JP4085593B2 - 真空アーク蒸着装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば自動車部品、機械部品、工具、金型等の基体の表面に、例えば潤滑性や硬度等に優れた薄膜を形成すること等に用いられる装置であって、真空アーク蒸発源によって生成したプラズマを基体の近傍に導く磁気コイルを備える真空アーク蒸着装置に関し、より具体的には、当該磁気コイルが作る磁場中におけるプラズマのドリフトによって基体表面における膜厚分布の均一性が悪化することを抑制する手段に関する。
【0002】
【従来の技術】
真空アーク放電によって陰極を蒸発させて陰極物質を含むプラズマを生成する真空アーク蒸発源を用いて基体に成膜(薄膜形成)するという真空アーク蒸着装置は、成膜速度が大きくて生産性に優れているという特長を有している。
【0003】
しかし、真空アーク蒸発源の陰極から蒸発する陰極物質には、成膜に好ましい微小粒子の他に、例えば直径が数μm程度またはそれ以上という粗大粒子(これはドロップレットとも呼ばれる)が含まれており、この粗大粒子が基体に飛来してその表面に付着して、膜の密着性や平滑性(面粗度)が低下するという欠点がある。
【0004】
この欠点を解消するために、(1)偏向磁場によって粗大粒子を除去してプラズマを基体へ輸送する技術(例えば特開2001−3160号公報参照)や、(2)磁場でプラズマを集束させてプラズマを高密度化することによって粗大粒子を微細化する技術(例えば特開2000−34561号公報参照)が既に提案されている。
【0005】
図10は、上記(1)の技術を採用した真空アーク蒸着装置であり、この装置は、図示しない真空排気装置によって真空排気される成膜室(換言すれば真空容器)2を備えており、その中に、成膜しようとする基体6を保持するホルダ8が設けられている。
【0006】
成膜室2内には、この例では、図示しないガス源から、不活性ガス、反応性ガス等のガス4が導入される。
【0007】
ホルダ8およびそれに保持される基体6には、この例では、バイアス電源10から例えば−50V〜−500V程度の負のバイアス電圧VB が印加される。
【0008】
成膜室2には、この例では90度程度曲げられたダクト(偏向ダクト)28を介して、真空アーク蒸発源12が接続されている。
【0009】
真空アーク蒸発源12は、ダクト28の端板29に絶縁物20を介して取り付けられた陰極14を有していて、この陰極14と陽極兼用のダクト28(但し、陽極電極を別途設置する場合もある。以下同じ)との間の真空アーク放電によって陰極14を蒸発させて、陰極物質(即ち、陰極14を構成する物質。以下同じ)16を含むプラズマ18を生成するものである。陰極14とダクト28との間には、アーク電源22から上記アーク放電用の電圧が印加される。真空アーク蒸発源12は、公知のトリガ機構、水冷機構等を有しているが、この明細書ではそれらの図示を省略している。
【0010】
ダクト28の外周には、真空アーク蒸発源12によって生成したプラズマ18を偏向させる磁場を発生させて、当該偏向磁場によってプラズマ18を成膜室2内の基体6の近傍に導く(輸送する)複数の磁気コイル24が設けられている。これらの磁気コイル24が発生する磁力線26の一部を図中に概略的に示すが、ダクト28の内面にほぼ沿っている。各磁気コイル24は互いに直列接続されていて、これらには、直流のコイル電源30から、上記磁場発生用のコイル電流IC が供給される。
【0011】
真空アーク蒸発源12によって生成されたプラズマ18は、磁力線26にほぼ沿って曲げられて基体6の方へ輸送される。その際、陰極14から飛び出した粗大粒子は、電気的に中性であるかまたはプラズマ18中で負に帯電している。いずれにしても、当該粗大粒子は質量が非常に大きいため、磁場に関係なく直進して、曲げられたダクト28の内壁に衝突して、基体6には到達しない。その結果、基体6の近傍には、粗大粒子を殆ど含まないプラズマ18が導かれる。従って、粗大粒子が基体6に付着することを防止することができる。上記のような磁気コイル24、ダクト28およびコイル電源30(図1の例ではコイル電源40)を備える構成を、その粗大粒子除去作用に着目して、磁気フィルタと呼ぶ場合もある。
