JP4086141B2 - 生活害虫忌避性に優れた塗装金属板 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、ゴキブリや蚊,シロアリ等の生活害虫が発生、営巣し易い箇所への使用に好適な生活害虫忌避性に優れた塗装金属板に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、家屋において食べ物屑の多い流し台,ガステーブル,レンジ台等の台所器具や使用時に暖気が発生する冷蔵庫,洗濯機,電子レンジ等の家電製品の電気回路内あるいはその周辺に、ゴキブリ等の生活害虫が好んで営巣し、衛生上や安全性の面で問題となっている。近年では、住宅形式の変化による建物の気密化および冷暖房機器の使用が浸透し、屋内の換気不良が生じて、衣装ダンスや戸棚の背面,隙間に湿気が溜まり易くなっている。このため、前記隙間等は生活害虫が好む環境になっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このような箇所に使用する塗装金属板の防虫処理は、従来、成形加工後の製品に防虫剤を散布ないし塗布などを施しているが、かかる処方に使用される防虫剤の多くは、薬剤の昇華により効力が発揮されるため、吸引することによる人体への有害性が懸念されることが多い。また、使用中の表面摩擦,水洗等による薬剤の脱落などの関係上、長期に亘って害虫忌避性が維持できない。さらに、防虫剤や溶剤の影響で塗装金属板表面の光沢および色変化等の問題が伴っている。
【0004】
また、直接これらの昇華性防虫剤を塗料に配合した場合、焼き付け時に蒸発,熱分解による効力の低下,樹脂の着色,作業時の悪臭発生,塗膜の物性変化等の問題が出てくる。特に焼き付け温度が200℃以上になると防虫剤は温度の影響を多大に受ける。
本発明は、このような問題を解消すべく案出されたものであり、塗料に配合する防虫剤として特定のものを選択し、光沢,加工性等の塗膜物性を低下させることなく生活害虫忌避性を発揮する塗装金属板を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の生活害虫忌避性に優れた塗装金属板は、その目的を達成するため、焼き付け塗膜を形成した塗装金属板であって、その最表層に300℃加熱時の減量分が有効成分に対して50質量%未満であるピレスロイド系防虫剤を配合した塗膜が形成されて、最表層塗膜には顔料等の各種フィラーを含んでいることを特徴とする。
最表層塗膜としては、塗料の固形分100質量部に対して0.05〜5質量部のピレスロイド系防虫剤が配合されたものが好ましい。また最表層塗膜には顔料等の各種フィラーを含んでいるものが好ましい
【0006】
【作用】
ピレスロイド系防虫剤は、虫体への直接接触および経口的な導入により、神経膜のイオン透過性を阻害する作用を発現させるとされている。そのため、塗膜中にごく少量のピレスロイド系防虫剤を配合することにより、直接虫に接すれば防虫効果は発揮される。
塗膜焼き付けの際、200〜300℃に加熱するのでこの温度に加熱しても防虫効果が低下しない防虫剤を使用する必要がある。そこで、本発明においては、300℃加熱時の減量分が有効成分に対して50質量%未満のピレスロイド系防虫剤を使用した。300℃加熱時の減量分が有効成分に対して50質量%以上のピレスロイド系防虫剤は、塗膜に分散させて乾燥させる際、焼き付け条件下で、熱分解成分を発生したり、炭化することによって塗膜の色調を変化させたり物性に悪影響を及ぼし易くなる。また、このような防虫剤は蒸気圧が比較的高いので、塗膜の乾燥、焼き付け条件下で蒸発してしまい、生活害虫に対しての忌避効果は小さい。
