JP4075414B2 - 車両用フロントバンパー装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用フロントバンパー装置に関し、詳しくは2段バンパー構造の改良に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
特開2001ー39242号は、正規のフロントバンパーである(本明細書では高位バンパーともいうものとする)の下に高位バンパーよりも前方に突出した歩行者保護バンパー(本明細書では低位バンパーともいうものとする)を設ける二段バンパー構造を提案している。また、特開2001ー39242号は、高位バンパーから斜め前下方に向けて斜設されて前端にて低位バンパーを支持する塑性変形型衝突エネルギー吸収部材に設けることも記載している。
【0003】
特開2001ー39242号は、上記二段バンパー構造において、フロントサイドフレームから垂下して前方の低位バンパー支持するクラッシュ管(塑性変形型衝突エネルギー吸収部材)を設けることを提案している。
【0004】
この種の二段バンパー構造は、衝突時に低位バンパーが衝突相手としての歩行者の膝より下に最初に接触して歩行者の足を払うため、通常のバンパーである高位バンパーに比べて歩行者を車両のボンネット(車体の天板部のうち車両のフロントガラス前方の低天板部をいうものとする)上に倒れ込ませる効果が大きく、このボンネットは他の部位に比較して上からの外力に対する剛性が小さいので歩行者への衝撃低減効果を期待することができる。
【0005】
しかしながら、本発明者らの実験によれば、ボンネットの左右方向中央部は低剛性であるが、その両側部は車両側部の近傍に位置するために、車両側部に支持されるために上からの外力に対する剛性が大きく、歩行者に対する上記ボンネット緩衝効果が著しく劣るということを見いだした。具体的に説明すれば、歩行者が低位バンパーの左右方向中央部に衝突した場合においては低位バンパーによりすくわれた歩行者は柔らかいボンネットの左右方向中央部に倒れ込むので良好なボンネット緩衝効果を期待することができるが、歩行者が低位バンパーの左側部又は右側部に衝突した場合においては低位バンパーによりすくわれた歩行者は堅いボンネットの左側部又は右側部に倒れ込むので衝撃低減効果が大幅に低下してしまう。
【0006】
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、優れた衝突衝撃低減効果を実現可能な歩行者(又は二輪車)用バンパーをもつ車両用フロントバンパー装置を提供することを、その目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
第1発明は、車体前面に位置して前記車体に固定され、左右方向中央部が最も前方へ突出する形状を有する高位バンパーと、前記高位バンパーの下部に位置して前記車体又は前記高位バンパーに固定され、前記高位バンパーの直上部位よりも所定の前方突出長だけ前方へ少なくとも対人衝突時に突出している低位バンパーとを備える車両用フロントバンパー装置において、前記低位バンパーの前記前方突出長は、中央から左右両側部に向かうにつれて次第に縮小することを特徴としている。特に好適には、低位バンパーの左右両側部の前方突出長の上記縮小の割合は、低位バンパーの左右方向中央部のそれに比較して大きく設定されている。
【0008】
なお、この明細書でいう高位バンパーおよび低位バンパーは、衝突時に所定の剛性を有して自車保護や衝撃緩和などの機能を奏する主要強度部材に相当し、ほとんど剛性をもつことなくこれら高位バンパーや低位バンパーの表面を単に美観向上のためにだけ被包する被包専用カバー部材を意味しないものとする。ただし、高位バンパーを覆うカバー部材の対衝突剛性が低位バンパーのそれより大きい場合にはこのカバーは本発明でいう高位バンパーに相当するものとみなす。高位バンパーは、車体構造の一部としてのその前端部材により構成されることができる。この種の車体構造の前端部材としては、一対のサイドビームメンバーの両前端を連結するクロスメンバーにより構成されることができる。
【0009】
このように構成した本発明の車両用フロントバンパー装置によれば、低位バンパーが高位バンパーよりも前方に突出する従来の二段バンパー構造と同じく、歩行者などとの衝突に際してそれらをボンネットに跳ね上げて、特に歩行者の頭部を保護するボンネット緩衝効果を期待することができる。
【0010】
また、低位バンパーの左側部又は右側部すなわち左右両側部の前縁が高位バンパーの前縁から前方への突出する距離である前方突出長は左右方向中央部から左右両端に向かうにつれて次第に縮小する形状に形成されているので、この低位バンパーの左右両側部の前縁部は水平面内において斜めに形成されることになる。その結果、歩行者が低位バンパーの左右両側部に衝突する場合においてこの左右両側部の前縁部が斜めとなっているので、歩行者の膝から下方の接触部位)はこの左右両側部の前縁部に対して略直角となる前方方向へ衝撃力を受ける。これにより、歩行者には上記接触部位よりも上方に位置する重心を中心として回転モーメントが作用し、その結果、この回転モーメントは、歩行者の上半身をボンネットの左右方向中央部へ倒れ込ませる作用をなすので、歩行者に対するボンネット緩衝効果を向上することができる。
