JP6820529B2 - 金型装置、金型装置を用いた成形品の製造方法、および金型装置の製造方法 - Google Patents

金型装置、金型装置を用いた成形品の製造方法、および金型装置の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、金型装置、金型装置を用いた成形品の製造方法、および金型装置の製造方法に関する。
日本の「ものづくり」産業を支えてきた技術の一つに、金型を用いた成形技術がある。かかる成形技術としては、例えば加圧成形法および射出成形法などが挙げられる。これら成形法のうち、射出成形法は、一方の金型(可動側金型)と他方の金型(固定側金型)とを備えた金型装置を用いて溶融原料から成形品を得る方法である。
当該金型装置100’では、可動側金型101’と固定側金型102’とを型合わせした際に溶融原料を注入および充填するためのキャビティ103’が内部に形成される(図11参照)。当該溶融原料は、型合わせ時に形成される溶融原料の通路であるスプルー部104’、スプルー部104’と連続するランナー部105’、およびキャビティ103’の入口であるゲート部106’を通じてキャビティ103’内に注入および充填される。当該キャビティ103’に充填された溶融原料を冷却に付すと、最終的に所定の成形品が得られる。
又、金型装置100’の構成要素である可動側金型101’および固定側金型102’は、光ビームの照射により複数の固化層を逐次形成する方法を利用して製造することができる。かかる方法としては、例えば“粉末床溶融結合法”が挙げられる。“粉末床溶融結合法”は、光ビームを粉末材料に照射することを通じて金型又は金型の構成要素として用いる三次元形状造形物を製造する方法である。かかる方法は、以下の工程(i)および(ii)に基づいて粉末層形成と固化層形成とを交互に繰り返し実施して三次元形状造形物を製造する。
(i)粉末層の所定箇所に光ビームを照射し、かかる所定箇所の粉末を焼結又は溶融固化させて固化層を形成する工程。
(ii)得られた固化層の上に新たな粉末層を形成し、同様に光ビームを照射して更なる固化層を形成する工程。
このような製造技術に従えば、複雑な三次元形状造形物を短時間で製造することが可能となる。粉末材料として例えば無機質の金属粉末を用いる場合、得られる三次元形状造形物を金型として使用することができる。
粉末材料として金属粉末を用い、それによって得られる三次元形状造形物を金型として使用する場合、図12に示すように、まず、スキージング・ブレード23を動かして造形プレート21上に所定厚みの粉末層22を形成する(図12(a)参照)。次いで、粉末層22の所定箇所に光ビームLを照射して粉末層22から固化層24を形成する(図12(b)参照)。引き続いて、得られた固化層の上に新たな粉末層を形成して再度光ビームを照射して新たな固化層を形成する。このようにして粉末層形成と固化層形成とを交互に繰り返し実施すると固化層24が積層することになり(図12(c)参照)、最終的には積層化した固化層24から成る三次元形状造形物を得ることができる。最下層として形成される固化層24は造形プレート21と結合した状態になるので、三次元形状造形物と造形プレート21とは一体化物を成すことになり、その一体化物を金型として使用できる。
特許第3446748号公報
ここで、可動側金型101’および/又は固定側金型102’には、内部に低密度部50’が設けられる場合があり得る(図11参照)。当該低密度部50’は、成形時にキャビティ103’内にて生じ得る溶融原料のガス等を外部に排出するために、キャビティ103’を形作るキャビティ形成面103a’に直接接続され得る。当該低密度部50’は、例えば粉末床溶融結合法で相対的に小さい照射エネルギーの光ビームLを粉末層22の所定箇所に照射することで得られ得る(図12参照)。
しかしながら、本願発明者らは、キャビティ形成面103a’に直接接続する低密度部50’が設けられると、以下の問題が生じ得ることを見出した。具体的には、低密度部50’は、相対的に小さい照射エネルギーの光ビームLが粉末層22の所定箇所に照射されることにより形成され得るため、当該低密度部50’の固化密度は相対的に低くなり得る。そのため、固化密度が低いことに起因して、低密度部50’には局所的に空隙が存在し得る。当該低密度部50’はキャビティ形成面103a’に直接接続され得るため、キャビティ形成面103a’に空隙を局所的に有する低密度部50’が存在することになり得る。そのため、低密度部50’が存在し得るキャビティ形成面103a’により形作られるキャビティ103’に溶融原料を充填すると、当該低密度部50’の局所的な空隙に起因して、最終的に得られる成形品に対するキャビティ形成面103a’の転写精度が低下し得る虞がある。
本発明は、かかる事情に鑑みて為されたものである。すなわち、本発明の目的は、最終的に得られる成形品に対するキャビティ形成面103a’の転写精度の低下を回避可能な金型装置、当該金型装置を用いた成形品の製造方法、および当該金型装置の製造方法を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明の一実施形態では、
可動側金型および固定側金型を有して成る金型装置であって、
金型装置のランナー部から金型装置の外側表面まで延在する低密度部を有しており、低密度部が流体通過路となっている、金型装置が提供される。
上記目的を達成するために、本発明の一実施形態では、
可動側金型および固定側金型を有して成る金型装置を用いて成形品を製造するための方法であって、
金型装置は、ランナー部から金型装置の外側表面まで延在する低密度部を有しており、
低密度部を流体通過路として用いる、成形品の製造方法が提供される。
上記目的を達成するために、本発明の一実施形態では、
可動側金型および固定側金型を有して成る金型装置の製造方法であって、
ランナー部から金型装置の外側表面まで延在し、かつ流体が通過可能な低密度部が形成されるように、光ビーム照射により複数の固化層を逐次形成することを含む、金型装置の製造方法が提供される。
本発明の一実施形態によれば、最終的に得られる成形品に対するキャビティ形成面の転写精度の低下を回避することが可能である。
本発明の一実施形態に係る金型装置の製造方法を模式的に示した断面図 固定側金型に低密度部を設ける態様を模式的に示した断面図 可動側金型に低密度部を設ける態様を模式的に示した断面図 相対的に小さい抜き勾配を有して成る又は抜き勾配を有していない金型装置を用いる態様を模式的に示した断面図 本発明の一実施形態に係る金型装置を模式的に示した断面図 加圧ガスが固定側金型内の低密度部に供給される態様を模式的に示した断面図 加圧ガスが可動側金型内の低密度部に供給される態様を模式的に示した断面図 低密度部が固定側金型に設けられている態様を模式的に示した断面図 低密度部が可動側金型に設けられている態様を模式的に示した断面図 溶融原料を金型装置内に注入する態様を模式的に示した断面図 固定側金型内の低密度部への加圧ガスの供給態様および/又は可動側金型内の低密度部からの金型装置内の内部ガスの吸引態様を模式的に示した断面図 固定側金型から成形品を離型させた後に可動側金型内の低密度部に加圧ガスを供給する態様を模式的に示した断面図 固定側金型内の低密度部に加圧ガスを供給する態様を模式的に示した断面図 可動側金型内の低密度部に加圧ガスを供給する態様を模式的に示した断面図 本願発明者らが見出した技術的課題に関する態様の模式図 粉末床溶融結合法が実施される光造形複合加工のプロセス態様を模式的に示した断面図(図12(a):粉末層形成時、図12(b):固化層形成時、図12(c):積層途中) 光造形複合加工機の構成を模式的に示した斜視図 光造形複合加工機の一般的な動作を示すフローチャート
