JP4091101B1 - 食品包装容器およびその製造方法 - Google Patents

食品包装容器およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4091101B1
JP4091101B1 JP2007242757A JP2007242757A JP4091101B1 JP 4091101 B1 JP4091101 B1 JP 4091101B1 JP 2007242757 A JP2007242757 A JP 2007242757A JP 2007242757 A JP2007242757 A JP 2007242757A JP 4091101 B1 JP4091101 B1 JP 4091101B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
inner layer
food packaging
lid
layer
container
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2007242757A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009073507A (ja
Inventor
直三 安藤
Original Assignee
アンドウケミカル株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by アンドウケミカル株式会社 filed Critical アンドウケミカル株式会社
Priority to JP2007242757A priority Critical patent/JP4091101B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4091101B1 publication Critical patent/JP4091101B1/ja
Publication of JP2009073507A publication Critical patent/JP2009073507A/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Closing Of Containers (AREA)
  • Packages (AREA)
  • Closures For Containers (AREA)

Abstract

【課題】易開封性を損なうことなく密封性を高めることができ、しかも製造の容易な食品包装容器を提供する。
【解決手段】食品包装容器3は、側部4aおよび底部4bを有し、側部4aの上端が開口した有底筒状の収容部4と、側部4aの上端から外径側に張り出し、蓋材2が固着されるフランジ部5とを備える。この容器3は、剥離可能に設けられた内層6および基材層7を有する多層シートを成形して得られた型成形品であり、側部4aの内層6には、全周に亘って延びる分離部8が設けられている。多層シートの内層6のうち、分離部8よりも上側の領域は、蓋材2の開封時、蓋材2と一体に基材層7から剥離可能な剥離部9とされる。
【選択図】図1