【0012】
上記のようにして基体6の近傍に輸送されたプラズマ18中のイオン(即ち、イオン化した陰極物質16)は、バイアス電圧VB 等によって基体6に引き寄せられて基体の表面に堆積して薄膜を形成する。このとき、ガス4として、陰極物質16と反応して化合物を作る反応性ガスを導入しておくと、化合物薄膜を形成することができる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
一様な磁場中で電子が輸送される状態を考えると、よく知られているように、電子は次式で表されるローレンツ力Fを受け、磁力線の周りに巻きつくように旋回運動を行う。ここで、qは電荷、vは電子の速度、Bは磁束密度である(以下も同じ)。
【0014】
【数1】
F=qvB
【0015】
従って、一様な磁場であれば、例えば図11に示す二つの位置P、Qから飛び出した電子32は、一様な磁力線26に沿って進んで基体6に到達して、位置P、Qにそれぞれ対応する位置P1 、Q1 付近にそれぞれ入射する。
【0016】
しかし、現実の磁気コイル24によって形成される磁場は一様な磁場ではなく、必ず磁場の勾配を持っている。磁場に勾配がある場合の、電子のような荷電粒子のドリフトについては、例えば「最新プラズマ発生技術」河合良信著、株式会社アイピーシー、平成3年8月5日発行、第12〜21頁にも記載されているように、当該荷電粒子は次式で表されるドリフト速度vD でドリフトする。ここで、μは透磁率、∇Bは磁場の勾配(ベクトル)、BV は磁場(ベクトル)、その他は前記のとおりである。∇は、ナブラあるいはハミルトン演算子と呼ばれるものである。
【0017】
【数2】
vD =−μ(∇B×BV )/(qB2 )
【0018】
これを、図10(あるいは後述する図1)に示すような偏向磁場でプラズマ18を輸送する装置の場合について考えてみる。
【0019】
まず、磁気コイル24およびダクト28が断面円形である場合の例を図12〜図18に示す。図12〜図15は、二つの陰極14a、14bを二つの位置P、Qで簡略化したものであり(後述する図19〜図21も同様)、図16〜図18は当該陰極14a、14bを具体的に示したものである(後述する図22、図23および図2〜図7も同様)。
【0020】
この場合は、図14に示すように、円形の磁気コイル24の性質上から、ダクト28内には、その中心部28aが最も弱くそこから外に向かうほど強くなるという磁場の勾配∇Bが存在することになる。なお、複数の磁気コイル24を図10等に示すように曲げて配置している場合は、磁場の最も弱い部分は、実際はダクト28の中心部28aより少し外寄りにずれる。
【0021】
従って、図12および図13に示すように二つの位置P、Qから出た電子32a、32bは、図14に示す磁場の勾配∇Bによって、前記数2に従って、図15に示すように円周方向のドリフト速度vD でドリフトする。従って、基体6には、円周方向にずれた位置に到達する。イオンの場合も同様であり、結局プラズマは円周方向にずれる形でドリフトする。
【0022】
従って、図16および図17に示す例のように二つの真空アーク蒸発源12を、互いにz軸に沿って上下に離して設けた場合、各陰極14a、14bでそれぞれ生成されたプラズマ18は円周方向にドリフトしながら基体6に到達することになる。各陰極14a、14bで生成するプラズマ18は、通常、中心部が濃く周縁部が薄いという山形の密度分布を有している。従って、基体6の表面には、図18に示す例のように、各陰極14a、14bに対応する位置34a、34bから円周方向にずれた位置に、膜厚分布(換言すれば成膜速度分布)のピーク部36a、36bおよびその裾部38a、38bが表れる。
【0023】
