JP2007054994A - 熱可塑性樹脂の射出発泡成形方法及び射出発泡成形装置 - Google Patents

熱可塑性樹脂の射出発泡成形方法及び射出発泡成形装置 Download PDF

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Abstract

【課題】簡易、安全かつ効率的に、所望の気泡径及び密度で、表面状態の良好な射出発泡成形品を得ることが可能で、環境に与える負荷の少ない熱可塑性樹脂の射出発泡成形方法及び射出発泡成形装置を提供する。
【解決手段】発泡剤として発泡性ガスを用い、発泡性ガスを射出装置30に0.1MPa以上、1.0MPa未満の圧力で供給し、型締状態の金型キャビティ10a内に、予め圧力調整ガスを注入して、金型キャビティ10a内の圧力を、発泡性ガスの供給圧力と略同一とさせた後に、射出装置30から発泡剤含有可塑化樹脂を、金型キャビティ10a内に射出充填し、発泡剤含有可塑化樹脂を金型キャビティ10a内に射出充填中又は射出充填後に、金型キャビティ10a内に注入された圧力調整ガスを排出し、発泡剤含有可塑化樹脂の金型キャビティ10a内への射出充填後に、金型キャビティ10aを拡大して発泡剤含有可塑化樹脂を発泡させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、熱可塑性樹脂の射出発泡成形方法及び射出発泡成形装置に関する。さらに詳しくは、簡易、安全かつ効率的に、所望の気泡径及び密度で、表面状態の良好な射出発泡成形品を得ることが可能で、環境に与える負荷の少ない熱可塑性樹脂の射出発泡成形方法及び射出発泡成形装置に関する。
樹脂の内部に多数の気泡を存在させた発泡成形品は、軽量性、断熱性、吸音性及び同一質量での剛性等の物性に優れていることから、種々の分野で使用されている。特に近年は、軽量化が、原材料費及び輸送費等のコスト低減に直接的に結び付くことから重要視され、発泡成形品の適用分野をさらに拡大することになっている。樹脂の発泡成形方法は、樹脂に混合する発泡剤の種類によって物理的発泡法と化学的発泡法とに分類される。物理的発泡法では、物理発泡剤である、窒素、二酸化炭素等の不活性ガス;炭化水素類、フルオロカーボン類等の気化性物質を使用する。一方、化学的発泡法では、化学発泡剤である、アゾ化合物、ニトロソ化合物等の有機発泡剤;重炭酸ナトリウム等の無機発泡剤を使用する。このような発泡法を樹脂の成形方法としての射出成形方法に適用した射出発泡成形方法においては、発泡剤と樹脂とを混合した発泡剤含有可塑化樹脂を金型キャビティ内に射出充填し、樹脂を発泡させることによって成形品内部に約80〜300μm程度の気泡径を有する射出発泡成形品を得ることができる。しかしながら、このような樹脂の射出発泡成形方法においては、樹脂の射出充填時に、樹脂流動先端から発泡性ガスが噴出し、製品外観が悪化するという不都合があった。
上述の不都合を解消するため、容積を変更しうるキャビティをもつ金型の該キャビティ内にガスを注入し、そのガス圧を充填すべき上記成形材料が発泡しない大きさに維持した状態にて、該成形材料を可塑化(溶融)射出充填したのち、キャビティ容積を拡大するとともに、ガスを排出して発泡させる方法が開示されている(特許文献1参照)。また、可塑化(溶融)した発泡性ポリプロピレン組成物を、目的とする成形品の容積の48.7〜95%の容積を有するキャビティー内に射出する方法が開示されている(特許文献2参照)。さらに、型締状態の金型のキャビティ温度を可塑化樹脂よりも高く設定する方法が開示されている(特許文献3参照)。
特許第3374356号公報 特許第3189619号公報 特開2003−53766号公報
しかしながら、上述の特許文献1〜3に開示された方法の場合、以下のような問題があった。すなわち、特許文献1に開示された方法の場合、射出充填時に樹脂流動先端からの発泡性ガスの噴出が抑制され、製品の外観の向上が期待されるものの、超臨界状態の発泡性ガスを用いる物理発泡成形の場合には、金型キャビティへの注入ガスも同様に高圧のガスであることから、取り扱いに危険が伴うとともに複雑な金型キャビティのガスシール機構が必要となり、さらに、法的規制を受け、設備の導入や取り扱いが煩雑になるという問題があった。また、化学発泡成形の場合、発泡性ガスとして1〜1.5MPa程度の比較的低い圧力のガスを用いることができ、ガスシール機構を簡略化することが期待されるものの、発泡剤として有機系化学発泡剤を用いた場合、腐食性、刺激性ガスが生成発散したり、有機物の残留によって製品が変色するという問題があった。また、無機系発泡剤の代表例である炭酸水素ナトリウム(重曹)を用いた場合には、腐食性、刺激性ガスの生成発散はないものの、微量のアルカリ性反応残渣物が残り、例えば、アルミニウムメタリック塗装処理を行なった際には、アルミニウムメタリック粒子が腐食、変色するという問題があった。また、特許文献2に開示された方法の場合、射出充填時に樹脂流動先端からの発泡性ガスの噴出が抑制され、製品の外観の向上が期待されるものの、射出充填時の樹脂流動抵抗が大きいことから、用いる射出装置の高圧、大型化を避けることができないという問題があった。また、用いる樹脂としても、高流動タイプに制約されるという問題があった。さらに、特許文献3に開示された方法の場合、スキン層の形成が遅延することによって製品の外観の向上が期待されるものの、発泡工程の終了後に金型を強制的に冷却する必要があることから、特殊な金型及び温度調節器を必要とするとともに、温度調節に時間が掛かり、実用的ではないという問題があった。
