JP2004074875A - 電動台車 - Google Patents
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Abstract
【課題】操作ハンドルに作用する操作力に基づいて操舵輪と駆動輪とをそれぞれ独立に操舵可能とする。
【解決手段】電動台車2の操作ハンドル16の把持部に設けられたロードセル18により操作力を検出して、速度・方向を操舵輪および駆動輪に反映させる。台車の前方に配置された操舵輪ユニット4は、左右の操舵輪22を油圧シリンダ32で動く平行リンク機構30に連結する。油圧シリンダ32の伸縮により、操舵輪22の操舵角が確実に決定される。また台車の後部に設けられた駆動輪ユニット6は、回転軸48に対して偏芯位置にモータ駆動キャスタ40が取り付けられ、これを油圧モータ46で駆動させることにより回転軸48回りに回転させることができ、それぞれ独立して操舵を行うことが可能である。
【選択図】 図1
【解決手段】電動台車2の操作ハンドル16の把持部に設けられたロードセル18により操作力を検出して、速度・方向を操舵輪および駆動輪に反映させる。台車の前方に配置された操舵輪ユニット4は、左右の操舵輪22を油圧シリンダ32で動く平行リンク機構30に連結する。油圧シリンダ32の伸縮により、操舵輪22の操舵角が確実に決定される。また台車の後部に設けられた駆動輪ユニット6は、回転軸48に対して偏芯位置にモータ駆動キャスタ40が取り付けられ、これを油圧モータ46で駆動させることにより回転軸48回りに回転させることができ、それぞれ独立して操舵を行うことが可能である。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電動台車に係り、特にハンドル操作力によって走行・操舵の制御が可能なパワーアシスト機能付きの電動台車に関する。
【0002】
【従来の技術】
ビルあるいは発電所等の建設作業現場において、機器の搬入などを行う場合に荷役運搬用の手押し台車を用いる場合がある。手押し台車は積荷重量が重いほど操作に大きな力を要することから、駆動と操舵とを電動で行う電動式台車が開発されている。しかし、電動式台車は方向や速度などをリモコンスイッチ等により操作することから、その運転が難しいという問題がある。そこで、運転者が台車を押す力を検出し、その力の大きさと方向に応じて駆動・操舵の制御を行うパワーアシスト式電動台車が用いられている。パワーアシスト式電動台車の公知例として、特開平9―109892号公報、特開平9―202235号公報が挙げられる。これらは、後輪にモータなどの駆動装置を設けてこれを駆動輪とし、前輪を操舵機構が備えられた操舵輪とし、ハンドル部分に備えられた力検出器により検知された操作力を駆動輪・操舵輪に反映させて台車の走行速度や方向を支持する構成である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このようなパワーアシスト式電動台車の操舵は、操舵輪の左右それぞれの車輪に各々独立して回転数を制御させるモータなどの駆動源を設けている。旋回の際には、曲進方向に対して内側の車輪の回転数を低減させ、かつ外側の車輪の回転数を増大させる制御を行っている。旋回方向や走行速度などは、操作者がハンドルに加えた力に応じて決定される。
【0004】
ところで、建設作業現場でパワーアシスト式電動台車に積載される荷は非常に重量の重いものが多く、荷重のかかった操舵輪を方向転換させることは非常に困難である。操舵輪には操作者がハンドルに加えた力に応じた回転数が与えられたとしても、荷重のかかった操舵輪が空回りする可能性がある。すると、操作者の望む角度まで台車は旋回できず、操作者は新たにハンドルを操作しなければならない。また、操舵輪を回転させる駆動源には大きな負担がかかることとなる。
【0005】
また駆動輪である後輪は操舵機構を有していないため、パワーアシスト式電動台車を方向転換させる場合に、旋回運動のための大きな旋回スペースが必要であった。そのため、狭隘な作業現場の通路での対面通行や曲がり角での急旋回等を行うことが困難であり、作業に支障を来すことも考えられる。
【0006】
本発明は上記問題点に着目し、操作力を確実に操舵角に反映でき、かつ操舵輪と駆動輪とをそれぞれ独立に操舵可能とした簡便な機構のパワーアシスト式の電動台車を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明に係る電動台車は、操作ハンドルへの操作力を検出して台車への前後駆動と左右操舵をなす電動台車において、左右操舵輪をリンク機構により連結して操舵可能としつつ前記リンク機構をシリンダ駆動手段により駆動操作可能としておき、前記操作ハンドルによる左右操舵力の感知により前記シリンダ駆動手段のストローク制御をなして操舵制御することを特徴としている。
【0008】
前記台車に装備した駆動輪はモータ駆動構造とされ、前記操作ハンドルに対する前後操作力の感知により前記モータを正逆回転させて前進・後進の駆動制御をなすものである。また、前記台車に装備した各駆動輪はモータ駆動キャスタの回転に伴う前後走行移動を可能となすとともに、駆動輪ブラケットを旋回軸回りに回転可能とし、前記駆動輪の回転力を利用して操舵可能としつつ、前記操作ハンドルによる左右操舵力の感知により駆動輪の操舵制御を可能としている。
【0009】
また、本発明に係る電動台車は、操作ハンドルの操作力を検出して台車の左右操舵をなす電動台車において、前記操作ハンドルによる左右操舵力の力の差から算出される捻りの大きさと台車の進行方向から操舵方向とを決定し、前記捻りの大きさに比例した操舵角度となるように制御されるものでもよい。
【0010】
さらに、操作ハンドルの操作力を検出して台車の前後駆動をなす電動台車において、前記操作ハンドルによる左右操作力が共にしきい値を越え、かつ進行方向が一致した時に台車の進行方向が決定され、前記左右操作力の和に比例した走行速度となるように制御される構成となすこともできる。前記左右操作力が共にしきい値以下の時に台車が停止し、前記左右操作力のいずれか一方のみがしきい値以下か、または前記左右操作力の進行方向が互いに逆の時に台車の進行方向を変更しないように制御される。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に本発明に係るパワーアシスト式電動台車の実施形態を、図面を参照して説明する。図1に本実施形態に係るパワーアシスト式電動台車の側面図および平面図を示す。
パワーアシスト式電動台車2は、荷を積載するための平板状の台車フレーム10と、当該台車フレーム10の底部前方に配置された操舵輪ユニット4と、底部後方の左右に配置された駆動輪である駆動輪ユニット6と、コの字状の操作ハンドル16とから構成される。操作ハンドル16の両側部には、操作ハンドル16に加えられた操作力を検出するロードセル18がそれぞれ取り付けられる。
【0012】