次に、磁気コイル24およびダクト28が断面矩形の場合の例を図19〜図23に示す。
【0024】
この場合は、図20に示すように、矩形の磁気コイル24の性質上から、また複数の磁気コイル24を図10等に示すように曲げて配置していることから、ダクト28内には、その中心部28aよりも少し外寄りの部分28bが最も弱くそこから外に向かうほど強くなるという磁場の勾配∇Bが存在することになる。
【0025】
従って、図12および図19に示すように二つの位置P、Qから出た電子32a、32bは、図20に示す磁場の勾配∇Bによって、前記数2に従って、図21に示すように、下方向と横方向とを合成して成る斜め下方向のドリフト速度vD でドリフトする。
【0026】
従って、図16および図22に示す例のように二つの真空アーク蒸発源12を、互いにz軸に沿って上下に離して設けた場合、各陰極14a、14bでそれぞれ生成されたプラズマ18は斜め下方にドリフトしながら基体6に到達することになり、基体6の表面には、図23に示す例のように、各陰極14a、14bに対応する位置34a、34bから斜め下方にずれた位置に、膜厚のピーク部36a、36bおよびその裾部38a、38bが表れる。
【0027】
この両ピーク部36a、36b等のずれ方には実際は差があり、上側の(上下はz軸方向におけるもの。以下同じ)ピーク部36aよりも下側のピーク部36bの方が、横および下へのずれが大きいという実験結果が得られている。従って、両ピーク部36a、36bは互いに離れる方向にずれる。図23はその一例を示したものであり、このようなずれが生じると基体6の中心付近には殆ど成膜されなくなる。しかもこのずれは、基体6が真空アーク蒸発源12から離れるほど大きくなる。
【0028】
上記のように磁場の勾配∇Bによって、基体6の表面における膜厚分布のピーク部36a、36bおよびその裾部38a、38bがずれることは、基体6に対して所望の成膜を行うことを困難にし、基体6の表面における膜厚分布の均一性を悪化させる原因になる。磁気コイル24およびダクト28が断面円形の場合に比べれば、磁気コイル24およびダクト28が断面矩形の場合は特に、上述したように膜厚分布のピーク部36a、36bが互いに離れる方向にずれるので、しかも基体6が真空アーク蒸発源12から離れるほどそのずれは大きくなるので、基体6の表面における膜厚分布の均一性を悪化させる度合いは大きくなる。
【0029】
そこでこの発明は、前述したような磁気コイルが作る磁場中におけるプラズマのドリフトによって基体表面における膜厚分布の均一性が悪化することを抑制することを主たる目的とする。
【0030】
【課題を解決するための手段】
この発明の真空アーク蒸着装置は、基体を収納して真空排気される成膜室と、真空アーク放電によって陰極を蒸発させて陰極物質を含むプラズマを生成する真空アーク蒸発源と、この真空アーク蒸発源と前記成膜室との間を接続している湾曲したダクトと、このダクトの外周にそれぞれ巻かれていて当該ダクトの軸に沿う方向に分散して配置されている複数の磁気コイルであって、前記真空アーク蒸発源によって生成したプラズマを偏向させる磁場を前記ダクトの内面に沿って発生させて当該磁場によって前記プラズマを前記成膜室内の基体の近傍に導く複数の、かつ互いに電気的に直列接続された磁気コイルと、この磁気コイルに前記磁場を発生させるコイル電流を流すコイル電源とを備える真空アーク蒸着装置において、前記コイル電源を、前記磁気コイルに流すコイル電流を反転させることのできるコイル電源とし、かつこのコイル電源を制御して前記磁気コイルに流すコイル電流の方向を反転させる制御器を設けたことを特徴としている。
【0031】
前記磁気コイルが発生する磁場によってプラズマを基体の近傍に導くという作用は、当該磁気コイルに流すコイル電流を反転させる前も反転させた後も共に奏する。これは、磁場が発生している限りその磁場によってプラズマを導くことができるからである。
【0032】