【0011】
また、本発明によれば、低位バンパーの上記前方突出長を左右両端に近づくにつれて縮小する構成を採用している。これにより、車体前部に設けられるバンパ装置(高位バンパーと低位バンパーとの総称)の前後必要長さをいたずらに増大することなく低位バンパーの左右両側部の前縁を大きく斜めに形成することができ、車両長をいたずらに増大させることなく上記ボンネット緩衝効果の向上効果を増大させることができる。
更に本発明は、車速又は衝突衝撃力を検出する検出手段と、調節可能な衝撃緩和特性を有して前記低位バンパーと前記車体又は前記高位バンパーとの間に介設されるストローク型衝撃吸収部材と、検出された車速又は衝突衝撃力に基づいて車速又は衝突衝撃力が大きいほど前記ストローク型衝撃吸収部材の変位を大きくする調節手段とを備えることを特徴としている。この構成によれば、低位バンパーが歩行者の下肢に与える衝撃すなわち長期衝撃緩和部材の荷重が車速に比例して増大するために、車速に略逆比例してストローク型衝撃吸収部材の抵抗(たとえば油の粘性抵抗や摺動摩擦抵抗)を弱めれば、車速が低い場合も高い場合にも歩行者の下肢に与える衝撃を所定危険レベルを超えないようにしつつ、歩行者をボンネットに跳ね上げるための回転モーメントを歩行者に与えることができ、低車速時でも歩行者を確実にボンネットに跳ね上げることができるとともに、高車速時に歩行者の下肢に過剰な衝撃を与えて歩行者を負傷させることを防止することができる。車速以外にも、衝突衝撃力を検出すれば同様の効果を奏することができる。この種の衝突衝撃力を検出するセンサとしてはCCDセンサの二次元視覚情報を処理したり、レザービーム又は電磁波ビーム又は超音波ビームの反射波により衝突物の大きさや相対速度を検出すれば、検出したこれらの情報により衝突衝撃力を判別することができる。
なお、抵抗調節可能なストローク型衝撃吸収部材としては、公知の油粘性抵抗調節型のショックアブソーバ又は油圧シリンダを採用することができる。たとえば、油入シリンダの両端をバイパス管で連結しておき、このバイパス管に開度比例制御電磁弁を設けておく。車速に比例してこの電磁弁の開度を調節すれば、低車速対人衝突時には、この電磁弁の開度を小さくしてピストン移動により電磁弁を通じて逃げる油の粘性抵抗による抵抗力を増大する。これにより、ピストンの移動抵抗は大きくなり、歩行者に十分な回転モーメントを与えることができる。また、高車速対人衝突時には、この電磁弁の開度を大きくしてピストン移動により電磁弁を通じて逃げる油の粘性抵抗による抵抗力を低下する。しかし、電磁弁を流れる単位時間当たりの油通過量は大きいので、相対としての主として電磁弁が発生する油の抵抗力は低車速時と略等しくなる。
また、上記した摺動摩擦抵抗利用ストローク型衝撃吸収部材を用いる場合には、それぞれ半円筒面をもつ一対の半割円筒状の保持部材を用いて、両半円筒面でピストンを挟み、両保持部材間のギャップを調節することにより、ピストンの摺動摩擦抵抗を変更することができる。たとえば、通常はこれら両保持部材に上記ギャップ縮小方向へバネにより一定力を与えておき、車速に応じてこれら両保持部材に上記ギャップ拡大方向へ力を与えればよい。その結果、車速に応じてピストンの摺動摩擦抵抗は減少するので、車速が増大しても、ピストン荷重は略飽和傾向となる。車速に応じて両半割り円筒型保持部材にギャップ拡大方向の力を与えるには電磁力や圧電体の変形効果を用いることができる。
【0012】
(好適な態様)
好適な態様において、前記低位バンパーは、対人衝突初期の衝撃を吸収して緩和する初期衝撃緩和部材を有して長期衝撃緩和部材を通じて前記車体又は前記高位バンパーに固定され、前記初期衝撃緩和部材及び前記長期衝撃緩和部材は、衝撃力を吸収する能力である衝撃力吸収能力をもち、前記長期衝撃緩和部材の前記衝撃力吸収能力は、前記初期衝撃緩和部材の前記衝撃吸収能力よりも小さく、前記長期衝撃緩和部材の前記衝撃力吸収時間は、前記初期衝撃緩和部材の前記衝撃吸収時間よりも長いことを特徴としている。この態様によれば、歩行者の下肢に傷害を与えるのを抑止しつつ、歩行者に倒れ込みのための上記回転モーメントを発生するだけの衝撃を与えることができるため、一層好適となる。
【0013】
好適な態様において、前記初期衝撃緩和部材は、前記低位バンパーの一部又は全部を構成して前記対人衝突時に塑性変形又は弾性変形する変形型衝撃吸収部材からなり、前記長期衝撃緩和部材は、直線変位又は回動変位することにより低位バンパーを進退させるストローク型衝撃吸収部材からなる。
【0014】
好適な態様において、車速又は衝突衝撃力を検出する検出手段と、衝撃力を吸収する能力である衝撃吸収能力を調節可能に有して前記低位バンパーと前記車体又は前記高位バンパーとの間に介設されるストローク型衝撃吸収部材と、検出された車速又は衝突衝撃力に基づいて車速又は衝突衝撃力が大きいほど前記ストローク型衝撃吸収部材の変位を大きくする調節手段とを備えることを特徴としている。
