JP4079610B2 - 易裂性ラミネートフィルム及び易裂性袋 - Google Patents

易裂性ラミネートフィルム及び易裂性袋 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、強靱性等に優れ、また、開封時に手で簡単に開封でき、かつ保存時には充分な強度を持った食品、医療品、及び薬品等の包装用フィルムに適する易裂性ラミネートフィルム及び易裂性袋に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ポリエステル系二軸延伸フィルムは、包装用フィルムとして使用され、包装形態としては、製袋して使用されることが多く、その際、該フィルムにポリオレフィン系樹脂等のシーラント層を積層し、シーラント層同士を熱接着することにより製袋して使用されている。しかしながら、該袋は、袋を破いて中のものを取り出す際に、易裂性が悪く、袋の端にノッチを入れても手で裂けない、又は裂けてもまっすぐに裂けない等の問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記実状に鑑み、優れた強度、手でも裂ける優れた引き裂き性等とを兼ね備えた易裂性ラミネートフィルムを提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の請求項1に記載の発明は以下のような手段を講ずるものである。厚さ25μm以下のポリエチレンテレフタレート二軸延伸フィルム層(X)、厚さ30μm以下で消光位の角度(主軸の傾き)が30°以内であるナイロン6二軸延伸フィルム層(Y)、及びシーラント層(Z)の少なくとも3層よりなり、かつ前記ポリエステル系二軸延伸フィルム層(X)は前記ナイロン6二軸延伸フィルム層(Y)に対して前記シーラント層(Z)と同じ側に配置しないことを特徴とする易裂性ラミネートフィルム。ただし、二軸延伸フィルム層(X)から少なくとも一方の面に無機薄膜層が形成されたポリエチレンテレフタレート二軸延伸フィルムを除く。
また、請求項2に記載の発明は、上記易裂性ラミネートフィルムのシーラント層(Z)同士を熱溶着させて製袋してなる易裂性袋に関する。
【0005】
以下、本発明を詳細に説明する。本発明の易裂性ラミネートフィルムは、ポリエチレンテレフタレート二軸延伸フィルム層(X)、ナイロン6二軸延伸フィルム層(Y)、及びシーラント層(Z)の3層を少なくと含み、かつ前記ポリエステル系二軸延伸フィルム層(X)は前記ナイロン6二軸延伸フィルム層(Y)に対して前記シーラント層(Z)と同じ側に配置しない構成である。ただし、二軸延伸フィルム層(X)から少なくとも一方の面に無機薄膜層が形成されたポリエチレンテレフタレート二軸延伸フィルムを除く。
それぞれの層について、以下に説明する。
【0006】
まず、ポリエチレンテレフタレート二軸延伸フィルム層(X)の原料は、分子の主鎖にエステル結合を有する樹脂である。ポリエチレンテレフタレートが安価に入手でき、かつ、二軸延伸操作を円滑に遂行しうるので好ましい。
【0007】
また、耐屈曲性、滑り特性を向上させる目的で5重量%以下の範囲内で、オレフィンの単独重合体又は共重合体、及びオレフィン系樹脂の変性物を含有させることもできる。オレフィンの単独重合体又は共重合体、及びオレフィン系樹脂の変性物の具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、アイオノマー樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸、エチレン−(メタ)アクリル酸メチル、エチレン−(メタ)アクリル酸エチル、エチレン−(メタ)アクリル酸ブチル等が挙げられる。
【0008】
