JP4079486B2 - 成形品の製造方法及び同方法により製造された成形品 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は高次構造が制御された多層成形品を提供する成形方法、特に熱可塑性樹脂を用いた射出成形方法に関する。また本発明は、多機能、高機能性を有する成形品、特に射出成形品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、熱可塑性樹脂の射出成形は、一般に熱可塑性樹脂の可塑性を利用して金型内で樹脂混合物を成形することを特徴とする技術に向けられたものである。熱可塑性樹脂は溶融され、金型内に射出され、しかる後に静的保圧下で金型内で冷却、固化され所望の成形品を得ていた。近年、様々な要求特性に対し数多くの熱可塑性樹脂が上市されている。
【0003】
しかしながら更に多種多様の機能を有する成形品が求められるに当たり、単一の材料では要求に対応できない場合も生じている。このような問題に対し、樹脂加工の分野では種々の樹脂の特性を生かした多層成形、例えば押し出し成形における共押し出し、フィルム成形におけるラミネート成形、ブロー成形における多層ブロー成形などが多機能特性を満足させるための方法として開発されている。また射出成形の分野では、2種類の樹脂を異なった二つのシリンダーで可塑化し、単一のスプルー、又はランナーを介して両者の樹脂を同時に射出充填し、二層成形品を作成するサンドイッチ成形法が用いられている。また、一亘金型内で成形した成形品を、別の型に移し、しかる後別異の樹脂と複合成形するといった二色成形方法も用いられている。また金属材料、フィルム等を射出成形以外の方法で作成し、これを金型内に挿入しておき、この挿入物と金型との間に形成されたキャビティに溶融樹脂を充填させてこれと複合成形するといったインサート成形法も用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前述の多層押し出しや、多層ブロー、多層フィルム成形法では、複雑な形状を有する成形品を作成するには限界があり、成形品も平板、中空品、フィルム等と限定される。一方サンドイッチ成形は、射出成形本来の生産性は維持されるが、二種類の樹脂を同方向に流動させて二層成形品を作成するためにスキン層とコア層の肉厚制御をうまく行うために高度な技術を必要とし、また制御良く多層化させるために使用できる材料の組み合わせにも大きな制約がある。一般にスキン層が均一なサンドイッチ成形品を作成するには両樹脂の流動性の調整が必要で、流動性の極端に異なる材料同士を多層化する事は困難である。更にサンドイッチ成形では、二層成形品の製造は可能であるが、三層以上の成形品を作成することは困難である。またインサート成形では、上述のサンドイッチ成形のように材料の組み合わせには大きな制約はないが、金型が複数個必要であったり、金型内に予め作成しておいた材料をインサートしなければならないといった手間がかかるため、生産性の面からは、通常の射出成形や、サンドイッチ成形に比べ劣る。また一般に成形品は二層成形品であり、三層以上のものを作るとなるとその分だけ金型と手間が必要となるため実用性に乏しいのが現状である。
【0005】
通常の射出成形法では、可塑性材料の溶融物は、一箇所の樹脂供給点から金型内に射出され、次いで該単一供給点にはかなりの充填力がかけられることになる。
【0006】
英国特許第2、170、142号明細書、特公平4−3893号公報には、金型内に充填された溶融材料にせん断力を固化過程においてかけるといった方法が開示されている。この技術を用いれば、成形品内部のミクロレベルの構造をかなり制御でき、成形品の機械的特性を向上させることが可能となる。確かにこの技術を用いれば、成形品内部のミクロモルフォロジーを制御するのに有効であり、溶融樹脂の結合部に形成されるウエルドラインの強度を向上させたり、厚肉成形品のひけを解消するには大きな効果をもたらしている。しかしながら、この方法の場合には、金型内で異なる樹脂にせん断力を加えて異なる材料からなる多層成形品を得るといった事はなされておらず、また簡単にはできなかった。
【0007】
また相異なる二種の樹脂を同方向に流動させて多層品を得るサンドイッチ成形においては、溶融樹脂に周期的な充填力を作用させ、ひけ等を防ぐといった技術が欧州特許公開第0191623号公報に開示されているが、これによっても各層の肉厚が制御された多層成形品を得ることはなかなか困難であった。
【0008】
樹脂混合物が早期に固化してしまう事を防止する方法として金型温度を上げることがこれまで提案されてきた。しかしながら、金型温度を上げると一般に冷却時間が長くかかったり、完全に固化する前に金型から取り出されたり、非常に寸法精度の悪い成形品が得られるといった結果を生ずることがある。そこで、実際の成形では、これらの矛盾した二つの条件の中で妥協した温度が選択される。
これらの問題を解決する一つの効果的な射出成形技術として高周波誘導加熱を用いて金型表面を予め加熱するといった方法が、特公昭58−40504公報、英国特許第2、081、171号明細書では提案されている。
【0009】
しかしこの方法では成形品のスキン層は制御できるが、成形品内部のミクロ構造を制御する事は困難であった。
【0010】
【課題を解決するための手段】
即ち本発明は、高次構造が制御された多層成形品を得る成形方法を提供することにあり、また、高次構造が制御された多層成形品を提供する事にもある。
【0011】
即ち本発明は、まず金型のキャビティに充填させ次いで第一の溶融材料の一部金型表面から冷却固化させながら第二の溶融材料を金型に充填させて、これにより第一の材料を金型内で溶融させたままにしておき、次いで該材料の一部を金型近傍より順次固化させることにより、二種類又はそれ以上の溶融材料をそれぞれ金型の製品を形成させるべきキャビティ部分に異なる注口より時間差を設けて充填し、多層化された成形品を得ることを特徴とする成形方法を提供するものである。
【0012】
好ましくは、二種またはそれ以上の異なる材料からなり、各材料から形成された層が多重層構造を構成してなる成形品の製造方法において、各独立した容器(図示せず)に貯蔵されている前記二種またはそれ以上の異なる材料の溶融物を順次金型のキャビティ部分に充填して金型内でその一部分を固化させて前記多重層構造を構成するにあたり、第一の工程として一の溶融材料をキャビティの一端(例えば図3の21)からキャビティ部分に充填し、充填した溶融材料のうちの金型面に接する部分を所定の厚さに固化させ第一の層を形成せしめ、第二の工程として別の溶融材料をキャビティの他の一端(例えば図3の22)から該キャビティに充填し、前記第一の溶融材料の未固化部分をキャビティ外に押し出し、次いで第二の溶融材料の一部を金型近傍より冷却固化させ、以下、所望の多重層を構成するまで前記第二の工程と同様の操作を順次繰返すことを特徴とする前記方法が提供される。例えば、二種類の樹脂をそれぞれのシリンダー内で可塑化溶融し、それぞれの得られた溶融樹脂を独立したスプルー、又はランナーを介して金型内に充填する。この時金型内に充填される二種類の樹脂が成形品のランナー又はスプルー部で結合するように射出条件を設定する。即ち、成形品表面に生成するウエルドラインは、成形品の製品部分ではないランナーまたはスプルー部分に位置するように成形を行う。このとき金型に接する樹脂は直ちに冷却固化しスキン層を形成し、このスキン層が最終的に得られる多層成形品の最外層である第一層を形成する。次いで第二の層を形成させるために、さらに別異の溶融樹脂に金型内の製品部に該樹脂が到達するような推進力を与えて金型キャビティを充填し、その際に、好ましくは、それと同時に金型内に残っている第一層形成に使用した未固化の溶融樹脂を、最初に充填された方向と逆向きに移動するような負の推進力を与える。このとき金型に充填された樹脂は、金型に近い領域、即ち外側より固化し、第二層を形成する。更に第二層の樹脂充填によって第一層の樹脂の供給部側に戻された第一の溶融樹脂に、再び金型内の製品部に該樹脂が到達するような推進力を与え、好ましくは、それと同時に第二層を形成させるために金型内に充填された未固化の溶融樹脂が、充填された方向と逆向きに移動するような負の推進力を与える。このとき金型に充填された樹脂は、金型に近い領域、すなわち外側より固化し、第三層を形成する。期待する特性発現のため該操作を更に繰り返し、より多層の所望の物品を作製しても良い。最後にこのようにして形成された物品の中心部分まで固化させ、離型により所望の物品を得る事ができる。