操舵輪ユニット4の概略を図2に示す。操舵輪ユニット4は、左右の操舵輪22を平行リンク機構30により連結し、シリンダ駆動手段として直動式の油圧シリンダ32により平行リンク機構30を駆動操作する構成である。操舵輪22はキャスタであり、自由に方向変換できるように前輪フレーム24に取り付けられる。前輪フレーム24は断面コの字型の支持部により操舵輪22を挟み込んで支持するとともに、上方向に突出した支持軸28を有する。支持軸28は操舵輪22を回転自在に支持するように図示しない軸受けを介して台車フレーム10の底部に取り付けられる。
【0013】
平行リンク機構30は、左右のリンク30L、30Rの一端をリンク30Aで連結した構造とされる。リンク30Aは台車フレーム10の前面にくるように配置され、左右両側のリンク30L、30Rの中間位置にそれぞれ前輪フレーム24の支持軸28を取り付ける。またリンク30Lの端部31には油圧シリンダ32がピン結合される。この油圧シリンダ32を伸縮させると、リンク30Lの端部31の位置が変化することにより左右両側のリンク30L、30Rが支持軸28を支点として回転し、操舵輪22の操舵角が変化する。この時、操舵角の最大振り幅を左右それぞれ90度とする。すなわち図2において油圧シリンダ32を最大収縮させると、平行リンク機構30の各リンクが横一直線上に並び、操舵輪22は左に90度旋回する。逆に油圧シリンダ32を最大伸張させると、操舵輪は右に90度旋回する。伸縮量と操舵角との関係は常に一定であることから、操舵輪22は油圧シリンダの伸縮量を変化させることにより確実に操舵輪22が旋回して操舵角が決定され、その操舵角に従った旋回動作をパワーアシスト式電動台車2に行わせることができる。
【0014】
前記油圧シリンダ32の制御は、台車フレーム10の底部に設けられた制御部12により行う。この制御部12は、パワーアシスト式電動台車2の操作ハンドル16に取り付けられた左右のロードセル18に接続されており、ロードセル18で検出した力から台車の操舵角を算出し、この結果を油圧シリンダ32の伸縮量に反映させている。なお、符号14は操作パネルであり、油圧ユニット33や制御部12の起動・停止を手元で操作できる。
【0015】
ここで操舵輪ユニット4の動作を、図2および図3を参照して説明する。図2(2)はパワーアシスト式電動台車2が直進する場合を示し、図3(1)は台車の前後方向に対して操舵輪ユニット4が左側にθの角度を持っている場合を示し、図3(2)は並進走行(直角走行)をする場合の動作の説明図である。
図2(2)に示した通常の状態では、操舵輪ユニット4の車輪はそれぞれパワーアシスト式電動台車2の前後方向に平行な状態にあり、平行リンク機構30は各リンクが互いに直角をなしたコの字型となっている。この状態より油圧シリンダ32を作動させ、通常状態より油圧シリンダ32を短縮させる。この時、図3(1)に示すように、左右の各リンク30L、30Rが回転して角度θだけ左側に傾き、これに伴って操舵輪22が前後方向に対して角度θに傾斜し、パワーアシスト式電動台車2は直進から角度θに進行方向を転換することになる。
【0016】
また、油圧シリンダ32を伸張させた場合には、平行リンク機構30が右側に傾く。図3(2)に示すように油圧シリンダ32を最大伸張させ全長がLとなった場合に、各リンクが一直線上に並び、操舵輪22は前後方向に対して直角方向を向くため、パワーアシスト式電動台車2は並進走行を行うことになる。
【0017】
なお、この方法における操舵角θの検出は、油圧シリンダ32の伸縮量を直動式ポテンショメータ34で計測することで可能である。また、本実施の形態では、油圧シリンダ32を平行リンク機構30の左側のリンク30Lに取り付けているが、右側のリンク30R若しくは連結リンク30Aに連接することも可能である。
【0018】
次に、駆動輪ユニット6について説明する。図4に駆動輪ユニット6の正面図を示す。本実施の形態において、パワーアシスト式電動台車2の台車フレーム10の底部には、左右にそれぞれ駆動輪ユニット6を設けており、従って合計2箇所に図4に示す駆動輪ユニット6が配置されている。
【0019】
駆動輪ユニット6は、それぞれ独立した車軸を有するモータ駆動キャスタ40と非駆動キャスタ42とが平行に配置され、モータ駆動キャスタ40に駆動力を与える油圧モータ46が備えられる。モータ駆動キャスタ40と非駆動キャスタ42は、駆動輪ブラケット44にそれぞれ取り付ける。駆動用ブラケット44は、天板の下面に4枚の板材が垂直に配置された形状である。この天板の上面には回転軸48が装着され、回転軸48と駆動用ブラケット44とは一体化して動く構成とする。また各板材は2枚で1組とし、向かい合った板材に挟み込むように各キャスタを組み込む。各キャスタの配置は、前記回転軸48の軸心を中心にモータ駆動キャスタ40と非駆動キャスタ42とが左右対称になる位置とする。
【0020】
モータ駆動キャスタ40には、車軸に歯車ユニット50を固定する。歯車ユニット50は、主歯車52と減速歯車54との2個の平歯車を有し、そのうちの減速歯車54を前記車軸に固定し、主歯車52を油圧モータ46の回転軸に固定する。従って、モータ駆動キャスタ40は、歯車ユニット50を介して油圧モータ46の動力が伝達されることになる。また、非駆動キャスタ42には、特別な駆動手段を設けず、モータ駆動キャスタ40に従属して動作を行う。前記油圧モータ46は駆動輪ブラケット44に固定されており、前述した制御部12にて回転制御が行われる。
【0021】
このような駆動輪ユニット6を台車フレーム10の底部の後方に、左右にそれぞれ一箇所ずつ設け、パワーアシスト式電動台車2を駆動させる。また台車フレーム10の底部にはバッテリ56(図1参照)を設け、これを前記油圧モータ46の動力とする。油圧モータ46の駆動は、操舵輪ユニット4に用いた油圧ポンプを併用して行うものとする。
【0022】
ところで上述の駆動輪ユニット6には、前記回転軸48の回転を拘束する制動手段として電磁ブレーキ60が設けられている。図5に駆動輪ユニット6周辺の概略図を示す。コの字状に屈曲させた支持板58を台車フレーム10の底面に取り付け、支持板58の下辺の上面に円筒状の電磁ブレーキ60を配置する。この電磁ブレーキ60の中心に支持板58の下辺を貫通させて、駆動輪ユニット6の回転軸48を挿入する。
【0023】
駆動輪ユニット6の動作について説明する。電磁ブレーキ60によって回転軸48を固定し、その後に油圧モータ46を作動させる。油圧モータ46の回転はモータ駆動キャスタ40に伝達し、車輪を回転させる。モータ駆動キャスタ40が回転して駆動輪ユニット6が前進すると、非駆動キャスタ42も駆動輪ユニット6の動きに倣って回転し、パワーアシスト式電動台車2が前進する。
【0024】
また、電磁ブレーキ60を解放して回転軸48の回転を自由にし、モータ駆動キャスタ40を回転させた場合を考える。この時、モータ駆動キャスタ40が、回転軸48の軸心から偏芯した位置にあるため駆動輪ユニット6には偏芯モーメントが作用し、駆動輪ユニット6は回転軸48回りに回転する。すなわち、回転軸48は電磁ブレーキ60のオンオフの切り替えにより、回転軸48回りに回転可能であったり、回転を拘束されたりすることになり、駆動輪ユニット6は前後方向に対する角度を変化させることが可能となる。
