JP2020183109A - 樹脂成形方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】マイクロペレットの使用量を低減することができ、必要とする特性を有する樹脂成形品を得ることができる樹脂成形方法を提供する。【解決手段】樹脂成形方法においては、三次元形状に積層して成形された予備成形体2を成形型3内に配置する配置工程と、成形型3を透過した電磁波によって予備成形体2を加熱して溶融させ、溶融した樹脂材料20を成形型3内に充填する充填工程と、溶融した樹脂材料20を成形型3内において冷却して固化させる冷却工程とを行う。冷却工程においては、成形型3内に、予備成形体2の積層界面21がなくなるように一体化された樹脂成形品が成形される。【選択図】図2

Description

本発明は、電磁波を照射して樹脂成形品を成形する樹脂成形方法に関する。
熱可塑性樹脂の樹脂成形品を成形する方法としては、射出成形法、ブロー成形法、プレス成形法等がある。これらの成形方法においては、金属製の成形型である金型が使用され、金型を製造する際に、金属材料を三次元的に切削加工する必要があり、この切削加工に手間がかかる。一方、成形型を用いずに熱可塑性樹脂の成形を可能にした成形方法としては、3Dプリンター等として知られる積層造形法がある。積層造形法においては、成形型が不要である一方、成形された樹脂成形品に積層界面が残ることによる特性上の弱点がある。また、非金属材料からなる成形型を用いて熱可塑性樹脂の成形を可能にする成形方法としては、例えば、特許文献1に示される熱可塑性樹脂成形品の成形方法がある。
特許文献1の熱可塑性樹脂成形品の成形方法においては、金型の代わりにゴム型を用い、ゴム型の表面から照射される電磁波によって、ゴム型内の熱可塑性樹脂が加熱されて、熱可塑性樹脂成形品が得られる。この電磁波を用いて成形型内に熱可塑性樹脂の成形品を成形する方法のことを、便宜上、電磁波照射成形法と呼ぶ。また、特許文献1の熱可塑性樹脂成形品の成形方法においては、ゴム型のキャビティの一部に、キャビティの一部に沿った形状の固形状態の第1熱可塑性樹脂を配置するとともに、キャビティの残部に、固形状態、粒子状態又は溶融状態の第2熱可塑性樹脂を配置して、第1熱可塑性樹脂と第2熱可塑性樹脂とが一体化した熱可塑性樹脂成形品が得られる。
特開2011−140218号公報
しかしながら、特許文献1等の電磁波照射成形法においては、粒子状態の熱可塑性樹脂を用いる場合には、原料として、熱可塑性樹脂のペレットを更に微細化したマイクロペレットを用いる必要がある。このマイクロペレットの製造には手間がかかり、樹脂成形品の小ロット生産を行う場合等には不向きである。
また、特許文献1の電磁波照射成形法においては、どのような成形方法によって成形された固体状態の熱可塑性樹脂を用いるかについては記載されていない。仮に、電磁波を照射して成形した固体状態の熱可塑性樹脂を用いる場合には、原料としてマイクロペレットを用いる必要がある。
また、従来の積層造形法によって成形された樹脂成形品においては、成形された樹脂成形品に積層界面が残ることにより、積層方向の強度が低い、樹脂成形品の密度が低い、樹脂成形品の表面に段差又は凹凸がある等の課題がある。そのため、積層造形法によって成形された樹脂成形品によっては、必要とする特性を有する樹脂成形品が得られない場合がある。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたもので、マイクロペレットの使用量を低減することができ、必要とする特性を有する樹脂成形品を得ることができる樹脂成形方法を提供しようとして得られたものである。
本発明の一態様は、成形型内に、三次元形状に積層して成形された1つ又は複数の予備成形体を配置する配置工程と、
前記成形型を透過した電磁波、又は一対の電極によって印加される交番電界によって前記予備成形体を加熱して溶融させ、溶融した材料を前記成形型内に充填する充填工程と、
前記溶融した材料を前記成形型内において冷却して固化させ、前記成形型内に、前記予備成形体の積層界面がなくなるように前記材料が一体化された樹脂成形品を成形する冷却工程と、を含む樹脂成形方法にある。
前記一態様の樹脂成形方法においては、三次元形状に積層して成形された1つ又は複数の予備成形体を原材料として用いて、電磁波又は交番電界を用いて成形型内に樹脂成形品を成形する。以降、充填工程として示される、電磁波又は交番電界を用いて成形型内に樹脂成形品を成形する方法のことを、電磁波成形又は電磁波成形法という。具体的には、配置工程においては、成形型内に、三次元形状に積層して成形された1つ又は複数の予備成形体を配置する。予備成形体には、糸状の材料が積層されたもの、粒状の材料が積層されたもの等がある。
次いで、充填工程においては、成形型を透過した電磁波又は一対の電極によって印加される交番電界によって予備成形体を加熱して溶融させ、溶融した材料を成形型内に充填する。そして、冷却工程においては、溶融した材料を成形型内において冷却して固化させる。充填工程及び冷却工程が行われたときには、成形型内に、予備成形体の積層界面がなくなるように一体化された樹脂成形品が成形される。
前記一態様の樹脂成形方法においては、積層界面を有する予備成形体は、従来の積層造形法(3Dプリンター、AM:アディティブ・マニュファクチャリング等と呼ぶことがある。)によって成形することができる。そして、従来の積層造形法においては、固形状のペレットよりも小さい粒状のマイクロペレットを使用せずに樹脂の成形が可能である。そのため、マイクロペレットを製造する手間を省くことができる。なお、配置工程においては、成形する樹脂成形品の形状等を改善するために、粉末材料としてマイクロペレットを使用することは可能である。
また、前記樹脂成形方法において用いる成形型は、ゴム材料、硬化性樹脂材料、セメント材料、石膏材料等の非金属材料を用いて製造することができる。そのため、成形型の製造が容易であり、前記一態様の樹脂成形方法は、小ロットの生産にも適している。
また、予備成形体を用いた電磁波成形法による樹脂成形品においては、積層造形法による樹脂成形品においては得られなかった特性を得ることができる。具体的には、前記樹脂成形方法によれば、積層造形法によって成形された樹脂成形品における課題である、積層界面があることによって積層方向の強度が低いといった課題、樹脂成形品の密度が低いといった課題、樹脂成形品の表面に段差又は凹凸があるといった課題等を解決することができる。
また、例えば硬度が低い樹脂材料等の、マイクロペレットの製造が困難な種類の樹脂材料についても、従来の積層造形法によって成形した予備成形体を用いて電磁波成形を行うことにより、積層界面がほとんどない樹脂成形品を得ることができる。
このように、前記一態様の樹脂成形方法によれば、マイクロペレットの使用量を低減することができ、必要とする特性を有する樹脂成形品を得ることができる。
配置工程においては、成形する樹脂成形品の形状がそれほど複雑でない場合には、成形型内に、成形型のキャビティの形状に沿った1つの予備成形体を配置することができる。この場合には、充填工程及び冷却工程において、予備成形体の全体を溶融させて樹脂成形品を得ることができる。
また、配置工程においては、成形する樹脂成形品の形状が複雑である場合には、成形型内に、成形型のキャビティのそれぞれの部分の形状に沿った複数の予備成形体を配置することができる。この場合には、充填工程及び冷却工程において、複数の予備成形体を溶融させるとともに、予備成形体同士を、予備成形体同士が対面する界面部分において接合させて、樹脂成形品を得ることができる。