【0013】
本発明において溶融材料を金型内で往復運動させるに際しては、キャビティ中における複数の領域において溶融材料に周期的な力を加えることによってせん断力を溶融材料に与える。この場合、このような少なくとも二つの領域間の溶融樹脂にせん断力が発生するように、そのような少なくとも二つの異なった領域に与えられる周期的な力には差をつける。
【0014】
このような力の周期の一つが他の力の周期の整数倍の場合、本発明の方法の好ましい特徴によれば、溶融樹脂の少なくとも二つの領域にかかる周期的な力は交互に作用(例えば180度の位相差をつけて作用)させたほうがよい。
【0015】
例えばこの周期的な力を発生させるのにピストンを用いる場合、そのピストンが溶融成形材料を圧縮するときの力は正の力であり、膨張させるときの力は負の力である。本発明の好ましい態様によれば、本成形法では一般的に使用されているよりも実質的に大きな力、約4820bar(70,000p.s.i.)、典型的には2750barから5520bar(40,000p.s.i.から80,000p.s.i.)にしてもよい。
【0016】
周期的な力は、制御された冷却と所望の効果、例えば所望の多重層構造や配向性が得られるのに必要な最低の時間適用される。これは金型キャビティの寸法と成形材料組成物の特性により定まる。
【0017】
また溶融成形材料を固化させる直前に周期的な力を同位相で加え、金型キャビティに補助的な充填力を与えてもよい。
【0018】
金型内の溶融材料に往復運動を与えるせん断力制御装置のその他の詳細は、英国特許第2170142号明細書、特公平4−3893公報に開示されているが、その内容は参照することにより本明細書中に取り込まれているものとする。
【0019】
また本発明の好ましい態様においては、多重層構造を有する物品の成形には金型温度の制御が非常に有効であることが判った。所望の多層成形品を作成するに際し、例えば、二種類の樹脂を用い、それぞれを金型内で交互に移動させる場合には、金型の近傍から第一、第二の樹脂を順次固化させる必要がある。本発明において溶融材料に熱可塑性樹脂を含む場合、第二層目以降の層の形成時には金型表面温度が該樹脂の加熱変形温度以下であることが好ましく、より好ましくは金型表面温度が、熱可塑性樹脂の加熱変形温度の摂氏表示で2分の1以下、更に好ましくは4分の1以下である。
【0020】
以上の如く物品の二層目以降を形成すべき溶融材料を冷却、固化させるには金型温度は低い方がよいが、ゲートシール等により溶融材料の再流動化が困難になるという問題や、最外層であるスキン層が所望の厚みより大きくなりすぎて、所望の層数を有する多重層構造を有する物品(以下多層成形品と称することもある)が得られないといったことが起こる。この問題を解決するには、スキン層形成時、即ち第一層が形成される時には金型温度を高くし、二層目以降が形成される際に金型温度を急冷する事が望ましい。金型は、熱伝導度が非常によい材質でできているため、スキン層は金型温度がかなり高くても直ちに固化する。例えば非晶性樹脂を使用した場合、該樹脂の加熱変形温度以下又はガラス転位温度以下であれば、スキン層は直ちに固化する。スキン層が樹脂で形成された場合、該層は断熱材として働くために、第二層目以降を効果的に形成するためには、金型温度を十分に低くする必要がある。このため本発明の金型冷却用には冷凍機を使用して得られるチラー水を用いてもよい。
【0021】
金型の急加熱の好ましい一例として、金型内面は、英国特許第2,081,171号明細書に開示されている高周波誘導加熱による方法に比べ低い温度にまで加熱される。さらに具体的に述べると、第一の溶融材料が金型内に充填されるときに該材料が固化できる温度、例えば材料として熱可塑性樹脂を用いた場合、該樹脂の加熱変形温度よりも低い温度まで金型内面を加熱することが好ましい。該温度を採用することによって、多層成形品の最外層である第一層の肉厚を制御でき、所望の構造を有する物品を得ることができる。また第二層以降の層を冷却、固化して形成する時に断熱材となる最外層肉厚をなるべく薄くすることによって、一定の金型温度で作成されうる多層成形品をよりさらに多層化された成形品とすることが可能となる。
【0022】
急加熱された金型は第一番目の溶融材料充填後に直ちに徐冷する事が望ましいため、金型表面のみを選択的に加熱する方がよい。また作成する多層成形品の所望の位置の層の肉厚を制御するために金型の特定部分を選択的に急加熱してもよい。即ち、成形品の最外層の特定部分を薄肉に制御したい場合に、その場所をあらかじめ選択的に加熱しておいてもよい。
【0023】
このような瞬間的な加熱は、赤外線加熱、金型内への高温流体の導入、電気抵抗加熱、レーザー光等を用いて達成することができる。しかしながら高周波誘導加熱法によってもっとも好ましい瞬間的な加熱が達成される。好ましい方法としては、金型内面のスキン層の温度を急上昇させることである。実際の金型上昇温度は、使用される樹脂の実際の成形温度や、成形品の寸法、離型温度などを考慮して決められるが、上昇温度としては毎分80℃以上、好ましくは毎分480℃以上、更に好ましくは毎分1200℃以上が推奨される。このような瞬間的加熱法を用いることによって、金型全体の加熱と金型内部への伝熱を行うことなく、金型表面を急加熱することが可能となり、その後の金型冷却の効率を上げることができる。更に高周波誘導加熱を用いることによって上述した高温加熱媒体による金型の汚染を防止することもできる。高周波誘導加熱を用いる他の利点と詳細な方法については、英国特許第2、081、171号明細書や特公昭58−40504公報に記載されている。
【0024】
また第二番目以降の層の形成には、上記の金型温度の制御以外にも樹脂移動速度の制御も重要である。
英国特許公報第2,170,142号明細書に記載された方法では、一般に金型内で再流動化させる樹脂には交互、あるいは同時に絶え間なくせん断力を発生させるような周期的な力を加えるが、本発明の方法においては確実に外側から樹脂等を固化させるために、実質的に各溶融樹脂を流動させる間に溶融材料が金型内で確実に固化層を形成するように、実質的に一時的に溶融材料の流れが停止するようにしたほうがよい。
【0025】
多層成形品のそれぞれの層の形成のための該溶融材料の金型内での停止時間は、金型温度、溶融樹脂を往復運動をさせるために与える力等によって変わってくるため、一義的には決められないが、内部の層形成ほど停止時間を長くとった方が良い。二層目以降の層の形成には実質的な樹脂の停止時間は、溶融樹脂の移動に要した時間の10分の1以上の時間、好ましくは2分の1以上、更に好ましくは1倍以上が望ましい。すなわち、例えば第二層を形成させるために溶融樹脂を一秒で移動させたら、実質的に0.1秒以上、好ましくは0.5秒以上、更に好ましくは1秒以上樹脂をキャビティ内に停止させ、第二層を形成する樹脂を金型に近い領域、即ち外側から固化させることが望ましい。
【0026】
金型内の溶融材料に単に連続的な周期的な力を加えると、材料の配向性の制御には非常に有効であるが、層状の多層成形品を作成するには困難である。確かに最外層である第一層は熱伝導度の優れた金属材料からなる金型に接触すると瞬時に固化するために二層成形品は形成できる可能性が高いが、二層目以降は一層目の樹脂層が断熱材となるために第二の溶融材料が充填されても第一層目に比べて瞬時に固化できないため、2種類の材料が不規則に混合してしまったり、両樹脂がシェア発熱によってなかなか固化せず、単に二種類の溶融材料が往復運動を繰り返すといった現象が起こることがある。
【0027】
すなわち、本発明を達成するためには、上述の金型温度と、溶融樹脂に加える力を制御する事が不可欠である。その詳細な条件は、使用する樹脂や金型形状、所望とする多層構造によって変わってくるため、単純には規定はできないが、本発明の原理に従って試作することにより、容易に所望の成形品を得ることができる。
【0028】
また本発明の方法は、異なる二種類以上の溶融材料をいったん金型に充填した後、各溶融材料をそれぞれの供給方向に逆流させるといった、これまでには考え付かない手段を用いるものであり、更に供給口側に戻ったそれぞれの溶融材料は成形中の成形品の多層化の過程で再び使用されるか、あるいは次のショットの成形品に利用できるので、生産性、経済性の点でも優れた方法である。
