JP4080279B2 - 動圧軸受、モータおよびディスク駆動装置 - Google Patents

動圧軸受、モータおよびディスク駆動装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は動圧軸受に関し、特に、ディスク駆動装置のモータへの応用に適している。
【0002】
【従来の技術】
従来から、ハードディスク装置、リムーバブルディスク装置等のディスク駆動装置において、記録ディスクを駆動するモータの軸受として、シャフトとスリーブとの間に介在させたオイル等の流体に発生する動圧を利用する動圧軸受が用いられている。このような動圧軸受が採用されたモータは、シャフトがスリーブから抜けないように、すなわち、回転体が固定体から離れないようにするために様々な工夫がなされている。
【0003】
例えば、半径方向に対する界磁用磁石と電機子とを軸方向に関してずらして配置することにより、回転体と固定体との間に軸方向に磁気的吸引力を発生させる手法が知られている。また、シャフトとスリーブ(または、これらの延伸部分)の一方の部材に抜止係止部を設け、シャフトとスリーブとが嵌合された後、他方の部材に抜止部材を固着して、係止部と抜止部材とによりシャフトとスリーブの離間を制限する抜止構造が採用される場合もある。
【0004】
図1(a)〜(c)は、従来のモータを製造する際に、抜止構造を有する動圧軸受が組み立てられる様子を示す図である。なお、組み立ては通常の姿勢から上下が反転された状態で行われる。
【0005】
動圧軸受のシャフト4は、図1(a)に示されるように、円板状の天板6aの中央部に天板6aと一体に形成されている。天板6aは、その外周縁部から垂下する(すなわち、図1(a)の姿勢にて上方に伸びる)円筒状の周壁部6bと共にロータハブを構成し、ロータハブとシャフト4とによりロータ60が構成されている。ロータ60は強磁性材からなる。また、周壁部6bの外周面には、ロータマグネット(界磁用磁石)16が取り付けられており、さらに、ロータマグネット16の上方とロータ60との間に強磁性材からなる環状の磁気シールド板9が挟持して取り付けられ、ロータ60、ロータマグネット16および磁気シールド板9により、モータ回転組立体MR0が構成される。モータ回転組立体MR0は、モータ完成後に、回転して使用される記録ディスク等が取付られるものである。
【0006】
モータ回転組立体MR0の凹部RSにはノズルNZから動圧軸受用の潤滑流体であるオイルFが注入され、図1(b)に示されるように、スリーブ8とシールキャップ10からなるモータ固定組立体MS0が、シャフト4を包み込むように挿入される。モータ固定組立体MS0は、モータ完成後に、複数のティースからなるステータ(電機子)を備えたブラケットに固定される。
【0007】
シャフト4の外周面とスリーブ8の内周面が対向して形成する間隙22,24はラジアル軸受部を構成し、天板6aの内面とスリーブ8の端面が対向して形成する間隙26、および、シャフト4の自由端の端面とシールキャップ10の内面が対向して形成する間隙28はスラスト軸受部を構成する。間隙22,24,26の対向面のいずれか一方には、充填されたオイルFに動圧を発生させるためのグルーブ(図示省略)が設けられている。完成時の間隙22,24,26の間隙幅の寸法は、数十マイクロメートル程である。また、スリーブ8の外周面に形成される間隙29は、間隙26から途切れなく充填されたオイルFが軸受外部空間に面してオイル界面を形成している。間隙29は軸受外方に向かって間隙幅が漸増し、オイルの毛細管力によりオイルを保持する。
【0008】
間隙に注入されたオイルFが気泡を含まず途切れなく充填されるように、オイルFに対して真空脱泡処理が行われる。この後、図1(c)に示されるように、円環状の抜止部材200が、ロータ60の周壁部6bの内周面に固着される。これでモータにおける動圧軸受部分の組立は完了する。スリーブ8の外周面には係止部200aが設けられており、軸方向に関して係止部200aの面と抜止部材200の面とが、全周において一様な間隙を介して互いに対向する。抜止部材200と係止部200aとによって、軸受が軸方向に異常な力を受けた時にシャフト4とスリーブ8とが離間してしまうことが防止される。
【0009】
なお、特許文献1ではシャフトが挿入される穴に凹部が形成された抜止部材が開示されている。この凹部は、くびれを有するシャフトを抜止部材に挿入するためのものであると考えられる。すなわち、特許文献1では、抜止部材に挿入後のシャフトが抜止部材の中央へと移動されることにより、くびれた部位と抜止部材とが係合する構造となっている。
【0010】
【特許文献1】
特開平6−223494号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
図1(c)に示す従来の抜止構造を有する動圧軸受においては、オイルF中の気泡を真空脱泡により取り除いた後、モータ回転組立体MR0に抜止部材200を装着する際、両組立体が相対的に移動して軸受間隙に充填されているオイルが破断して気泡が混入してしまうおそれがある。なお、脱泡が適切に行われたか否かをオイルの界面の変動により確認するため、脱泡は抜止部材200が取り付けられる前に行われる必要がある。