【0025】
ところで前記電磁ブレーキ60のオンオフの切換えをなすために、リミットスイッチ62を設けている。リミットスイッチ62は、支持板58の台車フレーム10に垂直な面の内側に2箇所設けられ、それぞれの取り付け位置は、回転軸48に対して左右対称になるように配置される。このリミットスイッチ62は、回転軸48に取り付けたリミット検出用突起64が接触すると電磁ブレーキ60のオンオフが切り替わる構成である。
【0026】
リミット検出用突起64が、リミットスイッチ62の一方に接触した場合を回転軸48の角度0とする。この後に回転軸48を回転させ、リミット検出用突起64が回転軸48と共に回転して他方のリミットスイッチ62に接触した場合、回転軸48は軸回りに180度回転したことになる。従って、回転軸48の回転角度は最大で180度である。このようにしてリミットスイッチ62にリミット検出用突起64が接触することで回転軸48の角度を検出し、角度が0度または180度の場合に電磁ブレーキ60を閉じて、回転軸48の回転を停止する回路が実現できる。また、上記のリミットスイッチ機構とは別に、駆動輪ユニット6が任意の角度の時に、電磁ブレーキ60を操作できるブレーキスイッチ70が、操作ハンドル16の把持部に設けられる。
上記構成より、本実施の形態に係るパワーアシスト式電動台車2の動作を以下に説明する。
【0027】
まず、パワーアシスト式電動台車2が直進走行を行う場合は、図1(2)に示すように操舵輪ユニット4および駆動輪ユニット6に装着した車輪はすべて前後方向に向いている。この状態で、駆動輪ユニット6の回転軸48を電磁ブレーキ60にて固定して、2箇所のモータ駆動キャスタ40を前進方向に駆動させるとパワーアシスト式電動台車2は前方に走行する。
【0028】
図6(1)はパワーアシスト式電動台車2をその場旋回させる場合の説明図であり、(2)は並進走行を行う場合の説明図である。図6(1)に示すように、パワーアシスト式電動台車2を時計回りにその場旋回させる場合の動作を説明する。まず操舵輪ユニット4を制御し、油圧シリンダ32を伸張させて操舵輪22を車体前後方向に対して右に90度傾ける。駆動輪ユニット6は、電磁ブレーキ60によって回転軸48を固定しながら、油圧モータ46を駆動させる。この時、左側の駆動輪ユニット6は前進方向、右側のものは後進方向に油圧モータ46を制御する。これにより、駆動輪ユニット6が支点66を中心に回転を始め、これに伴ってパワーアシスト式電動台車2は支点を中心に時計回りのその場旋回を行う。
【0029】
また、図6(2)に示す並進走行の場合には、操舵輪22を上記と同様に制御し、駆動輪ユニット6は電磁ブレーキ60を解除して回転軸48を解放し、駆動をかけて回転させ車輪を車体前後方向に対して90度傾ける。この後、電磁ブレーキ60にて回転軸48を固定し、左右の駆動輪ユニット6が同一方向に走行するよう油圧モータ46を制御する。
【0030】
ところで、前述した操舵輪ユニット4および駆動輪ユニット6は、パワーアシスト式電動台車2を操作する作業者が操作ハンドル16に加えた力を反映させ、速度や旋回角度が決定される。操作ハンドル16の把持部を操作する操作力は、ロードセル18L(左側)およびロードセル18R(右側)によって検出されて制御部12に伝達される。
【0031】
図7に本発明を実現するための制御回路実施例を示す。左右のロードセル18の出力信号は、制御部12によって増幅、A/D変換され演算装置内で速度及び操舵制御の計算に用いられる。後述の演算結果から、駆動輪ユニット6のモータ回転方向と目標回転数がモータコントローラ72を介して左右の油圧モータ46のそれぞれに与えられ、タコジェネレータ74により回転数が制御部12内の演算装置にフィードバックされる。一方、操舵輪ユニット4は、演算結果にしたがって油圧シリンダ32が伸縮することで操舵を行う。操舵角度はポテンショメータ34によって演算装置にフィードバックされる。またブレーキスイッチ70によって電磁ブレーキ60の開閉を行う。
【0032】
制御部12では、ロードセル18L、18Rから得られた検出結果により、どのような操作力が与えられたかを演算する。例えば操作者が把持部を握っているだけで特別に力を加えていないような場合には、駆動速度がない、すなわち停止状態と判定される。また操作者が前方に押し出している場合は前進、逆に把持部を引き戻している場合には後進と判定される。さらに、左右の操作力の方向が異なる場合、例えば左は前進、右は後進という演算結果が得られた場合には、台車を右回りに旋回させる指令が下され、その力の大きさに応じて操舵輪ユニット4の油圧シリンダ32が伸縮し、操舵輪22を旋回させる。なお、非常に強い力で旋回操作が行われた場合には、把持部のブレーキスイッチ70を自動的に解除して駆動輪ユニット6を回転させる。従って、操舵輪である前輪だけでなく、駆動輪である後輪をも回転させて操舵輪とすることにより、曲率半径の小さい急旋回を行うことが可能となる。あるいは、台車を横方向に横行させたい場合など、操舵輪ユニット4と駆動輪ユニット6との操舵角を操作することができるため、台車を目的の場所に移動させる操作を簡易に行うことができる。
【0033】
図8は本発明による速度・操舵制御のフローチャート図である。制御開始後(101)、まずロードセル18に与えられた力の方向と大きさを検出する(102)。ロードセル18に与えられた力は、右側をFr、左側をFlとおき、前進方向を正の方向、後進方向を負と定義する。これらをある「しきい値」S1(>0)と比較して、以下の条件式に従ってパワーアシスト式電動台車2の進行方向を決定する走行モードMを得る(103)。この走行モードのしきい値S1は大きな値を取りすぎると発進に力が必要となり操作性が悪くなり、また小さすぎるとロードセル18のノイズなどにより誤動作する恐れがあるため、操作ハンドル16に両手で軽く触れる程度の力で切り換わることが望ましい。
【0034】
走行モードには、M=0(停止)、M=1(前進)、M=2(後進)の3種類のモードを設定し、Fr、Fl両方の値が、S1の絶対値より小さい場合には、M=0として台車を停止状態にする。Fr、Flの両方の値がS1よりも大きい場合には、M=1として、台車は前方に進行させる操作力を与えられたことになり前進する。Fr、Flの両方の値が−S1より小さい場合には、M=2として、台車は後方に進行させる操作力を与えられたことになり後進する。Fr、Rlの値が、上記のいずれにも当てはまらない場合には、Mは前回の値を維持する。
【0035】
次にMを前回の状態と比較し(104)、変更があればモードを書換え油圧モータ46の回転方向を変更する(105)。M=0の場合は力検出(104)に戻り、M=1、2の場合は速度ルーチン及び操舵ルーチンに進む。このような方法により、例えば一度前進モードに入れば、両手でロードセルをしきい値以上の力で引かないと後進には切り替わらないので、後述する速度及び操舵制御の場合分けが可能となる。
【0036】
次に速度制御方法について、図8を追って述べる。本発明では、速度目標値Vとして、両ロードセルに与えられた力の和(Fr+Fl)に係数Aを掛けたものを用いる(109、110)。
