JP2004278569A - インナーロータ型モータ - Google Patents

インナーロータ型モータ Download PDF

Info

Publication number
JP2004278569A
JP2004278569A JP2003067457A JP2003067457A JP2004278569A JP 2004278569 A JP2004278569 A JP 2004278569A JP 2003067457 A JP2003067457 A JP 2003067457A JP 2003067457 A JP2003067457 A JP 2003067457A JP 2004278569 A JP2004278569 A JP 2004278569A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cylindrical portion
rotor
annular
base plate
type motor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003067457A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiromitsu Goto
廣光 後藤
Shinji Kinoshita
伸治 木下
Toru Kumagai
徹 熊谷
Atsushi Ota
敦司 太田
Ryoji Yoneyama
良治 米山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Instruments Inc
Original Assignee
Seiko Instruments Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Instruments Inc filed Critical Seiko Instruments Inc
Priority to JP2003067457A priority Critical patent/JP2004278569A/ja
Publication of JP2004278569A publication Critical patent/JP2004278569A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】動作の安定性が高く長寿命で且つ組立てが容易な流体動圧軸受を備えた小型薄型のインナーロータ型モータ提供すること。
【解決手段】インナーロータ型モータは、ロータハブ6と環状ロータマグネット7とを含むロータと、環状ステータコアにステータコイルが巻回されたステータ8と、フランジ付シャフト1と段付有底スリーブ4を有する流体動圧軸受と、ベースプレート9とから構成されたものであって、停止時にフランジ付シャフト1が段付有底スリーブ4内で軸方向に浮くような磁気バイアスを与えるようにして、前記流体動圧軸受がベースプレート9に固着されているものである。前記流体動圧軸受のベースプレート9への固着は、段付有底スリーブ4の下部円筒部4aをベースプレート9の取付け用円筒部9aに嵌入され接着剤で固着して行われている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、流体動圧軸受を備えた小型薄型のインナーロータ型モータに関する。
【0002】
【従来技術】
パソコンのハードディスクは3.5インチ径ディスクや2.5インチ径ディスクが最も多く用いられているが、近年は1.8インチ径ディスクや1インチ径ディスクも登場してきた。これまでは、3.5インチ径ディスクの磁気ディスクを回転駆動するモータは、ステータの半径方向外側にロータが配置されるアウターロータ型モータが一般的であった。ところが、2.5インチ径以下の小型の磁気ディスクを駆動するには、従来のアウターロータ型モータでは容易に対応することができない。そこで、2.5インチ径以下の小型の磁気ディスクを駆動するモータとして、ステータの半径方向内側にロータが配置され且つ流体動圧軸受によってロータがステータに回転自在に支持されたインナーロータ型モータの開発が数年前から進められて来ている。例えば、特開2000−350408号公報(特許文献1)には、ステータの半径方向内側にロータが配置され且つ軸固定型流体動圧軸受によってロータがステータに回転自在に支持されたインナーロータ型モータが開示されている。
【0003】
この従来のインナーロータ型モータは、図5に示す如く、シャフト21、ロータハブ22、ベースプレート23、回転体抜け止め板24、ロータマグネット25、ステータ26、及び磁気シールド板27とで構成されたものである。
【0004】
