JP6812811B2 - 樹脂成形装置および樹脂成形方法 - Google Patents

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本発明は、樹脂成形装置および樹脂成形方法に関する。
従来、立体成形物の形成に紫外線硬化型樹脂を用い、紫外線によって層状に硬化させた硬化層を順次積層させて所望の立体成形物を得る方法が知られている(特許文献1)。また特許文献1には、立体成形物における再下端にまで達しない分岐部を成形する場合に、分岐部の下側に連続させてダミー用の硬化層を予め形成することが開示され、これにより正確な立体成形物が得られるとしている。
しかし、特許文献1に開示された立体成形物を得る方法では、ダミー用の硬化層に相当する部分を設計段階から追加しておくことが必要であり、更には、立体成形の後にダミー用の硬化物を除去する必要がある。そこで、融点が異なる異種の樹脂材料を含むホットメルトタイプのインクをインクジェットヘッドから吐出させて、高融点のインクで形成される所望の立体成形物の単層と、低融点のインクで所望の立体成形物以外の領域の単層と、を形成し、当該単層を積層させて立体を形成する方法が開示されている(特許文献2)。
そして、特許文献2に開示された方法では、低融点のインクの融点より高く、且つ高融点のインクの融点より低い温度で加熱することで、形成された立体から低融点のインクを溶融、除去することで高融点のインクで形成された所望の立体成形物を得ることができる。
特開平2−251419号公報 特開平9−123290号公報
特許文献1、および特許文献2に開示された立体成形物の形成方法では、いずれも適用できる材料に制限があった。特許文献1では、紫外線を含むエネルギービームによって硬化させることが可能な材料を用いなければならない。特許文献2では、ホットメルトタイプのインクとしてインクジェットヘッドから吐出供給が可能な樹脂材料であることが要求される。
しかし、近年、立体成形物の造形(以下、3D造形という)では、所望形状の造形に留まらず、所望の品質、例えば強度、耐熱性、耐薬品性、などが3D造形によって得られる立体成形物に要求されるようになってきている。従って、エネルギービームによって硬化させる性能が付与できない材料、あるいは極低融点材料、などが要求される試作品、製品には特許文献1、および特許文献2に開示された立体成形物の形成方法を適用することが困難であった。
また、従来の射出成形方法において一般的に用いられているインサート成形あるいはアウトサート成形による異種材料による部品の一体化成形によって得られる成形物は高付加価値、高強度といった樹脂成形物では得られない機能や加飾性を付与するものである。しかし、特許文献1および2では、異種材料を一体化した3D造形については開示が無い。
そこで、3D造形による樹脂型と、当該樹脂型に製品樹脂材料を射出することで、あらゆる熱可塑性樹脂を用いることを可能とし、更には製品樹脂材料とは異なる材料の部材を一体的に成形する樹脂成形装置および樹脂成形方法を提供する。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
〔適用例1〕本適用例の樹脂成形装置は、ステージと、前記ステージに設置された貯留槽と、エネルギー線を照射するエネルギー線照射部と、合成樹脂である第1の材料を可塑化させ、射出口から射出する射出部と、前記ステージと、前記エネルギー線照射部および射出部と、が相対的に3次元移動を可能とする駆動手段と、を備え、前記貯留槽は、少なくとも重力方向に駆動可能なテーブルを内部に備え、前記エネルギー線によって硬化するエネルギー線硬化型樹脂を含む液状の第2の材料が貯留されていることを特徴とする。
本適用例の樹脂成形装置によれば、立体造形、いわゆる3D造形が容易なエネルギー線硬化型樹脂をエネルギー線照射によって硬化させるエネルギー線照射部と、熱可塑性樹脂を射出することができる射出部と、を備えることで、熱可塑性樹脂を射出成形可能とする型をエネルギー線硬化型樹脂にエネルギー線を照射して硬化させる3D造形によって形成することができ、金型設計、金型製作、金型組立の金型製造から製品の射出成形までのリードタイムは従来より短く設定できる。これにより、エネルギー線硬化型樹脂に適用できない高機能樹脂材料を、短時間、且つ高額な金型を作成しないことによる低コスト化が可能な樹脂成形を可能にすることができる。
〔適用例2〕上述の適用例において、前記エネルギー線照射部から照射される前記エネルギー線が、前記第2の材料を硬化させて層状に第1成形物が形成され、前記射出部から射出される前記第1の材料が硬化し、層状に第2成形物が形成され、前記第1成形物が重力方向に積層された第1成形体と、前記第2成形物が重力方向に積層された第2成形体と、が形成されることを特徴とする。
上述の適用例によれば、容易に3D造形された第1成形体および第2成形体を得ることができる。
〔適用例3〕上述の適用例において、前記第1の材料と異なる材料により形成された挿入部材を、前記第2成形物に供給する挿入部材供給部を備え、前記挿入部材が、前記第2成形体と一体的に形成されることを特徴とする。
上述の適用例によれば、容易に3D造形された内部に挿入部材が内包された第2成形体を得ることができる。
〔適用例4〕上述の適用例において、前記第1成形体には、前記第2成形体を形成するキャビティーが形成され、前記第2成形体は前記第1の材料が前記キャビティーに向けて射出され、充填されることを特徴とする。
上述の適用例によれば、第1成形体を成形型として、第1成形体に形成されるキャビティー内に第2の材料を射出成形することができ、金型設計、金型製作、金型組立の金型製造から製品の射出成形までのリードタイムは従来より短く設定できる。これにより、エネルギー線硬化型樹脂に適用できない高機能樹脂材料を、短時間、且つ高額な金型を作成しないことによる低コスト化が可能な樹脂成形を可能にすることができる。
〔適用例5〕上述の適用例において、前記エネルギー線が紫外線であることを特徴とする。