この構成によれば、低位バンパーが歩行者の下肢に与える衝撃すなわち長期衝撃緩和部材の荷重が車速に比例して増大するために、車速に略逆比例してストローク型衝撃吸収部材の抵抗(たとえば油の粘性抵抗や摺動摩擦抵抗)を弱めれば、車速が低い場合も高い場合にも歩行者の下肢に与える衝撃を所定危険レベルを超えないようにしつつ、歩行者をボンネットに跳ね上げるための回転モーメントを歩行者に与えることができ、低車速時でも歩行者を確実にボンネットに跳ね上げることができるとともに、高車速時に歩行者の下肢に過剰な衝撃を与えて歩行者を負傷させることを防止することができる。車速以外にも、衝突衝撃力を検出すれば同様の効果を奏することができる。この種の衝突衝撃力を検出するセンサとしてはCCDセンサの二次元視覚情報を処理したり、レザービーム又は電磁波ビーム又は超音波ビームの反射波により衝突物の大きさや相対速度を検出すれば、検出したこれらの情報により衝突衝撃力を判別することができる。
【0015】
シリンダ型のストローク型衝撃吸収部材における移動抵抗としては、シリンダに封入した油がピストン側に設けた小孔から流れる際の粘性抵抗を利用してもよく、コイルバネの弾性変形を利用してもよい。その他、保持部材の貫通孔にピストンを圧入しておき、対人衝突時に、低位バンパーに固定されたピストンがこの貫通孔内を摺動して後退する摺動摩擦抵抗を利用することもできる。この摺動摩擦抵抗利用ストローク型衝撃吸収部材は構造が簡単であり、安価に製造することができる。
【0016】
しかしながら、衝突時にこの種のストローク型衝撃吸収部材にかかる衝撃(荷重)は速度変化が大きい衝突初期に大きなピークを生じ、ストローク型衝撃吸収効果を十分に発生することができないため、この態様では荷重の大きさに略比例して変形量が増大する変形型衝撃吸収部材を低位バンパーに設けている。これにより、ストローク型衝撃吸収部材で吸収できない衝突初期のピーク荷重を良好に吸収し、その後、衝撃エネルギー吸収効果が変形型衝撃吸収部材より大きいストローク型衝撃吸収部材によりそれを吸収することができるとともに、ストローク型衝撃吸収部材によりある時間にわたって歩行者の下肢部に回転モーメントを与えて歩行者を良好にボンネットへ跳ね上げることが可能となる。更に、このストローク型衝撃吸収部材は、塑性変形型衝撃吸収部材と異なって再使用が可能であるので、ランニングコストに優れるという効果もある。
【0018】
なお、抵抗調節可能なストローク型衝撃吸収部材としては、公知の油粘性抵抗調節型のショックアブソーバ又は油圧シリンダを採用することができる。たとえば、油入シリンダの両端をバイパス管で連結しておき、このバイパス管に開度比例制御電磁弁を設けておく。車速に比例してこの電磁弁の開度を調節すれば、低車速対人衝突時には、この電磁弁の開度を小さくしてピストン移動により電磁弁を通じて逃げる油の粘性抵抗による抵抗力を増大する。これにより、ピストンの移動抵抗は大きくなり、歩行者に十分な回転モーメントを与えることができる。また、高車速対人衝突時には、この電磁弁の開度を大きくしてピストン移動により電磁弁を通じて逃げる油の粘性抵抗による抵抗力を低下する。しかし、電磁弁を流れる単位時間当たりの油通過量は大きいので、相対としての主として電磁弁が発生する油の抵抗力は低車速時と略等しくなる。
【0019】
また、上記した摺動摩擦抵抗利用ストローク型衝撃吸収部材を用いる場合には、それぞれ半円筒面をもつ一対の半割円筒状の保持部材を用いて、両半円筒面でピストンを挟み、両保持部材間のギャップを調節することにより、ピストンの摺動摩擦抵抗を変更することができる。たとえば、通常はこれら両保持部材に上記ギャップ縮小方向へバネにより一定力を与えておき、車速に応じてこれら両保持部材に上記ギャップ拡大方向へ力を与えればよい。その結果、車速に応じてピストンの摺動摩擦抵抗は減少するので、車速が増大しても、ピストン荷重は略飽和傾向となる。車速に応じて両半割り円筒型保持部材にギャップ拡大方向の力を与えるには電磁力や圧電体の変形効果を用いることができる。
【0020】
好適な態様において、前記衝突衝撃力を検出する前記検出手段は、前記低位バンパーの前面に設置された感圧センサからなる。この態様によれば、衝突時にセンサから出力される信号の大きさにより衝突衝撃力を判別することができる。
【0021】
好適な態様において、車速を検出する検出手段と、ストローク調節可能なシリンダから構成されて前記低位バンパーと前記車体又は前記高位バンパーとの間に介設されるストローク型衝撃吸収部材と、検出された車速が所定範囲にある場合に前記ストローク型衝撃吸収部材のストロークを伸長して前記低位バンパーを前進させ、検出された車速が前記所定範囲外にある場合に前記ストローク型衝撃吸収部材のストロークを縮小して前記低位バンパーを後退させる調節手段とを備える。この態様によれば、必要時以外は、低位バンパーを格納しておけるので低速でパーキングする場合などにおいて、低位バンパーが隣接車に接触したりすることを防止することができ、操縦が容易となる他、普段は低位バンパーを後退させておくことにより美観を改善することも可能である。
