JPH0648468A - 易開封性容器 - Google Patents

易開封性容器

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JPH0648468A
JPH0648468A JP21574892A JP21574892A JPH0648468A JP H0648468 A JPH0648468 A JP H0648468A JP 21574892 A JP21574892 A JP 21574892A JP 21574892 A JP21574892 A JP 21574892A JP H0648468 A JPH0648468 A JP H0648468A
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JP
Japan
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container
lid
opening
easy
sealing
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Application number
JP21574892A
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English (en)
Inventor
Masahiro Akamatsu
正広 赤松
Osamu Higashiya
治 東谷
Toru Yukimoto
徹 行本
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Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高い密封性と易開封性をともに満足し、特に
十分に高い内圧に耐えることができるなどの利点を有す
る易開封性容器を提供する。 【構成】 容器1の開口2上に内容物を密封又は包装す
るための蓋4を有しており、蓋4が開口2の外周におい
て容器1若しくはそのフランジ3の面上に直接又は易剥
離層を介してシールされていて、蓋4を容器1から剥離
することによって開封することができる易開封性容器で
あって、容器1と蓋4との剥離されるシール部5におけ
る剥離強度が0.2kgf/15mm〜2.5kgf/
15mmの範囲にあり、かつ、容器開口面7に対するシ
ール面8のなす角度αが容器開口面7を基準として容器
本体側に30°〜270°の範囲にあるシール部5を有
する易開封性容器。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、容器に蓋をシールして
内容物を包装し、該蓋を容器からはがして包装を解くタ
イプの易開封性容器に関し、更に詳しく言うと、容器内
の内容物の密封性を著しく良好に保つことができ、しか
も、容器の開封すなわち開封の際の容器からの蓋の剥離
が著しく容易であり、例えば、食品等の密封包装など各
種の包装分野に好適に利用することができる改善された
易開封性容器に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、食品等の密封包装保存用容器とし
て、容器の開口面上に蓋をかぶせ、その開口の外周で容
器面(通常、容器のフランジ面)と蓋面とをシールして
内容物を密封包装し、一方、内容物を取り出すなど包装
を解く際には蓋を容器から剥離して容易に開封すること
ができる易開封性容器(イージーピール型蓋付き容器)
が広く用いられている。この種の易開封性容器において
は、保存時(包装状態)には容器内圧等に耐えてシール
部が剥れにくく高い密封性を有する一方、開封の際には
蓋がシール部で容器から容易に剥離できてはがし易いこ
と、すなわち、十分な密封性と易開封性とを両立させる
ことが要求される。この密封性と易開封性という相反す
る性質を両立させるには、何らかの工夫を要するが、従
来、蓋材と容器材とを剥離層又はシーラント層と呼ばれ
る易剥離層を介してシールすることによって密封性と易
開封性とを両立させるという技術が提案され、容器材の
剥離層を用いたもの(特開昭63−025037号公報
参照)、イージーピール可能なシーラント層を用いたも
のが実用に供されている。これら剥離層とシーラント層
は、いずれも蓋と容器の剥離を容易にして開封性を向上
させるためのものであり、明確な区別はない。実際、剥
離機構としては、剥離層を蓋材又は容器材の面に予め一