ポリエステルは吸湿性が大きく、吸湿したものを使用すると原料を熱溶融し押出す際に、加水分解が起こるためオリゴマーが発生しフィルム化を阻害するので、事前に乾燥して水分含有率を0.1重量%以下とするのが好ましい。また、これらには滑剤、帯電防止剤、ブロッキング防止剤、安定剤、染料、顔料、無機質微粒子等の他の各種添加剤を、フィルムの性質に影響を与えない範囲で、添加することができる。
【0009】
二軸延伸フィルムは、押出機により溶融し、フラットダイ、または環状ダイから押出した後、急冷することによりフラット状、または環状の実質的に無定型で配向していない未延伸フィルムとした後、二軸延伸される。二軸延伸方法としては、従来公知の一般的な方法であるテンター式逐次二軸延伸、テンター式同時二軸延伸、チューブラー式同時二軸延伸等が採用できる。延伸倍率としては、フィルムの流れ(縦軸)方向と、それに直角な(横軸)方向に各々2.5〜5倍に延伸する。
【0010】
例えば、上記二軸延伸フィルムをテンター式逐次二軸延伸方法の場合には、未延伸フィルムを90〜120℃の温度範囲に加熱し、ロール式縦延伸機によって縦方向に2.5〜5倍に延伸し、続いてテンター式横延伸機によって100〜150℃の温度範囲内で横方向に3〜6倍に延伸することにより製造することができる。また、テンター式同時二軸延伸やチューブラー式同時二軸延伸方法の場合は、例えば、90〜150℃の温度範囲において、縦横同時に各軸方向に2.5〜5倍に延伸することにより製造することができる。
【0011】
上記方法により延伸されたフィルムは、その後、熱処理をする。熱処理することにより寸法安定性の優れた延伸フィルムを得ることができる。また、熱処理温度としては、150℃を下限として原料のポリエステル系樹脂の融点より5℃低い温度を上限とする範囲を選択することにより、任意の熱収縮率を持った延伸フィルムも得ることができる。熱処理操作により、充分に熱固定された二軸延伸フィルムは、常法により冷却し巻きとる。
【0012】
ポリエチレンテレフタレート二軸延伸フィルム(X)の厚さは、25μm以下であることが必要であり、25μmを越える場合は、フィルム全体が非常に厚くなり軟包装用途には適さなくなる。好ましくは16μm以下である。
【0013】
次に、本発明における易裂性ラミネートフィルムのナイロン6二軸延伸フィルム層(Y)は、消光位の角度(主軸の傾き)が30°以内である必要がある。この主軸の傾きは、偏光顕微鏡により観察することにより測定する。まず、直交ニコル状態とした偏光顕微鏡の載物台に、フィルムの流れ方向を偏光子の振動方向にあわせてフィルムを乗せ、載物台を回転させた際の消光位の角度を読みとり、これを主軸の傾きとする。この消光位の角度は、フィルムの流れと直角な方向(TD)に対して成す角度である。フィルムを乗せた載物台を45゜まで回転させても消光位が現れない場合は、載物台をもとの位置に戻し、逆の方向に回転させて測定する。角度は絶対値で示し、載物台の回転方向が逆であってもプラスで読みとるものとする。
【0014】
偏光顕微鏡で測定した光学的な主軸の傾きに関しては、例えば、「表面、32[1](1994)、p28〜37」「高分子論文集、48[11]、p671〜678」「高分子論文集、48[3]、p181〜184」等の文献が挙げられる。
【0015】
一般に、二軸延伸フィルムは、光学的に異方性であり、あらゆる方向から光を入れて測定した屈折率の内、最大の屈折率をγ、最小の屈折率をαとすると、これらは互いに直行しており、さらに3次元的に考えて、この2つに直行する方向の屈折率はβと定義できる。これらのα、β、γは主屈折率と呼ばれ、二軸延伸フィルムの場合にはその配向を決める尺度になる。この3つの主屈折率は直行しているために、軸の長さがα、β、γである屈折率楕円体で表すことができる。従って、フィルムの延伸による配向の変化は屈折率楕円体の形状の変化でわかることになる。この屈折率楕円体の中心を通り、入射角と直角な面で屈折率楕円体を切ると、その切り口が楕円になる。その長径、短径がその時の屈折率n1、n2になり、その差が複屈折率である。一般に市販の脂肪族ポリアミド樹脂の二軸延伸フィルムの場合は、主屈折率α、β、γの内、β、γはフィルムの面内にあり、γは全体の分子配向の方向と一致し、特にテンター法で生産されたフィルムの場合フィルム中央部ではフィルムの流れ方向と直角の方向(TD方向)にほぼ重なり、フィルムの両端に向かってしだいにTD方向からずれてくる。また、αはフィルム面内に垂直にある。