【0012】
図1(c)に示すように、オイル等の液状の潤滑流体と空気との界面が一箇所のみとなる(すなわち、軸受に使われている全潤滑流体が一続きとなっている)フルフィル構造の場合、その界面が複数箇所になるパーシャルフィル構造よりも構造が簡単になるという長所を有するが、潤滑流体に気泡が混入しないように組み立てるのが難しいという欠点を有している。潤滑流体への気泡の混入は、気泡の熱膨張による潤滑流体の漏れ出しやスラスト軸受部における過浮上、潤滑流体の欠落による軸受面の異常接触等を引き起こし、軸受性能を低下させる原因となる。
【0013】
この組立中において潤滑流体に気泡が混入するという問題は、モータ回転組立体MR0とモータ固定組立体MS0とが相対移動しないように組み立てるようにすれば回避することができるが、従来構造の動圧軸受ではそのような組立作業を行うことは、過度の作業上の手間と煩雑さを伴い、現実的な解決策とはなりえず、新たな解決策が要請されていた。なお、この問題は図1(c)に示す動圧軸受のみに発生するものではない。
【0014】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、抜止構造を有すると共に組み立て時に潤滑流体に気泡の混入を容易に防止することができる動圧軸受を提供することを主たる目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、動圧軸受であって、軸部を有する第1の部材と、前記軸部の自由端側から側面側へと連続的に充填された動圧発生用の潤滑流体を介して前記軸部を保持する第2の部材とを備え、前記潤滑流体は、前記第1の部材と前記第2の部材との間に形成される間隙に連続的に充填され、前記間隙の間隙幅が外部に向かって漸増するテーパシール部にて空気との界面を形成し、前記第1の部材および前記第2の部材のいずれか一方の回転側の部材が、前記潤滑流体の前記界面と接する、または、前記界面の外側に位置する抜止部材を有し、他方の部材が、前記抜止部材と対向して前記第1の部材と前記第2の部材との離間を防止する係止部を有し、前記軸部を中心とする略環状の前記抜止部材が、前記潤滑流体の注入用であって、前記軸部を中心とする周方向に対して等間隔に複数形成される開口または凹部を有し、前記テーパシール部にて保持される前記界面が前記開口または前記凹部を介して外部から目視にて観察可能である。
【0016】
請求項に記載の発明は、請求項1に記載の動圧軸受であって、前記第2の部材が有するスリーブの一部が、前記係止部である。
【0017】
請求項に記載の発明は、請求項1に記載の動圧軸受であって、前記軸部の一部が前記係止部である。
【0018】
請求項に記載の発明は、請求項に記載の動圧軸受であって、前記軸部が自由端側に向かって漸次径が変化する略円錐形の円錐部を有し、前記円錐部の固定端側の面が前記抜止部材と対向する。
【0019】
請求項に記載の発明は、モータであって、請求項1ないしのいずれかに記載の動圧軸受と、前記第1の部材を前記第2の部材に対して前記軸部を中心に相対的に回転させる駆動機構とを備える。
【0020】
請求項に記載の発明は、ディスク駆動装置であって、情報を記録するディスク状の記録媒体を収容する筐体と、前記筐体内部に固定されて、前記記録媒体を回転させる請求項に記載のモータと、前記記録媒体に対する情報の書き込みまたは読み出しを行うアクセス手段とを備える。
【0021】
【発明の実施の形態】
図2は、本発明のの実施の形態に係るディスク駆動用のモータ1の軸受部近傍を示す縦断面図である。モータ1は、シャフト4と、シャフト4の上端が中央部に位置する略円板状の天板6aおよびこの天板6aの外周縁部から下方に垂下する円筒状の周壁部6bとから構成されるロータハブ6とが一体に形成されたロータ60を備えている。ロータ60は強磁性材からなる。また、シャフト4の外周面には、円筒状の外筒部材5が装着されており、ロータハブ6の周壁部6bの外周面には、ロータマグネット(界磁用磁石)16が取り付けられ、さらに、ロータマグネット16の上方とロータハブ6との間に強磁性材からなる環状の磁気シールド板9が取り付けられ、外筒部材5、ロータ60、ロータマグネット16および磁気シールド板9によりモータ回転組立体が構成される。
【0022】
モータ回転組立体は、モータ完成後に、ロータ60の外周部にあるディスク載置部6cに、回転して使用される記録ディスク等が載置されるものである。記録ディスク等は、図示しないクランパによって保持され、シャフト4の上部側(ロータハブ6の天板6a側)に設けられた雌ネジ孔4bと雄ネジ(不図示)により締結されて、ロータハブ6に固定される。
【0023】
モータ1は、シャフト4と外筒部材5とを回転自在に支持する中空円筒状のスリーブ8と、スリーブ8の下部を閉塞すると共にシャフト4の自由端端面に対向する面を有するシールキャップ10とをさらに備えており、これらによりモータ固定組立体が構成される。モータ固定組立体は、半径方向内方に突設される複数のティースを有するステータ(電機子)14を備えたブラケット12に内嵌されて固定される。モータ1は、シャフト4が回転自在に支持されることから、シャフト回転型である。