【0022】
第2発明は、車体前面に位置して前記車体に固定され、左右方向中央部が最も前方へ突出する形状を有する高位バンパーと、前記高位バンパーの下部に位置して前記車体又は前記高位バンパーに固定され、前記高位バンパーの直上部位よりも所定の前方突出長だけ前方へ少なくとも対人衝突時に突出している低位バンパーとを備える車両用フロントバンパー装置において、近接する衝突対象の体格を非接触に検出するリモート型衝突検出センサと、前記低位バンパーの高さを調節する低位バンパー高さ調節装置とを有し、前記低位バンパー高さ調節装置は、前記リモート型衝突検出センサが検出する前記衝突対象の体格が低いと判断した場合に前記低位バンパーの高さを低下させ、 前記低位バンパーの前記前方突出長は、中央から左右両側部に向かうにつれて次第に縮小することを特徴としている。すなわち、大人と子供とでは衝突時に上記倒れ込み用の回転モーメントを発生する好適に高さ(通常、踝上から膝直下まで)が異なる。そこで、この態様では、後述するリモート型衝突検出センサにより衝突対象が子供であると判定した場合は低位バンパーを低下させる。これにより、大人も子供も両方とも良好にボンネットに倒れ込ませてその衝突時の被害を軽減することができる。
【0023】
なお、この態様で用いるリモート型の衝突検出センサとしては、既にCCDセンサによる画像認識方式やスキャン型レーザー測距センサによる三角測距方式などの各種の方式を用いて、衝突を事前に推定したり衝突対象の体格種類を判別したりすることが知れれている。また、低位バンパー高さ調節装置としては、サイドメンバーなどに固定された油圧シリンダにより低位バンパーを昇降させてもよく、より簡単にはモータ駆動されて垂直面内にて回動する支持アームの先端部に低位バンパーを固定してその高さを調節してもよい。これらの構造自体は極めて容易に理解されるので詳細説明は省略する。
【0024】
(その他の態様)
上記した衝突時の衝撃の大きさを検出又は予測して抵抗可変型のストローク型衝撃吸収部材の移動抵抗を調節する場合、次のような使用形態が可能である。
【0025】
すなわち、大人と子供とでは衝突衝撃および衝突耐力が異なるので、子供と判定した場合はストローク型衝撃吸収部材の移動抵抗を弱めて子供に与える衝撃を弱める。子供の慣性質量は小さいので、子供に与える荷重が小さくなっても子供は十分に回転モーメントを与えられてボンネット上に倒れ込むことができる。この場合、検出した衝突衝撃力と車速とから衝突対象の質量を計算し、この質量に基づいてストローク型衝撃吸収部材の移動抵抗を調節してもよい。また、公知のCCDセンサやレーザー測距センサや超音波センサなどをリモート型の衝突検出センサとして採用し、その検出信号にもとづいて衝突を事前に推定したり、衝突対象の種類を判別したりすることにより、これらの情報にもとづいてストローク型衝撃吸収部材の移動抵抗を調節することもできる。
【0026】
なお、これら低位バンパー制御のために用いる衝突センサの信号をエアバッグ展開制御や跳ね上げ式フードの制御やフードエアバッグの制御に用いるなら、センサ、演算系を共通化することができるので、一石二鳥の効果がうまれる。衝突検出センサとして接触圧により衝突を検出する種類のものを採用する場合には、この衝突検出センサとして、感圧センサを用いるのが好適であり、この感圧センサを低位バンパーの衝突予想領域更に好ましくは低位バンパーの前面全体に設けることが好適である。また、衝突検出センサとして上述したリモート型衝突検出センサを用いる場合、低位バンパーの高さを調節可能にしておき、リモート型衝突検出センサの出力信号から衝突対象が大人か子供かそれ以外かを判別し、子供と判定した場合には低位バンパーの高さを低下させるようにしてもよい。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の車両用フロントバンパー装置の好適な実施形態を具体的に説明する。
【0028】
【実施態様1】
(構造)
この実施形態の車両用フロントバンパー装置(前方伸長状態)を採用した車両の模式平面図を図1に示し、そのA−A線矢視縦模式断面図を図2に、そのB−B線矢視縦模式断面図を図3に示す。この実施形態の車両用フロントバンパー装置(後方収納状態)を採用した車両の模式平面図を図4に示し、そのA−A線矢視縦模式断面図を図5に示す。なお、図1、図4において、一部の部材たとえばサイドメンバー3や高位バンパー7などは透視して実線にて図示されている。
【0029】
車両用フロントバンパー装置1は車両2の前面に装備されている。車両用フロントバンパー装置(単にバンパー装置ともいう)1は、車両2の車体構造(骨格)の一部を構成する一対のサイドメンバー3の下方に位置してサイドメンバー3の前端部下面に固定された一対の油圧シリンダ(本発明でいうストローク型衝撃吸収部材)4と、前方に延伸する両油圧シリンダ4のピストン5の先端に固定されて略左右方向に延在する低位バンパー6と、一対のサイドメンバー3の両前端に固定されて左右方向に延在するクロスメンバーからなる高位バンパー7と、高位バンパー7を被包するバンパカバー8とからなる。