本発明は、上述の従来技術の問題に鑑みてなされたもので、簡易、安全かつ効率的に、所望の気泡径及び密度で、表面状態の良好な射出発泡成形品を得ることが可能で、環境に与える負荷の少ない熱可塑性樹脂の射出発泡成形方法及び射出発泡成形装置を提供することを目的とする。
本発明は上述の目的を達成するためになされたものであり、本発明によって、以下の熱可塑性樹脂の射出発泡成形方法及び射出発泡成形装置が提供される。
[1]可塑化した熱可塑性樹脂に発泡剤を含有させた発泡剤含有可塑化樹脂を射出する射出装置と、前記射出装置から射出された前記発泡剤含有可塑化樹脂を容積が拡大縮小可能な金型キャビティに充填する金型とを用い、前記発泡剤含有可塑化樹脂が充填された前記金型キャビティを拡大することによって前記発泡剤含有可塑化樹脂を発泡成形させる熱可塑性樹脂の射出発泡成形方法であって、前記熱可塑性樹脂中への前記発泡剤の含有を、前記発泡剤として発泡性ガスを用い、前記発泡性ガスを前記射出装置に0.1MPa以上、1.0MPa未満の圧力で供給し、前記射出装置に存在する可塑化前又は可塑化された前記熱可塑性樹脂に前記発泡性ガスを接触させることによって行い、型締状態の前記金型キャビティ内に、予め圧力調整ガスを注入して、前記金型キャビティ内の圧力を、前記発泡性ガスの供給圧力と略同一とさせた後に、前記射出装置から前記発泡剤含有可塑化樹脂を、前記金型キャビティ内に射出充填し、前記発泡剤含有可塑化樹脂を前記金型キャビティ内に射出充填中又は射出充填後に、前記金型キャビティ内に注入された前記圧力調整ガスを排出し、前記発泡剤含有可塑化樹脂の前記金型キャビティ内への射出充填後に、前記金型キャビティを拡大して前記発泡剤含有可塑化樹脂を発泡させることを特徴とする熱可塑性樹脂の射出発泡成形方法。
[2]前記発泡性ガスとして、空気、二酸化炭素ガス、窒素ガス、又はこれらの混合ガスを用いるを用いる前記[1]に記載の熱可塑性樹脂の射出発泡成形方法。
[3]前記発泡剤として、前記発泡性ガスに加えて、気泡核形成剤を用いる前記[1]又は[2]に記載の熱可塑性樹脂の射出発泡成形方法。
[4]前記圧力調整ガスとして、前記発泡性ガス又はそれに類するガスを用いる前記[1]〜[3]のいずれかに記載の熱可塑性樹脂の射出発泡成形方法。
[5]可塑化した熱可塑性樹脂に発泡剤を含有させた発泡剤含有可塑化樹脂を射出する射出装置と、前記射出装置から射出された前記発泡剤含有可塑化樹脂を、容積が拡大縮小可能な金型キャビティに充填する金型と、前記発泡剤としての発泡性ガスを前記射出装置に0.1MPa以上、1.0MPa未満の圧力で供給し、前記射出装置に存在する可塑化前又は可塑化された前記熱可塑性樹脂に前記発泡性ガスを接触させて、前記熱可塑性樹脂に前記発泡剤を含有させる発泡性ガス供給手段と、前記射出装置から前記発泡剤含有可塑化樹脂を、前記金型キャビティ内に射出充填する前に、型締状態の前記金型キャビティ内に、前記金型キャビティ内の圧力が、前記発泡性ガスの供給圧力と略同一となるように、予め圧力調整ガスを注入するとともに、前記発泡剤含有可塑化樹脂を前記金型キャビティ内に射出充填中又は射出充填後に、前記金型キャビティ内に注入された前記圧力調整ガスを排出する圧力調整ガス注入排出手段とを備え、前記発泡剤含有可塑化樹脂が充填された前記金型キャビティを拡大することによって前記発泡剤含有可塑化樹脂を発泡成形させることが可能なことを特徴とする射出発泡成形装置。
本発明によって、簡易、安全かつ効率的に、所望の気泡径及び密度で、表面状態の良好な射出発泡成形品を得ることが可能で、環境に与える負荷の少ない熱可塑性樹脂の射出発泡成形方法及び射出発泡成形装置が提供される。
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照しつつ具体的に説明する。
図1は、本発明の熱可塑性樹脂の射出発泡成形方法に用いられる横型締タイプの射出成形装置の一の実施の形態の全体構成を模式的に示す説明図である。
図1に示すように、本発明の熱可塑性樹脂の射出発泡成形方法は、可塑化した熱可塑性樹脂に発泡剤を含有させた発泡剤含有可塑化樹脂を射出する射出装置30と、射出装置30から射出された発泡剤含有可塑化樹脂を容積が拡大縮小可能な金型キャビティ10aに充填する金型10とを用い、発泡剤含有可塑化樹脂が充填された金型キャビティ10aを拡大することによって発泡剤含有可塑化樹脂を発泡成形させる熱可塑性樹脂の射出発泡成形方法である。そして、熱可塑性樹脂中への発泡剤の含有を、発泡剤として発泡性ガスを用い、発泡性ガスを射出装置に0.1MPa以上、1.0MPa未満の圧力で供給し、射出装置30に存在する可塑化前又は可塑化された熱可塑性樹脂に前記発泡性ガスを接触させることによって行うことを一つの特徴とする。