【0029】
本発明における熱可塑性樹脂とは、一般に熱可塑性樹脂と称されるものすべてを含む。例えば、ポリスチレンや、ハイインパクトポリスチレン、ミディアムインパクトポリスチレンのようなゴム補強スチレン系樹脂、スチレン−アクリロニトリル共重合体(SAN樹脂)、アクリロニトリル−ブチルアクリレートゴム−スチレン共重合体(AAS樹脂)、アクリロニトリル−エチレン−プロピレンゴム−スチレン共重合体(AES)、アクリロニトリル−塩素化ポリエチレン−スチレン共重合体(ACS)、ABS樹脂(例えば、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン−α−メチルスチレン共重合体、アクリロニトリル−メチルメタクリレ−ト−ブタジエン−スチレン共重合体)等のスチレン系樹脂、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のアクリル系樹脂、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン(PP)等のオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、エチレン塩化ビニル−酢酸ビニル−共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PETP、PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBTP、PBT)等のポリエステル系樹脂、ポリカーボネート(PC)、変性ポリカーボネート等のポリカーボネート系樹脂、ポリアミド66、ポリアミド6、ポリアミド46等のポリアミド系樹脂、ポリオキシメチレン共重合体、ポリオキシメチレンホモポリマー等のポリアセタール(POM)樹脂、その他のエンジニアリング樹脂、スーパーエンジニアリング樹脂、例えば、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルイミド(PEI)、熱可塑性ポリイミド(TPI)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリフェニレンスルフィド(PSU)等、セルロースアセテート(CA)、セルロースアセテートブチレート(CAB)、エチルセルロース(EC)等のセルロース誘導体、液晶ポリマー、液晶アロマチックポリエステル等の液晶系ポリマー、熱可塑性ポリウレタンエラストマー(TPU)、熱可塑性スチレンブタジエンエラストマー(SBC)、熱可塑性ポリオレフィンエラストマー(TPO)、熱可塑性ポリエステルエラストマー(TPEE)、熱可塑性塩化ビニルエラストマー(TPVC)、熱可塑性ポリアミドエラストマー(TPAE)等の熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。
【0030】
本発明においては、成形工程において上述のような熱可塑性樹脂を合成して使用してもよい。二種もしくはそれ以上の熱可塑性樹脂を用い各溶融樹脂が固化しないうちに往復運動させることによりブレンド体を形成させ、これを使用して多層成形品を成形してもよい。熱可塑性樹脂には、例えば、着色剤、難燃剤、帯電防止剤等の充填材及び/又は添加材及び/又は発泡剤等を含有させてもよい。
【0031】
熱可塑性樹脂組成物及び/又は成形材料に添加する充填材としては、例えば、ガラス繊維、ガラスビーズ、炭酸カルシウム、マイカ、アスベスト、金属等の無機物も含まれる。
【0032】
本発明における熱硬化性樹脂とは、十分な熱によって硬化する一般に熱硬化性樹脂と称されるものすべてのものを指す。例えば、フェノール樹脂(PF)、ユリア樹脂(UF)、メラミン樹脂(MF)、不飽和ポリエステル(UP)、エポキシ樹脂(EP)、ジアリルフタレート樹脂(DAP)、シリコーン(SI)、ポリウレタン(PUR)、ポリイミド(PI)等が挙げられる。熱硬化性樹脂は充填材及び/又は添加材等を含んでもよい。熱硬化性樹脂は、触媒、硬化材等を含んでもよい。
【0033】
金属材料を含む材料及び低融点金属を溶融材料として使用することもできる。
【0034】
本発明において使用しうる金属材料としては、一般に成形材料に充填材として用いられるものでよく、鉄、ステンレス、銅、亜鉛、アルミニウム等の金属単体、あるいはこれらの合金の粉体、中空体、フレーク状、繊維状のもの又はこれらの金属の金属酸化物、金属水酸化物のいずれでも使用できる。
【0035】
本発明で溶融材料として使用できる低融点金属とは、好ましくは融点が70〜420℃である金属をいい、より好ましくは融点が70〜230℃である金属、例えば、錫、亜鉛、ビスマス、鉛、カドミウム、アンチモン、インジウム等の金属並びにこれらの合金等が挙げられる。これらの合金には、融点が420℃を超えない範囲で、アルミニウム、銅、鉄、ニッケル等の他の金属を含んでいても構わない。
【0036】
本発明による材料には、多層成形品のそれぞれの層の相溶性、密着性を高めたり、付与するための添加剤を入れたり、材料自体を改質しても良い。またそれぞれの層の間にバインダー等を挿入しても良い。
【0037】
本発明において、成形された多層成形品、例えば二層成形品を、そのコア部分を取り除くことによって中空体を作製するために使用することもできる。コア部分を取り除く方法としては、低融点金属を使用した場合、該金属を溶融除去しても良い。またコア部分の材料に水溶性材料、例えばポリビニルアルコールのような水溶性樹脂を用いた場合には、水にこれを溶解させ除去しても良い。またコア部分の材料として特定の溶剤に溶解する材料を用いた場合には、該溶剤に溶解させ除去しても良い。更にコア部分の材料に最外層と相溶性のない材料を用いた場合、コア部材を機械的に引き抜いても良い。好ましくは最外層と相溶性のない材料として、エラストマーを使用すれば湾曲形状を有する中空成形品を製造することもできる。更に好ましくは多層成形品の作成と同時またはその後に、コア材料部分または最外層部分とコア材料との間に高圧ガスを導入し、中空部品を作成しても良い。該中空部品として、必要に応じてコア部分を構成する全材料を抜き取って最外層のみの中空成形品を作成してもよい。
【0038】
本発明では複雑な形状でも所望の肉厚を有し、及び/又は、内面が平滑な中空成形体を低コストで作成することが可能である。得られた中空部には流体をスムーズに流すことも可能で、マニホールド等の自動車部品等にも利用できる。
【0039】
本発明によれば、少なくとも二種類の材料からなる環状多層成形品であって、隣接する材料の配向性が異なることを特徴とする環状多層成形品も提供される。本発明に係る多層成形品は、隣接する層の流動方向が異なるために隣接する層の配向性が異なることを特徴とし、衝撃強度等が特に優れた成形体が提供できる。また本発明の多層成形品は、各層を流動性の大きく異なる材料を用いて形成してもよく、従来方法によるサンドイッチ成形品に比べて均一肉厚の各層を有する成形体が得られる。またこれまでの技術では得ることのできなかった様な最外層が薄い又は厚い成形体をも製造することが可能である。
【0040】
本発明における多層成形体は断面形状において、各層が所望の肉厚を有する環状構造であるが、環状の一部が切断されていても良い。
【0041】
また本発明による多層成形品は、厚肉品であってもひけ、そりを低減したものを提供できる。
【0042】
本発明では多層成形品の中間層に金属層あるいは、金属材料を含む材料を用いることにより、電磁波シールド特性を有する成形体を作成しても良い。一般に導電性材料を含む熱可塑性樹脂を用いた成形品は、外観上の問題が生じたり、材料代が高価であるといった経済的な問題があるが、本発明による成形品は例えば環状三層成形品において、電磁波シールド特性を有する金属や導電性樹脂の中間層をもうける事によって、外観上は表皮層により良好で、導電性材料の使用量も中間層のみに使用することによって比較的少量ですむといった経済的効果も有する。
【0043】
また本発明における多層成形品は、目的とする特性、成形品形状等によって任意の数の層状構造成形体として作成できるが、生産性、容易性から考えて好ましくは2層から30層であること、更に好ましくは3層から10層である。
