JP4088544B2 - 撥水膜の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐アルカリ特性の高い撥水膜を作製する方法を提供する。とくに、低価格で撥水膜を形成する方法を提供する。
【0002】
【従来の技術】
撥水膜は、水や油を弾き、その表面に付着した物質が容易に除去できることから、様々な分野で広く用いられている。例えば、自動車の窓に形成することにより、雨の日でも窓が水を弾き良好な視界を確保できる。
【0003】
また、汚れやすい調理機器表面、台所周り、トイレ周りなどに形成することにより、汚れが簡単に除去でき、お手入れが楽になる。さらに、近年、撥水膜は、インクジェット式記録装置のインクジェットヘッドにも主要な部品として利用されている。
【0004】
従来から、固体基材上に撥水膜を形成するには、撥水性を有するポリテトラフルオロエチレン(PTFE)やその誘導体を基材に塗布することが一般的に行われている。ただし、PTFEやその誘導体は表面エネルギーが小さく、これらを基材に直接塗布しても膜は簡単に基材から剥がれてしまう。そこで、膜と基材との密着性を確保するために、基材表面を荒らした後に撥水膜を塗布する方法や、荒らした後にポリエチレンサルファイド等のプライマー層(密着層)を形成してから撥水膜を焼結する方法が従来から用いられてきた。また、固体基材が金属の場合、PTFEやこの誘導体の微粒子を金属と一緒に鍍金する方法がある。
【0005】
これに対して、シランカップリング剤を用いることにより基材表面を荒らすことなく基材に直接密着性が良い撥水膜を形成する方法が提案されている。以下にシランカップリング剤を用いた従来の例を5つ上げる。
【0006】
(第1番目の例)
CF3(CF2)8C2H4SiCl3などのフルオロアルキルトリクロロシランを基材と反応させて、撥水性の単分子膜や重合膜を形成する方法がある(下記特許文献1〜2)。前記化学式において、CF3(CF2)8C2H4-がフルオロアルキル基、-SiCl3がトリクロロシリル基である。この方法では、活性水素が表面に存在する基材をフルオロアルキルトリクロロシランが溶解した溶液に接触させ、クロロシリル基(−SiCl)と活性水素とを反応させて、基材表面と-Si-O-結合を形成する。この結果、フルオロアルキル鎖は-Si-O-を介して基材に固定される。ここで、フルオロアルキル鎖が膜に撥水性を付与する。膜の形成条件によって、撥水膜は単分子膜や重合膜となる。
【0007】
(第2番目の例)
CF3(CF2)8C2H4Si(OCH3)3などのフルオロアルキルアルコキシシランなどのフルオロアルキル鎖を含む化合物を含浸した多孔質性の基体を真空中で加熱し、前記化合物を蒸発させて基材表面を撥水性にする方法がある(下記特許文献3)。この方法では、撥水膜と基材との密着性を上げるために二酸化珪素などの中間層をもうける方法が提案されている。
【0008】
(第3番目の例)
基材ににチタン、または、酸化チタン、インジウム・錫酸化膜を形成し、この上に、フルオロアルキルシランを真空蒸着法により形成する方法がある(下記特許文献4)。
【0009】
(第4番目の例)
ジルコニアやアルミナなどの酸化物微粒子を基材表面に形成した後、その上にフルオロアルキルクロロシランやフルオロアルキルアルコキシシランなどを塗布する方法がある(下記特許文献5)。
【0010】
(第5番目の例)
フルオロアルキルアルコキシシランに、金属アルコキシドを加えた混合溶液を加水分解・脱水重合させた後に、この溶液を基材に塗布して焼成することにより、金属酸化物中フルオロアルキル鎖を有する分子が混合した撥水膜を形成する方法がある(下記特許文献6〜9)。これらの方法は、フルオロアルキル鎖が膜に撥水性を付与し、金属酸化物が膜に高い機械的強度を付与する。
【0011】
シランカップリング剤を用いた撥水膜は、前処理を行わずに様々な基材へ形成できることから、様々な分野への応用展開が期待され、インクジェットヘッドにおいては、特に有用である。しかしながら、シランカップリング剤を用いた従来の撥水膜はアルカリ性に対して耐久性が無いという課題があった。
