JP4407474B2 - エキシマランプ - Google Patents

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Description

本発明は、放電空間Sには誘電体材料を介在させた放電によってエキシマ分子を形成せしめ、このエキシマ分子から放射される光を取り出すエキシマランプに関する。
この発明に関連した技術としては、例えば、特開平2−7353号公報に記載のものがあり、係る公報には、放電容器にエキシマ分子を形成する放電用ガスを充填し、誘電体バリア放電(別名、オゾナイザ放電或いは無声放電。電機学会発行改訂新版「放電ハンドブック」平成1年6月再版7刷発行第263頁参照)によってエキシマ分子を形成せしめ、このエキシマ分子から放射される光を取り出す放射器、すなわちエキシマランプについて記載されている。また、ドイツ特許公開公報DE4022279A1には、MHzという単位で点灯させるエキシマランプが開示されている。また更に、「Silent discharge for the generation of ultraviolet and ultraviolet excimer radiation」(Pure & Appl.Chem.,Vol.62,No.9,pp.1667-1674,1990) には、50Hzから数MHzで点灯されるエキシマランプ(別名、誘電体バリア放電ランプ)が開示されている。
これらエキシマランプは、放電容器の形状が全体円筒状であり、放電容器の少なくとも一部は誘電体材料を介在させる放電(誘電体バリア放電)を行う誘電体を兼ねており、この誘電体の少なくとも一部はエキシマ分子から放射される真空紫外光(波長200nm以下の光)に対して透光性であって、更に、放電容器の外面には一方の電極として網状電極が設けられたものである。
このようなエキシマランプは、従来の低圧水銀放電ランプや高圧放電ランプにはない種々の特徴を有しており、例えば単一波長の紫外光を強く放射するという特徴がある。なお、エキシマランプを用いた発光装置は特許文献2,3などに開示されている。
特許文献2,3に記載のエキシマランプは、放電容器が、円筒状の内側管の外側に同じく円筒状の外側管が同軸的に配置された二重円筒型の構造をしており、内側管の内部に内側電極が配置されて、外側管の外面に外側電極が配置され、内側管と外側管の間に形成される空間を放電空間とするものである。
図10は、上述の二重円筒型エキシマランプの概略構成図を示す(a)管軸方向断面図、(b)A−A断面図である。同図においてエキシマランプ60の放電容器は、全体形状が円筒状であり、合成石英ガラスから構成されている。放電容器は外側管61と内側管62が同軸に配置して二重円筒管が構成され、その両端が閉じられて密閉され、外側管61と内側管62の間に放電空間Sが形成される。放電空間Sには誘電体材料を介在させた放電によってエキシマ分子を形成すると共に、このエキシマ分子から真空紫外光を放射する放電ガス、例えばキセノンガスが封入されている。
外側管61の外面には一方の電極である外側電極63が設けられ、内側管62の内面には他方の電極である内側電極64が設けられている。内側電極64はパイプ状のものであり、外側電極63は網状でシームレスに構成され、全体として伸縮性を有することから外側管61の密着性を良くすることができる。
内側電極64、外側電極63の間には、図示省略の交流電源が接続され、これにより放電空間Sにエキシマ分子が形成されて紫外光を発光する。放電ガスとしてキセノンガスを用いた場合は波長172nmの光を放射する。
上記ランプ構成について具体的な数値例を挙げると、例えば放電容器の全長は800mmで、外径(すなわち外側管61の外径)は27mm、内側管62の外径は16mmであり、内側管62及び外側管61の肉厚はいずれも1mmで、ランプの入力電力は400Wである。
ところで、この二重円筒型構造のエキシマランプは以下の問題を有する。
第一に、内側管と外側管という2つの石英ガラス管を用いており、二重円筒型に形成していため放電容器全体が大きくなってしまう。しかも、放電容器は、外側管が端部で溶着された内側管を支持するという、特殊な構造であるため、内側管の重さで放電容器の端部が破損し易いものである。
第二に、放電容器の製造工程において、2つのガラス管を両端部で接合するが、この作業は複雑かつ煩雑で、高度の熟練を要するため生産性が悪く高コスト化を招いていた。
第三に、内側管は、冷却可能な外側管に比較して高温になり易く、熱膨張により放電容器に大きな負荷が掛り易い。特に、外側管と内側管の接合部近傍に応力が集中し易く、しかも、ランプが長尺化するほどその影響が大きくなる。
