JP2001084966A - 誘電体バリヤ放電ランプ,誘電体バリヤ放電ランプ点灯装置および紫外線照射装置 - Google Patents

誘電体バリヤ放電ランプ,誘電体バリヤ放電ランプ点灯装置および紫外線照射装置

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JP2001084966A
JP2001084966A JP25992399A JP25992399A JP2001084966A JP 2001084966 A JP2001084966 A JP 2001084966A JP 25992399 A JP25992399 A JP 25992399A JP 25992399 A JP25992399 A JP 25992399A JP 2001084966 A JP2001084966 A JP 2001084966A
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dielectric barrier
barrier discharge
discharge lamp
airtight container
internal electrode
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JP25992399A
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Akihiko Tauchi
亮彦 田内
Kazuhiko Yoshikawa
和彦 吉川
Eisaku Wada
英作 和田
Tadashi Tanaka
正 田中
Ippei Saka
一平 坂
Kunio Yuasa
邦夫 湯浅
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Toshiba Lighting and Technology Corp
Original Assignee
Toshiba Lighting and Technology Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】気密容器の長手方向の紫外線照度むらを低減し
た誘電体バリヤ放電ランプ、これを用いた誘電体バリヤ
放電ランプ点灯装置及び紫外線照射装置を提供する。 【解決手段】紫外線透過性の材料からなる細長い管状の
気密容器1の内部にエキシマ生成ガスを封入し、ほぼ中
心軸に沿って延在して中心軸方向に張力が作用して配設
された内部電極2を備え、メッシュ構造の外部電極4を
気密容器の外面に当接して装着する。内部電極の垂れ下
がりが低減し、内部電極と外部電極との間の電極間距離
の気密容器の長手方向に沿った変化が少なくなって、紫
外線照度の均斉度が向上する。また、気密容器の内面と
協働して内部電極を気密容器のほぼ中心軸に沿って位置
規正する位置規正子を設けてもよい。さらに、内部電極
を気密容器の外径の20%以下の外径を有する耐火性金
属細線のコイルを主体として構成し、コイルの中に耐熱
性挿入体を挿入してもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、誘電体バリヤ放電
ランプ、これを用いた誘電体バリヤ放電ランプ点灯装置
および紫外線照射装置に関する。
【0002】
【従来の技術】キセノンなどの希ガスあるいはキセノン
またはクリプトンなどの希ガスおよび塩素などの混合ガ
スを無電極放電させて、固有の単色に近い放射を発生さ
せるエキシマ放電ランプは、数多くの文献に記載されて
従来から知られている。
【0003】従来、一般に用いられている誘電体バリヤ
放電ランプは、内側管および外側管を離間して環状の端
板と円形の端板とで両端を塞いで形成された同軸円筒形
放電容器を用いている。そして、外側管は、放射導出窓
を兼ねている。
【0004】同軸円筒形放電容器に配設される一対の電
極は、一方が導電性網電極であり、同軸形放電容器の外
側管に装着されている。他方の電極が導電性薄膜電極で
あり、同軸形放電容器の内側管に形成され、反射板を兼
ねている。
【0005】また、同軸円筒形放電容器の両端板にそれ
ぞれ口金が装着され、誘電体バリヤ放電ランプの支持に
用いられる。
【0006】そうして、電源から導電性網電極および導
電性薄膜電極の間に高周波高電圧を印加して、誘電体バ
リヤ放電に必要な電気エネルギーを供給する。
【0007】ところで、誘電体バリヤ放電は、いわゆる
無声放電で、パルス状の電流が流れる。このパルス状の
電流は、高速の電子流を持ち、かつ休止期間が多いた
め、キセノンなどの紫外線を出す物質を一時的に分子状
態(エキシマ状態)に結合し、基底状態に戻るときに再
吸収の少ない紫外線を効率よく放出する。
【0008】メッシュ構造の電極を用いる理由は、大面
積にわたって安定的に放電を生起させるためで、安定放
電時にはメッシュの交点近傍で発光が観測される。
【0009】上述した従来の誘電体バリヤ放電を用いる
誘電体バリヤ放電ランプは、比較的紫外線発生量が多い
が、以下に示す問題がある。すなわち、2枚の誘電体と
なるガラス壁を介して放電が生起するため、数kVの高
周波の高電圧を必要とする。このため、高電圧を発生す
る高周波トランスが極めて大きくなるばかりか、製作が
困難で高価となる。また、放電容器の構造が複雑である
とともに、石英ガラスの使用量が多くなり、そのために
も高価となる。
【0010】これに対して、細長い管状の気密容器を用
いて上記のような高電圧を印加しなくても安定に誘電体
バリヤ放電を行う誘電体バリヤ放電ランプが提案され、
特開平11−111235号公報に記載されている。こ
の誘電体バリヤ放電ランプは、電極の一方を、エキシマ
生成ガスを封入した細長い管状の気密容器内にその中心
軸方向に沿って延在する内部電極として露出状態で封装
し、他方の電極を外部電極としてメッシュ構造に構成す
る。しかも、内部電極を外部から通電加熱することによ
り、熱電子放出を行わせて始動電圧を大幅に低下させる
ことができる。また、簡単な構造であるとともに、石英
ガラスの使用量も少ないので、安価に得られる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかし、内部電極が外