これにより力の大きさに従った速度制御が可能となる。但しM=1(前進モード)において(Fr+Fl)<0となった場合は全てV=0、同様にM=2の時(Fr+Fl)>0ならV=0とする。
【0037】
操舵角度がθの時は、外輪側の速度目標値VoをVo=Vとして、これに内輪側の速度目標値ViをVi=C(θ)・Vとし、独立してタコジェネレータを用いて速度フィードバック制御を行う(111)。なお、上記の式においてC(θ)は、操舵角度θに関する関数を意味する。
これら速度目標値をモータコントローラヘ出力して、制御ループは再び力検出へと戻る(102)。
【0038】
次に台車の操舵制御方法について述べる。まずタコジェネレータ74で台車速度Dを検知する。ここでDは前進方向が正の値であると仮定する。次にFr、Flとの差、すなわち操作ハンドル16に加わる捻りH=Fr―Flを計算する(106)。ここでH<0なら右回りの捻り、H>0ならば左回りを表す。この捻りHについても、しきい値S2(>0)を設定しておく。そして、捻りHと台車速度Dと走行モードMとの状況に応じて、表1に示すように操舵方向を場合分けする。
【表1】
【0039】
例えば、速度D及び進行方向モードMがともに前進を示している場合、すなわちD>0、M=1の場合にH>S2の時には、操作力は左回りの捻りが大きいと判断され、操舵方向は左回りであると判定される。また、D>0、M=1の場合にH<―S2の時には、右回りの捻りが大きいと見なされ、操舵方向は右回りと判定される。
【0040】
一方、速度D及び走行モードがともに後進を示しているとき、すなわちD<0、M=2の場合には、前進の時とは反対にH>S2の時は、操舵方向は右回り、H<―S2の時は左回りとする。
また、例えば坂道を下る際に操作者は操作ハンドル16を手前に引きつつ(後進モード)台車を前進させる場合、すなわちD>0、M=2の場合には、H>S2の時は操舵方向は左回り、H<―S2の時は右回りとなる。逆に、坂道を後進する際に、操作者は操作ハンドル16を前方に押しつつ(前進モード)台車を後退させる場合、すなわちD<0、M=1の場合には、H>S2の時は操舵方向を右回り、H<―S2の時は左回りとする。なお、Hの絶対値がしきい値S2以下の時、すなわちS2≧H≧―S2の時には、操舵方向を直進とする。
【0041】
ここで操舵角度θは捻りHに、係数Kを掛けた値を目標値とし(107)、この目標値θとなるようにポテンショメータを用いて位置フィードバック制御を行う(108)。
上記の方法により、登坂中に瞬間的に操作方向と逆に台車が動いた場合や、モータが起動トルク以下で速度0の場合も、意志通りの方向への操舵が可能となる。
【0042】
このように、操作ハンドル16に加えられた力を前後方向に対する力と捻りを検出し、適切な操舵角・速度を演算して操舵輪ユニット4および駆動輪ユニット6を操作制御することができる。操舵輪ユニット4は、平行リンク機構30により操舵をなし、これを油圧シリンダ32で動作させることにより制御部12で演算された操舵角どおりに操舵輪ユニット4を操舵することが可能となる。これは、非常に重量のある積載物を積む場合、荷重がかかることにより操舵輪が旋回せず操舵性が不確実になるという問題に対して、確実な操舵を行えるという効果がある。また、駆動輪ユニット6にはそれぞれ独立して駆動輪を旋回可能とする機構が設けられており、操舵輪ユニット4と組み合わせて操舵した場合、急旋回やその場旋回、横行などの小回りの効く操作が可能となる。従って、操作者が急旋回などを意図して操作ハンドル16に力を加えた場合でも、本実施形態のパワーアシスト式電動台車2はこれを実現することができる。操作者は、たとえ重量物を積載していても、手押し台車の操作感覚で運搬可能である。このようなパワーアシストを用いた運転方法は、ペンダントスイッチ等による運転と比べ、操作者の感覚が伝わりやすく、またその感覚が操作者自身の手に反映されるため、安全かつ容易である。本発明では台車進行方向に応じて、ハンドルに加わる回転モーメントと操舵方向の対応付けを切換えるため、直進中にハンドルの左右に大きな正負の力を加えて急に操舵方向を変更できる。またハンドル操作には不感帯を設けて、一定以上の操作力でないと運転不可能とすることで、誤操作による台車の暴走を防止するなどの安全対策も実現している。これによって非常に手押し台車の操作感覚に近い、安全な運転が実現可能となった。
【0043】
【発明の効果】
上記構成により、本発明は操作ハンドルに加えられた操作力を検出し、平行リンク機構に連結されたシリンダ駆動手段を伸縮させて駆動操作する。操舵輪は、操作者が意図した方向へ台車が旋回するようストロークの伸縮量が制御され、これにより操舵角が決定される。このことから、重量物を積載しているような場合でも、ストローク伸縮により操舵輪を旋回させることが可能となるため、いかなる場合でも確実に操舵角の制御を行うことができる。
【0044】
また駆動輪においてもモータ駆動キャスタと非駆動キャスタなどにより構成される操舵機構を設けることにより、それぞれ独立して操舵可能となる。すなわちパワーアシスト式電動台車は全輪操舵が可能となり、狭隘な現場での作業において、急旋回や横行などの小回りの利く無理のないスムーズな運搬作業を実施することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係るパワーアシスト式電動台車の側面図および平面図である。
【図2】本実施の形態に係るパワーアシスト式電動台車の前輪ユニットの概略図である。
【図3】本実施の形態に係る前輪ユニットの動作の説明図であり、(1)は前後方向に対して前輪ユニットが左側にθの角度を持っている場合を示し、(2)は左右へ並進走行(直角走行)をする場合を示す。
【図4】本実施の形態に係るパワーアシスト式電動台車の後輪ユニットの正面図である。
【図5】本実施の形態に係る後輪ユニット周辺の概略図である。
【図6】本実施の形態に係るパワーアシスト式電動台車の動作の説明図である。
【図7】本実施の形態に係る制御回路の実施例である。
【図8】本実施の形態に係る操舵・走行制御のフローチャートである。
【符号の説明】
2………電動運搬台車、4………操舵輪ユニット、6………駆動輪ユニット、10………台車フレーム、12………制御部、16………操作ハンドル、18………ロードセル、22………操舵輪、24………前輪フレーム、28………支持軸、30………平行リンク機構、32………油圧シリンダ、34………ポテンショメータ、40………モータ駆動キャスタ、42………非駆動キャスタ、44………駆動輪ブラケット、46………油圧モータ、48………回転軸、50………歯車ユニット、52………主歯車、54………減速歯車、56………バッテリ、58………支持板、60………電磁ブレーキ、62………リミットスイッチ、64………リミット検出用突起、66………支点、70………ブレーキスイッチ、72………モータコントローラ、74………タコジェネレータ。
【発明の属する技術分野】
本発明は、電動台車に係り、特にハンドル操作力によって走行・操舵の制御が可能なパワーアシスト機能付きの電動台車に関する。