しかし、磁気コイルに流すコイル電流を反転させると、前述した磁場の勾配∇Bの方向は変わらないけれども、ベクトル磁場BV の方向は反転する。従って、前記数2からも分かるように、輸送するプラズマに作用するドリフト速度vD も反転する。
【0033】
その結果、輸送中のプラズマのドリフトによって基体表面における膜厚分布のピーク部がずれるという前述した現象が、コイル電流を反転させることによって、基体表面において反転して現れることになる。この反転によって、膜厚分布の不均一性が緩和されるので、基体表面における膜厚分布の均一性が悪化することを抑制することができる。その結果、基体のより広い面積により均一に成膜することが可能になる。
【0034】
【発明の実施の形態】
図1は、この発明に係る真空アーク蒸着装置の一例を示す概略図である。図2は、図1中の二つの真空アーク蒸発源の各陰極の配置を図1のC−C方向に見て示す図であり、磁気コイルおよびダクトが断面矩形の場合の例である。この図2と前述した図22とは同じものである。図10〜図23に示した例と同一または相当する部分には同一符号を付し、以下においては従来例との相違点を主に説明する。
【0035】
この図1に示す真空アーク蒸着装置は、従来の直流のコイル電源30の代わりに、前記複数の各磁気コイル24に流すコイル電流IC を正逆反転させることのできるコイル電源40を備えており、更に、このコイル電源40を制御して、各磁気コイル24に流すコイル電流IC の方向を反転させる制御器42を備えている。
【0036】
コイル電源40は、例えば、正逆両極性の電流を流すことのできる両極性(バイポーラ)電源でも良いし、正方向の電流を流す直流電源とその逆方向の電流を流す直流電源とを組み合わせた電源等でも良い。
【0037】
この真空アーク蒸着装置は、二つの前述したような真空アーク蒸発源12を互いにz軸に沿って上下に離して設けている。
【0038】
各磁気コイル24およびダクト28の断面形状は、前述したように円形の場合もあるけれども、図2〜図7は矩形の場合の例である。
【0039】
各磁気コイル24が発生する磁場によって、各真空アーク蒸発源12が生成したプラズマ18を成膜室2内の基体6の近傍に導くという作用自体は、各磁気コイル24に流すコイル電流IC を反転させる前も反転させた後も共に奏する。これは、磁場が発生している限りその磁場によってプラズマ18を導くことができるからである。
【0040】
しかし、各磁気コイル24に、真空アーク蒸発源12側から見て時計回り方向にコイル電流IC を流すと、各真空アーク蒸発源12の各陰極14a、14bから出た電子32a、32bは、図3に示すように斜め下方向のドリフト速度vD でドリフトし、それに応じて各陰極14a、14bの近傍で生成されかつ磁場によって輸送されるプラズマ18も当該方向にドリフトし、基体6の表面に形成される薄膜の膜厚分布のピーク部36a、36bおよびその裾部38a、38bは、図5に示す例のように斜め下方にずれた位置に現れる。この図3および図5は、前述した図21および図23にそれぞれ相当しており、このようなドリフト速度vD や膜厚分布のずれが生じることについての詳細は前述したとおりである。
【0041】
一方、各磁気コイル24に流すコイル電流IC を上記とは反転させて、図4に示すように反時計回り方向とすると、各磁気コイル24が作る磁場の勾配∇Bの方向は変わらないけれども、ベクトル磁場BV の方向は反転するので、前記数2からも分かるように、前述した各電子32a、32bに作用するドリフト速度vD は、この図4に示すように、図3の場合とは反対方向に向く。即ち斜め上方向に向く。それに応じて、各陰極14a、14bの近傍で生成されかつ磁場によって輸送されるプラズマ18もこのドリフト速度vD の方向にドリフトすることになる。
【0042】
その結果、輸送中のプラズマ18のドリフトによって基体6の表面における膜厚分布のピーク部36a、36bおよびその裾部38a、38bがずれるという前述した現象が、反転前とは、即ち図3および図5の場合とは反転して現れることになる。その様子を図6に示す。即ち、各陰極14a、14bによる膜厚分布のピーク部36a、36b等は、陰極14a、14bに対応する位置34a、34bから斜め上方にしかも互いに離れるようにずれる。