【0012】
前記1と2の例で述べたような従来のシランカップリング剤を用いた単分子膜や重合膜は、基材と−Si-O−結合を介して結合している。しかし、この結合はアルカリ溶液中では加水分解しやすいため、アルカリ溶液に浸漬すると基材から消失しやすく、アルカリ溶液に対する耐久性が無かった。特に、前記2で説明した方法では、密着層がアルカリ溶液に対して溶解しやすい二酸化珪素であるため、この撥水膜はアルカリ溶液に対して耐久性がなかった。
【0013】
そこで、耐アルカリ性を向上するために、撥水膜の下に、酸化チタン、チタン、ジルコニア微粒子、アルミナ微粒子などの耐アルカリ性の下層膜を形成する前記3と4番目の方法がある。このことにより、少なくとも下層膜の破壊により撥水膜が固体基材から剥離することは無くなる。一方、撥水膜と基材間の水素結合やシロキサン結合がアルカリに破壊されるという問題は、この構成でも完全には解決されていなかった。その理由を以下に述べる。従来法で提案されている撥水膜では、フルオロアルキルアルコキシシランやフルオロアルキルクロロシランなど、直鎖分子の片末端にのみ反応基があるシランカップリング剤を利用している。このようなカップリング剤においては、図3で示すように、分子間の立体障害のため、分子間での3次元重合は起こりにくく、膜の密度は一般の重合性ポリマーに比べて低い。シランカップリング剤61は基材表面の水酸基と脱水反応を起こしてシロキサン結合を形成したり、水素結合により固定される。矢印62は脱水により重合反応の起こる部分を示す。
【0014】
従って、図4Aで示すように、基材表面の水酸基密度が高い基材71ほど、基材近傍の膜(基材に結合したシランカップリング剤の膜)72の密度は高くなる。ここで、図4Bで示すように、下層膜73が酸化チタン、チタン、ジルコニアなどの場合、これら表面の水酸基密度が小さいので、下層膜に接触している撥水膜(基材に結合したシランカップリング剤の膜)74の密度は低い。
【0015】
図5は、水酸基密度が小さい下層膜83に形成された撥水膜82,81がアルカリ性成分に曝されたときの模式図を示している。下層膜83近傍には水素結合やシロキサン結合を介して固定しているシランカップリング分子(下層膜近傍の撥水膜)82と、それより離れた箇所には密度の低い撥水膜(下層膜から離れた部分の撥水膜)81が形成されている。いま、この膜にアルカリ性のインクが接触すると、アルカリ性成分であるイオン(OH-)84が膜81を通過して下層膜83へと浸透する。下層膜近傍の撥水膜82の密度が小さい場合、イオン85は膜82と下層膜83界面に入り込み、そこに存在する水素結合やシロキサン結合を破壊する。結局、下層膜がいくらアルカリ溶液に対して耐久性があっても、その表面の水酸基密度が低いと、撥水膜の耐アルカリ性は低くなってしまう。
【0016】
また、耐アルカリ性を向上するためには、アルカリ溶液に対して耐久性がある酸化チタンや酸化ジルコニウム等の金属酸化物にフルオロアルキル鎖を有する分子を混入する前記第5番目の例が有用である。しかし、これら金属酸化物はチタンアルコキシドやジルコニウムアルコキシドを加水分解・脱水重合して形成する必要があり、これらのアルコキシドは反応性が高く通常の大気中で即座に加水分解が進むため、いわゆるポットライフが短く、この撥水膜塗布用コート液は大変扱いにくいという問題があった。このため、大気中で安定なシリコンアルコキシドが広く用いられてきた。しかし、シリコンアルコキシドから形成される酸化珪素はアルカリ溶液中では溶解してしまう。そのため、シリコンアルコキシドを用いた撥水膜はアルカリ溶液に対して耐久性が低いという問題があった。
【0017】
これらシランカップリング材から作製した撥水膜は耐アルカリ性が低いという課題の他に、一般にシランカップリング剤は高価であり、工業生産においてコストが高くなるという課題があった。
【0018】
【特許文献1】
特許第2500816号公報
【0019】
【特許文献2】
特許第2525536号公報
【0020】
【特許文献3】
特開平6-143586号公報