上述の適用例によれば、短い硬化時間による高い生産性と、発熱量が少ない低熱量エネルギー線であることから、第2成形物を構成する第2の材料への熱影響を回避することができる。
〔適用例6〕上述の適用例において、前記合成樹脂が熱可塑性樹脂、前記挿入部材が金属であることを特徴とする。
上述の適用例によれば、熱可塑性樹脂を用いることにより射出成形による精密な造形が可能となる。更に、挿入部材が金属であることにより合成樹脂のみによって形成される成形体と比べ、高い強度の成形体を得ることができる。また、合成樹脂が不導体であっても、挿入される挿入部材が導電性を有する金属であることで、成形体に導電経路を形成することができる。
〔適用例7〕本適用例の樹脂成形方法は、ステージに設置された貯留槽に貯留されたエネルギー線硬化型樹脂を含む液状の第2の材料にエネルギー線を照射し、前記エネルギー線硬化型樹脂を硬化させて単層の型成形物単層を形成する型成形物単層形成工程と、可塑化させた合成樹脂である第1の材料を、前記型成形物単層に形成された成形領域に向けて射出部から射出して充填し、成形物単層を形成する単層射出成形工程と、前記型成形物単層形成工程によって形成された第一の型成形物単層に積層させ、前記型成形物単層形成工程によって第二の型成形物単層を形成する型成形物積層工程と、前記単層射出成形工程によって形成された第一の成形物単層に積層させ、前記単層射出成形工程によって第二の成形物単層を形成する成形物積層工程と、を含み、前記型成形物積層工程を所定の回数、繰り返し、前記型成形物単層が所定の層数、積層された型成形体と、前記成形物積層工程を前記所定の回数、繰り返し、前記型成形体の前記成形領域に積層された成形体と、を形成することを特徴とする。
本適用例の樹脂成形方法によれば、3D造形が容易なエネルギー線硬化型樹脂をエネルギー線照射によって硬化させ、積層することで得られる型成形体に対して、熱可塑性樹脂を射出し積層することによって成形体を得ることができ、金型設計、金型製作、金型組立の金型製造から製品の射出成形までのリードタイムは従来より短く設定できる。従って、エネルギー線硬化型樹脂に適用できない高機能樹脂材料を、短時間、且つ高額な金型を作成しないことによる低コスト化が可能な樹脂成形方法を可能にする。
〔適用例8〕上述の適用例において、前記成形物積層工程は、挿入部材を前記成形物単層に配置させる挿入部材供給工程を含み、前記挿入部材が前記成形体に一体的に成形されることを特徴とする。
上述の適用例によれば、容易に3D造形された内部に挿入部材が内包された成形体を得ることができる。
〔適用例9〕上述の適用例において、前記成形体を前記型成形体から離型する離型工程を含み、前記離型工程が、前記型成形体を溶解させることを特徴とする。
上述の適用例によれば、成形体を損傷することなく、型成形体から離型し、得ることができる。
〔適用例10〕上述の適用例において、前記エネルギー線が紫外線であることを特徴とする。
上述の適用例によれば、短い硬化時間による高い生産性と、発熱量が少ない低熱量エネルギー線であることから、成形体への熱影響を回避することができる。
〔適用例11〕上述の適用例において、前記合成樹脂が熱可塑性樹脂、前記挿入部材が金属であることを特徴とする。
上述の適用例によれば、熱可塑性樹脂を用いることにより射出成形による精密な造形が可能となる。更に、挿入部材が金属であることにより合成樹脂のみによって形成される成形体と比べ、高い強度の成形体を得ることができる。また、合成樹脂が不導体であっても、挿入される挿入部材が導電性を有する金属であることで、成形体に導電経路を形成することができる。
第1実施形態に係る樹脂成形装置の概略構成を示す構成図。 第1実施形態に係る樹脂成形装置の駆動を説明する図。 第1実施形態に係る樹脂成形装置の駆動を説明する図。 第1実施形態に係る樹脂成形装置の駆動を説明する図。 第1実施形態に係る樹脂成形装置の駆動を説明する図。 第1実施形態に係る樹脂成形装置の駆動を説明する図。 第1実施形態に係る樹脂成形装置の駆動を説明する図。 第1実施形態に係る樹脂成形装置の駆動を説明する図。 第2実施形態に係る樹脂成形方法のフローチャート。 第2実施形態に係る樹脂成形方法において例示する第2成形体を示す外観斜視図。 第2実施形態に係る樹脂成形方法の型成形物単層成形工程の詳細フローチャート。 第2実施形態に係る樹脂成形方法の製造工程を示す概略断面図。 第2実施形態に係る樹脂成形方法の製造工程を示す概略断面図。 第2実施形態に係る樹脂成形方法の単層射出成形工程の詳細フローチャート。 第2実施形態に係る樹脂成形方法の製造工程を示す概略断面図。 第2実施形態に係る樹脂成形方法の製造工程を示す概略断面図。 図16に示すA部拡大図。 第2実施形態に係る樹脂成形方法の製造工程を示す概略断面図。 第2実施形態に係る樹脂成形方法の製造工程を示す概略断面図。 第2実施形態に係る樹脂成形方法の製造工程を示す概略断面図。 第2実施形態に係る樹脂成形方法の製造工程を示す概略断面図。 第2実施形態に係る樹脂成形方法の製造工程を示す概略断面図。 第2実施形態に係る樹脂成形方法の製造工程を示す概略断面図。
以下、図面を参照して、本発明に係る実施形態を説明する。
(第1実施形態)
図1は第1実施形態に係る樹脂成形装置の概略構成を示す構成図である。図1に示す樹脂成形装置1000は、ステージ200と、ステージ200に設置され、内部にエネルギー線が照射されて硬化するエネルギー線硬化型樹脂を含む液状の第2の材料としての液状樹脂材料Mfが貯留される貯留空間300aが形成された貯留槽300と、ステージ200を3次元駆動する図示しない駆動手段としてのステージ駆動装置を備える基台100と、を備えている。3次元駆動とは、図示するX,Y,Z方向のいずれにも駆動可能とするものである。
貯留槽300の貯留空間300a内には、成形物形成面410a(以下、形成面410aという)を備えるテーブル410と、テーブル410をZ軸方向に駆動する駆動軸420と、を備える成形部400が配置されている。