図1は、実施形態にかかる、樹脂成形方法の配置工程において、成形型内に予備成形体が配置された状態を示す説明図である。 図2は、図1の一部を拡大して示す説明図である。 図3は、実施形態にかかる、樹脂成形方法の充填工程及び冷却工程において、成形型内に樹脂成形品が成形された状態を示す説明図である。 図4は、図3の一部を拡大して示す説明図である。 図5は、実施形態にかかる、熱溶解積層装置を示す説明図である。 図6は、実施形態にかかる、押出成形装置を示す説明図である。 図7は、実施形態にかかる、インクジェット装置を示す説明図である。 図8は、実施形態にかかる、粉末焼結積層造形装置を示す説明図である。 図9は、実施形態にかかる、超音波粉末成形装置を示す説明図である。 図10は、実施形態にかかる、ナイロン注型装置を示す説明図である。 図11は、実施形態にかかる、予備成形型及び電磁波発生器を備える予備成形装置を示す説明図である。 図12は、実施形態にかかる、粒状物同士が表面部位の界面において互いに固着した状態を拡大して模式的に示す説明図である。 図13は、実施形態にかかる、予備成形体が成形型のキャビティ内に配置された状態を拡大して模式的に示す説明図である。 図14は、実施形態にかかる、ステージ上に粒状物層を形成する他の予備成形装置を示す説明図である。 図15は、実施形態にかかる、ステージ上の粒状物層に収束光を照射する他の予備成形装置を示す説明図である。 図16は、実施形態にかかる、他の予備成形装置を示す平面図である。 図17は、実施形態にかかる、樹脂成形方法の充填工程及び冷却工程において、他の成形型内に樹脂成形品が成形された状態を示す説明図である。 図18は、実施形態にかかる、他の電磁波成形装置を示す説明図である。
<実施形態>
前述した樹脂成形方法にかかる好ましい実施形態について、図面を参照して説明する。
本形態の樹脂成形方法においては、配置工程、充填工程及び冷却工程を行って、熱可塑性樹脂の樹脂成形品1を成形(製造)する。図1及び図2に示すように、配置工程においては、成形型3内に、三次元形状に積層して成形された1つ又は複数の樹脂の予備成形体2を配置する。
図3及び図4に示すように、充填工程においては、成形型3を透過した電磁波によって樹脂の予備成形体2を加熱して溶融させ、溶融した樹脂材料20を成形型3内に充填する。冷却工程においては、溶融した樹脂材料20を成形型3内において冷却して固化させ、成形型3内に、予備成形体2の積層界面21がなくなるように樹脂材料20が一体化された樹脂成形品1を成形する。
なお、図1及び図2においては、予備成形体2において複数に積層された樹脂材料20の断面を模式的に示す。また、図3及び図4においては、複数に積層された樹脂材料20が溶融して一体化された状態を模式的に示す。
以下に、本形態の樹脂成形方法について詳説する。
本形態の樹脂成形方法は、電磁波を用いて成形型3内に樹脂成形品1を成形する電磁波成形を行うものであり、この電磁波成形を行う際に成形型3内に配置する原材料として、積層造形法によって成形(造形)された予備成形体2を用いるものである。
(予備成形体2)
図2に示すように、予備成形体2は、種々の積層造形法によって三次元形状に積層されたものであり、熱可塑性樹脂の成形体によって構成されている。積層造形法は、ノズル511,521,531から糸状(線状)又は粒状に吐出する熱可塑性樹脂材料を三次元形状に積層する種々の3Dプリンター(AM:アディティブ・マニュファクチャリング)を用いて、樹脂成形品1を成形(造形)する方法である。
積層造形法による工法としては、熱溶解積層法(材料押出堆積法):FDM(Fused Deposition Modeling)、押出成形法、インクジェット法、粉末焼結積層造形法:SLS(Selective Laser Sintering)等がある。また、樹脂成形品1の一部を構成するための予備成形体2を成形する工法としては、超音波粉末成形法、ナイロン注型法等がある。
(熱溶解積層法)
図5に示すように、熱溶解積層法においては、熱溶解積層装置51を用いて、長尺状(糸状)の熱可塑性樹脂からなるフィラメント(樹脂材料)20Aを、加熱して溶融させた状態でノズル511から吐出して、テーブル514上に三次元形状に積層する。より具体的には、熱溶解積層装置51は、X方向及びY方向としての平面方向(水平方向)X,Yに移動可能なノズル511と、フィラメント20Aをノズル511に供給するための供給装置512と、ノズル511に供給されるフィラメント20Aを加熱する加熱装置513と、平面方向X,Yに直交するZ方向としての垂直方向(鉛直方向)Zに移動して、ノズル511から吐出されるフィラメント20Aを積層するためのテーブル514とを有する。
そして、平面方向X,Yに移動するノズル511から吐出される溶融状態のフィラメント20Aを、垂直方向Zに段階的に移動するテーブル514上及び既にテーブル514に積層されたフィラメント20A上に、垂直方向Zに向けて順次積層することによって、三次元形状の予備成形体2が得られる。熱溶解積層法によって成形された予備成形体2においては、糸状の樹脂材料20が積層界面21を介して積層されている。
熱溶解積層法においては、種々の熱可塑性樹脂の予備成形体2を成形することができる。熱溶解積層法においては、例えば、PLA(ポリラクティックアシッド樹脂)、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合樹脂)、TPU(熱可塑性ポリウレタン樹脂)、HIPS(耐衝撃性ポリスチレン樹脂)、PET/G(グリコール変性ポリエチレンテレフタレート樹脂)、PC(ポリカーボネート樹脂)、PA(ポリアミド樹脂)、PVA(ポリビニルアルコール樹脂)、PP(ポリプロピレン樹脂)等の造形をすることができる。
(押出成形法)
図6に示すように、押出成形法においては、熱可塑性樹脂の固体又は粉粒体を加熱して溶融させた後の糸状の樹脂材料20を、押出成形装置52のダイス520に設けられたノズル521から押し出して、テーブル526上に三次元形状に積層する。より具体的には、押出成形装置52は、固体又は粉粒体の樹脂材料20を投入するための投入口522と、投入口522から投入された樹脂材料20が収容されるシリンダー523と、シリンダー523内の樹脂材料20を加熱する加熱装置524と、シリンダー523内の樹脂材料20を混錬するスクリュー525と、スクリュー525の回転によって樹脂材料20が糸状に押し出されるダイス520及びノズル521と、ダイス520及びノズル521から押し出される樹脂材料20が三次元形状に積層されるテーブル526とを有する。
そして、ノズル521から吐出される樹脂材料20を、平面方向X,Yに移動するテーブル526上及び既にテーブル526に積層された樹脂材料20上に、垂直方向Zに向けて順次積層することによって、三次元形状の予備成形体2が得られる。押出成形法によって成形された予備成形体2においては、糸状の樹脂材料20が積層界面21を介して積層されている。
押出成形法においては、熱溶解積層法において列挙した熱可塑性樹脂と同様の熱可塑性樹脂を成形することができる。
(インクジェット法)