【0021】
【特許文献4】
特開平10-323979号公報
【0022】
【特許文献5】
特開平6-171094号公報
【0023】
【特許文献6】
特許第2687060号公報
【0024】
【特許文献7】
特許第2874391号公報
【0025】
【特許文献8】
特許第2729714号公報
【0026】
【特許文献9】
特許第2555797号公報
【0027】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記従来の問題を解決し、耐アルカリ性の撥水膜を低価格で製造方法を提供することを目的とする。
【0028】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明の撥水膜の製造方法は、固体基材上への撥水膜の製造方法であって、
両末端に反応性官能基を有し中間部に炭化水素鎖とベンゼン環を含むシランカップリング剤(A)と、
一方の末端がフッ化炭素鎖で他方の末端に反応性官能基を有するシランカップリング剤(B)と、
有機溶剤、水、および酸性触媒を少なくとも含む化学物質を混合した溶液を作製し、
前記シランカップリング剤(A)と(B)の加水分解及び脱水重合反応を進行させた後、
前記溶液を、その希釈倍率が2〜20倍の範囲となるように希釈し、
前記溶液を前記基材に塗布し、前記基材を加熱することにより、前記シランカップリング剤(A)と前記シランカップリング剤(B)でポリマー膜を形成させることを特徴とする。
【0029】
【発明の実施の形態】
本発明方法は、両末端に少なくとも一つ以上のシロキサン結合(-Si-O-)を有し中間部に撥水性の炭化水素鎖とベンゼン環を含む分子(A)と、一方の末端に撥水性のフッ化炭素鎖を有し他方の末端に少なくとも一つ以上のシロキサン結合(-Si-O-)を有する分子(B)とを含み、かつ前記分子(A)と前記分子(B)でポリマーを形成する。これにより、耐アルカリ性の高い撥水膜が形成できる。かかる製造方法においては、シランカップリング剤(A)と(B)の濃度が高い溶液を作製してこれらのシランカップリング剤の反応を促進した後溶液を希釈するため、シランカップリング剤(A)と(B)の使用量を節約することが可能となる。一般にシランカップリング剤は高価であるため、本発明方法により、低価格で撥水膜を形成することが可能となる。
【0030】
また、希釈する前の混合溶液中のシランカップリング剤(A)の濃度が0.5vol%以上であれば、混合液中ではシランカップリング剤の反応が充分進行する。
【0031】
また、反応性官能基がアルコキシル基であると、シランカップリング剤(A)と(B)のポリマー形成は容易に起こりやすく、耐アルカリ性と耐熱性に優れた撥水膜が容易に作製できる。
【0032】
前記シランカップリング剤(A)は、下記一般式(a)で示される化合物であることが好ましい。
【0033】
XsQ3-sSi(CH2tC6H4(CH2uSiR3-mXm (a)
(但し、Q、Rはメチル基、またはエチル基、t、uは1〜10の自然数、sとmは1〜3の自然数。S=1、m=1の場合、Q,Rはそれぞれ二個存在するが、それぞれの二個は異なる構造であってもよい。C6H4はフェニレン基である。Xはアルコキシル基、塩素、アシロキシ、または、アミンである。)
また、前記シランカップリング剤(B)は、下記一般式(b)で示される化合物であることが好ましい。
【0034】
CF3(CF2nC2H4SiR3-mXm (b)
(但し、Rはメチル基またはエチル基、nは1〜12の自然数、mは1〜3の自然数。m=1の場合、Rは二個存在するが、この二個はそれぞれ異なる構造でもよい。Xはアルコキシル基、塩素、アシロキシ、または、アミンである。)
前記混合溶液中のシランカップリング剤(A)の濃度は0.5vol%以上30vol%以下、前記シランカップリング剤(B)の濃度は0.05vol%以上3vol%以下、水の濃度が0.1vol%以上30vol%以下、残余が有機溶剤と酸性触媒であることが好ましい。酸性触媒はppmオーダー以上添加するだけでよい。
【0035】