体化して設けておき、ヒートシール等によってシール密
封する方式が取られ、蓋を容器からはがして開封する際
には、剥離層と容器材又は蓋材との間で剥離するものが
ある。一方、開封の際にシーラント層の凝集破壊あるい
は融着面の界面破壊によって剥離するものもある。しか
し、このように剥離層とシーラント層の区別、あるいは
剥離機構による区別はあるものの、剥離を容易にする点
では同じであるので、この明細書ではこうした剥離層や
シーラント層を含め剥離性(開封性)を向上させるため
に蓋材と容器材との界面に設ける層をすべて易剥離層と
総称している。
【0003】図8は、従来のこの種の易開封性容器の最
も典型的なものの構造を断面図で示したものである。こ
の図8の場合、容器1′の開口2′の外周部に容器の延
長としてフランジ3′が設けられており、蓋4′と容器
1′のフランジ3′が、剥離層又はシーラント層である
易剥離層6′を介してヒートシールや接着によってシー
ルされている。このシールされている領域若しくは部分
であるシール部5′は、あるシール幅で帯状に開口2′
の外周(この場合フランジ3′の面上)に沿っており、
通常、全周に渡って回路状に閉じて取り巻いており、容
器1′の内容物を密封包装している。従来のこの種の易
開封性容器の場合、蓋4′と容器1′とを易剥離層6′
を介さずに直接シールした場合には内容物の密封性を保
持すべく該シール強度を高くすると開封時に蓋がはがれ
にくくなり開封性は著しく低下してしまうので、剥離層
やシーラント層という易剥離層6′を設けて密封性と開
封性とを両立させている。このように、剥離層やシーラ
ント層という適当な材質の易剥離層を蓋材と容器材の間
に設けてシールし、密封性を損なうことなく開封時の剥
離性を高め開封性を向上させようとすることが従来のこ
の種の易開封性容器の大きな特徴となっている。
【0004】しかしながら、従来のこの種の易開封性容
器においては、剥離層やシーラント層という易剥離層を
用いることによって密封性をできるだけ保持しつつ開封
性を向上させようとしているものの、開封性を十分に高
くすると密封性が不十分となり、特に、諸々の要因によ
って容器の内圧が高くなると密封性が不良になり易く場
合によっては開封前に蓋が剥離するという欠点があっ
た。
【0005】なお、従来のこの種の易開封性容器におい
ては、いずれの場合にも、図8に見るように、容器1′
と開口面7′とシール面8′との角度は0°若しくは0
°に近い値にある(図8の場合、この角度は0°であ
り、開口面7′とシール面8′は同一面上にあるとみな
すことができる。)。この角度すなわち容器の開口面と
シール面との角度をある値以上に十分に大きくして、高
い密封性と高い開封性とを共に満足させるということが
本発明の易開封性容器における重要な点のひとつである
が、従来のこの種の易開封性容器においては、この角度
を大きくして密封性と開封性を向上させようとする着想
自体もなされておらず、そのような構造の易開封性容器
も提案されていなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、容器に蓋を
シールして内容物を密封若しくは保護して包装し、開封
時に蓋を容器からはがして開封するタイプの易開封性容
器(イージーピール容器)であって、容器と蓋のシール
を剥離層やシーラント層等の易剥離層を用いて行って
も、用いることなく行っても、高い密封性と易開封性を
ともに満足し、特に十分に高い内圧に耐えることができ
るなどの利点を有する易開封性容器を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成すべく鋭意研究を行った結果、容器(フランジ又
は容器のエッジや外壁)と蓋とのシール部の全体又はあ
る部分について、容器の開口面と蓋のシール面のなす角
度が、該容器開口面を基準(0°)として容器本体側に
ある特定の範囲になるようにし、しかも、開封時に剥離
されるシール部における蓋と容器の剥離強度がある特定
の範囲の値にした易開封性容器が、容器内容物の密封性
に優れ、十分に高い容器内圧に耐えることができて包装
強度が良好で、しかも、開封性にも優れ、開封時に蓋を
容器から容易にはがすことができる優れた易開封性容器
となることを見いだした。
【0008】また、この容器開口面とシール面に適切な
角度を持たせた易開封性容器の場合には、蓋材と容器材
をその間に剥離層やシーラント層といった易剥離層を介
さずにシールした場合にも高い密封性と易開封性を十分