【0043】
従って、コイル電流IC を上記のように反転させることによって、基体6の表面における膜厚分布は、図5のものと図6のものとを互いに重ね合わせることになり、図7に示すようなものが得られる。即ち、膜厚分布のピーク部36a、36bおよびその裾部38a、38bが、基体6の表面に分散して表れることになる。例えば、コイル電流IC を時計回り方向に流す時間t1 と反時計方向に流す時間t2 とを互いに同じにすると、同じ程度の強さ(膜厚)のピーク部が4箇所に分散して生じることになる。上記のようなピーク部の分散によって、基体6の表面における膜厚分布の不均一性が緩和される。即ち、磁気コイル24が作る磁場中におけるプラズマ18のドリフトによって基体6の表面における膜厚分布の均一性が悪化することを抑制することができる。その結果、基体6のより広い面積により均一に成膜することが可能になる。
【0044】
基体6およびそれを保持するホルダ8を、図1および図7に示すように、基体6の中心部を中心にして例えば矢印R方向(またはその反対方向)に回転させるようにしても良い。そのようにすれば、基体6の回転によっても膜厚分布の不均一性を緩和することができるので、基体6の表面における膜厚分布の均一性をより高めることができる。
【0045】
制御器42は、例えば、所定時間経過後に前記コイル電流IC の方向を反転させるものである。この反転は、1回でも良いけれども、所定時間ごとに繰り返して反転させる方が好ましい。そのようにすれば、コイル電流IC の反転による膜厚分布の不均一性緩和作用を繰り返して行わせることができるので、膜厚分布の均一性をより高めることができる。
【0046】
コイル電流IC を所定方向に流す時間t1 とその反対方向に流す時間t2 とは、互いに同じにしても良いし、膜厚分布の前述したずれ方等に応じて、膜厚分布の不均一性をよりうまく緩和して均一性をより高めるように、互いに異ならせても良い。
【0047】
コイル電流IC を繰り返して反転させる場合は、短い時間ごとに反転させる方が、プラズマ18中のイオンの入射によって基体6に加わる熱入力の集中をより緩和して、基体6の熱応力集中をより低減させるという観点から好ましい。例えば、基体6が1回転するのに要する時間の整数倍の時間ごとにコイル電流IC を反転させれば良い。より具体例を示せば、基体6を5秒で1回転させるならば、コイル電流IC を10秒ごとに反転させれば良い。
【0048】
また、基体6の表面における膜厚分布の均一性をより高めるために、次のような手段を採用しても良い。
【0049】
図8の例では、基体6の周辺部近傍に、前記プラズマ18による成膜の膜厚を計測する複数の膜厚計44を設けている。より具体的にはこの例では、基体6の上下近傍に二つの膜厚計44を設けている。そして前記制御器42によって、この二つの膜厚計44で計測する膜厚の相互間の差が所定値以上になったときに前記コイル電流IC を反転させる制御を行うようにしている。
【0050】
このような手段を採用することによって、基体6の表面に成膜される膜厚を基体6の周辺近傍の複数箇所でモニタしながら、膜厚の不均一性が解消するようにコイル電流IC の反転制御を行うことができるので、基体6の表面における膜厚分布の均一性をより高めることができる。
【0051】
図9の例では、基体6の周辺部近傍に、前記プラズマ18中のイオンが入射することによって流れるイオン電流II を計測する複数のイオン電流プローブ46を設けている。より具体的にはこの例では、基体6の上下近傍に二つのイオン電流プローブ46を設けている。かつこの各イオン電流プローブ46に流れるイオン電流II をそれぞれ積算する二つの電流積算器50を設けている。各イオン電流プローブ46は、接地電位にしておいても良いけれども、イオン電流II をより正確に計測するためには、この例のようにバイアス電源48を設けて負電位にバイアスするのが好ましい。そして前記制御器42によって、前記二つの電流積算器50で積算した電流値の相互間の差が所定値以上になったときに前記コイル電流IC を反転させる制御を行うようにしている。