【0002】
【従来の技術】
ビルあるいは発電所等の建設作業現場において、機器の搬入などを行う場合に荷役運搬用の手押し台車を用いる場合がある。手押し台車は積荷重量が重いほど操作に大きな力を要することから、駆動と操舵とを電動で行う電動式台車が開発されている。しかし、電動式台車は方向や速度などをリモコンスイッチ等により操作することから、その運転が難しいという問題がある。そこで、運転者が台車を押す力を検出し、その力の大きさと方向に応じて駆動・操舵の制御を行うパワーアシスト式電動台車が用いられている。パワーアシスト式電動台車の公知例として、特開平9―109892号公報、特開平9―202235号公報が挙げられる。これらは、後輪にモータなどの駆動装置を設けてこれを駆動輪とし、前輪を操舵機構が備えられた操舵輪とし、ハンドル部分に備えられた力検出器により検知された操作力を駆動輪・操舵輪に反映させて台車の走行速度や方向を支持する構成である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このようなパワーアシスト式電動台車の操舵は、操舵輪の左右それぞれの車輪に各々独立して回転数を制御させるモータなどの駆動源を設けている。旋回の際には、曲進方向に対して内側の車輪の回転数を低減させ、かつ外側の車輪の回転数を増大させる制御を行っている。旋回方向や走行速度などは、操作者がハンドルに加えた力に応じて決定される。
【0004】
ところで、建設作業現場でパワーアシスト式電動台車に積載される荷は非常に重量の重いものが多く、荷重のかかった操舵輪を方向転換させることは非常に困難である。操舵輪には操作者がハンドルに加えた力に応じた回転数が与えられたとしても、荷重のかかった操舵輪が空回りする可能性がある。すると、操作者の望む角度まで台車は旋回できず、操作者は新たにハンドルを操作しなければならない。また、操舵輪を回転させる駆動源には大きな負担がかかることとなる。
【0005】
また駆動輪である後輪は操舵機構を有していないため、パワーアシスト式電動台車を方向転換させる場合に、旋回運動のための大きな旋回スペースが必要であった。そのため、狭隘な作業現場の通路での対面通行や曲がり角での急旋回等を行うことが困難であり、作業に支障を来すことも考えられる。
【0006】
本発明は上記問題点に着目し、操作力を確実に操舵角に反映でき、かつ操舵輪と駆動輪とをそれぞれ独立に操舵可能とした簡便な機構のパワーアシスト式の電動台車を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明に係る電動台車は、操作ハンドルへの操作力を検出して台車への前後駆動と左右操舵をなす電動台車において、左右操舵輪をリンク機構により連結して操舵可能としつつ前記リンク機構をシリンダ駆動手段により駆動操作可能としておき、前記操作ハンドルによる左右操舵力の感知により前記シリンダ駆動手段のストローク制御をなして操舵制御することを特徴としている。
【0008】
前記台車に装備した駆動輪はモータ駆動構造とされ、前記操作ハンドルに対する前後操作力の感知により前記モータを正逆回転させて前進・後進の駆動制御をなすものである。また、前記台車に装備した各駆動輪はモータ駆動キャスタの回転に伴う前後走行移動を可能となすとともに、駆動輪ブラケットを旋回軸回りに回転可能とし、前記駆動輪の回転力を利用して操舵可能としつつ、前記操作ハンドルによる左右操舵力の感知により駆動輪の操舵制御を可能としている。
【0009】
また、本発明に係る電動台車は、操作ハンドルの操作力を検出して台車の左右操舵をなす電動台車において、前記操作ハンドルによる左右操舵力の力の差から算出される捻りの大きさと台車の進行方向から操舵方向とを決定し、前記捻りの大きさに比例した操舵角度となるように制御されるものでもよい。
【0010】
さらに、操作ハンドルの操作力を検出して台車の前後駆動をなす電動台車において、前記操作ハンドルによる左右操作力が共にしきい値を越え、かつ進行方向が一致した時に台車の進行方向が決定され、前記左右操作力の和に比例した走行速度となるように制御される構成となすこともできる。前記左右操作力が共にしきい値以下の時に台車が停止し、前記左右操作力のいずれか一方のみがしきい値以下か、または前記左右操作力の進行方向が互いに逆の時に台車の進行方向を変更しないように制御される。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に本発明に係るパワーアシスト式電動台車の実施形態を、図面を参照して説明する。図1に本実施形態に係るパワーアシスト式電動台車の側面図および平面図を示す。
パワーアシスト式電動台車2は、荷を積載するための平板状の台車フレーム10と、当該台車フレーム10の底部前方に配置された操舵輪ユニット4と、底部後方の左右に配置された駆動輪である駆動輪ユニット6と、コの字状の操作ハンドル16とから構成される。操作ハンドル16の両側部には、操作ハンドル16に加えられた操作力を検出するロードセル18がそれぞれ取り付けられる。
【0012】
操舵輪ユニット4の概略を図2に示す。操舵輪ユニット4は、左右の操舵輪22を平行リンク機構30により連結し、シリンダ駆動手段として直動式の油圧シリンダ32により平行リンク機構30を駆動操作する構成である。操舵輪22はキャスタであり、自由に方向変換できるように前輪フレーム24に取り付けられる。前輪フレーム24は断面コの字型の支持部により操舵輪22を挟み込んで支持するとともに、上方向に突出した支持軸28を有する。支持軸28は操舵輪22を回転自在に支持するように図示しない軸受けを介して台車フレーム10の底部に取り付けられる。
【0013】
平行リンク機構30は、左右のリンク30L、30Rの一端をリンク30Aで連結した構造とされる。リンク30Aは台車フレーム10の前面にくるように配置され、左右両側のリンク30L、30Rの中間位置にそれぞれ前輪フレーム24の支持軸28を取り付ける。またリンク30Lの端部31には油圧シリンダ32がピン結合される。この油圧シリンダ32を伸縮させると、リンク30Lの端部31の位置が変化することにより左右両側のリンク30L、30Rが支持軸28を支点として回転し、操舵輪22の操舵角が変化する。この時、操舵角の最大振り幅を左右それぞれ90度とする。すなわち図2において油圧シリンダ32を最大収縮させると、平行リンク機構30の各リンクが横一直線上に並び、操舵輪22は左に90度旋回する。逆に油圧シリンダ32を最大伸張させると、操舵輪は右に90度旋回する。伸縮量と操舵角との関係は常に一定であることから、操舵輪22は油圧シリンダの伸縮量を変化させることにより確実に操舵輪22が旋回して操舵角が決定され、その操舵角に従った旋回動作をパワーアシスト式電動台車2に行わせることができる。
【0014】
前記油圧シリンダ32の制御は、台車フレーム10の底部に設けられた制御部12により行う。この制御部12は、パワーアシスト式電動台車2の操作ハンドル16に取り付けられた左右のロードセル18に接続されており、ロードセル18で検出した力から台車の操舵角を算出し、この結果を油圧シリンダ32の伸縮量に反映させている。なお、符号14は操作パネルであり、油圧ユニット33や制御部12の起動・停止を手元で操作できる。