Description

本発明は食品包装容器およびその製造方法に関し、特に豆腐、心太、ゼリー等、液体含有量が多い食品の包装に好適な食品包装容器およびその製造方法に関するものである。
食品包装用の包装体は、主に食品包装容器と蓋材とを備え、食品の保存性を高める観点および食品漏れ(液漏れ)を防止する観点等から、両者の間には高い密封性が求められる。その一方で、容器内に収容された食品の取り出しを円滑に行う観点から易開封性が求められており、この相反する特性を同時に具備すべく様々な提案がなされている。
密封性と易開封性とを具備する食品包装容器として、図6(a)に示すものが公知である。詳細には、剥離可能に設けられた内層45および基材層46を有する多層シートから型成形され、側部および底部を有し、側部の上端が開口した有底筒状の収容部43と、側部の上端から外径側へ張り出したフランジ部44とを備えるものであり、フランジ部44の内層45に周状の切込み45a,45bが形成された容器41である。蓋材42は、切込み45a,45b間領域に対してヒートシールされ、ヒートシール部47の固着力は、内層45と基材層46との間の層間固着力よりも強固なものとされる。以上の構成とすることで、蓋材42の開封に伴い、内層45の切込み45a,45b間領域は、蓋材42と一体に(蓋材42に固着した状態で)基材層46から剥離する(以上、特許文献1を参照)。
上記構成で密封性と易開封性とを確保するには、蓋材42をフランジ部44の切込み45a、45b間領域に対して精度良く固定する必要があるが、蓋材42固定時の加工条件を厳密かつ高度に制御する必要がある等、蓋材42の固定作業が煩雑化するため、加工コストの増大が避けられない。
また、上記のようにフランジ部44の内層45の切込み間領域に対して蓋材42を固着しただけでは、内側からの開封性が外側からの開封性と同様に良好なものとなってしまい、輸送時の振動等によって内圧が高まった場合に内側からも蓋材42が剥がれてしまうおそれが、つまり意図せぬ食品漏れが生じるおそれがある。かかる事態を防止すべく、蓋材42固定時、ヒートシール部47の外径側で蓋材42とフランジ部44とを共締めして凹部を形成しているが(図示は省略)、蓋材42の固定作業が一層煩雑化する。
さらに、上記構成では、ヒートシール部47がフランジ部44の内周端から半径方向外側に所定量離隔した位置に設けられているため、収容部43内に保持されるべき食品50が、図6(b)に示す態様でフランジ部44の上端に溢れ出し易い。そのため、蓋材42の開封と同時に食品50が飛散し、衣服等を汚染させるという問題が生じていた。特に、豆腐等の食品50は満杯充填される場合が多く、かかる問題が生じ易い。
以上の問題を解消し得るものとして、フランジ部表面および収容部(側部)上端表面を覆う断面略L字状の表層材を容器本体と剥離可能に固着したものが公知である。この容器は、容器本体又は表層材の何れか一方を射出成形した後、該一方の表面に他方を射出成形する、いわゆる二色成形によって、またあるいは、所定形状に形成した表層材をインサートして容器本体を射出成形する、いわゆるインサート成形によって製造される(特許文献2を参照)。
しかしながら、二色成形やインサート成形では、容器本体と表層材の間の固着力をコントロールするのが難しく、特に量産時のように多数の容器を同時成形する場合には、個体間でのバラツキが大きくなり易い。そのため、実際にこの種の容器を得るには、フランジ表面を成形する部分に微細な凹凸を設けた金型を用いて容器本体を射出成形する、あるいは、微細な孔や凹凸を設けた表層材をインサートして容器本体を射出成形する、などの対策を講じることが必要である。また、そもそも二色成形やインサート成形では、成形時に生じるバリ等の影響によって容器本体と表層材とを所望の態様で固着させるのが困難である。例えば、仕上げ処理を施すことによってバリを除去すればこの問題を解消することも可能ではあるが、工程数の増加や装置の大型化が避けられない。さらに、収縮率の違い等を考慮して、使用材料に応じた数多くの金型を保有しなければならない等、総じて高額投資が必要となる。従って、特許文献2の構成は実現性に欠ける。
特許第2724355号公報 特開平11−29173号公報
本発明は、上記の各種問題点に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、易開封性を損なうことなく密封性を高めることができ、しかも開封時における食品の飛散を効果的に防止し得る食品包装容器を提供すること、また、かかるメリットが安定的に得られる食品包装容器を容易かつ低コストに製造可能とすることにある。
上記課題を解決するため、本発明では、側部および底部を有し、側部の上端が開口した有底筒状の収容部と、側部の上端から外径側に張り出したフランジ部とを備え、フランジ部に蓋材を固着することにより側部の上端開口が封止される食品包装容器において、収容部およびフランジ部は、剥離可能に設けられた内層および基材層を有する多層シートから型成形されたものであり、側部の内層に、全周に亘って延びると共に、側部の上端との軸方向離間距離が蓋材の開封開始部に対応する位置において相対的に大きくなった分離部が設けられ、蓋材の開封に伴い、内層のうち分離部よりも上側の領域が、蓋材と一体に基材層から剥離することを特徴とする食品包装容器を提供する。