【0044】
【発明の実施の形態】
以下、例として、図を参照しながら本発明を以下に詳細に説明する。
【0045】
図1A〜1Dは、本発明の成形方法の概念図である。
図2A〜2Dは、図1A〜1Dに示された各段階における成形品断面の概略図である。
図3は、本発明に用いられる周期的なせん断力を発生させる装置が射出シリンダーと金型の間に挟み込まれた装置の模式的な概略図である。
図4は、インダクター鋏み込み方式の高周波誘導加熱方法による装置の金型付近部分の概略図を示す。
図5は、周期的なせん断力を発生させる装置が図3とは異なる他の方式による装置の概略図である。
図6A〜6Eは、4種類の材料を用いて多層成形品を作製する場合の模式図である。
図7は、周期的なせん断力を発生させる装置が通常の射出成形機のシリンダーを利用する方式の概略図である。
図8は、実施例1と4で用いたツインバレル射出成形機用のせん断力制御装置と金型の模式図を示す。
図9A〜9Dは、実施例1と4で実施した成形方法の概略図である。
図10A〜10Dは、実施例2、3及び5で実施した成形方法の概略図である。
図11は、実施例1、2、3、4及び5で作製した成形品概略図である。
図12は、実施例1に従って作成した成形品における引っ張り試験時の応力−歪み曲線を記す。
図13A〜13Cは、実施例1、2及び3によって作成した成形品断面の光学顕微鏡による観察結果を示す。
図14A〜14Bは、実施例4及び5によって作成した成形品断面の光学顕微鏡による観察結果を示す。
図15Aは、実施例6で作製した成形品の概略図であり、図15BはA−A′切断面における断面図を示す。
【0046】
図1A〜1Dは、本発明の成形方法の概念図であり、図2A〜2Dには図1A〜1Dのそれぞれの段階における成形品断面の模式図を示す。図1A〜1D中では、成形中の金型の断面図を模式的に表示してある。
【0047】
まず図1A中段階1において、金型内に異なる溶融材料A,Bが異なる入り口から異なるスプルー又はランナーを通って充填される。この場合AとBは、成形品の製品部分とはならないスプルー又はランナー内で結合し、ウエルドラインをここで形成する。このように溶融材料A,Bが図1A中aの位置で結合されるように、A、Bの充填速度あるいは充填開始時間等を調節する。このとき成形品の製品部分となる図1A中cで示された金型キャビティには、図2Aの段階に示す様に、溶融材料Bのみが充填され、金型に接する外側から固化が進行する。
【0048】
次いで図1B中の段階2に示す様に、金型に充填された溶融材料Bが外側より所望の肉厚に固化するタイミングで溶融材料Aが金型キャビティ内に充填されるような力を加える。金型内に溶融樹脂Aを充填するに際し、金型キャビティ内に段階1で充填された未固化の溶融材料BはBの供給口側に押し戻される。このとき溶融材料Bが容易に押し戻されるようにBには負の力を与えた方がよい。言い換えれば、溶融材料Aに与えられる力に対して180度の位相差を付けた(180度異なる向きの)力をBに与える。この力は、溶融材料Aが溶融材料Bを供給するための金型内のランナー又はスプルー(図1B中b)に到達する様に与えられる。溶融材料A,Bに与える力は、圧力で制御しても位置で制御しても良い。圧力制御の場合、一般に単純な形状の成形品では、高圧ほど金型内の溶融材料Bは素早く押し戻されるために、より最外層Bが均一な肉厚の成形品が得られる。好ましくは、所望の位置まで溶融材料Aが到達したら、溶融材料A、Bの流れが一時停止するように与えていた力を停止させるか、あるいは実質的に溶融材料の動きが止まる様な力、例えば、実際には金型内の溶融材料が動かないような低圧、またあるいは、金型内の溶融材料が動かない様な釣り合いのとれた力をA、Bのいずれか又は両方にかける。このとき、成形品断面が図2Bの段階2に示す二層構造を有する多層成形品が形成される。この状態で成形品内部まで冷却固化させれば、二層成形品が得られる。
【0049】
次いで図1Cの段階3に示す様に、金型充填されたAが外側から所望の肉厚に固化するタイミングで溶融材料Bが金型キャビティ内に充填されるような力を加える。金型キャビティ内に図1Bの段階2で充填された未固化の溶融材料Aは、図1Bの段階2においてAの供給口側に押し戻される。このとき溶融材料Aが容易に押し戻されるようにAには負の力を与えた方がよい。言い換えるならば、溶融材料Bに与えられる力に対して180度の位相差を付けた力をあたえる。
【0050】
この力は、溶融材料Bが金型内のランナー又はスプルー(図1B中a)に到達する様に与えられる。段階3においても金型内に充填された溶融材料Bが確実に固化して材料Bの第三層めが形成するように次の段階に移る前に一亘溶融材料の流動を停止させた方が良い。このとき成形品断面が図2Cの段階3に示す三層構造を有する多層成形品が形成される。
【0051】
さらに図1Dの段階4に示す様に、金型に充填された溶融材料Bが外側より所望の肉厚に固化するタイミングで溶融材料Aが金型キャビティ内に充填されるような力を加える。金型キャビティ内に図1Cの段階3で充填された未固化の溶融材料Bは前記段階3でBの供給口側に押し戻される。このとき溶融材料Bが容易に押し戻されるようにBには負の力を与えた方がよい。言い換えるならば、溶融材料Aにあたえられる力に対して180度の位相差をつけた力をBに与える。この力は、溶融材料Aが金型内のランナー又はスプルー(図1C中b)に到達する様に与えられる。図1Dの段階4においても金型内に充填された溶融材料Aが確実に固化して材料Aの第四層目が形成するように次の段階に移る前に一亘溶融材料の流動を停止させたほうが良い。このとき成形品断面が図2Dの段階4に示す四層構造を有する多層成形品が形成される。
【0052】
以下同様にして所望の層数を有する多層成形品を得ることができる。最後に充填した内部層を固化させるにあたっては、A、B両材料に同等の充填力を与えても良い。
【0053】
成形品取り出し後、スプルー及びランナーa、bを取り去り完成品を得る。上述の図1A〜1Dに示した段階1から4の方法で作成した製品においては、A、B材料の結合部分はすべて製品の一部とはならないスプルー又はランナー内に存在するので、製品部においてはゲート部分以外は同数の層を成す製品が得られると同時に、結合点の位置が多少ずれても製品部には大きな品質の差がないといった生産性の利点もある。また所望の特性、機能によっては故意に金型内の製品部内で両材料を結合させても良いが、溶融材料が金型外に到達するまで充填操作を行なうのは好ましくない。その理由は、両材料の結合点を金型内に位置させることによって、次の成形品を作成する時に材料A側の注入口からはAのみ、材料B側の注入口からはBのみの溶融材料を供給させることができるためである。これは金型内で複数の材料が不規則に混合されることを防ぎ、品質の安定した成形品を作製することに役立つ。
【0054】
図3は、本発明に用いられる周期的なせん断力を発生させる装置が射出シリンダーと金型の間に挟み込まれた装置の模式的な概略図である。
2本のノズル1、2はマニホールド3、4とブッシュ5、6とそれぞれ対をなし、ブッシュは、マニホールド内のそれぞれの溝7、8につながり、さらにその溝は上流でそれぞれのシリンダー9、10と連結し、該シリンダー9、10は該シリンダーの軸方向に挿入された駆動可能なそれぞれのピストン11、12をそれぞれ備えている。一方それぞれのシリンダーは、マニホールド3、4の出口にあるそれぞれのノズル13、14と同軸方向に位置するチャンネル15、16に連結する。
【0055】
それぞれのノズル13,14は、それぞれのスプルー、それぞれのランナー、バー形状の金型キャビティ17を有する金型18と連結し、スプルー19、20樹脂入り口21、22はそれぞれのマニホールド出口ノズル13,14とそれぞれ連結する。
【0056】