【0015】
ここで操舵輪ユニット4の動作を、図2および図3を参照して説明する。図2(2)はパワーアシスト式電動台車2が直進する場合を示し、図3(1)は台車の前後方向に対して操舵輪ユニット4が左側にθの角度を持っている場合を示し、図3(2)は並進走行(直角走行)をする場合の動作の説明図である。
図2(2)に示した通常の状態では、操舵輪ユニット4の車輪はそれぞれパワーアシスト式電動台車2の前後方向に平行な状態にあり、平行リンク機構30は各リンクが互いに直角をなしたコの字型となっている。この状態より油圧シリンダ32を作動させ、通常状態より油圧シリンダ32を短縮させる。この時、図3(1)に示すように、左右の各リンク30L、30Rが回転して角度θだけ左側に傾き、これに伴って操舵輪22が前後方向に対して角度θに傾斜し、パワーアシスト式電動台車2は直進から角度θに進行方向を転換することになる。
【0016】
また、油圧シリンダ32を伸張させた場合には、平行リンク機構30が右側に傾く。図3(2)に示すように油圧シリンダ32を最大伸張させ全長がLとなった場合に、各リンクが一直線上に並び、操舵輪22は前後方向に対して直角方向を向くため、パワーアシスト式電動台車2は並進走行を行うことになる。
【0017】
なお、この方法における操舵角θの検出は、油圧シリンダ32の伸縮量を直動式ポテンショメータ34で計測することで可能である。また、本実施の形態では、油圧シリンダ32を平行リンク機構30の左側のリンク30Lに取り付けているが、右側のリンク30R若しくは連結リンク30Aに連接することも可能である。
【0018】
次に、駆動輪ユニット6について説明する。図4に駆動輪ユニット6の正面図を示す。本実施の形態において、パワーアシスト式電動台車2の台車フレーム10の底部には、左右にそれぞれ駆動輪ユニット6を設けており、従って合計2箇所に図4に示す駆動輪ユニット6が配置されている。
【0019】
駆動輪ユニット6は、それぞれ独立した車軸を有するモータ駆動キャスタ40と非駆動キャスタ42とが平行に配置され、モータ駆動キャスタ40に駆動力を与える油圧モータ46が備えられる。モータ駆動キャスタ40と非駆動キャスタ42は、駆動輪ブラケット44にそれぞれ取り付ける。駆動用ブラケット44は、天板の下面に4枚の板材が垂直に配置された形状である。この天板の上面には回転軸48が装着され、回転軸48と駆動用ブラケット44とは一体化して動く構成とする。また各板材は2枚で1組とし、向かい合った板材に挟み込むように各キャスタを組み込む。各キャスタの配置は、前記回転軸48の軸心を中心にモータ駆動キャスタ40と非駆動キャスタ42とが左右対称になる位置とする。
【0020】
モータ駆動キャスタ40には、車軸に歯車ユニット50を固定する。歯車ユニット50は、主歯車52と減速歯車54との2個の平歯車を有し、そのうちの減速歯車54を前記車軸に固定し、主歯車52を油圧モータ46の回転軸に固定する。従って、モータ駆動キャスタ40は、歯車ユニット50を介して油圧モータ46の動力が伝達されることになる。また、非駆動キャスタ42には、特別な駆動手段を設けず、モータ駆動キャスタ40に従属して動作を行う。前記油圧モータ46は駆動輪ブラケット44に固定されており、前述した制御部12にて回転制御が行われる。
【0021】
このような駆動輪ユニット6を台車フレーム10の底部の後方に、左右にそれぞれ一箇所ずつ設け、パワーアシスト式電動台車2を駆動させる。また台車フレーム10の底部にはバッテリ56(図1参照)を設け、これを前記油圧モータ46の動力とする。油圧モータ46の駆動は、操舵輪ユニット4に用いた油圧ポンプを併用して行うものとする。
【0022】
ところで上述の駆動輪ユニット6には、前記回転軸48の回転を拘束する制動手段として電磁ブレーキ60が設けられている。図5に駆動輪ユニット6周辺の概略図を示す。コの字状に屈曲させた支持板58を台車フレーム10の底面に取り付け、支持板58の下辺の上面に円筒状の電磁ブレーキ60を配置する。この電磁ブレーキ60の中心に支持板58の下辺を貫通させて、駆動輪ユニット6の回転軸48を挿入する。
【0023】
駆動輪ユニット6の動作について説明する。電磁ブレーキ60によって回転軸48を固定し、その後に油圧モータ46を作動させる。油圧モータ46の回転はモータ駆動キャスタ40に伝達し、車輪を回転させる。モータ駆動キャスタ40が回転して駆動輪ユニット6が前進すると、非駆動キャスタ42も駆動輪ユニット6の動きに倣って回転し、パワーアシスト式電動台車2が前進する。
【0024】
また、電磁ブレーキ60を解放して回転軸48の回転を自由にし、モータ駆動キャスタ40を回転させた場合を考える。この時、モータ駆動キャスタ40が、回転軸48の軸心から偏芯した位置にあるため駆動輪ユニット6には偏芯モーメントが作用し、駆動輪ユニット6は回転軸48回りに回転する。すなわち、回転軸48は電磁ブレーキ60のオンオフの切り替えにより、回転軸48回りに回転可能であったり、回転を拘束されたりすることになり、駆動輪ユニット6は前後方向に対する角度を変化させることが可能となる。
【0025】
ところで前記電磁ブレーキ60のオンオフの切換えをなすために、リミットスイッチ62を設けている。リミットスイッチ62は、支持板58の台車フレーム10に垂直な面の内側に2箇所設けられ、それぞれの取り付け位置は、回転軸48に対して左右対称になるように配置される。このリミットスイッチ62は、回転軸48に取り付けたリミット検出用突起64が接触すると電磁ブレーキ60のオンオフが切り替わる構成である。
【0026】
リミット検出用突起64が、リミットスイッチ62の一方に接触した場合を回転軸48の角度0とする。この後に回転軸48を回転させ、リミット検出用突起64が回転軸48と共に回転して他方のリミットスイッチ62に接触した場合、回転軸48は軸回りに180度回転したことになる。従って、回転軸48の回転角度は最大で180度である。このようにしてリミットスイッチ62にリミット検出用突起64が接触することで回転軸48の角度を検出し、角度が0度または180度の場合に電磁ブレーキ60を閉じて、回転軸48の回転を停止する回路が実現できる。また、上記のリミットスイッチ機構とは別に、駆動輪ユニット6が任意の角度の時に、電磁ブレーキ60を操作できるブレーキスイッチ70が、操作ハンドル16の把持部に設けられる。
上記構成より、本実施の形態に係るパワーアシスト式電動台車2の動作を以下に説明する。
【0027】
まず、パワーアシスト式電動台車2が直進走行を行う場合は、図1(2)に示すように操舵輪ユニット4および駆動輪ユニット6に装着した車輪はすべて前後方向に向いている。この状態で、駆動輪ユニット6の回転軸48を電磁ブレーキ60にて固定して、2箇所のモータ駆動キャスタ40を前進方向に駆動させるとパワーアシスト式電動台車2は前方に走行する。
【0028】
