封入されている。
【0060】
内部電極2は、連結部2a、多数の単位メッシュ部分2bおよび両端直線部2cからなる。連結部2aは、線径0.26mmのタングステン線からなる金属細線を巻回してなる外径1.2mmのコイル2aを主体として構成されている。単位メッシュ部分2bは、連結部2aに例えば15mm間隔の一定ピッチで多数配設したリング状アンカーからなる。両端直線部2cは、連結部2aの両端を引き延ばして形成されている。そして、内部電極2は、約2kgの張力を作用させた状態で、気密容器1の両端に形成された封止部1bのモリブデン箔1b1の一端に両端直線部2cを溶接している。内部電極2の連結部2aは、気密容器1内に装架された状態で張力の作用によって引き延ばされている。
【0061】
一対の導入線3、4は、その内端が気密容器1の両端に形成された封止部1bに埋設されたモリブデン箔1b1に溶接され、基端が封止部1bから外部へ露出している。ただし、導入線4は、非給電側となるので、気密容器1を封止後に外部露出部が切断されて短寸になっている。なお、必要に応じて耐熱性絶縁体を塗布して導入線4の切断後の露出部を隠蔽することができる。
【0062】
(外部電極OEについて) 外部電極OEは、主として図3に示すように、電極主部11、補強リング部12およびパッキン13を備えている。そして、電極主部11は、横断面が約180°の開口角をなすように高純度アルミニウム板を成形してほぼ円弧状に湾曲した樋状体からなり、発光管LTの気密容器1の内部電極2に対向する領域のほぼ全長にわたって、気密容器1の外面に嵌合されている。補強リング部12は、導電性金属からなり、一端が電極主部11の端部に上側から重なり、他端側が後述する給電端側となる第1のランプソケットLS1の開口内に挿入されている。パッキン13は、補強リング部12と気密容器1の対面する外面との間に介在して、第1のランプ口金BIの内部に対して防水、防湿的にシールする。
【0063】
<第1のランプ口金B1> 第1のランプ口金B1は、主として図3および図1に示すように、発光管LTの内部電極2に対して給電を行う機能を有していて、口金筒体14、締付リング部15、ワイヤハーネス16、支持アーム17、絶縁体18および取付・端子部19からなる。
【0064】
口金筒体14は、有底筒状をなしていて、発光管LTの給電側の一端部を包囲して当該端部を機械的に保護する。そして、底部の中央に小さな開口14aを有している。締付リング部15は、口金筒体14の開口部に固着され、外部電極OEの補強リング部12およびパッキン13を介して発光管LTの一端部を締め付けて口金筒体14に固定する。なお、図1においては、締付リング部15の図示を省略している。
【0065】
ワイヤハーネス16は、一端が発光管LTから導出されている導入線3に接続して口金筒体14の底部に形成された開口14aから外部へ導出されて後述する取付・端子装置19電気的に接続している。支持アーム17は、口金筒体14の開口端近傍に固着されている。絶縁体18は、支持アーム17と取付・端子装置19との間を機械的に接続するとともに電気的に絶縁している。取付・端子装置19は、細長い導電板19a、端子ねじ19bおよび取付孔19cを備え、細長い導電板19aの一端が絶縁体18に取り付けられている。端子ねじ19bは、細長い導電板19aにねじ込まれていて、ワイヤハーネス16の他端および図示しない電源側端子を接続する。取付孔19cは、細長い導電板19aの他端側に形成され、後述する第1のランプ口金支持手段BS1による第1のランプ口金B1の支持のために機能する。
【0066】
<第1のランプ口金支持手段BS1> 第1のランプ口金支持手段BS1は、図1に示すように、第1のランプ口金B1を支持する手段であり、支持台21、絶縁スリーブ22および取付ねじ23からなる。
【0067】
支持台21は、一端が直角に屈曲して灯体取付部21aを形成し、他端に絶縁スリーブ取付部21bが形成されている。そして、灯体取付部21aが後述する灯体LBに固着されて、絶縁スリーブ取付部21bが灯体LBの一端部から起立している。絶縁スリーブ22は、一端が支持台21の絶縁スリーブ取付部21bに固着されて誘電体バリア放電ランプEXLの管軸方向の外側へ突出している。取付ねじ23は、第1の口金B1の取付・端子装置19を取り付けている。
【0068】
