JP4037348B2 - 金型アダプター及び射出成形方法 - Google Patents

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本発明は、射出成形装置において使用される金型アダプター、及び、係る金型アダプターを備えた射出成形装置を用いた射出成形方法に関する。
固定金型部と可動金型部と加圧ガス導入ノズルとを備え、キャビティ内に加圧ガス導入ノズルの先端部が突出した構造、あるいは、キャビティに開口したゲート部内に加圧ガス導入ノズルの先端部が配置された構造を有する金型組立体を使用して、キャビティ内に射出された溶融熱可塑性樹脂の内部に加圧ガス導入ノズルから加圧ガスを導入し、中空部を有する成形品を成形する射出成形装置が、例えば、特開昭64−14012に開示されている。以下の説明において、キャビティ内に射出された溶融熱可塑性樹脂の内部に加圧ガスを導入し、中空部を有する成形品を成形する方法をガスアシスト射出成形方法と呼ぶ場合がある。
ガスアシスト射出成形方法を実行するために、特開昭64−14012に開示された技術においては、上述のように加圧ガス導入ノズルを配置しなければならない。従って、既存の金型組立体を改造し、あるいは又、新規に金型組立体を作製する必要がある。
既存の金型組立体を上述のように改造したり、新規の金型組立体を作製しなくてもよいように、射出用シリンダーから加圧ガスを導入する成形用射出装置が、例えば、特開平8−118424から公知である。また、固定金型部に配置され、ガス及び溶融樹脂の侵入を防止する逆流防止弁を具備したホットランナーユニットが、例えば、特開2002−200650から公知である。
特開昭64−14012 特開平8−118424 特開2002−200650
先に説明したとおり、特開昭64−14012に開示された技術においては、既存の金型組立体を改造し、あるいは又、新規に金型組立体を作製する必要がある。
特開平8−118424に開示されている成形用射出装置を使用すれば、既存の金型組立体を上述のように改造したり、新規の金型組立体を作製しなくてもよい。しかしながら、射出用シリンダーそれ自体の大掛りな改造が必要になるといった問題がある。また、射出用シリンダーを改造したとしても、その成形用射出装置でしかガスアシスト射出成形方法を実行することができないといった問題もある。即ち、改造後の射出用シリンダーを別の成形用射出装置に転用しようにも、通常、成形用射出装置が異なれば、シリンダー径、スクリュー径等も異なるが故に、射出用シリンダーを転用することは、一般に、極めて困難である。
特開2002−200650に開示されたホットランナーユニットは、固定金型部に固有のものであり、別の固定金型部に転用することは、一般に、極めて困難である。
従って、本発明の目的は、既存の金型組立体や射出用シリンダーを改造すること無く、ガスアシスト射出成形方法の実行を可能とする金型アダプター、及び、係る金型アダプターを備えた射出成形装置を用いた射出成形方法を提供することにある。
上記の目的を達成するための本発明の金型アダプターは、
(A)ノズルヘッド部を備えた射出用シリンダー、並びに、
(B)溶融樹脂導入部と、ゲート部と、該溶融樹脂導入部と該ゲート部とを結ぶ溶融樹脂流路とを備えた固定金型部、及び、可動金型部から成り、固定金型部と可動金型部とを型締めすることによって形成されるキャビティを備えた金型組立体、
から構成された射出成形装置において使用される金型アダプターである。
そして、この金型アダプターは、
(C−1)射出用シリンダーのノズルヘッド部に連通する溶融樹脂受入部、固定金型部の溶融樹脂導入部に連通する溶融樹脂排出部、及び、該溶融樹脂受入部と該溶融樹脂排出部とを結ぶ溶融樹脂流路、
(C−2)溶融樹脂排出部を開閉するために溶融樹脂流路内に配置され、加圧流体導入部を有する溶融樹脂排出部開閉手段、並びに、
(C−3)溶融樹脂流路を加熱するための加熱手段、
を備えていることを特徴とする。
上記の目的を達成するための本発明の射出成形方法は、
(A)ノズルヘッド部を備えた射出用シリンダー、
(B)溶融樹脂導入部と、ゲート部と、該溶融樹脂導入部と該ゲート部とを結ぶ溶融樹脂流路とを備えた固定金型部、及び、可動金型部から成り、固定金型部と可動金型部とを型締めすることによって形成されるキャビティを備えた金型組立体、並びに、
(C)金型アダプター、
から構成され、
該金型アダプターは、
(C−1)射出用シリンダーのノズルヘッド部に連通した溶融樹脂受入部、固定金型部の溶融樹脂導入部に連通した溶融樹脂排出部、及び、該溶融樹脂受入部と該溶融樹脂排出部とを結ぶ溶融樹脂流路、
(C−2)溶融樹脂排出部を開閉するために溶融樹脂流路内に配置され、加圧流体導入部を有する溶融樹脂排出部開閉手段、並びに、
(C−3)溶融樹脂流路を加熱するための加熱手段、
を備えている射出成形装置を用いた射出成形方法である。
そして、この射出成形方法は、
(a)固定金型部と可動金型部を型締めし、更には、金型アダプターにおいて、加熱手段によって溶融樹脂流路を加熱した状態とし、且つ、溶融樹脂排出部開閉手段によって溶融樹脂排出部を開状態としておき、射出用シリンダーで溶融、可塑化させた溶融熱可塑性樹脂を、ノズルヘッド部、金型アダプターにおける溶融樹脂受入部、溶融樹脂流路及び溶融樹脂排出部、並びに、固定金型部における溶融樹脂導入部、溶融樹脂流路及びゲート部を介して、キャビティ内に射出する工程と、