さらに、防虫効果は発揮されるためには、ピレスロイド系防虫剤を直接虫に接触させる必要がある。塗膜樹脂との間に界面を形成する顔料等の各種フィラーを塗膜中に含ませる(図1のa参照)と、ピレスロイド系防虫剤MがフィラーFと塗膜樹脂Pとの間の界面を伝わって、すなわち移動経路Rを形成して、塗膜表面に移動し(図1のb参照)、生活害虫忌避性を長期間効果的に発現させる。
【0007】
【実施の態様】
下地金属板(塗装原板)には、普通鋼板,ステンレス鋼板,めっき鋼板,アルミニウム板,銅板等の各種金属板が使用される。塗装原板はアルカリ脱脂,酸洗等で金属板表面を清浄化した後、リン酸塩処理で表面の濡れ性を高め、クロメート処理,クロムフリー処理等によって塗膜密着性の改善に有効な化成処理皮膜を形成する。
具体的には、ロールコート,フローコート,カーテンコート,スプレーコート,浸漬引き上げ法等で化成処理液を金属板に塗布し、ローラー等で絞った後、80〜200℃で乾燥することによって形成する。
【0008】
化成処理皮膜は、下地金属板の腐食を防止し、塗膜密着性を高めるのに有効な厚みで形成される。例えば、クロメート皮膜では全クロム換算付着量として5〜100mg/m2,リン酸塩皮膜では5〜500mg/m2,Ti−Mo複合皮膜では10〜500mg/m2,フルオロアルシッド系皮膜ではフッ素付着量で0.1〜500mg/m2または全金属付着量で0.1〜500mg/m2となるように化成処理皮膜を形成する。
この化成処理皮膜を形成することにより、下地金属板に対する塗膜の塗膜密着性が向上する。
【0009】
化成処理皮膜の形成後、透明または着色塗料を塗装原板に塗布し、乾燥,焼き付けによって塗膜を形成する。下塗り塗膜用の塗料としては、エポキシ系,エポキシ変性ポリエステル系,ポリエステル系,高分子ポリエステル系,ポリエーテルサルフォン系,ウレタン系,ウレタン変性エポキシ系等のベース樹脂が使用できる。下塗り塗膜は透明も可能であるが、着色顔料を配合することにより任意の色調に着色された塗料が使用される。
【0010】
クロム系のストロンチウムクロメートや非クロム系の変性シリカ,ポリリン酸二水素アルミニウム等の防錆顔料を下塗り塗料に添加するとき、塗装原板の切断端面や加工時または施工時に発生した塗膜欠陥部を起点とするフクレ,錆び等の欠陥の発生が防止される。添加される防錆顔料は、平均粒径が0.1〜1μmの範囲にあるものが好ましい。平均粒径が0.1μmに満たないと塗料に分散させる際に凝集し易く、防錆顔料を均一分散させ難い。逆に平均粒径が10μmを超える防錆顔料を添加すると、塗膜本来の性質が損なわれ、塗膜物性に悪影響が現れ易い。しかも、大粒径の防錆顔料は、塗膜の平滑性だけでなく、柚子肌状になって塗膜外観を著しく劣化させる。
【0011】
防錆顔料は、下塗り塗料の固形分100質量部に対し5〜150質量部の割合で配合することが好ましい。防錆顔料による塗膜の耐食性改善効果は、5質量部以上の防錆顔料配合で顕著になるが、150質量部で飽和する。150質量部を超える防錆顔料を配合しても、過剰な防錆顔料に起因して塗膜の加工性,密着性が低下することになる。
所定組成に調製された下塗り塗料は、プレコート金属板の製造に通常使用されているロールコート,フローコート,カーテンコート,スプレー等の方法で、乾燥膜厚が0.5〜30μmとなるように金属板に塗布される。塗布された下塗り塗料は、常法にしたがって到達温度200〜300℃×30〜120秒で焼き付けられる。
【0012】
透明な下塗り塗膜を形成する場合、乾燥塗膜0.5μm以上で下塗り塗膜形成による耐食性、塗膜密着性等の効果が発現する。着色塗料の場合は、下地金属板を隠蔽するため3μm以上の乾燥膜厚が好ましい。しかし、いずれの場合も、乾燥膜厚が30μmを超える下塗り塗膜では、塗膜表面が柚子肌状になって塗膜外観が劣化するだけでなく、焼き付け時にワキが発生し易くなる。