そうして、第1のランプ口金支持手段BS1は、第1のランプ口金B1を支持アーム17、絶縁体18、取付ねじ23、絶縁スリーブ22および支持台21を介して誘電体バリア放電ランプEXLの一端部を機械的に支持する。また、内部電極2に接続するワイヤハーネス16を端子ねじ19bを経由して図示しない高周波電源の高圧側出力端に接続する。
【0069】
<第2のランプ口金B2> 第2のランプ口金B2は、主として図3に示すように、概略給電端のランプ口金B1に構造が類似しているが、内部電極2に対する給電は行われないが、外部電極OEを接地するように構成されていて、口金筒体30および締付リング部31からなる。
【0070】
口金筒体30は、導電性金属からなり、有底筒状をなしていて、発光管LTの非給電側の端部を包囲して機械的に保護する。締付リング部31は、締付けねじ(図示しない。)を締め付けることにより、外部電極OEの補強リング部12およびパッキン13を口金筒体30の開口部に導電的および機械的に接続するとともに、発光管LTの非給電側の端部を締め付けて防水、防湿的に口金筒体30に固定する。なお、図1においては、締付リング部31の図示を省略している。
【0071】
<第2のランプ口金支持手段BS2> 第2のランプ口金支持手段BS2は、図1に示すように、支持台41および摺接機構42を備えていて、第2のランプ口金B2を管軸方向に移動可能に支持する。なお、第2のランプ口金支持手段BS2は、図1において断面にして示している。
【0072】
支持台41は、基端41aが後述する灯体LBの上に固着され、先端部が灯体LBから管軸方向に延在し、先端部の下部に第2のランプ口金B2を受容する口金受容部41bが形成されている。摺接機構42は、板ばねからなり、基端41aが支持台41に固定されて口金受容部41bと協働して口金支持部42aを構成している。また、上記板ばねの先端部には摺接部42bが形成されている。摺接部42bは、第2のランプ口金B1の口金筒体30の下面に摺接して、第2のランプ口金B1を灯体LBの下面に当接する方向に押圧力を作用させる。
【0073】
そうして、第2のランプ口金支持体BS2は、その口金受容部41bが第2のランプ口金B2を管軸方向に移動可能に支持する。また、摺接機構42が第2のランプ口金B1を第2のランプ口金支持体BS2に対して移動の有無にかかわらず電気接続状態を常時維持する。さらに加えて、摺接機構42は、第2のランプ口金B1を第2のランプ口金支持体BS2の上部へ押し付けることにより、誘電体バリア放電ランプEXLの外部電極OEを灯体LBの下面に当接させる。
【0074】
<灯体CBについて> 灯体CBは、誘電体バリヤ放電ランプEXLを支持する手段であり、図1における紙面に直角な断面において、下面が横断面半球状の凹形をなしていて、その凹形の部分に下方から誘電体バリヤ放電ランプEXLが圧接状態で支持している。また、灯体CBは、その内部が中空になっていて、冷媒、例えば水が流通するように構成されている。冷媒の流通は、例えば灯体CBの長手方向の一端から他端に向かって行われる。
【0075】
さらに、灯体CBの下面に誘電体バリヤ放電ランプEXLを支持するために、第1および第2のランプ口金支持体BS1、BS2を両端部の所定の位置に装着している。すなわち、灯体CBの図1における右側の一端部の上面に第1のランプ口金支持体BS1の支持台21の取付部21aを取り付けている。これにより、誘電体バリヤ放電ランプEXLの一端部が灯体CBに支持されている。また、図1における左側の他端部の上面に第2のランプ口金支持体BS2の支持台41の基端41aを取り付けている。これにより、誘電体バリヤ放電ランプEXLの他端部が管軸方向に移動可能に灯体CBに支持されている。
【0076】
図5は、本発明の誘電体バリヤ放電ランプ装置における第2の実施の形態を示誘電体バリヤ放電ランプ装置および灯体の一部切欠一部断面正面図である。図において、図1ないし図4と同一部分については同一符号を付して説明は省略する。
【0077】
本実施の形態は、第2のランプ口金支持体BS2の構造が異なる。すなわち、支持台41の口金受容部41bがリング状をなしている。また、摺接機構42は、その基端41aが口金受容部41bにねじ止めされている。なお、図中、符号45は灯体CBの他端に第2のランプ口金支持体BS2の支持台41の基端41aを取り付けるための取付台である。
【0078】