図7に示すように、インクジェット法においては、インクジェット装置53を用いて、液状の樹脂材料20をテーブル532上に滴下して固化させて、テーブル532上に三次元形状に積層する。より具体的には、インクジェット装置53は、X方向及びY方向としての平面方向(水平方向)X,Yに移動して、液状の樹脂材料20を滴下するノズルヘッド530のノズル531と、平面方向X,Yに直交するZ方向としての垂直方向(鉛直方向)Zに移動して、ノズルヘッド530のノズル531から滴下される液状の樹脂材料20を積層するためのテーブル532とを有する。また、インクジェット装置53は、テーブル532に滴下された液状の樹脂材料20の上層部をカットして、樹脂材料20の表面を平坦にするカットローラを有していてもよい。
そして、平面方向X,Yに移動するノズルヘッド530のノズル531から滴下された樹脂材料20を、垂直方向Zに段階的に移動するテーブル532上及び既にテーブル532に積層された樹脂材料20上に、垂直方向Zに向けて順次積層することによって、三次元形状の予備成形体2が得られる。インクジェット法によって成形された予備成形体2においては、平面方向X,Y及び垂直方向Zに粒状の樹脂材料20が積層界面21を介して積層されている。
インクジェット法においては、造形用ワックスの他に、固化しやすい熱可塑性樹脂の造形をすることができる。
(粉末焼結積層造形法)
図8に示すように、粉末焼結積層造形法においては、粉末焼結積層造形装置54を用いて、粉末状の樹脂材料20にレーザRを照射して、レーザRが照射された樹脂材料20の部分を加熱するとともに焼結させ、焼結された樹脂部分20Bによって樹脂材料20を三次元形状に造形する。粉末焼結積層造形装置54は、Z方向としての垂直方向Zに段階的に移動するとともに、粉末状の樹脂材料20を貯留する容器541と、レンズによって、垂直方向Zに直交する、X方向及びY方向としての平面方向X,YにCO2レーザ等のレーザRを移動させて、容器541内の粉末状の樹脂材料20に照射するレーザ照射装置542とを有する。
そして、平面方向X,Yに移動するレーザRによって、容器541内の粉末状の樹脂材料20を焼結(固化)させるとともに、容器541の垂直方向Zへの段階的な移動によって、焼結された樹脂部分20Bを積層することによって、三次元形状の予備成形体2が得られる。粉末焼結積層造形法によって造形(成形)された予備成形体2においては、平面方向X,Y及び垂直方向Zに粉末状(粒状)の樹脂材料20が積層界面21を介して積層されている。
また、粉末焼結積層造形法による粉末焼結積層造形装置54は、レーザRを使用する代わりに、ハロゲンランプ(近赤外線)等の熱を加える手段を使用し、フュージングエージェント(溶解促進剤)及びディテイリングエージェント(表面装飾剤)を用いて、三次元形状の予備成形体2を造形することもできる。より具体的には、粉末焼結積層造形装置54においては、粉末状の熱可塑性樹脂の上にフュージングエージェント及びディテイリングエージェントを噴射し、この噴射部分を近赤外線等によって加熱して溶融させて、粉末状の熱可塑性樹脂同士を融合させる。そして、粉末状の熱可塑性樹脂を層状に敷く工程、フュージングエージェント及びディテイリングエージェントを噴射する工程、及び噴射部分を加熱する工程を繰り返して、所望の形状の予備成形体2を成形することができる。この粉末焼結積層造形装置54によれば、高速で高品質な予備成形体2を得ることができる。
粉末焼結積層造形法においては、例えば、PA12(ポリアミド12樹脂)、ガラスビーズ添加PA12、PA11(ポリアミド11樹脂)、PA6(ポリアミド6樹脂)、PP(ポリプロピレン樹脂)、TPE(熱可塑性エラストマー樹脂)、ロストワックス用のPS(ポリスチレン樹脂)等の造形をすることができる。
(超音波粉末成形法)
図9に示すように、超音波粉末成形法においては、超音波粉末成形装置55を用いて、超音波振動するホーン551によって粉末状の樹脂材料20を溶融させて、超音波成形型552内に充填し、超音波成形型552内に三次元形状の成形体を成形(造形)する。超音波粉末成形装置55は、超音波振動して粉末状の樹脂材料20を溶融させるホーン551と、溶融した樹脂材料20が充填される超音波成形型552とを有する。
超音波粉末成形法によって成形される成形体においては、積層界面21はほとんど形成されない。超音波粉末成形法によって成形される成形体は、樹脂成形品1の一部を構成する予備成形体2として、他の積層造形法によって成形された予備成形体2とともに配置工程において用いることができる。この場合には、充填工程及び冷却工程を行ったときには、他の積層造形法によって成形された予備成形体2における積層界面21がなくなるとともに、この予備成形体2と、超音波粉末成形法によって成形された予備成形体2とが、予備成形体2同士の間の境界部分において溶融して接合される。
超音波粉末成形法においては、種々の熱可塑性樹脂の造形をすることができる。
(ナイロン注型法)
図10に示すように、ナイロン注型法においては、ナイロン注型装置56を用いて、ゴム型561内において液状のナイロンモノマーを重合させて、ゴム型561内に三次元形状の成形体を成形(造形)する。ナイロンモノマーは、ナイロン樹脂を成形するための原材料としてのモノマーである。ナイロン注型装置56は、ゴム型561の他に、ナイロンモノマーを加熱するための加熱装置を有する。
ナイロン注型法によって成形される成形体においては、積層界面21はほとんど形成されない。ナイロン注型法によって成形される成形体は、樹脂成形品1の一部を構成する予備成形体2として、他の積層造形法によって成形された予備成形体2とともに配置工程において用いることができる。この場合には、充填工程及び冷却工程を行ったときには、他の積層造形法によって成形された予備成形体2における積層界面21がなくなるとともに、この予備成形体2と、ナイロン注型法によって成形された予備成形体2とが、予備成形体2同士の間の境界部分において溶融して接合される。
ナイロン注型法においては、熱可塑性樹脂としてのナイロン樹脂の造形をすることができる。
(粒状物結合法)
図11に示すように、配置工程において用いられる予備成形体2は、樹脂成形品1の一部を構成するものとして、後述する電磁波成形装置4と同様の構成の予備成形装置4Aを用いて成形してもよい。この際に、予備成形体2の形状を有するキャビティ33が形成された予備成形型3Aと、後述する電磁波発生器42と同様の構成の電磁波発生器42Aを用いる。この予備成形型3A等を備える予備成形装置4Aを用いて予備成形体2を成形する方法を、粒状物結合法という。
粒状物結合法を採用する場合には、図12に示すように、配置工程において用いられる予備成形体2を、粒状の熱可塑性樹脂材料による粒状物221同士が接触する界面224が溶融して、粒状物221同士が間隙を介して互いに固着した三次元形状の粒状物結合体とする。粒状物221には、最大外形が0.5〜5mmの範囲内のペレットを用いることができる。粒状物結合体における界面224は、予備成形体2における積層界面21に相当する。
粒状物221同士が間隙を介して互いに固着する状態とは、粒状物221の表面部位222の一部同士が固着し、粒状物221の表面部位222の残部同士の間に間隙が形成されている状態のことをいう。換言すれば、粒状物221同士が間隙を介して互いに固着する状態とは、粒状物221同士が完全に溶け合わず、粒状物221の表面形状の多くが残ったままの状態で、予備成形体2の三次元形状を維持できる程度に粒状物221同士が互いに結合している状態のことをいう。図12は、粒状物221同士が表面部位222の界面224において互いに固着した状態を拡大して模式的に示す。粒状物221の表面部位222とは、粒状物221の中心部位223に残る未溶融の樹脂の芯を除く部位のことをいう。