【0016】
分子配向の方向を測定するには、フィルム面内の360゜全方向から屈折率を測定し、最大の屈折率γを含む方向を決めればよい。この屈折率γを含む方向とフィルムの流れに直角な方向との成す角度と本願発明の主軸の傾きとは同じものである。しかし、この方法は手間がかかってしまうため、一般的には偏光顕微鏡で測定するのが簡便である。
【0017】
一般に、分子配向の方向は、フィルムの強度にも影響し、主屈折の方向に裂けやすい性質がある。本発明では、この性質を利用し、裂けにくい積層二軸延伸フィルムの場合でも、γ方向がTD方向に近いナイロン6二軸延伸フィルムをラミネートすることで易裂き性を出すことを目的としている。なぜ、ナイロン6二軸延伸フィルムの配向が全体の積層フィルムの中でも支配的になるのかは不明であるが、本願発明の構成とすることにより易裂き性が向上する。
【0018】
ナイロン6二軸延伸フィルム層(Y)の消光位の角度(主軸の傾き)が30°以内であれば、得られたラミネートフィルムは易裂性が良好なものとなる。主軸の傾きが30°を超える場合は、ラミネートフィルムを裂く際に、裂く方向が一定しなかったり、裂けにくくなったりする。好ましくは20゜以内である。
【0019】
更に、主軸の傾きが30゜以内のナイロン6二軸延伸フィルム層(Y)を使用することにより、本発明の易裂性ラミネートフィルムを製袋して袋にした場合に、シール部がカールしにくくなるという効果もある。一般に、二軸延伸フィルムは幅方向において主軸の傾きは異なっており、フィルムの端の部分より、中央部分の方が主軸の傾きが小さい。その際、フィルムの幅方向において主軸の傾きが30゜以内の部分のみをスリットすることにより、本発明の易裂性ラミネートフィルムとすることができる。
【0020】
本発明の易裂性ラミネートフィルムにおけるナイロン6二軸延伸フィルム層(Y)の原料は、ε−カプロラクタムの単独重合体が挙げられる。
【0021】
また、ナイロン6には滑剤、帯電防止剤、ブロッキング防止剤、安定剤、染料、顔料、無機質微粒子等の他の各種添加剤を、フィルムの性質に影響を与えない範囲で、添加することができる。
【0022】
ナイロン6二軸延伸フィルム層(Y)も、従来公知の一般的な方法により製造することができる。まず、ナイロン6重合体を実質的に無定型で配向していない未延伸フィルムを製造する。次に、この未延伸フィルムを、テンター式逐次二軸延伸、テンター式同時二軸延伸、チューブラー式同時二軸延伸等の従来公知の一般的な方法により、フィルムの流れ(縦軸)方向と、それに直角な(横軸)方向に各々2.5〜5倍に二軸延伸する。
【0023】
例えば、テンター式逐次二軸延伸方法の場合には、未延伸フィルムを50〜80℃の温度範囲に加熱し、ロール式縦延伸機によって縦方向に2.5〜5倍に延伸し、続いてテンター式横延伸機によって60〜120℃の温度範囲内で横方向に2.5〜5倍に延伸することにより製造することができる。また、テンター式同時二軸延伸やチューブラー式同時二軸延伸方法の場合は、例えば、60〜110℃の温度範囲において、縦横同時に各軸方向に2.5〜5倍に延伸することにより製造することができる。
【0024】
上記方法により延伸されたフィルムは、その後、熱処理をする。熱処理することにより寸法安定性の優れた延伸フィルムを得ることができる。また、熱処理温度としては、110℃を下限としてナイロン6の融点より5℃低い温度を上限とする範囲を選択することにより、任意の熱収縮率を持った延伸フィルムも得ることができる。熱処理操作により、充分に熱固定された二軸延伸フィルムは、常法により冷却し巻きとる。