に満足させることができることも見いだした。したがっ
て、この易開封性容器では、従来のように易剥離層を用
いてもよく、用いないでもよく、易剥離層の有無にかか
わらず高い密封性と高い易開封性を両立することができ
ることがわかった。
【0009】本発明者らは、主として上記の知見に基づ
いて本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、
容器の開口上に内容物を密封又は包装するための蓋を有
しており、該蓋が該開口の外周において該容器若しくは
そのフランジの面上に直接又は易剥離層を介してシール
されていて、該蓋を該容器から剥離することによって開
封することができる易開封性容器であって、該容器と該
蓋との剥離されるシール部における剥離強度が0.2k
gf/15mm〜2.5kgf/15mmの範囲にあ
り、かつ、該容器の開口面に対するシール面のなす角度
が該容器の開口面を基準として該容器本体側に30°〜
270°の範囲にあるシール部を有することを特徴とす
る易開封性容器を提供するものである。
【0010】本発明の易開封性容器は、少なくとも開口
を有する容器と蓋とから構成されており、密封若しくは
包装状態においては、該蓋は該容器の開口上に内容物を
密封又は包装するべくかぶせられており、かつ該開口の
外周において該容器若しくはそのフランジの面上に直接
又は易剥離層を介してシールされている。一方、本発明
の易開封性容器を開封する際には、該蓋を容器から剥離
することによって容易にはがすことができて、簡単に開
封することができる。
【0011】このように本発明の易開封性容器は、包装
状態における内容物の密封性若しくは包装性をできるだ
け良好に保持し、しかも、開封時において蓋が容易に剥
離できてできるだけ開封性をよくするという点におい
て、従来のイージーピール型蓋付き容器と目的を同じく
するものである。したがって、本発明の易開封性容器に
おいても、従来のこの種の易開封性容器であるイージー
ピール型蓋付き容器において使用又は提案されている種
々の工夫や技術を適宜採用することができるが、本発明
の易開封性容器では、前記容器と前記蓋とのシール面の
うち少なくとも開封時に剥離されるシール部における剥
離強度が0.2kgf/15mm〜2.5kgf/15
mmの範囲にあることが重要であり、かつ、前記容器の
開口面に対するシール面のなす角度が該容器の開口面を
基準として該容器本体側に30°〜270°の範囲にあ
るシール部を有していることが重要である。このことに
よって、従来のこの種の易開封性容器に比べて、高い密
封性若しくは優れた包装保持性能を実現することがで
き、特に、密封包装状態における耐内圧強度を著しく高
めることができ、しかも、優れた易開封性を実現するこ
とができるのである。
【0012】以下、本発明の易開封性容器の特徴をより
わかりやすく説明するために、好適な構造の数例を図面
に示し、これらの図面に沿って本発明を詳細に説明す
る。
【0013】図1、図2、図3及び図4は、それぞれ、
本発明の易開封性容器の好適な構造の例を断面図によっ
て表した説明図である。このように本発明の易開封性容
器は、容器1の開口2の面上に蓋4がかぶせられてお
り、該開口2の外周において該蓋4が容器1(これらの
例では、そのフランジ3)の面にヒートシール等によっ
てシールされている。ここで、重要な点のひとつは、シ
ール部5に基づくシール面8が開口2に基づく開口面7
に対してある角度α[但し、この角度αは、図1に示す
ように開口面7を基準として容器1の本体側に向かった
回転方向(矢印参照)に沿って計られるシール面8の開
口面7に対する角度とする。以下、角度αといった場合
このように定義された開口面とシール面のなす角度とす
る。)を有しており、この角度αが30°〜270°の
範囲になっている点である。図1と図2は、共に、角度
αが30°以上の鋭角となっているシール面8(シール
部5)を有する場合の例であり、これらの場合はフラン
ジ3を開口面7から角度α(30°以上の鋭角)に傾け
て、その傾斜上面に蓋をシールした例でもある。図3
は、フランジ3とこれに接する蓋4を共に先端部で容器
1の本体側に180°折り曲げた場合の例であり、この
場合開口面7となす角度αが180°となっているシー
ル面8(シール部5)を有する例である。図4の場合、
フランジ3を開口面7から下側(本体側)に90°折り
曲げた場合の例であり、この場合、蓋4はフランジ3の
面に沿って裏側まで巻き込むように延長され、その先端