ところで、従来の成形方法として、予備成形体2を用いずに電磁波成形を行う場合には、成形型のキャビティの形成状態によっては、成形型のキャビティ内に粒状の熱可塑性樹脂材料を十分に充填できないことがある。例えば、成形型の成形面の一部が鉛直方向に対して傾斜状に配置されると、粒状の熱可塑性樹脂材料が傾斜状の成形面を滑り落ちて下方に堆積し、キャビティの全体に、できるだけ均一に粒状の熱可塑性樹脂材料が配置されないことが想定される。
このような場合に、粒状物結合体は、充填工程及び冷却工程において、粒状の熱可塑性樹脂材料の一部を粒状物結合体に置き換えて、樹脂成形品1を成形するために用いると有効である。図13に示すように、充填工程においては、成形型3のキャビティ33の一部に、予備成形体2としての粒状物結合体を配置するとともに、成形型3のキャビティ33の残部に、粒状の熱可塑性樹脂材料を配置する。図13は、予備成形体2が成形型3のキャビティ33内に配置された状態を拡大して模式的に示す。キャビティ33内において、キャビティ33の成形面331と予備成形体2における凹凸状の表面201との間には、凹凸状の隙間S1が形成され、予備成形体2の粒状物221同士の間には、複雑な形状の隙間S2が形成される。
そして、充填工程においては、電磁波成形装置4の成形型3のキャビティ33内の粒状物結合体及び粒状の熱可塑性樹脂材料が樹脂材料20として溶融し、キャビティ33内に充填される。また、冷却工程においては、溶融した樹脂材料20が固化し、粒状物結合体の積層界面21がなくなるように樹脂材料20が一体化され、かつ成形型3の成形面331の形状が転写された樹脂成形品1が成形される。
粒状物結合法を利用する場合には、電磁波成形装置4の電磁波発生器42等を流用して予備成形体2としての粒状物結合体を成形することができる。そのため、装置の構成を簡略化して、必要とする特性を有する樹脂成形品1を得ることができる。
配置工程においては、粒状物結合体による予備成形体2のみを用いてもよく、粒状物結合体による予備成形体2と、他の成形法等による予備成形体2とを組み合わせて用いてもよい。
(他の予備成形装置57を用いた粒状物結合法)
また、粒状物結合法においては、予備成形装置4Aを用いる代わりに、粒状物を積層することによって予備成形体2としての粒状物結合体を成形する予備成形装置57を用いてもよい。具体的には、予備成形装置57は、図14〜図16に示すように、樹脂成形品1の成形に用いられる予備成形体2を成形するものである。予備成形装置57は、ステージ枠571、ステージ572及び光照射源573を備える。ステージ枠571は、鉛直上側に上端開口部571Aを有する枠形状に形成されている。ステージ572は、ステージ枠571の内側に配置されるとともに、ステージ枠571に対して鉛直方向に沿って相対的に昇降するよう構成されている。ステージ572には、粒状物221としてのペレットが、粒状物層22として規定厚みの範囲内に繰り返し層状に敷き詰められる。粒状物221は、樹脂を含有するものであり、0.5〜5mmの範囲内の最大外形を有する。
図15及び図16に示すように、光照射源573は、鉛直方向に対して直交する水平方向に平面形状を描くよう、ステージ572に対して相対的に収束光Gを移動させながら、ステージ572における粒状物層22に収束光Gを照射するよう構成されている。予備成形装置57は、ステージ572への粒状物層22の積層と、光照射源573による収束光Gの照射とを繰り返し交互に行うよう構成されている。
光照射源573は、平面移動機構574によって、ステージ572が昇降する鉛直方向に直交する方向に移動可能である。予備成形装置57は、ステージ572上に粒状物221を供給するための粒状物供給体575を備える。粒状物供給体575は、ステージ572の上方を移動して、ステージ枠571に囲まれたステージ572上に粒状物221を供給して、粒状物層22を形成する。
予備成形装置57においては、光照射源573の光のエネルギー、光照射源573の移動速度等が調整されて、粒状物層22への収束光Gの照射状態が制御される。そして、図12に示すように、粒状物層22における、光照射源573の収束光Gが照射された照射部位23において、粒状物層22における粒状物221の表面部位222が溶融し、表面部位222同士が接触する界面224が互いに固着する。また、互いに隣接する粒状物層22における粒状物221同士も界面224において互いに固着する。粒状物結合体における界面224は、予備成形体2における積層界面21に相当する。こうして、複数の粒状物221が互いに固着されて、予備成形体2としての粒状物結合体が成形される。
(その他の積層造形法)
説明した熱溶解積層法、押出成形法、インクジェット法、粉末焼結積層造形法以外にも、熱可塑性樹脂の樹脂材料20を積層して造形する種々の工法を用いて、予備成形体2を成形(造形)することができる。
例えば、図示は省略するが、予備成形体2は、電磁波成形装置4の成形型3のキャビティ33内に配置する種々の固形物とし、この固形物を用いて、配置工程、充填工程及び冷却工程を行って樹脂成形品1を成形してもよい。例えば、配置工程においては、成形型3のキャビティ33における垂直状又は傾斜状の部位に、固形物の樹脂材料を配置するとともに、キャビティ33の残部に粒状の樹脂材料を配置し、充填工程及び冷却工程を行って樹脂成形品1を成形してもよい。この場合の固形物は、例えば、熱溶解積層法による長尺状の樹脂のストランドが横に並んで配置されたものとしてもよい。この場合には、固形物を用いることにより、粒状の樹脂材料の滑り落ちを防止して、キャビティ33の全体に樹脂材料が充填されやすくすることができる。
また、図示は省略するが、成形する樹脂成形品1が、粒状の樹脂材料が充填されにくい螺旋形状等の特殊形状を有する場合には、成形型3の中心軸部分の外周に長尺状の固形樹脂材料を巻き付けることができる。また、固形樹脂材料の一部をコテ等によって局所的に加熱して溶融させ、固形樹脂材料が中心軸部分から落ちないようにすることができる。そして、成形型3の中心軸部分と外側部分とが合わさったときに、キャビティ33内に樹脂材料が配置された状態を形成することができる。この場合にも、固形物としての長尺状の固形樹脂材料を用いることにより、キャビティ33の全体に樹脂材料が充填されやすくすることができる。
また、図示は省略するが、成形型3のキャビティ33に配置する固形物は、コテ等の簡易的な加熱機器によって、キャビティ33の形状に沿った形状に変形させることもできる。例えば、キャビティ33又はキャビティ33の一部の形状が曲面形状を有する場合等に、この固形物を変形させる方法を用いることができる。
また、図示は省略するが、成形型3の型部同士が開けられた状態において、型部のキャビティ33の成形面331の上に粒状の樹脂材料を配置し、この粒状の樹脂材料同士を簡易的に結合させて、樹脂材料が型部から位置ずれしないようにすることもできる。そして、樹脂材料が配置された型部と他の型部とを閉じて、キャビティ33内に樹脂材料が配置された状態を形成することができる。