使用に際して成形装置を組立て、金型を一般には、20℃から80℃の温度に通常の冷媒による温度調節器で設定する。粒状のポリマー材料はフィードホッパーから細長いキャビティに供給され、円筒状のバレルヒーター(図示せず)によって加熱される。各容器(図示せず)に貯蔵されている溶融ポリマー材料は、さらに加熱され、可塑化され、射出スクリューの回転によって十分に均一化される。溶融ポリマー材料が適切な粘度になったら、射出スクリューの回転と下流への並進運動によって溶融材料が、必要に応じて高周波誘導加熱によってあらかじめ所望の温度に加熱された金型内に射出されるように推進力を与える。この時射出シリンダー23、24による射出速度には差をつける。例えば、23のシリンダー側の樹脂で第一層(スキン層)を形成させるとき、23のシリンダーの動きを24のシリンダーよりも速く前進するようにシリンダーの動きの速度を設定する。23のシリンダー側から射出された溶融ポリマー材料はマニホールド3に入り、引き続いてシリンダー9、ノズル13、スプルー19、金型キャビティ17、スプルー20にこの順で進み、シリンダー24側から低速で射出された溶融ポリマーと結合してランナー又はスプルー20内で止められる。
【0057】
それぞれのピストン11と12は、180度の位相差をつけた同周期で往復運動を行なう。この往復運動は、周期的な力を発生させ溶融ポリマー材料を金型キャビティー、スプルー、マニホールド、チャンネル15、16に継続的なせん断熱を発生させる往復せん断力下で保持し、適切なマイクロプロセッサー制御(図示せず)によって溶融樹脂材料の冷却速度を制御する。この往復運動に際しては図1の解説で述べたように、それぞれの溶融材料が金型キャビティ17内で層状に固化するように、必要な休止時間を往復運動間に設ける。
【0058】
180度の位相差をつけた往復運動終了後、金型内の成形品が実質的には固化しているが、ゲート部が未だ固化していないときに、射出スクリューによる充填力を補うように、ゲートシールするまでの間、ピストンを同位相に動かして、樹脂の充填力を保持しても良い。
【0059】
次いで成形品を金型より離型させ、射出スクリューを次の成形サイクルに備えて上流に移動しながら次のショットで射出すべき溶融材料の計量を行う。
【0060】
図4は、インダクター鋏み込み方式の高周波誘導加熱方法による成形装置の金型付近部分の概略図を示す。インダクター27は固定型金型と移動型金型の間にロボット操作(図示せず)によって置かれる。高周波が発振されると金型の表面温度は急上昇し、金型内部は殆ど加熱されない。金型表面が所望の温度に達すると金型は更に開かれ、インダクター27は、ロボット操作によって固定型金型と移動型金型の間から取り出される。しかる後型締めされ、溶融樹脂A、Bが、それぞれの射出シリンダー4、5よりそれぞれのマニホールド2、3を介して金型内に充填される。さらに図1A〜D、2A〜Dに示す方法にて多層成形品を作成するが、それぞれの溶融樹脂には図に示されるピストン11、12によってせん断力が与えられる。その他の高周波誘導加熱装置と金型構成の詳細は特公昭58−40504号公報、英国特許第2,081,171号明細書に記載されている。その内容は本明細書中に参照することにより取り込まれているものとする。
図5は、周期的なせん断力を発生させる装置が図3とは異なる他の方式による成形装置の概略図である。
【0061】
二つの該装置は、金型と樹脂を供給する射出シリンダーとの間ではない位置に設置されている。該装置は必要に応じて金型内に設置しても良いし、金型外に設置しても良い。また該装置一個のみを金型と樹脂供給のシリンダーの間に設置し、もう一つの該装置を金型と樹脂を供給する射出シリンダーとの間ではない位置に設置しても良い。
【0062】
図6A〜6Eは、4種類の材料を用いて多層成形品を作製する場合の模式図である。
【0063】
4種類の材料A,B,C,Dがそれぞれの供給口から金型内のそれぞれのランナー62、63、64、65を通ってキャビティ内に充填されるにあたり、以下の過程を経て多層成形品が作製される。それぞれのランナーには、シャットオフ弁a,b,c,dを設置した方が望ましい。
【0064】
先ず段階1において、シャットオフ弁aを開放し、溶融材料Aを金型キャビティ66に充填する。次いで段階2では、弁aを開放したまま、弁bを開け、溶融材料Bを充填し、金型内に充填されていたAには負の力を与え、段階1における供給口側にAを逆流させる。ここで、材料Bが固化して所望の肉厚の第二層を形成するように金型温度と、溶融材料流動時間及び休止時間を設定する。更に段階3では、弁aを閉じ、弁bを開放のままで弁cを開け溶融材料Cを金型キャビティ内に充填する。この時、金型内で未固化の溶融材料Bには負の力をかけた方がよい。ここでも、材料Cが確実に固化するように適切な溶融材料流動時間及び休止時間を設定する。次いで、段階4では、弁bを閉じ、弁cを開放のまま、弁dを開け、溶融材料Dを充填する。さらに必要に応じて、5層以上の多層成形品を作製してもよい。
【0065】
また所望の特性によって異なる樹脂をいかなる順序で充填しても良いが、充填した溶融材料の未固化部分は、充填の次の段階で該材料の供給方向に逆流させる。
【0066】
上記の方法に於いてもそれぞれの樹脂の結合点をそれぞれのランナー又はスプルー内に位置するように成形させることによって、次のショットではそれぞれの供給口からそれぞれの材料のみが供給される。
【0067】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0068】
【実施例】
実施例1
本実施例では、図8に示す様に射出成形装置にせん断力制御装置を装着し、図9A−9Dに示す方法にて成形を行った。射出成形機は、2本の射出シリンダーを有する2色成形機を用い、それぞれのシリンダーには汎用ポリスチレン(GPPS)と高密度ポリエチレン(HDPE)をそれぞれのホッパーより供給し、射出成形した。金型は鋼鉄製のものを用い、成形品形状は、厚さ4mm、幅10mmのバー形状でISO規格(ISO524)によるものである。金型は、冷媒水を用いる一般の温調機で20℃に温度設定した。
【0069】
射出成形機のシリンダー温度は、樹脂温度が双方とも210℃になるように設定した。それぞれの樹脂はシリンダー内で加熱、可塑化され、次いでGPPSは、射出圧力100バール(油圧のゲージ圧力)、射出速度を該射出成形機能力の20%の設定値で、HDPEは射出圧力100バール(油圧のゲージ圧力)、射出速度を該射出成形機能力の70%で金型内にそれぞれのマニホールドを通して充填された。該設定によって図11に示す様に、最外層のウエルドラインが成形品のランナー部分(図11中A)に形成されるように成形した。この時金型キャビティ内にはHDPEのみが充填された。
【0070】
次いで直ちに図9Bの段階2で示すピストンB、Cを同周期で180度の位相差をつけて、作動させた。ピストンBにはGPPSを金型内に充填する様な正の力を、ピストンCには未固化のHDPEが金型内より押し戻される様な負の力を与えた。B、Cのピストンは、それぞれ2秒間作動させ、その位置で2秒間停止させた。
【0071】
次いで図9Cの段階3で示すピストンB、Cを同周期で180度の位相差をつけて、作動させた。ピストンCにはHDPEを金型内に充填する様な正の力を、ピストンBには未固化のGPPSが金型内より押し戻される様な負の力を与えた。B、Cのピストンは、それぞれ2秒間作動させ、その位置で3秒間停止させた。
【0072】
更に図9Dの段階4で示すピストンB、Cを同周期で180度の位相差をつけて、作動させた。ピストンBにはGPPSを金型内に充填する様な正の力を、ピストンCには未固化のHDPEが金型内より押し戻される様な負の力を与えた。B、Cのピストンは、それぞれ2秒間作動させ、その位置で2秒間停止させた。
【0073】
成形品の曲げ特性は、室温(23℃)、曲げ速度3mm/minで3点曲げ試験を行うことにより測定した。
【0074】
成形品の引っ張り特性は、室温(23℃)、引っ張り速度5mm/minで引っ張り試験を行うことにより測定した。
【0075】
衝撃試験は、成形品より短冊形状の試験片を切り出し、ISO規格(ISO180)のA型ノッチをノッチングマシンにて付けたものを用いた。
衝撃試験は、アイゾット衝撃試験機を用いて室温(23℃)で行った。
【0076】
曲げ及び引っ張り試験の結果を表1に記す。また引っ張り試験における歪み−応力曲線を図12に示す。
【0077】
また得られた成形品断面の顕微鏡観察の結果を図13Aに示す。
【0078】
実施例2
本実施例では、射出成形装置に高周波誘導加熱装置、せん断力制御装置を装着して成形を行った。成形方法は、図10A−Dに示す方法で行った。
【0079】
射出成形機は、2本の射出シリンダーを有する2色成形機を用い、それぞれのシリンダーには汎用ポリスチレン(GPPS)と高密度ポリエチレン(HDPE)を各々のホッパーから供給し、該ポリスチレンとポリエチレンとを射出成形した。金型は鋼鉄製のものを用い、成形品形状は、厚さ4mm、幅10mmのバー形状でISO規格(ISO524)によるものである。