なお、本発明でいう「内層」および「基材層」は、それぞれ、単一の層で構成されたもののみならず、複数の層で構成されたものも含む概念である。また、「分離部」とは、これを境として内層を二つの部分に分離し得る部分を意味し、必ずしも基材層に至って形成する必要はない。また、形成態様も特に問わず、例えば、カッター、刃型、レーザ等で連続的あるいは断続的に形成された切込み状のものであっても良いし、ブラスト処理等によって他所より薄肉化された部分が連続的あるいは断続的に設けられたものであっても良い。
また、本発明に係る食品包装容器は、剥離可能に設けられた内層および基材層を有する多層シートを型に沿わせて変形させ、側部および底部を有し、側部の上端が開口した有底筒状の収容部と、側部の上端から外径側へ張り出したフランジ部とを型成形する工程と、側部の内層に、全周に亘って延びる分離部を形成する工程と、を含む製造方法で製造することができる。なお、ここでいう「側部の内層」とは、型成形後の側部の内層、のみを意図するものではなく、型成形後に側部の内層に対応する位置、も含む概念である。すなわち、分離部は、容器成形前後の何れの段階で形成しても良い。
上記のようにすれば、内層のうち分離部よりも上側の領域(以下、これを「剥離部」と称す)は、容器形状に沿うかたちで、フランジ状の部分と、フランジ状部分の内周端から下方に延在する筒状の部分とを一体に有する断面略L字形状となる。そのため、内圧上昇に伴って、蓋材を内側から引き剥がす方向の力が作用した場合でも、剥離部の筒状部分と基材層との層間のせん断力でもって当該引き剥がし力に対抗することができる。また、剥離部の筒状部分は、内圧によって外径側(半径方向外側)へ押し付けられる。特に、分離部を、食品の界面よりも底部側に形成すれば、食品の圧力によっても剥離部の筒状部分が外径側へ押し付けられる。従って、密封性を十分に高め、内圧上昇に伴う内側からの蓋材の剥がれ、すなわち食品漏れを防止することが可能となる。
分離部を断続的に設けた場合には、蓋材の開封前の段階において、分離部によって内層が完全に分断されることがない。つまり、内層は、蓋材の開封が進行して初めて二つの部分に分離するため、内圧上昇に伴う内側からの蓋材の剥がれは確実に防止される。
また、本発明の構成上、分離部は一条設けるだけで足りる。また、蓋材の固着に関与しない収容部(側部)に分離部を設けたので、蓋材の固着位置に制約が課されることがなくなり、蓋材をフランジ部の全面に対して固着することが可能となる。従って、フランジ部の内層に二条の切込みを設け、この切込み間領域に対して蓋材を固定すると共に、蓋材固定時に凹部を形成する必要がある特許文献1の構成に比べ、容器の製造および蓋材の固定作業を容易化することができる。
また、本発明の構成上、剥離部のフランジ状部分の基材層からの剥離は、蓋材の開封と同時進行するのに対し、剥離部の筒状部分の基材層からの剥離は、蓋材の開封よりも遅れるかたちで進行するため、食品は、蓋材の開封がある程度進行した時点で始めて外部に露出することになる。つまり、剥離部の筒状部分が、食品の漏れ防止部として機能するため、蓋材開封時における食品の飛散は効果的に防止可能となる。
また、本発明に係る食品包装容器は、剥離可能に設けられた内層および基材層を有する多層シートを型に沿わせて変形させる、いわゆる真空成形等の手法で型成形される。多層シートは、例えば、複数の樹脂材料を共押出することによって得ることができ、共押出であれば、例えば、樹脂材料を調製等することで内層と基材層との間の固着力をコントロールすることができ、しかも成形時にバリが生じることもない。そのため、内層と基材層との間で必要とされる固着力や固着態様が、特段の工夫を凝らさずとも安定的にかつ低コストに得られる。また、真空成形等であれば、射出成形の場合のように形成材料に応じた数多くの金型を保有する必要がない。さらに、分離部は、前述した手段で容易にかつ精度良く形成することができる。これらのことから、上記作用効果を奏し得る容器を、容易かつ低コストに製造することができる。
側部の上端と分離部との軸方向離間距離は、全周に亘って同一としても良いし、またあるいは周方向で異ならせても良い。後者の構成を採用する場合、前記軸方向離間距離は、蓋材の開封開始部に対応する位置において相対的に大きくするのが望ましい。食品の飛散可能性が最も高い開封開始時に食品が飛散するのを効果的に防止することができる一方で、ある程度開封が進行して食品飛散の可能性が低減した際の開封性が良好になるからである。なお、蓋材の開封開始部とは、例えば舌片状の摘み部が設けられた周方向所定領域を指す。
上述した食品包装容器は、蓋材で上端開口を封止することによって高い密封性が得られることから、この食品包装容器と蓋材とを備える食品包装用の包装体は、豆腐、心太、ゼリー、茶碗蒸し等の液体含有量が多い食品の包装体として特に好適である。