【0024】
ステータ14とロータマグネット16は、半径方向の間隙を介して、かつ、それぞれの磁気的中心は軸方向にほぼ一致して対向して配置されており、ステータ14を構成するコイルを電源(不図示)からの電力により励磁することにより、ステータ14とロータマグネット16により構成される駆動機構が回転駆動力を発生し、ロータマグネット16を備えたモータ回転組立体が回転してディスクが駆動される。
【0025】
スリーブ8の上端面と天板6aの下面との間には間隙26が形成され、外筒部材5の外周面とスリーブ8の内周面との間には間隙22,24が形成され、外筒部材5の端面およびシャフト4の端面とシールキャップ10の内面との間には間隙28が形成される。微小な間隙26,22,24,28は互いに連続しており、動圧発生用の潤滑流体であるオイルFが軸部(シャフト4および外筒部材5)の自由端側から側面側へと連続的に充填されるとともにシャフト4および外筒部材5がオイルFを介してスリーブ8に保持され、いわゆるフルフィル構造の動圧軸受が構成されている。
【0026】
間隙22,24はラジアル軸受部を構成し、間隙26,28はスラスト軸受部を構成している。間隙22,24,26の対向面(いずれか一方の面でもよい。以下同様。)には、充填されたオイルFに動圧を発生させるためのグルーブ(不図示)が設けられている。また、シャフト4の外周面と外筒部材5の内周面との間には、間隙26に保持されるオイルと間隙28に保持されるオイルとを流通可能とするための一条の螺旋溝(図2において符号7a,7b,7cを付す。)により形成される連通孔7がシャフト4の外周面に沿って形成されている。
【0027】
また、スリーブ8の外周面の上端部には、半径方向外方に突設され、かつ、外周面がスリーブ8の上端面から離間するにつれて縮径する傾斜面を有する環状のフランジ部8aが設けられ、周壁部6bの内周面と非接触状態で半径方向に対向している。周壁部6bの内周面とフランジ部8aの外周面との間の間隙は隣接する間隙26から途切れなくオイルが充填され、その半径方向寸法は、フランジ部8aの外周面が傾斜していることから下方に向かって漸増し、間隙断面はテーパ状となる。そして、周壁部6bの内周面とフランジ部8aの外周面とにより、オイルFと軸受外部の空気との界面MCを保持し、オイルFを間隙内に停留させるテーパシール部18が構成される。
【0028】
一連の間隙22,24,26,28に保持されるオイルFは、テーパシール部18においてのみオイルFの表面張力と外気圧がバランスされ(フルフィル構造)、オイルと空気との界面MCがメニスカス状に形成される。テーパシール部18は、間隙空間に余裕を持たせることでオイルリザーバとしての機能を有する。すなわち、界面MC内部に保持されるオイル量に応じて、または、オイルFの熱膨張や熱収縮に伴うオイルFの体積の増減に応じて、界面MCの位置が間隙空間内を移動でき、オイルの体積変動に対処することができる。
【0029】
モータ1では、シャフト4を中心とする略環状の抜止部材20が周壁部6bにおけるテーパシール部18よりも先端部に(すなわち、オイルFの外側に)接着等によって固着されている。抜止部材20がスリーブ8の外周面の下端部においてフランジ部8aの下部に位置する係止部20aに対して非接触状態で嵌り合うことで、スリーブ8に対するロータ60の抜止構造が構成されている。また、矢印OPで示されるように、抜止部材20の一部に凹部(具体的形状については後述)が設けられており、モータ回転組立体とモータ固定組立体とを組み合わせて、抜止部材20および係止部20aを対向させて両組立体の離間防止処置が取られた後、この凹部による開口から潤滑流体であるオイルを注入することが可能となっている。
【0030】
間隙22と間隙24との間の動圧発生用のグルーブは、両者の誘起する動圧が実質上均衡して、両者間にオイルの流動が生じないものとされる。間隙22,24で発生する流体動圧により、外筒部材5の上部および下部の軸方向上下2箇所においてロータ60が支持され、ロータ60の調芯作用および倒れに対する復元作用が得られる。また、間隙26においては、軸方向に向かう動圧を誘起するグルーブが形成されており、間隙26にあるオイルの圧力は、連通孔7によって、間隙28にあるオイルに伝えられる。
【0031】
間隙26は動圧によるスラスト軸受部の間隙となっており、間隙28は、間隙26において高められたオイルの内圧を利用して、静圧によるスラスト軸受部の間隙となっている。また、間隙26,28が連通孔7により実質上同圧となるので、間隙28に保持されるオイルにおいて内圧が大気圧以下となる負圧が発生することがなく、負圧に起因した気泡の発生問題および発生した気泡による軸受不具合が解消される。
【0032】
スラストヨーク30は環状の強磁性材からなり、ブラケット12のロータマグネット16との対向位置に配置され、スラストヨーク30とロータマグネット16との間に軸方向の磁気吸引力が生じる。この磁気吸引力と、間隙26,28で発生するスラスト圧の差であるロータ60の浮上圧とが均衡して、ロータ60のスラスト方向(軸方向)の支持が安定化されると共に、ロータ60の過浮上が抑制される。このような、ロータ60に対する磁気的な付勢は、例えば、ステータ14とロータマグネット16との磁気的中心を軸方向にずらすことによっても生成することができる。