(b)溶融熱可塑性樹脂のキャビティ内への射出中、射出完了と同時、あるいは、射出完了後、加圧流体導入部から、固定金型部における溶融樹脂導入部、溶融樹脂流路及びゲート部を介して、キャビティ内に射出された溶融熱可塑性樹脂の内部に加圧流体を導入し、以て、キャビティ内に射出された溶融熱可塑性樹脂の内部に中空部を形成し、且つ、溶融熱可塑性樹脂のキャビティ内への射出完了と同時あるいは射出完了後、溶融樹脂排出部開閉手段によって溶融樹脂排出部を閉状態とする工程と、
(c)キャビティ内の熱可塑性樹脂を冷却、固化させた後、中空部内の加圧流体を加圧流体導入部を経由して排出し、その後、固定金型部と可動金型部とを型開きし、成形品を取り出す工程、
を具備することを特徴とする。
本発明の射出成形方法にあっては、前記工程(b)において、溶融熱可塑性樹脂のキャビティ内への射出完了と同時あるいは射出完了後、溶融樹脂排出部開閉手段によって溶融樹脂排出部を閉状態にすると同時に、あるいは閉状態とした後、溶融樹脂排出部近傍の溶融熱可塑性樹脂の温度を低下させ、固化させる構成とすることもできる。具体的には、溶融熱可塑性樹脂のキャビティ内への射出完了と同時あるいは射出完了後、金型アダプターにおける溶融樹脂排出部開閉手段によって溶融樹脂排出部を閉状態とすると同時に、あるいは閉状態とした後、例えば、金型アダプターにおける加熱手段の一部分(溶融樹脂排出部近傍に配置された加熱手段の部分)を不作動状態とすることで、溶融樹脂排出部近傍の金型アダプター内に存在する溶融熱可塑性樹脂の温度を低下させ、固化させることができる。
本発明の金型アダプター、あるいは、上記の好ましい形態を含む本発明の射出成形方法(以下、これらを総称して、単に、本発明と呼ぶ場合がある)において、金型アダプターは、射出成形装置に備えられた固定金型部取付板と固定金型部との間に配置され、あるいは、配置されていることが好ましい。
このような好ましい形態を含む本発明にあっては、限定するものではないが、
溶融樹脂排出部開閉手段は、バルブピン、及び、バルブピン駆動手段から成り、
バルブピンの内部には、その軸線に沿って孔部が設けられており、
バルブピンの先端において開口した該孔部が、加圧流体導入部を構成しており、
バルブピン駆動手段の作動によってバルブピンを前進端に位置させ、バルブピンの先端部分を溶融樹脂排出部に侵入させることで、溶融樹脂排出部は閉じられ、バルブピン駆動手段の作動によってバルブピンを後進端に位置させ、バルブピンの先端部分を溶融樹脂排出部から引き抜くことで、溶融樹脂排出部は開かれる構成とすることが好ましい。尚、孔部は、全体で、加圧流体流路としての機能を果たす。
尚、本発明のこのような形態にあっては、バルブピン駆動手段の作動によってバルブピンを前進端に位置させたとき、バルブピンの先端部分と溶融樹脂排出部との間には隙間が存在することが好ましく、この場合、隙間は、0.01mm乃至0.5mm、好ましくは0.01mm乃至0.1mm、一層好ましくは0.01mm乃至0.02mmであることが望ましい。使用する熱可塑性樹脂の溶融時の特性にも依るが、係る間隙が0.5mm以下であれば、固定金型部における溶融樹脂流路内の溶融熱可塑性樹脂が、金型アダプターにおける溶融樹脂排出部へと侵入することを確実に防止することができる。
本発明において、金型アダプターの溶融樹脂受入部を交換できる構造としておけば、射出用シリンダーを別の射出用シリンダーに交換した場合、係る射出用シリンダーのノズルヘッド部の形状に適合した形状を有する溶融樹脂受入部に容易に交換することができる。また、金型アダプターの溶融樹脂排出部を交換できる構造としておけば、金型組立体を別の金型組立体に交換した場合、係る金型組立体における固定金型部の溶融樹脂導入部の形状に適合した形状を有する溶融樹脂排出部に容易に交換することができる。
ノズルヘッド部を備えた射出用シリンダーは、周知の構造を有する射出用シリンダーとすることができる。
固定金型部、可動金型部、金型アダプターは、炭素鋼、ステンレス鋼、アルミニウム合金、銅合金等の周知の金属材料から作製することができる。
ゲート部の構造は、公知の如何なる形式のゲート構造とすることもでき、例えば、ダイレクトゲート構造、サイドゲート構造、ジャンプゲート構造、ピンポイントゲート構造、トンネルゲート構造、リングゲート構造、ファンゲート構造、ディスクゲート構造、フラッシュゲート構造、タブゲート構造、フィルムゲート構造を例示することができる。
固定金型部における溶融樹脂流路の構造として、スプルーとコールドランナーの組合せ、あるいは又、ホットランナーを挙げることができるが、成形品の外観を考慮すると、スプルーとコールドランナーの組合せとすることが好ましい。固定金型部は射出成形装置に備えられた固定金型部取付板(固定プラテン)に金型アダプターを介して取り付けられており、可動金型部は射出成形装置に備えられた可動金型部取付板(可動プラテン)に取り付けられている。そして、可動金型部取付板(可動プラテン)は、例えば、型締め用油圧シリンダー内の油圧ピストンの作動によってタイバー上を平行移動できる構造となっており、油圧ピストンの作動によって、固定金型部と可動金型部とは型締めされあるいは型開きされる。
加圧流体導入部は、例えば、配管を介して加圧流体源に接続されている。加圧流体は、常温及び常圧で気体の物質であり、使用する熱可塑性樹脂と反応や混合しないものが望ましい。具体的には、窒素ガス、空気、炭酸ガス、ヘリウム等が挙げられるが、安全性及び経済性を考慮すると、窒素ガスやヘリウムガスが好ましい。
