JP4091183B2 - アシストモータ付き運搬車 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は手押し式の運搬車に関し、特にアシストモータを備え運搬時の操縦者の負担を軽減することができるものに関する。
【0002】
【従来の技術】
駆動輪を駆動するモータと、このモータの電源として充電式のバッテリを搭載した電動運搬車では、前進、後退、速度変更等の一連の動作は、荷台の一端に立設したハンドル部に設けた操作スイッチにより切り替えられるようになっていた。すなわち、電動運搬車を操縦する操作者が握るハンドル部等に設けたスイッチをonにすることでモータを駆動して、運搬車を前進、後退させ、また速度切替スイッチによりモータの回転速度を変化させて速度の切替をしていた。
【0003】
また安全性と操作性を向上させるため、コンピュータによってこれらの操作を行い、さらには無線操縦によってスイッチの開閉や切替操作するものもあるが、これらの場合には全て操作スイッチが必要であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、これらの操作が運搬車の操縦者の状況判断に基づく場合、切替操作
に間違いを生じることもあり、また状況に応じてその都度行うこれらの切替操作は面倒である。
【0005】
最近、この種の運搬車では、安全性と操作性を向上させるために、コンピュータによる制御機構を採用して操作スイッチを切り替えるものが増加しているが、これらは構造が複雑で高価なものとなっている。
【0006】
本発明はかかる事情に鑑みてされたもので、面倒な切替動作を排除し、運搬車を動かす操縦者の基本的な動作に連動して、これに搭載したアシストモータが駆動されるようにしたアシストモータ付き運搬車を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、操作スイッチによる駆動方式に替わって、運搬車を操縦する者の所定動作に起因して作動する無操作スイッチによりアシストモータを駆動するものとしたもので、次のような構成としている。
【0008】
車体1下部に旋回後車輪5,5と、アシストモータ3によって駆動される駆動輪2とを軸支し、車体1には操縦者が走行時に握る水平ハンドル7が取り付けられ、この水平ハンドル7は旋回軸を中心として前後方向に回動可能であり、また前記水平ハンドル7に設けた穴12に一端を挿入した歪ゲージ受圧板8を設け、この歪ゲージ受圧板8には検出した歪量を電流値に変換する歪ゲージ21を取り付け、検知した歪み量に応じた電流値が入力されアシストモータ3の回転を制御する制御部を設け、水平ハンドル7に負荷される前進力又は後進力によって生じる歪み量の大小によってアシストモータ3の回転が変化するようにした。
【0009】
次に、本発明の主要な構成要素について詳説する。
(水平ハンドル7)
運搬車を走行させる者が握るものであり、運搬車の後部に一定の高さに保持されるように設けられる。一般的には握り易さを考慮した円筒形の棒状体であるが、形状は特に限定されない。これは前後方向に可動に設けられる。
(歪みゲージ21)
歪みゲージ21とは歪みゲージ式センサであり、歪みゲージ受圧板に取り付けた圧力−電気変換素子を通して歪み量を電気出力とするものである。電気抵抗が歪みによって顕著に変化する金属材料を使用して圧力検知を行う抵抗線及び箔歪みゲージ、半導体の電気特性が半導体に加えられる力によって変化する現象を利用する半導体歪みゲージ等が使用される。
(アシストモータ3)
直流モータ、インダクションモータ等、各種のモータが使用できる。
【0010】
また本発明の運搬車では、前記水平ハンドル7の穴12の内部及びこの穴12に挿入される歪ゲージ受圧板8の先端部には、弾性体からなる不感体を設けることができる。
(不感体13)
歪みを敏感に感知しすぎないようにして人間の操作感に合致させるように設けるものであって、弾性体として軟質塩化ビニール、ゴム、ポリエチレン等の軟質合成樹脂等が使用できる。水平ハンドル7の穴12に歪みゲージ受圧板8が挿入された場合、これらは互いに不感体13を介して接触する。この不感体13によって歪みゲージ21の反応を遅らせる他、両者間に適度な間隙を設けることによって反応程度を調整し、間接的にアシストモータ3を制御することの違和感をなくすことができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の運搬車を図1〜図5に示される発明の実施形態について更に詳細に説明する。
【0012】
この電動運搬車には、後部には回転自在な左右一対の旋回後車輪5,5が設けられ、前部中央にはニューマチック駆動輪2が軸支されている。このニューマチック駆動輪2の回転軸には傘歯車15が取り付けられ、この傘歯車15にはアシストモータ3の回転軸に取り付けた他の傘歯車14が噛合して動力伝達機構が構成されている。またこのニューマチック駆動輪2の左右両側には前車輪4が軸支されている。
【0013】
一方、荷台1の後端の左右のそれぞれには、棒状の直立ハンドル6、6が設けられ、図3(1)に示すように、これら直立ハンドル6,6の上端は、直方体状の水平ハンドル7の受け部が形成され、これら直立ハンドル6,6を橋絡する水平ハンドル7が一体に取り付けられている。この水平ハンドル7は管状体であり、図4〜図5に示すように、その左右両端には三角形状の支持体が垂直方向に突設されている。この支持体の先端部は、直立ハンドル6、6に挿通された旋回軸7−1に回転自在に取り付けられている。支持体の水平ハンドル7側には、直立ハンドル6,6に穿設した孔22に挿入されるピン状のストッパ7−2が突設され、このストッパ7−2は孔22内において可動であるが、これが孔22の縁部に当接することで旋回軸7−1の周囲を支持体7−3を介して回動する水平ハンドル7の動きを規制して、歪ゲージ21に過剰な歪みが伝達されないようにしている。要するに、水平ハンドル7は、旋回軸7−1を中心として運搬車の前後方向に一定範囲内で回動可能である。