ところで、放電容器が上述の二重円筒型ではなく、内側電極が放電空間内部に延びるように形成されたエキシマランプも、特許文献4,5等により知られている。係る特許文献4,5に係るエキシマランプを図11に示す。図11は上記文献に記載の、従来技術に係るエキシマランプの(a)管軸方向断面図、(b)管軸に垂直方向に切断した断面図である。同図において、エキシマランプ1の放電容器70は、単一の石英ガラス製の円筒体からなり、放電容器70内部の放電空間Sには内側電極71がランプの管軸方向に延在し、これと対向する外側電極72が放電容器70の外面に設けられている。
このようなエキシマランプ構造によれば、二重円筒型構造における内側管に相当する管を使用しないので、上述したような問題点を解決することが可能である。
しかして、上記エキシマランプでは、内側電極が放電空間内に露出しているので、内側電極に直接放電が生じることで内側電極が劣化し易く、放電が不安定になり易い。そして、劣化した電極成分が放電空間内に放出して放電容器にスパッタし、透過率を低下させることで早期に照度が低下するという問題を生じる。
また、内側電極に直接放電が生じることで、当該電極及び放電ガスが温度上昇し易く、その影響から発光効率が低下し易いランプとなる。
また、上記エキシマランプは、誘電体材料が一方の電極近傍にしか存在していないため、ランプを交流点灯させた場合には、正側と負側とで放電のバランスが崩れるという問題もある。
更には、電極への給電極性に留意しないと、アーク状の放電が生成されて、エキシマ光が効率良く生成されないばかりか、アーク状の放電が生じた部分で電極が赤熱して焼き切れるという事態に至る。
特開平2−7353号公報 特許第2854255号公報 特開2002−168999号公報 特表平8−508363号公報 特開2003−317670号公報
本発明は上記事情に鑑みなされたものであって、エキシマランプの構造の複雑さを解消すると共に、内側電極が放電空間内に配置されていても、放電安定性が良好で、照度維持率の低下が少ない、新規構造のエキシマランプを提供することを目的とする。
本発明においては、紫外線を透過させる誘電体材料から構成され、内部に放電ガスが封入された放電容器と、この放電容器の内部において長手方向に伸びると共に、放電容器の端部の封止部において気密に封止された内側電極と、放電容器の外面に配置された外側電極とからなり、前記内側電極は少なくとも外側電極との間で放電を行う部位の外表面が、少なくとも一端が放電空間内で開放された誘電体材料からなる内側管で覆われると共に、前記内側管の開放側端部において内側電極の封止部近傍が誘電体で覆われており、当該誘電体の少なくとも一部が前記内側管と重なっていることを特徴とする。
また、前記誘電体を溶射によって形成することを特徴とする。
また、誘電体を管状の絶縁物より形成することを特徴とする。
本発明においては、エキシマランプの放電容器が、単一の管より構成されているので、放電容器の構造が簡単で、二重管型構造の放電容器にあった複雑さを解消でき、内側電極が放電空間内に配置された構造を有していながら、放電安定性が良好で、照度維持率の低下が少ない、エキシマランプを提供することができる。しかも、ランプ点灯中、放電容器、内側電極、内側管の各々が加熱して熱膨張した場合でも、伸縮自在に構成されているので、熱膨張差に起因して、歪を生じて破損したり、劣化したりするのを防止することができる。
以下、本発明のエキシマランプの実施形態について説明する。図1は、本発明の第一の実施形態を説明するエキシマランプの管軸方向断面図、図2は、エキシマランプの管軸に垂直方向断面図である。このエキシマランプは、誘電体材料よりなる円筒状の外側管11を具備してなり、両端において封止部12a,12bが形成されて密閉され、放電容器10が構成されている。係る放電容器10内部の放電空間Sには、誘電体材料を介在する放電によってエキシマ分子を形成すると共に、このエキシマ分子から真空紫外光を放射する放電ガス、例えばキセノンガスが封入されている。放電容器10を構成する誘電体材料としては、放電容器10内において放出されるエキシマ光に対して透過性を有するもの、例えば合成石英ガラスを用いることができる。
放電容器10における外側管11には金網などの導電性材料よりなる網状の外側電極13が外周面に密接して設けられている。