具体的には、発泡剤として発泡性ガス及び必要に応じて気泡核形成剤の混合体を用い、この発泡性ガス又は混合体を射出装置30の供給部(ホッパ)35又は可塑化部(可塑化シリンダ及びスクリュ)31、32に、通常0.1MPa以上、1.0MPa未満、好ましくは0.5〜0.9MPaの圧力で供給することを挙げることができる。混合体(発泡性ガス)の供給圧力が、0.1MPa未満であると、所望する気泡密度や気泡径を得ることができず、1.0MPa以上であると、発泡セルの粗大化や、成形品の部位によって発泡倍率に大きな差異が生じる等の異常が発生することがあり、また、スワルマークによる成形品の外観不良が顕著となる。また、混合体(発泡性ガス)の供給圧力を0.1MPa以上、1.0MPa未満の圧力としたことによって、発泡性ガスを超臨界状態として使用する従来のような超臨界流体の発生装置及び供給装置を必要とすることがない。
混合体又は発泡性ガスの射出装置30の供給部(ホッパ)35又は可塑化部(可塑化シリンダ及びスクリュ)31、32への供給を、供給圧力を制御した状態(図1では制御装置70を示す)で行うことが好ましい。制御装置70については後述する。
本発明に用いられる熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリスチレン樹脂、AS樹脂、ABS樹脂等のスチレン系樹脂;ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のオレフィン系樹脂;ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル系樹脂;ポリアセタール樹脂;ポリカーボネート樹脂;変性ポリフェニレンエーテル樹脂;オレフィン系熱可塑性エラストマー等を挙げることができる。これらの樹脂は、用途等に応じて1種類単独でも2種類以上を混合して使用してもよく、また、これらの熱可塑性樹脂には、必要に応じて可塑剤、剥離剤、帯電防止剤、難燃剤、発泡剤等の種々の添加剤や物性改良のための各種フィラー、ガラス繊維、カーボン繊維等、さらには、着色剤、染料等を混合して使用してもよい。
本発明に用いられる発泡性ガスとしては、例えば、空気、二酸化炭素ガス、窒素ガス、又はこれらの混合ガスを好適例として挙げることができる。中でも、得られる成形品の性状の面から、空気又は二酸化炭素ガスがさらに好ましい。なお、これらの発泡性ガスの選択に際しては、樹脂の耐酸化性を考慮することが好ましい。一部に酸化されやすい基を含む樹脂に対しては、空気以外のガスを使用することが好ましい。例えば、ポリプロピレン樹脂等の、耐酸化性が問題とならない樹脂の場合には、空気を用いることが、入手の容易性の面から好ましい。さらに、発泡性ガスを0.1MPa以上、1.0MPa未満で注入することにより、環境に有害な(環境に与える負荷が大きい)発泡剤、導入・取り扱いが煩雑で法的規制を受ける超臨界流体等の発生装置及び供給装置を用いることなしに、所望する気泡密度や気泡径を有し、有害な分解生成物の残留がない熱可塑性樹脂の射出発泡成形品を、簡易、安全かつ効率的に得ることができる。
気泡核形成剤としては、例えば、酸化鉄、珪酸カルシウム、珪酸アルミニウム、ガラス繊維、タルク、炭酸水素ナトリウム(重曹)等の無機物の微粉末;ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム等の有機酸の金属塩;クエン酸、酒石酸等の有機酸等を挙げることができる。これらの気泡核形成剤は、1種類単独でも2種類以上を混合して使用してもよい。なお、気泡核形成剤は、予め樹脂に混合した状態で射出装置に供給してもよく、発泡性ガスと一緒にして混合ガス状態で供給してもよい。
混合体又は発泡性ガスの射出装置への供給箇所を、射出装置30の供給部(ホッパ)35又は可塑化部(可塑化シリンダ及びスクリュ)31、32(例えば、発泡剤含有可塑化樹脂中)としたので、発泡性ガスや気泡核形成剤を可塑化樹脂中に、十分に分散、混合させることができる。また、混合体又は発泡性ガスを、射出装置30の可塑化部(可塑化シリンダ及びスクリュ)31、32へ供給する場合、可塑化部(可塑化シリンダ及びスクリュ)31、32に配設されたスクリュを2ステージスクリュとすることが、さらに確実に、発泡性ガスや気泡核形成剤を可塑化樹脂中に分散、混合させることができることから好ましい。なお、スクリュ32としては、高分散性のスクリュヘッドを備えたものであることが、可塑化樹脂と、発泡性ガス及び気泡核形成剤との分散、混合性を高める観点から好ましい。なお、気泡核形成剤は、発泡性ガスと区別して、射出装置へ供給してもよい。また、熱可塑性樹脂に予め混合した状態で供給してもよい。
本発明の他の特徴は、型締状態の金型キャビティ10a内に、予め圧力調整ガスを注入して、金型キャビティ10a内の圧力を、発泡性ガスの供給圧力と略同一とさせた後に、射出装置30から発泡剤含有可塑化樹脂を、金型キャビティ10a内に射出充填し、発泡剤含有可塑化樹脂を金型キャビティ10a内に射出充填中又は射出充填後に、金型キャビティ10a内に注入された圧力調整ガスを排出することである。
このような圧力調整ガスの注入、排出は、圧力調整ガス供給手段80を用いて、圧力を制御した状態(図1では制御装置70を示す)で行うことが好ましい。制御装置70については後述する。
