JP4089161B2 - 電動パワーステアリング装置の制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車や車両の操舵系にモータによる操舵補助力を付与するようにした電動パワーステアリング装置の制御装置に関し、特にモータを駆動するデューティ比対モータ電流特性の断続モードで発生する制御エラーの影響を、安定性を損なうことなく小さくするようにした電動パワーステアリング装置の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車や車両のステアリング装置をモータの回転力で補助負荷付勢する電動パワーステアリング装置は、モータの駆動力を減速機を介してギア又はベルト等の伝達機構により、ステアリングシャフト或いはラック軸に補助負荷付勢するようになっている。かかる従来の電動パワーステアリング装置は、アシストトルク(操舵補助トルク)を正確に発生させるため、モータ電流のフィードバック制御を行っている。フィードバック制御は、電流制御値とモータ電流検出値との差が小さくなるようにモータ印加電圧を調整するものであり、モータ印加電圧の調整は、一般的にPWM(パルス幅変調)制御のデュ−ティ比の調整で行っている。
【0003】
ここで、電動パワーステアリング装置の一般的な構成を図22に示して説明すると、操向ハンドル1の軸2は減速ギア3、ユニバーサルジョイント4a及び4b、ピニオンラック機構5を経て操向車輪のタイロッド6に結合されている。軸2には、操向ハンドル1の操舵トルクを検出するトルクセンサ10が設けられており、操向ハンドル1の操舵力を補助するモータ20がクラッチ21、減速ギア3を介して軸2に結合されている。パワーステアリング装置を制御するコントロールユニット30には、バッテリ14からイグニションキー11を経て電力が供給され、コントロールユニット30は、トルクセンサ10で検出された操舵トルクTと車速センサ12で検出された車速Vとに基いてアシスト指令の操舵補助指令値Iの演算を行い、演算された操舵補助指令値Iに基いてモータ20に供給する電流を制御する。クラッチ21はコントロールユニット30でON/OFF制御され、通常の動作状態ではON(結合)されている。そして、コントロールユニット30によりパワーステアリング装置が故障と判断された時、及びイグニションキー11によりバッテリ14の電源(電圧Vb)がOFFとなっている時に、クラッチ21はOFF(切離)される。
【0004】
コントロールユニット30は主としてCPUで構成されるが、そのCPU内部においてプログラムで実行される一般的な機能を示すと図23のようになる。
【0005】
コントロールユニット30の機能及び動作を説明すると、トルクセンサ10で検出されて入力される操舵トルクTは、操舵系の安定性を高めるために位相補償器31で位相補償され、位相補償された操舵トルクTAが操舵補助指令値演算器32に入力される。また、車速センサ12で検出された車速Vも操舵補助指令値演算器32に入力される。操舵補助指令値演算器32は、入力された操舵トルクTA及び車速Vに基いてモータ20に供給する電流の制御目標値である操舵補助指令値Iを決定する。操舵補助指令値Iは減算器30Aに入力されると共に、応答速度を高めるためのフィードフォワード系の微分補償器34に入力され、減算器30Aの偏差(I−i)は比例演算器35に入力されると共に、フィードバック系の特性を改善するための積分演算器36に入力される。微分補償器34及び積分補償器36の出力も加算器30Bに加算入力され、加算器30Bでの加算結果である電流制御値Eが、モータ駆動信号としてモータ駆動回路37に入力される。モータ20のモータ電流値iはモータ電流検出回路38で検出され、モータ電流値iは減算器30Aに入力されてフィードバックされる。
【0006】
モータ駆動回路37の構成例を図24に示して説明すると、モータ駆動回路37は加算器30Bからの電流制御値Eに基いて電界効果トランジスタ(FET)FET1〜FET4の各ゲートを駆動するFETゲート駆動回路371、FET1〜FET4で成るHブリッジ回路、FET1及びFET2のハイサイド側を駆動する昇圧電源372等で構成されている。FET1及びFET2は、電流制御値Eに基いて決定されるデューティ比D1のPWM(パルス幅変調)信号によってON/OFFされ、実際にモータ20に流れる電流Irの大きさが制御される。FET3及びFET4は、デューティ比D1の小さい領域では所定1次関数式(a,bを定数としてD2=a・D1+b)で定義されるデューティ比D2のPWM信号で駆動され、デューティ比D2も100%に達した以降、PWM信号の符号により決定されるモータ20の回転方向に応じてON/OFFされる。