上述したように、樹脂成形装置1000は、貯留槽300には第2の材料としてのエネルギー線硬化型樹脂を含む液状樹脂材料Mfが貯留され、形成面410a上に、後述するようにエネルギー線によって硬化し、硬化層を形成し、積層する装置であることから、液状樹脂材料Mfの液上面と、形成面410aと、は略並行に配置される。従って、図示するZ軸方向は所謂、重力方向であり、テーブル410は重力方向に駆動される、と言い換えることができる。
貯留槽300の重力方向の上部には液状樹脂材料Mfの液上面に向けてエネルギー線を照射するエネルギー線照射部500が配置されている。なお、本実施形態に係る樹脂成形装置1000では、エネルギー線として紫外線を例示して説明する。従ってエネルギー線照射部500を、以下では紫外線照射部500として説明する。なお、エネルギー線としては、紫外線に限定されず、高周波、放射線、その他、被照射物を硬化させるエネルギーを付与するエネルギー線とエネルギー線硬化型樹脂であってもよい。
また、貯留槽300の重力方向の上部には製品材料となる合成樹脂である第1の材料としての樹脂材料Mpを可塑化して射出する射出部600が配置されている。本実施形態ではフラットスクリューを備える射出部600を例示して説明する。
射出部600は、図示しないヒーター(加熱手段)を備え、内部空間を有するシリンダー620と、シリンダー620の内部空間に配設されるフラットスクリュー630と少なくともフラットスクリュー630を回動駆動させる駆動装置640と、シリンダー620の内部空間にペレット状の樹脂材料Mpを供給する材料供給部610と、を備えている。
シリンダー620に供給されたペレット状の樹脂材料Mpは、シリンダー620に備えるヒーターによってガラス転移点以上の温度に加熱され、可塑化した樹脂材料Mpとなる。可塑化した樹脂材料Mpは、フラットスクリュー630を回動させることで射出口620bまで送出され、射出口620bより射出される。
フラットスクリュー630による樹脂材料Mpの射出原理は、材料供給部610からペレット状の樹脂材料Mpがシリンダー620の材料投入口620aに搬送され、シリンダー620のヒーターによって可塑化される。可塑化された樹脂材料Mpは、フラットスクリュー630が駆動装置640によって回動中心630rを中心に回動されることで、フラットスクリュー630の外側より回動中心630rに向けて渦巻き状に形成された搬送溝630aに沿って可塑化された樹脂材料Mpが回動中心630rに向けて加圧搬送され、その圧力によって射出口620bから射出される。
本実施形態に係る樹脂成形装置1000は、挿入部材供給部としてのロボット2000を備えている。ロボット2000は、図示しない装置台に固定されるベース部2000aから複数の腕と関節により構成されるアーム部2000bと、アーム部2000bの先端に装着されるハンド部2000cと、を備えている。なお、説明の便宜上、図1ではロボット2000を外観斜視図で描画している。
ロボット2000は、部材トレイ710に貯蔵された挿入部材Tiをハンド部2000cによって把持し、所定の位置まで搬送、供給する。本例では、後述するが成形部400に形成される成形体に挿入部材Tiを供給する。なお、ロボット2000は、本例ではいわゆる多関節ロボットを例示しているが、これに限定されない。また、ロボット2000に替えてオペレーター(人)の手作業による挿入部材Tiの搬送も可能であるが、安全性、正確性などから装置としてのロボット2000を適用することが好ましい。
挿入部材Tiは、少なくとも樹脂材料Mpとは異なる材料であり。例えば、予め成形された熱可塑性樹脂部材、あるいは金属などである。挿入部材Tiは、成形体の強度向上、あるいは導電体を用いることで成形体に導電性を付与する、など適宜、その目的によって挿入部材Tiの材質、形状を決定することができる。本例では耐食性に優れるステンレススティールを例示して説明する。
本実施形態に係る樹脂成形装置1000は、制御ユニット700が備えられ、基台100に備える図示しないステージ駆動装置の駆動を制御するステージコントローラー710と、貯留槽300内で重力方向に駆動される成形部400を駆動する図示しないテーブル駆動装置を制御するテーブルコントローラー720と、紫外線照射部500を制御する紫外線照射制御部730と、射出部600を制御する射出制御部740と、ロボット2000の駆動を制御するロボットコントローラー750と、を制御する。
図2から図8は、樹脂成形装置1000の駆動を説明する図である。図2は樹脂成形装置1000により樹脂成形の準備段階を示す概略構成図である。図2に示すように、樹脂成形装置1000の樹脂成形の準備段階では、貯留槽300の貯留空間300aにエネルギー線としての紫外線UVが照射されることによって硬化物が生成される液状樹脂材料Mfが貯留する。
そして、テーブル410の形成面410aを、貯留された液状樹脂材料Mfの液面Sfより深さDL1沈み込ませる。深さDL1は、後述する成形物の1層目の厚さを得るために要するテーブル410の沈み込み量となる。
射出部600では、材料供給部610のホッパー610aからペレット状の樹脂材料Mpが投入され、シリンダー620まで搬送される。シリンダー620では図示しないヒーターによって樹脂材料Mpはガラス転移点を超える温度まで加熱され、可塑化される。そして、フラットスクリュー630の回動によって可塑化された樹脂材料Mpは射出口620bまで加圧搬送される。
図2に示す樹脂成形装置1000の樹脂成形の準備が終わると、図3に示すように液状樹脂材料Mfの液面Sfに向けて、紫外線照射部500の紫外線照射口からエネルギー線としての紫外線UVが照射される。そして紫外線UVの照射に同期させてステージ200は基台100に備える図示しないステージ駆動装置によって、紫外線照射部500に対して相対的にX−Y方向に駆動され、ステージ200に配置された貯留槽300が紫外線照射部500に対して相対的にX−Y方向に移動される。そして、液状樹脂材料Mfは、紫外線UVが照射されることで硬化し、DL1の厚さを有する1層目の第1成形物としての第1成形型層801が形成面410a上に形成される。