【0080】
高周波誘導加熱用のインダクターは、通常の冷媒水を用いる温調機で20℃に温度設定された金型内に、図10Aの段階1で示された位置に挿入され、周波数20KHz、出力15KWで5秒間発振させた。高周波を発振させたときのインダクターと金型移動側、固定側表面との距離は、共に8mmであった。
【0081】
射出成形機のシリンダー温度は、樹脂温度が双方とも210℃になるように設定した。それぞれの樹脂はシリンダー内で加熱、可塑化され、次いでそれぞれの溶融材料を、GPPSは射出圧力100バール(油圧のゲージ圧力)、射出速度を該射出成形機の能力の20%の設定値で、HDPEは射出圧力100バール(油圧のゲージ圧力)、射出速度を該射出成形機の能力の70%の設定値で、金型内にそれぞれのマニホールドを通して図10Bの段階2に示すように充填した。該設定によって図11に示す様に、最外層のウエルドラインが成形品のランナー部分(図11中A)に形成されるように成形した。
【0082】
次いで直ちに図9Aの段階1で示すピストンB、Cを同周期で180度の位相差をつけて、作動させた。ピストンBにはGPPSを金型内に充填する様な正の力を、ピストンCには未固化のHDPEが金型内より押し戻される様な負の力を与えた。B、Cのピストンは、それぞれ2秒間作動させ、その位置で更に2秒間停止させた。
【0083】
さらにピストンB、Cを同周期で180度の位相差をつけて、作動させた。ピストンCにはHDPEを金型内に充填する様な正の力を、ピストンBには未固化のGPPSが金型内より押し戻される様な負の力を与えた。B、Cのピストンは、それぞれ2秒間作動させ、その位置で2秒間停止させた。
【0084】
次いでピストンB、Cを同周期で180度の位相差をつけて、作動させた。ピストンBにはGPPSを金型内に充填する様な正の力を、ピストンCには未固化のHDPEが金型内より押し戻される様な負の力を与えた。B、Cのピストンは、それぞれ2秒間作動させ、その位置で2秒間停止させた。
【0085】
成形品の曲げ特性は、室温(23℃)、曲げ速度3mm/minで3点曲げ試験を行うことにより測定した。
【0086】
成形品の引っ張り特性は、室温(23℃)、引っ張り速度5mm/minで引っ張り試験を行うことにより測定した。
【0087】
衝撃試験は、成形品より短冊形状の試験片を切り出し、ISO規格(ISO180)のA型ノッチをノッチングマシンにて付けたものを用いた。
衝撃試験は、アイゾット衝撃試験機を用いて室温(23℃)で測定した。
【0088】
曲げ及び引っ張り試験の結果を表1に記す。
【0089】
また得られた成形品断面の顕微鏡観察の結果を図13Bに示す。
【0090】
実施例3
本実施例では、射出成形装置に高周波誘導加熱装置、せん断力制御装置を装着して成形を行った。成形は図10A〜10Dに示す手順で行った。
【0091】
射出成形機は、2本の射出シリンダーを有する2色成形機を用い、それぞれのシリンダーには汎用ポリスチレン(GPPS)と高密度ポリエチレン(HDPE)を各々のホッパーより供給し、射出成形した。金型は鋼鉄製のものを用い、成形品形状は、厚さ4mm、幅10mmのバー形状でISO規格(ISO524)によるものである。
【0092】
高周波誘導加熱用のインダクターを通常の冷媒水を用いる温調機で20℃に温度設定された金型内に図10Aの段階1で示された位置に挿入し、周波数20KHz、出力15KWで5秒間発振させた。高周波を発振したときインダクターと金型固定側、移動側表面との距離は、8mmであった。
【0093】
射出成形機のシリンダー温度は、樹脂温度が双方とも210℃になるように設定した。それぞれの樹脂はシリンダー内で加熱、可塑化され、次いでそれぞれの溶融材料を、GPPSは射出圧力100バール(油圧のゲージ圧力)、射出速度を該射出成形機の能力の20%の設定値で、HDPEは射出圧力100バール(油圧のゲージ圧力)、射出速度を該射出成形機の能力の70%の設定値で、金型内にそれぞれのマニホールドを通して図10Bの段階2に示すように充填した。該設定によって図11に示す様に、最外層のウエルドラインが成形品のランナー部分(図11中A)に形成されるように成形した。
【0094】
次いで直ちに図10Cの段階3で示すピストンB、Cを同周期で180度の位相差をつけて、作動させた。ピストンBにはGPPSを金型内に充填する様な正の力を、ピストンCには未固化のHDPEが金型内より押し戻される様な負の力を与えた。B、Cのピストンは、それぞれ1.5秒間作動させ、その位置でさらに1.5秒間停止させた。
【0095】
さらにピストンB、Cを同周期で180度の位相差をつけて、作動させた。ピストンCにはHDPEを金型内に充填する様な正の力を、ピストンBには未固化のGPPSが金型内より押し戻される様な負の力を与えた。B、Cのピストンは、それぞれ2秒間作動させ、その位置で2.5秒間停止させた。
【0096】
次いでピストンB、Cを同周期で180度の位相差をつけて、作動させた。ピストンBにはGPPSを金型内に充填する様な正の力を、ピストンCには未固化のHDPEが金型内より押し戻される様な負の力を与えた。B、Cのピストンは、それぞれ2秒間作動させ、その位置で6秒間停止させた。
【0097】
さらにピストンB、Cを同周期で180度の位相差をつけて、作動させた。ピストンCにはHDPEを金型内に充填する様な正の力を、ピストンBには未固化のGPPSが金型内より押し戻される様な負の力を与えた。B、Cのピストンは、それぞれ2秒間作動させ、その位置で2秒間停止させた。
【0098】
次いでピストンB、Cを同周期で180度の位相差をつけて、作動させた。ピストンBにはGPPSを金型内に充填する様な正の力を、ピストンCには未固化のHDPEが金型内より押し戻される様な負の力を与えた。B、Cのピストンは、それぞれ2秒間作動させ、その位置で2秒間停止させた。
【0099】
成形品の曲げ特性は、室温(23℃)、曲げ速度3mm/minで3点曲げ試験を行った。
【0100】
成形品の引っ張り特性は、室温(23℃)、引っ張り速度5mm/minで引っ張り試験を行った。
【0101】
衝撃試験は、成形品より短冊形状の試験片を切り出し、ISO規格(ISO180)のA型ノッチをノッチングマシンにて付けたものを用いた。衝撃試験は、アイゾット衝撃試験機を用いて室温(23℃)で測定した。
【0102】
曲げ及び引っ張り試験の結果は、表1に記す。
【0103】
また得られた成形品断面の顕微鏡観察の結果を図13Cに示す。
【0104】
比較例1
実施例1、2、3の比較のために以下の方法にて通常のGPPSとHDPEの成形品を作製した。
【0105】
比較成形品には、通常の一個のシリンダーを有する射出成形機を用い、成形品は実施例1、2、3と同じISO規格の成形品を作製した。
【0106】
それぞれの成形条件を下記に示す。
(a)HDPE通常成形品
樹脂温度:210℃
金型温度:20℃
冷却時間:20秒
射出圧力:100バール(油圧のゲージ圧力)
保圧:40バール(油圧のゲージ圧力)
(b)GPPS通常成形品
樹脂温度:210℃
金型温度:20℃
冷却時間:20秒
射出圧力:100バール(油圧のゲージ圧力)
保圧:40バール(油圧のゲージ圧力)
【0107】
機械的特性の評価は実施例1、2及び3と同様な方法、装置を用いて行った。機械的特性の結果は表1に示す。
【0108】
比較例2
さらに本実施例とは別の検討も行った。成形機、金型、成形材料は、実施例3と同様なものを用い、実施例3と比較して金型は、高周波誘導加熱によって予備加熱せず、通常の冷媒水を用いる温調機で20℃に設定した。それ以外の成形方法は、実施例3と全く同じ条件にて成形を行った。実施例3では6層成形品が得られたのに対して、金型全体を直接予備加熱した金型を用いて得られた成形品は4層成形品であった。
【0109】
また高周波誘導加熱によって予備加熱せず、金型温度を通常の冷媒水を用いる温調機で60℃に設定し、他は実施例3と同様の条件を用いて成形を行った結果、2層の成形品が得られた。
【0110】
以上の結果から明らかな如く、金型温度の制御が成形品の多層構造制御に有効である。
【表1】
【0111】