【0007】
ここにおいて、デューティ比とモータ電流Iとの関係は図25に示すようになっており、デューティ比がゼロ近辺には、操舵の走行感を実感させるための不感帯UBが設けられている。通常不感帯UBの領域を断続モードと称し、他の領域を連続モードと称している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
図25に示すようにデューティ比がゼロ付近に不感帯UBが設けられているため、モータ角速度ωがゼロ付近で摩擦特性が不連続となり、何かのタイミングで舵角が完全に静止すると、ハンドルがその位置にはりついてしまう感じを受ける不具合がある。即ち、電動パワーステアリング装置では操舵性能を向上するためにモータ慣性の補償や摩擦の影響を除去するための種々の補償を行っており、そのような補償制御をモータ角速度に基づいて行っているため、電動パワーステアリング装置が持っている摩擦の影響を補償することができない。
【0009】
ここにおいて、モータ端子電圧をVm、モータの電気抵抗を(Lm・s+Rn)、モータ電流をi、モータのトルク定数をKTとすると、モータの逆起電力の推定値KT・ωは下記(1)式となる。
【0010】
KT・ω = Vm −(Lm・s+Rn)i ・・・(1)
上記(1)式より、
ω ={Vm −(Lm・s+Rn)i}/KT ・・・(2)
が成り立ち、通常この(2)式によって角速度ωを推定している。角速度ωを推定するのは、高価なセンサを用いないようにするためである。このようにして、上記(2)式に従って角速度ωを推定すると、電流iが不連続な断続モードでは角速度推定値ωにエラーが生じ、角加速度推定値ωaは角速度推定値ωを微分して推定しているため、その誤差は更に大きくなってしまう。このような誤差の影響を小さくするためには、不感帯を設定して制御量を減少させれば良いが、不連続になってしまう問題がある。
【0011】
本発明は上述のような事情よりなされたものであり、本発明の目的は、電動パワーステアリング装置の断続モードにおいても安定性を損なうことなく、角速度推定値や角加速度推定値に発生するエラーの影響を除去し得るようにした電動パワーステアリング装置の制御装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ステアリングシャフトに発生する操舵トルクに基いて演算された操舵補助指令値と、ステアリング機構に操舵補助力を与えるモータの電流値とから演算した電流制御値に基いて前記モータをPWM制御するようになっている電動パワーステアリング装置の制御装置に関するもので、本発明の上記目的は、モータ角加速度と前記操舵トルクを関数化した推定値との乗算により演算される値により、前記操舵補助指令値を補正することによって達成される。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を、図面を参照して説明する。
【0014】
図1は本発明の前提となる制御機能の全体ブロック図であり、操舵トルクTはセンタ応答性改善部101及び操舵補助指令値演算部102に入力され、各出力が加算器103に入力され、その加算結果がトルク制御演算部104に入力されている。トルク制御演算部104の出力信号はモータロス電流補償部105に入力され、その出力が加算器106を経て最大電流制限部201に入力され、最大電流値が制限されて電流制御部202に入力される。電流制御部202の出力は、Hブリッジ特性補償部203を経てHブリッジ回路で成る電流ドライブ回路211に入力され、これによりモータ210を駆動する。
【0015】
モータ210のモータ電流iは、モータ電流オフセット補正部204を経て電流ドライブ切換部205、電流制御部202及びモータ角速度推定部301に入力され、モータ端子電圧Vmはモータ角速度推定部301に入力される。モータ角速度推定部301で推定された角速度ωはモータ角加速度推定部・慣性補償部302、モータロストルク補償部303及びヨーレート推定部304に入力され、ヨーレート推定部304の出力は収れん制御部305に入力され、収れん制御部305及びモータロストルク補償部303の各出力は加算器306で加算され、その加算結果が加算器103に入力される。モータロストルク補償部303はモータ210のロストルクの発生する方向、つまりモータ210の回転方向に対してロストルク相当のアシストを行い、収れん制御部305は、車両のヨーの収れん性を改善するためにハンドルが振れ回る動作に対してブレーキをかけるようになっている。モータ角加速度推定部・慣性補償部302の出力は、電流ディザ信号発生部307からの電流ディザ信号と共に加算器308に入力され、加算器308の加算結果は加算器106に入力される。