以上のように、本発明によれば、易開封性を損なうことなく密封性を高めることができ、しかも開封時における食品の飛散を効果的に防止し得る食品放送容器を提供することができる。また、この種のメリットが安定的に得られる食品包装容器を容易かつ低コストに製造することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、主にゼリーの包装に供される包装体1の一例を示すものである。同図に示す包装体1は、食品包装容器(以下、簡略化して「容器」ともいう)3と、該容器3の開口を封止する蓋材2とで構成される。
容器3は、側部4aおよび底部4bを有し、側部4aの上端が開口した有底筒状の収容部4と、側部4aの上端から外径側に張り出し、その上面に蓋材2が固着されるフランジ部5とを備える。収容部4(容器3)の断面形状は任意であり、真円状、楕円状、矩形状、多角形状等とされるが、本実施形態では、断面真円状を呈する。この容器3は、剥離可能に設けられた内層6および基材層7を有する多層シートを真空成形等することによって得られる型成形品である。
側部4aの内層6には、収容部4(側部4a)の全周に亘って延びる環状の分離部8が形成され、この分離部8を境界として内層6が2つの領域に区画されている。すなわち、内層6のうち、分離部8よりも上側の領域は、後述する蓋材2の開封時に、蓋材2と一体に基材層7から剥離する剥離部9であり、分離部8よりも下側の領域は、蓋材2の開封時に基材層7から剥離しない非剥離部10である。本実施形態において、分離部8は、図1および図2(a)に示すように、全周に亘って連続的に設けられると共に、その全体が収容部4内に収容される食品11の界面11aよりも下方(底部4b側)に設けられる。また、側部4aの上端と分離部8との軸方向離間距離は全周に亘って略同一とされる。図1の拡大断面図からも明らかなように、本実施形態では、分離部8を基材層7に至って形成しているが、蓋材2の開封時に、分離部8の形成部位で剥離部9と非剥離部10とが分離可能であれば、分離部8は、内層6と基材層7の界面に至って形成しても良いし、内層6の厚み範囲内で形成しても良い。
詳細は後述するが、本発明に係る容器3においては、内層6の一部(剥離部9)が蓋材2の開封時に蓋材2と一体に基材層7から剥離するため、容器3の成形に用いるための多層シートの内層6と基材層7とは、容易に剥離可能(イージーピール可能)な固定力でもって相互に固着している必要がある。一方、容器単体の状態等において、両層6,7は、剥離することなく良好な密着態様で相互に固着している必要がある。かかる要求特性や材料コストを考慮して、本実施形態の容器3の成形に用いる多層シートは、ポリエチレン(より厳密には、低密度ポリエチレン)と、ポリプロピレンを主体とし、これにポリエチレンを所定量混合した混合樹脂(例えば、ポリプロピレン100重量部に対して、ポリエチレンを5〜20質量部混合した混合樹脂)とを共押出することにより、内層6をポリエチレン製、また基材層7を上記の混合樹脂製としたものである。各層6,7の厚みは用途等に応じて任意に調整されるが、例えば、内層6の厚みは10〜50μm程度とされる一方、基材層7の厚みは数百μm程度とされる。
上記のように、基材層7を形成する樹脂材料として、内層6と同種の樹脂材料(ポリエチレン)を所定量混合した混合樹脂を用いることにより、基材層7からの内層6の剥離性、換言すると両層6,7間の固着力をシート成形時にコントロールすることができる。また、容器成形時のドローダウン(シートの垂れ)を緩和あるいは防止することができる。
そして、このようにして得られた多層シートを加熱装置で軟化させ、軟化した多層シートを真空引きして型に沿わせて変形させると所定形状の容器3が得られる(真空成形)。容器3を型成形した後、側部4aの内層6に分離部8を形成することにより、図1に示す容器3が完成する。なお、分離部8の形成手段に特段の限定はなく、カッター、刃型、レーザ等を用いて切込み状に形成することができる他、サンドブラスト、ショットブラスト等のブラスト加工を対応する部分に施して、当該対応する部分を薄肉化することによって形成することもできる。
なお、真空成形のみならず、圧空(圧縮空気)を供給することによって多層シートを型に沿わせて変形させる、いわゆる圧空成形や、真空引きと圧空供給とを併用して多層シートを型に沿わせて変形させる、いわゆる真空圧空成形によって容器3を成形することも可能である。また、この容器3は、所定態様の分離部8を設けた多層シートを真空成形、圧空成形等することによっても得られる。
一方、蓋材2は、その周方向一部領域にフランジ部5の外周縁よりも半径方向外側に突出した舌片状の掴み部2aが設けられている点を除き、概ねフランジ部5の外周縁に沿った形状をなす。この蓋材2は、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂などをフィルム状に成形したものであり、要求特性に応じて単層、複層が選択される。蓋材2には、酸化アルミニウム等の金属酸化物、アルミ箔等のガスバリア層が設けられる場合もある。なお、フランジ部5の内層6との間に強固な固着強度を確保する観点から、フランジ部5の内層6に固着される最下層は、内層6と同種の材料を主成分とした材料で形成するのが望ましい。フランジ部5の内層6をポリエチレンで形成した本実施形態においては、内層6と同種のポリエチレンを主成分とした材料で最下層が形成された蓋材2が好適である。