図3で説明した第1成形型層801に囲われた成形領域801sに射出部600の射出口620bより可塑化された樹脂材料Mpが、図4に示すように所定の射出領域に射出され、1層目の第2成形物としての第1成形層901が形成面410a上に形成される。なお、本例では枠状に形成された第1成形型層801の内側を1層目の成形領域801sとして、第1成形層901が形成される形態を例示する。
図4に示す第1成形層901が形成されると、図5に示すように2層目の形成が行われる。図5に示すように、形成された第1成形型層801と、第1成形層901と、の上面を、貯留された液状樹脂材料Mfの液面Sfより深さDL2沈み込ませるようにテーブル410の形成面410aを下降させる。深さDL2は、後述する成形物の2層目の厚さを得るために要するテーブル410の沈み込み量となる。
そして、液状樹脂材料Mfの液面Sfに向けて、紫外線照射部500から紫外線UVが照射され、紫外線UVの照射に同期させて紫外線照射部500に対して相対的にX−Y方向駆動されるステージ200によって、液状樹脂材料Mfは、紫外線UVが照射されることで硬化し、DL2の厚さを有する2層目の第1成形物としての第2成形型層802が第1成形型層801と、第1成形層901と、の上面に形成される。
第2成形型層802は、図5に示すように第2成形外型層802aと、第2成形内型層802bと、が形成されて構成される。そして、第2成形外型層802aと、第2成形内型層802bと、によって2層目の成形領域802sが構成される。
形成された成形領域802sに向けて、図6に示すように挿入部材Tiが搬送される。挿入部材Tiは、図1に示す部材トレイ710に収容された挿入部材Tiをロボット2000のハンド部2000cによって把持し、所定の位置まで搬送される。本例では、成形領域802s内の第1成形層901上に載置される。
図6で説明した挿入部材Tiが載置された第2層目の成形領域802sに、射出部600の射出口620bより可塑化された樹脂材料Mpが、図7に示すように所定の射出領域に射出され、2層目の第2成形物としての第2成形層902が内部に挿入部材Tiを含んで1層目の第1成形層901上に形成される。
上述したように、液状樹脂材料Mfを紫外線UVにより硬化させて第1成形型層801を形成し、第1成形型層801を型枠として可塑化させた樹脂材料Mpを射出部600から射出して第1成形層901を形成することで、層状の成形物を形成する。続いて、第2層目として第2成形型層802を型枠として第2成形層902を、挿入部材Tiを含めて形成し、更に層状の成形物の形成を繰り返して積層させることにより、図8に示すように成形物をテーブル410の形成面410a上に形成する。
図8は、上述した層状の成形物の形成を繰り返して積層させた状態を示す。図8に示すように、1層目の第1成形型層801上に2層目の第2成形型層802が積層される。本形態では後述する第2成形体900の第1成形層901を底とするカップ状の形状を例示している。そして図7に示すように2層目の第2成形型層802の成形領域802sに挿入部材Tiが載置されて樹脂材料Mpが射出され、2層目の第2成形層902が形成される。
引き続いて、第3成形層903を形成する3層目の成形領域803sを構成するように第3成形外型層803aが第2成形外型層802aの上面に積層され、第3成形内型層803bが第2成形内型層802bの上面に積層されて3層目の第3成形型層803が形成される。そして、3層目の成形領域803sに樹脂材料Mpが射出され、第3成形層903が形成される。
更に3層目の第3成形型層803および第3成形層903上に、順次、N層目の第N成形型層80Nおよび第N成形層90Nまで積層され、第1成形体800と、第1成形体800によって形成される成形領域、所謂、キャビティーに樹脂材料Mpが充填されて第2成形体900が形成される。また、図8に示すように、第2成形体900は、樹脂材料Mp内に挿入部材Tiを含むように形成されている。本例では2個の挿入部材Tiを含む形態を例示しているが、これに限定されない。
上述したように、第1成形体800は第2成形体900を成形する空間であるキャビティーが形成された成形用樹脂型となる。従って、製品となる第2成形体900を製造するための高額な金属製の型、いわゆる金型を準備する必要が無く、液状樹脂材料Mfをエネルギー線としての紫外線UVによって硬化させることで容易に立体形状の造形、いわゆる3D造形を可能とする。また、製品となる第2成形体900は、熱可塑性樹脂の樹脂材料Mpを射出部600から射出し、第1成形体800を成形型として成形する、いわゆる射出成形によって形成することができる。従って、樹脂材料Mpは熱可塑性樹脂であればよい。このことは、従来、一般的に紫外線硬化型樹脂によって3D造形を行う造形装置では製品の樹脂材料は紫外線硬化型樹脂に限定されてしまう。言い換えれば、紫外線硬化が不可能な樹脂が製品樹脂として指定されれば、金型を用いた射出成形に頼らざるを得ないものであった。
本実施形態に係る樹脂成形装置1000によれば、短時間に、尚且つ安価に3D造形が可能なエネルギー線硬化型樹脂によって熱可塑性樹脂の射出成形用の型を成形することができる。従って、エネルギー線硬化型樹脂に適用できない高機能樹脂材料を、短時間、且つ高額な金型を作成しないことによる低コスト化が可能な樹脂成形を可能にすることができる。