以下では、図面を参照して本発明の一実施形態をより詳細に説明する。図面における各種要素の形態および寸法は、あくまでも例示にすぎず、実際の形態および寸法を反映するものではない。
本発明の一実施形態の特徴部分を説明するに先立って、光ビームの照射により複数の固化層を逐次形成する方法を利用して金型又は金型の構成要素として用いる三次元形状造形物を製造する態様に説明する。かかる方法としては、「粉末床溶融結合法」および「LMD(Laser Metal Deposition, レーザーメタルデポジション)法」が挙げられる。
[粉末床溶融結合法]
以下、粉末床溶融結合法について説明する。特に粉末床溶融結合法において三次元形状造形物の切削処理を付加的に行う光造形複合加工を例として挙げる。図12は、光造形複合加工のプロセス態様を模式的に示しており、図13および図14は、粉末床溶融結合法と切削処理とを実施できる光造形複合加工機の主たる構成および動作のフローチャートをそれぞれ示している。
光造形複合加工機1は、図13に示すように、粉末層形成手段2、光ビーム照射手段3および切削手段4を備えている。
粉末層形成手段2は、金属粉末または樹脂粉末などの粉末を所定厚みで敷くことによって粉末層を形成するための手段である。光ビーム照射手段3は、粉末層の所定箇所に光ビームLを照射するための手段である。切削手段4は、積層化した固化層の表面、すなわち、三次元形状造形物の表面を削るための手段である。
粉末層形成手段2は、図12に示すように、粉末テーブル25、スキージング・ブレード23、造形テーブル20および造形プレート21を主に有して成る。粉末テーブル25は、外周が壁26で囲まれた粉末材料タンク28内にて上下に昇降できるテーブルである。スキージング・ブレード23は、粉末テーブル25上の粉末19を造形テーブル20上へと供して粉末層22を得るべく水平方向に移動できるブレードである。造形テーブル20は、外周が壁27で囲まれた造形タンク29内にて上下に昇降できるテーブルである。そして、造形プレート21は、造形テーブル20上に配され、三次元形状造形物の土台となるものである。
光ビーム照射手段3は、図13に示すように、光ビーム発振器30およびガルバノミラー31を主に有して成る。光ビーム発振器30は、光ビームLを発する機器である。ガルバノミラー31は、発せられた光ビームLを粉末層22にスキャニングする手段、すなわち、光ビームLの走査手段である。
切削手段4は、図13に示すように、エンドミル40および駆動機構41を主に有して成る。エンドミル40は、積層化した固化層の表面、すなわち、三次元形状造形物の表面を削るための切削工具である。駆動機構41は、エンドミル40を所望の切削すべき箇所へと移動させる手段である。
光造形複合加工機1の動作について詳述する。光造形複合加工機1の動作は、図14のフローチャートに示すように、粉末層形成ステップ(S1)、固化層形成ステップ(S2)および切削ステップ(S3)から構成されている。粉末層形成ステップ(S1)は、粉末層22を形成するためのステップである。かかる粉末層形成ステップ(S1)では、まず造形テーブル20をΔt下げ(S11)、造形プレート21の上面と造形タンク29の上端面とのレベル差がΔtとなるようにする。次いで、粉末テーブル25をΔt上げた後、図12(a)に示すようにスキージング・ブレード23を粉末材料タンク28から造形タンク29に向かって水平方向に移動させる。これによって、粉末テーブル25に配されていた粉末19を造形プレート21上へと移送させることができ(S12)、粉末層22の形成が行われる(S13)。粉末層22を形成するための粉末材料としては、例えば「平均粒径5μm〜100μm程度の金属粉末」および「平均粒径30μm〜100μm程度のナイロン、ポリプロピレンまたはABS等の樹脂粉末」を挙げることができる。粉末層22が形成されたら、固化層形成ステップ(S2)へと移行する。固化層形成ステップ(S2)は、光ビーム照射によって固化層24を形成するステップである。かかる固化層形成ステップ(S2)においては、光ビーム発振器30から光ビームLを発し(S21)、ガルバノミラー31によって粉末層22上の所定箇所へと光ビームLをスキャニングする(S22)。これによって、粉末層22の所定箇所の粉末を焼結又は溶融固化させ、図12(b)に示すように固化層24を形成する(S23)。光ビームLとしては、炭酸ガスレーザ、Nd:YAGレーザ、ファイバレーザまたは紫外線などを用いてよい。
粉末層形成ステップ(S1)および固化層形成ステップ(S2)は、交互に繰り返して実施する。これにより、図12(c)に示すように複数の固化層24が積層化する。
積層化した固化層24が所定厚みに達すると(S24)、切削ステップ(S3)へと移行する。切削ステップ(S3)は、積層化した固化層24の表面、すなわち、三次元形状造形物の表面を削るためのステップである。エンドミル40(図12(c)および図13参照)を駆動させることによって切削ステップが開始される(S31)。例えば、エンドミル40が3mmの有効刃長さを有する場合、三次元形状造形物の高さ方向に沿って3mmの切削処理を行うことができるので、Δtが0.05mmであれば60層分の固化層24が積層した時点でエンドミル40を駆動させる。具体的には駆動機構41によってエンドミル40を移動させながら、積層化した固化層24の表面を切削処理に付すことになる(S32)。このような切削ステップ(S3)の最終では、所望の三次元形状造形物が得られているか否かを判断する(S33)。所望の三次元形状造形物が依然得られていない場合では、粉末層形成ステップ(S1)へと戻る。以降、粉末層形成ステップ(S1)〜切削ステップ(S3)を繰り返し実施して更なる固化層の積層化および切削処理を実施することによって、最終的には積層化した固化層24から成る所望形状の三次元形状造形物を得ることができる。なお、最下層として形成される固化層24は造形プレート21と結合した状態になるので、三次元形状造形物と造形プレート21とは一体化物を成すことになり、その一体化物を金型として使用できる。
[LMD法]
以下、LMD(Laser Metal Deposition, レーザーメタルデポジション)法について説明する。「LMD法」とは、造形プレート上にて原料の供給と光ビーム照射とを実質的に同時に行って固化層を形成する方法である。上記の粉末床溶融結合法と比べると、LMD法は、固化層を得るに際して粉末層の形成工程を含まない点に特徴を有する。
LMD法で用いる原料としては、粉末または溶加材を用いてよい。つまり、LMD法では、原料供給箇所に光ビームが照射されると共に、原料としての粉末または溶加材が供給されることにより、その供給される粉末または溶加材から固化層を形成する。
粉末の種類は、粉末床溶融結合法で用いる粉末の種類と同じであってよい。一方、溶加材は、溶接原料のことを指しており、光ビームが照射されると溶融し得るものを指す。溶加材の材質は、特に限定されるものではないが金属であってよい。溶加材の形状は、特に限定されるわけではないが、光ビームが照射される原料供給箇所への原料としての溶加材の供給のし易さの観点からワイヤー形状又は棒形状等の細長い形状が好ましい。