【0025】
ナイロン6二軸延伸フィルム(Y)の厚さは、30μm以下であることが必要で、30μmを越える場合は、フィルム全体が非常に厚くなり軟包装用途には適さなくなる。好ましくは25μm以下、特に好ましくは10〜20μmである。
【0026】
最後に、本発明の易裂性ラミネートフィルムのシーラント層(Z)は、熱融着できる樹脂であればよく、一般にポリオレフィン系樹脂、ポリエステル等が挙げられる。具体的には、ポリプロピレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−α−オレフィン共重合体、アモルファスポリエステル等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。シーラント層の厚さは、15〜80μm程度が一般的に好適に使用できる。シーラント層が薄い場合は接着強度が劣る傾向があり、一方厚い場合は難包装用途に適さなくなる傾向がある。
【0027】
本発明における易裂性ラミネートフィルムは、ポリエチレンテレフタレート二軸延伸フィルム層(X)、ナイロン6二軸延伸フィルム層(Y)、及びシーラント層の少なくとも3層を積層することにより得られる。ただし、二軸延伸フィルム層(X)から少なくとも1方の面に無機薄膜層が形成されたポリエチレンテレフタレート二軸延伸フィルムを除く。
積層方法としては、一般的な方法であるドライラミネート及び押出ラミネート、これらの組合わせ等の方法が採用されるが、これに限定されるものではない。積層する際には、それぞれの(X)層及び(Y)層の片面又は両面をコロナ処理して使用することが好ましい。
【0028】
例えば、押出ラミネートの場合には、(X)層と(Y)層に、それぞれアンカーコート剤を塗布し、乾燥後、(X)と(Y)との間にポリエチレン系樹脂等を溶融押出しながらロール間で冷却し圧力をかけて圧着することによりラミネートフィルムが得られる。また、その後(X)の側に、更にアンカーコート剤を塗布し、乾燥後、ポリエチレン等を溶融押出し、ロール間で冷却しながら圧力をかけて圧着し、更に、シーラント層(Z)のポリエチレン系樹脂等を溶融押出し、ロール間で冷却しながら圧力をかけて圧着して、(Y)/ポリエチレン/(X)/(Z)の構成のラミネートフィルムが得られる。
【0029】
次に、ドライラミネートの場合には、(Y)に接着剤を塗布し、乾燥後、(X)と張り合わせ、更に、(X)に接着剤を塗布し、乾燥後、(Z)と張り合わせることで、(Y)/(X)/(Z)の構成のラミネートフィルムが得られる。ラミネート後のフィルムは、エージングすることで、接着強度を上げることができる。
【0030】
本発明における易裂性ラミネートフィルムは、シーラント層同士を内側にして、熱溶着させて製袋する。袋のシール部の裂く部分に切り込み(ノッチ)をいれて、裂け易くするのがよい。ノッチの形態は、一般的に採用されている形であれば、特に制限はない。本発明の易裂性袋には、易裂性ラミネートフィルムに、アルミ箔や紙等を積層させた積層フィルムを同様に製袋することもできる。
【0031】
本発明の易裂性袋の内容物としては、食品、医薬品、薬品、香料等を密封する容器、包装に使用することができる。
【0032】
【実施例】
以下、本発明の内容および効果を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を越えない限り以下の例に限定されるものではない。なお、以下の例において、フィルムの評価及び測定は、次の各方法によって行ったものである。また、フィルムの層構成、評価結果、及び測定結果を表1に示した。
【0033】
〈引き裂きやすさ〉