金型アダプターにおける加熱手段として、金型アダプター内に配設されたヒータを例示することができる。また、バルブピンを構成する材料として、例えば、炭素鋼、ニッケル鋼、クロム鋼、タングステン鋼、モリブデン鋼、ケイ素鋼、クロム・バナジウム鋼、工具鋼、バネ鋼、ステンレス鋼、アルミニウム合金、チタン合金といった各種の金属や合金を挙げることができる。更には、溶融樹脂排出部開閉手段を構成するバルブピン駆動手段は、例えば、油圧シリンダーや空気圧シリンダーから構成することができる。
キャビティ内に射出すべき溶融熱可塑性樹脂の量は、キャビティを完全に充填する量であってもよいし、キャビティを完全には充填しない量であってもよい。
本発明での使用に適した樹脂として、結晶性熱可塑性樹脂や非晶性熱可塑性樹脂を挙げることができ、具体的には、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン系樹脂;ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミドMXD6等のポリアミド系樹脂;ポリオキシメチレン(ポリアセタール,POM)樹脂;ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂等のポリエステル系樹脂;ポリフェニレンサルファイド樹脂;ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、AES樹脂、AS樹脂といったスチレン系樹脂;メタクリル系樹脂;ポリカーボネート樹脂;変性ポリフェニレンエーテル(PPE)樹脂;ポリスルホン樹脂;ポリエーテルスルホン樹脂;ポリアリレート樹脂;ポリエーテルイミド樹脂;ポリアミドイミド樹脂;ポリイミド系樹脂;ポリエーテルケトン樹脂;ポリエーテルエーテルケトン樹脂;ポリエステルカーボネート樹脂;液晶ポリマーを例示することができる。
更には、ポリマーアロイ材料から成る熱可塑性樹脂を用いることができる。ここで、ポリマーアロイ材料は、少なくとも2種類の熱可塑性樹脂をブレンドしたもの、又は、少なくとも2種類の熱可塑性樹脂を化学的に結合させたブロック共重合体若しくはグラフト共重合体から成る。ポリマーアロイ材料は、単独の熱可塑性樹脂のそれぞれが有する特有な性能を合わせ持つことができる高機能材料として広く使用されている。少なくとも2種類の熱可塑性樹脂をブレンドしたポリマーアロイ材料を構成する熱可塑性樹脂として、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、AES樹脂、AS樹脂といったスチレン系樹脂;ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン系樹脂;メタクリル樹脂;ポリカーボネート樹脂;ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミドMXD6等のポリアミド系樹脂;変性PPE樹脂;ポリブチレンテレフタレート樹脂やポリエチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル樹脂;ポリオキシメチレン樹脂;ポリスルホン樹脂;ポリイミド樹脂;ポリフェニレンサルファイド樹脂;ポリアリレート樹脂;ポリエーテルスルホン樹脂;ポリエーテルケトン樹脂;ポリエーテルエーテルケトン樹脂;ポリエステルカーボネート樹脂を挙げることができる。2種類の熱可塑性樹脂をブレンドしたポリマーアロイ材料として、ポリカーボネート樹脂とABS樹脂とのポリマーアロイ材料を例示することができる。尚、このような樹脂の組合せを、ポリカーボネート樹脂/ABS樹脂と表記する。以下においても同様である。更に、少なくとも2種類の熱可塑性樹脂をブレンドしたポリマーアロイ材料として、ポリカーボネート樹脂/PET樹脂、ポリカーボネート樹脂/PBT樹脂、ポリカーボネート樹脂/ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート樹脂/PBT樹脂/PET樹脂、変性PPE樹脂/HIPS樹脂、変性PPE樹脂/ポリアミド系樹脂、変性PPE樹脂/PBT樹脂/PET樹脂、変性PPE樹脂/ポリアミドMXD6樹脂、ポリオキシメチレン樹脂/ポリウレタン樹脂、PBT樹脂/PET樹脂を例示することができる。
尚、以上に説明した各種の熱可塑性樹脂に、添加剤や、充填剤、強化剤を加えることもできる。
尚、添加剤として、可塑剤;安定剤;酸化防止剤:紫外線吸収剤;ニッケルビス(オクチルフェニル)サルファイド等の有機ニッケル化合物、ヒンダードアミン系化合物等の紫外線安定剤;帯電防止剤;難燃剤;バイナジン、プリベントール、チアベンダゾール等の防かび剤;流動パラフィン、ポリエチレンワックス、脂肪酸アマイド等の滑剤;ADCA等の有機発泡剤;透明核剤;有機顔料、無機顔料といった各種の着色剤;架橋剤;アクリルグラフトポリマー、MBS等の耐衝撃強化剤を挙げることができる。