容器3の収容部4内に食品11を充填した後、フランジ部5の内層6に対して上記の蓋材2をヒートシールすると、内層6と蓋材2の最下層とが同種の樹脂材料で形成されていることから、蓋材2は、内層6と基材層7との間の固着力よりも十分に強固な固着力でもってフランジ部5の内層6に固着され、これにより図1に示す包装体1が完成する。
以上の構成からなる包装体1において、蓋材2の開封は以下示す態様で行われる。まず図3(a)に示すように、蓋材2の掴み部2aを把持して引き上げると、上述のとおり、内層6と基材層7との間の固着力よりも蓋材2と内層6との固着力が十分に強固なものとされているため、内層6は蓋材2と一体に基材層7から剥離する。蓋材2の開封がある程度進行すると、図3(b)に示すように、周方向所定領域において、側部4aの内層6に設けた分離部8で内層6の剥離部9と非剥離部10とが分離し、以後、分離部8での非剥離部10からの分離を伴いながら、蓋材2と一体に内層6の剥離部9が基材層7から剥離する。
このとき、図示例からも明らかなように、剥離部9のフランジ状部分9aの基材層7からの剥離は、蓋材2の開封と同時進行するのに対し、剥離部9の筒状部分9bの基材層7からの剥離は、蓋材2の開封よりも遅れるかたちで周方向に徐々に進行する。そのため、食品11は、蓋材2が容器3からある程度剥離した時点で始めて外部に露出することとなる。このように、本発明に係る容器3では、内層6に分離部8を設けることによって形成された剥離部9の筒状部分9bが、食品11の漏れ防止部として機能するため、蓋材開封時における食品11の飛散が効果的に防止される。
以上に示すように、内層6および基材層7を有する多層シートから型成形される側部4aの内層6に全周に亘って延びる分離部8を設け、蓋材2の開封に伴い、内層6のうち分離部8よりも上側の部分(剥離部9)が、蓋材2と一体に基材層7から剥離するようにすれば、剥離部9の断面形状は、容器3形状に沿うかたちで、フランジ状部分9aと、当該部分の内周端から所定量下方に延在する筒状部分9bとを一体に有する断面略L字形状となる。そのため、内圧上昇に伴って、蓋材2の内面に蓋材2を内側から引き剥がす方向の力が作用した場合でも、内層6のうち、剥離部9の筒状部分9bと基材層7との間のせん断力でもって前記引き剥がし力に対抗することができる。
また、剥離部9の筒状部分9bは内圧によって外径側に押し付けられ、特に本実施形態では、食品11の界面11aよりも底部4b側に分離部8を設けたので、剥離部9の筒状部分9bは、食品11の圧力によって一層強く外径側に押し付けられる。従って、密封性を十分に高めることができ、内圧上昇に伴う内側からの蓋材2の剥がれ、すなわち食品漏れを効果的に防止することができる。
また、本発明の構成上、分離部8は一条設けるだけで足りる。また、蓋材2の固着に直接関与しない側部4aの内層5に分離部8を設けたので、蓋材2の固定位置に制約が課されることがなくなり、フランジ部5の全面に対して蓋材2を接着固定することができる。従って、フランジ部に二条の切込みを設けることで剥離部を形成し、この剥離部に対して蓋材を固定すると共に、蓋材固定時に凹部を形成する必要がある特許文献1の構成に比べ、容器3の形成、さらには蓋材2の固定作業を容易化することができる。
また、本発明に係る食品包装容器3は、剥離可能に設けられた内層6および基材層7を有する多層シートを型に沿わせて変形させる真空成形で型成形される。多層シートは、いわゆる共押出で得ることができ、共押出であれば、樹脂材料を調製等することで内層6と基材層7との間の固着力をコントロールすることができ、しかも成形時にバリが生じることもない。そのため、内層6と基材層7との間で必要とされる固着力や固着態様が、特段の工夫を凝らさずとも安定的にかつ低コストに得られる。また、真空成形であれば、射出成形の場合のように形成材料に応じた数多くの金型を保有する必要がない。さらに、分離部8は、カッター等で容易にかつ精度良く形成することができる。これらのことから、上記作用効果を奏し得る容器3を、容易かつ低コストに製造することができる。
なお、分離部8は、必ずしも上記のように全周に亘って連続的に設ける必要はなく、図2(b)に示すように断続的に(ミシン目状)に設けることもできる。このようにすれば、蓋材開封前の段階において、内層6が、分離部8によって剥離部9と非剥離部10とに完全に分断されない。つまり、内層6のうち分離部8よりも上側の剥離部9は、蓋材2を開封することによって初めて非剥離部10と分離するため、内圧上昇等に伴う内側からの蓋材2の剥がれは確実に防止される。