【0052】
プラズマ18を基体6の近傍に導くことによって基体6に成膜されるのは、前述したように、プラズマ18中のイオン(具体的にはイオン化した陰極物質16)が基体6に入射するからであり、そのイオンの入射量と成膜の膜厚とには相関的関係がある。このイオンの入射量を、上記イオン電流II の積算値によって計測することができる。
【0053】
従って上記のような手段を採用することによって、基体6に入射するイオンの量を基体6の周辺近傍の複数箇所でモニタしながら、イオン入射量の不均一性が解消するようにコイル電流IC の反転制御を行うことができるので、基体6の表面における膜厚分布の均一性をより高めることができる。
【0054】
各磁気コイル24およびダクト28の断面形状が円形の場合も、先に図13〜図15、図17および図18を参照して説明したように、磁場の勾配∇Bによってプラズマ18がドリフトして、基体6の表面における膜厚分布の均一性を悪化させるけれども、この場合も上記のようにコイル電流IC を反転させることによって、プラズマ18のドリフト方向を反転させることができるので、それによって膜厚分布の不均一性を緩和することができる。即ち、磁気コイル24が作る磁場中におけるプラズマ18のドリフトによって基体6の表面における膜厚分布の均一性が悪化することを抑制することができる。
【0055】
また、上記各例は、複数の磁気コイル24によって偏向磁場を形成してプラズマ18を偏向させて輸送する場合の例であるけれども、この発明は、プラズマ18を磁場によって偏向させずに基体6の近傍に導く場合にも適用することができる。即ち、前述したように、一つまたは複数の磁気コイルでプラズマ18を集束させてプラズマ18を高密度化することによって粗大粒子を微細化する場合がそれである。この場合も、磁気コイルが発生する磁場を用いてプラズマ18を輸送する限り、前述したような磁場の勾配∇Bが存在し、それによってプラズマ18に所定方向のドリフトをもたらし、これが基体6の表面に形成される膜厚分布の均一性を悪化させるけれども、この場合も上記のようにコイル電流IC を反転させることによって、プラズマ18のドリフト方向を反転させることができるので、それによって膜厚分布の不均一性を緩和することができる。
【0056】
【発明の効果】
この発明は、上記のとおり構成されているので、次のような効果を奏する。
【0057】
請求項1記載の発明によれば、上記のような成膜室、真空アーク蒸発源、ダクト、磁気コイルに加えて、上記のようなコイル電源および制御器を備えているので、磁気コイルに流すコイル電流を反転させることができる。その結果、輸送中のプラズマのドリフトによって基体表面における膜厚分布のピーク部がずれるという現象が、磁気コイルに流すコイル電流を反転させることによって、基体表面において反転して現れることになり、この反転によって基体表面における膜厚分布の不均一性が緩和されるので、基体表面における膜厚分布の均一性が悪化することを抑制することができる。その結果、基体のより広い面積により均一に成膜することが可能になる。
【0058】
請求項2に記載のように、真空アーク蒸発源を複数有しており、かつ磁気コイルが偏向磁場を発生させる場合は、プラズマのドリフトによる膜厚分布の不均一性が特に生じやすくなる。このような場合に、上記のようなコイル電源および制御器を設けて磁気コイルに流すコイル電流を反転させることによって、膜厚分布の不均一性を改善する効果はより顕著になる。
【0059】
請求項3記載の発明によれば、コイル電流の反転による膜厚分布の不均一性緩和作用を繰り返して行わせることができるので、膜厚分布の均一性をより高めることができる。
【0060】