紫外線硬化型樹脂としてアクリレートラジカル重合およびエポキシカチオン重合が挙げられるが、この樹脂材料を除く樹脂は紫外線硬化による成形に不適合であるといえる。製品となる第2成形体900に適用できる熱可塑性の樹脂材料としては、例えば、結晶性樹脂としてPe(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、PA(ポリアミド)、POM(ポリアセタール)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)などが挙げられる。また、液晶性樹脂として、LCP(液晶ポリマー(Liquid Crystal Polymer))が挙げられる。非晶性樹脂として、PS(ポリスチレン)、ABS、PMMA(アクリル)、PC(ポリカーボネイト)、PPE(ポリフェニレンエーテル)などが挙げられる。
更に、本実施形態に係る樹脂成形装置1000は、第2成形体900の内部に、金属などの挿入部材Tiを一体的に含ませて形成することができる。従って、第2成形体900の強度を挿入部材Tiによって補強することができる。あるいは樹脂材料Mpが導電性を備えない材料であっても、挿入部材Tiを導電性材料とすることで、第2成形体900に導電経路を形成することができる。
上述した樹脂成形装置1000は、基台100に備えるステージ200の図示しないステージ駆動装置によって、成形部400に対して紫外線照射部500および射出部600が相対的に3次元移動を可能とする装置としたが、これに限定されない。例えば、紫外線照射部500および射出部600を、ロボットアームに保持させ、成形部400に対して相対的に3次元駆動させる装置であってもよい。
(第2実施形態)
第2実施形態として、第1実施形態に係る樹脂成形装置1000を用いた樹脂成形方法を説明する。図9は、第2実施形態に係る樹脂成形方法のフローチャートである。なお、図6に示すフローチャートは、予め製造準備として、樹脂成形装置1000に備える貯留槽300に所定量の液状樹脂材料Mfを貯留し、射出部600の材料供給部610にペレット状の樹脂材料Mpを供給する。そして、シリンダー620に備える図示しないヒーターによって加熱、可塑化された樹脂材料Mpが射出口620bまで搬送された状態までが進められる。また、部材トレイ710に所定数の挿入部材Tiが収容される。この製造準備が完了し、図9に示すフローチャートが開始される。
なお、第2実施形態に係る樹脂成形方法の説明は、第1実施形態において説明した第2成形体900として、図10の外観斜視図に示す形態を例に、成形する方法を説明する。なお、以下、第2成形体900を成形体900という。成形体900は、図10に図示するように、断面形状900aを有する円柱の外形を有し、円柱状の内部空間と、底部と、を備える容器であり、内部に挿入部材Tiが2個内包されている。なお、挿入部材Tiは、本例では矩形断面を備える円環形状のステンレススティール製を例示する。
(型成形物単層形成工程)
まず型成形物単層形成工程(S1)が実行される。型成形物単層形成工程(S1)の詳細フローチャートを図11に示す。
(ステージ・テーブルを成形開始位置へ駆動)
上述した準備工程において液状樹脂材料Mfが貯留された貯留槽300と、貯留槽300内に備えるテーブル410と、が基台100に備えるステージ駆動装置によって駆動される、テーブルを成形開始位置へ駆動(S11)のステップが実行される。テーブルを成形開始位置へ駆動(S11)のステップでは、図12に示すように、テーブル410の形成面410aと、紫外線照射部500の紫外線出射部500aと、の間隔Duvが所定の間隔となるようにテーブル410と、紫外線照射部500と、の相対位置が設定される。間隔Duvの所定の間隔とは、紫外線照射部500から照射される紫外線UVが形成面410a直上の液状樹脂材料Mfを硬化させることができるエネルギーが到達可能な距離である。そして、テーブル410と、貯留槽300との相対位置を、形成面410aが液状樹脂材料Mfの液面Sfから深さDL1となる位置となるようにテーブル410と貯留槽300を移動させる。なお深さDL1は、最初に成形すべき、後述する1層目の成形厚さとなる。
(紫外線照射工程)
テーブル410に対する所定の相対位置に紫外線照射部500が配置されると、紫外線照射工程(S12)が実行される。紫外線照射工程(S12)は、図13に示すように深さDL1を維持して紫外線照射部500から紫外線UVを照射しながら、紫外線照射部500がテーブル410に対して相対的に移動するようにステージ200は駆動される。図7に示す成形体900の外形状に沿うように紫外線照射部500を、紫外線UVを照射しながら相対移動させることにより、内側に1層目の成形領域801sが構成される1層目の型成形物単層としての第1成形型層801が形成される。そして、単層射出成形工程に移行される。
(単層射出成形工程)
単層射出成形工程(S2)は、テーブル410の形成面410a上に紫外線照射工程(S12)によって形成された1層目の型成形物単層としての第1成形型層801を型枠として、成形体900の一部としての単層が射出成形される。図14は、単層射出成形工程(S2)の詳細フローチャートを示す。
(挿入部材供給判定工程)
単層射出成形工程(S2)では、先ず図10に示す成形体900に内包される挿入部材Tiを、単層に挿入するかどうかを判定する挿入部材供給判定工程(S21)が実行される。挿入部材供給判定工程(S21)は制御ユニット700からの制御信号に基づいて、挿入部材Tiを挿入する(YES)場合には、後述する挿入部材供給工程(S22)に移行される。しかし、成形体900を構成する1層目の単層には、本例では挿入部材Tiを含まれずに形成される情報が制御ユニット700から送られ、挿入部材Tiは挿入しない(NO)と判定され、テーブルを成形開始位置へ駆動の工程に移行される。
(テーブルを成形開始位置へ駆動)
図15に示すように、射出部600の射出口620bが、射出部600をテーブル410に対する相対位置として射出開始位置に配置されるようにステージ200を駆動させる、テーブルを成形開始位置へ駆動(S23)が実行される。この時、テーブル410の形成面410aの液状樹脂材料Mfの液面Sfからの深さDL1は変えずにステージ200が駆動される。
(射出成形工程)