放電空間S内には内側電極14が配置されている。内側電極14は、例えば金属線をコイル状に巻回して構成され、コイルの軸が外側管11の軸と略同軸に位置される。内側電極14には両端に直線状のリード部14a,14bが形成されており、係るリード部14a,14bの外端部に金属箔15a,15bが接続されている。そしてこの金属箔15a,15bに外部リード棒16a,16bが接続され、当該金属箔15a,15bが放電容器10における封止部12a,12bに埋設され、内側電極14が放電容器10中に懸架された状態で配設されている。
内側電極14は、誘電体材料からなる円筒状の内側管17内に挿入されている。係る内側管17は一端17a及び他端17bが開放したものであり、少なくとも内側電極14において外側電極13と対向する部分(図中Mの部分)を覆うように配設され、好ましくは外側電極13の両端よりも長さ方向外方に延在してリード部14a,14bの一部を覆うように形成される。
また、内側電極14におけるリード部14a,14bの表面上には、誘電体の層18a,18bが溶射によって形成されている。図1の実施形態においては誘電体層18a,18bの外方端は封止部12a,12bに埋設されている。なお、このように誘電体層18a,18bが封止部12a,12bに埋設された状態は必須ではなく、図3で示す変更例のように放電容器10と密接した状態で配設されていてもよい。なお、図3は、エキシマランプの一方の端部のみを拡大して示す管軸方向断面図である。
誘電体層18を構成する誘電体材料としては、例えば、アルミナ、ジルコニア、チタニアなどのセラミックスなどよりなる。
上記外側電極13及び内側電極14は、高周波電源よりなる電源装置(図示省略)に接続されており、電極(13,14)間に電圧が印加されると、外側電極13と内側電極14とが対向配置した長さ部分Mに亘って、内側管17の外周面と外側管11内周面の間に半径方向の放電が形成される。
このような本実施形態に係るエキシマランプによれば、内側電極14におけるリード部14a,14bの表面に誘電体層18a,18bが形成されると共に、同図に示すように誘電体層18a,18bの内方端が内側管17内に位置されているので、外側電極13と内側電極14とが対向配置した部分に安定した放電を維持することができ、不所望な放電の発生を回避できようになる。
ここで、本願発明を具体的に説明するため、本願発明とは異なる構成のエキシマランプの例を挙げて比較しながら説明する。図8は前図図1〜図3において誘電体層18を設けずに構成したエキシマランプの一例であり管軸方向断面図である。なお、先に図1〜図3で説明した構成と同じ構成については、同じ符号で示して説明を省略している。
内側電極14と外側電極13間に電圧を印加すると、比較的低電圧では外側電極13と内側電極14とが対向配置した長さ部分Mにおいて半径方向の放電が発生する。しかして、電圧を上げた場合、内側電極14から内側管17の管壁を伝って図中矢印Pで示すように直接放電が発生することがある。
このような放電は集中して発生するため、ランプの配光特性を著しく不均一とするばかりでなく、放電が集中した箇所において内側電極14が赤熱し、最終的に断線に至る。
そこで、内側管17において外側電極13と対向しない部分の長さLを長く設けると、係る不所望な放電が開始する電圧(異常放電開始電圧)を上昇させることができるため、不所望な放電の発生をさしあたっては回避できる。しかしながら、この手段による回避には限界があり、ランプ電圧を上げようとすると、結局、不所望な放電が発生して上述したような不具合が生じてしまう。このため、エキシマランプに対して所望とする放射強度を得ることが困難である。
これに鑑み、例えば内側管17の両端部17a,17bを更に延在させて放電容器10の封止部に埋設すると、内側電極14の放電空間Sへの露出部が事実上なくなり、不所望な放電Pの形成を回避可能であるが、この場合内側管17と外側管11との熱膨張差などにより、封止部12a,12bが破損するという別の問題が生じてしまう。このため、内側管17の少なくとも一方の端部を開放して、当該内側管17を伸縮自在に設ける必要がある。而してその結果、内側管17と外側管11を離間して構成することになり、内側管17の開放端部から露出した内側電極14から前述の不所望な放電Pが形成されることになり、結局安定した放電を得ることができない。
そこで、図1で示した本願発明に係るエキシマランプのように、内側電極14におけるリード部14a,14bの表面に誘電体層18a,18bを形成すると共に、同図に示すように誘電体層18a,18bの内方端を内側管17内に位置させる。これにより、内側電極14から外側電極13に放電が形成される場合は当該内側電極14露出部の最外端部Aが放電開始位置になり、異常放電が形成される場合は、同図中破線P’で示すように内側管の端部17aの内表面を端部A近傍から内側管の開放端部を経由するような経路をたどることになる。その結果、内側電極14と外側電極13との沿面距離が格段に長くなって異常放電開始電圧が格段に高くなり、事実上、内側電極14から直接外側電極13に形成される不所望な放電の発生を回避できるようになる。