【0016】
トルク系制御100は、センタ応答性改善部101、操舵補助指令値演算部102、トルク制御演算部104、モータロス電流補償部105及び加算器103、106で行われ、電流制御200は、最大電流制限部201、電流制御部202、Hブリッジ特性補償部203、モータ電流オフセット補正部204及び電流ドライブ切換部205で行われる。また、補償系制御300は、モータ角速度推定部301、モータ角加速度推定部・慣性補償部302、モータロストルク補償部303、ヨーレート推定部304、収れん制御部305、電流ディザ信号発生部307及び加算器306、308で行われる。
【0017】
このような構成において、センタ応答性改善部101は、アシスト特性の不感帯での安定性確保、静摩擦の補償、ヒステリシス制御、操舵感のチューニング、ウォームギアのゴムダンパによる制御不安定防止を行い、図2に示すように位相進み補償部101A、近似微分部101B及びゲイン設定部101Cで構成され、位相進み補償部101Aは図3に示す周波数特性を有し、近似微分部101Bは図4に示す周波数特性を有する。これにより、位相進み補償と近似微分との合成特性は図5に示すようになり、全体として位相遅れのない位相特性を得ることができる。また、ゲイン設定部101Cでは車速及び操舵トルクTによる3段階のゲイン設定を行い、操舵のヒステリシス感設定用のゲイン切換も行う。つまり、ハンドルが急に戻されるような操舵感を低減し、保舵を安定させるため、操舵トルク大で操舵トルク変化率大、かつ操舵トルク減少方向の場合に、設定ゲインを小さくしている。
【0018】
操舵補助指令値演算部102はアシスト量の計算において、3つの代表車速(0、30、254Km/h)によるアシスト特性を基本特性として設定し、その他の車速では車速補間ゲインに応じて各基本特性間を車速2Km/h毎の補間を行う。そして、アシスト特性の車速設定範囲0〜254Km/h、分解能2Km/hとする。基本アシスト特性(トルク対電流)は図6に示すものであり、0Km/h=lo特性、30Km/h=la特性、254Km/h=lb特性で表わされている。そして、その他の車速についての車速補間演算は、図7で示す車速(Km/h)対車速補間係数γで2Km/h毎に行う。車速0〜30Km/hのとき、アシスト電流IはI=la(T)+γ(V)(lo(T)−la(T))であり、車速32〜254Km/hのとき、アシスト電流IはI=lb(T)+γ(V)(la(T)−lb(T))である。
【0019】
また、トルク制御演算部104は電動パワーステアリング装置の機械系の安定化、減速ギア部にゴムダンパによる振動の安定化、操舵フィーリングの調整のために操舵トルク応答を設定する。図8はその構成例を示しており、位相補償部104A,104C,104Dと、ロバスト安定化補償部104B,104Eとで構成されており、ロバスト安定化補償部104B,104Eの周波数特性は図9に示すようになっている。位相補償部104A,104C,104Dの周波数特性は図10に示すようになっており、全体として図11のようになる。
【0020】
モータロス電流補償部105は、モータ電流iが流れてもモータ出力に現れない電流を上乗せして、モータ出力トルク0からの立ち上りを改善し、センタ感のチューニングとして設定する。また、補償値はトルク制御演算出力の符号と同一符号となるように加算し、補償値は車速により4段階に切換える。
【0021】
最大電流制限部201は図12に示す構成となっており、定格電流値による制限部201Aは電流指令値の最大値が定格電流値となるように制限し、トルク定数補正部201Bはモータトルク定数温度変動を補正するためのゲイン補正を行う。定格電流値による制限の後でゲイン補正を行うことにより、低温時には定格電流以下に制限され、低温減磁防止機能を兼ねている。また、過熱保護による制限部201Cは過熱保護機能によって求められた電流制限値により、電流指令値を制限する。
【0022】
電流制御部202は電流指令値とモータ電流値iが一致するように上下段のFETのデューティ比を計算する。また、据え切り時の電流振動を低減するため、据え切り時は電流フィードバック特性を低く設定し、走行時は応答性を上げるため電流フィードバック特性を高く設定するように、車速で特性を切換える。