テーブルを成形開始位置へ駆動(S23)のステップが実行されると、準備工程において射出部600の射出口620bにまで搬送され、射出部600に備えるヒーターによって樹脂材料Mpのガラス転移点以上に加熱され可塑化された樹脂材料Mpが、図16に示すように、所定の圧力によって射出口620bから、テーブル410に向けて射出される射出成形工程(S24)が実行される。この時、型成形物単層形成工程(S1)において形成された第1成形型層801の内側に構成されたキャビティーとなる成形領域801sに樹脂材料Mpが射出、充填される。
図16に示す射出部600の射出口620bからの樹脂材料Mpの射出の状態をA部拡大図の図17で説明する。なお、図17での説明の便宜上、可塑化された樹脂材料Mpを可塑樹脂Mpf、可塑化状態から固化された樹脂材料Mpを固化樹脂Mps、という。
図17に示すように、可塑樹脂Mpfはフラットスクリュー630の回動駆動によって加圧されて射出口620bから射出される。射出された可塑樹脂Mpfはテーブル410の形成面410aに到達する過程でガラス転移点未満に冷えることで固化樹脂Mpsに形態が変化する。固化した固化樹脂Mps上に連続して可塑樹脂Mpfの積層、固化が繰り返され、第1成形型層801の成形領域801s内に固化樹脂Mpsが成形物として形成される。
この時、枠状に形成されている第1成形型層801の内側には、硬化していない液状樹脂材料Mfが残存していることで、可塑樹脂Mpfは残存する液状樹脂材料Mfに触れて冷却され、固化樹脂Mpsとなる固化を促進させることができる。従って、形成面410a上での可塑樹脂Mpf状態の時間を短くし、図示するX−Y方向への不要な流動、所謂、流れ出しを防止することができ、正確な形状での成形を行うことができる。
なお、上述したように本実施形態に係る樹脂成形方法に用いる第1実施形態に係る樹脂成形装置1000に備える射出部600は、射出口620bから圧力を付加して可塑樹脂Mpfを射出する方法であり、所謂、射出成形方法の一つの実施形態である。
そして、図18に示すように、射出口620bから可塑化された樹脂材料Mpを射出しながら、射出部600はテーブル410に相対する所定の経路を移動するようにステージ200が駆動され、第1成形型層801によって構成される成形領域801s内に樹脂材料Mpが配設され、1層目の成形物単層としての第1成形層901が形成される。なお、本実施形態では図10に示す成形体900を形成することを例示しているので、第1成形層901は、成形体900の底部に相当し、平板状に形成される。
1層目の第1成形層901が形成されると、単層射出成形工程(S2)における射出成形工程(S24)が終了し、次に積層数確認工程(S3)に移行する。
(積層数確認工程)
本実施形態に係る樹脂成形方法では、上述した第1成形型層801、および第1成形層901の単層をN層(N:1以上の自然数)まで積層させて成形体900が形成される。そこで、積層数確認工程(S3)の直前の単層射出成形工程(S2)において、N層まで積層されたかを判定する積層数確認工程(S3)が実行される。
積層数確認工程(S3)において、直前の単層射出成形工程(S2)によって成形物単層の積層数がNより小さい(NO)の場合、積層工程(S4)に移行される。
(積層工程)
本実施形態に係る樹脂成形方法における積層工程(S4)は、繰り返し型成形物単層形成工程(S1)と、単層射出成形工程(S2)と、を実行させる指令工程であり、積層数確認工程(S3)において確認された最上層の型成形物単層上に新たに型成形物単層を形成する型成形物単層形成工程(S1)の繰り返しを指令する型成形物積層工程(S41)と、積層数確認工程(S3)において確認された最上層の成形物単層上に新たに成形物単層を形成する単層射出成形工程(S2)の繰り返しを指令する成形物積層工程(S42)と、を含んでいる。積層工程(S4)に含む型成形物積層工程(S41)によって出された指令によって、テーブル410上に既に形成されている最上層の型成形物単層上に新たに型成形物単層を成形する型成形物単層形成工程(S1)に移行される。
積層工程(S4)に含む型成形物積層工程(S41)の指令に基づき実行される型成形物単層形成工程(S1)では、先ず、テーブルを成形開始位置へ駆動(S11)のステップが実行される。図19に示すようにテーブルを成形開始位置へ駆動(S11)のステップでは、テーブル410上に形成された第一の型成形物単層としての第1成形型層801の上面と、紫外線照射部500の紫外線出射部500aと、が間隔Duvとなるようにテーブル410と、紫外線照射部500と、の相対位置が設定される。積層工程(S4)に係るテーブルを成形開始位置へ駆動(S11)のステップにおける間隔Duvとは、紫外線照射部500から照射される紫外線UVが第1成形型層801の直上の液状樹脂材料Mfを硬化させることができるエネルギーが到達可能な距離である。そして、テーブル410と、貯留槽300との相対位置を、第1成形型層801上面が液状樹脂材料Mfの液面Sfから深さDL2となる位置となるようにテーブル410と貯留槽300を移動させる。なお深さDL2は、2層目の型成形物単層の成形厚さとなる。
次に、紫外線照射工程(S12)に移行される。積層工程(S4)に含む型成形物積層工程(S41)に係る紫外線照射工程(S12)は、図20に示すように深さDL2を維持して紫外線照射部500から紫外線UVを照射しながら、紫外線照射部500がテーブル410に対して相対的に移動して成形体900の形状に沿うようにステージ200は駆動される。そして、紫外線照射部500が紫外線UVを照射しながら相対移動されることにより、2層目の第二の型成形物単層としての第2成形型層802が形成される。第2成形型層802は、成形体900の外側形状を形成するための第2成形外型層802aと、成形体900の内側を形成するための第2成形内型層802bと、により構成される。第2成形外型層802aは1層目の第1成形型層801の上に積層されるが、本実施形態で例示する成形体900は、平板状の底部となる第1成形層901が形成されているため、第2成形内型層802bは、第1成形層901上に積層される。そして、第2成形外型層802aと、第2成形内型層802bと、によって囲まれる2層目の成形領域802sが構成される。