配置工程において成形型3内に配置される予備成形体2は、成形する樹脂成形品1の製品形状に近い形状(製品形状に倣った形状)であるニアネットシェイプとすることができる。この場合には、配置工程において、成形型3内にニアネットシェイプの1つの予備成形体2を配置し、充填工程及び冷却工程において、予備成形体2の全体を溶融させて樹脂成形品1を成形することができる。成形する樹脂成形品1の形状がそれほど複雑でない場合には、1つの予備成形体2を用いて成形することができる。
配置工程において成形型3内に配置する予備成形体2は、成形する樹脂成形品1が複数に分割された、複数の部分形状として成形することもできる。この場合には、複数の予備成形体2は、同じ種類の積層造形法によって成形されたものとしてもよく、異なる種類の積層造形法によって成形されたものとしてもよい。また、予備成形体2のうちのいずれかを積層造形法によって成形されたものとし、予備成形体2のうちの他のいずれかを超音波粉末成形法又はナイロン注型法によって成形されたものとすることもできる。
複数の積層造形法を組み合わせて用いる場合には、成形する樹脂成形品1における形状が微細な部分には、微細な成形に適した積層造形法によって成形された予備成形体2を配置することができる。また、この場合には、成形する樹脂成形品1における形状が単純な部分には、成形速度が速く、安価に成形が可能な積層造形法によって成形された予備成形体2を配置することができる。
(電磁波成形装置4)
図3に示すように、本形態の樹脂成形方法においては、成形型3、真空ポンプ41及び電磁波発生器42を備える電磁波成形装置4を用いる。成形型3は、製品としての樹脂成形品1の形状が反転されたキャビティ33を有する。真空ポンプ41は、成形型3のキャビティ33内を真空状態にするためのものである。電磁波発生器42は、成形型3に照射する電磁波を発生させるものである。
(成形型3,真空ポンプ41)
図1及び図3に示すように、本形態の成形型3は、ゴム材料によるゴム型によって構成されている。ゴム材料には、シリコーンゴムの他、種々のゴムを用いることができる。成形型3は、複数に分割された型部31,32の組み合わせによって構成することができる。成形型3は、一対の型部31,32に分割して形成されており、一対の型部31,32としての第1型部31と第2型部32との間には、樹脂成形品1を成形するためのキャビティ33が形成されている。
第1型部31及び第2型部32のいずれかには、キャビティ33内を大気圧よりも低い真空状態にするための真空ポンプ41が接続される真空口34が形成されている。本形態の真空口34は第2型部32に形成されている。真空ポンプ41によってキャビティ33内が真空状態になることにより、成形型3の外部から内部へ型締め力を作用させることができる。この型締め力により、キャビティ33内に配置されて溶融した予備成形体2の樹脂材料20がキャビティ33の成形面331に押し当てられ、キャビティ33の成形面331の形状が表面に転写された樹脂成形品1が成形される。
成形型3がゴム型によって構成されていることにより、成形型3の外部から内部へ圧力が作用するときには、成形型3が、キャビティ33の容積を縮小させるように内側へ弾性変形することができる。この成形型3の弾性変形により、キャビティ33内に成形する樹脂成形品1に、キャビティ33の成形面331の形状を効果的に転写することができる。
図17に示すように、第1型部31と第2型部32とは、互いに接近するようにスライドして、キャビティ33の容積を縮小できるスライド構造とすることもできる。この場合には、第1型部31及び第2型部32には、これらが相対的にスライドするためのガイド部35が形成されている。この場合には、キャビティ33内に予備成形体2が配置され、キャビティ33内が真空状態になってキャビティ33内の圧力が成形型3の外部の圧力よりも低くなるときには、第1型部31と第2型部32とが互いに接近する。これにより、キャビティ33の容積が縮小され、キャビティ33内の溶融した予備成形体2の樹脂材料20がキャビティ33の成形面331に、より効果的に押し当てられる。
図1に示すように、予備成形体2がキャビティ33内に配置されたときに、予備成形体2の表面201とキャビティ33の成形面331との間に隙間がほとんど形成されない場合には、第1型部31と第2型部32とはスライドしない固定構造とすることができる。一方、予備成形体2がキャビティ33内に配置されたときに、予備成形体2の表面201とキャビティ33の成形面331との間にある程度の隙間が形成される場合には、第1型部31と第2型部32とがスライドする構造とすることができる。
(成形型3の製造)
ゴム型による成形型3は、成形しようとする製品である樹脂成形品1のマスターモデルを転写させて製造することができる。より具体的には、型枠内にマスターモデルを配置し、この型枠内の隙間にゴム材料を注型して、このゴム材料を固化させる。その後、固化したゴム材料を切開して、その内部からマスターモデルを取り出し、ゴム材料による一対の型部31,32が形成される。また、ゴム材料が切開された位置が、一対の型部31,32の間の分割面(パーティングライン)332となる。
また、ゴム型による成形型3を構成する各型部31,32は、マスターモデルを用いて別々に製造することもできる。特に、一対の型部31,32がスライド可能な構造を有する場合には、各型部31,32にスライド用のガイド部35を形成するために、各型部31,32を別々に製造することができる。
マスターモデルは、製品の形状を有するものであり、種々の方法によって作製することができる。マスターモデルを、積層造形法によって作製する場合には、三次元造形物の積層界面21による段差状の表面を、切削、研削、塗装等を行って、滑らかな表面にすることができる。例えば、マスターモデルは、積層造形法等によって三次元形状に成形された成形品の表面を切削又は研削して形成することができる。また、マスターモデルは、三次元形状に成形された成形品の表面に、樹脂を含有する塗料等を塗装して形成することもできる。また、マスターモデルは、既に製品として使用された樹脂成形品における欠損部を修復したものとすることもできる。
また、成形型3は、製品の三次元のデジタルデータ(CADデータ等)を用いて、種々の積層造形法によって直接製造することもできる。例えば、成形型3は、三次元のデジタルデータを用い、紫外線(UV)によって硬化する液状樹脂に紫外線を当てて、層状の三次元造形物を形成する光造形法によって製造することができる。また、成形型3は、インクジェット法(マテリアルジェッティング法)等によって製造することもできる。また、成形型3を形成する際には、三次元造形物の積層界面21に応じて形成された段差状の表面を、切削、研削、塗装等を行って、滑らかな表面にすることができる。
成形型3は、ゴム型以外にも、硬化性樹脂材料によって形成された樹脂型、セメント材料によって形成されたセメント型、又は石膏材料によって形成された石膏型によって構成することができる。硬化性樹脂材料には、熱硬化性樹脂材料、光硬化性樹脂材料等がある。成形型3は、耐熱性のある、その他の種々の非金属材料によって構成することができる。
(電磁波,電磁波発生器42)
図3に示すように、本形態の充填工程において使用する電磁波は、0.78〜2μmの波長領域を含む電磁波(近赤外線)、0.01〜1mの波長領域を含む電磁波(マイクロ波)、又は1〜100mの波長領域を含む電磁波(高周波)である。近赤外線を使用する場合には、成形型3には、近赤外線を透過しやすい透明又は半透明のゴム型等を用い、成形型3を透過した近赤外線によって、成形型3内の熱可塑性樹脂の予備成形体2を加熱し、溶融させることができる。この場合には、成形型3における、近赤外線の透過率を、予備成形体2における、近赤外線の透過率よりも高くすることができる。換言すれば、成形型3における、近赤外線の吸収率を、予備成形体2における、近赤外線の吸収率よりも低くすることができる。