可塑剤として、フタル酸ジエチル、フタル酸ジ−n−ブチル、フタル酸−2−エチルヘキシル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ブチルベンジル、フタル酸ジシクロヘキシル等のフタル酸類;リン酸トリエチル、リン酸トリブチル、リン酸トリクレシル、リン酸トリフェニル等のリン酸エステル類;オレイン酸ブチル、アジピン酸ジブチル、アジピン酸−n−ヘキシン、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル等の脂肪酸塩基エステル類;ジエチレングリコールジベンゾエート等のアルコールエステル類;クエン酸アセチルトリエチル、マレイン酸ジブチル等のオキシ酸エステル類;トリメリット系可塑剤;ポリエステル系可塑剤;エポキシ系可塑剤;塩化パラフィン系可塑剤を挙げることができる。
安定剤として、ジ−n−オクチルスズ化合物、ジ−n−ブチルスズ化合物、ジメチルスズ化合物等の有機スズ系安定剤;三塩基性硫酸鉛、二塩基性亜リン酸鉛、ケイ酸鉛等の鉛化合物系安定剤;カドミウム石けん、鉛石けん、亜鉛石けん等の金属石けん系安定剤;リン酸トリスノニル;リン酸トリスノニルフェニル等を挙げることができる。
酸化防止剤として、ジブチルクレゾール、ブチルヒドロキシアニソール等のフェノール系酸化防止剤;メチレンビス(メチルブチルフェノール)、チオビス(メチルブチルフェノール)等のビスフェノール系酸化防止剤;トリス(メチルヒドロキシブチルフェニル)ブタン、トコフェノール等のポリフェノール系酸化防止剤;ジミリスチルチオジプロピオネート等の有機イオウ化合物;トリス(モノ/ジノニルフェニル)ホスファイト等の有機リン化合物を挙げることができる。
紫外線吸収剤として、サリチル酸フェニル、サリチル酸ブチルフェニル等のサリチル酸系紫外線吸収剤;ジヒドロキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤;(ヒドロキシメチルフェニル)ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤;アクリル酸エチルヘキシルシアノジフェノニル等のシアノアクリレート系紫外線吸収剤を挙げることができる。
帯電防止剤として、ポリ(オキシエチレン)アルキルアミン、ポリ(オキシエチレン)アルキルフェニルエーテル等の非イオン界面活性剤系帯電防止剤;アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルリン酸塩等の陰イオン界面活性剤系帯電防止剤;第4級アンモニウムクロライド等の陽イオン界面活性剤系帯電防止剤;両性系界面活性剤;電導性樹脂を挙げることができる。
難燃剤として、テトラブロモビスフェノールA、ポリブロモビフェノール、ビス(ヒドロキシジブロモフェニル)プロパン、塩化パラフィン等のハロゲン系難燃剤;リン酸アンモニウム、リン酸トリクレジル等のリン系難燃剤;三酸化アンチモン;赤リン;酸化スズ等を挙げることができる。
また、充填剤、強化剤として、無機系材料;ステンレス鋼繊維、高強度アモルファス金属繊維、ステンレス箔、スチール箔、銅箔等の金属系材料;高分子ポリエチレン繊維、高強力ポリアレート繊維、パラ系全芳香族ポリアミド繊維、アラミド繊維、PEEK繊維、PEI繊維、PPS繊維、フッ素樹脂繊維、フェノール樹脂繊維、ビニロン繊維、ポリアセタール繊維等の有機系材料;粉系材料を挙げることができる。
ここで、無機系の充填剤、強化剤として、ガラス繊維、ガラス長繊維、石英ガラス繊維等のガラス系材料;PAN系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維、グラファイトウィスカ等の炭素系材料;炭化ケイ素繊維、炭化ケイ素連続繊維、炭化ケイ素ウィスカ、炭化ケイ素ウィスカシート等の炭化ケイ素系材料;ボロン繊維といったボロン系材料;Si−Ti−C−O繊維といったSi−Ti−C−O系材料;チタン酸カリウム繊維、チタン酸カリウムウィスカ、チタン酸カリウム系導電性ウィスカ等のチタン酸カリウム系材料;窒化ケイ素ウィスカ、窒化ケイ素ウィスカシート等の窒化ケイ素系材料;硫酸カルシウムウィスカといった硫酸カルシウム系材料を挙げることができる。
また、粉系の充填剤、強化剤として、マイカフレーク、マイカ粉、シラスバルーン、シリカ微粉、タルク粉、水酸化アルミニウム粉、水酸化マグネシウム粉末、マグネシウムシリケート粉末、硫酸カルシウム微粉、球状中空ガラス粉、金属化粉、高純度合成シリカ微粉、二硫化タングステン粉末、タングステンカーバイト粉、ジルコニア微粉、ジルコニア系微粉末、部分安定化ジルコニア粉末、アルミナ−ジルコニア複合粉末、複合金属粉末、鉄粉、アルミニウム粉、モリブデン金属粉、タングステン粉、窒化アルミニウム粉末、ナイロン微粒子粉、シリコーン樹脂微粉末、スピネル粉末、アモルファス合金粉末、アルミフレーク、ガラスフレークを挙げることができる。
本発明の金型アダプターは、射出用シリンダー及び金型組立体とは独立している。従って、既存の金型組立体や射出用シリンダーを改造すること無く、ガスアシスト射出成形方法の実行が可能となる。それ故、既存の金型組立体や射出用シリンダーを使用して、例えば、ガスアシスト射出成形方法に基づき成形品を試作する場合、係る試作を容易に、且つ、左程費用をかけることなく行うことができる。しかも、溶融熱可塑性樹脂や加圧流体が金型アダプターの内部へ逆流することを確実に防止することができ、加えて、キャビティ内の溶融熱可塑性樹脂に加圧流体を円滑、且つ、確実に導入することができるので、中空部を有する成形品の成形を安定して行うことができる。
以下、図面を参照して、実施例に基づき本発明を説明する。