原料として粉末が用いられる場合、供給された粉末を光ビーム照射によって焼結又は溶融固化させて粉末から固化層を直接的に形成する。好ましくは、光ビームの照射部分に対して粉末を噴霧供給して、粉末を焼結又は溶融固化させて固化層を形成する。
一方、原料として溶加材が用いられる場合、光ビームの照射部分に溶加材を供給し、溶加材の一部を光ビームによって溶融させ、それにより溶融させた溶加材の一部から固化層を形成する。
上記の粉末床溶融結合法と同様に積層化した固化層が所定厚みに達すると、切削ステップへと移行し、最終的には積層化した固化層から成る所望形状の三次元形状造形物を得ることができる。なお、最下層として形成される固化層は造形プレートと結合した状態になるので、三次元形状造形物と造形プレートとは一体化物を成すことになり、その一体化物を金型として使用できる。
[本発明の金型装置の製造方法]
本願発明者らは、上述のように以下の技術的課題を見出した(図11参照)。具体的には、低密度部50’がキャビティ形成面103a’に直接接続されていると、キャビティ形成面103a’に存在する低密度部50’の局所的な空隙に起因して、最終的に得られる成形品に対するキャビティ形成面103a’の転写精度が低下し得る虞がある。そこで、本願発明者らはかかる技術的課題を解決するために鋭意検討し、本発明の一実施形態に係る金型装置の製造方法を案出するに至った。
本発明の一実施形態に係る金型装置の製造方法は、光ビームの照射により複数の固化層を逐次形成する方法を利用しており、特に、上述の低密度部をキャビティ形成面と直接接続させるという従来の態様とは異なる態様で形成している点に特徴を有する。
具体的には、本発明の一実施形態に係る製造方法は、ランナー部105から金型装置100の外側表面100aまで延在し、かつ流体が通過可能な低密度部50が形成されるように、光ビームの照射により複数の固化層を逐次形成することを含む。
本明細書でいう「金型装置」とは、可動側金型および固定側金型を備えているものを指す。本明細書でいう「ランナー部」とは、可動側金型と固定側金型とを型合わせした際に形成される溶融原料の通路であって、スプルー部とキャビティとの間に位置するものを指す。本明細書でいう「金型装置の外側表面」とは、可動側金型と固定側金型とを型合わせした際における可動側金型および/又は固定側金型の外部に露出した面を指す。本明細書でいう「流体」とは、広義にはガス(気体)および/又は液体を指し、狭義には低密度部を通過可能なガス(気体)および/又は液体を指す。本明細書でいう「低密度部」とは、広義には相対的に小さい照射エネルギーの光ビームが粉末に照射されることにより形成される固化部(固化層の構成要素)を指す。本明細書でいう「低密度部」とは、狭義には当該固化部の固化密度が相対的に低いもの(例えば固化密度が40〜95%(95%を含まず)であるもの)を指す。本明細書でいう「内部ガス」とは、金型装置内に生じ得るガス、例えば金型装置内の溶融原料から生じ得るガス、金型装置内の空気等を指す。本明細書でいう「離型」とは、成形品が固定側金型および可動側金型の少なくとも一方から離れた状態を実質的に指す。本明細書でいう「キャビティ」とは、可動側金型と固定側金型とを型合わせした際に形成される内部空間領域を指す。また、本明細書でいう「キャビティ形成面」とは、可動側金型と固定側金型とを型合わせした際に形成される内部空間領域を形作る面を指す。
上述のように、本発明の一実施形態に係る製造方法では、製造される金型装置100に、ランナー部105から金型装置100の外側表面100aまで延在し、かつ流体が通過可能な低密度部50を形成する。特に限定されるものではないが、本発明の一実施形態では、金型装置100の構成要素である固定側金型102および可動側金型101の両方の内部に低密度部50αと低密度部50βをそれぞれ形成する。なお、下記の別態様でも述べるが、低密度部は固定側金型102と可動側金型101の両方に形成されている必要は必ずしもなく、固定側金型102と可動側金型101のいずれか一方に形成されていてよい。当該低密度部50は、相対的に小さい照射エネルギーの光ビームLが粉末に照射されることにより形成されるため、それに起因して低密度部50には局所的に空隙が存在し得る。
本発明の一実施形態では、当該低密度部50を、ランナー部105から金型装置100の外側表面100aまで延在させるため、低密度部50はランナー部105に直接接続されることになる。つまり、具体的に言うと、本発明の一実施形態では、空隙を局所的に有する低密度部50は、ランナー部105を形作るランナー部形成面105aに存在し得るのであって、キャビティ103を形作るキャビティ形成面103aには存在し得ない。そのため、キャビティ形成面103aにより形作られるキャビティ103に溶融原料を充填しても、キャビティ形成面103aに低密度部50が存在しないことに起因して、最終的に得られる成形品に対するキャビティ形成面103aの転写精度の低下を回避することが可能となる。つまり、最終的に得られる成形品に対するキャビティ形成面103aの転写精度を向上させることが可能となる。
本発明の一実施形態に係る製造方法では、図1に示すように、光ビームLの照射により複数の固化層24を逐次形成して、金型装置100の構成要素である可動側金型101と固定側金型102とをそれぞれ形成する。
固定側金型の製造
本発明の一実施形態では、固定側金型102の製造に際しては、複数の固化層24Aを逐次形成して、型合わせ時におけるキャビティ形成面103aの一部をなす面102aおよびランナー部形成面105aの一部をなす面102bをそれぞれ形成する。更に、固定側金型102の形成に際しては、複数の固化層24Aを逐次形成して、最下層の固化層24Aの表面24Aaから型合わせ時におけるランナー部形成面105aの一部をなす面102bまで延在し、流体が通過可能な低密度部50αを形成する。以上により、最終的に本発明の一実施形態に係る固定側金型102が得られる。
可動側金型の製造
一方、本発明の一実施形態では、可動側金型101の形成に際しては、複数の固化層24Bを逐次形成して、型合わせ時におけるキャビティ形成面103aの一部をなす面101aおよびランナー部形成面105aの一部をなす面101bをそれぞれ形成する。更に、可動側金型101の形成に際しては、複数の固化層24Bを逐次形成して、最下層の固化層24Bの表面24Baから型合わせ時におけるランナー部形成面105aの一部をなす面101bまで延在し、流体が通過可能な低密度部50βを形成する。以上により、最終的に本発明の一実施形態に係る可動側金型101が得られる。
可動側金型と固定側金型との型合わせ
最後に、上記方法により得られる本発明の一実施形態に係る可動側金型101と固定側金型102とを相互に型合わせする。
詳細には、(1)可動側金型101内に設けた低密度部50βと、固定側金型102内に設けた低密度部50αとが断面視にて一方向に並ぶように、可動側金型101と固定側金型102とを相互に型合わせする。また、(2)可動側金型101のランナー部形成面105aの一部をなす面101bと、固定側金型102のランナー部形成面105aの一部をなす面102bとが相互に連続するように、可動側金型101と固定側金型102とを相互に型合わせする。更に、(3)可動側金型101のキャビティ形成面103aの一部をなす面101aと、固定側金型102のランナー部形成面105aの一部をなす面102aとが相互に連続するように、可動側金型101と固定側金型102とを相互に型合わせする。以上により、ランナー部105から金型装置100の外側表面100aまで延在し、かつ流体が通過可能な低密度部50を有する金型装置100を得ることができ得る。