以上説明したように、本願発明の構成に係るエキシマランプによれば、内側電極が少なくとも一端が放電空間内で開放された誘電体材料からなる内側管で覆われると共に、内側管の開放側端部において内側電極の封止部近傍が誘電体で覆われており、係る誘電体の少なくとも一部が放電方向(管軸断面方向)において重なるように内側管の内部にも配設されているので、内側電極と外側電極の沿面距離が伸びて、所期の放射強度を得るに必要な程度までランプ電圧を高くしてランプを点灯しても、内側電極から直接放電が生じるという事態を回避できる。
その結果、所期の放射強度が得られることは当然として、不所望な放電の発生を回避でき、内側電極が劣化することなく安定した放電が得られ、配光特性が良好なエキシマランプを得ることができる。また、内側電極が放電にさらされないため電極の温度上昇が抑制され、発光効率の低下を低減できる。更には、誘電体材料が放電空間を挟んで外側電極と内側電極の両方の電極の近傍に配置されているので、ランプを交流点灯させた場合でも正側と負側とで放電のバランスが崩れることもない。
続いて、図4を参照して第二の実施形態を説明する。なお、同図において先に図1〜図3で説明した構成と同じ構成については同一符号で示し、その説明を省略する。
同図において、先に説明した第一の実施形態と異なる点は、内側電極14のリード部14a,14bに設けられた誘電体(18)に係る構成であり、この実施形態においては細い誘電体からなる円筒管19a,19b内に内側電極14におけるリード部14a,14bのほぼ全体が収容されている。
円筒管19a,19bは、後端部においては放電容器10における封止部12a,12bに植設されており、各々先端部は内側管17内に遊挿されている。したがって円筒管19a,19bは伸縮が自在であり、円筒管19a,19bに熱膨張が生じても封止部12a,12bに不要な応力が掛らない。
この実施形態においても、内側電極14が、少なくとも一端が放電空間S内で開放された内側管17で覆われると共に、内側管17の両端部において内側電極14の封止部12a,12b近傍が、誘電体からなる円筒管19a,19bで覆われており、係る円筒管19a,19bの少なくとも一部が、放電の方向(管軸断面方向)において内側管17の層と重なるように、当該内側管17内に遊挿されて収容されているため、内側電極14と外側電極13との沿面距離が長くなり、不所望な放電が開始する電圧レベルが高くなる。よって、所期の放射強度が得られる程度にランプ電圧を高くしてエキシマランプを動作させても、不所望な放電が発生することを回避することができる。
以上の実施形態においても、適宜変更可能である。
例えば上記第二の実施形態においては、円筒管19a,19bを封止部12a,12bに植設したが、この形態に限定されるものではない。図5は図4のランプの変形例で、円筒管19a,19bを封止部12a,12bに植設することなく当接させて配置した例を示す拡大断面図である。この例のように、放電容器10の内壁面と密接するように設けることでも、図4のものと同様の効果が得られる。この例において円筒管19a,19bは、各々先端部が内側電極14のコイル部分に当接し、一方、他端面において放電容器10壁面に当接しており、概略位置が規定されている。
以上のような円筒管に係る構成は、ランプの両端で円筒管の配設形態を異ならせてもよく、一方のみの円筒管を封止部に埋設して他方の円筒管を埋設しない構成とすることも可能である。また、円筒管のうち一方を、上述したような溶射により形成した誘電体層に換えて、組合せて構成してもよい。
図6は更に異なる発明の実施形態を説明する図であり、エキシマランプの管軸方向断面図である。同図において先に図1〜図5で説明した構成と同じ構成については同符号で示し、その説明を省略する。
この実施形態では、内側管の一方の端部14aが封止部12aに埋設されて閉じられ、他方の端部14bのみが開放した状態になっている。このような構成によれば、内側電極14における一方端部においては、リード部14aの外周には内側管14が必ず存在することになるため、当該リード部14aから外側電極13に向けて直接放電が形成されることはなく、このため誘電体は不要である。一方、内側管が開放した反対側の端部においては、リード部14bには誘電体が例えば溶射により形成されている。