図2は、本発明の熱可塑性樹脂の射出発泡成形方法に用いられる圧力調整ガス供給手段の一例の基本構成を模式的に示す説明図である。図2に示すように、圧力調整ガス供給手段80は、樹脂が逆流しない逆止弁構造の圧力調整ガス注入バルブ81、圧力調整ガス供給源82(符号85は圧力調整ガスボンベを示す)、圧力調整ガス供給装置83(符号84は圧力調整ガス注入/排出切り替え弁を示す)を有している。なお、排出された圧力調整ガスは、大気に開放してもよく、再利用してもよい。このように構成することによって、簡易、安全かつ効率的に、表面状態の良好な射出発泡成形品を得ることが可能で、環境に与える負荷も少なくすることができる。
ここで、圧力調整ガスとして、上述の発泡性ガス(例えば、空気、二酸化炭素ガス、窒素ガス、又はこれらの混合ガス)を用いてもよく、それに類するガスを用いてもよい。発泡性ガスに類するガスとしては、例えば、炭化水素類、フルオロカーボン類等の気化性ガスを挙げることができる。酸化劣化し易い樹脂(例えば、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアミド等)の場合は、二酸化炭素、窒素、又はこれらの混合ガスのような不活性ガスを用いることが好ましく、酸化劣化し難い樹脂(例えば、ポリプロピレン)の場合は、圧縮空気等を用いてもよい。このように圧力調整ガスを予め金型キャビティに注入する手法は、発泡層を含む多層成形方法、表皮インサートと発泡成形との組み合わせにも適用することができる。
本発明においては、次に、発泡剤含有可塑化樹脂の金型キャビティ10a内への射出充填後に、金型キャビティ10aを拡大して発泡剤含有可塑化樹脂を発泡させる。ここで、金型キャビティ10aを拡大する速度(拡大速度)は、使用する樹脂、目標とする発泡倍率、成形温度条件等により適宜選択することができる。目安としては、樹脂の冷却固化の過程での樹脂の伸張粘度の増大速度で判断し、増大速度の大きい樹脂を用いた場合には、1.0〜10mm/秒の速い拡大速度に設定することが好ましく、逆に、増大速度の小さい樹脂の場合は、0.1〜10mm/秒の遅い拡大速度に設定することが好ましい。いずれの場合でも、成形品の発泡状態を観察しながら、最適な拡大速度に設定することが好ましい。金型キャビティ10aを拡大する方法については後述する。
図1は、上述のように、本発明の熱可塑性樹脂の射出発泡成形方法に用いられる横型締タイプの射出成形装置の一の実施の形態の全体構成を模式的に示す説明図であるが、本発明の射出発泡成形装置の一の実施の形態の全体構成を模式的に示す説明図にも相当する。本発明の射出発泡成形装置は、例えば、図1に示すように、可塑化した熱可塑性樹脂に発泡剤を含有させた発泡剤含有可塑化樹脂を射出する射出装置30と、射出装置30から射出された発泡剤含有可塑化樹脂を、容積が拡大縮小可能な金型キャビティ10aに充填する金型10と、発泡剤としての発泡性ガスを射出装置30に0.1MPa以上、1.0MPa未満の圧力で供給し、射出装置30に存在する可塑化前又は可塑化された熱可塑性樹脂に発泡性ガスを接触させて、熱可塑性樹脂に発泡剤を含有させる発泡性ガス供給手段40と、射出装置30から発泡剤含有可塑化樹脂を、金型キャビティ10a内に射出充填する前に、型締状態の金型キャビティ10a内に、金型キャビティ10a内の圧力が、発泡性ガスの供給圧力と略同一となるように、予め圧力調整ガスを注入するとともに、発泡剤含有可塑化樹脂を金型キャビティ10a内に射出充填中又は射出充填後に、金型キャビティ10a内に注入された圧力調整ガスを排出する圧力調整ガス注入排出手段80とを備え、発泡剤含有可塑化樹脂が充填された金型キャビティ10aを拡大することによって発泡剤含有可塑化樹脂を発泡成形させることが可能なことを特徴とするものである。
以下、図1に示す、本発明の射出発泡成形装置(横型締タイプの射出成形装置)の実施の形態についてさらに具体的に説明する。本発明の一の実施の形態の横型締タイプの射出発泡成形装置100は、金型10、型締装置20、射出装置30、発泡性ガス供給手段40、圧力調整ガス供給手段80及び制御装置70から構成されている。
金型10は、固定盤1に取付けられた固定金型3と可動盤2に取付けられた可動金型4とからなり、固定金型3と可動金型4とは半押込み構造であり嵌合部で嵌合され、嵌合された状態で固定金型3に形成されたキャビティ面と可動金型4に形成されたキャビティ面とが組み合わされて、金型キャビティ10aを形成する構成となっている。そして、半押込み構造の嵌合部は金型キャビティ10aの全周にわたって形成され、射出充填後に金型キャビティ10aを拡大しても金型キャビティ10aに充填した樹脂が金型10から漏れ出すことを防止している。
型締装置20は、金型10の型開、型締を作動する型締シリンダ22を備えており、可動金型4が固定金型3に対してタイバー(図示せず)に案内されて前後進できるように構成され、金型キャビティ10aの容積を拡大縮小可能にしている。
なお、本発明の実施の形態においては、金型10を所定のストローク開いても金型キャビティ10a内に充填した樹脂が漏れ出すことのない半押込み構造の金型10を用いたが、これに制限されるものではなく、発泡成形に適用可能なものであればそれ以外の、例えば、平押し構造等の金型を用いてもよい。また、本実施の形態では、直圧式の型締装置を有する横型締タイプの射出成形装置を用いたが、トグル式型締装置、電動サーボモータ式又は竪型締タイプの射出成形装置を用いてもよい。