部がフランジ3の裏側先端部でシールされており、開口
面7とのなす角度αが270°となっているシール面8
(シール部5)を有する場合の例である。
【0014】これらの図の例に見るように、本発明の易
開封性容器の場合、容器又はその延長として各種の形状
及び構造のフランジを設けることができ、そのフランジ
の所望の面上に容器開口面に対する角度αが30°〜2
70°の範囲にある所望の角度にあるシール面(シール
部)を有するように構成することができる。
【0015】また、本発明の易開封性容器は、容器に特
にフランジを設けることなく、適宜必要に応じて容器の
開口部付近の形状を選定するなどして、容器の外壁に蓋
をシールした構造を持つものとしてもよい。図5及び図
6は、共に、そのような場合の例に当たる本発明の易開
封性容器の好適な構造の例を断面図によって表した説明
図である。図5の場合は、容器1の開口面7に垂直な容
器1の外壁(この場合開口面7に近い先端部付近)に蓋
4の先端部をシールしており、開口面7に対する角度α
が90°となっているシール面8(シール部5)を有し
ている場合の例である。図6の場合は、容器1の開口2
に近い先端部が内側に角度α(この場合約50°)分傾
けた構造を有しており、容器1の外壁のこの傾斜した面
上に蓋4がシールされている場合の例であり、この場
合、開口面7に対する角度αが約40°となっているシ
ール面8(シール部5)を有する場合の例である。
【0016】このように、容器の開口面に対する角度α
が30°〜270°の範囲にあるシール面(シール部)
を有するようにするならば、容器にフランジを設けても
よいし、設けなくてもよいし、あるいは、部分的に設け
てもよく、容器及び蓋の形状や構造は目的に応じて任意
に選定することができる。
【0017】本発明の易開封性容器は、上記したよう
に、容器の開口面に対する角度αが30°〜270°の
範囲にあるシール面(シール部)を有する構成とすれば
よく、シール面(シール部)の全体がこの角度α=30
°〜270°の範囲にあることに限定されるものではな
い。すなわち、蓋と容器若しくはそのフランジとのシー
ル部(シール面)がすべて、この角度α=30°〜27
0°の範囲に納まっていてもよいし、そのシール部(シ
ール面)のうちの所望の部分若しくは領域のみが角度α
=30°〜270°の範囲にあり、他の部分はこの角度
範囲外の角度となっていてもよい。この後者に当たる場
合の具体例としては、例えば、後述の図7の場合の例な
どを挙げることができる。また、このシール面の角度α
は、容器の開口の外周に沿って一定の値にしてもよい
し、適宜連続的にあるいは不連続的に変化させてもよ
い。
【0018】本発明の易開封性容器は、上記のように蓋
と容器若しくはそのフランジ面のそれぞれの所定の面を
シールして内容物を密封若しくは包装しているが、この
シールされている領域のうち少なくとも開封時に剥離し
て開封を容易にしようとするシール部(シール領域)に
おける剥離強度が0.2kgf/15mm〜2.5kg
f/15mmの範囲にあるようにすることも重要であ
る。この剥離しようとするシール部の剥離強度が0.2
kgf/15mm未満であると、包装状態での密封性が
不十分となり、特に十分な内圧強度が得られない。一
方、このシール部の剥離強度が2.5kgf/15mm
を超えるとその部分で開封時に剥離しにくくなり、目的
に沿った好適な開封が容易にできなくなるという支障が
生じやすくなり、十分な易開封性を実現することが難し
くなる。
【0019】本発明の易開封性容器は、このように開封
時にどこまで剥離すればよいかという製品の目的に応じ
て、シール部(シール領域)のすべてを上記の特定の剥
離強度範囲に設定してもよいし、所望の部分(領域)の
みの剥離強度をその範囲に納めてもよい。すなわち、本
発明の易開封性容器は、必要に応じてあえて、蓋と容器
若しくはそのフランジとを部分的に一体成形したり、タ
イトシールするなどして、剥離できない部分や剥離が停
止しやすい領域を設けてもよい。例えば、図7は、本発
明の易開封性容器の好適な構造の例を平面図で示した説
明図であるが、この例のように、容器1のフランジ3の
部分A(開口2の外周の半周に及ぶ領域)をタイトシー
ルによって蓋と容器フランジ面をシールし、一方、残り
のフランジ3の半周に当たる部分Bに角度αを持たせ、
そのシール面(シール部5)の角度α=30°〜270
°の範囲となるように蓋とフランジ面をイージーピール
となるようにシールし、密封性と易開封性を同時に実現
させる方式も好適に採用することができる。なお、この