実施例及び比較例により得られたフィルムをシーラント面同士をあわせて、四方をヒートシールし袋状(サンプル)とした、シール部に設けた1mmの深さのノッチから手で引き裂いた。右手を手前でも左手を手前でも引っかかりがなく引き裂けるものを◎、右手前あるいは左手前のどちらかのみ引っかかりがなく引き裂けるものを○、どちらも引っかかりがあり引き裂きにくいものを×とした。この試験をフィルムの流れ方向(MD)、それと直角の方向(TD)に各々評価して結果を表1に示した。
【0034】
〈直線カット性〉
引き裂きやすさの評価に使用したと同様なサンプルの端のシール部に20mm間隔で深さ1mmのノッチを入れ、これらのノッチに沿ってフィルムを引き裂いた後、袋の切れ目の逆側端の幅を測定し、元の間隔20mmとの偏差を求める。袋の表と裏の2枚のフィルムの裂ける方向が異なる場合は××。方向が同じでも、引き裂いた際の幅ともとの幅20mmとの差のもとの幅20mmに対する割合が30%を超えた場合は×、10〜30%の範囲を△、10%未満を○として評価した。
【0035】
〈カール性〉
引き裂きやすさの評価に使用したと同様なサンプル100袋を重ねた状態で、温度23℃、相対湿度50%の環境に1週間程度放置し、袋の端のシール部を観察したとき、シール部の両端でカールが発生しているかどうかを確認した。シール部端がどのくらいカールしているのかについて、サンプル100袋のカール部を含めた厚さの幅から、実質の100袋の厚さを引いた差が10mm未満を○、10〜20mmを△、20mm以上を×として評価した。
【0036】
フィルムI:厚さ15μm、幅1020mmの二軸延伸ナイロン6フィルム(三菱化学(株)製、サントニールSNR)、偏光顕微鏡で主軸の傾きを測定した結果、全幅どこを測定しても25°以内であった。
【0037】
フィルムII:厚さ15μm、幅1020mmの二軸延伸ナイロン6フィルム(三菱化学(株)製、サントニールSN)、偏光顕微鏡で主軸の傾きを測定した結果、20〜40°であった。
フィルムIII:厚さ12μm、幅1020mmの酸化珪素が蒸着された二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱化学(株)製、テックバリアH)。
【0038】
フィルムIV:ポリ−ε−カプロアミド(三菱エンジニアリングプラスチックス(株)社製、ノバミッド1022)を、押出機を使用して溶融させ、Tダイから押出して、30℃のキャストロールに密着急冷し、約360μmの未延伸フィルムを得た。得られた未延伸フィルムを60℃の条件下でロール式延伸機にて縦方向に3倍に延伸し、ついでこのフィルムの端部をテンタークリップで保持し、テンターオーブン内で90℃の条件下で横方向に3倍に延伸した後、200℃で6秒間の熱処理を行った。
【0039】
熱処理を行った後のフィルムは、クリップで把持したフィルム両耳部分を切りとりスクラップとし、製品フィルム部分はワインダーに巻き取り、約40μmのポリアミド二軸延伸フィルムを得た。このフィルムの中央部を1020mmの幅で取った。偏光顕微鏡で主軸の傾きを測定した結果、0〜10°であった。
フィルムV:厚さ12μm、幅1020mmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱化学(株)製、ダイアホイル H500)。
【0040】
実施例1
フィルムIの両面をコロナ処理して濡れ指数540μN/cmとした後、片面をアンカーコート処理し、フィルムVとの間に、Tダイから溶融状態のポリエチレン(三菱化学(株)社製、三菱ポリエチ)を15μmの厚さに押出し、ロール間で冷却後、フィルムV/ポリエチレン/フィルムI構成のラミネートフィルムを巻き取った。
【0041】