このような本願第三の実施形態によれば、内側管17と外側管11との間に熱膨張差が生じた場合でも、内側管17の一方の端部が開放されていて伸縮が自由であるため、封止部12aと内側管17の端部17a埋設部においても余計な応力が掛ることがなく、当該封止部12aが破損することはない。そして、エキシマランプの他方の端部側においても、リード部14bが誘電体で被覆されており、しかも誘電体層18bは内側管17の内部にも形成されているので、当該リード部14bと外側電極13の間において不所望な放電が形成されることが回避される。
図7は更に異なる発明の実施形態を説明する図であり、エキシマランプの管軸方向断面図である。同図において先に図1〜図6で説明した構成と同じ構成については同符号で示し、その説明を省略する。
この第四の実施形態においては、基本的構成は第一の実施形態と同様であり、異なる点は内側管17の形状である。同図に示すように、内側管17の両端部17a,17bの径が、長さ方向外方に向かうに従い拡径されて形成されている。このように管の端部を拡径してスカート状に形状にすることで、内側電極14と外側電極13との間の沿面距離が、内側管17がストレート状のものに比較して拡径した半径の大きさ分、図においてdだけ伸びることとなり、結果的に異常放電開始電圧を高めることができる、すなわち、異常放電を防止することができるようになる。
無論、この実施形態においても、内側電極14におけるリード部14a,14b表面が誘電体層18a,18bで覆われている。すなわち、内側電極14が、両端が放電空間S内で開放された誘電体材料からなる内側管17で覆われると共に、内側管17の両端部において内側電極14の封止部12a,12b近傍のリード部14a,14bが誘電体によって覆われており、この誘電体層18a,18bの少なくとも一部が放電方向(管軸断面方向)において内側管17に重なるように配設されている。
このように、内側管17に内側電極14と外側電極13との沿面距離拡大化するよう形状変化を加えることによれば、不所望な放電の発生を更に抑制することができる。
以下、本発明に係るエキシマランプの効果を確認するための実験を行った。
<実施例1>
図1,2に示した構成に基づき、下記仕様の実施例1に係るエキシマランプを製作した。
放電容器(10)(外側管11)は材質が合成石英ガラスよりなり、長さ1140mm、外径18mmであり、端部においてはピンチシールにより封止部を形成した。外側電極(13)は材質がニッケル、素線の線径0.3mmであり、網状に構成したものを放電容器(10)の外表面に密着するよう形成した。なお、外側電極(10)の全長は1000mmであった。内側電極(14)は材質がタングステンからなり、全長1110mm、素線の線径0.5mm、リード部(14a,14b)長さはいずれも30mm、コイル分の長さ1010mm、コイルピッチ300%、コイル径2.8mmであった。この内側電極(14)を、材質が合成石英ガラスからなる内側管(17)内に挿入した。内側管(17)の外径は6mm、内径は4mmであり、全長は1040mmであり、内側管(17)において外側電極(13)と対向しない部分の長さLは20mmであった。
そして、内側電極(14)におけるリード部(14a,14b)のほぼ全領域に材質がアルミナ、厚み300μmの誘電体層(18)を溶射により形成した。
<実施例2>
また、内側管(17)の長さを1080mmに変えたことを除いて実施例1と同じ仕様のエキシマランプを製作した。なお、内側管(17)において外側電極(13)と対向しない部分の長さLは40mmであった。
<実施例3>
図4で示した構成に基づいて実施例3に係るエキシマランプを製作した。実施例1における誘電体層(18)の構成を円筒管(19)に換えたことを除いて実施例1のランプと同仕様とした。
円筒管(19)は材質が合成石英ガラスであり、外径3.5mm、内径1.0mmであった。これを、内側電極(14)におけるリード部(14a,14b)のほぼ全領域に亘って配設した。なお、内側管(17)において外側電極(13)と対向しない部分の長さLは、実施例1と同じ20mmであった。
<実施例4>
また、内側管(17)の長さを1080mmに変えたことを除いて実施例3と同じ仕様のエキシマランプを製作した。なお、内側管(17)において外側電極(13)と対向しない部分の長さLは、実施例2と同じ40mmであった。
<比較例1>
図8(a)で示した構成に基づいて、比較例1に係るエキシマランプを製作した。比較例1に係るエキシマランプは、誘電体層が形成されていないことを除いて上記実施例1と同様の仕様とした。内側管(17)において外側電極(13)と対向しない部分の長さLは、実施例1と同じ20mmであった。