以上で説明した実施形態では、側部4aの上端と分離部8との軸方向離間距離を、全周に亘って略同一としているが、例えば図4に示すように、前記軸方向離間距離を周方向で異ならせることも可能である。詳細には、蓋材2の開封開始部Aに対応する位置(舌片状の掴み部2aが設けられた周方向所定領域)において、前記軸方向離間距離を相対的に大きくしている。かかる構成とすれば、食品11が飛散する可能性が最も高い開封初期時に食品11が飛散するのを効果的に防止することができる一方で、ある程度開封が進行して食品11が飛散する可能性が低減した際には、蓋材2を容易かつ円滑に開封することができる。なお、この場合、分離部8は、開封開始部Aから周方向に離隔するにつれて前記軸方向離間距離が徐々にあるいは段階的に小さくなるように形成することができるが、蓋材2の開封容易性を考慮すると、蓋材2の開封終了部に対応する周方向所定領域(例えば、開封開始部Aとは180°位相を異ならせた位置)において、軸方向離間距離が最も小さくなるように分離部8を形成するのが望ましい。
以上では、内層6を単一の層で構成した(内層6を単層構造とした)容器3、およびこれを用いた包装体1について説明を行ったが、容器3の内層6は、図5に示すように複層構造とすることも可能である。詳細に述べると、図示例では、内面に食品11が接する第1の内層61と、外面が基材層7と剥離可能に固着した第2の内層62とで内層6を構成している。側部4aの内層6には、全周に亘って連続的あるいは断続的に分離部8が設けられる。以上の構成において、第1の内層61と蓋材2との固着強度、および第1の内層61と第2の内層62との固着強度を、第2の内層62と基材層7との固着強度よりも強固なものとすれば、蓋材2の開封に伴い、内層6の剥離部9は、図5(b)に示す態様で蓋材2と一体に基材層7から剥離する。
かかる構成の包装体1は、例えば、ポリプロピレンとポリエチレンの混合樹脂からなる第1の内層61、ポリエチレンからなる第2の内層62、およびポリプロピレンからなる基材層7を有する多層シートを共押出で形成し、この多層シートを型成形することで得られた容器3のフランジ部5の内層6(第1の内層61)に、最下層がポリプロピレンで形成された蓋材2を固着(ヒートシール)することで得られる。すなわち、この実施形態は、最下層がポリプロピレンで形成された蓋材2を用いる場合に好適である。なお、基材層7は、図1に示す実施形態と同様に、ポリプロピレンとポリエチレンの混合樹脂で形成しても良い。また、図5に示す実施形態は、分離部8を図1と同様の態様で設けたものであるが、分離部8を図4と同様の態様で設けることができるのはもちろんのことである(図示は省略)。
以上では、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂で各層が形成された多層シートを用いて容器3を形成した場合について説明を行ったが、多層シート(容器3)を構成する樹脂材料はこれに限定されるわけではなく、用途等に応じて公知のその他の樹脂材料、例えば、ポリアミド系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、エチレン−ビニルアルコール系樹脂、あるいはこれらの混合樹脂、あるいは熱可塑性エラストマー等の充填材を適量混合した樹脂等の群から選択される樹脂の組み合わせとすることもできる。
また、以上で説明した各実施形態では、基材層7を単層構造としているが、2層以上の複層構造とすることもできる。基材層7を複層構造とする場合には、ガスバリア性を良好なものとするために、酸化アルミニウム等の金属酸化物やアルミ箔等の金属層を設けることも可能である。但し、基材層7を複層構造とする場合でも、基材層7のうち、内層6と接する層は、内層6との剥離性が良好なものとするのが肝要である。
以上、本発明の実施形態について説明を行ったが、本願発明にかかる食品包装容器3は高い密封性を具備すると共に、蓋材2の開封時における食品11の飛散を効果的に防止し得るものであるから、豆腐、心太、ゼリー、茶碗蒸し等の液体含有量が多い食品を収容するための食品包装容器として特に好適に用いることができる。もちろん、米飯等の電子レンジで加熱して食される要加熱食品を包装する食品包装容器などとしても好適に用いることができる。
本発明に係る食品包装容器の実施形態を概念的に示す断面図である。 (a)図は、分離部を連続的に設けた場合を示す図、(b)図は、分離部を断続的に設けた場合を示す図である。 (a)図は蓋材の開封開始時を概念的に示す拡大断面図、(b)図は蓋材の開封がある程度進行した時点を概念的に示す拡大断面図である。 本発明に係る食品包装容器の他の実施形態を概念的に示す断面図である。 (a)図は本発明に係る食品包装容器の他の実施形態を概念的に示す断面図、(b)図は、(a)図に示す容器に固着させた蓋材の開封開始時を概念的に示す拡大断面図である。 (a)図は従来構成の食品包装容器を概念的に示す断面図、(b)図は従来構成の食品包装容器の問題点を概念的に示す拡大断面図である。
符号の説明
1 (食品包装用の)包装体
2 蓋材
2a 掴み部
3 食品包装容器(容器)
4 収容部
4a 側部
4b 底部
5 フランジ部
6 内層
7 基材層
8 分離部
9 剥離部
9a フランジ状部分
9b 筒状部分
11 食品
11a 界面
A 開封開始部