ロータハブ22は、下側に軸受構成部となる円筒状突起を、上側に抜け止板収納用の円筒状凹部を、更に外側にフランジ部をそれぞれ有する特殊な形状の部材である。即ち、ロータハブ22には、ラジアル動圧軸受部のスリーブとして機能する円筒状貫通孔22a、スラスト動圧軸受部の円環状スラスト板として機能する円盤状部22b、及び磁気ディスクが載置されるロータフランジ部22cがそれぞれ形成されている。ロータマグネット25は、ロータフランジ部22cの下側に取付けられている。
【0005】
ベースプレート23は、中心部に円筒状突起が形成されたカップ状容器の如き形状の部材であり、シャフト取付用貫通孔23a、スラスト押え板として機能する円盤状部23b、環状突出部23c、ステータコア取付用段部23d、磁気シールド板取付用段部23eがそれぞれ形成されている。
【0006】
シャフト21には、中央部の外周面にラジアル動圧発生溝G1が形成され、上端部には回転体抜け止め板24が取付けられる段部が形成され、更に中央部の端から前記段部までの外周面はテーパー面となっている。シャフト21は、下端部をシャフト取付け用貫通孔23aに嵌入され、接着材によってベースプレート23に固着されている。
【0007】
この従来の軸固定型流体動圧軸受を備えたインナーロータ型モータの組立てにおいては、ロータマグネット25が取付けられたロータハブ22と、シャフト21が固着され且つステータ26が取付けられたベースプレート23とを組合せ、シャフト21とロータハブ22とベースプレート23の間に形成された微小隙間に潤滑油を注入し、回転体抜け止め板24をシャフト21の上端部に固着する。
【0008】
この従来のモータに採用されている軸固定型流体動圧軸受おいて、ラジアル動圧はシャフト21の中央部の外周面とロータハブ22の円筒状貫通孔22aの内周面との間の微小隙間に発生する。
【0009】
また、この従来のモータに採用されている軸固定型流体動圧軸受おいて、スラスト動圧はロータハブ22の中央部の下面である円盤状部22bとベースプレート23の中央部の円盤状部23bとの間の微小隙間に発生する。
【0010】
上述の従来の軸固定型流体動圧軸受を備えたインナーロータ型モータでは磁気バイアスでスラスト動圧とバランスさせる構造が採用されている。この磁気バイアスは、ロータマグネット25とステータ26との磁気的中心を軸方向にずらすことで行われている。この磁気バイアスによって、ロータハブ22をベースプレート23の方向に吸引する磁気力が発生する。そして、前記磁気力はモータの定格回転時のスラスト動圧とバランスするように調整されている。このような構造であるから、停止時には、ロータハブ22の中央部の下面である円盤状部22bはベースプレート23の中央部の円盤状部23bに前記磁気力によって強制的に接触させられている。従って、モータはロータがステータに接触した状態で起動する構造である。
【0011】
なお、磁気バイアスが与えられたモータは特開平5−240241号公報(特許文献2)や特開2000−197309号公報(特許文献3)にも開示されているが、いずれも停止時に可動軸受構成部材が固定軸受構成部材に接触させるものである。
【0012】
上述の従来の軸固定型流体動圧軸受を備えたインナーロータ型モータは、アウターロータ型モータに比較して小型薄型化を実現している。しかしながら、この軸固定型流体動圧軸受を備えたインナーロータ型モータは、定格回転時にロータハブ22を浮上させるスラスト動圧と、ロータハブ22を軸方向に吸引して前記スラスト動圧とバランスさせる磁気力を発生させる磁気バイアスによって、停止時には可動軸受構成部材と固定軸受構成部材が常に接触している構造である。このため、CSS(Contact Start Stop)で磨耗が常に起こり、モータの寿命が短くなるという問題もある。また、可動軸受構成部材と固定軸受構成部材の接触による摩擦抵抗が加わるから、起動時間が長くなるという問題や、低温時には起動しないことも起こるという問題もある。
【0013】
また、シャフト21は、その下端部がベースプレート23に形成されたシャフト取付用貫通孔23aに嵌入して固着されているが、このような方法では精度よく且つ強固に固着することが困難で、従ってモータの取り付け精度が悪いという問題も有する。更に、軸受内に封入されている潤滑油は、ラジアル軸受部側に形成されているキャピラリーシール部S1とスラスト軸受部側に形成されているキャピラリーシール部S2の2ヶ所のシール部を介して外部と接しているので、オイル漏れの恐れが高いという問題も有する。
【0014】
【特許文献1】特開2000−350408号公報
【特許文献2】特開平5−240241号公報
【特許文献3】特開2000−197309号公報