部からの通電加熱により膨張して垂れ下がりやすいの
で、誘電体バリヤ放電ランプを水平にして点灯すると、
内部電極と外部電極との間の上下方向の電極間距離が気
密容器の長手方向に沿って変化しやすい。誘電体バリヤ
放電は、その発光の強さが電極間距離によって変化する
ので、誘電体バリヤ放電ランプの下面からの放射を、し
かも比較的ランプに近接した位置で、主として利用する
ような場合には、誘電体バリヤ放電ランプの長手方向に
沿って紫外線照度むらを生じてしまうという問題があ
る。この問題は、気密容器が長いほど影響が大きくな
る。
【0012】ところが、たとえば液晶表示用パネルを光
洗浄する場合など紫外線を照射する対象物が大きくなる
傾向にあり、内部電極の垂れ下がりによる紫外線照度む
らの改善に対する要請が強い。
【0013】本発明は、内部電極を水平方向になるべく
直線的に延在するように構成して、気密容器の長手方向
の紫外線照度むらを低減した誘電体バリヤ放電ランプ、
これを用いた誘電体バリヤ放電ランプ点灯装置および紫
外線照射装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を達成するための手段】請求項1の発明の誘電体
バリヤ放電ランプは、紫外線透過性の材料からなる細長
い管状の気密容器と;気密容器内に封装されて気密容器
のほぼ中心軸に沿って延在するとともに中心軸方向に張
力が作用して配設されている内部電極と;気密容器内に
封入されたエキシマ生成ガスと;気密容器の外周に当接
して装着されたメッシュ構造の外部電極と;を具備して
いることを特徴としている。
【0015】本発明および以下の各発明において、特に
指定しない限り用語の定義および技術的意味は次によ
る。
【0016】<気密容器について>紫外線透過性の材料
からなる気密容器は、一般的には石英ガラスを用いて製
作することができる。しかし、本発明は紫外線透過性で
あればどのような材料で構成してもよい。
【0017】気密容器の外径および肉厚は、制限されな
いが、始動電圧をなるべく低くするには、外径を25m
m以下、好適には15mm以下、肉厚を2mm以下、好
適には0.3〜1mm程度にするのがよい。
【0018】気密容器の長さは、全く制限されないので
あって、所要の紫外線照射長さに応じて任意の長さにす
ることができる。
【0019】気密容器の内部を排気してからエキシマ生
成ガスを封入するための手段として、排気管を気密容器
に接続するのが一般的である。本発明においては、排気
管を接続する場合、気密容器のどの部分に接続してもよ
いが、側面に接続することにより、排気管の接続作業お
よび排気・封入作業が容易になる。なお、排気管を介し
て排気したら、エキシマ生成ガスを排気管から気密容器
内に封入し、排気管をチップオフすることにより、排気
チップが形成される。
【0020】また、気密容器は、管状であれば直管だけ
でなく、湾曲していてもよい。管の断面形状は、円形が
一般的であるが、要すれば楕円形、四角形など所望の断
面形状を採用することができる。
【0021】<内部電極について>内部電極は、タング
ステン、モリブデン、ニッケルなどの耐火性の金属から
なるが、タングステンは仕事関数が相対的に小さいの
で、電子放出しやすいから、始動電圧を低下させるのに
効果的である。
【0022】また、内部電極は、気密容器の内部に封装
されて気密容器のほぼ中心軸に沿って延在しているので
あれば、コイル状、棒状、線状または板状などその形態
を制限しない。なお、「ほぼ中心軸に沿う」とは、中心
軸に一致するだけでなく、多少中心軸から外れていても
よいという意味である。
【0023】さらに、内部電極は、適当な値の張力、好
適には2kg以上の張力が中心軸方向に作用している状
態で封装されている。張力を作用させるには、内部電極
をコイル状に形成すると好都合である。しかし、コイル
状でなくても、内部電極に中心軸方向に張力を作用させ
ることができる。内部電極がどのような形状であって
も、その両端側で気密容器の両端部に封着することによ
り、内部電極に張力を作用させやすくなる。しかし、要
すれば、内部電極を気密容器の片側にのみその一端で封
着し、他端を気密容器の他端側に適当な手段たとえばア
ンカーワイヤによって封止部に固定することにより、内
部電極に張力を作用させることもできる。
【0024】さらにまた、内部電極に張力を作用させる
とともに、内部電極の長手方向の適数個所において、気
密容器の内面と協働して内部電極を気密容器のほぼ中心
軸に沿って位置規正させる位置規正子を併用することが
許容される。このような構成は、気密容器が長い場合
に、張力をそれほど大きくしなくてもよく、または位置
規正子の数を少なくすることができるので、特に効果的
である。
【0025】さらにまた、内部電極を石英ガラスからな
る気密容器の端部に封着するには、石英ガラスにコンパ
クトに封着する場合に多用されている封着金属箔を用い
る封着構造を採用することができる。また、石英ガラス
をピンチシールすることにより、封着金属箔を気密にシ
ールすることができる。
【0026】さらにまた、内部電極を通電加熱すること
により、内部電極が熱膨張して垂れ下がりが発生しやす
いので、本発明においては、内部電極を外部から通電加
熱しない。
【0027】さらにまた、内部電極に外部電極に向かっ
て突出した部分を配設することにより、外部電極との距
離が短縮されて始動電圧を低下させることができる。後
述する位置規正子として導電体を用いることにより、上
記の突出した部分と同様な作用を奏することができる。
【0028】<エキシマ生成ガスについて>エキシマ生
成ガスは、キセノン、クリプトン、アルゴンまたはヘリ
ウムなどの希ガス単体または希ガスおよびフッ素、塩
素、臭素またはよう素などのハロゲンの混合ガスたとえ
ばXeCl、KrClなどを用いることができる。
【0029】また、エキシマ生成ガスに加えてエキシマ
を生成しないガスたとえばネオンなどを混合して用いる
ことができる。
【0030】さらに、エキシマ生成ガスの封入圧は、制
限されない。しかし、封入圧が大きくなるに伴い紫外線
出力が増加するが、始動電圧および点灯電圧も上昇する
ので、適当な圧力範囲たとえば10〜70kPa程度が
好適である。
【0031】<外部電極について>外部電極は、内部電