【0033】
次に、軸受部の組立工程について説明する。図3はモータ1の軸受部近傍が組み立てられる際の工程の流れを示す図であり、図4(a)ないし(c)は組み立てられる部品を示す図である。まず、図4(b),(c)に示されるように、モータ回転組立体MR1とモータ固定組立体MS1とが組み立てられる(ステップS11,S12)。その後、モータ回転組立体MR1のシャフト4(および外筒部材5)がモータ固定組立体MS1のスリーブ8に挿入されてこれらの組立体が組み合わされる(ステップS13)。さらに、図4(a)に示す略円環状の抜止部材20がロータ60の周壁部6b内周面に接着等によって固着され(ステップS14)、図5に示す状態となる。
【0034】
図6は抜止部材20の平面図である。なお、図6では抜止部材20自体に平行斜線を付して図示を行っている。図4(a)では図6中の矢印X1−P1−Y1における抜止部材20の断面を示している。図4(a)および図6に示すように、抜止部材20には、内周面にオイル注入用の凹部C1が回転軸を中心とする周方向に対して等間隔に複数形成されている。このため、組み立てられた軸受部において、図5中に矢印OPで示される開口が抜止部材20の凹部C1により形成されることとなる。
【0035】
軸受部では、抜止部材20が取り付けられた後に、この開口からオイル注入ノズルNZを用いて、潤滑流体であるオイルの注入が行われ、図2に示す一連の間隙26,22,24,28にオイルが供給される(ステップS15)。注入されたオイルは、微細な間隙の奥側に毛細管現象により進入してフランジ部8aの外周面の間隙にてオイル界面を形成し、テーパシール部18が構成される。なお、複数の凹部C1による開口から注入を行うことにより、全ての間隙に迅速にオイルを供給することができる。
【0036】
所定の量のオイル注入が終わると、軸受部の周囲が減圧されてオイルに混入した気泡やオイルが行き渡らずに残留する気泡が除去される。その後、軸受部は大気圧下に戻され(ステップS16)、ステータ14を有するブラケット12等がモータ固定組立体MS1に取付けられ、モータ1が完成する(ステップS17)。なお、モータ1の回転駆動機構の一部であるステータ14を軸受部の組み立て後に取り付けることにより、モータ1の組み立てを容易に行うことができる。
【0037】
以上のように、モータ1では、抜止部材20に凹部C1を設けることにより、抜止部材20を取り付けた後にオイルを注入することが可能とされる。これにより、従来のようにオイル注入後に抜止部材を取り付ける際にオイルに気泡が入り込むことが容易に防止される。その結果、軸受性能の低下が防止され、モータ1の動作の安定化が実現される。また、モータの組立中に従来のように気泡が混入しないような緻密な組立作業が不要になることから、組立作業性が良好となり、製造コストの削減が実現される。なお、抜止部材20が固着された後は、モータ回転組立体MR1とモータ固定組立体MS1との間の軸方向および回転半径方向の相対移動可能量は、間隙22,24,26の間隙幅分であってわずか数十ミクロンであり、この程度の移動量であればオイル中に気泡が混入する恐れはない。
【0038】
また、図1(c)に示す従来の構造では、オイルを注入した後に抜止部材200を固定するため、オイルが正しく注入されているか否か、特に、オイルの界面の変動を見て脱泡が適切に行われたか否かを抜止部材200の取り付け後に目視確認することが不可能であるが、図2に示す構造ではオイル界面の外側に位置する抜止部材20の凹部C1による開口を介して注入後のオイルが観察可能とされるため、注入状態や脱泡が適切に行われたか否かをオイル界面の変動にて確認することも可能となる。また、図2に示す構造では、抜止部材20の変更により気泡混入の問題を回避するもので軸受部の変更を伴わず、フルフィル構造の長所である構造の優位性が低下するものではない。さらに、気泡の混入の可能性は連通孔7が設けられる場合の方が高いことから、抜止部材20取り付け後にオイルを確認することができる構造は、連通孔7を有する軸受部に特に適している。なお、オイル界面の位置の観察は測定器を用いてプローブ等を挿入することにより行われてもよい。
【0039】
図7(a)は抜止部材20の他の例を示す平面図(平行斜線を付している。)であり、図7(b)は図7(a)中の矢印X2−P2−Y2における縦断面図である。図7(a),(b)に示すように、抜止部材20には凹部C1に代えて開口C2が形成されてもよい。すなわち、取り付け後に抜止部材20の凹部や開口により外部から軸受部の間隙へと至る開口が形成されるのであるならば、抜止部材20の形状は適宜変更されてよい。
【0040】
図8(a)は抜止部材20のさらに他の例を示す平面図(平行斜線を付している。)であり、図8(b)は図8(a)中の矢印X3−P3−Y3における縦断面図である。図8(a),(b)に示す抜止部材20は凹部C3を2つ有する。抜止部材20の凹部や開口の数は適宜変更されてよい。ただし、抜止部材20が回転側の部材(すなわち、モータ回転組立体)に取り付けられる場合には、回転の際のバランスを考慮して凹部や開口は回転の中心軸の周方向に対して等間隔に複数形成されることが好ましい。