このようにして透明または任意の色調に着色され、防錆効果が付与された下塗り塗膜が形成されるが、場合によっては下塗り塗膜の省略も可能である。
【0013】
下塗り塗膜または化成処理した下地金属板に直接、生活害虫忌避性塗料が塗布され、乾燥、焼き付けによって最表層に生活害虫忌避性塗膜が形成される。
生活害虫忌避性塗料としては特に樹脂種が制限されるものではない。ポリエステル系,高分子ポリエステル系,フッ素系,アクリル系,ウレタン系,エポキシ系,酢酸ビニル系,クロロプレン系やこれらの混合物、変性樹脂に300℃加熱時の減量分が有効成分に対して50質量%未満であるピレスロイド系防虫剤を配合することにより調製される。300℃加熱時の減量分が有効成分に対して50質量%以上であるピレスロイド系防虫剤を使用すると、前記したように、実際の塗料乾燥、焼き付け条件下で熱分解成分を発生したり、炭化することにより色調の変化や物性へ悪影響を及ぼし易い。また、昇華性の高い防虫剤は、塗料乾燥、焼き付け条件下で蒸発してしまい、生活害虫忌避効果が小さい。
【0014】
ピレスロイド系防虫剤の配合量は、生活害虫忌避性塗料の固形分100質量部に対して、0.05〜5質量部の範囲で選択することが好ましい。0.05質量部に満たないと塗膜の生活害虫忌避性が不十分で、5質量部を超えると塗膜表面の光沢および色変化、あるいは塗膜の伸びが低下し、加工性が低下し易くなる等の弊害が生じる。また、生活害虫忌避効果の上でも格別に利点が無く、経済的にコスト高となる。
ピレスロイド系防虫剤の配合方法としては、塗料に直接配合してもよいが、適当な溶剤、例えば、アセトン,シクロヘキサン,キシレン等にあらかじめ溶解した後に行うと、容易に配合できる。
塗膜中で樹脂との間に界面を形成するフィラーとしては、酸化チタン等の着色顔料、炭酸カルシウム,硫酸バリウム等の体質顔料や各種の有機樹脂ビーズ,有機樹脂粉末,無機骨材等が使用できる。その粒度や配合量は問わない。塗膜の加工性等に悪影響を及ぼさない範囲で選択・配合する。
【0015】
配合されたピレスロイド系防虫剤は塗料中に均一に溶解され、塗膜樹脂と一体化を図り易く均質な塗膜が形成される。このため塗膜本来の性質を維持でき、光沢,色変化,加工性等の物性を低下させることなく良好な生活害虫忌避性を付与できる。
また、水に対しては難溶性を示し、水洗による溶出、脱落等の生活害虫忌避効果の低下はない。さらに、経時的な塗膜劣化が発生してもピレスロイド系防虫剤は塗膜中に均一に分散されているため、生活害虫忌避効果を損なうことなく長期に亘ってその効果を維持できる。取り扱いにおいても、ピレスロイド系防虫剤は人体に対しては急性経口,経皮毒性が低いので、安全性においても従来の防虫剤に比較して優れている。
【0016】
所定組成に調製された生活害虫忌避性塗料は、プレコート金属板の製造に通常使用されているロールコート,フローコート,カーテンフロー,スプレー等の方法で、乾燥膜厚が3〜30μmとなるように金属板に塗布され、常法にしたがって到達温度200〜300℃×30〜120秒で焼き付けられる。3μm未満の乾燥膜厚では、十分な平滑性が得られないため塗装外観が劣り易い。逆に30μmを超える膜厚では、塗膜表面が柚子肌になって塗装外観が劣化するだけでなく、焼き付け時にワキが発生し易くなる。
【0017】
【実施例】
実施例1:
溶融亜鉛めっき鋼板(板厚0.5mm、片面付着量50g/m2)を塗装原板に使用し、酸洗,水洗,表面調整,水洗,乾燥の各工程を経て塗布型クロメート処理を施し、水洗することなく100℃で乾燥した(全クロム換算付着量30mg/m2)。