極との間で誘電体バリヤ放電を発生させるために作用す
るが、誘電体バリヤ放電によって生成したエキシマから
放出された紫外線を外部に導出するため、および紫外線
放出を増加するために、メッシュ構造が従来から採用さ
れている。
【0032】メッシュ構造としては、たとえばメリヤス
編、亀甲編、平編、パンチング板などを用いることがで
きる。メリヤス編は、特に伸縮性に優れているから、気
密容器の外径より大きい内径の円筒状メッシュ構造体を
用意して、これを気密容器の外側におき、両端方向に引
っ張ることにより、容易に縮径して外部電極を気密容器
の外面に接触させることができる。また、板状に展開し
たメッシュ構造体を気密容器の側面に巻き付けて、両側
縁を突き合わせるか、重ね合わせてから、メッシュ構造
体の側縁部に針金を通して縛り付けるか、コ字状などに
折曲した機械的係止具を用いて固着してもよい。
【0033】また、外部電極は、適当な金属たとえばス
テンレス鋼、ニッケルなどを用いて形成できる。
【0034】さらに、外部電極は、誘電体バリヤ放電に
よる紫外線の発生を多くするために、なるべく細い、好
ましくは0.05〜0.5mm程度の金属線を用いてメ
ッシュ構造体を形成するのがよい。
【0035】<その他の構成について>誘電体バリヤ放
電ランプの支持や電極への通電を容易にするために、気
密容器の両端に適当な形状および構造の口金を装着する
ことができる。
【0036】<本発明に作用について>内部電極と外部
電極との間に高周波電圧を印加すると、外部電極のメッ
シュの交点近傍でパルス状の誘電体バリヤ放電が発生し
て、希ガスの共鳴線の波長の紫外線が発生する。たとえ
ば、キセノンを封入した場合、172nmの紫外線が発
生する。
【0037】また、内部電極が気密容器内に露出してい
るので、始動電圧および点灯電圧が低くなる。
【0038】さらに、内部電極に中心軸方向に張力が作
用しているので、内部電極の直線性が向上し、ランプの
長さ方向に沿った内部電極と外部電極との間の電極間距
離の変化が少なくなり、これにより特に誘電体バリヤ放
電ランプの下面近傍における紫外線照度のランプ長手方
向に沿ったむらが低減して紫外線照度の均斉度が向上す
る。
【0039】請求項2の発明の誘電体バリヤ放電ランプ
は、紫外線透過性の材料からなる細長い管状の気密容器
と;気密容器内に封装されて気密容器の長手方向に沿っ
て延在して配設されている内部電極と;気密容器の内面
と協働して内部電極を気密容器のほぼ中心軸に沿って位
置規正させる位置規正子と;気密容器内に封入されたエ
キシマ生成ガスと;気密容器の外周に当接して装着され
たメッシュ構造の外部電極と;を具備していることを特
徴としている。
【0040】位置規正子は、内部電極を支持するととも
に、たとえば気密容器の内面に衝き当たることにより、
内部電極を気密容器のほぼ中心軸に沿って位置規正す
る。
【0041】また、位置規正子は、必要に応じて適当な
数を内部電極の長さ方向に沿って分散して配置すること
ができる。
【0042】さらに、位置規正子は、導電体および絶縁
体のいずれで形成してもよい。
【0043】導電体からなる位置規正子の場合、線状に
して一端を内部電極に巻き付けて固定し、他端を気密容
器の内面に近接するリング状に巻回するか、中間をリン
グ状に巻回し、両端をそれぞれ内部電極に巻き付けて固
定する構成を採用することができる。また、内部電極を
中心として、複数のアームを気密容器の内面に近接する
ように放射状に突出させる構成にしてもよい。
【0044】絶縁体からなる位置規正子の場合、ガラ
ス、セラミックス、陶器などを周縁が気密容器の内面に
近接する大きさの円盤状に成形して中心部で内部電極を
支持する構成を採用することができる。
【0045】さらにまた、内部電極に中心軸方向に張力
が作用していると、位置規正子の数が少なくても所要の
効果を得ることができる。
【0046】さらにまた、コイル状の内部電極の場合
に、内部電極のコイル内に耐熱性挿入体を挿入すると、
位置規正子の数が少なくても所要の効果を得ることがで
きる。
【0047】そうして、本発明においては、内部電極を
位置規正子を用いて気密容器のほぼ中心軸に沿って位置
するように構成するので、内部電極と外部電極との間の
電極間距離をなるべく一定に保持することができ、誘電
体バリヤ放電ランプの下面における紫外線照度むらを少
なくすることができる。そして、内部電極がいくら長く
てもその作用は変わらない。
【0048】請求項3の発明の誘電体バリヤ放電ランプ
は、請求項1または2記載の誘電体バリヤ放電ランプに
おいて、内部電極は、気密容器の外径の20%以下の外
径を有する耐火性金属細線のコイルを主体として構成さ
れていることを特徴としている。
【0049】内部電極が耐火性金属細線のコイルを主体
として構成されていると、内部電極に張力を作用させや
すくなる。
【0050】また、張力の作用下で点灯中内部電極が温
度上昇して膨張しても、コイル部分で吸収できるので、
内部電極が垂れ下がりにくいとともに、細線の部分で封
止すればよいので、気密容器の封止が容易になる。
【0051】さらに、位置規正子をコイル部分の上から
取り付けることができるし、また要すればコイル部を一
部伸ばしてその部分に位置規正子を取り付けてもよい。
【0052】本発明において、内部電極のコイルの外径
を気密容器の外径の20%以下と規定しているのは、細
線の使用量を少なくするとともに、外部電極との間の電
極間距離を比較的小径の気密容器を用いながら所要に確
保できるからである。
【0053】耐火性金属とは、気密容器とともに封止す
る際の高熱に耐え得る金属であり、たとえばタングステ
ン、モリブデン、ステンレス鋼、ニッケルなどである。
【0054】また、細線とは、直径0.7mm以下程度
が好適である。
【0055】請求項4の発明の誘電体バリヤ放電ランプ
は、紫外線透過性の材料からなる細長い管状の気密容器
と;気密容器の外径の20%以下の外径を有する耐火性
金属細線のコイルを主体として構成されているととも
に、気密容器内に封装されて気密容器のほぼ中心軸に沿
って延在して配設されている内部電極と;内部電極のコ
イル内に挿入されて内部電極の垂れ下がりを阻止する耐
熱性挿入体と;気密容器内に封入されたエキシマ生成ガ
スと;気密容器の外周に当接して装着されたメッシュ構