【0041】
図9は本発明の関連技術に係るモータ1の軸受部の他の例を示す図である。図9に示す軸受部では、スリーブ8の抜止用の係止部20aの一部を除去して中心軸側に窪む凹部C4が形成され、矢印OPで示されるオイル注入用の開口が設けられる。抜止部材20には凹部や開口が設けられていない。この場合、凹部C4は回転しないモータ固定組立体側(すなわち、モータ1の取り付け時に固定される側)にあるため、凹部C4により回転運動に対する質量バランスが損なわれることはない。
【0042】
図10は、本発明の他の関連技術に係るディスク駆動用のモータ1の軸受部近傍を示す縦断面図である。モータ1は、スラスト軸受用の部材である略円板状のベース部材2と、ベース部材2の中央部に一方の端部が固定されるシャフト4とを備えている。ベース部材2とシャフト4とにより、モータ固定組立体が構成される。また、ベース部材2は、複数のティースを有するステータ14が配設されたブラケット12に圧入あるいは接着等により固定される。なお、シャフト4とベース部材2とは、一体的に形成されてもよい。
【0043】
また、モータ1は、シャフト4が挿通される貫通孔を有するスリーブ8と、貫通孔の上端部開口を閉塞すると共にシャフト4の自由端部端面と対向する面を有するシールキャップ11とからなるロータ60を備えている。スリーブ8は強磁性材からなる。ロータ60の外周に固定された円環状のロータマグネット16と、ロータマグネット16の上方とロータ60との間に挟持された強磁性材からなる環状の磁気シールド板9と、ロータ60とにより、モータ回転組立体が構成される。モータ回転組立体は、モータ完成後に、ロータ60の外周部にあるディスク載置部6cに、回転して使用される記録ディスク等を載置し、図示しないクランパによってこれを保持する。
【0044】
ロータ60に固定されたロータマグネット16は、ステータ14と半径方向の間隙を介して互いに磁気的中心が軸方向にほぼ一致して配置されており、ロータマグネット16およびステータ14により構成される駆動機構が電源からの電力によりトルク(回転力)を発生し、シャフト4を中心軸としてロータマグネット16やスリーブ8等により構成される回転体を回転させる。モータ1はシャフト4に対して回転体が回転自在に支持されることから、シャフト回転型である。
【0045】
スリーブ8の下端部外周部には切欠部が形成されており、切欠部の外周面はベース部材2から離間するにつれて縮径している。また、ベース部材2の周縁部には、切欠部の外周面に非接触状態で対向する内周面と、端部において外方に向かう突出部とを有する周壁部2aが、シャフト4と同心に設けられている。
【0046】
周壁部2aの内周面と切欠部の外周面との間には間隙21が形成されており、スリーブ8の下端面とベース部材2の上面との間には間隙24が形成されており、スリーブ8の内周面(貫通孔の表面)とシャフト4の外周面との間には間隙25が形成されており、シャフト4の自由端面とシールキャップ11の下面との間には間隙28が形成されている。これらの一連の間隙中には潤滑用流体であるオイルが途切れることなく保持され、いわゆるフルフィル構造の動圧軸受が構成されている。また、間隙21は上方に向かって漸次幅が大きくなっており、オイルと空気との界面を形成し、図2のテーパシール部18と同様にオイルを保持する機能を有する。
【0047】
間隙25では対向面に動圧発生用のグルーブが形成され、ラジアル動圧軸受部が構成されている。また、間隙24の対向面にもグルーブが形成され、スラスト軸受部が構成されている。間隙28では、スラスト軸受部によって高められたオイルの内圧を利用した静圧軸受部が構成される。
【0048】
また、環状のスラストヨーク30が、ロータマグネット16と軸方向に対向してブラケット12に設けられており、ロータマグネット16とスラストヨーク30との間に発生した軸方向の磁気吸引力と、間隙24,28におけるスラスト動圧の差である浮上圧とが均衡して、ロータ60のスラスト方向(軸方向)の支持が安定化されると共に、ロータ60の過浮上が抑制される。このような、ロータ60に対する磁気的な付勢は、例えば、ステータ14とロータマグネット16との磁気的中心を軸方向にずらすことによっても生成することができる。
【0049】
また、全体が略環状をしており、下部において内方に向かう突出部を有する抜止部材20が、スリーブ8の下面に接着等により固着されている。抜止部材20の突出部は、ベース部材2の周壁部2aにおける突出部である係止部に対して非接触状態で嵌り合うことで、シャフト4に対するスリーブ8の抜止構造が構成されている。さらに、矢印OPで示されるように、抜止部材20の一部に凹部が設けられており、モータ回転組立体とモータ固定組立体とを組み合わせて、抜止部材20により両者の離間防止処置が取られた後、凹部による開口から潤滑流体であるオイルを注入することが可能とされている。
【0050】
次に、軸受部の組立工程について説明する。組立工程の流れは基本的には図3と同様である。まず、図11(a),(b)に示されるように、モータ回転組立体MR2とモータ固定組立体MS2との組み立てが行われ(ステップS11,S12)、シャフト4がスリーブ8に挿入されてこれらの組立体が組み合わされる(ステップS13)。さらに、図11(c)に示す略円環状の抜止部材20がロータ60に接着等によって固着され(ステップS14)、図12に示す状態となる。