実施例1は、射出成形装置において使用される本発明の金型アダプター、及び、係る本発明の金型アダプターを備えた射出成形装置を用いた本発明の射出成形方法に関する。
実施例1の金型アダプターを備えた射出成形装置の模式図を図1及び図2に示し、実施例1の金型アダプター及び固定金型部の一部分の模式的な断面図を図3に示し、射出用シリンダー10の一部を切り欠いた模式図を図4に示す。尚、図1は、固定金型部と可動金型部とを型締めする前の状態を示し、図2は型締めした後の状態を示す。
実施例1における射出成形装置は、ノズルヘッド部13を備えた射出用シリンダー10、金型組立体20、及び、金型アダプター30から構成されている。
ここで、射出用シリンダー10に配設されたスクリュー12を、限定するものではないが、樹脂を可塑化、溶融すると同時にプランジャの作用も有する形式のインラインスクリュー方式とする。以下、図4を参照して、射出用シリンダー10を説明する。このスクリュー12は、減速歯車14を介して油圧モータ15によって回転させられる。ホッパ16からスクリュー12に投入された樹脂は、加熱シリンダー11、スクリュー12によって加熱、可塑化、溶融、計量され、加熱シリンダー11とスクリュー12の先端(ノズルヘッド部13)との間に形成された空隙13Aに蓄えられる。スクリュー12の後端には射出ラム17が取り付けられており、射出ラム17には射出用油圧シリンダー18によって圧力が加えられる。射出用油圧シリンダー18によって射出ラム17に圧力を加えることにより、スクリュー12が前方に押し出され溶融樹脂に圧力が加わる結果、空隙13Aに蓄えられた溶融樹脂は、ノズルヘッド部13から高速にて押し出され、最終的にキャビティに射出される。尚、図4中、参照番号19は射出装置前進後退用シリンダー、参照番号19A,19Bは油圧配管、参照番号19Cは圧力計である。
図1及び図2に示すように、金型組立体20は、固定金型部21、及び、可動金型部25から成る。固定金型部21には、溶融樹脂導入部22と、ゲート部24と、溶融樹脂導入部22とゲート部24とを結ぶ溶融樹脂流路23(具体的には、スプルーとコールドランナーの組合せ)とが備えられている。固定金型部21と可動金型部25とを型締めすることによってキャビティ26が形成される(図2参照)。具体的には、固定金型部21は、射出成形装置に備えられた固定金型部取付板(固定プラテン)27に後述する金型アダプター30を介して取り付けられている。一方、可動金型部25は、射出成形装置に備えられた可動金型部取付板(可動プラテン)28に取り付けられている。そして、可動金型部取付板(可動プラテン)28は、型締め用油圧シリンダー29A内の油圧ピストン29Bの作動によってタイバー29C上を平行移動できる構造となっており、油圧ピストン29Bの作動によって、固定金型部21と可動金型部25とは型締めされ(図2参照)あるいは型開きされる(図1参照)。キャビティ26の形状を、厚肉部であるリブ部を有する底面、及び、4つの側面を有する直方体状の箱が成形品として得られる形状とした。また、ゲート部24をダイレクトゲート構造とした。
金型アダプター30は、射出用シリンダー10のノズルヘッド部13に連通した溶融樹脂受入部31、固定金型部21の溶融樹脂導入部22に連通した溶融樹脂排出部33、溶融樹脂受入部31と溶融樹脂排出部33とを結ぶ溶融樹脂流路32、溶融樹脂排出部開閉手段34、並びに、溶融樹脂流路32を加熱するための加熱手段37を備えている。尚、溶融樹脂排出部開閉手段34は、溶融樹脂排出部33を開閉するために溶融樹脂流路32内に配置されており、しかも、加圧流体導入部を有する。加熱手段37は電熱ヒータから成る。加熱手段37によって、溶融樹脂流路32のみならず、溶融樹脂受入部31及び溶融樹脂排出部33も加熱される構造となっている。
射出用シリンダー10のノズルヘッド部13と金型アダプター30の溶融樹脂受入部31の接合部分において溶融熱可塑性樹脂の漏れが発生することの無いように、溶融樹脂受入部31は、射出用シリンダー10のノズルヘッド部13の形状に適合した形状を有する。また、固定金型部21の溶融樹脂導入部22と金型アダプター30の溶融樹脂排出部33の間の接合部分において溶融熱可塑性樹脂の漏れが発生することの無いように、溶融樹脂排出部33は、固定金型部21の溶融樹脂導入部22の形状に適合した形状を有する。尚、金型アダプター30の溶融樹脂受入部31を、金型アダプター30から着脱自在として、一種のブロック化し、使用する射出用シリンダー10のノズルヘッド部13の形状に適合した溶融樹脂受入部31へと交換できる構造としてもよい。また、金型アダプター30の溶融樹脂排出部33を、金型アダプター30から着脱自在として、一種のブロック化し、使用する固定金型部21の溶融樹脂導入部22の形状に適合した溶融樹脂排出部33へと交換できる構造としてもよい。
ここで、金型アダプター30は、射出成形装置に備えられた固定金型部取付板(固定プラテン)27と固定金型部21との間に配置されている。具体的には、金型アダプター30は固定金型部取付板(固定プラテン)27にボルト(図示せず)を用いて固定されており、且つ、金型アダプター30は固定金型部21にボルト(図示せず)を用いて固定されている。