前記有機溶剤は、エタノール、プロパノール、ブタノールおよび2,2,2−トリフロオロエタノールから選ばれる少なくとも一つであることが好ましい。
【0036】
また前記酸性触媒は、塩酸、硝酸から選ばれる少なくとも一つの無機酸、または酢などの有機酸であることが好ましい。
【0037】
また前記シランカップリング剤(A)と(B)の加水分解及び脱水重合反応により、オリゴマーを形成することが好ましい。
【0038】
また前記シランカップリング剤(A)と(B)の加水分解及び脱水重合反応を、0℃以上70℃以下の温度で1分以上240分以下の条件で行うことが好ましい。
【0039】
また前記希釈溶液が、エタノール、プロパノール、ブタノールおよび2,2,2−トリフロオロエタノールから選ばれる少なくとも一つであることが好ましい。
【0040】
また前記希釈溶液の希釈倍率、2〜20倍の範囲である。
【0041】
また前記基材の加熱温度が100〜400℃の範囲であることが好ましい。
【0042】
本発明者らは、アルカリ溶液が撥水膜に及ぼす影響とそのメカニズムなどについて様々な解析と実験をした結果、耐アルカリ性と耐熱性の高い撥水膜を、シランカップリング剤を用いて低価格で実現する方法を見いだした。
【0043】
以下、本発明の理解を容易にするため、本発明の実施の形態例について説明するが、本発明は、この実施の形態例に挙げられたもののみに限定されるものではない。
【0044】
シランカップリング剤のカップリング部、-Si-X(Xはアルコキシル基、塩素、アシロキシ、または、アミン)は、有機溶剤、水、及び酸触媒の中では、下記化学式(化1)〜(化3)の反応が起こる。
【0045】
【化1】
Figure 0004088544
【0046】
【化2】
Figure 0004088544
【0047】
【化3】
Figure 0004088544
【0048】
(化1)の反応は加水分解によるシラノール基(Si-OH)の生成であり、(化2)の反応は縮合反応によるシロキサン結合(-Si-O-)の生成であり、(化3)の反応は縮合反応の一種である脱水重合反応によるシロキサン結合(-Si-O-)の生成である。
【0049】
所定量のシランカップリング剤、有機溶剤、水、酸触媒を混合すると、その直後から(化1)〜(化3)の反応が起こる。従って、混合溶液中には、シランカップリング剤の加水分解物、脱水重合物、または、未反応の反応性官能基を有する分子が混在する。これを有機溶剤で希釈した後基材に塗布すると、基材には膜が形成される。塗布直後の膜内にはシランカップリング剤、溶媒、水、酸触媒が存在しているが、100℃以上で加熱すると溶媒、水、酸触媒が蒸発し、それに伴い、未反応の反応性官能基のシラノール化やシラノール基同士の脱水重合反応が進み、その結果、基材上には固体薄膜が形成される。図2に示すように、シランカップリング剤(A)11は分子両末端に反応性官能基があるので、重合反応の起こる部分を矢印12で示すように、脱水重合反応を起こし、高密度の3次元重合膜を形成する。このため、形成される膜は、シランカップリング剤(A)の3次元重合膜中にシランカップリング剤(B)がシロキサン結合を介して固定された構造となる。なお、膜中でシランカップリング剤(A)と(B)はシロキサン結合を介して結合して重合膜を形成しているが、膜中には未反応の反応性官能基やシラノール基(Si-OH)が残存する場合がある。焼成温度が高いほどこれらの残存基が少なくなる。また、基材表面に水酸基(-OH)がある場合、シランカップリング剤は水酸基と脱水反応してシロキサン結合を形成するか、または、水素結合するので、撥水膜は基材に強固に固定される。
【0050】
シランカップリング剤(A)としては、
XsQ3-sSi(CH2tC6H4(CH2uSiR3-mXm
(但し、Q、Rはメチル、またはエチル基、t、uは1〜10の自然数、sとmは1〜3の自然数。なお、S=1、m=1の場合、Q,Rはそれぞれ二個存在するが、それぞれの二個は異なる構造であってもよい。C6H4はフェニレン基である。Xはアルコキシル基、塩素、アシロキシ、または、アミンである。)