図6ないし図8は、本発明の紫外線照射装置の一実施の形態としての紫外線洗浄装置を示し、図6は正面断面図、図7は底面図、図8は図9のXIII−XIII´線に沿う断面図である。各図において、図1ないし図5と同一部分については同一符号を付して説明は省略する。紫外線照射装置UVWは、紫外線照射装置本体51、点灯回路52および複数の誘電体バリヤ放電ランプ装置ユニットEUを具備している。
【0079】
紫外線照射装置本体51は、全体として箱状をなし、内部が上下に紫外線照射室51aと電源室51bとに区分されている。紫外線照射室51aと電源室51bとは、一端が蝶番51cによって開閉可能に構成されている。
【0080】
紫外線照射室51aには、後述するように複数の誘電体バリヤ放電ランプ装置ユニットEUが並列配置されている。また、紫外線照射室51aは、ワークの洗浄装置の搬送手段の上部に固定的に配設されるとともに、下面が開放されていて、下面の下を通過するワーク(図示しない。)に紫外線を照射するようになっている。なお、図7において、斜線を施した部位は、紫外線有効照射領域を示している。
【0081】
電源室51bは、その内部に点灯回路52および図示を省略している制御回路を収納しており、蝶番51cを回動中心として図6において上方へ回動可能になっている。なお、51b1は、電源室51bの回動時に把持するためのハンドル、51b2は、紫外線照射装置本体51または電源室51bを運搬する際のハンドル、51b3は電源配線のプロテクタである。
【0082】
点灯回路52は、電源室51b内に収納され、電源配線のプロテクタ51b3を経由して電源室51b内に導入された電源を変換して高周波電圧を発生して、複数の誘電体バリヤ放電ランプ装置ユニットEXのそれぞれの誘電体バリヤ放電ランプ装置に給電する。
【0083】
複数の誘電体バリヤ放電ランプ装置ユニットEXは、紫外線照射室51a内に互いに隣接状態で配置されている。しかし、製造の容易のため、およびメンテナンスのために、所要の誘電体バリヤ放電ランプ装置ユニットEXごとに着脱可能になっている。
【0084】
また、灯体CBの冷却媒体流通路に冷却水を通流させるために、その流入口には冷却水を供給するための配管を結合し、流出口には排水のための配管を結合している。
【0085】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、誘電体バリア放電ランプの給電導体が導出されている一端部を包囲して当該端部を機械的に保護するとともに給電導体と絶縁関係に保持された第1のランプ口金と、誘電体バリア放電ランプの他端部を包囲して当該端部を機械的に保護するとともに外部電極に接続する導電体部分を備えた第2のランプ口金と、第1のランプ口金を固定的に支持する第1のランプ口金支持手段と、第2のランプ口金を誘電体バリア放電ランプの管軸方向に移動可能に支持するとともに第2の口金の導電体部分に電気的に接続した第2のランプ口金支持手段とを具備していることにより、気密容器の撓みや熱ストレスによる不都合が生じない誘電体バリヤ放電ランプ照明装置を提供することができる。
【0086】
請求項2の発明によれば、請求項1記載の誘電体バリヤ放電ランプと、これを配設した紫外線照射装置本体と、高周波点灯回路とを具備していることにより、請求項1の効果を有する紫外線照射装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の誘電体バリヤ放電ランプ装置における第1の実施の形態を示す誘電体バリヤ放電ランプ装置および灯体の一部切欠一部断面正面図
【図2】同じく誘電体バリヤ放電ランプ装置および第1のランプソケット支持手段の正面図および右側図部
【図3】同じく誘電体バリヤ放電ランプならびに第1および第2のランプソケットの関係を示す一部切欠中央断面正面図
【図4】同じく発光管の一部切欠正面図
【図5】本発明の誘電体バリヤ放電ランプ装置における第2の実施の形態を示す誘電体バリヤ放電ランプ装置および灯体の一部切欠一部断面正面図
【図6】本発明の紫外線照射装置の一実施の形態としての紫外線洗浄装置を示す正面断面図
【図7】同じく底面図
【図8】同じく図7のXIII−XIII´線に沿う断面図
【符号の説明】
1…気密容器、42b…摺接機構、B1…第1のランプ口金、B2…第2のランプ口金、BS1…第1のランプ口金支持手段、BS2…第2のランプ口金支持手段、CB…灯体、EXL…誘電体バリア放電ランプ、LT…発光管、OE…外部電極