また、溶融樹脂排出部開閉手段34は、バルブピン35、及び、油圧シリンダーから成るバルブピン駆動手段(図示せず)から構成されており、バルブピン35の内部には、その軸線に沿って孔部36(直径:0.5mm)が設けられている。ここで、バルブピン35の先端において開口した孔部36は、加圧流体導入部を構成しており、孔部36は、全体で、加圧流体流路としての機能を果たす。尚、バルブピン駆動手段の作動によってバルブピン35を前進端に位置させ、バルブピン35の先端部分を溶融樹脂排出部33に侵入させることで、溶融樹脂排出部33は閉じられる構造となっている。更には、バルブピン駆動手段の作動によってバルブピン35を後進端に位置させ、バルブピン35の先端部分を溶融樹脂排出部33から引き抜くことで、溶融樹脂排出部33は開かれる構造となっている。バルブピン駆動手段の作動によってバルブピン35を前進端に位置させたとき、バルブピン35の先端部分と溶融樹脂排出部33との間には隙間が存在する。具体的には、この隙間は平均値で0.5mmである。即ち、バルブピン35の先端部分の外径を3mmとし、溶融樹脂排出部33の内径を4mmとした。
以下、金型アダプター30及び固定金型部21の一部分の模式的な断面図である図5〜図8を参照して、実施例1の射出成形方法を説明する。
[工程−100]
先ず、固定金型部21と可動金型部25を型締めし、更には、金型アダプター30において、加熱手段37によって溶融樹脂流路32を加熱した状態とし、且つ、溶融樹脂排出部開閉手段34であるバルブピン35によって溶融樹脂排出部33を開状態としておく(図5参照)。具体的には、図示しないバルブピン駆動手段の作動によってバルブピン35を後進端に位置させ、バルブピン35の先端部分を溶融樹脂排出部33から引き抜くことで、溶融樹脂排出部33を開かれた状態とした。尚、実施例1においては、[工程−100]〜[工程−120]の間、更には、次の成形サイクルに至るまで、溶融樹脂流路32の溶融熱可塑性樹脂の温度が280゜Cとなるように、加熱手段37によって溶融樹脂流路32を加熱し続けた。
そして、射出用シリンダー10で樹脂温度280゜Cにて溶融、可塑化させた溶融熱可塑性樹脂40(ポリカーボネート樹脂であり、三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社製、商品名:ユーピロンS3000)を、ノズルヘッド部13、金型アダプター30における溶融樹脂受入部31、溶融樹脂流路32及び溶融樹脂排出部33、並びに、固定金型部21における溶融樹脂導入部22、溶融樹脂流路23及びゲート部24を介して、キャビティ26内に射出した。射出圧力を1.1×108Pa(1130kgf/cm2)とした。また、射出した溶融熱可塑性樹脂の量は、キャビティ26の半分を満たす量とした。この状態を図6に示す。
[工程−110]
溶融熱可塑性樹脂40のキャビティ26内への射出完了と同時に(具体的には、溶融熱可塑性樹脂の射出開始から3.0秒後に)、溶融樹脂排出部開閉手段34によって溶融樹脂排出部を閉状態とした。具体的には、図示しないバルブピン駆動手段の作動によってバルブピン35を前進端に位置させ、バルブピン35の先端部分を溶融樹脂排出部33に侵入させることで、溶融樹脂排出部33を閉じた状態とした(図7参照)。
その後(具体的には、溶融熱可塑性樹脂の射出開始から3.2秒後に)、加圧流体導入部から、固定金型部21における溶融樹脂導入部22、溶融樹脂流路23及びゲート部24を介して、キャビティ26内に射出された溶融熱可塑性樹脂40の内部に加圧流体を導入し、以て、キャビティ26内に射出された溶融熱可塑性樹脂40の内部に中空部41を形成した。具体的には、図示しない加圧流体源、配管を介して、圧力7.8×106Pa(80kgf/cm2)の加圧流体(具体的には、圧縮窒素ガス)を、孔部36の後端部から、孔部36の先端部、固定金型部21における溶融樹脂導入部22、溶融樹脂流路23及びゲート部24を介して、キャビティ26内に射出された溶融熱可塑性樹脂40の内部に導入した。その結果、キャビティ26内に射出された溶融熱可塑性樹脂40の内部に中空部41を形成することができた(図8参照)。
[工程−120]
溶融熱可塑性樹脂の射出開始から60秒が経過するまで、キャビティ26内の熱可塑性樹脂を冷却、固化させた後、中空部41内への加圧流体の導入を中止し、中空部41内の加圧流体を、固定金型部21におけるゲート部24、溶融樹脂流路23及び溶融樹脂導入部22、並びに、加圧流体導入部である孔部36を経由して大気中に排出した。その後、固定金型部21と可動金型部25とを型開きし、成形品を取り出した。
得られた成形品の厚肉部には所望の中空部が形成されていた。また、[工程−110]において、バルブピン駆動手段の作動によってバルブピン35を前進端に位置させたとき、バルブピン35の先端部分と溶融樹脂排出部33との間には平均0.5mmの隙間が存在したが、この間隙から、溶融熱可塑性樹脂が金型アダプター30の溶融樹脂流路32に逆流するといった現象の発生は認められず、金型アダプター30はその機能を完全に果たしていることが確認できた。
実施例2は実施例1の変形である。実施例2における射出成形装置や金型アダプターは、実施例1において説明した射出成形装置や金型アダプターと同じとすることができるので、これらの詳細な説明は省略する。また、実施例2の射出成形方法も、以下に説明する点が異なることを除き、実施例1において説明した射出成形方法と同じとすることができるので、その詳細な説明は省略する。