射出装置30は、可塑化シリンダ31と、可塑化シリンダ31に内装されフライトを有するスクリュ32と、可塑化シリンダ31内に成形材料を供給するホッパ35とを備え、スクリュ32を前後進させるスクリュ移動手段33と、スクリュ32を回転駆動するスクリュ回転手段34が設けられ、発泡性ガス供給手段40から供給部(ホッパ)35又は可塑化部(可塑化シリンダ及びスクリュ)31、32内の発泡剤含有可塑化樹脂中に発泡性ガスが供給されるように構成されている。そして、可塑化シリンダ31外周面には、ヒータ(図示せず)が取付けられている。
射出装置30は、スクリュ回転手段34によってスクリュ32が回転することにより、ホッパ35からペレット状の成形材料が可塑化シリンダ31内に供給される構成となっており、供給されたペレット状の成形材料は、可塑化シリンダ31に取付けられたヒータによって加熱され、また、スクリュ32の回転によって混練圧縮作用を受けることにより発泡性ガス及び気泡核形成剤を分散、混合して可塑化(溶融)し、スクリュ32の前方へ送られる。スクリュ32の前方へ送られた発泡性ガス及び気泡核形成剤を分散、混練させた発泡剤含有可塑化樹脂は、スクリュ移動手段33により前進するスクリュ32によって、可塑化シリンダ31の先端に取付けられたノズル36から金型内へ射出充填することができる。気泡核形成剤として酸化鉄、珪酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛及びステアリン酸マグネシウムからなる群から選ばれる少なくとも一種の無機物の微粉末を用いる場合においては、後述する気泡核形成剤供給装置61、62から予め設定された成形条件に基づいて好適な量を供給することができる。
本実施の形態における射出装置30においては、スクリュ移動手段33を油圧シリンダとし、スクリュ回転手段34を油圧モータとしているが、これに限らず、電動サーボモータを用いたスクリュ移動手段やスクリュ回転手段を用いてもよい。また、本実施の形態では、可塑化と射出とを一本のスクリュで行なうインラインスクリュ方式の射出装置を有する構成としたが、可塑化と射出とを別々の機構で行なうスクリュプリプラ方式の射出装置を用いてもよい。さらに、本実施の形態においては、スクリュ32の形状を2ステージスクリュとしたが、例えば、発泡性ガスの供給位置をホッパ35とした場合においてはシングルステージスクリュとしてもよい。
発泡性ガス供給手段40は、空気供給源41と、二酸化炭素供給源42と、発泡性ガス供給装置43とを備え、空気供給源41と二酸化炭素供給源42とは供給路によって連結されている。さらに、発泡性ガス供給手段40は射出装置30の可塑化シリンダ31及びホッパ35に設けられたガス供給口への発泡性ガス供給路を備え、制御装置70の指令に基づき、射出装置30へ発泡性ガスを供給する。また、発泡性ガス供給装置43及び射出装置30に連結された供給路の末端近傍には気泡核形成剤を供給する気泡核形成剤供給装置61、62が設けられ、発泡性ガス中に、例えば、酸化鉄、珪酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛及びステアリン酸マグネシウムからなる群から選ばれる少なくとも一種の無機物の微粉末を供給する構成となっている。
発泡性ガス供給手段40は、図3に示すように、空気供給源41と、二酸化炭素供給源42と、発泡性ガス供給装置43とで構成されている。符号31は可塑化シリンダ、符号32はスクリュ、符号61、62は発泡性ガス中に気泡核形成剤を供給する気泡核形成剤供給装置である(図1と同じ符号を付した)。空気供給源41は、空気圧縮機45、圧力調整弁46、逆止弁47及び圧力計48を、二酸化炭素供給源42は、二酸化炭素ボンベ51、圧力調整弁52、圧力計54及び逆止弁55を、発泡性ガス供給装置43は、開閉弁56、57、電磁切替弁58、59を備えている。
空気供給源41は、空気圧縮機45によって圧縮された空気を、圧力調整弁46で減圧し、逆止弁47を経て発泡性ガス供給装置43に供給する構成となっており、発泡性ガス供給装置43に供給された空気は、開閉弁56及び電磁切替弁58、59を経由して可塑化シリンダ31及び/又はホッパ35から射出成形装置30内へ送り込むことができる。開閉弁56を開くことによって圧力調整弁46にて所望の圧力に減圧された空気は、逆止弁47を経て発泡性ガス供給装置43へ供給される。発泡性ガス供給装置43へ供給された空気を、電磁切替弁58を開くことで可塑化シリンダ31の略中央部に設けられた発泡剤含有可塑化樹脂中への供給口から、電磁切替弁59を開くことでホッパ35に設けられたガス供給口から、それぞれ送り込むことができる。本発明の実施の形態において、空気源として空気圧縮機45を用いる構成としたが、工場エアを空気源として用いることができる場合には、工場エアを所定の圧力に減圧し直接発泡性ガス供給装置43に連結する構成としてもよい。
一方、二酸化炭素源42は、二酸化炭素ボンベ51内の二酸化炭素を、圧力調整弁52で減圧し、逆止弁55を経て発泡性ガス供給装置43に供給する構成となっており、発泡性ガス供給装置43に供給された二酸化炭素は、開閉弁57及び電磁切替弁58、59を経由して可塑化シリンダ31及びホッパ口から射出成形装置30内へ送り込むことができる。開閉弁57を開くことによって圧力調整弁52にて所望の圧力に減圧された二酸化炭素は、逆止弁55を経て発泡性ガス供給装置43へ供給される。発泡性ガス供給装置43へ供給された二酸化炭素を、電磁切替弁58を開くことで可塑化シリンダ31の略中央部に設けられた可塑化樹脂中への供給口から、電磁切替弁59を開くことでホッパ35に設けられたガス供給口から、それぞれ送り込むことができる。