場合、タイトシールしたシール部5aをもつ部分Aにお
けるフランジ3のシール面(シール部5a)には必ずし
も角度αをもたせないでもよく、容器開口面に対して角
度0°としてもよい。
【0020】本発明の易開封性容器は、蓋材と容器材若
しくはそのフランジ材とを直接ヒートシール等によって
シールしてよいし、あるいは必要に応じて、それらの基
材の間に又は其材中に剥離層やシーラント層といった易
剥離層を設け、これらを介してシールしてもよい。易剥
離層を設ける場合、これらシールする部分全体に及ぶよ
うに設けてもよく、必要な部分(通常、開封時に剥離を
より容易にしようとする部分など)のみに設けてもよ
い。この後者に当たる構造の例として、例えば、図7に
示す例において、フランジ3のイージーピールとする部
分Bにおいて易剥離層を用い、これを介して蓋材と容器
材(フランジ材)とをシールする方式などを挙げること
ができる。
【0021】従来のこの種の易開封性容器においては、
前記従来技術の項で述べたように剥離層やシーラント層
と呼ばれる易剥離層を介して蓋材と容器材(あるいはそ
のフランジ材)とをシールし易開封性を実現しようとし
ているが、本発明の易開封性容器の場合には、必ずしも
こうした易剥離層を用いないでも、高い密封性(包装
性)を保持しつつ十分に高い易開封性を実現することが
できる。もちろん、こうした易剥離層を適切に使用する
ことによってより一層易開封性を向上させることも可能
である。
【0022】本発明の易開封性容器において、蓋と容器
(若しくはそのフランジ)とのシール部の幅は、通常、
0.5〜15mm、好ましくは、1〜10mmの範囲と
するのが易開封性及び密封性を両立させる点で好適であ
る。但し、タイトシール部などの剥離を目的としないシ
ール部についてはそのシール幅には更に任意性がある。
【0023】本発明の易開封性容器において、容器及び
蓋の形状や構造並びに容器材(フランジ材も)及び蓋材
の種類や材質としては、少なくとも上記のシール面の角
度αと剥離強度をそれぞれ前記特定の範囲に選定できる
ならば特に制限はなく、目的に応じて各種のものが使用
可能である。容器の開口の形状としても、円形、楕円
形、方形、各種多角形等の任意の形状とすることがで
き、大きさについても特に制限はなく、目的に応じて任
意に設定することができる。蓋や容器(本体及びフラン
ジ)の基材の種類及び材質としては、公知のものも使用
可能であり、具体的には、容器若しくはその延長である
フランジの基材として例えば、ポリプロピレン、ポリス
チレン等の各種の熱可塑性樹脂などを例示することがで
きるが、これらに限定されるものではなく、例えば、ガ
ラスや金属などの各種の材質からなるものが使用可能で
ある。蓋の基材としては、例えば、ポリプロピレン、ナ
イロン、PET(ポリエチレンフタレート)などの樹脂
フィルムや成形蓋などが好適に使用され、また、アルミ
ニウム箔など他の材質のフィルムや成形蓋なども適宜使
用可能である。
【0024】易剥離層としても、公知の材質のものなど
各種のものを使用することができ、剥離層の材料とし
て、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、PET
(ポリエチレンテレフタレート)などを例示することが
でき、また、シーラント層の材料としては、例えば、E
VA(エチレンビニルアセテート)系のものやホットメ
ルト接着剤、粘着剤などを例示することができる。な
お、剥離層は、従来のように蓋材又は容器(フランジ)
材あるいはそれらの両方の所定の面上に予め積層して設
けておいて、これをヒートシール等によってシールして
もよい。
【0025】本発明の易開封性容器は、その製造若しく
は作製加工方法としては特に制限はなく、各種の方法に
よって製造することができる。例えば、熱成形により作
製される。
【0026】本発明の易開封性容器は、開封時に剥離す
るシール部の剥離強度を特定の範囲にするとともに、容
器開口面に対して特定の範囲にある角度αを持たせたシ
ール面(シール部)を有する構造としているので、従来
のこの種の易開封性容器に比べて、十分な易開封性を持
たせた上で内容物の密封性を著しく向上させることがで
き、特に、内圧強度(耐内圧性)を大きく向上させるこ
とができる。例えば、シール面(フランジ面)の角度α
を30°〜270°の範囲にした本発明の易開封性容器
の場合、その内圧強度は、シール面の角度αがほぼ0°
である従来の易開封性容器の場合のそれに比較して1.