即ち、実施例1においては、[工程−100]〜[工程−120]の間、溶融樹脂流路32の溶融熱可塑性樹脂の温度が280゜Cとなるように、加熱手段37によって溶融樹脂流路32を加熱し続けた。一方、実施例2においては、実施例1の[工程−110]と同様の工程において、溶融樹脂排出部開閉手段34によって溶融樹脂排出部33を閉状態にすると同時に、溶融樹脂排出部33の近傍の溶融熱可塑性樹脂の温度を低下させ、固化させた。また、実施例2において、実施例1の[工程−120]と同様の工程においては、溶融樹脂排出部33の近傍の溶融熱可塑性樹脂の温度を低下させた状態を保持した、一方、実施例2において、実施例1の[工程−100]と同様の工程においては、溶融樹脂排出部33内、及び、溶融樹脂流路32内の溶融熱可塑性樹脂の温度が280゜Cとなるように、加熱手段37によって溶融樹脂流路32や溶融樹脂排出部33を加熱した。
具体的には、実施例2の射出成形方法にあっては、溶融樹脂排出部33の近傍に配置された加熱手段37であるヒータへの通電を中断することで、溶融樹脂排出部33の近傍の金型アダプター30の部分の温度を低下させ、金型アダプター30のこの部分内に存在する熱可塑性樹脂を固化させた。具体的には、加熱手段37であるヒータを制御して、溶融樹脂排出部33内の溶融熱可塑性樹脂の温度、及び、溶融樹脂排出部33の近傍における溶融樹脂流路32内の溶融熱可塑性樹脂の温度を、150゜Cとした。一方、溶融樹脂排出部33の近傍以外における溶融樹脂流路32内の溶融熱可塑性樹脂の温度が280゜Cとなるように、加熱手段37であるヒータを制御した。
このように、溶融樹脂排出部33内の溶融熱可塑性樹脂の温度、及び、溶融樹脂排出部33の近傍における溶融樹脂流路32内の溶融熱可塑性樹脂の温度を低下させ、溶融樹脂排出部33内の熱可塑性樹脂を固化させ、且つ、溶融樹脂排出部33の近傍における溶融樹脂流路32内の熱可塑性樹脂を固化させることで、バルブピン35の先端部分と溶融樹脂排出部33との間に存在する間隙から溶融熱可塑性樹脂が金型アダプター30の溶融樹脂流路32に逆流するといった現象が発生することを一層確実に防止することができた。
以上、本発明を好ましい実施例に基づき説明したが、本発明はこれらの実施例に限定するものではない。実施例にて説明した金型アダプターや金型組立体、射出成形装置の構造、構成、実施例にて使用した熱可塑性樹脂、射出成形条件等は例示であり、適宜変更することができる。実施例においては、成形品を1個取りとしたが、成形品を多数個取りとすることもできる。
図1は、実施例1の金型アダプターを備えた射出成形装置の模式図であり、固定金型部と可動金型部とを型締めする前の状態を示す図である。 図2は、実施例1の金型アダプターを備えた射出成形装置の模式図であり、固定金型部と可動金型部とを型締めした後の状態を示す図である。 図3は、実施例1の金型アダプター及び固定金型部の一部分の模式的な断面図である。 図4は、実施例1における射出用シリンダーの一部を切り欠いた模式図である。 図5は、実施例1の金型アダプター及び固定金型部の一部分の模式的な断面図であり、溶融熱可塑性樹脂を射出する直前の状態を示す図である。 図6は、図5に引き続き、実施例1の金型アダプター及び固定金型部の一部分の模式的な断面図であり、溶融熱可塑性樹脂を射出している状態を示す図である。 図7は、図6に引き続き、実施例1の金型アダプター及び固定金型部の一部分の模式的な断面図であり、溶融熱可塑性樹脂の射出を完了した後の状態を示す図である。 図8は、図7に引き続き、実施例1の金型アダプター及び固定金型部の一部分の模式的な断面図であり、溶融熱可塑性樹脂の射出を完了した後、加圧流体を導入した状態を示す図である。
符号の説明
10・・・射出用シリンダー、11・・・加熱シリンダー、12・・・スクリュー、13・・・ノズルヘッド部、13A・・・空隙、14・・・減速歯車、15・・・油圧モータ、16・・・ホッパ、17・・・射出ラム、18・・・射出用油圧シリンダー、19・・・射出装置前進後退用シリンダー、19A,19B・・・油圧配管、19C・・・圧力計、20・・・金型組立体、21・・・固定金型部、22・・・溶融樹脂導入部、23・・・溶融樹脂流路、24・・・ゲート部、25・・・可動金型部、26・・・キャビティ、27・・・固定金型部取付板(固定プラテン)、28・・・可動金型部取付板(可動プラテン)、29A・・・型締め用油圧シリンダー、29B・・・油圧ピストン、29C・・・タイバー、30・・・金型アダプター、31・・・溶融樹脂受入部、32・・・溶融樹脂流路、33・・・溶融樹脂排出部、34・・・溶融樹脂排出部開閉手段、35・・・バルブピン、36・・・孔部(加圧流体導入部)、37・・・加熱手段、40・・・溶融熱可塑性樹脂、41・・・中空部

Claims (11)

  1. (A)ノズルヘッド部を備えた射出用シリンダー、並びに、
    (B)溶融樹脂導入部と、ゲート部と、該溶融樹脂導入部と該ゲート部とを結ぶ溶融樹脂流路とを備えた固定金型部、及び、可動金型部から成り、固定金型部と可動金型部とを型締めすることによって形成されるキャビティを備えた金型組立体、
    から構成された射出成形装置において使用される金型アダプターであって、
    (C−1)射出用シリンダーのノズルヘッド部に連通する溶融樹脂受入部、固定金型部の溶融樹脂導入部に連通する溶融樹脂排出部、及び、該溶融樹脂受入部と該溶融樹脂排出部とを結ぶ溶融樹脂流路、
    (C−2)溶融樹脂排出部を開閉するために溶融樹脂流路内に配置され、加圧流体導入部を有する溶融樹脂排出部開閉手段、並びに、