また、シランカップリング剤(B)としては、CF3(CF2nC2H4SiR3-mXm(Rはメチル基またはエチル基、nは1〜12の自然数、mは1〜3の自然数。なお、m=1の場合、Rは二個存在するが、この二個はそれぞれ異なる構造でもよい。Xはアルコキシル基、塩素、アシロキシ、または、アミンである。)がある。ここで、膜に高い撥水性を付与するためには、n=6〜10が好ましい。
【0051】
コート液を基材に塗布して膜を形成するためにはコート液に流動性があることが望ましく、そのためには、コート液中のシランカップリング剤の一部のみが重合していることが望ましい。なぜなら、すべてのカップリング剤が重合してしまうと、コート液はゲル化(溶液を含む固体状の形態)して流動性を失い、基材上に塗布することが不可能になるからである。シランカップリング剤のXが塩素の場合、カップリング部の反応性があまりにも高いので、水分量を厳密にコントロールしないとゲル化が起きやすい。これに対して、Xがアルコキシル基の場合は、水と酸の存在下でゆっくりと加水分解と脱水重合反応が進むので、コート液は基材に容易に塗布することが可能となる。
【0052】
図1は、本発明の方法で作製される撥水膜1の一例の構造模式図である。2は基材である。また、図2は本発明の一実施形態の高密度重合膜が形成される過程を示した模式図である。
【0053】
この例では、シランカップリング剤分子(A)としては、(CH3O)3Si(CH2)2(C6H4)(CH2)2Si(OCH3)3、分子(B)としてはCF3(CF27C2H4Si(OCH3)3を用いており、反応後の撥水膜中では前記シランカップリング剤分子(A)は、下記(化4)となる。
【0054】
【化4】
Figure 0004088544
【0055】
ここで、この膜内にはシロキサン結合(-Si-O-)が存在する。一般にシロキサン結合はアルカリ溶液中では加水分解して切断される。しかし、本発明の撥水膜の構造においては、シロキサン結合の近傍には撥水性のアルキル鎖、ベンゼン環、または、フッ化炭素鎖が存在し、これらの基が膜内にアルカリ溶液が侵入することを防ぐことを本発明者らは見出した。この結果、撥水膜がアルカリ中でも破壊されないことを本発明者らは見出した。
【0056】
撥水膜を形成するために必要なコート液の量は、塗布方式によって異なる。しかし、どの塗布方式でも、使用するコート液の量は、実際に基材上に撥水膜を形成するために必要な正味の量に較べて多い。例えば、スピンコート法で塗布した場合、コート液の90%以上は捨て去られる。一方、コート液に使用するシランカップリング剤は高価であることが多い。そこで、撥水膜の原材料費をできるだけ低く抑えるためには、コート液中のシランカップリング剤の濃度をできるだけ低くする必要がある。ところで、一般に、(化1)〜(化3)に示したシランカップリング剤の化学反応は、その濃度が高いほど早く進み、濃度が低くなると反応は進まなくなる。従って、最初から濃度の低いコート液を作製した場合、コート液中のシランカップリング剤の反応は不十分となり、コート液中のシランカップリング剤完の重合も不十分となる可能性がある。そこで、濃度の低いコート液を用いて作製した膜中でのシランカップリング剤の重合度も低くなり、膜の機械的強度は低下する懸念がある。
【0057】
本発明者らは、いったん高濃度コート液を作製してシランカップリング剤の反応を進行させた後、コート液を希釈すれば、シランカップカップリング剤が低濃度であっても、重合が充分進んでいるコート液を作ることができることを見出した。ここで、コート液中のシランカップリング剤(A)の濃度が0.5vol%以上であれば、反応が充分進行することを本発明者らは見出した。希釈したコート液を用いて作製した撥水膜は、希釈しないで作製した撥水膜に較べると膜厚が多少小さくなるが、十分な耐アルカリ性を保持する。
【0058】
【実施例】
以下に本発明の具体的な実施例を述べる。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0059】
基材には、大きさ縦3cm、横5cm、厚み100μmのステンレス基材(SUS304)を用いた。