なお、本発明の一実施形態に係る金型装置の製造方法は、以下の態様を採ることが好ましい。
一態様では、上述のように、低密度部50には局所的に空隙が存在するため、それに起因して当該低密度部50をガスおよび/又は液体等の「流体」を通過させるための流体通過路として用いることが好ましい。この場合、例えば金型装置100内に供した溶融原料を冷却した後のタイミングで当該低密度部50に流体を通すと、流体の所定の圧力がランナー部105を介して成形品にかかる。具体的には、当該タイミングで固定側金型102内に形成した低密度部50αに外部から流体を流すと、流体の所定の圧力がランナー部105を介して成形品にかかる。これにより、成形品を固定側金型102から離型し得る。また、図1に示す態様では、可動側金型101の内部にも低密度部50βが設けられている。そのため、例えば成形品を固定側金型102から離型した後に、可動側金型101内に形成した低密度部50βに流体を流すと、流体の所定の圧力により可動側金型101上に位置する成形品を可動側金型101からも離型させることができ得る。なお、ここでいう「離型」とは、上記にて既に用語の定義を行っているが、成形品が固定側金型および可動側金型の少なくとも一方から離れる状態を実質的に指す。
又、固定側金型102および可動側金型101の両方の内部に低密度部50αと低密度部50βをそれぞれ形成する場合、以下態様を採ることが好ましい。具体的には、下記の成形品の製造方法の欄で詳述するが、例えば金型装置100内にて成形品を形成した後、可動側金型101内に形成した低密度部50βを介して金型装置100内の内部ガスを吸引することが好ましい。かかる吸引により、金型装置100内に形成した成形品を可動側金型101側に引き寄せることができ得る。そのため、吸引を実施しない場合と比べて、成形品を可動側金型101側に密着させて可動側金型101と成形品との間に生じ得る微小な間隙の発生をより好適に回避でき得る。これにより、一例として固定側金型102内の低密度部50Xに加圧ガス400を通す際に、ランナー部105を介して当該加圧ガス400の加圧力を成形品により好適に加えることができ得る。
なお、本発明の一実施形態に係る金型装置の製造方法は、以下の態様を採ってよい。
一態様では、低密度部を、可動側金型および固定側金型の少なくとも一方に設けてよい(図2参照)。
図1では、本発明の一実施形態に係る金型装置の製造方法として、金型装置100の構成要素である可動側金型101および固定側金型102のそれぞれに低密度部を設けることを前提として説明した。しかしながら、本発明の一実施形態は、これに限定されることなく、可動側金型および固定側金型の少なくとも一方に低密度部を設けてよい。
例えば、一例として、図2Aに示すように固定側金型のみに低密度部を設けてよい。
具体的には、固定側金型102Aのみにランナー部105Aから固定側金型102Aの外側表面102Aaまで延在し、かつ流体が通過可能な低密度部50Aが形成されるように、金型装置100Aを製造する。
より具体的には、固定側金型の形成に際しては、光ビームの照射により複数の固化層を逐次形成して、型合わせ時におけるキャビティ形成面の一部をなす面と、型合わせ時におけるランナー部形成面の一部をなす面とをそれぞれ形成する。更に、本態様では、光ビームの照射により複数の固化層を逐次形成して、最下層の固化層の表面から、型合わせ時におけるランナー部形成面の一部をなす面まで延在し、流体が通過可能な低密度部を形成する。以上により、最終的に本態様に係る固定側金型102Aが得られる。
一方、可動側金型の形成に際しては、光ビームの照射により複数の固化層を逐次形成して、型合わせ時におけるキャビティ形成面の一部をなす面と、型合わせ時におけるランナー部形成面の一部をなす面とをそれぞれ形成する。以上により、最終的に本態様に係る可動側金型101Aが得られる。
最後に、上記方法により得られる一態様に係る可動側金型101Aと固定側金型102Aとを相互に型合わせする。
詳細には、(1)可動側金型101Aのランナー部形成面の一部をなす面と、固定側金型102Aのランナー部形成面の一部をなす面とが相互に連続するように、可動側金型101Aと固定側金型102Aとを相互に型合わせする。これに加えて、(2)可動側金型101Aのキャビティ形成面の一部をなす面と、固定側金型102Aのランナー部形成面の一部をなす面とが相互に連続するように、可動側金型101Aと固定側金型102Aとを相互に型合わせする。
以上により、固定側金型102Aのみにランナー部105Aから固定側金型102Aの外側表面102Aaまで延在し、かつ流体が通過可能な低密度部50Aが形成された金型装置100Aが製造される。
図2Aに示す態様では、図1に示す態様と同様に当該低密度部50Aについては、相対的に小さい照射エネルギーの光ビームを粉末に照射することによって形成する。そのため、低密度部50Aには局所的に空隙が存在し得る。空隙を局所的に有する低密度部50Aは、ランナー部105Aを形作るランナー部形成面105Aaに存在し得る。つまり、空隙を局所的に有する低密度部50Aは、キャビティ103Aを形作るキャビティ形成面103Aaには存在し得ない。そのため、局所的に空隙を有する低密度部50Aが存在し得ないキャビティ形成面103Aaにより形作られるキャビティ103Aに溶融原料を充填すると、以下の効果が奏され得る。すなわち、キャビティ形成面103Aaに低密度部50Aが存在しないことに起因して、図1に示す態様と同様に最終的に得られる成形品に対するキャビティ形成面103Aaの転写精度の低下を回避することが可能となる。
一方、図2Aに示す態様と図1に示す態様とを比べると、前者が固定側金型102A内にのみ低密度部50Aが形成されているのに対して、後者は固定側金型と可動側金型の両方の内部に低密度部が形成されている。低密度部には上述のように局所的な空隙が存在し得るため、それに起因して「流体」を当該低密度部に通過させることが可能となる。そのため、例えば金型装置100A内に供した溶融原料を冷却した後のタイミングで固定側金型102A内の低密度部50Aに流体を通すと、流体の所定の圧力がランナー部105Bを介して成形品にかかる。これにより、成形品を固定側金型102Bから離型し得る。
例えば、別例として図2Bに示すように可動側金型のみに低密度部を設けてよい。
具体的には、可動側金型101Bのみにランナー部105Bから可動側金型101Bの外側表面101Baまで延在し、かつ流体が通過可能な低密度部50Bが形成されるように、金型装置100Bを製造する。
より具体的には、可動側金型の形成に際しては、光ビームの照射により複数の固化層を逐次形成して、型合わせ時におけるキャビティ形成面の一部をなす面と、型合わせ時におけるランナー部形成面の一部をなす面とをそれぞれ形成する。更に、本態様では、光ビームの照射により複数の固化層を逐次形成して、最下層の固化層の表面から、型合わせ時におけるランナー部形成面の一部をなす面まで延在し、流体が通過可能な低密度部を形成する。以上により、最終的に本態様に係る可動側金型101Bが得られる。