【0051】
図13は抜止部材20(平行斜線を付して図示)の平面図である。なお、図11(c)では図13中の矢印X5−P5−Y5における抜止部材20の断面を示している。上記の実施の形態と同様に、抜止部材20には、内周面にオイル注入用凹部C5が複数形成されている。このため、組み立てられた軸受部において、図12中に矢印OPで示される開口が抜止部材20の凹部C5により形成されることとなる。なお、凹部C5は開口(図7(a)参照)であってもよい。
【0052】
抜止部材20が取り付けられた後は、この開口から潤滑流体であるオイルの注入が行われ、一連の間隙にオイルが供給される(ステップS15)。その後、軸受部の周囲は減圧されてオイルに混入した気泡が除去され、大気圧下に戻される(ステップS16)。さらに、モータ1の回転駆動機構の一部であるステータを有するブラケット等がモータ固定組立体MS2に取付けられ、モータ1が完成する(ステップS17)。
【0053】
以上のように、関連技術に係るモータ1においても、抜止部材20の取り付け後にオイルの注入が行われるため、オイルへの気泡の混入を容易に防止することが実現される。その結果、モータ1の動作の安定化および製造コストの削減が実現される。
【0054】
図14は関連技術に係る軸受部の他の例を示す図である。図14に示す軸受部では、ベース部材2の周壁部2aの外側への突出部の一部を除去して凹部C6が形成され、これにより、矢印OPで示されるオイル注入用の開口が設けられる。この場合、凹部C6は回転しないモータ固定組立体側に存在することから、凹部C6により回転運動に対する質量バランスが損なわれることはない。
【0055】
図15は、本発明のさらに他の関連技術に係るディスク駆動用のモータ1の軸受部近傍を示す縦断面図である。モータ1は、図15に示されるように、固定されたスリーブ8に対してロータハブ6とシャフト4が回転自在に支持される、いわゆるシャフト回転型となっている。シャフト4は、円筒状の軸部4cと、軸部4cに接続されるとともに軸部4cよりも半径方向外方に突出した略逆台形状の断面形状を有する(すなわち、自由端側に向かって漸次径が減少する略円錐形の)円錐部4dとから成っている。
【0056】
ロータハブ6は強磁性材からなり、ロータハブ6の周縁下面にロータマグネット16が備えられ、ロータハブ6の中心部には、シャフト4の軸部4cが接着等により固定される。シャフト4、ロータハブ6、ロータマグネット16等によりモータ回転組立体が構成される。モータ完成後はロータハブ6の外周部上面にあるディスク載置部6cに記録ディスク等が固定される。
【0057】
また、円筒状のスリーブ8は、シャフト4の円錐部4dの表面形状に対応する略台形状の断面形状を有する円錐状凹部8bを有している。スリーブ8の外周下部が、ステータ14が配設されたブラケット12に圧入あるいは接着等により固定されて、モータ固定組立体が組み立てられる。スリーブ8の円錐状凹部8b内にはシャフト4の円錐部4dが配置され、円錐状凹部8bの上部開放端には、シャフト4の軸部4cが挿通される略円環状の抜止部材20が接着等により固定されている。これにより、円錐部4dの固定端側の面が抜止部材20と対向する係止部としての役割を果たす。
【0058】
矢印OPで示されるように抜止部材20の一部に凹部C7(図18参照)が設けられており、シャフト4とモータ固定組立体とを組み合わせて、抜止部材20により両者の離間防止処置が取られた後、この開口部から潤滑流体であるオイルを注入することが可能とされている。
【0059】
また、円錐部4dと円錐状凹部8bとの間には間隙が形成されており、この間隙内にはオイルが途切れることなく(すなわち、シャフト4の自由端側から側面側へと連続的に)保持されている。円錐部4dの外周面、すなわち上面から下面に向かってテーパ状に縮径する傾斜面には、動圧発生用のグルーブ17が形成されており、グルーブ17によって、ロータハブ6とシャフト4の相対回転時に、円錐部4dの外周面と円錐状凹部8bの内周面との間において流体動圧が誘起される。
【0060】
傾斜した一対の対向面間が動圧軸受部として機能することにより、1つの動圧軸受部によってラジアル軸受部とスラスト軸受部の両方の機能を実現することが可能となり、回転精度を損なうことなく、軸受部の小型化および薄型化が実現される。また、円錐状凹部8bの底部の略中央部には、円錐部4dの底面との間隙が幾分拡大するように円形凹部(図示省略)が形成されている。この円形凹部は、オイル中の異物を補足する機能があり、異物の拡散による軸受の磨耗を防ぐ役割を果たす。
【0061】
円錐部4dと円錐状凹部8bとの間に形成された間隙内に保持されているオイルと空気との界面は、抜止部材20の下面と円錐部4dの上面との間の間隙内に形成される。すなわち、抜止部材20は界面と接する状態となっている。この間隙内のオイルは、内側に界面を有するように円環状に貯留されることから、オイルは回転時に遠心力の作用で半径方向外方に押圧されることとなり、オイルシール機能が強化され、オイルの軸受外部への飛散が抑制される。