マイクロ波を使用する場合には、成形型3には、誘電損失(誘電体損失)が少ないゴム型等を用い、マイクロ波によって成形型3内の熱可塑性樹脂の予備成形体2に誘電損失を発生させて、予備成形体2を誘電加熱し、溶融させることができる。誘電損失とは、絶縁体に交番電界が加えられたときに、この絶縁体に生じるエネルギーロスのことをいう。このエネルギーロスによって絶縁体には熱が発生する。
マイクロ波を使用する場合には、成形型3の誘電力率(誘電正接,tanδ)を、予備成形体2の誘電力率よりも低くすることができる。成形型3の誘電力率が予備成形体2の誘電力率よりも低いことにより、成形型3に比べて予備成形体2に誘電損失を多く発生させることができる。マイクロ波を使用する場合には、種々の配色がなされたゴム型等を用いることができる。
充填工程においては、電磁波を発生させる電磁波発生器42が用いられる。電磁波発生器42は、近赤外線を発生させる場合には、ハロゲンランプ等とすることができる。また、電磁波発生器42は、マイクロ波を発生させる場合には、マイクロ波発振器等とすることができる。また、電磁波発生器42は、高周波を発生させる場合には、高周波発振器等とすることができる。
(誘電加熱器44)
図18に示すように、充填工程においては、電磁波発生器42の代わりに、一対の電極441に印加される高周波の交流電圧によって、成形型3のキャビティ33内の樹脂材料20及び成形型3に交番電界を印加する誘電加熱器44を用いてもよい。より具体的には、誘電加熱器44は、成形型3の両側に配置された一対の電極441間に加わる交流電圧によって、キャビティ33内の樹脂材料20及び成形型3に交番電界を印加するものである。誘電加熱器44は、一対の電極441によって交番電界を発生させる、電磁波としての高周波を用いたものとする。誘電加熱器44による交流電圧の周波数は、1m〜100mの波長領域を含む電磁波としての高周波とする。
誘電加熱器44とともに用いられる成形型3は、誘電損失によって発熱する性質を有する絶縁性のものである。誘電加熱器44の一対の電極441によって成形型3に交番電界が印加されるときには、成形型3又は樹脂材料20の少なくとも一方が誘電損失によって発熱し、樹脂材料20が溶融する。誘電損失の値は、絶縁体としての物質の種類に応じて決まる。また、誘電損失は、誘電正接tanδの値に応じて決まる。
また、成形型3における、キャビティ33の成形面331には、成形型3の他の部位である一般部に比べて誘電損失が大きい成形表面層を形成してもよい。成形表面層は、誘電損失を大きくするために、例えば、カーボンブラック、グラファイト、炭化珪素、フェライト、チタン酸バリウム、黒鉛及び二酸化マンガンよりなる群から選ばれた少なくとも1種の物質を含有していてもよい。
電極441の外形を成形型3の外形よりも大きくし、一対の電極441の間には、成形型3の全体を配置することができる。この場合には、一対の電極441と成形型3との位置関係は固定される。一方、電極441の外形を成形型3の外形よりも小さくし、一対の電極441の間には成形型3の一部が配置されるようにしてもよい。この場合には、一対の電極441に対して成形型3を相対的に移動させて、成形型3のキャビティ33内の各部に位置する樹脂材料20を順次溶融させることができる。
(樹脂成形方法の詳細)
本形態の樹脂成形方法においては、予備成形工程、配置工程、充填工程及び冷却工程を行うことによって、熱可塑性樹脂の樹脂成形品1を製造する。予備成形工程においては、積層造形法を用いて、ノズル511,521,531から吐出された樹脂材料20が積層された三次元形状の予備成形体2を成形する。この予備成形体2は、積層された糸状又は粒状の熱可塑性樹脂の樹脂材料20による三次元形状に成形されている。そして、予備成形体2の表面201には、樹脂材料20が積層されたことによって、段差状又は凹凸状の表面形状が繰り返し形成されている。また、積層された樹脂材料20同士の間には、樹脂材料20の表面が合わさったことによる積層界面21が形成されている。
次いで、配置工程においては、成形型3内に、三次元形状に積層して成形された予備成形体2を配置する。このとき、成形型3を構成する一対の型部31,32を開き、一対の型部31,32の間のキャビティ33に予備成形体2を配置する。予備成形体2には、使用された積層造形法の種類によって、樹脂材料20が糸状に積層されたもの、樹脂材料20が粒状に積層されたもの等がある。
キャビティ33には、1つの予備成形体2を配置する以外にも、複数の予備成形体2を配置することもできる。キャビティ33に複数の予備成形体2を配置する場合には、予備成形体2のいずれかは、積層造形法によって成形されたもの以外にも、超音波粉末成形法又はナイロン注型法によって成形されたものを用いることができる。
図2に示すように、成形型3のキャビティ33に予備成形体2が配置されたときには、キャビティ33の成形面331と予備成形体2における段差状又は凹凸状の表面201との間には、段差状又は凹凸状の隙間S1が形成される。この段差状又は凹凸状の隙間S1は、予備成形体2に積層界面21が形成されていることに伴って形成される。
キャビティ33に予備成形体2が配置される状態で一対の型部31,32が閉じられた後には、真空ポンプ41によって、第2型部32の真空口34からキャビティ33内が真空引きされる。このとき、キャビティ33内の隙間が真空状態になる。また、成形型3は、大気圧以上の圧力環境下に配置されている。そして、成形型3の外部の圧力が成形型3の内部(キャビティ33)の圧力よりも高いことによって、成形型3の外部から内部に向けて型締め力を作用させることができる。
また、充填工程において、成形型3内を真空引きするときには、予備成形体2によって成形型3内に形成された隙間S1,S2を介して、成形型3内の残留気体が成形型3の外部へ抜き出される。特に、積層界面21を有する、固体としての予備成形体2を利用することにより、残留気体を効果的に抜き出すことができる。
ところで、キャビティ33に予備成形体を配置したときに、キャビティ33の成形面331と予備成形体の表面の全体とが密着している場合には、樹脂材料が溶融する際に発生するガス(水分等)の抜け道がなくなり、キャビティ33内の真空引きが不十分となり、成形する樹脂成形品にボイド(気泡)が残るおそれがある。これに対し、本形態の充填工程等においては、真空ポンプ41によってキャビティ33内が真空引きされるときには、キャビティ33の成形面331と予備成形体2の段差状又は凹凸状の表面201とによって隙間S1が形成される。また、予備成形体2を構成する樹脂材料20同士の間には、隙間S2が形成される。
そして、キャビティ33内を真空引きするときには、予備成形体2における段差状又は凹凸状の表面201による隙間S1、及び予備成形体2を構成する樹脂材料20同士の間の隙間S2が、キャビティ33内の残留ガスの通り道、及び樹脂材料20が溶融する際に発生するガスの抜け道となる。これにより、キャビティ33内の真空引きを十分に行うことができ、成形する樹脂成形品1にボイドが残らないようにすることができる。