請求項4記載の発明によれば、上記のようなコイル電源および制御器を備えているので、磁気コイルに流すコイル電流を反転させることができる。その結果、輸送中のプラズマのドリフトによって基体表面における膜厚分布のピーク部がずれるという現象が、磁気コイルに流すコイル電流を反転させることによって、基体表面において反転して現れることになり、この反転によって基体表面における膜厚分布の不均一性が緩和されるので、基体表面における膜厚分布の均一性が悪化することを抑制することができる。その結果、基体のより広い面積により均一に成膜することが可能になる。更に、基体の表面に成膜される膜厚を基体の周辺近傍の複数箇所でモニタしながら膜厚分布の不均一性が解消するようにコイル電流の反転制御を行うことができるので、基体表面における膜厚分布の均一性をより高めることができる。
【0061】
請求項5記載の発明によれば、上記のようなコイル電源および制御器を備えているので、磁気コイルに流すコイル電流を反転させることができる。その結果、輸送中のプラズマのドリフトによって基体表面における膜厚分布のピーク部がずれるという現象が、磁気コイルに流すコイル電流を反転させることによって、基体表面において反転して現れることになり、この反転によって基体表面における膜厚分布の不均一性が緩和されるので、基体表面における膜厚分布の均一性が悪化することを抑制することができる。その結果、基体のより広い面積により均一に成膜することが可能になる。更に、基体に入射するイオンの量を基体の周辺近傍の複数箇所でモニタしながらイオン入射量の不均一性が解消するようにコイル電流の反転制御を行うことができるので、基体表面における膜厚分布の均一性をより高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る真空アーク蒸着装置の一例を示す概略図である。
【図2】図1中の二つの真空アーク蒸発源の各陰極の配置を図1のC−C方向に見て示す図であり、磁気コイルおよびダクトが断面矩形の場合の例である。
【図3】コイル電流を反転させる前の図1中の磁気コイルの磁場による電子のドリフト方向を図1のD−D方向に見て示す図であり、磁気コイルおよびダクトが断面矩形の場合の例である。
【図4】コイル電流を反転させた後の図1中の磁気コイルの磁場による電子のドリフト方向を図1のD−D方向に見て示す図であり、磁気コイルおよびダクトが断面矩形の場合の例である。
【図5】コイル電流を反転させる前の、図2の各陰極による成膜の基体表面における膜厚分布の一例を示す図である。
【図6】コイル電流を反転させた後の、図2の各陰極による成膜の基体表面における膜厚分布の一例を示す図である。
【図7】図5と図6の膜厚分布を重ね合わせた図である。
【図8】基体の周辺近傍に二つの膜厚計を設けた例を示す図である。
【図9】基体の周辺近傍に二つのイオン電流プローブを設けた例を示す図である。
【図10】従来の真空アーク蒸着装置の一例を示す概略断面図である。
【図11】一様な磁場中での電子の運動を示す概略図である。
【図12】図1および図10の装置の磁気コイル周りを抜き出して示す図である。
【図13】図12のC−C方向に見た断面の一例を示す図であり、磁気コイルおよびダクトが断面円形の場合の例である。
【図14】図12のD−D方向に見た断面における磁場勾配を示す図であり、磁気コイルおよびダクトが断面円形の場合の例である。
【図15】図14の磁気コイルの磁場による電子のドリフト方向を示す図である。
【図16】図1および図10の装置の陰極から基体にかけての部分を抜き出して示す図である。
【図17】図16の各陰極の配置を、図16のC−C方向に見て示す図であり、磁気コイルおよびダクトが断面円形の場合の例である。
【図18】図17の各陰極による成膜の基体表面における膜厚分布の一例を示す図である。
【図19】図12のC−C方向に見た断面の一例を示す図であり、磁気コイルおよびダクトが断面矩形の場合の例である。
【図20】図12のD−D方向に見た断面における磁場勾配を示す図であり、磁気コイルおよびダクトが断面矩形の場合の例である。