造の外部電極と;を具備していることを特徴としてい
る。
【0056】耐熱性挿入体は、導電性または絶縁性の耐
熱物質からなり、内部電極のコイルの中に挿入されて、
内部電極のコイル部分の垂れ下がりを阻止する。導電性
の耐熱物質としては、たとえばステンレス鋼、モリブデ
ン、ニッケルなどを用いることができる。絶縁性の耐熱
物質としては、たとえばガラス、セラミックス、陶器な
どを用いることができる。
【0057】また、耐熱性挿入体は、内部電極のほぼ全
長にわたり単一体として構成してもよいし、内部電極の
長手方向に複数に分割されていてもよい。
【0058】さらに、内部電極の適当な個所に請求項2
に規定する位置規正子を併用することができる。この場
合、位置規正子の取り付けた位置の近傍には耐熱性挿入
体がなくても、内部電極はたわみが少ない。
【0059】さらにまた、内部電極に請求項1に規定す
る中心軸方向に張力を作用させることができる。これに
より、一層内部電極の垂れ下がりを低減することができ
るし、また耐熱性挿入体の挿入長さを最低限に減らすこ
とができる。
【0060】さらにまた、要すれば、請求項1および2
に規定する構成をともに併用することができる。
【0061】請求項5の発明の誘電体バリヤ放電ランプ
点灯装置は、特徴請求項1ないし4のいずれか一記載の
誘電体バリヤ放電ランプと;誘電体バリヤ放電ランプの
内部電極および外部電極の間に高周波電圧を印加する高
周波発生手段と;を具備していることを特徴としてい
る。
【0062】本発明において、「高周波」とは、10k
Hz以上の周波数をいう。
【0063】高周波発生手段は、高周波電圧を発生して
誘電体バリヤ放電ランプに、その点灯に必要な高周波電
力を供給する。発振周波数は、好適には100kHz〜
2MHzである。
【0064】また、高周波発生手段は、誘電体バリヤ放
電ランプの安定点灯時に300〜800Vの高周波電圧
を誘電体バリヤ放電ランプに印加することが好ましい。
【0065】さらに、誘電体バリヤ放電ランプの始動電
圧は、2〜2.3kVp-pであり、高周波発生手段の2
次開放電圧を始動電圧まで高めることにより容易に始動
させることができる。この場合、高周波発生手段として
並列インバータを主体として構成すると、高い昇圧比を
容易に得ることができるので好適である。そして、高周
波出力波形が正弦波なので、誘電体バリヤ放電ランプを
点灯する際にノイズ発生が少なくなる。
【0066】しかし、要すれば、高周波発生手段とは別
に始動用パルス電圧発生手段を併用することもできる。
【0067】誘電体バリヤ放電ランプと高周波発生手段
とは電気的に所要に接続されるならば、互いに離間した
位置に配設することができる。
【0068】誘電体バリヤ放電ランプは、一般の放電ラ
ンプと異なり限流手段を直列に接続する必要がない。し
かし、ランプ電流を所定値に調節するために、適当な値
のインピーダンスを直列に接続して点灯することは、必
要に応じてなすことができる。
【0069】また、誘電体バリヤ放電ランプを高周波発
生手段に接続するに際して、外部電極を接地すると、ノ
イズ発生が少なくなる。
【0070】請求項6の発明の紫外線照射装置は、紫外
線照射装置本体と;紫外線照射装置本体に支持された請
求項5記載の誘電体バリヤ放電ランプ装置と;を具備し
ていることを特徴としている。
【0071】本発明において、「紫外線照射装置」と
は、誘電体バリヤ放電ランプから発生する紫外線を利用
するあらゆる装置を意味する。たとえば、半導体ステッ
パー、光洗浄装置、光硬化装置および光乾燥装置などで
ある。
【0072】また、「紫外線照射装置本体」とは、紫外
線照射装置から誘電体バリヤ放電ランプおよび高周波発
生手段を除外した残余の部分を意味する。
【0073】さらに、誘電体バリヤ放電ランプは、必要
に応じて1ないし複数本を使用することができる。
【0074】請求項7の発明の紫外線照射装置は、請求
項6記載の紫外線照射装置において、誘電体バリヤ放電
ランプは、気密容器の内面と協働して内部電極を気密容
器のほぼ中心軸に沿って位置させる位置規正子を内部電
極の長手方向に沿って複数分散して配設しているととも
に、その複数が互いに近接してほぼ平行に配列され、か
つ互いに隣接する相互間においては位置規正子が千鳥配
置されていることを特徴としている。
【0075】本発明は、誘電体バリヤ放電ランプを複数
本ほぼ平行に配置して用いる紫外線照射装置の近接位置
における紫外線照度の均斉度を高めるのに効果的な構成
を規定している。
【0076】誘電体バリヤ放電ランプは、請求項2に規
定するような位置規正子を内部電極の長手方向に沿って
複数分散して配設した構成を備えている。そして、互い
に隣接する誘電体バリヤ放電ランプは、それらの位置規
正子が千鳥配置されている。
【0077】互いに隣接する誘電体バリヤ放電ランプの
位置規正子を千鳥配置するには、位置規正子の配置の異
なる2種類のランプを用意する手段と、位置規正子の配
置が同じランプを位置をずらして配列する手段とがあ
る。
【0078】前者は、一の誘電体バリヤ放電ランプの位
置規正子に対して、他の誘電体バリヤ放電ランプの位置
規正子を半ピッチずらして配置する。そして、一のラン
プと他のランプをが交互になるように配列すればよい。
この手段は、誘電体バリヤ放電ランプを揃えて配列でき
るので、スペースに無駄ができない利点がある。
【0079】後者は、隣接する誘電体バリヤ放電ランプ
を互いに位置規正子の間隔の半ピッチ位置をずらして配
列するだけでよい。この手段は、全ての誘電体バリヤ放
電ランプを同一仕様にすることができる利点がある。ま
た、スペースおよび有効発光長に余裕がある場合に向い
ている。
【0080】請求項8の発明の紫外線照射装置は、請求
項6または7記載の紫外線照射装置において、紫外線照
射装置本体は、凹状反射面を内面に備えたランプ支持体
を備えており;誘電体バリヤ放電ランプは、気密容器の
側面から突出する排気チップ部を備えるとともに、排気
チップ部が凹状反射面側に対向した状態でランプ支持体
に支持されている;ことを特徴としている。
【0081】本発明は、気密容器の側面に排気チップ部
を備えた誘電体バリヤ放電ランプを用いるとともに、誘
電体バリヤ放電ランプを支持する構成を規定している。
【0082】誘電体バリヤ放電ランプは、紫外線照射装