<比較例2>
また、同じく図8(a)で示した構成に基づいて、比較例2に係るエキシマランプを製作した。比較例2に係るエキシマランプは、誘電体層が形成されていないことを除いて上記実施例2と同様の仕様とした。内側管(17)において外側電極(13)と対向しない部分の長さLは、実施例2と同じ40mmであった。
<点灯実験>
上記実施例1〜4並びに比較例1,2に係る各エキシマランプを、ランプ入力500W〜1500Wで点灯した。
実施例1〜4並びに比較例1,2のランプについて、点灯試験を行った結果を図9に示す。同図において横軸はLの長さ、すなわち内側管(17)において外側電極(13)と対向しない部分の長さL(mm)であり、縦軸は不所望な放電が開始した電圧(kV)(以下、「異常放電開始電圧(V)」という。)である。
図9から分かるように、Lの長さを長くすれば異常放電開始電圧が増大する。例えば、比較例1では異常放電開始電圧が約2kVであったが、比較例2では約4kVに増大している。よって、誘電体層(18)を設けないランプでもLの長さを長くすることで、ランプ所期の放射強度が得られる程度にランプ電圧を高くすることは可能である。しかして、Lの長さを長くすることは非発光部領域を長くすることになるため好ましくない。
本発明に係る構成とすることで、ランプ全長における非発光部領域の割合を小さくでき、異常放電開始電圧を上げ、より高いランプ電圧での動作を実現できるエキシマランプとすることができる。
例えば、比較例2に係る、誘電体が設けられていないランプから、実施例1,実施例3のように誘電体を設けたランプにすれば、比較例2のものと異常放電開始電圧を同等以上に高く維持しながら、非発光部となるLの長さを半分に抑えることができ、コンパクトなランプとすることができる。また、比較例2に係るランプ構成に対してLの長さを変えず、誘電体を設けた実施例2,実施例4に係る各構成にすると、より高いランプ電圧で動作させても安定した点灯状態を維持できるため、より大きな放射強度が得られるランプとすることができる。
以上、本発明の実施形態及び実施例について説明したが、上記構成は一例であって適宜の変更、置換が可能であることは言うまでもない。
本発明の第一の実施形態を説明するエキシマランプの管軸方向断面図である。 本発明に係るエキシマランプの管軸に垂直方向断面図である。 図1のランプの変更例であり、エキシマランプの一方の端部のみを拡大して示す管軸方向断面図である。 本発明の第二の実施形態を説明するエキシマランプの管軸方向断面図である。 図4のランプの変更例であり、エキシマランプの一方の端部のみを拡大して示す管軸方向断面図である。 更に異なる発明の実施形態を説明する図であり、エキシマランプの管軸方向断面図である。 更に異なる発明の実施形態を説明する図であり、エキシマランプの管軸方向断面図である。 図1〜図3において誘電体層を設けず構成したエキシマランプの一例であり(a)管軸方向断面図、(b)端部を拡大した説明図である。 点灯実験結果を示す長さL(mm)と異常放電開始電圧(V)の関係を示す図である。 従来技術に係る二重円筒型エキシマランプの概略構成図を示す(a)管軸方向断面図、(b)A−A断面図である。 従来技術に係るエキシマランプの管軸方向断面図で、エキシマランプの管軸に垂直方向断面図である。
符号の説明
10 放電容器
11 外側管
12a,12b 封止部
13 外側電極
14 内側電極
14a,14b リード部
15a,15b 金属箔
16a,16b 外部リード棒
17 内側管
18 誘電体層
19a,19b 円筒管
S 放電空間

Claims (3)

  1. 紫外線を透過させる誘電体材料から構成され、内部に放電ガスが封入された放電容器と、この放電容器の内部において長手方向に伸びると共に、放電容器の端部の封止部において気密に封止された内側電極と、放電容器の外面に配置された外側電極とからなり、
    前記内側電極は少なくとも外側電極との間で放電を行う部位の外表面が、少なくとも一端が放電空間内で開放された誘電体材料からなる内側管で覆われると共に、
    前記内側管の開放側端部において内側電極の封止部近傍が誘電体で覆われており、当該誘電体の少なくとも一部が前記内側管と重なっていることを特徴とするエキシマランプ。
  2. 前記誘電体は、溶射によって形成されていることを特徴とする請求項1記載のエキシマランプ。
  3. 前記誘電体は、管状の絶縁物よりなることを特徴とする請求項1記載のエキシマランプ。
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