図6(1)はパワーアシスト式電動台車2をその場旋回させる場合の説明図であり、(2)は並進走行を行う場合の説明図である。図6(1)に示すように、パワーアシスト式電動台車2を時計回りにその場旋回させる場合の動作を説明する。まず操舵輪ユニット4を制御し、油圧シリンダ32を伸張させて操舵輪22を車体前後方向に対して右に90度傾ける。駆動輪ユニット6は、電磁ブレーキ60によって回転軸48を固定しながら、油圧モータ46を駆動させる。この時、左側の駆動輪ユニット6は前進方向、右側のものは後進方向に油圧モータ46を制御する。これにより、駆動輪ユニット6が支点66を中心に回転を始め、これに伴ってパワーアシスト式電動台車2は支点を中心に時計回りのその場旋回を行う。
【0029】
また、図6(2)に示す並進走行の場合には、操舵輪22を上記と同様に制御し、駆動輪ユニット6は電磁ブレーキ60を解除して回転軸48を解放し、駆動をかけて回転させ車輪を車体前後方向に対して90度傾ける。この後、電磁ブレーキ60にて回転軸48を固定し、左右の駆動輪ユニット6が同一方向に走行するよう油圧モータ46を制御する。
【0030】
ところで、前述した操舵輪ユニット4および駆動輪ユニット6は、パワーアシスト式電動台車2を操作する作業者が操作ハンドル16に加えた力を反映させ、速度や旋回角度が決定される。操作ハンドル16の把持部を操作する操作力は、ロードセル18L(左側)およびロードセル18R(右側)によって検出されて制御部12に伝達される。
【0031】
図7に本発明を実現するための制御回路実施例を示す。左右のロードセル18の出力信号は、制御部12によって増幅、A/D変換され演算装置内で速度及び操舵制御の計算に用いられる。後述の演算結果から、駆動輪ユニット6のモータ回転方向と目標回転数がモータコントローラ72を介して左右の油圧モータ46のそれぞれに与えられ、タコジェネレータ74により回転数が制御部12内の演算装置にフィードバックされる。一方、操舵輪ユニット4は、演算結果にしたがって油圧シリンダ32が伸縮することで操舵を行う。操舵角度はポテンショメータ34によって演算装置にフィードバックされる。またブレーキスイッチ70によって電磁ブレーキ60の開閉を行う。
【0032】
制御部12では、ロードセル18L、18Rから得られた検出結果により、どのような操作力が与えられたかを演算する。例えば操作者が把持部を握っているだけで特別に力を加えていないような場合には、駆動速度がない、すなわち停止状態と判定される。また操作者が前方に押し出している場合は前進、逆に把持部を引き戻している場合には後進と判定される。さらに、左右の操作力の方向が異なる場合、例えば左は前進、右は後進という演算結果が得られた場合には、台車を右回りに旋回させる指令が下され、その力の大きさに応じて操舵輪ユニット4の油圧シリンダ32が伸縮し、操舵輪22を旋回させる。なお、非常に強い力で旋回操作が行われた場合には、把持部のブレーキスイッチ70を自動的に解除して駆動輪ユニット6を回転させる。従って、操舵輪である前輪だけでなく、駆動輪である後輪をも回転させて操舵輪とすることにより、曲率半径の小さい急旋回を行うことが可能となる。あるいは、台車を横方向に横行させたい場合など、操舵輪ユニット4と駆動輪ユニット6との操舵角を操作することができるため、台車を目的の場所に移動させる操作を簡易に行うことができる。
【0033】
図8は本発明による速度・操舵制御のフローチャート図である。制御開始後(101)、まずロードセル18に与えられた力の方向と大きさを検出する(102)。ロードセル18に与えられた力は、右側をFr、左側をFlとおき、前進方向を正の方向、後進方向を負と定義する。これらをある「しきい値」S1(>0)と比較して、以下の条件式に従ってパワーアシスト式電動台車2の進行方向を決定する走行モードMを得る(103)。この走行モードのしきい値S1は大きな値を取りすぎると発進に力が必要となり操作性が悪くなり、また小さすぎるとロードセル18のノイズなどにより誤動作する恐れがあるため、操作ハンドル16に両手で軽く触れる程度の力で切り換わることが望ましい。
【0034】
走行モードには、M=0(停止)、M=1(前進)、M=2(後進)の3種類のモードを設定し、Fr、Fl両方の値が、S1の絶対値より小さい場合には、M=0として台車を停止状態にする。Fr、Flの両方の値がS1よりも大きい場合には、M=1として、台車は前方に進行させる操作力を与えられたことになり前進する。Fr、Flの両方の値が−S1より小さい場合には、M=2として、台車は後方に進行させる操作力を与えられたことになり後進する。Fr、Rlの値が、上記のいずれにも当てはまらない場合には、Mは前回の値を維持する。
【0035】
次にMを前回の状態と比較し(104)、変更があればモードを書換え油圧モータ46の回転方向を変更する(105)。M=0の場合は力検出(104)に戻り、M=1、2の場合は速度ルーチン及び操舵ルーチンに進む。このような方法により、例えば一度前進モードに入れば、両手でロードセルをしきい値以上の力で引かないと後進には切り替わらないので、後述する速度及び操舵制御の場合分けが可能となる。
【0036】
次に速度制御方法について、図8を追って述べる。本発明では、速度目標値Vとして、両ロードセルに与えられた力の和(Fr+Fl)に係数Aを掛けたものを用いる(109、110)。
これにより力の大きさに従った速度制御が可能となる。但しM=1(前進モード)において(Fr+Fl)<0となった場合は全てV=0、同様にM=2の時(Fr+Fl)>0ならV=0とする。
【0037】
操舵角度がθの時は、外輪側の速度目標値VoをVo=Vとして、これに内輪側の速度目標値ViをVi=C(θ)・Vとし、独立してタコジェネレータを用いて速度フィードバック制御を行う(111)。なお、上記の式においてC(θ)は、操舵角度θに関する関数を意味する。
これら速度目標値をモータコントローラヘ出力して、制御ループは再び力検出へと戻る(102)。
【0038】
次に台車の操舵制御方法について述べる。まずタコジェネレータ74で台車速度Dを検知する。ここでDは前進方向が正の値であると仮定する。次にFr、Flとの差、すなわち操作ハンドル16に加わる捻りH=Fr―Flを計算する(106)。ここでH<0なら右回りの捻り、H>0ならば左回りを表す。この捻りHについても、しきい値S2(>0)を設定しておく。そして、捻りHと台車速度Dと走行モードMとの状況に応じて、表1に示すように操舵方向を場合分けする。
【表1】
【0039】
例えば、速度D及び進行方向モードMがともに前進を示している場合、すなわちD>0、M=1の場合にH>S2の時には、操作力は左回りの捻りが大きいと判断され、操舵方向は左回りであると判定される。また、D>0、M=1の場合にH<―S2の時には、右回りの捻りが大きいと見なされ、操舵方向は右回りと判定される。
【0040】
一方、速度D及び走行モードがともに後進を示しているとき、すなわちD<0、M=2の場合には、前進の時とは反対にH>S2の時は、操舵方向は右回り、H<―S2の時は左回りとする。