この積層フィルムのフィルムIの外側をアンカーコート処理後、Tダイから溶融状態のポリエチレン(三菱化学(株)社製、三菱ポリエチLD L320)を厚さ15μmで押出しロール間で冷却し、更にポリエチレン(三菱化学(株)社製、三菱ポリエチLL FX35)を厚さ15μmで押出し、ロール間で冷却後、巻きとり、40℃で2日間エージングして接着強度を向上させ、フィルムV/ポリエチレン/フィルムI/ポリエチレン/LLDPEの構成のラミネートフィルムを得た。得られたラミネートフィルムの層構成や、前記した方法による引き裂きやすさ、直線カット性及びカール性を評価及び測定し、表1に示した。
【0042】
比較例1
実施例1において、フィルムIをフィルムIIに、フィルムVをフィルムIIIに代えた外は、同例と同様な方法でフィルムIII/ポリエチレン/フィルムII/ポリエチレン/LLDPEの構成のラミネートフィルムを得た。得られたラミネートフィルムの層構成や、前記した方法による引き裂きやすさ、直線カット性及びカール性を評価及び測定し、表1に示した。
【0043】
比較例2
実施例1において、フィルムIをフィルムIVに、フィルムVをフィルムIIIに代えた外は、同例と同様な方法でフィルムIII/ポリエチレン/フィルムIV/ポリエチレン/LLDPEの構成のラミネートフィルムを得た。得られたラミネートフィルムの層構成や、前記した方法による引き裂きやすさ、直線カット性及びカール性を評価及び測定し、表1に示した。
【0044】
比較例3
フィルムIIIの蒸着面にイソシアネート系のアンカーコート剤(東洋モートン(株)製AD−900/AD−RT−10)を固形分として0.4g/m2塗布し、溶剤を蒸発させた後、厚さ50μmの線状低密度ポリエチレン(東京セロファン紙(株)製、TUX−FC)と積層し、40℃で48時間エージングしてラミネートフィルムを得た。得られたラミネートフィルムの層構成や、前記した方法による引き裂きやすさ、直線カット性及びカール性を評価及び測定し、表1に示した。
【0045】
【表1】
Figure 0004079610
【0046】
表1の略号は、次のとおりである。
I:フィルムI
II:フィルムII
III:フィルムIII
IV:フィルムIV
V:フィルムV
PE:ポリエチレン
LL:線状低密度ポリエチレン
MD:フィルムの流れ方向(MD)
TD:フィルムの流れに直角な方向(TD)
【0047】
【発明の効果】
本発明は、優れた強度、手でも裂ける優れた引き裂き性等を兼ね備えるという特別に顕著な効果を奏するラミネートフィルム及び同フィルムを製袋した易裂性袋に関するものであって、食品、医療品、薬品、香料等を密封する容器、包装に好適である。

Claims (2)

  1. 厚さ25μm以下のポリエチレンテレフタレート二軸延伸フィルム層(X)、厚さ30μm以下で消光位の角度(主軸の傾き)が30°以内であるナイロン6二軸延伸フィルム層(Y)、及びシーラント層(Z)の少なくとも3層よりなり、かつ前記ポリエチレンテレフタレート二軸延伸フィルム層(X)は前記ナイロン6二軸延伸フィルム層(Y)に対して前記シーラント層(Z)と同じ側に配置しないことを特徴とする易裂性ラミネートフィルム。ただし、二軸延伸フィルム層(X)から少なくとも一方の面に無機薄膜層が形成されたポリエチレンテレフタレート二軸延伸フィルムを除く。
  2. 厚さ25μm以下のポリエチレンテレフタレート二軸延伸フィルム層(X)、厚さ30μm以下で消光位の角度(主軸の傾き)が30°以内であるナイロン6二軸延伸フィルム層(Y)、及びシーラント層(Z)の少なくとも3層よりななり、かつ前記ポリエチレンテレフタレート二軸延伸フィルム層(X)は前記ナイロン6二軸延伸フィルム層(Y)に対して前記シーラント層(Z)と同じ側に配置しない易裂性ラミネートフィルムのシーラント層(Z)同士を熱溶着させて製袋して成る易裂性袋。ただし、二軸延伸フィルム層(X)から少なくとも一方の面に無機薄膜層が形成されたポリエチレンテレフタレート二軸延伸フィルムを除く。
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