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、動作の安定性が高く長寿命で且つ組立てが容易な流体動圧軸受を備えた小型薄型のインナーロータ型モータ提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する小型薄型のインナーロータ型モータを、ディスクが載置されるロータハブと前記ロータハブの外周面に装着された環状ロータマグネットとを含むロータと、前記環状ロータマグネットと所定のエアギャップを介して半径方向に対向するように配置された環状ステータコアにステータコイルが巻回されたステータと、フランジ付シャフトと小さな内外径の下部円筒部を有する段付有底スリーブとを具備する軸回転型流体動圧軸受と、前記ステータが装着された環状ステータ装着部と前記段付有底スリーブの小さな外径の下部円筒部が嵌入され固着される取付け用円筒部が形成されたベースプレートで構成した。そして、停止時に前記フランジ付シャフトが前記段付有底スリーブ内で軸方向に浮くような磁気バイアスを与えて前記ベースプレートに前記段付有底スリーブを固着した。前記磁気バイアスは、前記環状ロータマグネットの磁気中心と前記ステータの磁気中心をずらせて与えるようにした。
【0017】
また、上記インナーロータ型モータにおいて、前記軸回転型流体動圧軸受は、ロータ取付け用の上部円柱部とラジアル動圧軸受用の下部円柱部とを有するシャフトとスラスト軸受用の円盤部とが一体に形成されたフランジ付シャフトと、小さな内外径の有底の下部円筒部と大きな内外径の上部円筒部とを有する段付有底スリーブと、前記段付有底スリーブの上部円筒部の開口を封止する環状蓋部材と、これら部材間に形成された微小隙間に注入された潤滑油と、前記環状蓋部材の内周面と前記ロータ取付け用の上部円柱部の外周面との間に形成されたキャピラリーシール部とで構成した。
【0018】
また、上記インナーロータ型モータにおいて、前記ベースプレートは、内径が前記段付有底スリーブの下部円筒部の外径と同じ、高さが同じ、外径が前記段付有底スリーブの上部円筒部の外径と略同じ取付け用円筒部が中央部に形成されたものとした。
【0019】
更にまた、上記インナーロータ型モータにおいて、前記環状ロータマグネットの内周面と前記環状ステータコア外周面との間が周方向に均一になるようにして前記ベースプレートに前記段付有底スリーブを固着した。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明に係るインナーロータ型モータの一実施形態は、図1の断面図と図2の分解断面図に示す如く、ロータと、前記ロータとの間に半径方向に所定のエアギャップを保持して配置されたステータ8と、ステータ8が装着されたベースプレート9と、固定軸受部材である段付有底スリーブ4をベースプレート9に固着された流体動圧軸受とで構成されている。
【0021】
ベースプレート9は、中心部に円筒状突起が形成されたカップ状容器の如き形状の部材であり、シャフト取付用円筒部9a、ステータコア取付用段部9b、磁気シールド板取付用段部9cがそれぞれ形成されている。
【0022】
前記ロータは、ロータハブ6と環状ロータマグネット7とで構成されている。ロータハブ6はフランジ部6aを有するカップ状ハブである。ロータハブ6のフランジ部6aの上面にはディスク載置面が形成され、フランジ部6aの下側の円筒部には環状ロータマグネット7が接着剤で接着されている。前記ロータは、カップ状ロータハブ6を流体動圧軸受のシャフトに嵌入し接着剤で接着して、流体動圧軸受にに固着されている。
【0023】
ステータ8は、環状ステータコアに巻回されたステータコイルとで構成されている。前記環状ステータコアは、コアバック部と複数の歯極部とを有するステータコア板を複数枚積層して構成されている。ステータ8は、そのステータコアをステータコア取付用段部9bに接着剤で接着してベースプレート9に装着されている。
【0024】
前記流体動圧軸受は、図1、図2、及び分解断面図である図3に示す如く、回転軸受部材であるフランジ付シャフト1と、固定軸受部材である段付有底スリーブ4と、環状蓋部材であるスラスト押え板5と、これら部材によって形成された微小隙間に注入された潤滑油とから構成されている。
【0025】
フランジ付シャフト1は、円柱部2と環状フランジ部3が一体に形成された部材である。フランジ付シャフト1の円柱部2の下部はラジアル動圧軸受用円柱部であり、その外周面にはラジアル動圧発生溝G1が形成されている。また、フランジ付シャフト1の円柱部2の上部はロータ取付用円柱部であり、その先端には小径のロータハブ取付け用円柱部が形成されている。
【0026】
フランジ付シャフト1の環状フランジ部3は円盤状スラスト板として機能するもので、その上面と下面には図4の如きスラスト動圧発生溝G2が夫々形成されている。
【0027】