また、例えば坂道を下る際に操作者は操作ハンドル16を手前に引きつつ(後進モード)台車を前進させる場合、すなわちD>0、M=2の場合には、H>S2の時は操舵方向は左回り、H<―S2の時は右回りとなる。逆に、坂道を後進する際に、操作者は操作ハンドル16を前方に押しつつ(前進モード)台車を後退させる場合、すなわちD<0、M=1の場合には、H>S2の時は操舵方向を右回り、H<―S2の時は左回りとする。なお、Hの絶対値がしきい値S2以下の時、すなわちS2≧H≧―S2の時には、操舵方向を直進とする。
【0041】
ここで操舵角度θは捻りHに、係数Kを掛けた値を目標値とし(107)、この目標値θとなるようにポテンショメータを用いて位置フィードバック制御を行う(108)。
上記の方法により、登坂中に瞬間的に操作方向と逆に台車が動いた場合や、モータが起動トルク以下で速度0の場合も、意志通りの方向への操舵が可能となる。
【0042】
このように、操作ハンドル16に加えられた力を前後方向に対する力と捻りを検出し、適切な操舵角・速度を演算して操舵輪ユニット4および駆動輪ユニット6を操作制御することができる。操舵輪ユニット4は、平行リンク機構30により操舵をなし、これを油圧シリンダ32で動作させることにより制御部12で演算された操舵角どおりに操舵輪ユニット4を操舵することが可能となる。これは、非常に重量のある積載物を積む場合、荷重がかかることにより操舵輪が旋回せず操舵性が不確実になるという問題に対して、確実な操舵を行えるという効果がある。また、駆動輪ユニット6にはそれぞれ独立して駆動輪を旋回可能とする機構が設けられており、操舵輪ユニット4と組み合わせて操舵した場合、急旋回やその場旋回、横行などの小回りの効く操作が可能となる。従って、操作者が急旋回などを意図して操作ハンドル16に力を加えた場合でも、本実施形態のパワーアシスト式電動台車2はこれを実現することができる。操作者は、たとえ重量物を積載していても、手押し台車の操作感覚で運搬可能である。このようなパワーアシストを用いた運転方法は、ペンダントスイッチ等による運転と比べ、操作者の感覚が伝わりやすく、またその感覚が操作者自身の手に反映されるため、安全かつ容易である。本発明では台車進行方向に応じて、ハンドルに加わる回転モーメントと操舵方向の対応付けを切換えるため、直進中にハンドルの左右に大きな正負の力を加えて急に操舵方向を変更できる。またハンドル操作には不感帯を設けて、一定以上の操作力でないと運転不可能とすることで、誤操作による台車の暴走を防止するなどの安全対策も実現している。これによって非常に手押し台車の操作感覚に近い、安全な運転が実現可能となった。
【0043】
【発明の効果】
上記構成により、本発明は操作ハンドルに加えられた操作力を検出し、平行リンク機構に連結されたシリンダ駆動手段を伸縮させて駆動操作する。操舵輪は、操作者が意図した方向へ台車が旋回するようストロークの伸縮量が制御され、これにより操舵角が決定される。このことから、重量物を積載しているような場合でも、ストローク伸縮により操舵輪を旋回させることが可能となるため、いかなる場合でも確実に操舵角の制御を行うことができる。
【0044】
また駆動輪においてもモータ駆動キャスタと非駆動キャスタなどにより構成される操舵機構を設けることにより、それぞれ独立して操舵可能となる。すなわちパワーアシスト式電動台車は全輪操舵が可能となり、狭隘な現場での作業において、急旋回や横行などの小回りの利く無理のないスムーズな運搬作業を実施することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係るパワーアシスト式電動台車の側面図および平面図である。
【図2】本実施の形態に係るパワーアシスト式電動台車の前輪ユニットの概略図である。
【図3】本実施の形態に係る前輪ユニットの動作の説明図であり、(1)は前後方向に対して前輪ユニットが左側にθの角度を持っている場合を示し、(2)は左右へ並進走行(直角走行)をする場合を示す。
【図4】本実施の形態に係るパワーアシスト式電動台車の後輪ユニットの正面図である。
【図5】本実施の形態に係る後輪ユニット周辺の概略図である。
【図6】本実施の形態に係るパワーアシスト式電動台車の動作の説明図である。
【図7】本実施の形態に係る制御回路の実施例である。
【図8】本実施の形態に係る操舵・走行制御のフローチャートである。
【符号の説明】
2………電動運搬台車、4………操舵輪ユニット、6………駆動輪ユニット、10………台車フレーム、12………制御部、16………操作ハンドル、18………ロードセル、22………操舵輪、24………前輪フレーム、28………支持軸、30………平行リンク機構、32………油圧シリンダ、34………ポテンショメータ、40………モータ駆動キャスタ、42………非駆動キャスタ、44………駆動輪ブラケット、46………油圧モータ、48………回転軸、50………歯車ユニット、52………主歯車、54………減速歯車、56………バッテリ、58………支持板、60………電磁ブレーキ、62………リミットスイッチ、64………リミット検出用突起、66………支点、70………ブレーキスイッチ、72………モータコントローラ、74………タコジェネレータ。
Claims (6)
- 操作ハンドルへの操作力を検出して台車への前後駆動と左右操舵をなす電動台車において、左右操舵輪をリンク機構により連結して操舵可能としつつ前記リンク機構をシリンダ駆動手段により駆動操作可能としておき、前記操作ハンドルによる左右操舵力の感知により前記シリンダ駆動手段のストローク制御をなして操舵制御することを特徴とする電動台車。
- 前記台車に装備した駆動輪はモータ駆動構造とされ、前記操作ハンドルに対する前後操作力の感知により前記モータを正逆回転させて前進・後進の駆動制御をなすことを特徴とする請求項1に記載の電動台車。
- 前記台車に装備した各駆動輪はモータ駆動キャスタの回転に伴う前後走行移動を可能となすとともに、駆動輪ブラケットを旋回軸回りに回転可能とし、前記駆動輪の回転力を利用して操舵可能としつつ、前記操作ハンドルによる左右操舵力の感知により駆動輪の操舵制御を可能としたことを特徴とする請求項1に記載の電動台車。
- 操作ハンドルの操作力を検出して台車の左右操舵をなす電動台車において、前記操作ハンドルによる左右操舵力の力の差から算出される捻りの大きさと台車の進行方向から操舵方向とを決定し、前記捻りの大きさに比例した操舵角度となるように制御されることを特徴とする電動台車。
- 操作ハンドルの操作力を検出して台車の前後駆動をなす電動台車において、前記操作ハンドルによる左右操作力が共にしきい値を越え、かつ進行方向が一致した時に台車の進行方向が決定され、前記左右操作力の和に比例した走行速度となるように制御されることを特徴とする電動台車。
- 前記左右操作力が共にしきい値以下の時に台車が停止し、前記左右操作力のいずれか一方のみがしきい値以下か、または前記左右操作力の進行方向が互いに逆の時に台車の進行方向を変更しないように制御されることを特徴とする請求項5に記載の電動台車。
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