【0023】
Hブリッジ特性補償部203は電流ドライブ切換部205により電流ドライブ方法が3段階に選択され、それに基づいて変数Bの値を変更して電流ドライブ方法を図14に示すように切換える。下段FETのデューティ比は
下段FETデューティ比=上段FETデューティ比+B ・・・(3)
で求められる。変数Bの値のみの切換えではモータ電流iがステップ的に変化してしまうので、モータ電流iが変化しないように上段FETデューティ比を同時に変更し、上段FETデューティ比の変更により、制御系にフィードバックする信号もステップ的に変化する。それによる制御系の過渡応答を防ぐため、Qフィルタの内部変数をリセットする。また、ステアリング切り増し方向に高速で回転させているとき、デューティ比対電流特性の不感帯が大きくなり、応答性が悪くなることを補償するため、モータ角速度推定値ωが所定値以上、かつモータ角速度推定値ωと電流駆動方向が同一、かつモータ電流が所定値より小さいときに、デューティにモータ角速度推定値ωに比例した値を加算する。
【0024】
電流ドライブ切換部205は、ハンドル戻り時にモータ逆起電圧によりデューティ比と電流との関係が不連続になり、電流振動(制御音)を起こすことを防止するため、デューティ比対電流特性が不連続にならないような電流ドライブ方法を決定し、電流制御部202に入力する。
【0025】
モータ角速度推定部301は収れん性制御、慣性補償、モータロストルク補償などの補償制御にモータ角速度の情報が必要であり、センサを設けることなく達成するために推定演算で求める。モータ角速度推定部301の構成は図15のようになっており、モータ逆起電圧KT・ωは前記(1)式から求められる。なお、図15では、モータの負荷系の抵抗をRmで簡略化している。温度変動オフセット補正部301CはR=Rm+ΔR(ΔRには巻線温度変動、巻線スロットによる変動、接触抵抗変動等が含まれる)とすると、モータ角速度推定値ωの計算は下記(4)式になる。
【0026】
上記(4)式より、ΔR・iの推定誤差を持つ。このうち、巻線の温度変動は−0.4/℃となることが分っているので、モータ温度推定値を基に抵抗の温度変動分を補正する。
【0027】
また、電流比例不感帯301Dは、推定誤差はモータ電流iに比例したオフセット誤差となることから、電流に比例した不感帯設定を行い、温度変動以外の誤差の影響を取り除く。なお、モータ角加速度推定への信号には、不感帯設定前の値を出力する。トルク定数温度補正部301Eは、トルク定数KTは温度により変動するため、モータ角速度推定値の大きさが温度で変化する。これを補正するため、モータマグネット温度の推定値からトルク定数KTの変動を計算して補正する。
【0028】
モータ角加速度推定部・慣性補償部302はモータ慣性を加減速させるトルクを操舵トルクから排除して、慣性感のない操舵感にする。モータ慣性を加減速させるトルクはモータ角加速度に比例するため、角加速度推定値を求め、ゲイン倍して電流指令値に加算することにより補償を行う。モータ角加速度推定方法は、モータ角速度推定値(不感帯設定前)の入力に対して近似微分を行うものであり、レイトリミッタは微分された信号に対して位相遅れを少なくノイズ低減を行うため、信号の変化率を制限するタイプのリミッタを設定する。マップ感応不感帯設定は、保舵時のノイズ低減のため、アシスト特性の出力に比例した不感帯を設定する。モータ慣性補償はモータ角加速度推定値をゲイン倍してモータ慣性補償値とし、ゲインは車速に応じて4段階に設定する。
【0029】
モータロストルク補償部303はモータのロストルクを補償するため、図16に示すようなモータ角速度の方向に応じて補償値を出力する。ヨーレート推定部304は、収れん性制御で必要な車両のヨーレートを推定するため、モータ角速度ωから車両のヨーレートまでの伝達関数を計算して、車両のヨーレートを推定している。伝達関数はω2(T1s+1)/(s2+2ζω・s+ω2)であり、周波数特性は図17に示すものである。
【0030】
収れん性制御部305は、ヨーレート推定値をゲイン倍してトルク制御系演算の入力に加算し、車両のヨーレート収れん性を制御する。車速感応ゲインは図18に示すように車速感応で2km/h毎に設定する。また、車両の挙動と操舵トルクとを一致させるため、ヨーレートが所定値以上で操舵トルクが所定値以上の場合、車速感応ゲインに所定ゲインを加算し、図19に示すように収れん性制御値を増加させる。
【0031】