実施例1、2及び3の曲げ弾性率は、GPPSとHDPEの弾性率の間の値を示した。GPPS弾性率は、HDPEに比べ約3倍もの値を示すことより、GPPS層が厚く、かつ外側に位置するほど多層成形品の弾性率は大きくなる。実施例1及び2は、ともに4層であるが、実施例2では、金型を予備加熱して第一層を薄く制御したために、第二層のGPPS層がより外側に位置するために剛性がより高い成形品を作製することができた。図13A及び図13Bの成形品断面観察から、実施例1の最外層が実施例2のものより厚いことから、金型予備加熱が成形品肉厚制御に有効であることがわかる。
【0112】
実施例1、2及び3の曲げ強度もGPPSとHDPEの強度の間の値を示した。
実施例2及び3の曲げ強度が実施例1より大きい理由も曲げ弾性率の場合と同様である。
【0113】
引っ張り強度もGPPSとHDPEの間の値を示した。引っ張り強度は、GPPS層の総量に大きく影響される。すなわちGPPS層の位置は引っ張り強度に影響を与えない。このことから実施例3の引っ張り強度が実施例2より小さかったのは、実施例3のGPPS層の総量が実施例2より少なかったためである。
【0114】
実施例1、2及び3の多層成形品の衝撃強度は、GPPSよりも衝撃強度が大きいHDPEの強度の4倍もの値を示した。これは層状構造によって、層界面で衝撃エネルギーが吸収されるためであり、多層化の大きな利点のひとつである。
【0115】
また実施例1、2及び3の多層成形品は、耐薬品性が良好であった。これは最外層が耐薬品性の良好なHDPEであるためである。
【0116】
以上の事より、GPPSとHDPEとを多層成形することにより、両樹脂の特性を生かし、さらに衝撃強度が両樹脂に比べかなり優れた成形品を得ることができることが明らかとなった。また本来相溶性のない樹脂であるHDPEとGPPSを用いた場合でも、環状多層構造とすることにより機械的に複合させることが容易であることもこの成形品の大きな利点である。また金型予備加熱による温度制御が多層成形品の構造制御に有効で、所望の特性を有する成形体作製に効果がある。
【0117】
このように樹脂の中で安価なポリスチレンとポリエチレンを用いても成形品の高次構造を制御することによって多機能、高機能物品を作製でき、これまでの技術では達成することができなかったことを可能とした。
【0118】
実施例4
本実施例では、実施例1の図8と同様に、射出成形装置にせん断力制御装置を装着し、図9A〜9Dに示した手順で成形を行った。射出成形機は、2本の射出シリンダーを有する2色成形機を用い、それぞれのシリンダーには汎用ポリスチレン(GPPS)とハンインパクトポリスチレン(HIPS)を各々のホッパーから供給し、射出成形した。金型は鋼鉄製のものを用い、成形品形状は、厚さ4mm、幅10mmのバー形状でISO規格(ISO524)によるものである。金型は、冷媒水を用いる一般の温調機で20℃に温度設定された。
【0119】
射出成形機のシリンダー温度は、樹脂温度が双方とも210℃になるように設定した。それぞれの樹脂はシリンダー内で加熱、可塑化され、次いでそれぞれの溶融材料をGPPSは射出圧力100バール(油圧のゲージ圧力)、射出速度を該射出成形機の能力の20%の設定値で、HIPSは射出圧力100バール(油圧のゲージ圧力)、射出速度を該射出成形機の能力の70%の設定値で金型内にそれぞれのマニホールドを通して金型内に順次充填した。該設定によって図11に示す様に、最外層のウエルドラインが成形品のランナー部分(図11中A)に形成されるように成形した。
【0120】
次いで直ちに図9Bの段階2で示すピストンB、Cを同周期で180度の位相差をつけて、作動させた。ピストンBにはGPPSを金型内に充填する様な正の力を、ピストンCには未固化のHIPSが金型内より押し戻される様な負の力を与えた。B、Cのピストンは、それぞれ2秒間作動させ、その位置で1秒間停止させた。
【0121】
次いで図9Cの段階3で示すピストンB、Cを同周期で180度の位相差をつけて、作動させた。ピストンCにはHIPSを金型内に充填する様な正の力を、ピストンBには未固化のGPPSが金型内より押し戻される様な負の力を与えた。B、Cのピストンは、それぞれ2秒間作動させ、その位置で3秒間停止させた。
【0122】
さらに図9Cの段階4で示すピストンB、Cを同周期で180度の位相差をつけて、作動させた。ピストンBにはGPPSを金型内に充填する様な正の力を、ピストンCには未固化のHIPSが金型内より押し戻される様な負の力を与えた。B、Cのピストンは、それぞれ2秒間作動させ、その位置で2秒間停止させた。
【0123】
成形品の曲げ特性は、室温(23℃)、曲げ速度3mm/minで3点曲げ試験を行うことにより測定した。
【0124】
成形品の引っ張り特性は、室温(23℃)、引っ張り速度5mm/minで引っ張り試験を行うことにより測定した。
【0125】
衝撃試験は、成形品より短冊形状の試験片を切り出し、ISO規格(ISO180)のA型ノッチをノッチングマシンにて付けたものを用いた。衝撃試験は、アイゾット衝撃試験機を用いて室温(23℃)で行った。
【0126】
曲げ及び引っ張り試験の結果を表2に記す。
【0127】
また得られた成形品断面の顕微鏡観察の結果を図14Aに示す。
【0128】
実施例5
本実施例では、実施例2と同様な射出成形装置に高周波誘導加熱装置、せん断力制御装置を装着し、図10A〜10Dに示した手順に従い成形を行った。
【0129】
射出成形機は、2本の射出シリンダーを有する2色成形機を用い、それぞれのシリンダーには汎用ポリスチレン(GPPS)と高密度ポリエチレン(HIPS)を各々のホッパーから供給し、射出成形した。金型は鋼鉄製のものを用い、成形品形状は、厚さ4mm、幅10mmのバー形状でISO規格(ISO524)によるものである。
【0130】
高周波誘導加熱用のインダクターを、通常の冷媒水を用いる温調機で20℃に温度設定された金型内に、図10Aの段階1で示された位置に挿入し、周波数20KHz、出力15KWで5秒間発振させた。高周波を発振させたときインダクターと固定側及び移動側金型表面との距離は、共に8mmであった。
【0131】
射出成形機のシリンダー温度は、樹脂温度が双方とも210℃になるように設定した。それぞれの樹脂はシリンダー内で加熱、可塑化され、次いでそれぞれの溶融材料をGPPSは射出圧力100バール、射出速度を該射出成形機の能力の20%の設定値で、HIPSは射出圧力100バール、射出速度を該射出成形機の能力の80%の設定値で、金型内にそれぞれのマニホールドを通して図10Bの段階2に示すように充填した。該設定によって図11に示す様に、最外層のウエルドラインが成形品のランナー部分(図11中A)に形成されるように成形した。
【0132】
次いで直ちに図10Cの段階3で示すピストンB、Cを同周期で180度の位相差をつけて、作動させた。ピストンBにはGPPSを金型内に充填する様な正の力を、ピストンCには未固化のHIPSが金型内より押し戻される様な負の力を与えた。B、Cのピストンは、それぞれ2秒間作動させ、その位置で3秒間停止させた。
【0133】
さらにピストンB、Cを同周期で180度の位相差をつけて、作動させた。ピストンCにはHIPSを金型内に充填する様な正の力を、ピストンCには未固化のGPPSが金型内より押し戻される様な負の力を与えた。B、Cのピストンは、それぞれ2秒間作動させ、その位置で3秒間停止させた。
【0134】
次いでピストンB、Cを同周期で180度の位相差をつけて、作動させた。ピストンBにはGPPSを金型内に充填する様な正の力を、ピストンCには未固化のHIPSが金型内より押し戻される様な負の力を与えた。B、Cのピストンは、それぞれ2秒間作動させ、その位置でさらに2秒間停止させた。
【0135】
成形品の曲げ特性は、室温(23℃)、曲げ速度3mm/minで3点曲げ試験を行うことにより測定した。
【0136】
成形品の引っ張り特性は、室温(23℃)、引っ張り速度5mm/minで引っ張り試験を行うことにより測定した。
【0137】
衝撃試験は、成形品より短冊形状の試験片を切り出し、ISO規格(ISO180)のA型ノッチをノッチングマシンにて付けたものを用いた。衝撃試験は、アイゾット衝撃試験機を用いて測定した。
【0138】
曲げ及び引っ張り試験の結果を表2に記す。
【0139】
また得られた成形品断面の顕微鏡観察の結果を図14Bに示す。
【0140】
比較例3