Claims (2)
- 紫外線透過性の材料からなる細長い管状をなす気密容器、気密容器内に封装された内部電極、内部電極に接続して気密容器の一端から外部へ導出された給電導体、気密容器内に封入されたエキシマ生成ガス、および気密容器の外面に配設され内部電極との協働によって気密容器内に誘電体バリア放電を生起するように作用する外部電極を具えた誘電体バリヤ放電ランプと;
誘電体バリア放電ランプの給電導体が導出されている一端部を包囲して当該端部を機械的に保護するとともに給電導体と絶縁関係に保持された第1のランプ口金と;
誘電体バリア放電ランプの他端部を包囲して当該端部を機械的に保護するとともに外部電極に接続する導電体部分を備えた第2のランプ口金と;
第1のランプ口金を固定的に支持する第1のランプ口金支持手段と;
第2のランプ口金を誘電体バリア放電ランプの管軸方向に移動可能に支持するとともに第2の口金の導電体部分に電気的に接続した第2のランプ口金支持手段と;
を具備していることを特徴とする誘電体バリヤ放電ランプ装置。 - 請求項1記載の誘電体バリヤ放電ランプ装置と;
誘電体バリヤ放電ランプ装置を配設した紫外線照射装置本体と;
誘電体バリヤ放電ランプを点灯する高周波点灯回路と;
を具備していることを特徴とする紫外線照射装置。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003146916A JP2004349181A (ja) | 2003-05-23 | 2003-05-23 | 誘電体バリヤ放電ランプ装置および紫外線照射装置 |
TW093106292A TWI288945B (en) | 2003-03-12 | 2004-03-10 | Dielectric barrier discharge lamp tube and UV illumination device |
KR1020040016419A KR100632051B1 (ko) | 2003-03-12 | 2004-03-11 | 유전체 배리어 방전 램프 장치 및 자외선 조사 장치 |
CNB2004100284387A CN100343944C (zh) | 2003-03-12 | 2004-03-11 | 介质阻挡放电灯装置及紫外线照射装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003146916A JP2004349181A (ja) | 2003-05-23 | 2003-05-23 | 誘電体バリヤ放電ランプ装置および紫外線照射装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004349181A true JP2004349181A (ja) | 2004-12-09 |
Family
ID=33533636
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003146916A Withdrawn JP2004349181A (ja) | 2003-03-12 | 2003-05-23 | 誘電体バリヤ放電ランプ装置および紫外線照射装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004349181A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2009078249A1 (ja) * | 2007-12-17 | 2009-06-25 | Orc Manufacturing Co., Ltd. | 放電ランプ |
JP2020038750A (ja) * | 2018-08-31 | 2020-03-12 | 東芝ライテック株式会社 | 紫外線照射ユニット、紫外線照射装置およびバリア放電ランプ |
-
2003
- 2003-05-23 JP JP2003146916A patent/JP2004349181A/ja not_active Withdrawn
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2009078249A1 (ja) * | 2007-12-17 | 2009-06-25 | Orc Manufacturing Co., Ltd. | 放電ランプ |