【0030】
10は制御部をなすコントローラ、11は車輪12の回転速度を検出する車速センサ、13はサイドメンバー3から垂下して油圧シリンダ4を支持する支持部材である。車速センサ11はコントローラ10に検出信号を送信し、コントローラ10は受信した検出信号に基づいて油圧シリンダ4を制御している。
【0031】
低位バンパー6は、高位バンパー7の下方に位置して配設されており、図1ではピストン5が伸長されて低位バンパー6は高位バンパー7よりも前方に突出しており、図4ではピストン5が退行されて低位バンパー6はバンパカバー8又は高位バンパー7の直下に格納されている。
【0032】
低位バンパー6は、図1に示すように上方から俯瞰して略円弧状に形成されており、左右方向中央部において最も突出しており、左右両側に向かうにつれて次第に後退し、左側端および右側端においてほとんどバンパカバー8の直下に達している。これに対して、高位バンパー7は、左右両端部を除いてほとんど左右方向に直線に延在しており、左右両端部だけが斜めに後退している。したがって、低位バンパー6の前縁と高位バンパー7の前縁との間の前後方向ギャップ(高位バンパー7の前縁を基準とする本発明でいう低位バンパー6の前方突出長)dは左右方向中央部で最大となり、左右両端に向かうにつれて次第に減少している。高位バンパーの前縁を基準とする低位バンパー6の前縁の突出長dの分布を図10に示す。Oは低位バンパー及び車両の左右方向中心点である。
【0033】
低位バンパー6は、図2に示すように、円弧状の金属ビーム部材61と、この金属ビーム部材61の前面に固定されたゴム製の弾性部材62とからなる。弾性部材62は後述するように歩行者などが衝突した直後の衝撃を緩和する機能を有している。低位バンパー6の高さhは、歩行者の踝よりも上かつ膝より下に位置するように設定されており、具体的には10〜30cm、好適には15cmに設定されている。
【0034】
油圧シリンダ4は、コントローラ10からの指令にもとづいて上記した低位バンパー6の前進、後退を行うとともに、後述するようにコントローラ10の指令に基づいてピストン変位抵抗を変更可能な構造を有している。更に具体的に説明すると、油圧シリンダ4は上記した前進、後退時以外は油圧源からの油圧の供給を遮断されている。また、油圧シリンダ4の両端部をバイパスするバイパス油管が設けられており、このバイパス油管の途中には比例制御電磁弁が設けられており、この比例制御電磁弁の開度は車速に比例して設定されている。これにより、油圧シリンダ4のピストン変位抵抗は車速が増大するほど低減されるようになっている。なお、上記した油圧シリンダ4の構成自体は簡単であるので、図示説明は省略する。その他、衝突検出時に油圧シリンダ4のピストン5を積極的に所定速度で後退させるようにしてもよい。
【0035】
なお、上記した油圧シリンダ4の他に、低位バンパー6を前進、後退させる機構と、衝突時に低位バンパー6の後退時の変位抵抗を調節する機構とを有するものであれば、種々のアクチエータ構造を採用してもよい。また、単に、低位バンパー6の後退時の変位抵抗調節する機構を実現するには緩衝抵抗可変型のショックアブソーバを採用してもよく、ピストン位置調節機能を有するショックアブソーバを採用すれば、ピストンに上記伸長位置と後退位置とを与えることができる。更に、モータなどの回動トルクを直線運動に変換する機構を用いて低位バンパー6の前進、後退を行ってもよい。
(動作)
上記した車両用フロントバンパー装置1の動作を図6に示すフローチャートを参照して以下に説明する。
【0036】
まず、電源投入とともに初期設定を行い(S100)、感圧センサ9および車速センサ11から検出データを読み込み(S102)、車速が所定範囲(好適には20〜70km/h)内にあるかどうかを調べ(S104)、車速がこの範囲内にあれば低位バンパー6を伸長位置に伸長し(S106)、車速に応じて油圧シリンダ4のピストン変位抵抗(シリンダ抵抗ともいう)を記憶マップに基づいて調節する(S108)。具体的に説明すると、このマップは車速が大きいほど油圧シリンダ4のピストン変位抵抗が小さくなるように設定されている。これにより、車速に等しいと仮定できるピストン速度が大きくなればなるほど、ピストン変位抵抗が小さくなるので、ピストン荷重すなわち歩行者が受ける衝撃力は車速にかかわらず、略一定レベルに保つことができる。その結果、車速が大きい場合において歩行者の下肢に傷害をあたるのを抑止することができるとともに、車速が小さい場合において、歩行者に上述した回転モーメントを十分に与えて歩行者をボンネットに倒れ込ませることができる。
【0037】
また、ステップS104にて車速が上記範囲内になければ低位バンパー6を後退させて(S110)、ステップS102にリターンする。
【0038】
(変形態様)