段付有底スリーブ4は、小さな内外径の下部円筒部4aと大きな内外径の上部円筒部4bとを有する。上部円筒部4bの上端部には更に大きな内径の開口部4cが形成されている。この開口部4cはスラスト押え板5が気密に嵌め込まれ、これによって段付有底スリーブ4の開口部はスラスト押え板5によって気密に封止される。小さな内外径の下部円筒部4aと大きな内外径の上部円筒部4bとの境界には、内側環状段部4dと外側環状段部4eが形成されている。内側環状段部4dは、上部円筒部4bの環状底部となる。また、外側環状段部4eは、段付有底スリーブ4をベースプレート9に取付けたときに、取付け用円筒部9aの環状端面が当接して接着される段部となる。
【0028】
フランジ付シャフト1と段付有底スリーブ4とスラスト押え板5との間には、円筒状微小隙間R1、円環状微小隙間R2、微小隙間R1〜R6は、円環状微小隙間R4、円筒状微小隙間R5、及び円盤状微小隙間R6が形成されている。微小隙間R1〜R6は、図1において誇張して示されているが、小型薄型のモータに用いられている小型薄型の流体動圧軸受においては10〜数10μである。なお、オイル溜として機能する微小隙間R3とR6は、他の微小隙間よりは広くされている。これらの微小隙間には、円筒状微小隙間R1の円環状開口から、真空注入法で潤滑油が注入されている。
【0029】
スラスト押え板5の内周面は、外側に広がったテーパー面とされている。従って、スラスト押え板5の内周面と円柱部2の上部外周面との間に形成されている微小隙間R1は、断面が軸受内部から軸受外部に向かって広がったテーパー隙間となっている。これによって、毛細管現象と表面張力によって潤滑油が軸受の外に漏出しないように機能するキャピラリーシール部Sを形成している。また、円筒状微小隙間R3はスラスト動圧軸受用のオイル溜であり、円盤状微小隙間R6はラジアル動圧軸受用のオイル溜である。
【0030】
上述の如く構成された流体動圧軸受を備える本発明に係るインナーロータ型モータの組立てにおいて、ロータ組はロータハブ6に環状ロータマグネット7を装着して完成する。また、ステータ組はベースプレート9に環状ステータコアにステータコイルが巻回されたステータ8と磁気シールド板10を装着して完成する。また、流体動圧軸受は、図3に分解図で示した3つの軸受構成部材、固定軸受構成部材である段付有底スリーブ4、回転軸受部材であるフランジ付シャフト1、及び環状蓋部材であるスラスト押え板5を組合せ、更に真空注入法で潤滑油を注入して完成する。そして、ロータ組を流体動圧軸受に固着し、ロータ組が固着された流体動圧軸受の下部円筒部4aをベースプレート9の取付け用円筒部9aに嵌入して、上下方向と径方向のミクロンオーダーの微調整を行って固着する。上下方向の位置の微調整は、フランジ付シャフト1の環状フランジ部3が、流体動圧軸受の内部で浮くようにするためのものである。また、径方向の位置の微調整は、ロータマグネット7とステータ8との径方向の間隔の均一化を行うためのものである。
【0031】
流体動圧軸受のベースプレートへの固着は接着剤で行われている。前記接着は、段付有底スリーブ4の下部円筒部4aの外周面とベースプレート9の取付け用円筒部9aの内周面の間、及び段付有底スリーブ4の外側環状段部4eとベースプレート9の取付け用円筒部9aの先端面との間の2ケ所で行われる。従って、軸方向の円筒状接着面と直角方向の環状接着面の2ケ所で、流体動圧軸受はベースプレートの強固に固着される。しかも、予め定められたと段付有底スリーブ4の外側環状段部4eのレベルが、流体動圧軸受をベースプレート9に組付ける基準レベルとなるので、組立てが容易である。
【0032】
ところで、本発明においては、停止時にフランジ付シャフト1が段付有底スリーブ4内で軸方向に浮くような磁気バイアスを与えて、ベースプレート9に段付有底スリーブ4を固着している。これは、ベースプレート9に装着されたステータ8の磁気中心と、ロータハウジング6に装着された環状ロータマグネット7の磁気中心をずらせることによって行われている。具体的には、ベースプレート9に装着されたステータ8の磁気中心と、ロータハウジング6に装着された環状ロータマグネット7の磁気中心をずらせたときの、フランジ付シャフト1のフランジ3の水平位置を実験により決定する。次ぎに、フランジ付シャフト1のフランジ3の上面にスラスト押え板5が接触しないで、且つその下面に段付有底スリーブ4の内側環状段部4dが接触しないような流体動圧軸受の水平位置を決定する。
【0033】
流体動圧軸受の水平位置が決定されると、段付有底スリーブ4の下部円筒部4aの高さd1と、ベースプレート9の取付け用円筒部9aの高さd2を決定することになるが、高さd1と高さd2は殆ど同じに選ばれる。高さd2はベースプレート9への流体動圧軸受の取付けを強固にするためにステータ8の磁気中心と略同じであることが望ましい。なお、ベースプレート9の取付け用円筒部9aの内径は段付有底スリーブ4の下部円筒部4aの外径と同じに選ばれる。