JP5307029B2 (ja) * | 2007-12-17 | 2013-10-02 | 株式会社オーク製作所 | 放電ランプ |
JP2020038750A (ja) * | 2018-08-31 | 2020-03-12 | 東芝ライテック株式会社 | 紫外線照射ユニット、紫外線照射装置およびバリア放電ランプ |
JP7107108B2 (ja) | 2018-08-31 | 2022-07-27 | 東芝ライテック株式会社 | 紫外線照射ユニット、紫外線照射装置およびバリア放電ランプ |
TWI790362B (zh) * | 2018-08-31 | 2023-01-21 | 日商東芝照明技術股份有限公司 | 紫外線照射單元、紫外線照射裝置及屏蔽放電燈 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
WO2013081054A1 (ja) | エキシマランプ | |
US20090224667A1 (en) | Auxiliary light source and lighting system having the same | |
JP5371166B2 (ja) | 高圧放電ランプ及びイグニッションアンテナを有するユニット | |
CN106252194A (zh) | 准分子灯 | |
US20050236997A1 (en) | Dielectric barrier discharge lamp having outer electrodes and illumination system having this lamp | |
US7619364B2 (en) | UV continuous spectrum lamp and its lighting device | |
KR100632051B1 (ko) | 유전체 배리어 방전 램프 장치 및 자외선 조사 장치 | |
KR100615765B1 (ko) | 유전체 배리어 방전램프 조명장치 및 자외선 조사장치 | |
JP2004349181A (ja) | 誘電体バリヤ放電ランプ装置および紫外線照射装置 | |
TWI290332B (en) | Dielectric barrier discharge lamp and ultraviolet lighting device | |
JP2003203606A (ja) | フラッシュランプ装置および閃光放射装置 | |
JP2004281090A (ja) | 誘電体バリヤ放電ランプ装置および紫外線照射装置 | |
KR100730818B1 (ko) | 유전체 배리어 방전램프 및 자외선조사장치 | |
JPWO2009019978A1 (ja) | 放電ランプ | |
JP2004281142A (ja) | 誘電体バリヤ放電ランプ照明装置および紫外線照射装置 | |
JP2002319369A (ja) | 誘電体バリヤ放電ランプおよび紫外線照射装置 | |
JP2005209397A (ja) | 誘電体バリア放電ランプおよび紫外線照射装置 | |
JP2002319371A (ja) | 誘電体バリヤ放電ランプ、誘電体バリヤ放電ランプ点灯装置および紫外線照射装置 | |
JP2011154876A (ja) | 高圧放電ランプおよび照明装置 | |
JP2005209398A (ja) | 誘電体バリア放電ランプおよび紫外線照射装置 | |
JP4163569B2 (ja) | 誘電体バリヤ放電ランプおよび紫外線照射装置 | |
TW543074B (en) | Discharge lamp and ultra-violet light irradiation apparatus | |
JP2002319370A (ja) | 誘電体バリヤ放電ランプおよび紫外線照射装置 | |
JP4389682B2 (ja) | エキシマ放電ランプ装置 | |
CN216528747U (zh) | 一种准分子灯 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060515 |
|
A761 | Written withdrawal of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 Effective date: 20070620 |