置本体のランプ支持体に支持されるが、ランプ支持体
は、凹状反射面を内面に備えている。
【0083】ランプ支持体を誘電体バリヤ放電ランプの
外部電極に対する導電路として利用することが許容され
るが、この場合、外部電極を凹状反射面の少なくとも一
部に直接または導電体を介して押し当てて支持すること
により、機械的固定と電気接続を同時に行うことができ
る。なお、気密容器の側面から突出する排気チップ部が
邪魔にならないように凹状反射面の形状を配慮すること
が望ましい。
【0084】多数の誘電体バリヤ放電ランプを比較的密
なピッチで配列する場合、全体として多くの発熱を生じ
るが、ランプ支持体の熱容量を大きくして、さらに液冷
または空冷による冷却手段を用いることにより、ランプ
支持体を通じて所要の排熱を行うことができる。
【0085】そうして、本発明においては、排気チップ
部が反射面側に対向しているから、排気チップ部による
紫外線照度の均斉度が低下しない。なぜなら、排気チッ
プ部の部分では、紫外線発光に乱れを生じやすいが、排
気チップ部が反射面に対向しているので、反対側まで影
響が達しにくいからである。
【0086】また、誘電体バリヤ放電ランプの排気チッ
プ部の反対側においては、突出部がないから、紫外線照
射の対象物を所望の距離たとえば5mm以下、好適には
3mm程度まで接近させることができる。これにより、
紫外線照度を高くして紫外線照射の効果を高めることが
できる。
【0087】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。
【0088】図1は、本発明の誘電体バリヤ放電ランプ
の第1の実施形態を示す正面図である。
【0089】図2は、同じく拡大側面図である。
【0090】図3は、同じく外部電極を除去した状態を
示す正面図である。
【0091】図4は、同じく内部電極の拡大要部正面図
である。
【0092】図5は、同じく外部電極の拡大要部正面図
である。
【0093】各図において、1は気密容器、2は内部電
極、3は外部リード線、4は外部電極である。
【0094】気密容器1は、石英ガラスからなり、外径
12mm、内径11mmで細長い円筒状の中空部1a、
中空部1aの両端に形成された封止部1bおよび中空部
1aの側面に形成された排気チップ部1cを備えてい
て、全長700mmである。
【0095】封止部1bは、内部にモリブデン箔1b1
が埋設されたピンチシール構造である。
【0096】排気チップ1cは、気密容器1の中央側面
に形成されている。
【0097】気密容器1の中空部1aの内部にはエキシ
マ生成ガスとしてキセノンが約40kPa封入されてい
る。
【0098】内部電極2は、直径0.3mmのタングス
テン細線を外径1.4mm、コイルピッチ0.4mmの
コイル2aを主体として構成されており、両端のタング
ステン細線を引き延ばして両端直線部2bを形成し、さ
らに約2kgの張力を作用させた状態で、気密容器1の
両端に形成された封止部1bに両端直線部2bが支持さ
れているとともに、モリブデン箔1b1の一端に溶接さ
れている。したがって、内部電極2は、気密容器1内に
装架された状態で張力の作用によって引き延ばされてコ
イルピッチが約0.6mmになっている。
【0099】外部リード線3は、基端側が外部に露出
し、先端部が封止部1b内に埋設されるとともに、モリ
ブデン箔1b1の他端に溶接されている。
【0100】外部電極4は、図5に拡大して示すメリヤ
ス編のメッシュ構造体を筒状に編組して気密容器1の外
面に密接して全周にわたって包囲しており、排気チップ
部1cはメッシュ構造体を貫通して外側に突出してい
る。
【0101】また、外部電極4のメリヤス編は、線径
0.1mmのステンレス鋼線(#304)を用いて形成
されている。メッシュ間隔は、縦2.8mm、横3mm
である。
【0102】さらに、外部電極4を気密容器1に装着す
るには、メリヤス編組構造体を直径20mmの筒体に形
成し、気密容器1を筒体の内部に挿入してから、筒体の
両端を掴んで両端方向に引っ張る。すると、筒体は、引
き延ばされてメッシュが変形しながら縮径する。排気チ
ップ部1cは、筒体を引っ張る過程でメッシュ部分を押
し拡げて食い込み、上述したように外部電極4を貫通し
て外部に突出する。筒体は、排気チップ部1cが貫通し
た部分から変形して気密容器1に密着し、形状が安定し
た後に順次両端方向に伸びていくため、メッシュは菱形
に変形するものの、形状が安定して気密容器1に密着し
た状態を維持する。外部電極4は、排気チップ部1cが
貫通しているため、気密容器に1に固定され、不用意に
脱落するようなことはなくなる。
【0103】図6は、本発明の誘電体バリヤ放電ランプ
の第2の実施形態における外部電極を除去した状態を示
す正面図である。
【0104】図7は、図6のVII-VII'線に沿った位置に
おける外部電極を備えた状態の拡大断面図である。
【0105】図8は、内部電極および位置規正子の拡大
要部正面図である。
【0106】各図において、図3と同一部分については
同一符号を付して説明は省略する。
【0107】本実施形態は、内部電極2を導電性の位置
規正子5によって気密容器1の中心軸にほぼ沿って配置
させている点で異なる。
【0108】すなわち、内部電極2は、位置規正子5を
取り付ける部位が直線に成形されて中間直線部1cを形
成している。なお、図6では中間直線部1cの図示を省
略している。
【0109】位置規正子5は、直径0.3mmのモリブ
デン線からなり、固定部5aおよびリング部5bを備え
ている。
【0110】固定部5aは、モリブデン線の両端を内部
電極2の中間直線部2cに巻回することによって形成さ
れている。
【0111】リング部5bは、モリブデン線の中間部を
環状に湾曲して気密容器1の内面に近接するように形成
されている。
【0112】また、位置規正子5は、内部電極2の長手
方向に沿って複数が分散して配設されている。
【0113】図9は、本発明の誘電体バリヤ放電ランプ
の第3の実施形態における外部電極を除去した状態を示
す正面図である。
【0114】図10は、内部電極および位置規正子の拡
大要部一部断面正面図である。
【0115】各図において、図3と同一部分については
同一符号を付して説明は省略する。
【0116】本実施形態は、内部電極2を絶縁性の位置