クロメート処理された塗装原板に下塗り塗料を乾燥塗膜厚で5μmになるように塗装して、到達温度210℃×45秒の条件で焼き付け乾燥した。下塗り塗料としては、クロム系防錆顔料を配合したエポキシ樹脂系塗料を使用した。
【0018】
本発明にしたがった生活害虫忌避性塗料としては、白色顔料として2μmの酸化チタンを30質量部配合したポリエステル樹脂系塗料をベース塗料とし、ピレスロイド系防虫剤であるアクリナトリン[商品名:ACR−50 大和化学(株)社製]配合量が塗料固形分に対して表1に示す比率となるように調製した塗料を乾燥塗膜厚で15μmになるように塗装して、到達温度230℃×50秒の条件で焼き付け乾燥した。
なお、この実施例で使用したアクリナトリンを、常温から300℃まで10℃/minの昇温条件で熱分析したところ、300℃に加熱した時点で23%減量していた。
【0019】
比較例として、ピレスロイド系防虫剤であるペルメトリンを使用した。使用する防虫剤以外は、上記実施例と全く同様の方法で塗膜を形成した。
このピレスロイド系ペルメトリンを、上記の同様の方法で熱分析したところ、300℃に加熱した時点での減量は、55%であった。
【0020】
Figure 0004086141
【0021】
得られた各塗装鋼板から試験片を切り出し、次の評価試験に供した。
防虫試験片によるゴキブリ忌避試験
試験方法は、(財)日本環境衛生センターの試験方法に準拠して実験した。図2、図3に示すように、高さ9cm,横26cm,縦20cmの樹脂製の上部開放型容器1内に、7×7cmに切った試験試料2および防虫忌避成分未配合試験板2’を対にして載置する。試験試料板2および防虫忌避成分未配合試験板2’の上に、同試料板と同じ大きさのベニヤ板3を、その四角に高さ5mm,幅5mm、長さ50mmの角材4を介在させて載置して2つのシェルターを形成するとともに、容器1の中央部に水分を含ませた脱脂綿5と固形飼料6を置く。ゴキブリの逃亡を防止するため、容器上部内壁にワセリンを薄く塗った後に、ゴキブリの成虫20匹を入れて各ゴキブリ毎に、試験試料板2を用いて形成した防虫処理シェルターと、防虫忌避成分未配合試験板2’を用いて形成した未防虫処理シェルターのいずれか好みのシェルターを選ばせ、所定時間後いずれかのシェルター内に生息するゴキブリの数を計数し、下記の計算式によって忌避効果を判定した。
【0022】
試験は、光源、温湿度差、個体差等によるバラツキを考慮して、3回の繰り返しを行い、その合計値によって忌避率を算出した。なおこの際、1回でも処理シェルター内に潜むゴキブリ数が、未処理シェルター内の数を超えるものがあった時には、忌避効果は認められないものとして、全体の忌避率は0%とした。
忌避率(%)=(1−(処理区の供試虫数/未処理区の供試虫数))×100
【0023】
加工試験
「JIS K5400 8.1 耐屈曲性」試験に準拠して塗装鋼板を180度密着曲げ試験した後、折り曲げ部の塗膜を観察し、塗膜割れが検出されなかったものを○として加工性を評価した。
塗膜外観の評価
防虫剤無添加材である試験No.1の色調、光沢を基準として、蛍光灯下で目視観察し、官能試験した。試験No.1と同等評価のものを○とした。
その結果をまとめて表2に示す。
【0024】
Figure 0004086141
【0025】
表2の調査結果にみられるように、防虫剤としてアクリナトリンを配合した塗膜を形成した試験No.2〜9の塗装金属板では、ゴキブリ忌避性を発揮することができた。特にアクリナトリン配合量が塗料の固形分100質量部に対して0.05〜5質量部である試験No.3〜8では、ゴキブリ忌避性を長期に亘って維持しており、また、加工性、塗装外観も問題なかった。しかし、防虫剤として配合しているアクリナトリン量が少ない試験No.2では、加工性、塗装外観は良好であったが、ゴキブリ忌避性の長期に亘る維持の点では十分でなかった。さらに、防虫剤として配合しているアクリナトリン量が多量の試験No.9では、ゴキブリ忌避性は良好であったが、加工性、塗装外観の点で若干問題があった。