【0060】
以下に示したC-1、C-2液を調整した。
I.C-1液
(1)エタノールと2,2,2-トリフルオロエタノールの混合溶液(体積比で8:2):30ml
(2)1,4-ビス(トリメトキシシリルエチル)ベンゼン
((CH3O)3Si(CH22(C6H4)(CH22Si(OCH3)3):2ml
(3)(2-パーフルオロオクチル)エチルトリメトキシシラン
(CF3(CF2)7C2H4Si(OCH3)3):0.2ml
II.C-2液
(1)エタノールと2,2,2-トリフルオロエタノールの混合溶液(体積比で8:2):19.5ml
(2)純水:30ml
(3)塩酸(36vol%):0.5ml
C-1液を攪拌子で攪拌しながらC-2液を5ml滴下した。滴下後約1時間攪拌した後、この溶液をエタノールと2,2,2-トリフルオロエタノールの混合溶液(体積比で8:2)で4倍に希釈した。この希釈液をスピンコート法により基材に塗布した。スピンコートの条件は3000rpmで20秒とした。その後、基材を室温で1時間乾燥した後、200℃で30分焼成した。
【0061】
はじめから希釈したコート液は以下の方法で作製した。
III.D-1液
(1)エタノールと2,2,2-トリフルオロエタノールの混合溶液(体積比で8:2):30ml
(2)1,4-ビス(トリメトキシシリルエチル)ベンゼン:0.5ml
(3)(2-パーフルオロオクチル)エチルトリメトキシシラン:0.05ml
IV.D-2液
(1)エタノールと2,2,2-トリフルオロエタノールの混合溶液(体積比で8:2):30ml
(2)純粋:30ml
(3)塩酸(36vol%):0.5ml
D-1液を攪拌子で攪拌しながらD-2液を5ml滴下した。滴下後約1時間攪拌したものをコート液とした。
【0062】
比較として、希釈しないもの、はじめから希釈したものを用いて撥水膜を形成した。
【0063】
撥水膜の評価は以下の2項目について行った。
(a)撥水性の評価
撥水膜の純水に対する静的接触角を測定した。
(b)耐アルカリ特性
pH=9.0の緩衝溶液に撥水膜を塗布した基材を浸漬し、70℃で20時間放置する。その後、基材を取りだして、純水に対する静的接触角を測定した。
【0064】
なお、緩衝溶液は以下のA,B液をpH=8.0になるように適量混合して作製した。
A液:0.2Mホウ酸、0.2M塩化ナトリウム
B液:0.2M炭酸ナトリウム
本実施例で作製した撥水膜評価結果を下記(表1)に示す。
【0065】
【表1】
Figure 0004088544
【0066】
本実施例においては3種類のコート液を用いて撥水膜を形成したが、コート液の種類に関わらず使用するコート液の量は同じであった。従って、コート液を希釈すればコート時に使用するシランカップリング剤の量が少なくなることが分かった。
【0067】
(表1)で示すように、4倍希釈したコート液で作製した撥水膜は、希釈無しのコート液を用いた場合とほぼ同等の特性を持ち、初期の撥水性が高く、アルカリ溶液に浸漬した後でも撥水性はほとんど低下しなかった。この結果より、シランカップリング剤の使用量を減らしても、撥水性がが高く、耐アルカリ性の高い撥水膜が作製できることが示された。従って、本実施例の方法を用いることにより、高価なシランカップリング剤の使用量を減らすことができるので、低コストで撥水膜を形成することが可能となる。
【0068】
ここで、はじめから4倍希釈したコート液を用いた場合は、撥水膜のアルカリに対する耐久性が低下した。これは、はじめから希釈したコート液中ではシランカップリング剤の反応が十分進行しないために形成された撥水膜の重合度が不十分となり、膜の密度が低くなることが原因である。膜密度が低いと、膜内へアルカリ成分が侵入しやすく、膜の構成要素であるシロキサン結合(Si−O−Si)が破壊されやすくなり、耐アルカリ特性が低下する。従って、本発明の実施例のように、あらかじめシランカップリング剤の反応が十分進むコート液を作製した後にこのコート液を希釈することで初めて、耐久性の高い撥水膜を実現できるといえる。
【0069】