規正子6によって気密容器1の中心軸にほぼ沿って配置
させている点で異なる。
【0117】すなわち、絶縁性の位置規正子6は、石英
ガラスからなり、円盤状に成形されている。そして、位
置規正子6は、その複数が内部電極2のコイル部2aの
長手方向に沿って分散して嵌合している。
【0118】図11は、本発明の誘電体バリヤ放電ラン
プの第4の実施形態における外部電極を除去した状態を
示す正面図である。
【0119】図12は、内部電極および耐熱性挿入体の
拡大要部正面図である。
【0120】各図において、図3と同一部分については
同一符号を付して説明は省略する。
【0121】本実施形態は、内部電極2に耐熱性挿入体
7を挿入することによって、内部電極2を気密容器1の
中心軸にほぼ沿って配置させている点で異なる。
【0122】すなわち、耐熱性挿入体7は、直径0.7
mmのタングステン線からなり、内部電極2のコイル部
2aの両端部を除いて中間部に挿入されている。
【0123】内部電極2のコイル部2aの両端部には、
一対の位置規正子5が取り付けられている。
【0124】本実施形態によれば、内部電極2の有効発
光部に対向する部分には、位置規正子5を配設しなくて
も、内部電極2を気密容器1の中心軸にほぼ沿って配置
させることができるので、紫外線照度の均斉度が高くな
る。なお、位置規正子を用いることにより、当該部分は
紫外線発光量が相対的に低下する。
【0125】図13は、本発明の誘電体バリヤ放電ラン
プの第5の実施形態における外部電極を除去した状態を
示す正面図である。
【0126】各図において、図11と同一部分について
は同一符号を付して説明は省略する。
【0127】本実施形態は、耐熱性挿入体7を2本用い
ている点で異なる。
【0128】すなわち、内部電極2内に、その中央部お
よび両端部を除いて2本の耐熱性挿入体7、7を挿入し
ている。
【0129】また、内部電極2の中央部および両端部に
3つの位置規正子5を配設している。
【0130】本実施形態によれば、3つの位置規正子5
を用いて内部電極2の中央部および両端部を気密容器1
の中心軸に沿って配置させると、その他の部分は耐熱性
挿入体7、7によって直線状になるので、内部電極2の
全体を気密容器1の中心軸に沿ってほぼ位置させること
ができる。
【0131】また、本実施形態は、長尺の誘電体バリヤ
放電ランプに好適である。
【0132】図14は、本発明の誘電体バリヤ放電ラン
プ点灯装置の一実施形態を示す回路図である。
【0133】図において、図1と同一部分については同
一符号を付して説明は省略する。また、ASは交流電
源、RDCは整流化直流電源、SWは点滅スイッチ、A
Fはアクティブフィルタ、HFIは高周波インバータ、
C1はコンデンサ、DBLは誘電体バリヤ放電ランプで
ある。
【0134】交流電源ASは、商用交流電源である。
【0135】整流化直流電源RDCは、全波整流回路か
らなり、非平滑の整流化直流電圧を出力する。
【0136】アクティブフィルタAFは、チョッパ回路
からなり、非平滑の整流化直流電圧を平滑化するととも
に、入力電流が高力率、低高調波歪であり、かつ所要の
値に変換された直流電圧を出力する。
【0137】高周波インバータHFIは、並列インバー
タ回路方式であり、一対のスイッチング手段Q1、Q
2、出力トランスTR、定電流インダクタL、共振コン
デンサC2、起動抵抗器R1、R2および帰還巻線FC
によって構成されている。
【0138】一対のスイッチング手段Q1、Q2は、た
とえばバイポーラトランジスタからなり、エミッタをと
もにアクティブフィルタAFの直流出力端の負極に接続
している。
【0139】出力トランスTRは、絶縁形トランスから
なり、1次巻線pおよび2次巻線sを備えている。そし
て、1次巻線pの両端は、一方がスイッチング手段Q1
のコレクタに接続し、他方がスイッチング手段Q2ぼコ
レクタに接続している。
【0140】定電流インダクタLは、その一端がアクテ
ィブフィルタAFの出力端の正極に接続し、他端が出力
トランスTRの1次巻線pのセンタータップに接続して
いる。 共振コンデンサC2は、出力トランスTRの1
次巻線pの両端に接続して、1次巻線のインダクタンス
と並列共振回路を形成している。
【0141】起動抵抗器R1は、スイッチング手段Q1
のベースとアクティブフィルタAFの出力端の正極に接
続している。
【0142】起動抵抗器R2は、同様にスイッチング手
段Q2のベースとアクティブフィルタAFの出力端の正
極に接続している。
【0143】帰還巻線FCは、出力トランスTRに磁気
結合されており、一端がスイッチング手段Q1のベース
に、他端がスイッチング手段Q2のベースに、それぞれ
接続している。
【0144】次に、高周波インバータHFIの回路動作
について説明する。
【0145】スイッチング手段Q1がオンしたときに
は、アクティブフィルタAFの正極から定電流インダク
タL、出力トランスTRの1次巻線pのセンタータップ
から図の上半分およびスイッチング手段Q1を介してア
クティブフィルタAFの負極へ電流が流れる。このとき
スイッチング手段Q2はオフしている。
【0146】次に、スイッチング手段Q2がオンしたと
きには、アクティブフィルタAFの正極から定電流イン
ダクタL、出力トランスTRの1次巻線pのセンタータ
ップから図の下半分およびスイッチング手段Q2を介し
てアクティブフィルタAFの負極へ電流が流れる。この
ときスイッチング手段Q1はオフしている。
【0147】そうして、出力トランスTRの1次巻線p
には、交互に反対方向の電流すなわち交流電流が流れ、
共振コンデンサC2と1次巻線pのインダクタンスとの
並列共振回路が交流電流の基本周波数に共振するため、
2次巻線sに正弦波の交流電圧が得られる。
【0148】ところで、出力トランスTRに磁気結合し
ている帰還巻線FCにも交流電圧が誘起されてスイッチ
ング手段Q1、Q2に対して交互にドライブ信号を供給
するので、高周波インバータHFIは、自励発振する。
【0149】なお、高周波インバータHFIの起動は、
アクティブフィルタAFの出力端の正極から起動抵抗器
R1、R2を介してスイッチング手段Q1、Q2のベー
スにドライブ信号が供給されると、いずれか一方のスイ
ッチング手段が先にオンしだす。一方のスイッチング手
段がオンしだすと、帰還巻線FCからオンしている方の