【0026】
また、ピレスロイド系防虫剤として、300℃加熱時の減量分が有効成分に対して50質量%を超えるペルメトリンを使用した比較例の試験No.10〜15では、ゴキブリ忌避性は十分ではなかった。
添加されたペルメトリンは蒸発あるいは熱分解しやすく、また熱分解生成物が塗膜最表層に濃化して有効な防虫成分が塗膜最表層に存在しないためと考えられる。また、ペルメトリン添加量を多くすると熱分解生成物の影響で塗膜が全体的に黄味を帯び、さらに多くなると加工性も悪くなる。
【0027】
実施例2:
実施例1で使用したものと同じ処理を施した下塗り鋼板に、ポリエステル樹脂系塗料をベース塗料とし、実施例1で使用したものと同じピレスロイド系防虫剤を塗料固形分100質量部に対して0.05質量部配合するとともに、表3に示すフィラーを配合量を変えて配合・調製した塗料を、乾燥塗膜厚で15μmになるように塗装して、到達温度230℃×50秒の条件で焼き付け乾燥した。
得られた各塗装鋼板から試験片を切り出し、実施例1と同じ方法でゴキブリ忌避試験と加工試験を行った。なお、ゴキブリ忌避試験は作製後1日経過後に行ったものである。
その結果を表3に示す。
【0028】
Figure 0004086141
【0029】
表3の調査結果にみられるように、塗膜中にフィラーを含ませたものは、確実にゴキブリ忌避性が向上している。そして、フィラー配合量が多いほどゴキブリ忌避性は良くなっている。しかしながら、表3の結果は、フィラー配合量が多くなりすぎると加工性が悪くなることがあるから、配合するフィラーの種類,大きさに応じて最適配合量を選択・調整する必要があることも表している。
【0030】
【発明の効果】
以上に説明したように、焼き付け塗膜を形成した塗装金属板において、その最表層に300℃加熱時の減量分が有効成分に対して50質量%未満であるピレスロイド系防虫剤を、塗料の固形分100質量部に対して0.05〜5質量部の割合で配合するとともに、この防虫剤の塗膜表面への移動経路を確保するためにフィラーを併せて配合した塗膜を形成することにより、焼き付け時にピレスロイド系防虫剤が熱分解、あるいは蒸発することなく塗膜中に存在させることができ、その結果、塗装金属板本来の物性を損なうことなく、長期に亘って優れた生活害虫忌避性を示す塗装金属板を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 塗装金属板断面構造(a)と、防虫剤の移動経路を説明する図(b)
【図2】 ゴキブリ忌避試験に用いた試験試料およびシェルター形態
【図3】 ゴキブリ忌避試験に用いるシェルターの配置図
【符号の説明】
S:原板 P:塗膜 M:防虫剤 F:フィラー R:移動経路1:容器 2:試験試料板 2’:防虫忌避成分未配合試料板
3:ベニヤ板 4:角材 5:水を含ませた脱脂綿 6:固形飼料

Claims (2)

  1. 焼き付け塗膜を形成した塗装金属板であって、その最表層に300℃加熱時の減量分が有効成分に対して50質量%未満であるピレスロイド系防虫剤を配合した塗膜が形成され、該最表層塗膜がフィラーを含むものであることを特徴とする生活害虫忌避性に優れた塗装金属板。
  2. 最表層塗膜が、塗料の固形分100質量部に対して0.05〜5質量部のピレスロイド系防虫剤が配合されたものである請求項1に記載の生活害虫忌避性に優れた塗装金属板。
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