続いて、積層工程(S4)に含む成形物積層工程(S42)に係る単層射出成形工程(S2)が実行され、第一の成形物単層としての第1成形層901上に2層目の第二の成形物単層が形成される。積層工程(S4)に係る単層射出成形工程(S2)では、まず挿入部材Tiを、単層に挿入するかどうかを判定する挿入部材供給判定工程(S21)が実行される。本例では、2層目の第2の成形物単層に挿入部材Tiを挿入させる成形体900であるので、制御ユニット700からの制御信号に基づいて、挿入部材Tiを挿入する(YES)と判定され、挿入部材供給工程(S22)に移行される。
(挿入部材供給工程)
挿入工程供給工程(S22)は、図1に示す部材トレイ710に収容された挿入部材Tiをロボット2000のハンド部2000cによって把持し、所定の位置まで搬送する。そして、図21に示すように挿入部材Tiは、2層目の成形領域802sの領域内の所定位置に載置される。
そして、図22に示すように積層工程(S4)に係る型成形物単層形成工程(S1)によって形成された第2成形型層802の成形領域802sに対向するように射出部600の射出口620bを、テーブル410に対して相対移動をさせながら、射出口620bから可塑化された樹脂材料Mpを、成形領域802s内に載置された挿入部材Tiと、成形領域802sと、により構成される空間領域に射出する。そして、射出された樹脂材料Mpおよび挿入部材Tiと、によって成形体900を構成する2層目の第二の成形物単層としての第2成形層902が形成される。
積層工程(S4)に含む成形物積層工程(S42)に係る単層射出成形工程(S2)によって第2成形層902が形成されると、積層数確認工程(S3)に移行され、積層数確認工程(S3)の直前の単層射出成形工程(S2)において、N層まで積層されたかが判定される。そして、直前の単層射出成形工程(S2)によって成形物単層の積層数がNより小さい(NO)場合、再び、積層工程(S4)に移行される。
なお、上述した積層工程(S4)において、第一の型成形物単層、第二の型成形物単層、および第一の成形物単層、第二の成形物単層における第一の、第二の、とは、単に順序を示すもので、積層数を示すものではない。例えば、3層目の第3成形型層803上に4層目の第4成形型層804を積層する場合、第3成形型層803を第一の型成形物単層と呼び、第4成形型層804を第二の型成形物単層と呼ぶ。同様に、3層目の第3成形層903上に4層目の第4成形層904を積層する場合、第3成形層903を第一の成形物単層と呼び、第4成形層904を第二の成形物単層と呼ぶ。
本実施形態に係る樹脂成形方法により形成される成形体900は、図10に示すように、2個の挿入部材Tiを含んでいる。本例では、2層目の第2成形層902に1個の挿入部材Tiが含まれ、n層目の第n成形層90n(n:1以上の自然数且つn≦N)に2個目の挿入部材Tiが含まれるものとし、n層目を形成する積層工程(S4)に係る単層射出成形工程(S2)において挿入部材供給判定工程(S21)ではYESと判定され、挿入部材供給工程(S22)が実行される。
積層工程(S4)が所定回数、繰り返され、図23に示すように、型成形物単層の第1成形型層801から第N成形型層80NまでのN層積層された型成形体としての第1成形体800と、第1成形体800を成形型として、積層される成形領域801s,802s,803s,…,80Ns内、所謂キャビティー内に樹脂材料Mpが射出されて第1成形層901から第N成形層90NまでのN層積層された第2成形体としての成形体900と、が形成される。
更に、本実施形態に係る樹脂成形方法によって得られる成形体900には2層目と、n層目と、の成形層902,90nの内部には挿入部材Tiが一体的に挿入成形されている。いわゆるインサート成形と呼ばれる樹脂成形方法となる。そして、積層数確認工程(S3)に移行されN層まで積層された(YES)と判定され、離型工程に移行される。
(離型工程)
離型工程(S5)は、第1成形体800から成形体900を分離し、成形体900を取り出す工程である。離型工程(S5)として、物理的な手段により離型、あるいは化学的な手段による離型などが用いられる。物理的な離型手段としては、第1成形体800にハンマーなどで衝撃を付加して破壊する、第1成形体800と成形体900との境界部に高圧空気を圧入して第1成形体800と成形体900とを分離する、などの手段が適用できる。
化学的な離型手段としては、第1成形体800を構成する紫外線硬化型樹脂を選択的に溶解する溶剤に浸漬し、成形体900を分離する離型手段を適用することが好ましい。これにより、成形体900を損傷する虞が無く、第1成形体800から離型分離することができる。
第1実施形態に係る樹脂成形装置1000による第2実施形態に係る樹脂成形方法は、成形体900を得るための射出成形用の型が、エネルギー線によって硬化する樹脂を用いる公知の3次元樹脂成形方法によって樹脂型として形成される。これにより、金型作成に対して大幅な型製作時間の削減と、金型作成用の金属加工装置を必要としないことによる設備費用の削減と、を達成することができる。
また、本実施形態に係る樹脂成形方法では、成形体900を構成する樹脂材料Mpは、射出成形が可能な熱可塑性の樹脂であれば限定はない。すなわち、従来の公知技術であるエネルギー線によって硬化する樹脂を用いて3次元樹脂成形物を形成する方法では、エネルギー線によってラジカルが発生する触媒を含むことができるモノマー、例えばアクリレートラジカル重合樹脂およびエポキシカチオン重合樹脂などに限定される。しかし、本実施形態に係る樹脂成形方法では、エネルギー線による硬化型樹脂に適さない、例えば、結晶性樹脂としてPe(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、PA(ポリアミド)、POM(ポリアセタール)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)などが挙げられる。また、液晶性樹脂として、LCP(液晶ポリマー(Liquid Crystal Polymer))が挙げられる。非晶性樹脂として、PS(ポリスチレン)、ABS、PMMA(アクリル)、PC(ポリカーボネイト)、PPE(ポリフェニレンエーテル)などを適用することができる。