一方、固定側金型の形成に際しては、光ビームの照射により複数の固化層を逐次形成して、型合わせ時におけるキャビティ形成面の一部をなす面と、型合わせ時におけるランナー部形成面の一部をなす面とをそれぞれ形成する。以上により、最終的に本態様に係る固定側金型102Bが得られる。
最後に、上記方法により得られる一態様に係る可動側金型101Bと固定側金型102Bとを相互に型合わせする。
詳細には、(1)可動側金型101Bのランナー部形成面の一部をなす面と、固定側金型102Bのランナー部形成面の一部をなす面とが相互に連続するように、可動側金型101Bと固定側金型102Bとを相互に型合わせする。これに加えて、(2)可動側金型101Bのキャビティ形成面の一部をなす面と、固定側金型102Bのランナー部形成面の一部をなす面とが相互に連続するように、可動側金型101Bと固定側金型102Bとを相互に型合わせする。
以上により、可動側金型101Bのみにランナー部105Bから可動側金型101Bの外側表面101Baまで延在し、かつ流体が通過可能な低密度部50Bが形成された金型装置100Bが製造される。
図2Bに示す態様では、図1に示す態様と同様に当該低密度部50Bについては、相対的に小さい照射エネルギーの光ビームを粉末に照射することによって形成する。そのため、低密度部50Bには局所的に空隙が存在し得る。空隙を局所的に有する低密度部50Bは、ランナー部105Bを形作るランナー部形成面105Baに存在し得る。つまり、空隙を局所的に有する低密度部50Bは、キャビティ103Bを形作るキャビティ形成面103Baには存在し得ない。そのため、キャビティ形成面103Baにより形作られるキャビティ103Bに溶融原料を充填しても、キャビティ形成面103Baに低密度部50Bが存在しないことに起因して、図1に示す態様と同様に最終的に得られる成形品に対するキャビティ形成面103Baの転写精度の低下を回避することが可能となる。
一方、図2Bに示す態様と図1に示す態様とを比べると、前者が可動側金型101B内にのみ低密度部50Bが形成されているのに対して、後者は固定側金型と可動側金型の両方の内部に低密度部が形成されている。低密度部には上述のように局所的な空隙が存在し得るため、それに起因して「流体」を当該低密度部に通過させることが可能となる。そのため、例えば型開き手段を用いて可動側金型101Bを固定側金型102Bから離隔させた状態で可動側金型101B内の低密度部50Bに流体を通すと、以下の効果が奏され得る。すなわち、流体の所定の圧力により可動側金型101B上に位置する成形品を可動側金型101Bから離型させることができ、それにより成形品を金型装置100Bから取り出すことができ得る。
一態様では、成形品取出しのための相対的に小さい抜き勾配を有して成る、又は成形品取出しのための抜き勾配を有していない金型装置を用いてよい(図3参照)。
本発明の一実施形態の製造方法では、上述のように金型装置内に低密度部を設けている(図1参照)。図1に示す態様で説明したように、金型装置内に、例えば固定側金型と可動側金型の両方の内部に低密度部を設けると、当該低密度部に流体を外部から流すことで、成形品を固定側金型と可動側金型のいずれからも離型させることができ得る。つまり、成形品を金型装置から取り出すことができ得る。
従来の射出成形法では、キャビティ内の溶融原料を冷却した後に、型開き手段を用いて固定側金型から可動側金型を離隔させて型開きし、次いで型開き後にエジェクターピンを用いて成形品を取り出すことが当業者にとって一般的である。この場合、型開き手段を用いる際、キャビティ内に冷却固化した成形品が存在する状態で固定側金型から可動側金型を移動させる必要があるため、固定側金型から成形品を円滑に離型させる観点から、固定側金型には「相対的に大きい抜き勾配」が一般的に設けられている。同様に、エジェクターピンを用いる際、可動側金型から成形品を円滑に離型させる観点から、可動側金型にも「相対的に大きい抜き勾配」が一般的に設けられている。ここでいう「相対的に大きい抜き勾配」とは、固定側金型側で言うと、例えばキャビティを形作るための固定側金型の凹部の一方の凹部形成面とこれに連続する他方の凹部形成面との間に形成される角度が100度以上になるものを指す。同様に、ここでいう「相対的に大きい抜き勾配」とは、可動側金型で言うと、キャビティを形作るための可動側金型の凸部の一方の凸部形成面とこれに連続する他方の凸部形成面との間に形成される角度が特に限定されないが100度以上になるものを指す。
これに対して、上述のように本発明の一実施形態の製造方法では、金型装置内に、例えば固定側金型と可動側金型の両方の内部に低密度部を設けるが故に、流体を利用して成形品を金型装置から取り出すことが可能である。そのため、従来では金型装置からの成形品を円滑に離型させるために必要とされていた「相対的に大きい抜き勾配」を「相対的に小さい抜き勾配」又は「抜き勾配の無い態様」に変えることが可能である。
なお、ここでいう「相対的に小さい抜き勾配」とは、固定側金型102C側で言うと、例えばキャビティを形作るための固定側金型102Cの凹部の一方の凹部形成面102Caとこれに連続する他方の凹部形成面102Caとの間に形成される角度θが例えば90度<θ<100度になるものを指す。同様に、ここでいう「相対的に小さい抜き勾配」とは、可動側金型101Cで言うと、キャビティを形作るための可動側金型101Cの凸部の一方の凸部形成面101Caとこれに連続する他方の凸部形成面101Caとの間に形成される角度θが例えば90度<θ<100度になるものを指す。一方、ここでいう「抜き勾配の無い態様」とは、固定側金型102C側で言うと、例えばキャビティを形作るための固定側金型102Cの凹部の一方の凹部形成面102Caとこれに連続する他方の凹部形成面102Caとの間に形成される角度θが90度になるものを指す。同様に、ここでいう「相対的に小さい抜き勾配」とは、可動側金型101Cで言うと、キャビティを形作るための可動側金型101Cの凸部の一方の凸部形成面101Caとこれに連続する他方の凸部形成面101Caとの間に形成される角度θが90度になるものを指す。
従って、当該「相対的に小さい抜き勾配」を有して成る金型装置を用いると、「相対的に大きい抜き勾配」を有して成る金型装置を用いる場合と比べて、断面視にて傾斜角度が相対的に急な角度(例えば90度<傾斜角度<100度)を有する成形品を得ることが可能となる。つまり、最終的に得られる成形品の形状自由度を向上させることが可能となる。更に、当該「抜き勾配の無い」金型装置を用いると、「相対的に大きい抜き勾配」を有して成る金型装置を用いる場合と比べて、断面視にて傾斜角度が90度を有する成形品を得ることも可能となる。つまり、最終的に得られる成形品の形状自由度をより向上させることが可能となる。
[本発明の金型装置]
上記本発明の一実施形態に係る製造方法により得られた金型装置は、以下の特徴を有する。
具体的には、本発明の一実施形態に係る金型装置は、内部に形成される低密度部がキャビティ形成面と直接接続させるという従来の態様とは異なる態様で設けられている点に特徴を有する(図4参照)。