また、配置工程においては、成形する樹脂成形品1の形状が複雑である場合には、成形型3内に、成形型3のキャビティ33のそれぞれの部分の形状に沿った複数種類の予備成形体2を配置することができる。また、配置工程においては、予備成形体2とともに、予備成形体2を構成する熱可塑性樹脂と同じ成分の熱可塑性樹脂の粉末材料を、キャビティ33内に配置することもできる。この粉末材料は、例えば、キャビティ33の成形面331と予備成形体2の表面201との間に形成される隙間に補充して、成形する樹脂成形品1の一部の形状を補う目的で使用することができる。また、粉末材料には、マイクロペレットを用いることができる。
次いで、充填工程においては、電磁波発生器42によって0.01〜1mの波長領域を含む電磁波であるマイクロ波を発生させ、このマイクロ波を成形型3に照射する。このとき、成形型3を構成するゴム材料の誘電力率が、予備成形体2を構成する熱可塑性樹脂材料の誘電力率よりも低いことにより、成形型3に比べて予備成形体2がマイクロ波をより多く吸収する。これにより、成形型3を透過したマイクロ波によって、予備成形体2がより高温に加熱されて、溶融する。
予備成形体2が溶融するときには、キャビティ33内の圧力が成形型3の外部の圧力よりも低いことにより、成形型3が内側に若干潰れるように弾性変形する。そして、キャビティ33の成形面331と予備成形体2の表面201との間の隙間S1、及び予備成形体2を構成する樹脂材料20同士の間の隙間S2に、溶融した樹脂材料20が流れ込む。これにより、積層された樹脂材料20同士の間の積層界面21がなくなるとともに、キャビティ33内の隙間S1,S2が埋められて、溶融した樹脂材料20がキャビティ33内に充填される。また、充填工程においては、真空ポンプ41によるキャビティ33内の真空引きを継続することができる。
また、一対の型部31,32が互いに接近するようスライド可能なスライド構造の成形型3を用いる場合には、キャビティ33内の予備成形体2が溶融するときには、キャビティ33内の圧力が成形型3の外部の圧力よりも低いことにより、一対の型部31,32が互いに接近して、縮小されたキャビティ33内に溶融した樹脂材料20が充填される。この場合には、溶融した樹脂材料20によってキャビティ33内の隙間S1,S2がより効果的に埋められて、溶融した樹脂材料20がキャビティ33の成形面331により効果的に押し当てられる。
また、キャビティ33内に予備成形体2及び粉末材料が配置されている場合には、マイクロ波によって予備成形体2及び粉末材料が溶融したときには、粉末材料によって予備成形体2の三次元形状が補われる。また、キャビティ33内に複数種類の予備成形体2が配置されている場合には、マイクロ波によって複数種類の予備成形体2が加熱されて溶融し、予備成形体2同士が境界部分(界面部分)において接合される。予備成形体2同士の間の境界部分とは、キャビティ33内において予備成形体2同士が対面する部分のことをいう。
次いで、冷却工程においては、電磁波発生器42による電磁波の発生を停止させるとともに、真空ポンプ41によるキャビティ33内の真空引きを継続する。そして、成形型3の外部の圧力がキャビティ33内の圧力よりも高いことによって、一対の型部31,32に型締め力が作用する状態を維持する。また、冷却工程においては、キャビティ33内に樹脂材料20が充填された状態の成形型3が空気中に放置され、自然放冷又は強制放冷によって、成形型3及びキャビティ33内の樹脂材料20が冷却される。そして、溶融した樹脂材料20が成形型3内において冷却されて固化する。
充填工程及び冷却工程が行われたときには、成形型3内に、予備成形体2における樹脂材料20間の積層界面21がなくなるように樹脂材料20が一体化された樹脂成形品1が成形される。また、充填工程及び冷却工程が行われたときには、キャビティ33の成形面331の形状が滑らかに転写された表面を有する樹脂成形品1が成形される。また、キャビティ33の成形面331に、シボ加工、凹凸加工等の形状が形成されている場合には、この形状を樹脂成形品1の表面に転写することができる。また、キャビティ33の成形面331の転写によって、樹脂成形品1の表面が鏡面になるようにすることもできる。
充填工程において、電磁波発生器42の代わりに誘電加熱器44が用いられる場合には、誘電加熱器44の一対の電極441から成形型3に高周波の交番電界が印加され、この交番電界による誘電損失によって成形型3及びキャビティ33内の樹脂材料20の少なくとも一方が発熱する。成形型3が発熱する場合には、成形型3からの伝熱によってキャビティ33内の樹脂材料20が加熱される。また、成形型3に成形表面層が形成されているときには、交番電界によって成形表面層が発熱し、成形表面層からの伝熱によってキャビティ33内の樹脂材料20が加熱されてもよい。
(作用効果)
本形態の樹脂成形方法においては、三次元形状に積層して成形された予備成形体2を原材料として用い、電磁波を用いて成形型3内に樹脂成形品1を成形する。そして、積層界面21を有する予備成形体2は、種々の積層造形法によって成形することができる。そして、積層造形法においては、固形状のペレットよりも小さい粒状のマイクロペレットを使用せずに樹脂の成形が可能である。そのため、積層造形法によって予備成形体2を成形する際には、マイクロペレットを製造する手間を省くことができる。
通常のペレットの粒子サイズが3〜5mm程度であることに対して、マイクロペレットの粒子サイズは0.5〜1mm程度である。マイクロペレットは、電磁波成形を行う際に成形型3のキャビティ33に充填しやすくするために微粒化したものである。
また、本形態の樹脂成形方法において用いる成形型3は、ゴム材料、硬化性樹脂材料、セメント材料、石膏材料等の非金属材料を用いて製造されている。金属材料の成形型を製造する場合には切削加工等が必要になることに比べて、非金属材料を用いた成形型3の製造は、切削加工等が不要となって、容易である。また、本形態の樹脂成形方法は、成形型3の製造が容易であるため、小ロット(少量)の生産にも適している。
また、予備成形体2を用いた樹脂成形方法による樹脂成形品1においては、積層造形法による樹脂成形品においては得られなかった特性を得ることができる。具体的には、本形態の樹脂成形方法によれば、積層造形法によって成形された樹脂成形品における課題である、積層界面21があることによって積層方向の強度が低いといった課題、樹脂成形品の密度が低いといった課題、樹脂成形品の表面に段差又は凹凸があるといった課題等を解決することができる。
積層造形法によって成形された予備成形体2においては、積層された樹脂材料20同士の間には、樹脂材料20の表面同士が合わさった積層界面21が、積層された数に応じて形成されている。そして、成形された予備成形体2を樹脂材料20の積層方向に引っ張る場合には、積層界面21において剥がれが生じやすい。そのため、予備成形体2における積層方向の強度は、予備成形体2における他の方向の強度に比べて低くなる。
この強度の課題について、予備成形体2における樹脂材料20間の積層界面21がなくなるように樹脂材料20が一体化されることにより、樹脂成形品1において、樹脂材料20が積層された痕跡がほとんど分からなくなる。そして、樹脂成形品1においては、特定の方向から加わる力に対する強度が低いといった、強度の偏りを解消することができる。なお、積層方向は、樹脂材料20同士が合わさる方向として、糸状の樹脂材料20においては、樹脂材料20が延びる方向に直交する方向に形成され、粒状の樹脂材料20においては、樹脂材料20の周りの少なくとも3方向に形成される。