また、本実施形態に係る樹脂成形方法によって得られる挿入部材Tiを含む成形体900は、挿入部材Tiが図10にも例示したように成形体900の外観からは視認することができない構成を実現している。
一方、従来の金型を用い射出成形における、いわゆるインサート成形方法では、挿入部材は予め金型のキャビティー内に載置、固定させてからキャビティー内に樹脂を射出注入し、製品を成形する方法であった。そのため、挿入部材が製品外観から視認可能な状態で一体成形される、いわゆる挿入部材がアウトサートされた製品となってしまっていた。
あるいは、本実施形態に係る樹脂成形方法によって得られる成形体900と同じ挿入部材を外観からは視認することができない構成を、従来の金型による射出成形法によって得ようとすると、成形製品を分割成形することとなる。すなわち、樹脂製品の一部を、金型により射出成形し、成形された製品の一部に挿入部材を載置、固定させた部品を形成する。そして、部品を製品成形用の金型に載置、固定して、部品と金型と、によって構成されるキャビティー内に樹脂を射出することで製品形状に形成することを可能とする。
しかし、上述の従来方法による挿入部材を含む製品成形では、挿入部材が表出している製品であったり、複数の金型を用いて射出成形することによる多くの工数を必要とするものであった。しかし本実施形態に係る樹脂成形方法では、金型を必要とせず、挿入部材を表出させずに挿入部材を内包する成形体を容易に得ることができる。
上述の第2実施形態に係る樹脂成形方法によって得られる成形体900は、同じ挿入部材Tiを2個、内包する形態を例示したが、これに限定されない。例えば、3個以上であってもよく、異なる形状であってもよく、異なる材質であってもよい。
100…基台、200…ステージ、300…貯留槽、400…成形部、500…エネルギー線照射部(紫外線照射部)、600…射出部、700…制御ユニット、1000…樹脂成形装置、2000…ロボット。

Claims (9)

  1. ステージと、
    前記ステージに設置された貯留槽と、
    エネルギー線を照射するエネルギー線照射部と、
    合成樹脂である第1の材料を可塑化させ、射出口から射出する射出部と、
    前記ステージと、前記エネルギー線照射部および射出部と、が相対的に3次元移動を可能とする駆動手段と、を備え、
    前記貯留槽は、少なくとも重力方向に駆動可能なテーブルを内部に備え、前記エネルギー線によって硬化するエネルギー線硬化型樹脂を含む液状の第2の材料が貯留されている、
    ことを特徴とする樹脂成形装置。
  2. 前記エネルギー線照射部から照射される前記エネルギー線が、前記第2の材料を硬化させて層状に第1成形物が形成され、
    前記射出部から射出される前記第1の材料が硬化し、層状に第2成形物が形成され、
    前記第1成形物が重力方向に積層された第1成形体と、前記第2成形物が重力方向に積層された第2成形体と、が形成される、
    ことを特徴とする請求項1に記載の樹脂成形装置。
  3. 前記第1の材料と異なる材料により形成された挿入部材を、前記第2成形物に供給する挿入部材供給部を備え、
    前記挿入部材が、前記第2成形体と一体的に形成される、
    ことを特徴とする請求項2に記載の樹脂成形装置。
  4. 前記第1成形体には、前記第2成形体を形成するキャビティーが形成され、前記第2成形体は前記第1の材料が前記キャビティーに向けて射出され、充填される、
    ことを特徴とする請求項2または3に記載の樹脂成形装置。
  5. 前記エネルギー線が紫外線であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の樹脂成形装置。
  6. ステージに設置された貯留槽に貯留されたエネルギー線硬化型樹脂を含む液状の第2の材料にエネルギー線を照射し、前記エネルギー線硬化型樹脂を硬化させて単層の型成形物単層を形成する型成形物単層形成工程と、
    可塑化させた合成樹脂である第1の材料を、前記型成形物単層に形成された成形領域に向けて射出部から射出して充填し、成形物単層を形成する単層射出成形工程と、
    前記型成形物単層形成工程によって形成された第一の型成形物単層に積層させ、前記型成形物単層形成工程によって第二の型成形物単層を形成する型成形物積層工程と、
    前記単層射出成形工程によって形成された第一の成形物単層に積層させ、前記単層射出成形工程によって第二の成形物単層を形成する成形物積層工程と、を含み、
    前記型成形物積層工程を所定の回数、繰り返し、前記型成形物単層が所定の層数、積層された型成形体と、
    前記成形物積層工程を前記所定の回数、繰り返し、前記型成形体の前記成形領域に積層された成形体と、を形成する、
    ことを特徴とする樹脂成形方法。
  7. 前記成形物積層工程は、挿入部材を前記成形物単層に配置させる挿入部材供給工程を含み、
    前記挿入部材が前記成形体に一体的に成形される、
    ことを特徴とする請求項に記載の樹脂成形方法。
  8. 前記成形体を前記型成形体から離型する離型工程を含み、
    前記離型工程が、前記型成形体を溶解させる、
    ことを特徴とする請求項6または7に記載の樹脂成形方法。
  9. 前記エネルギー線が紫外線であることを特徴とする請求項6から8のいずれか一項に記載の樹脂成形方法。
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