スイッチング手段に対してはオン方向の極性の電流とし
て帰還されるから確実にオンし、反対にオフしている方
のスイッチング手段に対してはオフ方向の極性として作
用するから確実にオフして、高周波インバータHFIは
起動する。
【0150】コンデンサC1は、誘電体バリヤ放電ラン
プDBLに流れるランプ電流を調整する。
【0151】誘電体バリヤ放電ランプDBLは、図1な
いし図13に示す各実施形態を採用することができる。
内部電極2は、コンデンサC1を介して出力トランスT
Rの2次巻線sの一端に接続している。外部電極5は、
2次巻線sの他端に接続するとともに、接地されてい
る。
【0152】次に、誘電体バリヤ放電ランプ点灯装置全
体の回路動作について説明する。
【0153】電源スイッチSWを投入すると、整流化直
流電源RDCから非平滑整流化直流電圧がアクティブフ
ィルタAFの入力端に印加されるので、その出力端に所
要値の平滑化された直流電圧が現れる。この直流電圧
は、高周波インバータHFIの入力端に印加されるの
で、高周波インバータHFIが起動する。
【0154】高周波インバータHFIが起動すると、正
弦波の高周波の交流出力電圧がコンデンサC1を介して
誘電体バリヤ放電ランプDBLの内部電極2と外部電極
5との間に印加されるので、誘電体バリヤ放電ランプD
BLが点灯する。
【0155】誘電体バリヤ放電ランプDBLが点灯する
と、キセノンの共鳴線である波長172nmの紫外線が
発生する。
【0156】図15は、本発明の紫外線照射装置の第1
の実施形態を示す要部断面図である。
【0157】図において、11は誘電体バリヤ放電ラン
プ、12はランプ支持体、13はワークである。
【0158】誘電体バリヤ放電ランプ11は、図1ない
し図13の各実施形態のいずれかを採用した構造であ
り、その多数がわずかな間隔で配列されているが、図に
おいてはそのうち8本を示している。また、図1と同一
部分については同一符号を付してある。
【0159】ランプ支持体12は、アルミニウムからな
り、下面に凹形反射面12a、内部に冷却水流通路12
bを備えている。
【0160】誘電体バリヤ放電ランプ11は、外部電極
4がランプ支持体12の凹状反射面12aに接触した状
態で支持され、高周波発生手段(図示しない。)の出力
端の1極はランプ支持体12を導電路として利用して外
部電極4に接続されている。なお、ランプ支持体12は
接地されている。
【0161】また、誘電体バリヤ放電ランプ11は、そ
の気密容器1の排気チップ部1cをランプ支持体12の
凹状反射面12a内の空所に位置するように支持されて
いる。
【0162】ワーク13は、誘電体バリヤ放電ランプ1
1の下方からランプに3mmの位置まで接近して紫外線
照射を受けることができるように移動される。
【0163】図16は、本発明の紫外線照射装置の第2
の実施形態における誘電体バリヤ放電ランプの配置を示
すランプ配置図である。
【0164】図において、図6と同一部分については同
一符号を付している。なお、誘電体バリヤ放電ランプ1
1A、11Bは、ともに外部電極を除去した状態で図示
している。
【0165】本実施形態は、誘電体バリヤ放電ランプ1
1Aと11Bとが隣接するように交互に配置した点で図
15と異なる。
【0166】すなわち、誘電体バリヤ放電ランプ11A
と11Bとは、それらの内部電極2の位置規正子5Aと
5Bとが千鳥配置されるように互いの位置をずらして製
作されている。
【0167】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、紫外線透過性
の材料からなる細長い管状の気密容器内のほぼ中心軸に
沿って延在するとともに、中心軸方向に張力が作用して
配設された内部電極を備え、内部に内部電極を封装しエ
キシマ生成ガスを封入してなり、外部電極をメッシュ構
造にして気密容器に当接して装着していることにより、
内部電極の垂れ下がりが低減して紫外線照度の均斉度が
向上した誘電体バリヤ放電ランプを提供することができ
る。
【0168】請求項2の発明によれば、紫外線透過性の
材料からなる細長い管状の気密容器内の長手方向に沿っ
て延在する内部電極と、内部電極を気密容器のほぼ中心
軸に沿って位置規正する位置規正子とを備え、内部に内
部電極を封装しエキシマ生成ガスを封入してなり、外部
電極をメッシュ構造にして気密容器に当接して装着して
いることにより、内部電極の垂れ下がりが低減して紫外
線照度の均斉度が向上した誘電体バリヤ放電ランプを提
供することができる。
【0169】請求項3の発明によれば、加えて内部電極
が気密容器の外径の20%以下の外径を有する耐火性金
属細線のコイルを主体として構成されていることによ
り、内部電極に張力を作用させやすく、また張力の作用
下で点灯中内部電極が膨張してもコイル部分で吸収しや
すく、さらに内部電極の封止が容易な誘電体バリヤ放電
ランプを供給することができる。
【0170】請求項4の発明によれば、紫外線透過性の
材料からなる細長い管状の気密容器内のほぼ中心軸に沿
って延在するとともに、気密容器の外径の20%以下の
外径を有する耐火性金属細線のコイルを主体として構成
された内部電極と、内部電極のコイルの内部に挿入され
た耐熱性挿入体とを備え、内部に内部電極を封装しエキ
シマ生成ガスを封入してなり、外部電極をメッシュ構造
にして気密容器に当接して装着していることにより、内
部電極の垂れ下がりが低減して紫外線照度の均斉度が向
上した誘電体バリヤ放電ランプを提供することができ
る。
【0171】請求項5の発明によれば、請求項1ないし
4の効果を有する誘電体バリヤ放電ランプ点灯装置を提
供することができる。
【0172】請求項6の発明によれば、請求項1ないし
4の効果を有する紫外線照射装置を提供することができ
る。
【0173】請求項7の発明によれば、加えて複数の誘
電体バリヤ放電ランプをほぼ平行に配置し、さらに互い
に隣接する誘電体バリヤ放電ランプの内部電極を細長い
管状の気密容器の中心軸に沿って位置させる位置規正子
が千鳥配置されていることにより、誘電体バリヤ放電ラ
ンプの近接位置における紫外線照度の均斉度が向上した
紫外線照射装置を提供することができる。
【0174】請求項8の発明によれば、加えて誘電体バ
リヤ放電ランプの細長い管状の気密容器の側面から突出