【0034】
上述の如く構成された流体動圧軸受は、フランジ付シャフト1が段付有底スリーブ4内で回転すると、ラジアル動圧とスラスト動圧を発生する。前記ラジアル動圧は、フランジ付シャフト1の円柱部2の下部外周面と段付有底スリーブ4の下部円筒部4aの内周面との間の円筒状微小隙間R5に発生する。
【0035】
また、前記スラスト動圧は、第1スラスト動圧と第2スラスト動圧とからなる。第1スラスト動圧は、円環状フランジ部3の上面とスラスト押え板5の下面との間の円環状微小隙間R2に発生する。また第2スラスト動圧は、円環状フランジ部3の下面と段付有底スリーブ4の上部円筒部の環状底部との間の円環状微小隙間R4に発生する。
【0036】
以上、一実施形態について詳細に説明したことから明らかな如く、本発明は僅か3個の軸受構成部材、即ち回転軸受構成部材であるフランジ付シャフト1、固定軸受部材である段付有底スリーブ4、及び環状蓋部材であるスラスト押え板5のみで構成した組立てが容易で小型薄型の流体動圧軸受を軸受としたインナーロータ型モータである。この小型薄型の流体動圧軸受は、唯1つのキャピラリーシール部を備えるものであるから、オイル漏れの恐れないとい特徴も有する。このような特徴を有する流体動圧軸受を備えて構成されたインナーロータ型モータであるので、本発明に係るインナーロータ型モータは小型薄型である。しかも、ベースプレート9への流体動圧軸受の組付けは、ベースプレート9に形成された取付け用円筒部9aに段付有底スリーブ4の下部円筒部4aを嵌入し接着剤で固定するものであるから、組付けは容易で且つ組付け強度は極めて強固である。
【0037】
【発明の効果】
本発明により、動作の安定性が高く長寿命で且つ組立てが容易な流体動圧軸受を備えた小型薄型のインナーロータ型モータを提供することができた。即ち、本発明は、流体動圧軸受の固定軸受部材である段付有底スリーブの小さな内外径の下部円筒部をベースプレートの中央部に形成された取付け用円筒部に嵌入し、段付有底スリーブをベースプレートに固着したものであるから、流体動圧軸受は前記ベースプレートに精度よく且つ強固に固着されている。しかも、段付有底スリーブとベースプレートの相対位置は、段付有底スリーブの下部円筒部の高さ、従って段付有底スリーブの外周面に形成された外側環状段部4eで与えられるので、特別な治具を用いることなく容易に組立てられる。
【0038】
また、本発明は、停止時に回転軸受構成部材であるフランジ付シャフトが、固定軸受部材である段付有底スリーブの内部で浮くように磁気バイアスが与えられているものであるから、CSSで磨耗が少なくなるのでモータの寿命は長くなり、衝撃時に粘性抵抗を使って衝撃力に対抗できるので軸受の損傷は少なくてすみ、更にロータを浮上させる際に磁気力に抵抗した力が不要であるので電流値も小さくすることができた。また、ロータが浮上した際に磁気で引っ張られることがないので、本発明に係るモータはRROもNRROも良い。更にまた、起動時に可動軸受部材と固定軸受部材は接触していないから、起動時間が短く、低温時に起動不能に陥ることもなくなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】微小隙間を誇張して示した本発明に係る流体動圧軸受を備えたインナーロータ型モータの一実施形態の断面図である。
【図2】図1の流体動圧軸受を備えたインナーロータ型モータの分解図である。
【図3】図1のインナーロータ型モータに採用されている流体動圧軸受の分解図である。
【図4】スラスト軸受部材の一例を示した平面図である。
【図5】微小隙間を誇張して示した従来の流体動圧軸受を備えたインナーロータ型モータである。
【符号の説明】
1 フランジ付シャフト
2 円柱部
3 環状フランジ部
4 段付有底スリーブ
4a 小さい内外径の下部円筒部
4b 大きな内外径の上部円筒部
4c 開口部
4d 内側環状段部
4e 外側環状段部
5 スラスト押え板
6 ロータハブ
6a フランジ部
7 ロータマグネット
8 ステータ
9 ベースプレート
9a 取付け用円筒部
10 磁気シールド板
21 シャフト
22 ロータハブ
22a ラジアル動圧軸受用の円筒状貫通孔
22b スラスト動圧軸受用の円盤状部
22c ロータフランジ部
23 ベースプレート
23a シャフト取付用貫通孔
23b 円盤状部
23c 環状突出部
23d ステータコア取付用段部
23e 磁気シールド板取付用段部
24 回転体抜け止め板
25 ロータマグネット
26 ステータ
27 磁気シールド板
R1〜R2、 R11〜R13 微小隙間
S、S1、S2 キャピラリーシール部
G1 ラジアル動圧発生溝
G2 スラスト動圧発生溝