ここで、希釈無しのコート液と4倍希釈したコート液の寿命を調べた。このために、両者のコート液を作製後、24時間放置した後に基材にコート液を塗布して撥水膜を形成し、その特性を調べた。希釈無しのコート液を用いた場合、24時間放置後コート液は少し白濁した。この白濁したコート液を用いて作製した撥水膜には膜厚分布があり、膜の表面は4倍希釈のコート液を用いたものに比べて荒れていた。コート液が白濁するのは、24時間放置中にコート液中でシランカップリング剤の重合反応が徐々に進行し、不溶性となったポリマーがコート液中に浮遊するためであると推測される。さらに、シランカップリング剤の重合反応が進行するとコート液の粘度が上昇し、それに伴い、基材に対するコート液の濡れ性が低下するために基材表面にコート液を均一塗布できなくなり、その結果、撥水膜に膜厚分布が生じたものと推測できる。撥水膜表面の荒れの原因は、コート液中に浮遊していたポリマーが撥水膜表面に付着しているためであると推測される。24時間放置したコート液を用いて作製した撥水膜は、膜厚が不均一であり表面が荒れているために基材全体に均一な撥水性を付与することができず、特殊な場合を除いて、製品としては利用できないと考えられる。従って、このコート液の寿命は24時間以下であるといえる。
【0070】
これに対して、4倍希釈したコート液を用いて作製した撥水膜は、24時間放置前のコート液の場合と同様に膜厚は均一で表面も平滑であり、特性は表1で示したものとほぼ同等であった。これは、希釈したコート液中ではシランカップリング剤の濃度が低いためにシランカップリング剤同士の重合反応が進みにくく、24時間放置後のシランカップリング剤の重合度は初期のものとほぼ同じであるためであると推測できる。従って、このコート液の寿命は24時間以上あることが分かる。
【0071】
これらの結果から、4倍希釈したコート液は希釈しないコート液に比べて寿命が長いことが分かった。コート液の寿命が長ければ、コートを作りだめしておいて必要なときに撥水膜を塗布できるため、コート液の管理が簡単となるので、撥水膜の作製コストが削減できる。
【0072】
以上本発明の実施例に示したように、あらかじめシランカップリング剤を加水分解、脱水重合反応させたコート液を作製した後にこれを希釈することにより、低コストで撥水膜を作製することが確認できた。
【0073】
以上、本発明によってシランカップリング剤を用いて、耐アルカリ性の高い撥水膜を低コストで実現できた。
【0074】
なお、本発明の実施例では4倍希釈にしたがこれに限る必要はなく、さらに、希釈する前のコート液中のシランカップリング剤の濃度と組成比、水の濃度、触媒の種類と濃度、コート液の希釈率は目的に応じて決めてやればよい。例えば、かなり高価なシランカップリング剤の場合は、できるだけ希釈前のコート液の濃度を高くして希釈率を大きくした方が、コート液作製時に使用するシランカップリング剤の総量は少なくてすむ。また、希釈倍率を上げすぎると、作製した撥水膜の膜厚は小さくなり、それに伴い耐アルカリ性や耐摩耗性などは減少する傾向にある。従って、それほど耐久性を要求しない目的の撥水膜の作製には、なるべく希釈率を上げてシランカップリング剤の使用量を減らしてコスト削減をはかることができる。
【0075】
また、本実施例においては溶媒としてエタノールと2,2,2-トリフルオロエタノールを用いたが、これに限る必要はなく、プロパノール、ブタノールを用いることができる。
【0076】
【発明の効果】
以上説明したとおり、本発明の撥水膜はフルオロアルキル鎖を含み表面エネルギーが低いため、水以外に油など様々な液体をはじき、また、この膜に固着した固形物も簡単に除去できる。このため、本発明の撥水膜は調理機器、便器など汚れが固着しやすい生活用品への防汚膜として有用である。特に、強アルカリの洗剤にさらされる部分への防汚膜として有用である。さらに、撥水性が必要とされ、アルカリ溶液に常時さらされる箇所への適用など様々な分野で利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の撥水膜の構造模式図である。