5倍となることなどが確認されている。本発明の易開封
性容器は、従来のこの種の易開封性容器と比較しても同
程度あるいはそれ以上の易開封性を有しており、一方、
密封性の点では従来のものより優れており、特に、内圧
強度が著しく向上しているので、例えば、食品の密封包
装分野をはじめとする高い密封性と易開封性が要求され
る各種の包装分野に有利に利用することができる。
【0027】
【実施例】以下に、本発明を実施例及びその比較例によ
ってさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施
例に限定されるものではない。
【0028】実施例1 図1に示す構造と同様の構造を有する易開封性容器で、
角度αが40°のものを作製すべく、ポリプロピレンシ
ート(厚み1.0mm)を熱成形し、容器開口径が80
mmのテーパ付きフランジを有する容器を作製した。こ
の容器の開口上に、PETを基材としその面上にEVA
系のシーラント層を有する蓋をかぶせ、該シーラント層
を介して容器フランジの角度α=40°の傾斜面全周に
渡ってフランジ面に蓋を融着することによってシール
し、容器を密封した。なお、シール幅は2mmとし、ま
た、このシーラント層を介してのシール部における剥離
強度が1.5kgf/15mmとなることを予め確認し
ておいた。なお、剥離強度は次のようにして測定した。
【0029】シール部分を容器から切り出し、引張速度
300mm/minで図9のようにフランジから蓋材を
引き剥す(フランジと蓋材とがなす角度は0〜30
°)。このとき必要な力を剥離幅15mmあたりに概算
した値を剥離強度とした。
【0030】こうして作製したシール面の角度αが40
°である易開封性容器について、その内圧強度(破袋強
度)を次のようにして評価した。
【0031】この密封された易開封性容器の容器底部に
穴を開け、その穴から空気を注入し、該密封容器のいず
れかの部分が破袋する圧力を測定し、その圧力を破袋強
度すなわち内圧強度とした。
【0032】その結果を表1に示す。なお、この場合、
破袋はシール界面で起こり、内圧で蓋がはがれたが、後
述の比較例1や2の場合と比較してずっと高い圧力まで
持ちこたえた。
【0033】実施例2 図2に示す構造と同様の構造を有し、但し、角度αが9
0°である易開封性容器を作製すべく、ポリプロピレン
シート(厚み1.0mm)を熱成形し、容器開口径が8
0mmで、先端部で90°に折れ曲がった構造のフラン
ジを有する容器を作製した。この容器の開口上に、PE
Tを基材としその面上にEVA系のシーラント層を有す
る蓋をかぶせ、該シーラント層を介して容器フランジの
角度α=90°の面全周に渡ってフランジ面に蓋を融着
することによってシールし、容器を密封した。なお、シ
ール幅は2mmとし、また、このシーラント層を介して
のシール部における剥離強度が1.5kgf/15mm
となることを予め確認しておいた。
【0034】こうして作製したシール面の角度αが90
°である易開封性容器について、その内圧強度(破袋強
度)を実施例1と同様にして評価した。
【0035】その結果を表1示す。なお、この場合、容
器の破袋はシール部ではなく蓋基材の破袋によって起こ
った。したがって、シール部は高い易開封性を有してい
るものの包装状態におけるその内圧強度(密封性)は著
しく高く、蓋材の強度をより大きくすることによって更
に高い内圧強度(破袋強度)が得られることは明らかで
ある。
【0036】比較例1 図1に示す構造と同様の構造を有し、但し、角度αが0
°である易開封性容器(すなわち、図8と同様の構造を
有する従来型の易開封性容器)を比較例として作製すべ
く、ポリプロピレンシート(厚み1.0mm)を熱成形
し、容器開口径が80mmのフラットなフランジを有す
る容器を作製した。この容器の開口上に、PETを基材
としその面上にEVA系のシーラント層を有する蓋をか
ぶせ、該シーラント層を介して容器フランジ面(角度α
=0°)の全周に渡ってフランジ面に蓋を融着すること
によってシールし、容器を密封した。なお、シール幅は
2mmとし、また、このシーラント層を介してのシール
部における剥離強度が1.5kgf/15mmとなるこ
とを予め確認しておいた。
【0037】こうして作製したシール面の角度αが0°
である従来型の易開封性容器について、その内圧強度