本発明の一実施形態に係る金型装置100は、可動側金型101および固定側金型102を有して成る。当該金型装置100は、金型装置100のランナー部105から金型装置100の外側表面100aまで延在する低密度部50を有しており、当該低密度部50が流体通過路となっている。本発明の一実施形態では、低密度部50は、固定側金型102内に形成された低密度部50αと可動側金型101内に形成された低密度部50βとが断面視にて一方向に並ぶように構成されている。なお、下記の別態様でも述べるが、低密度部は固定側金型102と可動側金型101の両方に形成されている必要は必ずしもなく、固定側金型102と可動側金型101のいずれか一方に形成されていてよい。
当該低密度部50は、上述のように相対的に小さい照射エネルギーの光ビームLが粉末に照射されることにより形成されるため、それに起因して低密度部50には局所的に空隙が存在した状態となり得る。本発明の一実施形態では、当該低密度部50は、ランナー部105から金型装置100の外側表面100aまで延在しているため、低密度部50はランナー部105に直接接続されている。
そのため、上述のように、空隙を局所的に有する低密度部50は、ランナー部105を形作るランナー部形成面105aに存在し得るのであって、キャビティ103を形作るキャビティ形成面103aには存在し得ない。そのため、局所的に空隙を有する低密度部50が存在し得ないキャビティ形成面103aにより形作られるキャビティ103に溶融原料が充填されても、キャビティ形成面103aに低密度部50が存在しないことに起因して、最終的に得られる成形品に対するキャビティ形成面103aの転写精度の低下を回避することが可能となる。つまり、最終的に得られる成形品に対するキャビティ形成面103aの転写精度を向上させることが可能となる。
低密度部50には局所的に空隙が存在するため、それに起因して流体を低密度部50に通過させることが可能となる。この事から、本発明の一実施形態では、低密度部50を「流体通過路50a」として機能させ得ることが可能となる。低密度部50が「流体通過路50a」として機能し得るため、例えば金型装置100内に供した溶融原料を冷却した後のタイミングで当該低密度部50に流体を通すことが可能である。
上述の本発明の一実施形態に係る金型装置の製造方法で詳述しているため重複する説明は避けるが、流体通過路50aとして機能し得る低密度部50に流体を通じると、流体の所定の圧力がランナー部105を介して金型装置内の成形品にかかる。これにより、成形品を固定側金型102から離型させることができ得る。更には、流体の所定の圧力により成形品を可動側金型101から離型させることができ得る。なお、ここでいう「離型」とは、上記にて既に用語の定義を行っているが、成形品が固定側金型および可動側金型の少なくとも一方から離れる状態を実質的に指す。
又、低密度部50は、ランナー部105を形作るランナー部形成面105aに存在し得るのであって、キャビティ103を形作るキャビティ形成面103aには存在し得ない。そのため、実際に成形品として用いる部分はキャビティ103内に存在するものであって、溶融原料を冷却に付した後のランナー部105内に存在するものではない。そのため、当該低密度部50に流す流体の圧力が「直接的に」かかる部分は、ランナー部105内に存在する溶融原料が固化したものであって、キャビティ103内の成形品ではない。つまり、低密度部50に流す流体の圧力は、キャビティ103内の成形品には「直接的」ではなく「間接的」にかかることになる。従って、本発明の一実施形態は、キャビティ103内の成形品への低密度部50に流す流体の影響が回避される点でも有利である。
更には、低密度部50には局所的に空隙が存在するため、本発明の一実施形態は、かかる空隙を介して金型装置100内の内部ガス、例えば溶融原料から生じ得るガス、金型装置内部の空気等を好適に排出し得る点でも有利である。つまり、一実施形態では、低密度部50が「ガス抜き路」としても機能し得る。
本発明の一実施形態に係る金型装置は以下の態様を採ることが好ましい。
具体的には、図5に示すように、流体通過路50aとして用いる低密度部50に加圧ガス供給体300を接続させて、当該加圧ガス供給体300から流体通過路50aに加圧ガスが供給されることが好ましい。ここでいう「加圧ガス供給体」とは、加圧ガスを供給するための装置を指す。また、ここでいう「加圧ガス」とは、金型装置内に位置する溶融原料を冷却に付して形成された成形品に圧力を加えるためのガスであって、相対的に大きな圧力を有するものを指す。
かかる好ましい態様では、加圧ガス供給体300から供給される加圧ガスは流体通過路50aを通るため、それに起因して、流体通過路は「加圧ガス供給路50b」として更に機能し得る。
加圧ガス供給路50bとして機能し得る低密度部50に流体、具体的には加圧ガス400を流すと、加圧ガス400による加圧力がランナー部を介して金型装置100内部の成形品200にかかる。これにより、成形品200を固定側金型102からより好適に離型させ得る。
なお、図5に示す態様は、加圧ガス供給体300を固定側金型102内に形成された流体通過路50aに接続させるものであるが、これに限定されることない。例えば、図6に示すように、加圧ガス供給体300Xを可動側金型101内に形成された流体通過路50Xaに接続させてもよい。加圧ガス供給路50bとして機能し得る流体通過路50Xaに流体、具体的には加圧ガス400Xを流すと、加圧ガス400Xによる加圧力がランナー部を介して金型装置100内部の成形品200にかかる。これにより、成形品200を可動側金型101からより好適に離型させることができ得る。
また、本発明の一実施形態に係る金型装置は、以下の態様を採ってよい。
一態様では、低密度部が、可動側金型および固定側金型の少なくとも一方に設けられてよい。
図4では、本発明の一実施形態に係る金型装置として、金型装置100の構成要素である可動側金型101および固定側金型102のそれぞれに低密度部が設けられていることを前提として説明した。しかしながら、本発明の一実施形態は、これに限定されることなく、低密度部は、可動側金型および固定側金型の少なくとも一方に設けられてよい。
例えば、一例として、図7Aに示すように低密度部は固定側金型のみに設けられてよい。
具体的には、図7Aに示す態様では、金型装置100Aは、可動側金型101Aおよび固定側金型102Aを有して成る。図7Aに示す態様では、当該固定側金型102Aのみが、ランナー部105Aから固定側金型102Aの外側表面102Aaまで延在し、かつ流体が通過可能な低密度部50Aを備えている。
図7Aに示す態様では、図4に示す態様と同様に当該低密度部50Aは、相対的に小さい照射エネルギーの光ビームを粉末に照射することによって形成されるため、低密度部50Aには局所的に空隙が存在し得る。空隙を局所的に有する低密度部50Aは、ランナー部105Aを形作るランナー部形成面105Aaに存在し得るが、キャビティ103Aを形作るキャビティ形成面103Aaには存在し得ない。そのため、キャビティ形成面103Aaにより形作られるキャビティ103Aに溶融原料を充填しても、キャビティ形成面103Aaに低密度部50Aが存在しないことに起因して、図4に示す態様と同様に最終的に得られる成形品に対するキャビティ形成面103Aaの転写精度の低下を回避することが可能となる。