【図21】図20の磁気コイルの磁場による電子のドリフト方向を示す図である。
【図22】図16の各陰極の配置を、図16のC−C方向に見て示す図であり、磁気コイルおよびダクトが断面矩形の場合の例である。
【図23】図22の各陰極による成膜の基体表面における膜厚分布の一例を示す図である。
【符号の説明】
2 成膜室
6 基体
12 真空アーク蒸発源
14、14a、14b 陰極
16 陰極物質
18 プラズマ
24 磁気コイル
26 磁力線
28 ダクト
40 コイル電源
42 制御器
Claims (5)
- 基体を収納して真空排気される成膜室と、真空アーク放電によって陰極を蒸発させて陰極物質を含むプラズマを生成する真空アーク蒸発源と、この真空アーク蒸発源と前記成膜室との間を接続している湾曲したダクトと、このダクトの外周にそれぞれ巻かれていて当該ダクトの軸に沿う方向に分散して配置されている複数の磁気コイルであって、前記真空アーク蒸発源によって生成したプラズマを偏向させる磁場を前記ダクトの内面に沿って発生させて当該磁場によって前記プラズマを前記成膜室内の基体の近傍に導く複数の、かつ互いに電気的に直列接続された磁気コイルと、この磁気コイルに前記磁場を発生させるコイル電流を流すコイル電源とを備える真空アーク蒸着装置において、
前記コイル電源を、前記磁気コイルに流すコイル電流を反転させることのできるコイル電源とし、かつこのコイル電源を制御して前記磁気コイルに流すコイル電流の方向を反転させる制御器を設けたことを特徴とする真空アーク蒸着装置。 - 前記真空アーク蒸発源を複数有している請求項1記載の真空アーク蒸着装置。
- 前記制御器は、前記コイル電流の方向を所定時間ごとに繰り返して反転させる制御を行うものである請求項1または2記載の真空アーク蒸着装置。
- 基体を収納して真空排気される成膜室と、真空アーク放電によって陰極を蒸発させて陰極物質を含むプラズマを生成する真空アーク蒸発源と、この真空アーク蒸発源によって生成したプラズマを偏向または集束させる磁場を発生させて当該磁場によって前記プラズマを前記成膜室内の基体の近傍に導く磁気コイルと、この磁気コイルに前記磁場を発生させるコイル電流を流すコイル電源とを備える真空アーク蒸着装置において、
前記コイル電源を、前記磁気コイルに流すコイル電流を反転させることのできるコイル電源とし、かつこのコイル電源を制御して前記磁気コイルに流すコイル電流の方向を反転させる制御器を設けており、更に、前記基体の周辺部近傍に、前記プラズマによる成膜の膜厚を計測する複数の膜厚計を設けており、前記制御器は、この複数の膜厚計で計測する膜厚の相互間の差が所定値以上になったときに前記コイル電流の方向を反転させる制御を行うものである真空アーク蒸着装置。 - 基体を収納して真空排気される成膜室と、真空アーク放電によって陰極を蒸発させて陰極物質を含むプラズマを生成する真空アーク蒸発源と、この真空アーク蒸発源によって生成したプラズマを偏向または集束させる磁場を発生させて当該磁場によって前記プラズマを前記成膜室内の基体の近傍に導く磁気コイルと、この磁気コイルに前記磁場を発生させるコイル電流を流すコイル電源とを備える真空アーク蒸着装置において、
前記コイル電源を、前記磁気コイルに流すコイル電流を反転させることのできるコイル電源とし、かつこのコイル電源を制御して前記磁気コイルに流すコイル電流の方向を反転させる制御器を設けており、更に、前記基体の周辺部近傍に、前記プラズマ中のイオンが入射することによって流れるイオン電流を計測する複数のイオン電流プローブを設けておき、かつこの各イオン電流プローブに流れるイオン電流をそれぞれ積算する複数の電流積算器を設けておき、前記制御器は、この複数の電流積算器で積算した電流値の相互間の差が所定値以上になったときに前記コイル電流の方向を反転させる制御を行うものである真空アーク蒸着装置。
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