Claims (6)

  1. ディスクが載置されるロータハブと前記ロータハブの外周面に装着された環状ロータマグネットとを含むロータと、
    前記環状ロータマグネットと所定のエアギャップを介して半径方向に対向するように配置された環状ステータコアにステータコイルが巻回されたステータと、
    ラジアル動圧軸受用の下部円柱部を有するシャフトとスラスト軸受用の円盤部とが一体に形成されたフランジ付シャフトと、小さな内外径の下部円筒部と大きな内外径の上部円筒部とを有する段付き有底スリーブとを具備した軸回転型流体動圧軸受と、
    前記ステータが装着される環状ステータ装着部と前記スリーブの下部円筒部が嵌入され固着される取付け用円筒部が形成されたベースプレートとから構成されたインナーロータ型モータにおいて、
    停止時に前記フランジ付シャフトが前記段付有底スリーブ内で軸方向に浮くような磁気バイアスを与えて前記ベースプレートに前記段付有底スリーブを固着したことを特徴とするインナーロータ型モータ。
  2. 前記磁気バイアスは、前記環状ロータマグネットの磁気中心と前記ステータの磁気中心をずらせて与えられていることを特徴とする請求項1のインナーロータ型モータ。
  3. 前記軸回転型流体動圧軸受は、ロータ取付け用の上部円柱部とラジアル動圧軸受用の下部円柱部とを有するシャフトとスラスト軸受用の円盤部とが一体に形成されたフランジ付シャフトと、小さな内外径の有底の下部円筒部と大きな内外径の上部円筒部とを有する段付有底スリーブと、前記段付有底スリーブの上部円筒部の開口を封止する環状蓋部材と、これら部材間に形成された微小隙間に注入された潤滑油と、前記環状蓋部材の内周面と前記ロータ取付け用の上部円柱部の外周面との間に形成されたキャピラリーシール部とから構成されたものであることを特徴とする請求項1のインナーロータ型モータ。
  4. 前記ベースプレートは、内径が前記段付有底スリーブの下部円筒部の外径と同じ、高さが同じ、外径が前記段付有底スリーブの上部円筒部の外径と略同じ取付け用円筒部が中央部に形成されたものであることを特徴とする請求項1のインナーロータ型モータ。
  5. 前記環状ロータマグネットの内周面と前記環状ステータコア外周面との間が周方向に均一になるようにして前記ベースプレートに前記段付有底スリーブを固着したことを特徴とする請求項1のインナーロータ型モータ。
  6. 前記段付有底スリーブの下部円筒部の高さは、前記環状ロータマグネットの磁気中心と略同じ位置にしたことを特徴とする請求項1のインナーロータ型モータ。
JP2003067457A 2003-03-13 2003-03-13 インナーロータ型モータ Pending JP2004278569A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003067457A JP2004278569A (ja) 2003-03-13 2003-03-13 インナーロータ型モータ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003067457A JP2004278569A (ja) 2003-03-13 2003-03-13 インナーロータ型モータ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004278569A true JP2004278569A (ja) 2004-10-07