【図2】本発明の一実施形態の高密度重合膜が形成される過程を示した模式図である。
【図3】従来例の片末端にのみ反応基を有するシランカップリング剤の重合の様子を示した模式図である。
【図4】Aは従来例の表面水酸基密度の高い基材に結合したシランカップリング剤の構造模式図、Bは同、表面水酸基密度の低い基材に結合したシランカップリング剤の構造模式図である。
【図5】従来の水酸基密度の低い基材に結合した撥水膜がアルカリ性成分に曝された様子を示す模式図である。
【符号の説明】
1 撥水膜
2 基材
11 シランカップリング剤(A)
12 重合反応の起こる部分

Claims (12)

  1. 固体基材上への撥水膜の製造方法であって、
    両末端に反応性官能基を有し中間部に炭化水素鎖とベンゼン環を含むシランカップリング剤(A)と、
    一方の末端がフッ化炭素鎖で他方の末端に反応性官能基を有するシランカップリング剤(B)と、
    有機溶剤、水、および酸性触媒を少なくとも含む化学物質を混合した溶液を作製し、
    前記シランカップリング剤(A)と(B)の加水分解及び脱水重合反応を進行させた後、
    前記溶液を、その希釈倍率が2〜20倍の範囲となるように希釈し、
    前記溶液を前記基材に塗布し、前記基材を加熱することにより、前記シランカップリング剤(A)と、前記シランカップリング剤(B)でポリマー膜を形成させることを特徴とする撥水膜の製造方法。
  2. 前記反応性官能基がアルコキシル基である請求項1に記載の撥水膜の製造方法。
  3. 前記シランカップリング剤(A)が、下記一般式(a)で示される請求項1に記載の撥水膜の製造方法。
    s3-sSi(CH2t64(CH2uSiR3-mm (a)
    (但し、Q、Rはメチル基、またはエチル基、t、uは1〜10の自然数、sとmは1〜3の自然数。S=1、m=1の場合、Q,Rはそれぞれ二個存在するが、それぞれの二個は異なる構造であってもよい。C64はフェニレン基である。Xはアルコキシル基、塩素、アシロキシ、または、アミンである。)
  4. 前記シランカップリング剤(B)が、下記一般式(b)で示される請求項1に記載の撥水膜の製造方法。
    CF3(CF2n24SiR3-mm (b)
    (但し、Rはメチル基またはエチル基、nは1〜12の自然数、mは1〜3の自然数。m=1の場合、Rは二個存在するが、この二個はそれぞれ異なる構造でもよい。Xはアルコキシル基、塩素、アシロキシ、または、アミンである。)
  5. 前記混合溶液中のシランカップリング剤(A)の濃度が0.5vol%以上30vol%以下、
    前記シランカップリング剤(B)の濃度が0.05vol%以上3vol%以下、
    水の濃度が0.1vol%以上30vol%以下、
    残余が有機溶剤と酸性触媒
    である請求項1に記載の撥水膜の製造方法。
  6. 前記有機溶剤が、エタノール、プロパノール、ブタノールおよび2,2,2−トリフロオロエタノールから選ばれる少なくとも一つである請求項1に記載の撥水膜の製造方法。
  7. 前記酸性触媒が、塩酸、硝酸から選ばれる少なくとも一つの無機酸である請求項1に記載の撥水膜の製造方法。
  8. 前記酸性触媒が、酢酸に代表される有機酸である請求項1に記載の撥水膜の製造方法。
  9. 前記シランカップリング剤(A)と(B)の加水分解及び縮合反応により、オリゴマーを形成する請求項1に記載の撥水膜の製造方法。
  10. 前記シランカップリング剤(A)と(B)の加水分解及び縮合反応を、0℃以上70℃以下の温度で1分以上240分以下の条件で行う請求項1に記載の撥水膜の製造方法。
  11. 前記希釈溶液が、エタノール、プロパノール、ブタノールおよび2,2,2−トリフロオロエタノールから選ばれる少なくとも一つである請求項1に記載の撥水膜の製造方法。
  12. 前記基材の加熱温度が100〜400℃の範囲である請求項1に記載の撥水膜の製造方法。
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