上記実施例において、衝突を検出して油圧シリンダ4の後退を開始させたり、車速に応じて油圧シリンダ4のピストン後退速度を調節することもできる。すなわち、車速が大きい場合には後退速度を増加し、車速が小さい場合には後退速度を低下させればよい。これにより、上記実施例と同様の効果を奏することができる。
【0039】
また、歩行者との衝突検出する衝突検出センサとしては、公知のシート状の感圧センサを弾性部材62の前面に固定することが好適である。このシート状の感圧センサは、たとえばカーボン混入ゴムフィルム性の感圧抵抗可変層を一対の金属電極フィルムで挟んだ公知のシート状感圧センサ構造を有しており、圧力が加えられて感圧抵抗可変層が圧縮されると、両金属フィルム間の電気抵抗が低下して圧力すなわち衝突を検出する。
【0040】
車速を検出する代わりに、感圧センサなどの衝突検出センサの出力信号に基づいて衝突衝撃力を検出し、この衝突衝撃力に応じてピストン変位抵抗を調節してもよい。更に、衝突検出センサとして、たとえばエアバッグの展開制御などに用いるリモートセンサを用いることができる。このリモートセンサは実際に衝突が発生する前に衝突を推定するセンサであり、CCD画像処理方式、レーザービーム方式、超音波方式、電磁波ビーム方式など種々の方式が公知であり、相対速度や対象の大きさなどを検出し、それに基づいて衝突不可避か否か又は衝突衝撃力の大きさを事前に推定することができる。これらの上方に基づいて、ピストン変位抵抗を調節することができる。エアバッグ展開制御用リモートセンサの検出信号を低位バンパー6の変位抵抗調節に用いることは、システム簡素化の点で特に好適である。また、対車両衝突を予測した場合には、ピストン変位抵抗をできるだけ増大して低位バンパー6により少しでも緩和することが好ましい。
【0041】
(効果)
このように構成したこの実施例の車両用フロントバンパー装置によれば、低位バンパーが高位バンパーよりも前方に突出する従来の二段バンパー構造と同じく、歩行者などとの衝突に際してそれらをボンネットに跳ね上げて、特に歩行者の頭部を保護するボンネット緩衝効果を期待することができる。また、低位バンパーの左側部又は右側部すなわち左右両側部の前縁が高位バンパーの前縁から前方への突出する距離である前方突出長は左右方向中央部から左右両端に向かうにつれて次第に縮小する形状に形成されているので、この低位バンパーの左右両側部の前縁部は水平面内において斜めに形成されることになる。その結果、歩行者が低位バンパーの左右両側部に衝突する場合においてこの左右両側部の前縁部が斜めとなっているので、歩行者の膝から下方の接触部位)はこの左右両側部の前縁部に対して略直角となる前方方向へ衝撃力を受ける。これにより、歩行者には上記接触部位よりも上方に位置する重心を中心として回転モーメントが作用し、その結果、この回転モーメントは、歩行者の上半身をボンネットの左右方向中央部へ倒れ込ませる作用をなすので、歩行者に対するボンネット緩衝効果を向上することができる。更に、この実施例によれば、低位バンパーの上記前方突出長を左右両端に近づくにつれて縮小する構成を採用している。これにより、車体前部に設けられるバンパ装置(高位バンパーと低位バンパーとの総称)の前後必要長さをいたずらに増大することなく低位バンパーの左右両側部の前縁を大きく斜めに形成することができ、車両長をいたずらに増大させることなく上記ボンネット緩衝効果の向上効果を増大させることができる。
【0042】
また、低位バンパー6の弾性部材62は、油圧シリンダ4の後退開始直後におけるピストン後退速度の不足(慣性などにより発生する)により歩行者に一時的に大きなピーク衝撃力を与えるのを緩和する効果を奏するので、この実施例の油圧シリンダ4やショックアブソーバなどのストローク型衝撃吸収部材と組み合わせると特に好適である。
【0043】
(変形態様)
変形態様を図7を参照して説明する。
【0044】
この変形態様では、図1で用いた油圧シリンダ4を省略し、低位バンパー6を弾性部材9を通じて高位バンパー7に下部に固定し、更に、低位バンパー6の前縁形状を多角形形状としたものである。これにより、上記実施態様と同様の作用効果を奏することができる。
【0045】
【実施態様2】
本発明の車両用フロントバンパー装置の他の実施態様を図8、図9を参照して以下に説明する。ただし、図8は模式図である。
(構成及び動作)
この実施態様では、低位バンパー6は支持部材としての一対のヒンジ機構20、20を介して両サイドメンバー3に固定されている。また、クロスメンバーとしての高位バンパー7にはギヤドモータ30が固定され、ギヤドモータ40の出力軸に固定された巻き取りドラム31には、低位バンパー6を引っ張っているワイヤ32が巻き付けられている。
【0046】