Family

ID=33285038

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003067457A Pending JP2004278569A (ja) 2003-03-13 2003-03-13 インナーロータ型モータ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004278569A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007120748A (ja) * 2005-09-27 2007-05-17 Victor Co Of Japan Ltd 流体軸受装置
US10710628B2 (en) 2014-06-27 2020-07-14 Mitsubishi Electric Corporation Integrated electric power steering apparatus and manufacturing method therefor

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007120748A (ja) * 2005-09-27 2007-05-17 Victor Co Of Japan Ltd 流体軸受装置
US10710628B2 (en) 2014-06-27 2020-07-14 Mitsubishi Electric Corporation Integrated electric power steering apparatus and manufacturing method therefor

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5343543B2 (ja) スピンドルモータ及びそれを用いたディスク駆動装置
JP3925155B2 (ja) 軸受けユニットおよび軸受けユニットを有するモータ
JP2015112016A (ja) ディスク駆動装置及びその製造方法
JPH11285195A (ja) モータ
JP2002354742A (ja) スピンドルモータ
JP2009008200A (ja) 流体軸受装置およびスピンドルモータ
KR20130015159A (ko) 스핀들 모터
EP1750352A2 (en) Spindle motor and disk drive unit
JP4387114B2 (ja) 軸受機構、モータおよびディスク駆動装置
US7524113B2 (en) Hydrodynamic bearing device
JP4080279B2 (ja) 動圧軸受、モータおよびディスク駆動装置
JP2004278569A (ja) インナーロータ型モータ
JP2004084897A (ja) 動圧軸受、回転体装置、及びモータ
JP4056349B2 (ja) 動圧軸受装置を備えたモータ
JP3184795B2 (ja) スピンドルモータ、及びスピンドルモータを回転体の駆動源とする回転体装置
KR100480633B1 (ko) 하드디스크 드라이브의 스핀들모터
JP2011021631A (ja) ディスク駆動装置
JP2003259596A (ja) スピンドルモータ
JP3696492B2 (ja) スピンドルモータ
KR100826338B1 (ko) 스핀들모터
JP2006292177A (ja) 動圧軸受装置
JP3736468B2 (ja) 軸受けユニット、軸受けユニットを有するモータおよび電子機器
KR100687573B1 (ko) 유체동압 모터 및 그 제작방법
JP2004304990A (ja) モータおよびディスク駆動装置
JP2002266878A (ja) 動圧軸受装置及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20051122

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080415

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080417

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080612

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080826