(破袋強度)を実施例1と同様にして評価した。
【0038】その結果を表1に示す。なお、この場合、
破袋はシール界面で起こり、低い内圧で蓋がはがれてし
まった。
【0039】比較例2 図2に示す構造と同様の構造を有するが、角度αが10
°である比較例としての易開封性容器を作製すべく、ポ
リプロピレンシート(厚み1.0mm)を熱成形し、容
器開口径が80mmで、先端部で10°に折れ曲がった
構造のフランジを有する容器を作製した。この容器の開
口上に、PETを基材としその面上にEVA系のシーラ
ント層を有する蓋をかぶせ、該シーラント層を介して容
器フランジの角度α=10°の傾斜面全周に渡ってフラ
ンジ面に蓋を融着することによってシールし、容器を密
封した。なお、シール幅は2mmとし、また、このシー
ラント層を介してのシール部における剥離強度が1.5
kgf/15mmとなることを予め確認しておいた。
【0040】こうして作製したシール面の角度αが10
°である比較例としての易開封性容器について、その内
圧強度(破袋強度)を実施例1と同様にして評価した。
【0041】その結果を表1に示す。なお、この場合、
破袋はシール界面で起こり、比較例1と同程度の低い内
圧で蓋がはがれてしまった。
【0042】
【表1】
【0043】
【発明の効果】本発明の易開封性容器は、開封時に剥離
するシール部の剥離強度を特定の範囲にするとともに、
容器開口面に対して特定の範囲にある角度αを持たせた
シール面(シール部)を有する構造としているので、従
来のこの種の易開封性容器に比べて、十分な易開封性を
持たせた上で内容物の密封性を著しく向上させることが
でき、特に、内圧強度(耐内圧性)を大きく向上させる
ことができるなどの利点を有している。
【0044】したがって、本発明によると、例えば、食
品の密封包装分野をはじめとする高い密封性(特に、高
い内圧強度)と易開封性が要求される各種の包装分野に
有利に利用することができる実用上著しく有用な易開封
性容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の易開封性容器の構造の1例を示す断面
説明図。
【図2】本発明の易開封性容器の構造の1例を示す断面
説明図。
【図3】本発明の易開封性容器の構造の1例を示す断面
説明図。
【図4】本発明の易開封性容器の構造の1例を示す断面
説明図。
【図5】本発明の易開封性容器の構造の1例を示す断面
説明図。
【図6】本発明の易開封性容器の構造の1例を示す断面
説明図。
【図7】本発明の易開封性容器の構造の1例を示す平面
説明図。
【図8】従来の典型的な易開封性容器の構造の1例を示
す断面説明図。
【図9】剥離強度の測定法を示す説明図。
【符号の説明】
1 容器 2 開口 3 フランジ 4 蓋 5 シール部 7 開口面 8 シール面 α 角度 1′ 容器 2′ 開口 3′ フランジ 4′ 蓋 5′ シール部 6′ 易剥離層 7′ 開口面 8′ シール面

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 容器の開口上に内容物を密封又は包装す
    るための蓋を有しており、該蓋が該開口の外周において
    該容器若しくはそのフランジの面上に直接又は易剥離層
    を介してシールされていて、該蓋を該容器から剥離する
    ことによって開封することができる易開封性容器であっ
    て、該容器と該蓋との剥離されるシール部における剥離
    強度が0.2kgf/15mm〜2.5kgf/15m
    mの範囲にあり、かつ、該容器の開口面に対するシール
    面のなす角度が該容器の開口面を基準として該容器本体
    側に30°〜270°の範囲にあるシール部を有するこ
    とを特徴とする易開封性容器。
JP21574892A 1992-07-22 1992-07-22 易開封性容器 Pending JPH0648468A (ja)

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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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