【0014】
他方、直立ハンドル6,6の中段部には水平横桟6−1が設けられ、この水平横桟6‐1の中央には歪ゲージ受圧板8を固定する。この歪ゲージ受圧板8は断面が四角形の長尺の平板鋼であり、その基端部は水平横桟6−1に接合され、先端部は前記水平ハンドル7の下面の中央に設けた小判形の穴12にわずかな間隙を有するように挿入されている。図3(2)は水平ハンドル7の穴12に歪ゲージ受圧板8が挿入された状態を示す図であり、水平ハンドル7の穴12の内部及び周囲、また歪ゲージ受圧板8の穴12に挿入される先端部は、それらの表面が軟質塩化ビニールシートによって覆われている。
【0015】
前記歪ゲージ受圧板8の中央の両面には、歪み量を電流値に変換する歪ゲージ21が組み込まれている。この軟質塩化ビニールシートによって覆われた部分はいわゆる不感体13を形成しており、このような不感体13によって歪ゲージ21の歪みの感知を若干鈍くしている。
【0016】
また直立ハンドル6,6の外側にはバッテリ11の搭載室を形成し、その上部にはコントロールボックス9を配置している。コントロールボックス9の上面には電源スイッチ10を設けてある。コントロールボックス9内には、歪ゲージ21からの電流値が入力される図示しないマイクロコンピュータが搭載され、このマイクロコンピュータは、歪ゲージ21から送られた電流をアンプにて増幅してアシストモータ3に供給する。
【0017】
次に、この運搬車の作動を説明する。
図2及び図3において、電源スイッチ10をonにして、操縦者が水平ハンドル7を握り運搬車を前方F方向に押すと、水平ハンドル7が回動し、これはストッパ7−2によって規制されるが、水平ハンドル7の回動によって水平ハンドル7の穴12内に挿入されていた歪ゲージ8の先端と、水平ハンドル7が接触し歪ゲージ受圧板8が変形して、歪ゲージ21がその歪みを感知する。そして歪みの程度に応じた電流値がコントロールボックス内のマイクロコンピュータに送られ、これに基づいてアシストモータ3が回転制御されるので、動力伝達機構を介してニューマチック駆動輪2が回転して運搬車が自走する。
【0018】
この際、わずかな力が水平ハンドル7に加えられた場合は、不感体13の存在によって歪みが検知されず、次第に力が大きくなるにつれて少しずつ歪みが検知されるようにすることで、微妙な操作性を確保している。
【0019】
一方、運搬車を後退させるために、水平ハンドル7を後方に引いたときは、水平ハンドル7が後方に回動する。歪ゲージ21は後方への歪ゲージ受圧板8の変形を感知してこれを負の電流値としてマイクロコンピュータに送り、このマイクロコンピュータの指示によって正負が逆転してアシストモータ3を回転させる。よって運搬車は後退走行する。
【0020】
前記不感体13を設けたことにより、わずかな押圧力で運搬車が急激に走行開始することがなく、また振動が運搬車に伝わってもこれを不感体13が吸収することで、同様の誤作動を防止する一方、水平ハンドル7と支持板8との間隔が調整され、水平ハンドル7にわずかな回転力が作用しただけでも、歪ゲージ21がこれを敏感に感知して緩やかに走行開始するように調整されている。
【0021】
以上のように、電源スイッチ10を入れた後は、水平ハンドル7を握ってこれを押す等の動作をするのみで、アシストモータ3が回転しこれが運搬車の走行を補助する。水平ハンドル7に力が負荷される動作を止めれば運搬車は停止する。登坂路や路面状態が悪い場合に疲労軽減効果が高く、搬送能力も大幅に向上する。
【0022】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、水平ハンドルを握って運搬車を進行させる力を付与するだけで、アシストモータの回転により常に最適な駆動力が発揮される。よって運搬車を操縦する者は殆ど力を要せずしてこれを走行させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態であるアシストモータ付き運搬車の平面図である。
【図2】本発明の一実施形態であるアシストモータ付き運搬車の側面図である。
【図3】(a)直立ハンドル、水平ハンドル及び歪みゲージ受圧板の取付状態を示す図である
(b)水平ハンドルに歪みゲージ受圧板穴の先端が挿入され、不感体が設けられた状態を示す図である。
【図4】水平ハンドルの取付及び可動状態を示す側面図である。
【図5】水平ハンドルの取付及び可動状態を示す正面図である。
【符号の説明】
1 荷台
2 駆動輪
3 アシストモータ
5 旋回後車輪
7 水平ハンドル7
8 歪ゲージ受圧板
Claims (2)
- 車体1下部に旋回後車輪5,5と、アシストモータ3によって駆動される駆動輪2とを軸支し、車体1には操縦者が走行時に握る水平ハンドル7が取り付けられ、この水平ハンドル7は旋回軸を中心として前後方向に回動可能であり、また前記水平ハンドル7に設けた穴13に一端を挿入した歪ゲージ受圧板8を設け、この歪ゲージ受圧板8には検出した歪量を電流値に変換する歪ゲージ21を取り付け、検知した歪み量に応じた電流値が入力されアシストモータ3の回転を制御する制御部を設け、水平ハンドル7に負荷される前進力又は後進力によって生じる歪み量の大小によってアシストモータ3の回転が変化することを特徴とするアシストモータ付き運搬車。
- 前記水平ハンドル7の穴12の内部及びこの穴12に挿入される歪ゲージ受圧板8の先端部には、弾性体からなる不感体13が設けられている請求項1に記載のアシストモータ付き運搬車。
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JP31541098A Expired - Fee Related JP4091183B2 (ja) | 1998-10-19 | 1998-10-19 | アシストモータ付き運搬車 |
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