実施例4、5の比較のために以下の方法にて通常のGPPSとHIPSの成形品を作製した。
【0141】
比較品成形には、通常の一個のシリンダーを有する射出成形機を用い、成形品は実施例4、5と同じISO規格のものを作製した。
【0142】
それぞれの成形条件を下記に示す。
(a)HIPS通常成形品
樹脂温度:210℃
金型温度:20℃
冷却時間:20秒
射出圧力:100バール
保圧:40バール
(b)GPPS通常成形品
樹脂温度:210℃
金型温度:20℃
冷却時間:20秒
射出圧力:100バール
保圧:40バール
【0143】
機械的特性の評価は実施例4、5と同様の方法、装置で行った。機械的特性の結果は表2に示す。
【表2】
【0144】
実施例4、5の曲げ弾性率と曲げ強度は、GPPSとHIPSとの間の値を示したのに対し、引っ張り強度は、GPPSとHIPSのいずれの値よりも大きかった。これより本発明による方法は、個々の層における樹脂の配向も制御して引っ張り強度を強化できることがわかる。
【0145】
実施例4、5の多層成形品の衝撃強度は、HIPSの強度の1.5倍もの値を示した。これは層状構造によって、層界面で衝撃エネルギーが吸収されるためであり、多層化の大きな利点のひとつである。
【0146】
また図14A及び図14Bに示す実施例5の断面形状観察から、多層構造が必ずしも環状になっていなくても機能を発現する事が判る。すなわち本法による成形体は、内部構造が連続した層状構造でなくとも、材料の流動方向に多層化し、所望の特性を発現するものであっても良い。
【0147】
以上のことから、GPPSとHIPSの多層成形品は、物性バランスの取れた成形品であり、安価な材料を用いて所望の物性を有する成形体を容易に作製できることがわかった。また相溶性の高い材料であっても本発明の方法を用いることにより、多層成形品が作製できる。
【0148】
実施例6
本実施例では、通常の二色成形機を用いて成形を行った。射出成形機は、2本の射出シリンダーを有する2色成形機で、それぞれのシリンダーには汎用ポリスチレン(GPPS)とオレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)を各々のホッパーから供給し、射出成形した。
【0149】
成形品形状は、図15A及び図15Bに示す厚肉成形品で、ランナー、スプルーを成形品の両端に持つ形状でそれぞれのスプルーは別個のスプルーブッシュにつながっている。スプループッシュは、二色成形機の二本のシリンダーとノズルタッチにより連通される。金型は、冷媒水を用いる一般の温調機で40℃に温度設定された。
【0150】
射出成形機のシリンダー温度は、樹脂温度が双方とも210℃になるように設定した。それぞれの樹脂はシリンダー内で加熱、可塑化され、次いでそれぞれの溶融材料をGPPSは射出圧力100バール(油圧のゲージ圧力)、射出速度を該射出成形機の能力の80%の設定値で、TPOは射出圧力100バール(油圧のゲージ圧力)、射出速度を該射出成形機の能力の25%の設定値で、金型内にそれぞれの異なったスプルー、ランナーを通る様に充填した。該設定によって図9A−9Dに示す様に、最外層のウエルドラインが成形品のランナー部分に形成されるように成形した。
【0151】
次いでTPOが金型内に充填されるように保圧を該成形機の最大設定値の75%の設定値で6秒間充填し、それと同時にGPPSが可塑化されているシリンダーを、金型キャビティから溶融GPPSのバックフローにより30mmバックさせた。さらに両樹脂に正の保持圧力がかかるように、10秒間10%の保圧をかけた。
【0152】
成形品を金型より取り出し、10分間大気中に放置しコア材のTPOを冷却させた。その後、TPOを機械的に引き抜きGPPSの中空成形品を得た。
【0153】
該成形品は中空部内面が平滑で、ひけ、外観不良等がないものであった。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1A〜1Dは、本発明の成形方法の概念図である。
【図2】図2A〜2Dは、図1A〜1Dに示された各段階における成形品断面の概略図である。
【図3】本発明に用いられる周期的なせん断力を発生させる装置が射出シリンダーと金型の間に挟み込まれた装置の模式的な概略図。
【図4】インダクター鋏み込み方式の高周波誘導加熱方法による装置の金型付近部分の概略図。
【図5】周期的なせん断力を発生させる装置が図3とは異なる他の方式による装置の概略図。
【図6】図6A〜6Eは、4種類の材料を用いて多層成形品を作製する場合の模式図である。
【図7】周期的なせん断力を発生させる装置が通常の射出成形機のシリンダーを利用する方式の概略図。
【図8】実施例1と4で用いたツインバレル射出成形機用のせん断力制御装置と金型の模式図。
【図9】図9A〜9Dは、実施例1と4で実施した成形方法の概略図である。
【図10】図10A〜10Dは、実施例2、3及び5で実施した成形方法の概略図である。
【図11】実施例1、2、3、4及び5で作製した成形品概略図。
【図12】実施例1に従って作成した成形品における引っ張り試験時の応力−歪み曲線。
【図13】図13A〜13Cは、実施例1、2及び3によって作成した成形品断面の光学顕微鏡による観察結果を示す。
【図14】図14A〜14Bは、実施例4及び5によって作成した成形品断面の光学顕微鏡による観察結果を示す。
【図15】図15Aは、実施例6で作製した成形品の概略図であり、図15BはA−A′切断面における断面図を示す。
Claims (15)
- 二種またはそれ以上の材料からなり、各材料から形成された層が多重層構造を構成してなる成形品の製造方法において、
各独立した容器に貯蔵されている前記二種またはそれ以上の材料の溶融物を順次金型のキャビティ部分に充填して金型内でその一部分を固化させて前記多重層構造を構成させるにあたり、第一の工程として一の溶融材料を前記キャビティ部分の一端から該キャビティ部分に充填し、充填した溶融材料のうちの金型面に接する部分を所定の厚さに固化させ第一の層を形成せしめ、第二の工程として別の溶融材料をキャビティの他端より該キャビティに供給し、先に充填した溶融材料の未固化部分をキャビティ外に押し出し、前記別の溶融材料を充填させ、次いですくなくともその一部を前記固化された層に接する部分より冷却固化させ次の層を形成せしめ、前記第二の工程を1回以上交互順次繰返すことを特徴とする前記方法。 - 第一の層又は第二の層形成後、次に溶融材料を金型のキャビティ内に充填する際に、キャビティ内に流動性を保持したまま残存している先の充填溶融材料を該材料の供給方向にもどす請求項1記載の方法。
- 前記溶融材料を該材料の供給側に押し戻す際に、該材料がキャビティ外に引き出されるような力を作用させる請求項2記載の方法。
- 二種の材料を用いて前記第二の工程を順次繰り返し、成形品を製造する請求項1記載の方法。
- 各充填溶融材料を各工程においてキャビティ内で一亘停止させる請求項1〜4のいずれか一項記載の方法。
- 相隔った少なくとも2つの領域において各溶融材料を実質的に同じ周期で、かつ実質的に180度異なる向きに流動させる請求項1〜5のいずれか一項記載の方法。
- 溶融材料を流動させる力を作用させる少なくとも2つの手段を設け、該手段の少なくとも一つを、該金型の樹脂供給入り口に連結させて設ける請求項1〜6のいずれか一項記載の方法。
- 溶融材料を金型キャビティに充填し、かつ押しだす力を、該金型に通じた導管と連絡したチャンバー内で作動する往復ピストン機構により該溶融材料に作用させる請求項7記載の方法。
- 金型をあらかじめ毎分80℃以上の昇温速度で加熱しておく請求項1〜8のいずれか一項記載の方法。
- 金型の毎分80℃以上の昇温速度での加熱を高周波誘導加熱により行う請求項9記載の方法。
- 金型の毎分80℃以上の昇温速度での加熱を、金型全体又は金型表面全体又は金型表面の一部に施す請求項9記載の方法。
- 溶融材料がポリマー材料を含む請求項1記載の成形方法。
- ポリマー材料が熱可塑性樹脂である請求項12記載の成形方法。
- ポリマー材料が熱硬化性樹脂を含む請求項12記載の成形方法。
- 多重層構造を有する成形品の少なくとも一層を構成する材料を取り除くことにより中空成形体を作成する請求項1又は2記載の方法。
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