【0062】
次に、軸受部の組立工程について説明する。軸受部の組立は基本的には図3と同様である。ただし、シャフト4自体がモータ回転組立体となる。具体的には、図16(d)に示すモータ固定組立体MS3が組み立てられ、スリーブ8の円錐状凹部8bに、図16(c)に示されるシャフト4が挿入され、図16(b)に示される略円環状の抜止部材20がスリーブ8の上端部に接着等によって固着されて図17に示すように組み立てられる。
【0063】
図18は抜止部材20(平行斜線を付して図示)の平面図である。なお、図16(b)では図18中の矢印X7−P7−Y7における抜止部材20の断面を示している。抜止部材20には、内周側に略長穴状のオイル注入用の凹部C7が2つ形成されている。凹部C7は開口であってもよい。
【0064】
抜止部材20の凹部C7により、図17において矢印OPで示される開口が形成され、この開口からオイル注入ノズルを用いて、所定量のオイルが軸受間隙に注入される。その後、減圧脱泡が行われ、さらに、図16(a)に示されるロータマグネット16付きのロータハブ6が、シャフト4の軸部4cに接着等により固定されて、モータ1が完成する。なお、モータ1の回転駆動機構の一部であるロータマグネット16等を軸受部の組み立て後に取り付けることにより、モータ1の組み立てを容易に行うことができる。
【0065】
本関連技術に係るモータ1においても、抜止部材20の取り付け後にオイルの注入が行われるため、オイルへの気泡の混入を防止することが実現される。また、オイル注入の際にオイルの界面を観察することが可能であることから、オイルの注入状態を確認することも可能となる。その結果、モータ1の動作の安定化および製造コストの削減が実現される。なお、図示を省略するが、抜止部材20の上面にはシールが貼付され、凹部C7からオイルが漏れないようになっている。このシールはオイル注入後であってロータハブ6を取り付ける前の図17の工程で貼付される。
【0066】
なお、本関連技術に係るモータ1の変形例として、シャフト4とスリーブ8との位置関係が上下逆転されてもよい。この場合、シャフト4が組立の際のモータ固定組立体となる。また、シャフトの軸部4cは自由端側に向かって漸次経が増加する形状であってもよい。このとき、スリーブ8の円錐状凹部8bもそれに合わせた形状とされ、円錐状凹部8bの傾斜した内側面側の部位が抜止部材としての役割を果たす。
【0067】
次に、モータを有するディスク駆動装置について、図19を参照して説明する。ディスク駆動装置50において、ハウジング51の内部は塵や埃等が極度に少ないクリーンな空間となっており、情報を記憶するディスク状の記録媒体53が装着されたディスク駆動用モータ52が固定されている。また、ハウジング51の内部には、記録媒体53に対して情報を読み書きする情報アクセス手段としてヘッド移動機構が配置され、このヘッド移動機構は、記録媒体53上の情報を読み書きするヘッド56、ヘッド56を支えるアーム55、並びに、ヘッド56およびアーム55を記録媒体53上の所要の位置に移動させるアクチュエータ部54を備えている。
【0068】
このような、ディスク駆動装置50のディスク駆動用モータ52として、上記実施の形態にて説明して流体動圧軸受機構を有するモータ1を使用することで、所望の回転精度や動作の安定性が実現されると共に、ディスク駆動装置50の薄型化並びに低コスト化が可能となる。ディスク駆動装置50は、いわゆるハードディスク装置に限定されず、光ディスクや光磁気ディスク等を駆動する装置であってもよい。
【0069】
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されず、様々な変形が可能である。
【0070】
例えば、上記実施の形態では、磁気回路が径方向対向型のものを示したが、軸方向対向型であってもよい。また、アウターロータ型、インナーロータ型、軸回転型、軸固定型等の可能な様々な組み合わせのモータ構成に対しても、上述した抜止部材の取り付け後に潤滑流体を注入することができる構造を採用することができる。
【0071】
オイルは組み合わせ前にモータ固定組立体またはモータ回転組立体に仮注入されてもよい。また、注入時の気泡の混入を防止するために減圧環境にてオイル注入が行われてもよい。
【0072】
上記実施の形態における抜止部材20やスリーブ8(の係止部20a)の凹部は実質的に凹部であればよく、例えば、凹部の間が凸部と捉えられるほどの大きさで凹部が形成されてもよい。
【0073】
上記実施の形態では、抜止部材20または抜止部材20に対向して係止を行う部材に軸周方向に関して等間隔にて凹部や開口を設けることにより、凹部や開口が回転体側に形成される場合であっても回転体のバランスを維持しているが、オイル注入用の凹部や開口が軸周方向に関して等間隔でない(または、1つだけ設けられる)場合であっても、バランスをとるために凹部や開口近傍に錘を設けたり、ダミーの凹部や開口が設けられてもよい。
【0074】
記実施の形態では、スリーブ8の一部が抜止部材20と対向する係止部となっており、上記の関連技術では、シャフト4の一部が抜止部材20と対向する係止部となっているが、係止部は他の部材に設けられてもよい。なお、係止部をスリーブ8やシャフト4の一部とした場合には軸受部の部品数を削減することが可能となる。