一方、図7Aに示す態様と図4に示す態様とを比べると、図7Aに示す態様では、固定側金型102A内にのみ低密度部50Aが形成されている。これに対して、図4に示す態様では、固定側金型と可動側金型の両方の内部に低密度部が形成されている。低密度部には上述のように局所的な空隙が存在し得るため、それに起因して流体を当該低密度部に通過させることが可能となる。そのため、例えば金型装置100A内に供した溶融原料を冷却した後のタイミングで固定側金型102A内の低密度部50Aに流体が通ずると、流体の所定の圧力がランナー部105Aを介して金型装置100A内の成形品にかかる。これにより、成形品を固定側金型102Aから離型し得る。
別例としては、図7Bに示すように低密度部は可動側金型のみに設けられてよい。
具体的には、図7Bに示す態様では、金型装置100Bは、可動側金型101Bおよび固定側金型102Bを有して成る。図7Bに示す態様では、当該可動側金型101Bのみが、ランナー部105Bから可動側金型101Bの外側表面101Baまで延在し、かつ流体が通過可能な低密度部50Bを備えている。
図7Bに示す態様では、図4に示す態様と同様に当該低密度部50Bは、相対的に小さい照射エネルギーの光ビームを粉末に照射することによって形成されるため、低密度部50Bには局所的に空隙が存在し得る。空隙を局所的に有する低密度部50Bは、ランナー部105Bを形作るランナー部形成面105Baに存在し得るが、キャビティ103Bを形作るキャビティ形成面103Baには存在し得ない。そのため、キャビティ形成面103Baにより形作られるキャビティ103Bに溶融原料を充填しても、キャビティ形成面103Baに低密度部50Bが存在しないことに起因して、図4に示す態様と同様に最終的に得られる成形品に対するキャビティ形成面103Baの転写精度の低下を回避することが可能となる。
一方、図7Bに示す態様と図4に示す態様とを比べると、図7Bに示す態様では、可動側金型101B内にのみ低密度部50Bが形成されている。これに対して、図4に示す態様では、固定側金型と可動側金型の両方の内部に低密度部が形成されている。低密度部には上述のように局所的な空隙が存在し得るため、それに起因して流体を当該低密度部に通過させることが可能となる。そのため、可動側金型101Bを固定側金型102Bから離隔した状態で可動側金型101B内の低密度部50Bに流体が通ずると、流体の所定の圧力により可動側金型101B上に位置する成形品を可動側金型101Bから離型させることができ得る。
一態様では、金型装置が、成形品取出しのための相対的に小さい抜き勾配を有して成ってよい、又は成形品取出しのための抜き勾配を有していなくてよい(図3参照)。
本発明の一実施形態に係る金型装置の製造方法で詳述しているため、重複した説明は避けるが、本発明の一実施形態に係る金型装置では、金型装置内に、例えば固定側金型と可動側金型の両方の内部に低密度部が設けられている。これにより、流体を利用して成形品を金型装置から取り出すことが可能である。そのため、従来のエジェクターピン等を用いて金型装置からの成形品を円滑に離型させるために必要とされていた「相対的に大きい抜き勾配」を「相対的に小さい抜き勾配」又は「抜き勾配の無い態様」に変えることが可能である。
従って、当該「相対的に小さい抜き勾配」を有して成る金型装置を用いると、「相対的に大きい抜き勾配」を有して成る金型装置を用いる場合と比べて、断面視にて傾斜角度が相対的に急な角度(例えば90度<傾斜角度<100度)を有する成形品を得ることが可能となる。つまり、最終的に得られる成形品の形状自由度を向上させることが可能となる。更に、当該「抜き勾配の無い」金型装置を用いると、「相対的に大きい抜き勾配」を有して成る金型装置を用いる場合と比べて、断面視にて傾斜角度が90度を有する成形品を得ることも可能となる。つまり、最終的に得られる成形品の形状自由度をより向上させることが可能となる(図3参照)。
[本発明の金型装置を用いた成形品の製造方法]
以下、本発明の一実施形態に係る金型装置を用いた成形品の製造方法について説明する。
上記の本発明の一実施形態に係る金型装置は、例えば射出成形法を実施する際に用いられ得る。射出成形法は、主として(1)キャビティ内に溶融原料を充填する工程と、(2)キャビティ内の溶融原料を保圧する工程と、(3)保圧した溶融原料を冷却に付して、成形品を形成する工程と、(4)成形品を取り出す工程とを順に含む。
(1)キャビティ内に溶融原料を充填する工程
かかる工程では、本発明の一実施形態に係る金型装置100の可動側金型101と固定側金型102とを型合わせする。型合わせ後、射出機500を用いてスプルー部104、スプルー部104と連続するランナー部105、およびキャビティ103の入口であるゲート部106を通じてキャビティ103内に溶融原料600を注入および充填する(図8参照)。
本発明の一実施形態に係る金型装置100は、金型装置100のランナー部105から金型装置100の外側表面100aまで延在する低密度部50を有している(図8参照)。上述のように低密度部50には、空隙が存在しているため、キャビティ103内に溶融原料600を充填する途中で溶融原料600から発生し得るガスを当該低密度部50から好適に抜き出すことが可能である。
(2)キャビティ内の溶融原料を保圧する工程
溶融原料600の充填完了後、キャビティ103内の溶融原料600を所定時間保圧する。
(3)保圧した溶融原料を冷却に付す工程
溶融原料の保圧完了後、キャビティ103内の溶融原料600を所定時間冷却に付して、溶融原料600を固化させて、金型装置100内にて成形品を形成する。
(4)成形品を取り出す工程
金型装置100内にて成形品200を形成した後、一態様では、図9Aに示すように、流体通過路50aとして用いる低密度部50に流体通過路50aに流体、好ましくは加圧ガス400を供給する。ここでいう「加圧ガス」とは、金型装置内に位置する溶融原料を冷却に付して形成された成形品に圧力を加えるためのガスであって、相対的に大きな圧力を有するものを指す。
以下、流体として加圧ガス400を用いる場合を前提に説明する。当該加圧ガスは金型装置内の成形品に圧力を加えるためのガスであり、かつ当該加圧ガスが流体通過路50aに供給され得るため、これに起因して流体通過路50aを加圧ガス供給路50bとして用いることができ得る。
加圧ガス400を供給すると、加圧ガス400による加圧力がランナー部を介して金型装置100内部の成形品200にかかる。これにより、成形品200を固定側金型102から好適に離型させ得る。
成形品200を固定側金型102から離型させた後、図9Bに示すように可動側金型101内に形成した低密度部50Yに加圧ガス400Yを更に流す。加圧ガス400Yの加圧力により可動側金型101上に位置する成形品を可動側金型101からも好適に離型させることができ得る。以上により、成形品200を金型装置100から取り出すことが可能となる。
なお、本発明の一実施形態に係る金型装置を用いた成形品の製造方法は、下記態様を採ることが好ましい。
一態様では、流体通過路を介して金型装置内のガスを吸引することが好ましい。