Claims (4)

  1. 側部および底部を有し、前記側部の上端が開口した有底筒状の収容部と、前記側部の上端から外径側に張り出したフランジ部とを備え、該フランジ部に蓋材を固着することにより前記側部の上端開口が封止される食品包装容器において、
    前記収容部および前記フランジ部は、剥離可能に設けられた内層および基材層を有する多層シートから型成形されたものであり、
    前記側部の内層に、全周に亘って延びると共に、前記側部の上端との軸方向離間距離が前記蓋材の開封開始部に対応する位置において相対的に大きくなった分離部が設けられ、
    前記蓋材の開封に伴い、前記内層のうち前記分離部よりも上側の領域が、前記蓋材と一体に前記基材層から剥離することを特徴とする食品包装容器。
  2. 前記分離部が、断続的に設けられた請求項1に記載の食品包装容器。
  3. 前記分離部を、前記収容部に収容される食品の界面よりも前記底部側に形成した請求項1又は2に記載の食品包装容器。
  4. 請求項1に記載の食品包装容器と、蓋材とを備える食品包装用の包装体。
JP2007242757A 2007-09-19 2007-09-19 食品包装容器およびその製造方法 Active JP4091101B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007242757A JP4091101B1 (ja) 2007-09-19 2007-09-19 食品包装容器およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007242757A JP4091101B1 (ja) 2007-09-19 2007-09-19 食品包装容器およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP4091101B1 true JP4091101B1 (ja) 2008-05-28
JP2009073507A JP2009073507A (ja) 2009-04-09