積層造形法によって成形された予備成形体2においては、積層された樹脂材料20同士の間には隙間S2が形成されている。この隙間S2は、予備成形体2中に空隙として存在することになる。そして、この隙間S2が存在するだけ、予備成形体2の密度は低くなり、予備成形体2の強度が低くなる。
この密度の課題について、予備成形体2における樹脂材料20間の積層界面21がなくなるように樹脂材料20が一体化されることにより、樹脂材料20同士の間の隙間S2が埋められる。そして、樹脂成形品1を構成する樹脂材料20の密度が高くなり、樹脂成形品1の強度が高くなる。
積層造形法によって成形された予備成形体2の表面201においては、予備成形体2における積層界面21の存在によって段差又は凹凸が形成されている。この段差又は凹凸の存在により、予備成形体2の表面201は、意匠外観性に優れない。
この意匠外観性の課題について、予備成形体2における樹脂材料20間の積層界面21がなくなるように樹脂材料20が一体化されることにより、予備成形体2の表面201に配置された樹脂材料20による段差又は凹凸がほとんどなくなる。そして、樹脂成形品1の表面の意匠外観性を良好にすることができる。
また、特に、熱溶解積層法によって造形品を造形(成形)する場合には、造形品の意匠外観及び強度を維持することを考慮すると、ノズル511から吐出させる樹脂材料20はできるだけ細くした方が好ましい。しかし、ノズル511から吐出させる樹脂材料20を細くすると、造形品の造形速度が遅くなる。
本形態の樹脂成形方法の予備成形工程においては、熱溶解積層装置51のノズル511から吐出させる樹脂材料20を太くすることができる。そして、充填工程及び冷却工程において、予備成形体2を再成形して樹脂成形品1をする。これにより、意匠外観及び強度を悪化させることなく、樹脂成形品1の成形速度(成形時間)を速くすることができる。
また、成形型3内に配置された粉末樹脂材料を電磁波によって溶融させて樹脂成形品を成形する従来の方法においては、円筒形状(中空形状)、深い立壁・リブ等の形状の樹脂成形品を成形する際には、成形型3のキャビティ33の端部までマイクロペレットを充填することが難しい。また、その他、マイクロペレットが行き渡りにくい複雑な形状の部分を成形することも難しい。
本形態の樹脂成形方法においては、予備成形体2を用いた電磁波成形を行うため、粉末樹脂材料を用いた電磁波成形によっては困難であった形状の成形が可能になる。また、マイクロペレットの充填が難しかった肉厚形状を有する樹脂成形品1についても、予備成形体2を用いた電磁波成形によれば精度よく成形することが可能になる。
また、例えば硬度が低い熱可塑性樹脂材料、ゴム及び樹脂の中間的な性質を有する熱可塑性エラストマー(TPE)等の、マイクロペレットの製造が困難な種類の樹脂材料20についても、従来の積層造形法によって成形した予備成形体2を用いて電磁波成形を行うことにより、積層界面21がほとんどない樹脂成形品1を得ることができる。
このように、本形態の樹脂成形方法によれば、マイクロペレットの使用量を低減することができ、必要とする機械的特性を有する樹脂成形品1を成形することができる。
本発明は、実施形態のみに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲においてさらに異なる実施形態を構成することが可能である。また、本発明は、様々な変形例、均等範囲内の変形例等を含む。さらに、本発明から想定される様々な構成要素の組み合わせ、形態等も本発明の技術思想に含まれる。
1 樹脂成形品
2 予備成形体
20 樹脂材料
21 積層界面
3 成形型
31,32 型部
33 キャビティ
331 成形面
4 電磁波成形装置
41 真空ポンプ
42 電磁波発生器

Claims (9)

  1. 成形型内に、三次元形状に積層して成形された1つ又は複数の予備成形体を配置する配置工程と、
    前記成形型を透過した電磁波、又は一対の電極によって印加される電磁波としての交番電界によって前記予備成形体を加熱して溶融させ、溶融した材料を前記成形型内に充填する充填工程と、
    前記溶融した材料を前記成形型内において冷却して固化させ、前記成形型内に、前記予備成形体の積層界面がなくなるように前記材料が一体化された樹脂成形品を成形する冷却工程と、を含む樹脂成形方法。
  2. 前記配置工程において用いられる前記予備成形体の少なくとも一つは、積層された糸状又は粒状の熱可塑性樹脂材料による三次元形状に成形されており、
    前記充填工程及び前記冷却工程においては、前記成形型の成形面の形状が転写された前記樹脂成形品を成形する、請求項1に記載の樹脂成形方法。
  3. 前記配置工程において用いられる前記予備成形体の少なくとも一つは、粒状の熱可塑性樹脂材料による粒状物同士が接触する界面が溶融して、前記粒状物同士が間隙を介して互いに固着した三次元形状の粒状物結合体であり、
    前記充填工程及び前記冷却工程においては、前記成形型の成形面の形状が転写された前記樹脂成形品を成形する、請求項1に記載の樹脂成形方法。
  4. 前記配置工程においては、複数の前記予備成形体を前記成形型内に配置し、
    前記充填工程及び前記冷却工程においては、複数の前記予備成形体同士の間の境界部分が接合された前記樹脂成形品を成形する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂成形方法。
  5. 前記配置工程においては、前記成形型内に前記予備成形体及び粉末材料を配置し、
    前記充填工程及び前記冷却工程においては、前記予備成形体及び前記粉末材料を溶融させて、前記粉末材料によって前記予備成形体の三次元形状を補って前記樹脂成形品を成形する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂成形方法。
  6. 前記成形型は、ゴム材料によるゴム型、硬化性樹脂材料による樹脂型、セメント材料によるセメント型、又は石膏材料による石膏型によって形成されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の樹脂成形方法。
  7. 前記充填工程及び前記冷却工程においては、真空状態にした前記成形型内に前記溶融した材料を充填するとともに、前記成形型の外部から内部に圧力を作用させる、請求項1〜6のいずれか1項に記載の樹脂成形方法。
  8. 前記成形型は、複数に分割された型部によって構成されており、
    複数の前記型部の間には、前記樹脂成形品を成形するためのキャビティが形成されており、
    前記充填工程においては、前記予備成形体が溶融するときに、複数の前記型部が互いに接近して、縮小された前記キャビティ内に前記溶融した材料を充填する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の樹脂成形方法。
  9. 前記充填工程においては、前記成形型内を真空引きし、前記予備成形体によって前記成形型内に形成された隙間を介して、前記成形型内の気体を前記成形型の外部へ抜き出す、請求項1〜8のいずれか1項に記載の樹脂成形方法。
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