ヒンジ機構20は、一端がサイドメンバー3に回動自在に支持されるアーム21と、一端が低位バンパー6に回動自在に支持されるアーム22と、両アーム21、22の両他端を相対回動自在に連結する連結部23とを有している。両アーム21、22は連結部23において図9に示すように遊孔を有して重ねられており、枢支ピン24により枢支されている。また、両アーム21、22は図示しないコイルバネにより角度θを拡大するように弾性付勢されており、これにより、低位バンパー6は前方に突出するように付勢されている。なお、図8はヒンジ機構20を便宜的に模式図示しており、正確には両アーム21、22及び連結部23はバンパーカバー8、高位バンパー7及びサイドメンバー3の下方に位置している。この種の弾性付勢式ヒンジ機構自体は周知構造であるので、これ以上の説明は省略する。なお、上記コイルバネ及び連結部は保護ケースに収容されて泥や汚水から保護されている。また、両アーム21、22はこの保護ケースに設けられた布状の袖部から突出し、この袖部の先端は両アーム21、22に緊着されている。
【0047】
ギヤドモータ40は図示しないコントローラにより車速に応じて回転し、高速時にはワイヤ32を緩め、低速時にはワイヤ32を巻き取る。これにより、高速時には低位バンパー6は前方へ伸長され、低速時には低位バンパー6は後退する。
(変形態様)
上記例では、コイルバネを用いて両アームを弾性回動するように構成したが、更に一方のアームに油封シリンダを設け、他方のアームに固定した回動ピストンをこの油封シリンダに挿入し、油の粘性抵抗により回動ピストンの回動において抵抗力を発生させることもできる。
【0048】
また、ヒンジ機構20の代わりに「く」の字形状の弾性変形部材を用い、高速時にはワイヤ32を緩めてこの弾性変形部材が角度θを大きくする方向に弾性復帰させ、低速時にはワイヤ32を巻き取ってこの弾性変形部材を角度θが縮小するように弾性変形させてもよい。また、このヒンジ機構20やくの字形状の弾性変形部材の弾性変形性を車速により調節するもできる。更に、これらの調節を車速の代わりに予測又は検出した衝突衝撃力に応じて変更することも可能である。
(変形態様)
上記変形態様で用いた「く」の字形状の弾性変形部材を同一形状の塑性変形部材に代替することも可能である。
(効果)
このようにすれば、簡素な構造で、車速に応じた低位バンパー6の位置変更が可能となる。また、低位バンパー6を支持する支持部材としてのヒンジ機構20や上記くの字形状の弾性変形部材が略水平面内で回動することができるので、回動時や衝突時において、これらの部材の地上高さを十分に確保することができ、地上になんらかの障害物があってもそれに接触することがない。また、走行風の影響も受けにくい。更に、油圧シリンダやショックアブソーバ等のようなシリンダ型のストローク型衝撃吸収部材に比較して、摺動面が長く形成されることがなく、それを泥や汚水から保護する困難性に直面することもない。
【0049】
【実施態様3】
本発明の車両用フロントバンパー装置の他の実施態様を図11に示すフローチャートを参照して以下に説明する。
(構成及び動作)
この実施態様では、実施態様1において更に、近接する衝突対象の体格を非接触に検出するリモート型衝突検出センサ(図示せず)と、低位バンパー6の高さを調節する低位バンパー高さ調節装置(図示せず)とを追加したものである。低位バンパー高さ調節装置は油圧シリンダ4を昇降させる第二の油圧シリンダからなる。この低位バンパー高さ調節装置は、リモート型衝突検出センサが検出する衝突対象の体格が低いと判断した場合に低位バンパー6の高さを低下させる。これにより、体格が小さい子供と衝突する場合において、この子供に倒れ込み用の回転モーメントを良好に与えることができ、その衝突時の被害を軽減することができる。
【0050】
図11に示すフローチャートを参照して更に具体的に説明する。図11は、図6に示すフローチャートにおいて、ステップS112〜S120を追加したものである。
【0051】
リモート型の衝突検出センサが検出した衝突対象からの信号を読み取り(S112)、それに基づいて衝突対象が大人か子供かを判定し(S114)、子供なら低位バンパー6を低位位置にセットし(S116)、大人なら低位バンパー6を高位位置にセットする(S116)。更に、その後、油圧シリンダ4のストローク抵抗を車速に応じて調節する(S120)。すなわち、高速時には油圧シリンダ4のピストンが軽く動くようにする。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態1における車両用フロントバンパー装置(前方伸長状態)を採用した車両の模式平面図である。
【図2】 図1のA−A線矢視縦模式断面図である。
【図3】 図1のB−B線矢視縦模式断面図である。
【図4】 図1に示す実施形態における車両用フロントバンパー装置(後方収納状態)を採用した車両の模式平面図である。
【図5】 図4のA−A線矢視縦模式断面図である。
【図6】 低位バンパーの制御を示すフローチャートである。
【図7】 変形態様を示す模式平面図である。
【図8】 本発明の実施形態2における車両用フロントバンパー装置(前方伸長状態)を採用した車両の模式平面図である。
【図9】 図8に示す実施形態における要部拡大模式斜視図である。
【図10】 図1における低位バンパーの前縁突出形状を示す図である。