【0075】
【発明の効果】
請求項1の発明では、抜止部材を取り付けた後で潤滑流体を供給することにより、供給後の気泡の混入を防止することができ、さらに、供給後にテーパシール部にて保持される潤滑流体の界面を観察することができる。また、回転時の軸受のバランスをとることができる。
【0076】
また、請求項およびの発明では、動圧軸受の部品数を削減することができる。
【0077】
また、請求項の発明では、回転精度を損なうことなく、軸受の小型化および薄型化が実現される。
【0078】
請求項の発明では、モータの動作の安定化および製造コストの削減が実現される。
【0079】
請求項の発明では、ディスク駆動装置の薄型化および低コスト化が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は従来のモータ回転組立体の断面図、(b)は従来のモータ固定組立体とモータ回転組立体の断面図、(c)は従来の動圧軸受部の断面図である。
【図2】 本発明のの実施の形態に係るモータの断面図である。
【図3】 モータの組立工程の流れを示す図である。
【図4】 (a)は抜止部材の断面図、(b)はモータ固定組立体の断面図、(c)はモータ回転組立体の断面図である。
【図5】 動圧軸受部の断面図である。
【図6】 抜止部材の平面図である。
【図7】 (a)は抜止部材の他の例の平面図、(b)は抜止部材の他の例の断面図である。
【図8】 (a)は抜止部材のさらに他の例の平面図、(b)は抜止部材のさらに他の例の断面図である。
【図9】 軸受部の断面図である。
【図10】 本発明の関連技術に係るモータの断面図である。
【図11】 (a)はモータ回転組立体の断面図、(b)はモータ固定組立体の断面図、(c)は抜止部材の断面図である。
【図12】 軸受部の断面図である。
【図13】 抜止部材の平面図である。
【図14】 軸受部の断面図である。
【図15】 本発明の他の関連技術に係るモータの断面図である。
【図16】 (a)はロータハブの断面図、(b)は抜止部材の断面図、(c)はシャフトの側面図、(d)はモータ固定組立体の断面図である。
【図17】 軸受部およびステータの断面図である。
【図18】 抜止部材の平面図である。
【図19】 ディスク駆動装置の内部構成を示す模式図である。
【符号の説明】
1 モータ
4 シャフト
4d 円錐部
8 スリーブ
14 ステータ
16 ロータマグネット
18 テーパシール部
20 抜止部材
20a 係止部
50 ディスク駆動装置
51 ハウジング
52 ディスク駆動用モータ
53 記録媒体
60 ロータ
C1,C3,C7 凹部
C2 開口
F オイル
MC 界面
MR1 モータ回転組立体
MS1,MS3 モータ固定組立

Claims (6)

  1. 動圧軸受であって、
    軸部を有する第1の部材と、
    前記軸部の自由端側から側面側へと連続的に充填された動圧発生用の潤滑流体を介して前記軸部を保持する第2の部材と、
    を備え、
    前記潤滑流体は、前記第1の部材と前記第2の部材との間に形成される間隙に連続的に充填され、前記間隙の間隙幅が外部に向かって漸増するテーパシール部にて空気との界面を形成し、
    前記第1の部材および前記第2の部材のいずれか一方の回転側の部材が、前記潤滑流体の前記界面と接する、または、前記界面の外側に位置する抜止部材を有し、
    他方の部材が、前記抜止部材と対向して前記第1の部材と前記第2の部材との離間を防止する係止部を有し、
    前記軸部を中心とする略環状の前記抜止部材が、前記潤滑流体の注入用であって、前記軸部を中心とする周方向に対して等間隔に複数形成される開口または凹部を有し、
    前記テーパシール部にて保持される前記界面が前記開口または前記凹部を介して外部から目視にて観察可能であることを特徴とする動圧軸受。
  2. 請求項1に記載の動圧軸受であって、
    前記第2の部材が有するスリーブの一部が、前記係止部であることを特徴とする動圧軸受。
  3. 請求項1に記載の動圧軸受であって、
    前記軸部の一部が前記係止部であることを特徴とする動圧軸受。
  4. 請求項に記載の動圧軸受であって、
    前記軸部が自由端側に向かって漸次径が変化する略円錐形の円錐部を有し、
    前記円錐部の固定端側の面が前記抜止部材と対向することを特徴とする動圧軸受。
  5. モータであって、
    請求項1ないしのいずれかに記載の動圧軸受と、
    前記第1の部材を前記第2の部材に対して前記軸部を中心に相対的に回転させる駆動機構と、
    を備えることを特徴とするモータ。
  6. ディスク駆動装置であって、
    情報を記録するディスク状の記録媒体を収容する筐体と、
    前記筐体内部に固定されて、前記記録媒体を回転させる請求項に記載のモータと、
    前記記録媒体に対する情報の書き込みまたは読み出しを行うアクセス手段と、
    を備えることを特徴とするディスク駆動装置。
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