発泡性ガスとして窒素を用いる場合の窒素供給源は、図3において、二酸化炭素供給源42と同一の構成であって、窒素源として窒素ボンベを二酸化炭素ボンベ51に置き換えた形態の構成とする。また、窒素供給源を用いることなく、例えば、空気供給源41にガス透過膜を有した窒素ガス分離装置を備えて、空気中の窒素を分離し、空気圧縮機45に供給する形態としてもよい。
圧力調整ガス供給手段80としては、上述の構成のものを用いることができる。
制御装置70は、図1に示すように、成形材料の可塑化と、発泡性ガス及び気泡核形成剤としての酸化鉄、珪酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛及びステアリン酸マグネシウムからなる群から選ばれる少なくとも一種の無機物の微粉末の供給と、発泡剤含有可塑化樹脂の金型10内への射出と、圧力調整ガスの注入・排出を制御する射出制御部71、金型10の開閉や型締力を制御する型締制御部72、成形条件設定部73及びタイマ類T等から構成されている。型締制御部72は、樹脂の発泡工程の開始時に金型キャビティ10aの容積が所望の容積となるよう可動盤2の位置を移動させる位置及び速度の設定部を備えるとともに、発泡工程の完了時まで可動盤2の位置を保持する制御ができるようになっている。発泡工程は、金型キャビティ10a内に樹脂が充填完了したことを検出し型締力を降圧する工程と金型キャビティ10aの容積を拡大する工程とを有し、型締力の降圧工程中にスキン層と発泡核とが形成され、型締力の降圧速度が速いほど多くの発泡核が形成される。また、金型キャビティ10aの拡大速度は成形樹脂の伸長粘度によって設定し、伸長粘度が低い場合は拡大速度を遅く、伸長粘度が高い場合は拡大速度を速く設定することが好ましい。
以下、上述の横型締タイプの射出発泡成形装置100を用いて、射出成形をする場合の工程の流れを、図4を用いて図1を参照しつつ具体的に説明する。図4は、型締状態の金型への圧力調整ガスの注入から、型開状態で成形品を取り出すまでの一連の金型等の動作を模式的に示す断面図であり、図4(a)は、型締状態における金型、図4(b)は、圧力調整ガスの注入、図4(c)は、発泡剤含有可塑化樹脂の射出、図4(d)は、発泡剤含有可塑化樹脂の充填及び圧力調整ガスの排出、図4(e)は、発泡後の冷却保持、図4(f)は、型開状態における成形品の取出しをそれぞれ示す。
図4(a)(図1参照)に示すように、型締シリンダ22のピストンヘッド側に圧油を供給してピストンロッドを前進移動させることにより、可動盤2を固定盤1の方向へ移動させ金型10を型締して保持する。金型10に作用させる型締力は樹脂充填時の際に樹脂の充填圧力で金型10が開かない最小の値とすることが、使用エネルギーや成形装置寿命の観点から好ましい。
図4(b)(図1参照)に示すように、型締完了後、圧力調整ガス供給手段80から圧力調整ガス注入バルブ81を経由して、型締状態の金型キャビティ10a内に、予め圧力調整ガスGを注入して、金型キャビティ10a内の圧力を、発泡性ガスの供給圧力と略同一とさせる。なお、図4(b)中の符号82はガスシール部を示す。
図4(c)(図1参照)に示すように、注入した圧力調整ガスGが予め設定した圧力に到達した後、予め設定した射出充填量、射出圧力、射出速度に基づいて金型キャビティ10a内に発泡剤含有可塑化樹脂Rの射出充填を行う。この場合、スクリュ回転手段34に圧油を供給してスクリュ32を回転させることによりホッパ35から供給した成形材料を、可塑化シリンダ31に取付けたヒータで加熱し、また、スクリュ32の回転によって混練圧縮作用を受け可塑化(溶融)させるとともに、発泡性ガスと発泡核形成剤とを分散、混合させてスクリュ32前方へ送る。スクリュ32前方へ送り込まれた発泡性ガスと発泡核形成剤とを分散、混合した発泡剤含有可塑化樹脂を、スクリュ移動手段33に圧油を供給してスクリュ32を前進させることにより、金型キャビティ10a内に射出充填することができる。
図4(d)(図1参照)に示すように、発泡剤含有可塑化樹脂Rを金型キャビティ10a内に射出充填中又は射出充填後に、金型キャビティ10a内に注入された圧力調整ガスGを排出する。
図4(e)(図1参照)に示すように、圧力調整ガスGの排出後、発泡剤含有可塑化樹脂の充填完了後、型締シリンダ22のピストンヘッド側に作用させた圧油を減圧して型締力を降圧する。次いで、型締シリンダ22のピストンロッド側に圧油を供給してピストンロッドを後退移動させることにより、可動盤2(可動金型4)を反固定盤方向へ移動させ金型10を型開して金型キャビティ10aの容積を拡大する。金型キャビティ10a容積の拡大制御は、型締制御部72に備えた可動盤2(可動金型4)の位置を移動させる位置及び速度の設定部の設定値に基づいて行い、可動盤2(可動金型4)は予め設定された位置で停止するとともに、金型内の樹脂発泡圧力によって可動盤2(可動金型4)が押し戻されないように位置保持する。このように金型容積の拡大制御を行なって金型キャビティ10aの容積を拡大することで、金型キャビティ10a内の樹脂圧力が減少し始め、同時に樹脂内部において発泡が起こり始める。予め設定された成形品の冷却時間だけ金型キャビティ10aの容積を保持した冷却する。なお、図4(e)中、発泡樹脂を符号Bで示す。