する排気チップ部が、凹状反射面を内面に備えたランプ
支持体の凹状反射面に対向した状態で、誘電体バリヤ放
電ランプをランプ支持体に支持したことにより、近接位
置における紫外線照度の均斉度が低下しないとともに、
紫外線照射の対象物を至近距離まで近接して紫外線照射
を行える紫外線照射装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の誘電体バリヤ放電ランプの第1の実施
形態を示す正面図
【図2】同じく拡大側面図
【図3】同じく外部電極を除去した状態を示す正面図
【図4】同じく内部電極の拡大要部正面図
【図5】同じく外部電極の拡大要部正面図
【図6】本発明の誘電体バリヤ放電ランプの第2の実施
形態における外部電極を除去した状態を示す正面図
【図7】図6のVII-VII'線に沿った位置における外部電
極を備えた状態の拡大断面図
【図8】内部電極および位置規正子の拡大要部正面図
【図9】本発明の誘電体バリヤ放電ランプの第3の実施
形態における外部電極を除去した状態を示す正面図
【図10】内部電極および位置規正子の拡大要部一部断
面正面図
【図11】本発明の誘電体バリヤ放電ランプの第4の実
施形態における外部電極を除去した状態を示す正面図
【図12】内部電極および耐熱性挿入体の拡大要部正面
【図13】本発明の誘電体バリヤ放電ランプの第5の実
施形態における外部電極を除去した状態を示す正面図
【図14】本発明の誘電体バリヤ放電ランプ点灯装置の
一実施形態を示す回路図
【図15】本発明の紫外線照射装置の第1の実施形態を
示す要部断面図
【図16】本発明の紫外線照射装置の第2の実施形態に
おける誘電体バリヤ放電ランプの配置を示すランプ配置
【符号の説明】
1…気密容器 1a…中空部 1b…封止部 1b1…モリブデン箔 1c…排気チップ部 2…内部電極 2a…コイル部 2b…両端直線部 3…外部リード線 4…外部電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 和田 英作 東京都品川区東品川四丁目3番1号東芝ラ イテック株式会社内 (72)発明者 田中 正 東京都品川区東品川四丁目3番1号東芝ラ イテック株式会社内 (72)発明者 坂 一平 東京都品川区東品川四丁目3番1号東芝ラ イテック株式会社内 (72)発明者 湯浅 邦夫 東京都品川区東品川四丁目3番1号東芝ラ イテック株式会社内 Fターム(参考) 3K072 AA11 AB02 AC03 BA01 BB00 CA16

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】紫外線透過性の材料からなる細長い管状の
    気密容器と;気密容器内に封装されて気密容器のほぼ中
    心軸に沿って延在するとともに中心軸方向に張力が作用
    して配設されている内部電極と;気密容器内に封入され
    たエキシマ生成ガスと;気密容器の外周に当接して装着
    されたメッシュ構造の外部電極と;を具備していること
    を特徴とする誘電体バリヤ放電ランプ。
  2. 【請求項2】紫外線透過性の材料からなる細長い管状の
    気密容器と;気密容器内に封装されて気密容器の長手方
    向に沿って延在して配設されている内部電極と;気密容
    器の内面と協働して内部電極を気密容器のほぼ中心軸に
    沿って位置規正させる位置規正子と;気密容器内に封入
    されたエキシマ生成ガスと;気密容器の外周に当接して
    装着されたメッシュ構造の外部電極と;を具備している
    ことを特徴とする誘電体バリヤ放電ランプ。
  3. 【請求項3】内部電極は、気密容器の外径の20%以下
    の外径を有する耐火性金属細線のコイルを主体として構
    成されていることを特徴とする請求項1または2記載の
    誘電体バリヤ放電ランプ。
  4. 【請求項4】紫外線透過性の材料からなる細長い管状の
    気密容器と;気密容器の外径の20%以下の外径を有す
    る耐火性金属細線のコイルを主体として構成されている
    とともに、気密容器内に封装されて気密容器のほぼ中心
    軸に沿って延在して配設されている内部電極と;内部電
    極のコイル内に挿入されて内部電極の垂れ下がりを阻止
    する耐熱性挿入体と;気密容器内に封入されたエキシマ
    生成ガスと;気密容器の外周に当接して装着されたメッ
    シュ構造の外部電極と;を具備していることを特徴とす
    る誘電体バリヤ放電ランプ。
  5. 【請求項5】特徴請求項1ないし4のいずれか一記載の
    誘電体バリヤ放電ランプと;誘電体バリヤ放電ランプの
    内部電極および外部電極の間に高周波電圧を印加する高
    周波発生手段と;を具備していることを特徴とする誘電
    体バリヤ放電ランプ点灯装置。
  6. 【請求項6】紫外線照射装置本体と;紫外線照射装置本
    体に支持された請求項5記載の誘電体バリヤ放電ランプ
    装置と;を具備していることを特徴とする紫外線照射装
    置。
  7. 【請求項7】誘電体バリヤ放電ランプは、気密容器の内
    面と協働して内部電極を気密容器のほぼ中心軸に沿って
    位置させる位置規正子を内部電極の長手方向に沿って複
    数分散して配設しているとともに、その複数が互いに近
    接してほぼ平行に配列され、かつ互いに隣接する相互間
    においては位置規正子が千鳥配置されていることを特徴
    とする請求項6記載の紫外線照射装置。
  8. 【請求項8】紫外線照射装置本体は、凹状反射面を内面
    に備えたランプ支持体を備えており;誘電体バリヤ放電
    ランプは、気密容器の側面から突出する排気チップ部を
    備えるとともに、排気チップ部が凹状反射面側に対向し
    た状態でランプ支持体に支持されている;ことを特徴と
    する請求項6または7記載の紫外線照射装置。
JP25992399A 1999-09-14 1999-09-14 誘電体バリヤ放電ランプ,誘電体バリヤ放電ランプ点灯装置および紫外線照射装置 Pending JP2001084966A (ja)

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