Family

ID=39509559

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007242757A Active JP4091101B1 (ja) 2007-09-19 2007-09-19 食品包装容器およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4091101B1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AT517905A1 (de) * 2015-10-20 2017-05-15 Rundpack Ag Verpackungsbehälter

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5450866B1 (ja) * 2013-04-10 2014-03-26 アンドウケミカル株式会社 包装容器

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AT517905A1 (de) * 2015-10-20 2017-05-15 Rundpack Ag Verpackungsbehälter
AT517905B1 (de) * 2015-10-20 2018-12-15 Rundpack Ag Verpackungsbehälter

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009073507A (ja) 2009-04-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5014079B2 (ja) 電子レンジ用包装容器
EP0435638A1 (en) Easily openable sealed container and process for producing the same
JP5691153B2 (ja) シール蓋を有するパッケージ
US7967187B2 (en) Easily unsealable packaging body and method of manufacturing the same
JP5320622B2 (ja) 電子レンジ用包装容器および電子レンジ用包装容器の潰れ防止方法
WO2011115158A1 (ja) 易開封性容器およびその製造方法
JP4091101B1 (ja) 食品包装容器およびその製造方法
WO2015072404A1 (ja) 容器本体、容器および容器の製造方法
JP2008081160A (ja) 食品包装容器
JP5450866B1 (ja) 包装容器
JP6505452B2 (ja) 包装体の製造方法、包装体の製造装置、および、受け体
JP3965304B2 (ja) 易開封性包装体および易開封性包装体の製造方法
JP4716368B2 (ja) 電子レンジ加熱用包装容器
JP2004307025A (ja) 易開封性包装体の製造方法、および易開封性包装体
JPH0648468A (ja) 易開封性容器
JP2004345686A (ja) 易開封容器
JP2994864B2 (ja) 易開封性密封容器
CN113614004B (zh) 微波炉用容器
JP7259240B2 (ja) 樹脂製密閉容器
JP3126092B2 (ja) 密封容器とその製造方法
WO2022158592A1 (ja) 包装容器
JP2571569B2 (ja) 容器用落し蓋を用いた易開封性密封容器
JP2005329995A (ja) 易開封性包装体、易開封性包装体の製造方法、及びヒートシール体
JP6604123B2 (ja) 密封容器
JPH01124570A (ja) 容器

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080218

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080227

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4091101

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110307

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110307

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120307

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120307

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130307

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140307

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250