図4(f)(図1参照)に示すように、保持冷却の後、金型10の可動金型4を発泡成形品Pの取り出し位置まで後退させ発泡成形品Pを得ることができる。本実施の形態においては、金型10を僅かに開いた状態であっても固定金型3と可動金型4とは嵌合部で嵌合されており、金型キャビティ10a内の発泡剤含有可塑化樹脂が金型10の外へ漏れ出すことがない。
以下、本発明を実施例によってさらに具体的に説明する。
(実施例1)
射出成形装置として全電動トグル式射出成形機(宇部興産機械(株)製、商品名:UBE−MD350S−IV、型締力3430KN、スクリュー径φ52mm)を、熱可塑性樹脂としてポリプロピレン(三井化学(株)製、自動車内装グレード品、MRF35、添加剤としてのゴム及びタルクを含む)を用いた。気泡核形成剤としてタルクを、また、発泡性ガスとして二酸化炭素(CO2)を用い、可塑化シリンダ内の可塑化樹脂中に0.9MPaの圧力で注入した。可塑化スクリュは、スクリュ先端にミキシングヘッドを装着した2ステージスクリュを用いた。成形品は350×220mmの自動車内装品(グローブボックスアウター)で、充填時の金型キャビティ厚みが1.8mm、拡大後の厚みが3.6mm(容積拡大率2倍)を用いた。また、成形条件は樹脂温度200℃、金型温度40℃、型締力3430KN、射出率250g/秒、発泡倍率2.0に設定した。なお、型締状態の金型キャビティ内に、予め圧力調整ガスとして二酸化炭素(CO2)を注入して、金型キャビティ内の圧力を、発泡性ガスの供給圧力と略同一の0.9MPaとさせた後に、発泡剤含有可塑化樹脂を、金型キャビティ内に射出充填し、発泡剤含有可塑化樹脂を金型キャビティ内に射出充填後に、金型キャビティ内に注入された圧力調整ガスを排出した。得られた発泡成形品の評価は、外観状態は目視することにより、発泡状態は成形品の断面カット観察から発泡セルの大きさと分布の測定をすることにより、樹脂成形性は成形品の充填状態を目視することと、発泡性ガス、圧力調整ガスのシール性を観察することにより、塗装性能はアルミニウムメタリック焼付け塗装を行い、水浸テスト後の塗装状態の変化を観察することにより、また、生産性は通常の射出成形の成形サイクルと比較することによってそれぞれ行った。その結果を表1に示す。なお、発泡状態の評価は、微細発泡セルの集合体が得られた場合を○、部分的に粗大セルが混在した集合体が得られた場合を△、粗大セル又は内部空洞を有する集合体が得られた場合を×とした。製品外観は、シリバーストリークがない場合を○、シリバーストリークが少し見られる場合を△、シリバーストリークが多く見られる又は面転写性が悪い場合を×とした。樹脂成形性は、射出充填が良好な場合を○、射出充填がやや困難な場合を△、充填が困難で、発泡成形品の厚みに制限を生じる場合を×とした。塗装性能は、塗装の状態が良好な場合を○、光沢不良、変色、腐食等を生じた場合を×とした。生産性は、略同等な場合を○、極端に長い場合を×とした。発泡倍率は成形品の厚さを測定した。実施例1で得られた発泡成形品セル層の発泡状態は、発泡性ガスとして所定圧力の二酸化炭素(CO2)を用いたこと等から、所望する気泡密度や気泡径を有した微細発泡セルの集合体であり、また、外観状態も、圧力調整ガスの注入の効果によってスワルマーク及びシリバーストリークが少なく良好であった。そして、気泡核形成剤としてタルクを、発泡性ガスとして二酸化炭素(CO2)を用いたことから、成形時において有害な分解生成物が発生することもなく、従って、有害な分解生成物の残留がない、高品質な、熱可塑性樹脂の発泡成形品を得ることができた。また、取り扱うガスが、低圧ガス(高圧ガス取締法の対象外)であるため安全な作業を実現することができ、また、金型におけるガスシール部や発泡性ガス供給装置の構成を簡略化することができ低コストで発泡成形品を得ることができた。
(実施例2〜5)
発泡性ガス種類、発泡性ガス圧、圧力調整ガス種類及び圧力調整ガス圧を表1に示すものに変えたこと以外は実施例1と同様にした。その結果を表1に示す。
Figure 2007054994
表1中における、発泡性ガス圧、圧力調整ガス圧の単位は「MPa」であり、気泡核形成剤の含有量の単位は質量%である。
(比較例1〜5)
発泡性ガス種類、発泡性ガス圧、化学発泡剤、圧力調整ガス種類及び圧力調整ガス圧を表2に示すものに変えたこと以外は実施例1と同様にした。その結果を表2に示す。なお、比較例1、2は、発泡性ガスに超臨界状態の窒素ガスを用いた従来の物理発泡成形に、圧力調整用ガスの利用を組み合わせた成形方法の例を、比較例3、4は、目的とする成形品容積よりも、小さいキャビティに樹脂を充填する従来の成形方法の例を、比較例5は、金型を加熱/冷却するシステムを用いた従来の成形方法の例をそれぞれ示す。
Figure 2007054994
表2中における、発泡性ガス圧、圧力調整ガス圧の単位は「MPa」であり、気泡核形成剤及び化学発泡剤の含有量の単位は「質量%」である。
本発明の熱可塑性樹脂の射出発泡成形方法及び射出発泡成形装置は、軽量性、断熱性、吸音性及び同一質量での剛性等の物性に優れた熱可塑性樹脂の射出発泡成形品を必要とする種々の産業分野において好適に利用される。