    (C−3)溶融樹脂流路を加熱するための加熱手段、
    を備えていることを特徴とする金型アダプター。
  2. 射出成形装置に備えられた固定金型部取付板と固定金型部との間に配置されることを特徴とする請求項1に記載の金型アダプター。
  3. 溶融樹脂排出部開閉手段は、バルブピン、及び、バルブピン駆動手段から成り、
    バルブピンの内部には、その軸線に沿って孔部が設けられており、
    バルブピンの先端において開口した該孔部が、加圧流体導入部を構成しており、
    バルブピン駆動手段の作動によってバルブピンを前進端に位置させ、バルブピンの先端部分を溶融樹脂排出部に侵入させることで、溶融樹脂排出部は閉じられ、バルブピン駆動手段の作動によってバルブピンを後進端に位置させ、バルブピンの先端部分を溶融樹脂排出部から引き抜くことで、溶融樹脂排出部は開かれることを特徴とする請求項1に記載の金型アダプター。
  4. バルブピン駆動手段の作動によってバルブピンを前進端に位置させたとき、バルブピンの先端部分と溶融樹脂排出部との間には隙間が存在することを特徴とする請求項3に記載の金型アダプター。
  5. 前記隙間は0.01mm乃至0.5mmであることを特徴とする請求項4に記載の金型アダプター。
  6. (A)ノズルヘッド部を備えた射出用シリンダー、
    (B)溶融樹脂導入部と、ゲート部と、該溶融樹脂導入部と該ゲート部とを結ぶ溶融樹脂流路とを備えた固定金型部、及び、可動金型部から成り、固定金型部と可動金型部とを型締めすることによって形成されるキャビティを備えた金型組立体、並びに、
    (C)金型アダプター、
    から構成され、
    該金型アダプターは、
    (C−1)射出用シリンダーのノズルヘッド部に連通した溶融樹脂受入部、固定金型部の溶融樹脂導入部に連通した溶融樹脂排出部、及び、該溶融樹脂受入部と該溶融樹脂排出部とを結ぶ溶融樹脂流路、
    (C−2)溶融樹脂排出部を開閉するために溶融樹脂流路内に配置され、加圧流体導入部を有する溶融樹脂排出部開閉手段、並びに、
    (C−3)溶融樹脂流路を加熱するための加熱手段、
    を備えている射出成形装置を用いた射出成形方法であって、
    (a)固定金型部と可動金型部を型締めし、更には、金型アダプターにおいて、加熱手段によって溶融樹脂流路を加熱した状態とし、且つ、溶融樹脂排出部開閉手段によって溶融樹脂排出部を開状態としておき、射出用シリンダーで溶融、可塑化させた溶融熱可塑性樹脂を、ノズルヘッド部、金型アダプターにおける溶融樹脂受入部、溶融樹脂流路及び溶融樹脂排出部、並びに、固定金型部における溶融樹脂導入部、溶融樹脂流路及びゲート部を介して、キャビティ内に射出する工程と、
    (b)溶融熱可塑性樹脂のキャビティ内への射出中、射出完了と同時、あるいは、射出完了後、加圧流体導入部から、固定金型部における溶融樹脂導入部、溶融樹脂流路及びゲート部を介して、キャビティ内に射出された溶融熱可塑性樹脂の内部に加圧流体を導入し、以て、キャビティ内に射出された溶融熱可塑性樹脂の内部に中空部を形成し、且つ、溶融熱可塑性樹脂のキャビティ内への射出完了と同時あるいは射出完了後、溶融樹脂排出部開閉手段によって溶融樹脂排出部を閉状態とする工程と、
    (c)キャビティ内の熱可塑性樹脂を冷却、固化させた後、中空部内の加圧流体を加圧流体導入部を経由して排出し、その後、固定金型部と可動金型部とを型開きし、成形品を取り出す工程、
    を具備することを特徴とする射出成形方法。
  7. 前記工程(b)において、溶融熱可塑性樹脂のキャビティ内への射出完了と同時あるいは射出完了後、溶融樹脂排出部開閉手段によって溶融樹脂排出部を閉状態にすると同時に、あるいは閉状態とした後、溶融樹脂排出部近傍の溶融熱可塑性樹脂の温度を低下させ、固化させることを特徴とする請求項6に記載の射出成形方法。
  8. 金型アダプターは、射出成形装置に備えられた固定金型部取付板と固定金型部との間に配置されていることを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の射出成形方法。
  9. 溶融樹脂排出部開閉手段は、バルブピン、及び、バルブピン駆動手段から成り、
    バルブピンの内部には、その軸線に沿って孔部が設けられており、
    バルブピンの先端において開口した該孔部が、加圧流体導入部を構成しており、
    バルブピン駆動手段の作動によってバルブピンを前進端に位置させ、バルブピンの先端部分を溶融樹脂排出部に侵入させることで、溶融樹脂排出部は閉じられ、バルブピン駆動手段の作動によってバルブピンを後進端に位置させ、バルブピンの先端部分を溶融樹脂排出部から引き抜くことで、溶融樹脂排出部は開かれることを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の射出成形方法。
  10. バルブピン駆動手段の作動によってバルブピンを前進端に位置させたとき、バルブピンの先端部分と溶融樹脂排出部との間には隙間が存在することを特徴とする請求項9に記載の射出成形方法。
  11. 前記隙間は0.01mm乃至0.5mmであることを特徴とする請求項10に記載の射出成形方法。
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