【図11】 本発明の実施形態3における低位バンパーの制御を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 車両用フロントバンパー装置
2 車両
3 サイドメンバー
4 油圧シリンダ(長期衝撃緩和部材、ストローク型衝撃吸収部材)
5 ピストン
6 低位バンパー
7 高位バンパー
10 コントローラ(調節手段)
11 車速センサ(検出手段)
62 弾性部材(初期衝撃緩和部材、変形型衝撃吸収部材置衝突時変形部材)
Claims (8)
- 車体前面に位置して前記車体に固定され、左右方向中央部が最も前方へ突出する形状を有する高位バンパーと、
前記高位バンパーの下部に位置して前記車体又は前記高位バンパーに固定され、前記高位バンパーの直上部位よりも所定の前方突出長だけ前方へ少なくとも対人衝突時に突出している低位バンパーと、
を備える車両用フロントバンパー装置において、
車速又は衝突衝撃力を検出する検出手段と、
衝撃力を吸収する能力である衝撃吸収能力を調節可能に有して前記低位バンパーと前記車体又は前記高位バンパーとの間に介設されるストローク型衝撃吸収部材と、
検出された車速又は衝突衝撃力に基づいて車速又は衝突衝撃力が大きいほど前記ストローク型衝撃吸収部材の変位を大きくする調節手段と、
を備え、
前記低位バンパーの前記前方突出長は、中央から左右両側部に向かうにつれて次第に縮小することを特徴とする車両用フロントバンパー装置。 - 請求項1記載の車両用フロントバンパー装置において、
前記低位バンパーは、対人衝突初期の衝撃を緩和する初期衝撃緩和部材を有して長期衝撃緩和部材を通じて前記車体又は前記高位バンパーに固定され、
前記初期衝撃緩和部材及び前記長期衝撃緩和部材は、衝撃力を吸収する能力である衝撃力吸収能力をもち、
前記長期衝撃緩和部材の前記衝撃力吸収能力は、前記初期衝撃緩和部材の前記衝撃吸収能力よりも小さく、
前記長期衝撃緩和部材の前記衝撃力吸収時間は、前記初期衝撃緩和部材の前記衝撃吸収時間よりも長いことを特徴とする車両用フロントバンパー装置。 - 請求項2記載の車両用フロントバンパー装置において、
前記初期衝撃緩和部材は、前記低位バンパーの一部又は全部を構成して前記対人衝突時に塑性変形又は弾性変形する変形型衝撃吸収部材からなり、
前記長期衝撃緩和部材は、直線変位又は回動変位することにより低位バンパーを進退させるストローク型衝撃吸収部材からなることを特徴とする車両用フロントバンパー装置。 - 請求項1乃至3のいずれか記載の車両用フロントバンパー装置において、
前記衝突衝撃力を検出する前記検出手段は、前記低位バンパーの前面に設置された感圧センサからなることを特徴とする車両用フロントバンパー装置。 - 請求項1乃至3のいずれか記載の車両用フロントバンパー装置において、
前記衝突衝撃力を検出する前記検出手段は、前記初期衝撃緩和部材を兼ねるか又は前記初期衝撃緩和部材と一体に形成されていることを特徴とする車両用フロントバンパー装置。 - 請求項1乃至5のいずれか記載の車両用フロントバンパー装置において、
車速を検出する検出手段と、
ストローク調節可能なシリンダから構成されて前記低位バンパーと前記車体又は前記高位バンパーとの間に介設されるストローク型衝撃吸収部材と、
検出された車速が所定範囲にある場合に前記ストローク型衝撃吸収部材のストロークを伸長して前記低位バンパーを前進させ、検出された車速が前記所定範囲外にある場合に前記ストローク型衝撃吸収部材のストロークを縮小して前記低位バンパーを後退させる調節手段と、
を備えることを特徴とする車両用フロントバンパー装置。 - 請求項1乃至6のいずれか記載の車両用フロントバンパー装置において、
近接する衝突対象の体格を非接触に検出するリモート型衝突検出センサと、
前記低位バンパーの高さを調節する低位バンパー高さ調節装置と、
を有し、
前記低位バンパー高さ調節装置は、前記リモート型衝突検出センサが検出する前記衝突対象の体格が低いと判断した場合に前記低位バンパーの高さを低下させることを特徴とする車両用フロントバンパー装置。 - 車体前面に位置して前記車体に固定され、左右方向中央部が最も前方へ突出する形状を有する高位バンパーと、
前記高位バンパーの下部に位置して前記車体又は前記高位バンパーに固定され、前記高位バンパーの直上部位よりも所定の前方突出長だけ前方へ少なくとも対人衝突時に突出している低位バンパーと、
を備える車両用フロントバンパー装置において、
近接する衝突対象の体格を非接触に検出するリモート型衝突検出センサと、
前記低位バンパーの高さを調節する低位バンパー高さ調節装置と、
を有し、
前記低位バンパー高さ調節装置は、前記リモート型衝突検出センサが検出する前記衝突対象の体格が低いと判断した場合に前記低位バンパーの高さを低下させ、
前記低位バンパーの前記前方突出長は、中央から左右両側部に向かうにつれて次第に縮小することを特徴とする車両用フロントバンパー装置。
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