本発明の熱可塑性樹脂の射出発泡成形方法に用いられる横型締タイプの射出成形装置の一の実施の形態の全体構成を模式的に示す説明図である。 本発明の熱可塑性樹脂の射出発泡成形方法に用いられる圧力調整ガス供給手段の一例を模式的に示す説明図である。 本発明の熱可塑性樹脂の射出発泡成形方法に用いられる発泡性ガス供給手段の一例を模式的に示す説明図である。 型締状態の金型への圧力調整ガスの注入から、型開状態で成形品を取り出すまでの一連の動作を模式的に示す断面図であり、図4(a)は、型締状態における金型、図4(b)は、圧力調整ガスの注入、図4(c)は、発泡剤含有可塑化樹脂の射出、図4(d)は、発泡剤含有可塑化樹脂の充填及び圧力調整ガスの排出、図4(e)は、発泡後の冷却保持、図4(f)は、型開状態における成形品の取出しをそれぞれ示す。
符号の説明
1: 固定盤
2: 可動盤
3: 固定金型
4: 可動金型
10: 金型
10a: 金型キャビティ
20: 型締装置
30: 射出装置
31: 可塑化シリンダ
32: スクリュ
33: スクリュ移動手段
34: スクリュ回転手段
35: ホッパ
36: ノズル
40: 発泡性ガス供給手段
41: 空気供給源
42: 二酸化炭素供給源
43: 発泡性ガス供給装置
45: 空気圧縮機
46: 圧力調整弁
47: 逆止弁
48: 圧力計
51: 二酸化炭素ボンベ
52: 圧力調整弁
54: 圧力計
55: 逆止弁
56: 開閉弁
57: 開閉弁
58: 電磁切替弁
59: 電磁切替弁
61: 気泡核形成剤供給装置
62: 気泡核形成剤供給装置
70: 制御装置
71: 射出制御部
72: 型締制御部
73: 成形条件設定部
80: 圧力調整ガス供給手段
81: 圧力調整ガス注入バルブ
82: 圧力調整ガス供給源
83: 圧力調整ガス供給装置
84: 圧力調整ガス注入/排出切り替え弁
85: 圧力調整ガスボンベ
100: 横型締タイプの射出発泡成形装置
R: 発泡剤含有可塑化樹脂
G: 圧力調整ガス
B: 発泡樹脂
P: 発泡成形品
T: タイマ類

Claims (5)

  1. 可塑化した熱可塑性樹脂に発泡剤を含有させた発泡剤含有可塑化樹脂を射出する射出装置と、前記射出装置から射出された前記発泡剤含有可塑化樹脂を容積が拡大縮小可能な金型キャビティに充填する金型とを用い、前記発泡剤含有可塑化樹脂が充填された前記金型キャビティを拡大することによって前記発泡剤含有可塑化樹脂を発泡成形させる熱可塑性樹脂の射出発泡成形方法であって、
    前記熱可塑性樹脂中への前記発泡剤の含有を、前記発泡剤として発泡性ガスを用い、前記発泡性ガスを前記射出装置に0.1MPa以上、1.0MPa未満の圧力で供給し、前記射出装置に存在する可塑化前又は可塑化された前記熱可塑性樹脂に前記発泡性ガスを接触させることによって行い、
    型締状態の前記金型キャビティ内に、予め圧力調整ガスを注入して、前記金型キャビティ内の圧力を、前記発泡性ガスの供給圧力と略同一とさせた後に、前記射出装置から前記発泡剤含有可塑化樹脂を、前記金型キャビティ内に射出充填し、
    前記発泡剤含有可塑化樹脂を前記金型キャビティ内に射出充填中又は射出充填後に、前記金型キャビティ内に注入された前記圧力調整ガスを排出し、
    前記発泡剤含有可塑化樹脂の前記金型キャビティ内への射出充填後に、前記金型キャビティを拡大して前記発泡剤含有可塑化樹脂を発泡させることを特徴とする熱可塑性樹脂の射出発泡成形方法。
  2. 前記発泡性ガスとして、空気、二酸化炭素ガス、窒素ガス、又はこれらの混合ガスを用いる請求項1に記載の熱可塑性樹脂の射出発泡成形方法。
  3. 前記発泡剤として、前記発泡性ガスに加えて、気泡核形成剤を用いる請求項1又は2に記載の熱可塑性樹脂の射出発泡成形方法。
  4. 前記圧力調整ガスとして、前記発泡性ガス又はそれに類するガスを用いる請求項1〜3のいずれかに記載の熱可塑性樹脂の射出発泡成形方法。
  5. 可塑化した熱可塑性樹脂に発泡剤を含有させた発泡剤含有可塑化樹脂を射出する射出装置と、
    前記射出装置から射出された前記発泡剤含有可塑化樹脂を、容積が拡大縮小可能な金型キャビティに充填する金型と、
    前記発泡剤としての発泡性ガスを前記射出装置に0.1MPa以上、1.0MPa未満の圧力で供給し、前記射出装置に存在する可塑化前又は可塑化された前記熱可塑性樹脂に前記発泡性ガスを接触させて、前記熱可塑性樹脂に前記発泡剤を含有させる発泡性ガス供給手段と、
    前記射出装置から前記発泡剤含有可塑化樹脂を、前記金型キャビティ内に射出充填する前に、型締状態の前記金型キャビティ内に、前記金型キャビティ内の圧力が、前記発泡性ガスの供給圧力と略同一となるように、予め圧力調整ガスを注入するとともに、前記発泡剤含有可塑化樹脂を前記金型キャビティ内に射出充填中又は射出充填後に、前記金型キャビティ内に注入された前記圧力調整ガスを排出する圧力調整ガス注入排出手段とを備え、前記発泡剤含有可塑化樹脂が充填された前記金型キャビティを拡大することによって前記発泡剤含有可塑化樹脂を発泡成形させることが可能なことを特徴とする射出発泡成形装置。
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