図9Aに示すように、固定側金型102および可動側金型101の両方の内部に低密度部50Xと低密度部50Yとがそれぞれ形成されている金型装置100を用いる態様にて、当該を以下のように利用することが好ましい。具体的には、低密度部50X,50Yを流体通過路として用いる場合に、金型装置100内に供した溶融原料を冷却して金型装置100内に成形品を形成した後に、以下の処理が成されることが好ましい。具体的には、可動側金型101内に形成した低密度部50Y(流体通過路)を介して金型装置100内に生じ得る内部ガス700を吸引することが好ましい。かかる吸引により、金型装置100内に形成した成形品を可動側金型101側に引き寄せることができ得る。そのため、吸引を実施しない場合と比べて、成形品を可動側金型101側に密着させて可動側金型101と成形品との間に生じ得る微小な間隙の発生をより好適に回避でき得る。これにより、一例として固定側金型102内の低密度部50Xに加圧ガス400を通す際に、ランナー部105を介して当該加圧ガス400の加圧力を成形品により好適に加えることができ得る。従って、当該成形品を固定側金型102からより好適に離型し得る。
なお、上記態様に限定されず、本発明の一実施形態に係る金型装置を用いた成形品の製造方法は、下記態様をとってよい。
一例では、成形品取り出し工程において、図10Aに示すように固定側金型102Aのみに低密度部50Aが設けられた金型装置100Aを用いてよい。
具体的には、金型装置100A内にて成形品200を形成した後、図10Aに示すように、固定側金型102Aのみに設けられた低密度部50Aに加圧ガス400Aを供給する。
加圧ガス400Aを供給すると、加圧ガス400Aによる加圧力がランナー部を介して金型装置100A内部の成形品200にかかる。これにより、成形品200を固定側金型102Aからより好適に離型させ得る。その一方で、本態様では、可動側金型101Aには低密度部は形成されていないため、成形品200を固定側金型102Aから離型させた後、例えばエジェクターピンを用いて金型装置100Aから成形品を最終的に取り出し得る。
別例では、成形品取り出し工程において、図10Bに示すように可動側金型101Bのみに低密度部50Bが設けられた金型装置100Bを用いてよい。
具体的には、金型装置100B内にて成形品200を形成した後、図10Bに示すように、可動側金型101Bのみに設けられた低密度部50Bに加圧ガス400Bを供給する。
加圧ガス400Bを供給すると、加圧ガス400Bによる加圧力がランナー部を介して金型装置100B内部の成形品200にかかる。かかる加圧後、成形品200を支持する固定側金型102Bが固定された構造体であることに起因して、当該加圧力は成形品200に作用した後、加圧力の作用方向の一部が当該作用方向とは反対方向に変わり得る。そのため、当該加圧ガス400Bの加圧力により可動側金型101を成形品200から好適に離型させることが可能となる。可動側金型101を成形品200から離型させた後、例えばエジェクターピンを用いて金型装置100Aから最終的に取り出し得る。
以上、本発明の一実施形態について説明してきたが、本発明の適用範囲のうちの典型例を例示したに過ぎない。従って、本発明はこれに限定されず、種々の改変がなされ得ることを当業者は容易に理解されよう。
なお、上述のような本発明の一実施形態は、次の好適な態様を包含している。
第1態様
可動側金型および固定側金型を有して成る金型装置であって、
前記金型装置のランナー部から該金型装置の外側表面まで延在する低密度部を有しており、該低密度部が流体通過路となっている、金型装置。
第2態様
上記第1態様において、前記低密度部が、前記可動側金型および前記固定側金型の少なくとも一方に設けられている、金型装置。
第3態様
上記第1態様又は第2態様において、前記流体通過路が前記外側表面から前記ランナー部へと加圧ガスを供給するための加圧ガス供給路となっている、金型装置。
第4態様
上記第1態様〜第3態様のいずれかにおいて、前記金型装置が、成形品取出しのための相対的に小さい抜き勾配を有して成る、又は該成形品取出しのための該抜き勾配を有していない、金型装置。
第5態様
可動側金型および固定側金型を有して成る金型装置を用いて成形品を製造するための方法であって、
前記金型装置は、ランナー部から該金型装置の外側表面まで延在する低密度部を有しており、
前記低密度部を流体通過路として用いる、成形品の製造方法。
第6態様
上記第5態様において、前記流体通過路を、前記外側表面から該流体通過路を介して前記ランナー部へ加圧ガスを供給するための加圧ガス供給路として用いる、成形品の製造方法。
第7態様
上記第5態様又は第6態様において、前記流体通過路に前記加圧ガスを供給して、前記可動側金型および前記固定側金型の少なくとも一方から成形品を離型させる、成形品の製造方法。
第8態様
上記第5態様〜第7態様のいずれかにおいて、前記流体通過路を介して前記金型装置内のガスを吸引することを含む、成形品の製造方法。
第9態様
可動側金型および固定側金型を有して成る金型装置の製造方法であって、
ランナー部から前記金型装置の外側表面まで延在し、かつ流体が通過可能な低密度部が形成されるように、光ビーム照射により複数の固化層を逐次形成することを含む、金型装置の製造方法。
第10態様
上記第9態様において、前記低密度部を、前記可動側金型および前記固定側金型の少なくとも一方に設ける、金型装置の製造方法。
第11態様
上記第9態様又は第10態様において、成形品取出しのための相対的に小さい抜き勾配を有して成る又は該成形品取出しのための該抜き勾配を有していない前記金型装置を用いる、金型装置の製造方法。
第12態様
上記第9態様〜第11態様のいずれかにおいて、前記低密度部を有して成る前記金型装置を粉末床溶融結合法で形成する、金型装置の製造方法。
本発明の一実施形態に係る金型は、プラスチック射出成形用金型、プレス金型、ダイカスト金型、鋳造金型、鍛造金型などの金型として用いることができる。
関連出願の相互参照
本出願は、日本国特許出願第2016−234387号(出願日:2016年12月1日、発明の名称:「金型装置、金型装置を用いた成形品の製造方法、および金型装置の製造方法」)に基づくパリ条約上の優先権を主張する。当該出願に開示された内容は全て、この引用により、本明細書に含まれるものとする。
24A,24B...固化層、50,50α,50β,50A,50B,50X,50Y...低密度部、50a...流体通過路、50b...加圧ガス供給路、100,100A,100B...金型装置、100a...金型装置の外側表面、101,101A,101B,101C...可動側金型、102,102A,102B,102C...固定側金型、105,105A,105B...ランナー部、200...成形品、400,400A,400B,400X,400Y...加圧ガス(流体の一種)、700...金型装置内の内部ガス、L...光ビーム

Claims (3)

  1. 可動側金型および固定側金型を有して成る金型装置を用いて成形品を製造するための方法であって、
    前記金型装置は、ランナー部から該金型装置の外側表面まで延在する低密度部を有しており、
    前記低密度部を流体通過路として用い、ならびに
    前記流体通過路を、前記外側表面から該流体通過路を介して前記ランナー部へと加圧ガスを供給するための加圧ガス供給路として用いる、成形品の製造方法。
  2. 前記流体通過路に前記加圧ガスを供給して、前記可動側金型および前記固定側金型の少なくとも一方から成形品を離型させる、請求項に記載の成形品の製造方法。
  3. 前記流体通過路を介して前記金型装置内のガスを吸引することを含む、請求項1又は2に記載の成形品の製造方法。
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