電流ディザ信号発生部307はモータが静摩擦で張り付いてしまうのを防ぐため、操舵トルクが所定値以下でモータ角速度推定値が所定値以下の場合に、所定の周波数と振幅を持つディザ信号を電流指令値に加算する。
【0032】
ここにおいて、モータ角加速度推定部・慣性補償部302は図20に示すように、モータ角速度推定部301からの角速度推定値ωを微分する微分部302Aと、微分部302Aで微分されて求められた角加速度推定値ωaに対して不感帯を設ける関数部302Bと、関数部302Bの出力にゲインを乗算するゲイン部302Cとで構成されている。このように角速度推定値ωを微分して角加速度推定値ωaを求めると、角速度推定値ωに誤差成分があるとその誤差が増長されてしまい、制御の確実性が損なわれてしまう。
【0033】
このため、本発明では図21に示すように不感帯の関数部302Bを削除して、操舵トルクTを入力して平方根関数で出力する関数部302Dを設け、関数部302Dの出力をゲイン部302Cからの出力と乗算する乗算部302Eを設けている。操舵トルクTの小さい領域において角加速度推定値ωaを小さくすることにより、制御の安定性を損なうことなく、断続モードで生ずる制御エラーの影響を小さくすることができる。
【0034】
【発明の効果】
本発明では、モータの角速度の推定値及び角加速度の推定値に対して操舵トルクの関数を乗算し、制御量を小さくしても安定性を損なうことなく、断続モードで発生する制御エラーの影響を除去することができ、快適な操舵フィーリングを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の前提となる基本構成を示すブロック図である。
【図2】センタ応答性改善部のブロック構成図である。
【図3】位相進み補償部の特性例を示す図である。
【図4】近似微分部の特性例を示す図である。
【図5】位相進み補償部及び近似微分部の合成特性を示す図である。
【図6】基本アシスト特性を示す図である。
【図7】車速補間演算の一例を示す図である。
【図8】トルク制御演算部の構成例を示すブロック図である。
【図9】ロバスト安定化補償の周波数特性を示す図である。
【図10】位相補償の周波数特性を示す図である。
【図11】ロバスト安定化補償及び位相補償の合成特性を示す図である。
【図12】最大電流制限部の構成例を示すブロック図である。
【図13】電流制御部の構成例を示すブロック図である。
【図14】Hブリッジ特性補償部の特性例を示す図である。
【図15】モータ角速度推定部の構成例を示すブロック図である。
【図16】モータロストルク補償の特性例を示す図である。
【図17】ヨーレート推定部の特性例を示す図である。
【図18】収れん性制御部の特性例を示す図である。
【図19】収れん性制御部の特性例を示す図である。
【図20】モータ角加速度推定部・慣性補償部の構成例を示すブロック図である。
【図21】本発明の要部を示すブロック構成図である。
【図22】電動パワーステアリング装置の一例を示すブロック構成図である。
【図23】コントロールユニットの一般的な内部構成を示すブロック図である。
【図24】モータ駆動回路の一例を示す結線図である。
【図25】電動パワーステアリング装置のデューティ比対モータ電流特性を示す図である。
【符号の説明】
100 トルク系制御
101 センタ応答性改善部
102 操舵補助指令値演算部
104 トルク制御演算部
105 モータロス電流補償部
200 電流制御
201 最大電流制限部
202 電流制御部
203 Hブリッジ特性補償部
204 モータ電流オフセット補正部
205 電流ドライブ切換部
210 モータ
211 電流ドライブ回路
300 補償系制御
301 モータ角速度推定部
302 モータ角加速度推定部・慣性補償部
303 モータロストルク補償部
304 ヨーレート推定部
305 収れん制御部
307 電流ディザ信号発生部
Claims (2)
- ステアリングシャフトに発生する操舵トルクに基いて演算手段で演算された操舵補助指令値と、ステアリング機構に操舵補助力を与えるモータの電流値とから演算した電流制御値に基いて前記モータをPWM制御するようになっている電動パワーステアリング装置の制御装置において、モータ角加速度と前記操舵トルクを関数化した推定値との乗算により演算される値により、前記操舵補助指令値を補正することを特徴とする電動パワーステアリング装置の制御装置。
- 前記推定値が前記操舵トルクの平方根の関数である請求項1に記載の電動パワーステアリング装置の制御装置。
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